JP2000281452A - ガラスセラミックス多層基板の製造方法 - Google Patents

ガラスセラミックス多層基板の製造方法

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JP2000281452A
JP2000281452A JP11088344A JP8834499A JP2000281452A JP 2000281452 A JP2000281452 A JP 2000281452A JP 11088344 A JP11088344 A JP 11088344A JP 8834499 A JP8834499 A JP 8834499A JP 2000281452 A JP2000281452 A JP 2000281452A
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glass
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 焼結時にキャビティ部やスルーホール部周辺
の変形を防ぎ、かつ製造工数を低減し、生産性が向上す
るガラスセラミックス多層基板の製造方法を提供する。 【解決手段】 グリーンシート積層体1のキャビティ部
11、12およびスルーホール部21、22、23、2
4と、Al23グリーンシート4および5の穴部31、
32、41、42、43、44、51、52、53およ
び54とがそれぞれ連通するように、グリーンシート積
層体1の上下両面にAl23グリーンシート4および5
を配置し、圧力を負荷しながら焼成する。これにより、
キャビティ部11、12およびスルーホール部21、2
2、23、24近傍に伝達される荷重が比較的小さくな
り、平面方向に変形する量が限定される。したがって、
キャビティ部およびスルーホール部の変形量が比較的小
さくなり、キャビティ部およびスルーホール部の形状を
高精度に確保することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ガラスセラミック
ス多層基板の製造方法に関し、特にエレクトロニクス用
セラミックパッケージおよび回路基板として用いられる
ガラスセラミックス多層基板の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体装置において、ICチップやLS
Iチップ等の半導体素子は、基板に設けられた半導体素
子搭載部に実装されて実用に供されている。アルミナ等
のセラミックスは耐熱性、耐久性、熱伝導性等に優れる
ため、この基板の材料として適しており、セラミック製
の半導体基板は現在盛んに使用されている。
【0003】しかしながら、アルミナ基板は、比誘電率
が比較的大きいため伝送信号の遅延を生じさせ、また熱
膨張係数がシリコンに比べて大きいため、部品を搭載し
たときの温度変化に対する信頼性を確保するのが困難で
あるという問題があった。さらに、アルミナの焼成温度
は約1600℃と高いため、内層の配線として融点が高
くかつ電気抵抗率の大きいWまたはMoを使用する必要
があり、配線を微細にした場合、配線の電気抵抗値が大
きくなるという問題があった。
【0004】このため、Ag、Cu等の低抵抗配線材料
と同時焼成を行うことができる低温焼成セラミックス基
板の開発が進められており、その中でも比誘電率が比較
的小さいので伝送損失が小さく、かつ熱膨張率がシリコ
ンに近いため、フリップチップ方式による搭載が可能な
ガラスを含有するガラスセラミックス基板が注目されて
いる。このガラスセラミックス基板に用いられるガラス
材料としては、ホウ珪酸系ガラス、MgO−Al23
SiO2系ガラス、CaO−Al23−SiO2系ガラス
等が挙げられ、通常、これらのガラス粉末に骨材を添加
した原料を用いてガラスセラミックス基板が製造され
る。
【0005】また、このようなガラスセラミックス基板
は、基板サイズを縮小し、搭載ボードへの搭載密度を向
上させ、さらに電気特性を向上させるため、一般に複数
枚のガラスセラミックスのグリーンシートを積層および
焼成してガラスセラミックス多層基板が製造される。
【0006】さて、LSI等が高速になり、高密度にな
るにしたがい、セラミックス基板に搭載されるLSI等
とセラミックス基板に形成された配線とのボンディング
法は、従来のワイヤボンディング法からマルチチップ化
や高密度な搭載に適したTAB(Tape Automated Bondi
ng) 方式またはフリップチップ方式が採用されるように
なってきている。したがって、ガラスセラミックス多層
基板に対する要求も基板自身の物性のみでなく、高密度
な搭載に対応することができるように基板の寸法や形状
等についても精密な制御技術が必要となってきている。
【0007】このようなガラスセラミックス多層基板の
寸法等の制御を行う方法として、特表平5―50349
8号公報には、ガラスセラミックスグリーンシートの積
層体の表裏両面にセラミックスからなる剥離層を配置
し、表裏両面から加圧しながら焼成した後、剥離層を除
去する方法が開示されている。前記公報においては、焼
結にともなう平面収縮が低減できることが記載されてい
る。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特表平
5―503498号公報に開示される方法では、ガラス
セラミックスグリーンシートの積層体にキャビティ部が
形成されている場合、積層体両面に重ねるセラミックス
の剥離層を介して加圧するとき、キャビティ部の空隙に
より圧力が伝達されないため、キャビティ部周辺が焼成
時に変形を起こし、回路基板として実用不可能なものと
なる恐れがあった。
【0009】そこで、特開平8―245268号公報に
おいては、キャビティ部を有するガラスセラミックス積
層体の焼結方法が開示されている。この方法では、キャ
ビティ部内にガラスセラミックス積層体よりも焼結温度
の高い無機成分からなる成形体層を形成し、その直上部
分にキャビティ部と同一体積のガラスセラミックス成形
体を配置することにより、キャビティ部とキャビティ部
以外の部分とを同じ体積比の積層構造にすることで、ガ
ラスセラミックスグリーンシート全体の焼成時の収縮挙
動を均一にしている。
【0010】しかしながら、一般にガラスセラミックス
積層体には複数のキャビティ部が形成されており、この
キャビティ部内に正確に無機成分からなる成形体を形成
し、さらにこのキャビティ部直上の正しい位置にガラス
セラミックス成形層を配置するのは複雑な工程である。
このため、特開平8―245268号公報に開示される
方法では、製造工数が増大し、生産性が低下するという
問題があった。
【0011】本発明は、このような問題を解決するため
になされたものであり、キャビティ部やスルーホール部
を有するガラスセラミックス積層体の焼結時にキャビテ
ィ部やスルーホール部周辺の変形を防ぎ、かつ製造工数
を低減し、生産性が向上するガラスセラミックス多層基
板の製造方法を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1記載の
ガラスセラミックス多層基板の製造方法によると、ガラ
スセラミックスよりも焼結温度の高い無機成分を主とし
て含有する成形体にガラスセラミックスのグリーンシー
ト積層体のキャビティ部やスルーホール部に対応する位
置に穴部を形成し、グリーンシート積層体のキャビティ
部やスルーホール部と上記の穴部とがそれぞれ連通する
ように、グリーンシート積層体の上下両面に上記の成形
体を配置し、グリーンシート積層体および成形体を焼成
する。
【0013】本発明によるガラスセラミックス多層基板
の製造方法においては、ガラスセラミックスの原料とな
るガラス粉末や骨材となるセラミックス粉末をボールミ
ルに投入し、さらに粉砕用のボールと共に湿式媒を添加
し、適当な粒径になるように湿式混合粉砕を行うことに
より、ガラスセラミックスの原料粉末が得られる。この
後、前記の湿式媒を除去し、得られた原料粉末にバイン
ダ、分散剤、可塑剤、有機溶媒等を添加して湿式混合を
行い、スラリーを調製する。次に、このスラリーを用い
てドクターブレード法等によりガラスセラミックスグリ
ーンシートを作製する。その後、必要によりビアホール
等を形成し、前記のガラスセラミックスグリーンシート
に配線用の導体ペーストを印刷し、ビアホール部分に導
体ペーストを充填する。これらの工程により作製された
種々のガラスセラミックスグリーンシートを積層してグ
リーンシート積層体を形成することができる。
【0014】ガラスセラミックスグリーンシートは、前
記のガラスセラミックスの原料粉末、有機溶媒、可塑剤
およびバインダ等から構成される。ガラスセラミックス
の原料粉末は、ホウ珪酸系ガラス、MgO−Al23
SiO2系ガラス、CaO−Al23−SiO2系ガラス
等の粉末とAl23等の骨材の粉末を混合したものであ
り、有機溶媒としては、例えばトルエン、キシレン、ア
ルコール類等が挙げられ、可塑剤としては、例えばジブ
チルフタレート、ジオキシルフタレート等が挙げられ、
バインダとしては、例えばアクリル樹脂、ブチラール樹
脂等が挙げられる。これらの混合割合は、ガラスセラミ
ックスの原料粉末100重量部に対し、有機溶媒が20
〜80重量部、可塑剤が1〜5重量部、バインダが5〜
20重量部が好ましい。ガラスセラミックスグリーンシ
ート上に導体含有層を形成する場合、Ag、Cu、A
u、Ag−Pd等が導体材料として用いられる。
【0015】グリーンシート積層体の上下両面に配置す
るガラスセラミックスの焼結温度では焼結しない無機成
分(以下、「ガラスセラミックスの焼結温度では焼結し
ない無機成分」を難焼結性無機成分という)を主成分と
する成形体は、例えば通常のドクターブレード法等によ
り、難焼結性無機成分のグリーンシートを作製すること
ができる。このグリーンシートは、難焼結性無機成分の
粉末、有機溶媒、可塑剤およびバインダ等から構成され
る。
【0016】難焼結性無機成分としては、例えばAl2
3、AlN、MgO、ZrO2、TiO2、BeO、B
N、3Al232SiO2等が挙げられる。有機溶媒と
しては、例えばトルエン、キシレン、アルコール類等が
挙げられ、可塑剤としては、例えばジブチルフタレー
ト、ジオキシルフタレート等が挙げられ、バインダとし
ては、例えばアクリル樹脂、ブチラール樹脂等が挙げら
れる。これらの混合割合は、難焼結性無機成分の粉末1
00重量部に対し、有機溶媒が20〜80重量部、可塑
剤が1〜5重量部、バインダが5〜20重量部が好まし
い。
【0017】グリーンシート積層体の上下両面に難焼結
性無機成分を主成分とする成形体を配置して焼成するこ
とにより、グリーンシート積層体の平面方向にほとんど
収縮しない、寸法精度の良い焼結体が得られる。このと
き、グリーンシート積層体のキャビティ部やスルーホー
ル部と上記の成形体に形成した穴部とがそれぞれ連通す
るように配置することにより、キャビティ部やスルーホ
ール部近傍に伝達される荷重が比較的小さくなり、平面
方向に変形する量が限定される。したがって、キャビテ
ィ部やスルーホール部の変形量が比較的小さくなり、キ
ャビティ部やスルーホール部の形状を高精度に確保する
ことができる。なお、スルーホール部では、上下両面に
配置する上記の成形体の片面にのみ穴部を形成しても、
高精度の形状を確保することができる。
【0018】この結果、キャビティ部やスルーホール部
周辺の変形やキャビティ部底部のクラックの発生を防止
することができ、焼結状態および形状の安定したキャビ
ティ部やスルーホール部を有する良好な回路基板を得る
ことができる。さらに、簡便な工程により寸法精度のよ
い回路基板を製造することができるので、製造工数を低
減し、生産性を向上することができる。
【0019】焼成後、ガラスセラミックス積層体の表面
の難焼結性無機粉末は、例えば、微細なガラス粉末を用
いる一般のショットブラスト処理により、簡便に除去す
ることができる。
【0020】本発明の請求項2記載のガラスセラミック
ス多層基板の製造方法によると、難焼結性無機成分を主
成分とする成形体に形成する穴部の内径は、グリーンシ
ート積層体のキャビティ部やスルーホール部の内径と同
等、あるいはグリーンシート積層体のキャビティ部やス
ルーホール部の内径よりも小さいので、キャビティ部や
スルーホール部の内壁の傾斜を防止し、キャビティ部や
スルーホール部とキャビティ部やスルーホール部以外の
部分との焼成後における厚みがほぼ同一となるように制
御することができる。上記の成形体に形成する穴部の内
径がグリーンシート積層体のキャビティ部やスルーホー
ル部の内径よりも大きいと、焼成時にキャビティ部やス
ルーホール部近傍が上記の穴部内に盛上がり、ガラスセ
ラミックス積層体の表面を平坦にすることができない恐
れがある。
【0021】本発明の請求項3記載のガラスセラミック
ス多層基板の製造方法によると、焼成時にグリーンシー
ト積層体の上下面に圧力を負荷するので、キャビティ部
やスルーホール部の変形量がさらに小さくなる。したが
って、キャビティ部やスルーホール部の形状をさらに高
精度に確保することができ、ガラスセラミックス積層体
の表面を平坦にすることができる。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、本発明の複数の実施例を図
面に基づいて説明する。CaO−Al23−SiO2
ガラスを用いたガラスセラミックス多層基板の製造方法
に本発明を適用した一実施例について、図1および図2
を用いて説明する。
【0023】まず、ガラスセラミックスのグリーンシー
ト積層体の作製方法について述べる。ここで、ガラスセ
ラミックスの原料粉末は、CaO−Al23−SiO2
−B23系のガラス粉末60wt%とAl23粉末40
wt%とを混合した粉体状のセラミックスであり、平均
粒径は約3.5μmである。
【0024】(1) ガラスセラミックス粉体にジオキシル
フタレートの可塑剤と、アクリル樹脂のバインダと、例
えばトルエン、キシレン、アルコール類等の溶剤とを加
え、十分に混練して粘度2000〜40000cpsの
スラリーを作製し、ドクターブレード法によって0.3
mm厚の3枚のガラスセラミックスグリーンシートを形
成する。
【0025】(2) 打ち抜き型やパンチングマシーン等を
用いて、ガラスセラミックスグリーンシートを所望の形
状に加工し、また、複数の所定位置に例えば0.3mm
φのビアホールを打ち抜き形成し、各ビアホールにAg
系導体材料を充填する。また、ガラスセラミックスグリ
ーンシートの表面あるいは裏面に内部配線用のAg、A
g−Pd、Ag−Pt、Ag−Pd−Pt、Cu等の導
体ペーストをスクリーン印刷する。
【0026】(3) それぞれのガラスセラミックスグリー
ンシートを積層して得られたガラスセラミックスのグリ
ーンシート積層体を110℃、100kg/cm2の条
件で熱圧着して一体化する。
【0027】上記の(1)〜(3)の工程により、図2に示す
ガラスセラミックスのグリーンシート積層体1が得られ
る。図2において、グリーンシート積層体1はガラスセ
ラミックスグリーンシート1a、1bおよび1cの積層
体であり、キャビティ部11および12と、スルーホー
ル部21、22、23および24と、配線層3とを有し
ている。キャビティ部11の内径寸法D11=1.0mm
φであり、キャビティ部12の内径寸法D12=0.6m
mφである。また、スルーホール部21の内径寸法D21
=0.6mmφであり、スルーホール部22の内径寸法
22=1.0mmφであり、スルーホール部23の内径
寸法D23=1.0mmφであり、スルーホール部24の
内径寸法D24=0.6mmφである。
【0028】次に、上記の(1)〜(3)で作製されたグリー
ンシート積層体1の焼結方法について説明する。 (4) 予め、Al23粉末に有機溶媒、アクリルバイン
ダ、可塑剤、分散剤を添加し、ボールミルにて混合して
スラリーとし、このスラリーを用いてドクターブレード
法によりAl23グリーンシートを形成しておく。そし
て図1に示すように、上記のAl23グリーンシートに
グリーンシート積層体1の上下両面のキャビティ部1
1、12およびスルーホール部21、22、23、24
に対応する位置に穴部31、32、41、42、43、
44、51、52、53および54を打ち抜き型やパン
チングマシーン等を用いて形成し、Al23グリーンシ
ート4および5を作製する。図1において、穴部31の
内径寸法d11=0.8mmφであり、穴部32の内径寸
法d12=0.4mmφであり、穴部41および51の内
径寸法d21=0.4mmφであり、穴部42および52
の内径寸法d22=0.8mmφであり、穴部43および
53の内径寸法d23=0.8mmφであり、穴部44お
よび54の内径寸法d24=0.4mmφである。したが
って、穴部31、32、41、42、43、44、5
1、52、53および54の内径は、キャビティ部1
1、12およびスルーホール部21、22、23、24
の内径よりもそれぞれ0.2mmだけ小さい。
【0029】(5) 図1に示すように、キャビティ部1
1、12およびスルーホール部21、22、23、24
と穴部31、32、41、42、43、44、51、5
2、53および54とがそれぞれ連通するように、グリ
ーンシート積層体1の上下両面にAl23グリーンシー
ト4および5を配置する。ここで、Al23グリーンシ
ート4および5は、特許請求の範囲に記載された「ガラ
スセラミックスよりも焼結温度の高い無機成分を主とし
て含有する成形体」に相当する。
【0030】(6) 図1に示すように、グリーンシート積
層体1の上下両面にAl23グリーンシート4および5
を配置した後、グリーンシート積層体1の上下面に6k
g/cm2の圧力を負荷しながらグリーンシート積層体
1、Al23グリーンシート4および5を電気式連続ベ
ルト炉を使用して、空気中で900℃、20分の保持条
件で焼成する。なお、導体ペーストがCuの場合は還元
または中性雰囲気で焼成する。 (7) 焼成後、ガラスセラミックス積層体の表面のAl2
3粉末をガラスビーズのブラスト処理等により除去す
る。
【0031】次に、上記の(1)〜(7)で作製されたガラス
セラミックス多層基板のキャビティ部およびスルーホー
ル部の焼結による寸法変化率を表1に示す。表1におい
て、ガラスセラミックス多層基板の検体数n=10であ
り、寸法変化率Rは以下に示す式により算出された。 R(%)=(D0−D1)/D0×100 ・・・ ここに、D0は成形時の初期内径であり、D1は焼成後の
内径である。
【0032】
【表1】
【0033】本実施例においては、表1に示すように、
寸法変化率は8〜14%であり、キャビティ部およびス
ルーホール部の寸法変化率は比較的小さい。また、キャ
ビティ部およびスルーホール部の形状は良好であり、キ
ャビティ部およびスルーホール部の内壁が傾斜するなど
の異常変形はなく、キャビティ部の底部は十分に平坦で
ある。また、スルーホール部24上に、グリーンシート
4または5の一方に穴部44または54を配置した場合
の寸法変化率は10〜13%である。
【0034】次に、比較例によるガラスセラミックス多
層基板の製造方法を図3を用いて説明する。本実施例と
実質的に同一構成部分に同一符号を付す。比較例におい
ては、本実施例で用いたのと同一のCaO−Al23
SiO2系ガラスを用いたガラスセラミックスのグリー
ンシート1a、1bおよび1cによりキャビティ部1
1、12およびスルーホール部21、22、23、24
を有するグリーンシート積層体1を作製した。グリーン
シート積層体1の上下面には、難焼結性のAl23粉末
を主として含有し、穴部を形成していないAl23グリ
ーンシート40および50を配置し、他は本実施例と同
一の焼成方法、条件で焼成した後、本実施例と同一の方
法で表面のAl23粉末を除去した。その結果得られた
比較例のガラスセラミックス多層基板のキャビティ部お
よびスルーホール部の焼結による寸法変化率を表1に示
す。表1において、ガラスセラミックス多層基板の検体
数n=10であり、寸法変化率Rは上記の式により算
出された。
【0035】比較例においては、表1に示すように、寸
法変化率は23〜100%であり、キャビティ部および
スルーホール部の寸法変化率は比較的大きい。また、キ
ャビティ部およびスルーホール部の変形量が比較的大き
く、実用不可能な焼結体となっている。
【0036】一方、本実施例においては、グリーンシー
ト積層体1のキャビティ部11、12およびスルーホー
ル部21、22、23、24と、Al23グリーンシー
ト4および5の穴部31、32、41、42、43、4
4、51、52、53および54とがそれぞれ連通する
ように、グリーンシート積層体1の上下両面にAl23
グリーンシート4および5を配置し、圧力を負荷しなが
ら焼成することにより、キャビティ部11、12および
スルーホール部21、22、23、24近傍に伝達され
る荷重が比較的小さくなり、平面方向に変形する量が限
定される。したがって、キャビティ部およびスルーホー
ル部の変形量が比較的小さくなり、キャビティ部および
スルーホール部の形状を高精度に確保することができ
る。
【0037】以上説明した本発明の一実施例において
は、焼結時の水平方向の収縮を抑制するので、キャビテ
ィ部およびスルーホール部周辺の変形やキャビティ部底
部のクラックの発生を防止することができ、焼結状態お
よび形状の安定したキャビティ部およびスルーホール部
を有する良好な回路基板を得ることができる。さらに、
簡便な工程により寸法精度のよい回路基板を製造するこ
とができるので、製造工数を低減し、生産性を向上する
ことができる。
【0038】本実施例においては、キャビティ部11お
よび12が一段である場合を示したが、本発明において
は、何らこれに限定されるものではなく、キャビティ部
が複数段形成されている場合であっても、本実施例と同
様に焼結させることができる。この場合、難焼結性無機
成分を主成分とする成形体に形成する穴部の内径は、キ
ャビティ部の開口部の内径と同等、あるいはキャビティ
部の開口部の内径よりも小さいことが好ましい。
【0039】本実施例では、キャビティ部およびスルー
ホール部の形状を丸穴形状としたが、本発明では、角穴
形状等、回路基板で用いられる形状のキャビティ部およ
びスルーホール部を有するガラスセラミックス多層基板
を製造可能なことはいうまでもない。また、キャビティ
部あるいはスルーホール部のいずれか一方のみを有する
ガラスセラミックス多層基板を製造することも可能であ
る。また本実施例では、圧力を負荷しながら焼成を行っ
たが、本発明では、圧力を負荷せずに焼成を行ってもよ
い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例によるガラスセラミックス多
層基板の製造方法を説明するための模式的断面図であ
る。
【図2】本発明の一実施例によるガラスセラミックス多
層基板の製造方法を説明するためのものであって、グリ
ーンシート積層体を示す模式的断面図である。
【図3】比較例によるガラスセラミックス多層基板の製
造方法を説明するための模式的断面図である。
【符号の説明】
1 グリーンシート積層体 1a、1b、1c グリーンシート 3 配線層 4、5 Al23グリーンシート 11、12 キャビティ部 21、22、23、24 スルーホール部 31、32、41、42、43、44、51、52、5
3、54 穴部

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ガラスセラミックスのグリーンシートを
    積層して低温焼成工程によって製造されるキャビティ部
    および/またはスルーホール部を有するガラスセラミッ
    クス多層基板を製造する方法であって、 前記ガラスセラミックスよりも焼結温度の高い無機成分
    を主として含有する成形体に前記ガラスセラミックスの
    グリーンシート積層体のキャビティ部および/またはス
    ルーホール部に対応する位置に穴部を形成する工程と、 前記グリーンシート積層体のキャビティ部および/また
    はスルーホール部と前記穴部とがそれぞれ連通するよう
    に、前記グリーンシート積層体の上下両面に前記成形体
    を配置する工程と、 前記グリーンシート積層体および前記成形体を焼成する
    工程と、 を含むことを特徴とするガラスセラミックス多層基板の
    製造方法。
  2. 【請求項2】 前記穴部の内径は、前記グリーンシート
    積層体のキャビティ部および/またはスルーホール部の
    内径と同等、あるいは前記グリーンシート積層体のキャ
    ビティ部および/またはスルーホール部の内径よりも小
    さいことを特徴とする請求項1記載のガラスセラミック
    ス多層基板の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記焼成する工程において、前記グリー
    ンシート積層体の上下面に圧力を負荷することを特徴と
    する請求項1または2記載のガラスセラミックス多層基
    板の製造方法。
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