JP2000280022A - 金属ストリップのスリット設備 - Google Patents
金属ストリップのスリット設備Info
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Abstract
ットラインにおいて、スリット材の相互干渉を起こさす
ことのない金属ストリップのスリット設備を提供するこ
とを目的とする。 【手段】 金属ストリップをスリットするスリッター
と、該スリッターの後面側に配置されたデフレクターロ
ールと、スリット材を巻き取るテンションリールとを有
する金属ストリップのスリット設備であって、前記デフ
レクターロールの前後に配設されたセパレーターロール
からなる、スリット材相互干渉防止装置を有し、かつ前
記セパレーターロールが軸方向に滑動可能であるものと
する。
Description
スリット設備に係り、特にワンテンションリールのスリ
ッター設備において多条取りによってスリットを行う場
合におけるスリット材の相互干渉を防止しうる金属スト
リップのスリット設備に関する。
属ストリップはユーザーの希望に応じ所定巾にスリット
して出荷される。近年では、圧延終了時の鋼帯幅が広
く、それに対してユーザーの要求するスリット製品巾が
相対的に狭いため、いわゆる圧延終了時の鋼帯を2条以
上にスリットする多条取りが行われることが多い。
伸びあるいは中伸びなどの形状不良があると、スリット
された条材(以下スリット材という)がせり込み、テン
ションリールでスリット材が重なり合って巻き取られる
ことが起こりうる。かかる事態を防止するための手段と
して、多条にスリットされたスリット材をルーピングピ
ットを通して、一時的に張力の掛からない状態とし、そ
の後スリット材を仕切を設けたテンションパッドにより
押さえつけてテンションリールとの間で張力を確保しな
がら通板する方法がとられている。また、巻取りのため
のテンションリールを各スリット材用に複数設置し、ス
リット後のパスラインをスリット材ごとに独立させる方
法もしばしば用いられる。
ンをスリット材ごとに制御可能な特殊ロールをスリッタ
ーの後に設ける方法が特開平3−5017号公報などに
記載されている。さらに、特開平10−202420号
公報には、金属ストリップを幅方向に分割するに際し、
2組のスリット刃からなるスリッターナイフを用いて中
抜きしつつスリットするストリップの幅方向分割方法お
よび装置が示されている。
ルーピングピットを通す方法では、ルーピングピットの
通板時に異物が付着しやすく、下流のテンションパッド
部での押さえつけ、ブライドルロールの通板時などにお
いて異物起因の疵が多発する傾向がある。また、ブライ
ドルロールからテンションロール間には巻き取りに必要
な張力を付与しているので、ブライドルロール部で張力
が急変し、その結果、ストリップ疵が発生しやすいとい
う問題もある。さらに、ルーピングピットはかなりの空
間を専有するため、元々多条取りに用に設計されて建設
された設備はともかく、それ以外の、例えば通常の精整
設備を多条取りに改造することは困難であった。また、
テンションパッドのパッド部は消耗が速いため操業コス
トが高くなるという問題も有していた。
法や、特開平3−5017号公報に開示されているよう
な、特殊なロールを用いる方法では、スリットする条数
やスリット幅の変更に対応するのが困難である。また、
ラインもしくはロール機構が複雑になるため設備にある
程度の空間を必要とし、必然的に設備費も高価なものと
なる。
0号公報に開示された手段によれば解決されるが、中抜
きをするためには1条のスリットに対し2組のスリット
刃を必要とし、スリット刃の原単位が高くなるばかり
か、鋼帯が中抜き部のため屑化され、歩留まりが低下す
るといういう問題もある。
を解決することを目的としてなされたもので、ルーピン
グピットや複雑なロール機構を介さず、いわゆるワンテ
ンションリールの金属ストリップのスリットラインにお
いて、簡単な設備構成でスリット材の相互干渉を回避す
ることのできる金属ストリップスリット設備を提供する
ことを目的とする。また、本発明は、かかるスリット設
備において返り取りに用いるマッシャーロールを本発明
に適合するよう改善し、その効果を一層享受できるよう
にするものである。
相互干渉(せり込みともいう)の原因について調査し、
デフレクターロールの前後にスリット材の幅方向の振れ
に応じてスライド可能なセパレータロールを配置するこ
とに着想し、本発明を完成した。すなわち、本発明の金
属ストリップのスリット設備は、金属ストリップをスリ
ットするスリッターと、該スリッターの後面側に配置さ
れたデフレクターロールと、スリット材を巻き取るテン
ションリールとを有する金属ストリップのスリット設備
であって、前記デフレクターロールの前後に配設された
セパレーターロールからなる、スリット材相互干渉防止
装置を有し、かつ前記セパレーターロールが軸方向にス
ライド可能である。
ールの後面側に配設されるセパレーターロールをスリッ
ト材の上面側に回転軸を有し、かつスリット材の通板面
の変化に追随して上下するものを好適とし、これにより
スリット材の巻き取りの進行に伴いテンションリールの
巻き取り径が大きくなり、デフレクターとテンションリ
ールの間で通板面が変動してもセパレーターロールを容
易にスリット材に追随させることができるようすること
ができる。
レーターロールのスリット材通板面への追随は、セパレ
ーターロールを上下方向に滑動自在に構成し、自重でス
リット材に押圧させるようにすると、設備が簡便で、か
つ押圧が比較的安定するため、特に好適である。
ト設備は、スリッターの出側にマッシャーロールを有
し、該マッシャーロールはスリット材幅方向に位置を変
更可能であるように構成して返りのないスリット材を相
互干渉なく巻き取ることができるようにするのがよい。
き具体的に説明する。図1は本発明の金属ストリップス
リット設備における装置の配置を示す平面図である。こ
こに示すように、本発明では金属ストリップSは、スリ
ッター10により多条取りされ、マッシャーロール20
により剪断返り取りをされ、剪断機(シャー)30によ
り先後端を切断された後、デフレクータロール前面側セ
パレータロール40によりスリット材の間に間隔を設
け、デフレクターロール50を通した後、デフレクータ
ロール後面側セパレータロール60を経てテンションリ
ール70により巻き取られるようになっている。本発明
の特徴は、第1にデフレクターロール50の前面側と後
面側にそれぞれ軸方向にスライド可能なセパレーターロ
ール40および60を、スリット材干渉防止装置として
配置したことにある。
よび60は、スリット面に当接するフランジ部がセパレ
ーターロールの軸方向、すなわちスリット材の幅方向に
スライドできるようにする。そのための機構の1例を図
2および図3に示す。
および60には、それぞれ適当数のスライドフランジ4
1(41a〜41f)、61(61a〜61f)を設
け、スリット材S(S1〜S5)がそのスリット面をフ
ランジ側面に当接しながら通板できるようにする。本例
においては、スライドフランジ41は、ロール軸42お
よび62上を摺動可能なスライドリング43(43a〜
43f)と一体になっており、スリット幅に合わせた所
定の位置までロール軸42、62上を移動させた後、該
ロール軸に対して固定する。固定手段は図示しないが、
例えば、リングを貫通するボルト穴を設けてボルトで締
める方法や、リング径をぼると等で調節可能として固定
時にはリングが軸を締め付けるようにに調整する方法を
とればよい。なお、きまったスリット幅での作業が多い
場合には、スライドリング43を焼き嵌め等の手段によ
りあらかじめ固定したロール軸を複数準備し、スリット
材の幅に応じて使い分けるようにしてもよい。
置に固定したロールを、軸受44に、軸方向にスライド
可能に固定する。すなわち、軸受44はロール軸を差し
込んだだけの状態でロールを支え、ロール軸の上下動も
しくは前後動は制限するものの、軸方向にはある程度自
由に移動可能とする。
ップに腹伸びや中伸びがありそのためスリット材が幅方
向に曲がることがあっても、曲がりに応じてセパレータ
ーロール40が軸ごと追随する。このため、無理にパス
ラインを戻すことなくスリット材S1〜S5の間隔が確
保できる。セパレーターロールが幅方向に追随しないよ
うにすると、セパレーターロールにより全スリット材の
パスラインを強制的に変更することとなり、セパレータ
ーロール通過後にパスラインが乱れてスリット材同士が
干渉する危険を生じる。
(42、62)にセットされた状態でスリット材Sに追
随させるようにする代わりに、各スライドフランジ41
が軸上を滑動可能に構成することも可能である。この場
合は前記スライドリング43をロール軸(42、63)
に対して締め付けなければよい。ただし、この場合は、
スライドフランジの間隔が変動するため、間隔の広がり
によって隣接するスリット材(S1〜S5)のパスライ
ンが強制的に変更させられる可能性があり、前述のロー
ル軸にセットされた状態で移動する場合の方が好適であ
る。
ットを行い、テンションリール70に巻き取っていく
と、テンションリール70上に巻き取られたスリット材
の外径は次第に大きくなる。一方、デフレクターロール
50の位置は一定であるから、デフレクタロール50と
テンションリール70との間ではパスラインが巻き取り
の進行に応じて変化し、デフレクターロール50の後面
ではセパレータロール60がスリット材を案内できない
場合も生じうる。そのため本発明においては、デフレク
タロール後面側セパレータロール60をスリット材のパ
スラインの変化に追随して上下できる機構を備えるよう
にするのがよい。
例では後面側セパレーターロール60の軸62を支える
軸受64は、軸受スタンド65によって、上下動自由に
支持されている。この構成により、セパレーターロール
60の自重によりスリット材のパスライン高さまでセパ
レーターロール60が垂下できる。セパレーターロール
60は素材を選定して、スリット材への押圧が適正とな
るよう重量を設計することが好ましく、おおむね50〜
200kg程度とすることが好ましい。なお、図4にお
いてスライドフランジ61の配置は等幅2条取りの場合
を示し、したがって軸方向に1個配置され、スリット材
Sを傷めないためにスライドリングに代わりロール基部
63を設けてある。
えるために軸受64およびその下面設定された支持部6
7の間にばね等の弾性体66を設けてもよい。この場合
はばねの強度およびロールの重量を調節し、スリット材
への押圧が適正となるようにする。この構成では、押圧
の調整がより容易である。
も、スリット材が通板されていない場合には、軸62を
所定高さに保持する支持手段を設けてもよい。また、セ
パレーターロール40および60は駆動ロールとしても
無駆動ロールとしてもよい。
もスリット材の幅方向に位置を変更できることとし、上
記スライド可能なセパレータロールによるスリット材の
幅方向への移動に対応できるようにする。そのための機
構の1例を図5に示す。
21(21a〜21c)、移動軸28、ガイド軸29か
らなり、移動軸28およびガイド軸29は、図6(b)
に示すロールユニット支持部218を介して、ロールユ
ニット21(21a〜21c)を幅方向移動可能に支持
しており、移動軸28には必要な範囲にわたり、ねじ切
り部が設けられている。本例ではねじ切り部は移動軸2
8の全面に設けられている。
ル押圧棒211(211a〜211c)とその先端にロ
ール支持部212(212a〜212c)を介して軸回
転自由に支持されたロール部213(213a〜213
c)を有し、これらは保持枠214(214a〜214
c)に、ばねなどの弾性体215(215a〜215
c)による押圧力をロール押圧棒211にねじを結合し
た押さえ板217(217a〜217c)を介して付与
され取り付けられている。マッシャーロールの押圧力
は、調節ナット216(216a〜216c)を回して
押さえ板217の位置を変更することによって調節され
る。
ト21を軸方向に移動させる方法は、両端部のユニット
(21a、21c)と中央部のユニット(21b)とで
異なる。両端部のユニット(21a、21c)について
は、移動軸28の両端部近辺に雄ねじを切ったねじ切り
部281を設け、一方、ロールユニット支持部218に
は移動軸28のための貫通穴219には雌ねじを切って
おく。これらのねじの方向は両端部において逆に切る。
この構成により、移動軸に設けたハンドル283を用い
て移動軸を回転させると、両端のロールユニット21
a、21cはねじ山に沿って、互いに間隔を広げる側、
もしくは互いに間隔を狭める側に移動する。直前のトリ
マーによって、スリット前の金属ストリップのパスライ
ンは正規の位置に制御されているので、上記間隔を金属
ストリップの幅とおおむね等しくなるように設定するこ
とにより、スリット材の最端部に両側のマッシャーロー
ルユニット21a、21cを位置させることができる。
は、その支持部218の貫通穴219の径を移動棒28
のねじ山よりやや大きくあけて自由に移動棒28上をス
ライドできるようにする。そしてスリット材Sの端部位
置まで手動でスライドした後、その位置で両側に設けた
ナット284により固定する。ナット284はたとえば
ダブルナットとして固定を完全にするのがよい。
シャーロール位置を合わせることができる。なお、この
例では両端以外のマッシャーロールユニットは1基であ
るが、無論、複数基配置してもよい。
ルの前後面に軸方向移動を不可としたセパレータロール
を設置した場合に、スリット材の相互干渉が70%程度
発生していたものが、本発明を実施することにより、5
%程度に激減した。また、マッシャーロールをスライド
可能とすることにより、刃返りの高さ(いわゆるバリの
高さ)を従来の70〜120μm程度から10〜70μ
mと低くすることができた。
基づいて説明したが、本発明の実施形態は上記に限られ
ず、発明の技術的思想を逸脱しない範囲で、多様な実施
形態をとりうる。例えば、セパレーターロールフランジ
のスライド機構はその目的を達する限りいかなる形式を
とってもよい。また、デフレクターロール面側セパレー
タロールの昇降機構は図示したものに限られず油圧装置
によって上下するようにしてもよい。それのみならず、
例えばテンションリールを上下することによってスリッ
ト材のパスラインが一定になるようにし、上記追随機構
を省略してもよい。また、マッシャーロールのスライド
機構についても、種々の形態をとりうる。
りしワンテンションリールのリコイリングラインによっ
て巻き取る際に発生するスリット材の相互干渉をほぼ完
全に防止することができた。また、コイル端面に発生す
る返りを、スリット材が幅方向に振れるにもかかわらず
ほぼ完全に除去できるようになった。なお、本発明はワ
ンテンションリールのラインに適用可能であり、また従
来のスリットラインの如くルーピングピット、テンショ
ンパッドやその他の複雑なロール機構等を要しないた
め、設備コストや操業コストがかからず、また1条用の
設備を容易に改造して多条取りラインとすることができ
るという効果もある。
装置の配置を示す平面図である。
ある。
を示す断面図である。
上下移動機構を示す断面図である。(a)は平面図、
(b)は正面図、(c)は側面図である。
上下移動機構の他の実施形態を示す断面図である。
イド機構を示す断面図である。(a)は正面図、(b)
は側面図である。
Claims (3)
- 【請求項1】 金属ストリップをスリットするスリッタ
ーと、該スリッターの後面側に配置されたデフレクター
ロールと、スリット材を巻き取るテンションリールとを
有する金属ストリップのスリット設備であって、 前記デフレクターロールの前後に配設されたセパレータ
ーロールからなるスリット材相互干渉防止装置を有し、
かつ前記セパレーターロールが軸方向にスライド可能で
あることを特徴とする金属ストリップのスリット設備。 - 【請求項2】 デフレクターロールの後面側に配設され
るセパレーターロールはスリット材の上面側に回転軸を
有し、かつスリット材の通板面の変化に追随して上下す
るものであることを特徴とする請求項1記載の金属スト
リップのスリット設備。 - 【請求項3】 スリッターの出側にマッシャーロールを
有し、該マッシャーロールはスリットの幅方向に位置変
更が可能であることを特徴とする請求項1又は2記載の
金属ストリップのスリット設備。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP08769799A JP3846097B2 (ja) | 1999-03-30 | 1999-03-30 | 金属ストリップのスリット設備 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP08769799A JP3846097B2 (ja) | 1999-03-30 | 1999-03-30 | 金属ストリップのスリット設備 |
Publications (2)
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JP2000280022A true JP2000280022A (ja) | 2000-10-10 |
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Family
ID=13922129
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP08769799A Expired - Fee Related JP3846097B2 (ja) | 1999-03-30 | 1999-03-30 | 金属ストリップのスリット設備 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP3846097B2 (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005047704A (ja) * | 2003-07-31 | 2005-02-24 | Jfe Steel Kk | 金属ストリップのスリット設備 |
JP2006263738A (ja) * | 2005-03-22 | 2006-10-05 | Nisshin Steel Co Ltd | スリッター用セパレーターの位置調整装置 |
JP2007167859A (ja) * | 2005-12-19 | 2007-07-05 | Nippon Steel Corp | マッシャー装置 |
-
1999
- 1999-03-30 JP JP08769799A patent/JP3846097B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2005047704A (ja) * | 2003-07-31 | 2005-02-24 | Jfe Steel Kk | 金属ストリップのスリット設備 |
JP2006263738A (ja) * | 2005-03-22 | 2006-10-05 | Nisshin Steel Co Ltd | スリッター用セパレーターの位置調整装置 |
JP4731963B2 (ja) * | 2005-03-22 | 2011-07-27 | 日新製鋼株式会社 | スリッター用セパレーターの位置調整装置 |
JP2007167859A (ja) * | 2005-12-19 | 2007-07-05 | Nippon Steel Corp | マッシャー装置 |
JP4516913B2 (ja) * | 2005-12-19 | 2010-08-04 | 新日本製鐵株式会社 | マッシャー装置 |
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Publication number | Publication date |
---|---|
JP3846097B2 (ja) | 2006-11-15 |
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