JP2000280281A - インサート射出成形方法 - Google Patents

インサート射出成形方法

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thermoplastic resin
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Fumiyoshi Takano
文好 高野
Kazuharu Yasuda
和治 安田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 シート状のインサート材料を用いたインサー
ト射出成形において、熱可塑性樹脂とインサート材料間
の強固な一体化力が得られるようにする。 【解決手段】 インサート材料として予め布帛を配置し
た金型内に溶融熱可塑性樹脂を射出充填した後、金型を
加熱することで、溶融熱可塑性樹脂が布帛に浸透し、し
かも布帛の表面側(金型内面側)に押し出されるように
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱可塑性樹脂と複
合化すべきシート状のインサート材料を予め配置した金
型内に溶融熱可塑性樹脂を射出充填して、熱可塑性樹脂
の成形と同時にインサート物との一体化を行うインサー
ト射出成形に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、シート状のインサート材料を用い
たインサート射出成形は、予めインサート材料を配置
し、金型内のインサート材料の裏面側から溶融熱可塑性
樹脂を射出充填し、インサート材料を金型内面に押し付
けた状態で冷却固化を行うことにより、インサート材料
が表面に一体的に設けられた複合射出成形品とすること
で行われている。
【0003】また、OA機器等の筐体として多用されて
いる射出成形品に電磁波(EMI)シールド特性を付与
するために、例えば成形品へのメッキ等が行われている
が、メッキできる樹脂に限りがあり、しかもコストが高
い。このため、インサート材料として金属薄膜(例えば
アルミニウム箔)を用いたインサート射出成形によっ
て、電磁波シールド性を有する複合射出成形品とするこ
とも行われている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、シート状の
インサート材料を用いた従来のインサート射出成形によ
って得られる複合射出成形品は、インサート材料の表面
全面が複合射出成形品の表面に露出したものとなる。こ
の従来のインサート射出成形において、インサート材料
と熱可塑性樹脂間の一体化力は、両者間の融着力や、イ
ンサート材料に予め塗布された接着剤によって得られる
ものとなっている。
【0005】しかしながら、この融着や接着による一体
化では、得られる一体化力に限界がある。このため、使
用する熱可塑性樹脂やインサート材料の材質によって
は、必要な一体化力が得にくくなり、両者間で剥離しや
すくなる問題がある。
【0006】また、シート状のインサート材料を成形品
の三次元形状に沿って一体化する場合、インサート材料
にしわが寄りやすい問題がある。特にアルミ箔等の金属
薄膜の場合、しわが寄りやすいだけでなく、成形品のコ
ーナー部で破れを生じやすくなる。このため、シート状
のインサート材料を用いた複合射出成形品は、主に平板
形状のものが多く、製品が極めて制限されており、電磁
波シールド性を有する安価な製品を製造するための大き
な障害となっている。
【0007】本発明は、このような従来の問題点にかん
がみてなされたもので、特にシート状のインサート材料
を用いたインサート射出成形において、熱可塑性樹脂と
インサート材料間の強固な一体化力が得られるようにす
ることを第1の目的とする。また、本発明は、この第1
の目的に加え、第2に、しわ寄りや破れを生じることな
く、インサート材料を容易に三次元形状に沿って一体化
できるようにすること、第3に、容易に電磁波シールド
性を有する複合射出成形品が得られるようにすることを
目的とするものでもある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記第1の目
的のために、インサート材料として予め布帛を配置した
金型内に溶融熱可塑性樹脂を射出充填した後、金型を加
熱し、次いで金型を冷却することを特徴とするインサー
ト射出成形方法を提供するものである。
【0009】また、本発明は、上記第2の目的のため
に、上記インサート射出成形方法に、伸び性を有する布
帛を用いることと、上記第3の目的のために、導電性材
料が付着した布帛を用いることとを提供するものであ
る。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明において、インサート材料
である布帛の金型内への配置は、一般のインサート射出
成形で行われているように、金型内の所要の位置に予め
固定しておくことで行ってもよいし、フィルム送り装置
を用いて連続的に金型内に送り込むことで行ってもよ
い。
【0011】このような方法により金型内に予め布帛を
配置しておき、型締め後、布帛の片面側から金型内に溶
融熱可塑性樹脂を射出充填する。この溶融熱可塑性樹脂
の射出充填により、布帛は金型の内面に押し付けられる
と共に、溶融熱可塑性樹脂と密着されることになる。
【0012】以上の手順は通常のインサート射出成形と
同様であるが、本発明においては、次いで金型を加熱す
る。この金型の加熱は、布帛との接触や、布帛を介して
の金型内面との接触によって流動性を失いつつある金型
内熱可塑性樹脂の表面層に再び流動性を付与するための
もので、これによって流動化した熱可塑性樹脂は布帛に
染み込むと共に、布帛の目を通って布帛の表面側(金型
内面との接触面側)へと押し出され、布帛表面の一部又
は全面を覆うことになる。そして、このような状態で熱
可塑性樹脂が固化することにより、布帛と熱可塑性樹脂
とが機械的に一体化されて、高い一体化力を得ることが
できる。また、布帛の表面側に出た熱可塑性樹脂で布帛
の表面全面を覆うようにすれば、布帛を熱可塑性樹脂中
に埋設することができ、得られる複合射出成形品の表面
状態を良好なものとすることができる。
【0013】上記金型の加熱は、金型内面温度T1が、
使用する熱可塑性樹脂のビカット軟化点をV1としたと
きにV1−10<T1<V1+30となるように行うこと
が好ましく、更に好ましくはV1<T1<V1+20とな
るように行うことである。加熱温度が低過ぎると熱可塑
性樹脂が布帛の表面へ出にくく、過剰な加熱は成形サイ
クルを遅延させやすい。尚、ビカット軟化点とは、AS
TM・D1525にて測定される値である。
【0014】金型の加熱は、成形効率の低下を押えるこ
とができるよう、急速に行うことが好ましい。瞬間的な
金型の加熱は、赤外線加熱、金型の温度調節媒体流路へ
の高温流体の導入、レーザー光照射等によっても行い得
る。しかし、金型内面付近を選択的かつ確実に急速加熱
しやすいことから、高周波誘導加熱によって行うことが
好ましい。
【0015】上記高周波誘導加熱は、例えば特公昭58
−40504公報に記載されているようなもので、金型
内面外部から加熱する方法と、インダクションコイルを
金型内に埋設し、金型内面を金型内部より加熱する方法
があるが、本発明における金型の加熱は、金型を閉鎖し
た状態で行われることから、インダクションコイルを金
型内に埋設しておき、金型内面を内部から加熱する方法
によって行うことができる。
【0016】更にこの加熱方法について図1及び図2に
基づいて具体的に説明する。
【0017】図1は高周波誘導加熱装置を備えた射出成
形装置の概略図で、1は高周波発振装置、2は固定型2
aと可動型2bとから構成される金型、3は射出機であ
る。高周波発振装置1は、固定型2aと可動型2bとに
接続されている。金型2部分の断面図である図2に示さ
れるように、固定型2aと可動型2bにはそれぞれイン
ダクションコイル4が埋設されており、各インダクショ
ンコイル4に上記高周波発振装置1が接続されているも
のである。
【0018】金型2の内面は、誘導体で構成された金型
内面部材5で形成されており、各インダクションコイル
4はこの金型内面部材5の背面側に配置されている。ま
た、インダクションコイル4が配置された領域の背面側
には非誘導体で構成された遮蔽板6が配置されていて、
金型内面部材5以外の部分が加熱されるのを遮断してい
る。
【0019】上記のような装置を用いると、金型2を閉
鎖した状態において、金型内面部材5を選択的に高周波
誘導加熱することができる。尚、図示される例において
は、固定型2aと可動型2bの両者にインダクションコ
イル4が埋設されているが、布帛を製品の片面側にのみ
設ける場合には、該当する側のみに設けておけば足り
る。
【0020】本発明における金型の加熱は、樹脂保圧を
加えながら行うことが好ましい。この樹脂保圧とは、溶
融熱可塑性樹脂の射出充填完了後も、金型への溶融熱可
塑性樹脂の注入圧力を加えることをいう。この樹脂保圧
を併用することで、金型内における溶融熱可塑性樹脂の
布帛への浸透及び布帛表面への押し出しを促進すること
ができる。
【0021】上述のようにして金型の加熱を行った後は
通常の射出成形と同様に金型を冷却し、熱可塑性樹脂を
冷却固化して複合成形品を得る。この冷却は、布帛の熱
による変質防止並びに成形効率の向上のために、急冷却
とすることが好ましい。
【0022】本発明で用いる布帛は、織布、不織布、編
物のいずれでもよく、また天然繊維及び合成繊維のいず
れで構成されたものでもよい。これらは布帛を複合化す
ることによって得ようとする機能等に基づいて選択すれ
ばよい。
【0023】布帛としては、少なくとも伸び性を有する
ものを用いることが好ましい。この伸び性を有する布帛
を用いると、溶融熱可塑性樹脂の射出充填時に布帛が押
し付けられる金型内面形状が複雑な三次元形状を有する
ものであっても、布帛が部分的に引き伸ばされつつ、こ
の三次元形状に沿って押し付けられることになる。従っ
て、しわが寄ったり破れたりすることなく、布帛を容易
に三次元形状に沿って一体化することができる。
【0024】布帛は、伸び性だけでなく、収縮性をも有
する伸縮性のものでもよいが、多方向にほぼ等しい伸び
性を有するものが好ましい。この多方向へのほぼ均一な
伸び性を有することから、布帛としてはノーバイインダ
ー不織布が好ましく、中でも耐熱性等を兼ね備えること
から、綿製のノーバインダー不織布が最適である。
【0025】布帛に他の有機材料や無機材料を付着させ
ておくことによって、布帛単体では得にくい機能を付加
することができる。この有機材料や無機材料としては、
例えば着色剤、難燃剤、導電材、補強材等を挙げること
ができる。これらの布帛への付着は、布帛への含浸、構
成繊維への被膜化付着、粒状体として構成繊維間への混
入等によって行うことができる。
【0026】導電材を付着させておくと、帯電防止性能
や電磁波シールド特性等を備えた複合射出成形品が得や
すくなる。導電材としては、金属材料、炭素材料等があ
るが、前記金型の加熱時に溶融させることができる低融
点金属材料を用いると、金型の加熱時に当該金属材料を
溶融させ、布帛付近に連続した金属層を形成することが
でき、電磁波シールド特性に優れた複合射出成形品を得
ることができる。特に本発明によれば、表面は熱可塑性
樹脂で覆われた複合射出成形品とすることができるの
で、電磁波シールド特性を有すると同時に表面は絶縁性
を有する、電気・電子製品部材として用いる場合に極め
て好ましい形態の複合射出成形品を効率的に製造するこ
とができる。
【0027】上記金属材料としては、例えば亜鉛、アル
ミニウム、鉄、銅、ニッケル、鉛、ビスマス、等の単体
や合金を用いることができる。特に金型加熱時に溶融可
能な低融点金属材料としては、例えば錫、ビスマス、
鉛、インジウム、アンチモン等の単体や合金を用いるこ
とができる。低融点金属材料の具体的な融点は、得よう
とする機能によっても相違するが、好ましくは200℃
以下、更に好ましくは150℃以下である。
【0028】本発明で使用される熱可塑性樹脂とは、一
般に熱可塑性樹脂と称されるものすべてを示す。例え
ば、ポリスチレンや、ハイインパクトポリスチレン、ミ
デイアムインパクトポリスチレンのようなゴム補強スチ
レン系樹脂、スチレンーアクリロニトリル共重合体(S
AN樹脂)、アクリロニトリルーブチルアクリレートラ
バーースチレン共重合体(AAS樹脂)、アクリロニト
リルーエチレンプロピルラバーースチレン共重合体(A
ES)、アクリロニトリルー塩化ポリエチレンースチレ
ン共重合体(ACS)、ABS樹脂(例えば、アクリロ
ニトリルーブタジエンースチレン共重合体、アクリロニ
トリルーブタジエンースチレンーアルファメチルスチレ
ン共重合体、アクリロニトリルーメチルメタクリレート
ーブタジエンースチレン共重合体)等のスチレン系樹
脂、変性ポリフェニレンエーテル(m−PPE)樹脂、
ポリメチールメタクリレート(PMMA)等のアクリル
系樹脂、低密度ポリエチレン(LDPE)、高密度ポリ
エチレン(HDPE)、ポリプロピレン(PP)等のオ
レフィン系樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン
等の塩化ビニル系樹脂、エチレン塩化ビニル酢酸ビニル
共重合体、エチレン塩化ビニル共重合体等の塩化ビニル
系樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PETP、PE
T)、ポリブチレンテレフタレート(PBTP、PB
T)等のポリエステル系樹脂、ポリカーボネート(P
C)、変性ポリカーボネート等のポリカーボネート系樹
脂、ポリアミド66、ポリアミド6、ポリアミド46等
のポリアミド系樹脂、ポリオキシメチレンコポリマー、
ポリオキシメチレンホモポリマー等のポリアセタール
(POM)樹脂、その他のエンジニアリング樹脂、スー
パーエンジニアリング樹脂、例えば、ポリエーテルスル
ホン(PES)、ポリエーテルイミド(PEI)、熱可
塑性ポリイミド(TPI)、ポリエーテルケトン(PE
K)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリ
フェニレンサルファイド(PSU)等が挙げられる。ま
た、セルロースアセテート(CA)、セルロースアセテ
ートブチレート(CAB)、エチルセルロース(EC)
等のセルロース誘導体、液晶ポリマー、液晶アロマチッ
クポリエステル等の液晶系ポリマー、熱可塑性ポリウレ
タンエラストマー(TPU)、熱可塑性スチレンブタジ
エンエラストマー(SBC)、熱可塑性ポリオレフィン
エラストマー(TPO)、熱可塑性ポリエステルエラス
トマー(TPEE)、熱可塑性塩化ビニルエラストマー
(TPVC)、熱可塑性ポリアミドエラストマー(TP
AE)等の熱可塑性エラストマーを用いることもでき
る。
【0029】本発明における熱可塑性樹脂は、本発明の
成形過程において合成したものでもでもよい。また、上
記熱可塑性樹脂のいずれか一種を用いても、二種以上の
ブレンド体として用いてもよい。
【0030】熱可塑性樹脂は、充填材や添加材等を含有
したものとすることができる。充填材や添加材は無機材
料でもよく、例えば、ガラス繊維、ガラスビーズ、炭酸
カルシウム、マイカ、アスベスト等、鉄、銅、亜鉛、ア
ルミニウム等の金属の粉体、中空体、フレーク状のもの
又はこれらの金属の金属酸化物、金属水酸化物を添加し
たものを用いることができる。
【0031】次に、上述のインサート射出成形方法によ
って得られる複合射出成形品について説明する。
【0032】図3は、本発明に係る複合射出成形品の一
例を模式的に示す断面図で、図中7a,7bは熱可塑性
樹脂、8は布帛である。
【0033】図示されるように、複合射出成形品の表面
付近に布帛8が配置されており、この布帛8の表面は、
布帛8の目9を介して布帛8の背面側の熱可塑性樹脂7
bと一体に連なった熱可塑性樹脂7aで覆われている。
布帛8の表面側の熱可塑性樹脂7aは、前述した金型の
加熱時に、布帛8の目9を通って布帛8の背面側から押
し出されたものである。
【0034】上記のように、本発明によって得られる複
合射出成形品は、一連に連なった熱可塑性樹脂7a,7
b間に布帛8が挟まれた状態となり、布帛8と熱可塑性
樹脂7a,7bが機械的に一体化されていることから、
高い一体化力が得られるものである。
【0035】尚、図示される例においては、布帛8の表
面全面が熱可塑性樹脂7aで覆われているが、複合射出
成形品の用途等によっては、熱可塑性樹脂7aが、布帛
8表面の一部を部分的に覆うものとすることもできる。
また、前述の低融点金属材料を付着させた布帛8を用い
た場合、布帛8の表面側に金属層(図示されていない)
が形成された、優れた電磁波シールド性を有する複合射
出成形品となる。
【0036】
【実施例】以下、実施例により本発明を更に詳細に説明
するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0037】実施例1 図1と図2で説明したような、高周波誘導加熱装置付の
射出成形装置を用いてインサート射出成形を行った。
【0038】布帛としては、コットン100%の純粋脱
脂綿をウオータージェットで交絡させたノーバインダー
不織布(千代田製紙製「コットンシーガル」)を使用
し、この布帛に低融点金属材料(錫、ビスマス、アンチ
モンの合金:融点130℃)をドープセメントに溶融し
た粉末を担持させたものを用いた。
【0039】熱可塑性樹脂としては、ABS樹脂(旭化
成工業製「スタイラック191F」)を用いた。
【0040】金型は、通常の冷媒水を用いる温調機で6
0℃に温度設定し、射出成形機のシリンダー温度は、樹
脂温度が240℃になるように設定した。
【0041】まず、金型を開放した状態で、低融点金属
材料を担持させた布帛を金型キャビティ内に配置し、次
いで金型を閉鎖した後、溶融熱可塑性樹脂を金型内に射
出充填した。射出充填完了後直ちに周波数25KHz、
出力15KWで20秒間の発振を行い、高周波誘導加熱
にて金型を150℃まで加熱し、その後金型を冷却して
複合成形品を取り出した。
【0042】得られた複合射出成形品は外観が良好で、
表面は熱可塑性樹脂で覆われ、布帛が内部に埋設されて
いた。また、得られた複合射出成形品の表面は、光沢の
ある金属色を呈していた。
【0043】得られた複合射出成形品表面の熱可塑性樹
脂層を一部破壊して導電性を測定したところ、抵抗値は
7Ω・cmであった。また、布帛に対して細幅(1.0
mm幅)で切れ目を入れ、布帛の剥離発生の有無を調べ
るクロスカットテストを行ったところ、100箇所中1
箇所の剥離も発生せず、布帛と熱可塑性樹脂とが十分密
着一体化されていることが確認された。
【0044】実施例2 実施例1と同様の布帛に、亜鉛/アルミ=55/45%
の線材をアーク溶射にて吹き付けて付着させたものを用
いた他は実施例1と同様にして同様のインサート射出成
形を行った。
【0045】得られた複合射出成形品の外観は実施例1
と同様であった。また、表面の熱可塑性樹脂層を一部破
壊して導電性を測定したところ、抵抗値は6Ω・cm
で、クロスカットテストの結果は実施例1と同様であっ
た。
【0046】実施例3 布帛として、バインダーを用いた通常の綿不織布を使用
した以外実施例と同様にして同様のインサート射出成形
を行った。
【0047】複合射出成形品が平板の場合には実施例1
と同様の複合射出成形品が得られたが、大きな三次元形
状を付けるに従って布帛にしわが寄ったり布帛が破れや
すくなり、得られる複合射出成形品の外観が損なわれや
すくなった。
【0048】比較例1 高周波誘導加熱を行わなかった点を除いて実施例1と同
様にして同様のインサート射出成形を行った。
【0049】得られた複合射出成形品は、布帛が表面に
露出しており、クロスカットテストの結果100箇所中
50箇所の剥離が生じ、布帛と熱可塑性樹脂の密着力が
弱いものであった。
【0050】
【発明の効果】本発明は、以上説明した通りのものであ
り、熱可塑性樹脂と布帛が強固に一体化された複合射出
成形品を得ることができる。また、得られる複合射出成
形品の表面に布帛が露出しないよう、容易に制御するこ
ともできる。更に、布帛として伸び性のあるものを用い
ることにより、布帛のしわ寄りや破れを生じることな
く、布帛を容易に三次元形状に沿って一体化でき、しか
も布帛に導電材料を付着させておけば、容易に電磁波シ
ールド性を有する複合射出成形品が得られるものであ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るインサート射出成形に用いる高周
波誘導加熱装置付の射出成形装置の概略図である。
【図2】図1における金型部分の断面図である。
【図3】本発明によって得られる複合射出成形品の一例
を模式的に示す断面図である。
【符号の説明】
1 高周波発振装置 2 金型 2a 固定型 2b 可動型 3 射出機 4 インダクションコイル 5 金型内面部材 6 遮蔽板 7a 熱可塑性樹脂(布帛の表面側) 7b 熱可塑性樹脂(布帛の背面側) 8 布帛 9 布帛の目
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4F202 AD08 AD16 AE03 AH42 AK11 CA11 CB01 CB12 CN01 CN05 CN15 CN19 4F206 AD08 AD16 AE03 AH42 AK11 JA07 JB12 JF05 JQ81

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シート状のインサート材料を用いた熱可
    塑性樹脂のインサート射出成形であって、インサート材
    料として予め布帛を配置した金型内に溶融熱可塑性樹脂
    を射出充填した後、金型を加熱し、次いで金型を冷却す
    ることを特徴とするインサート射出成形方法。
  2. 【請求項2】 金型の加熱を高周波誘導加熱によって行
    うことを特徴とする請求項1のインサート射出成形方
    法。
  3. 【請求項3】 金型の加熱を、金型内に樹脂保圧を加え
    た状態で行うことを特徴とする請求項1又は2のインサ
    ート射出成形方法。
  4. 【請求項4】 伸び性を有する布帛を用いることを特徴
    とする請求項1〜3いずれかのインサート射出成形方
    法。
  5. 【請求項5】 導電性材料が付着した布帛を用いること
    を特徴とする請求項1〜4いずれかのインサート射出成
    形方法。
  6. 【請求項6】 導電性材料が、金型の加熱時に溶融可能
    な低融点金属であることを特徴とする請求項5のインサ
    ート射出成形方法。
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