JP2000279512A - 医療用材料および製造方法 - Google Patents

医療用材料および製造方法

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JP2000279512A JP11088207A JP8820799A JP2000279512A JP 2000279512 A JP2000279512 A JP 2000279512A JP 11088207 A JP11088207 A JP 11088207A JP 8820799 A JP8820799 A JP 8820799A JP 2000279512 A JP2000279512 A JP 2000279512A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】各種のカテーテル、ガイドワイヤー、人工血
管、血液透析膜、内視鏡などの医療材料に適する長期に
わたり優れた抗血栓性および生体適合性を発現する医療
用材料とその製造方法を提供する。 【解決手段】基材(A)の表面に、下記の一般式(1) 【化1】 (ただし、式中、R1、R2およびR3は、同一でも異な
る基であってもよく、水素原子、または炭素数1〜4の
1価の炭化水素基を示す。またnは2〜4の整数を示
す。)で表される基を側鎖に有する単量体とヘパリン若
しくはヘパリン誘導体と結合可能な基を有する単量体に
基づく共重合体(B)と、ヘパリン若しくはヘパリン誘
導体(C)より構成される被覆層が形成されてなること
を特徴とする医療用材料。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、医療用材料とその
製造方法に関する。更に詳しくは 長期にわたり優れた
抗血栓性および生体適合性を発現する医療用材料とその
製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】現在臨床で使用されているポリエチレ
ン、ポリプロピレン、ポリウレタン、ナイロン、ポリ塩
化ビニルなどの医療用材料は、単に工業用材料を転用し
たものであった為に、血液適合性に関しては決して十分
とは言えず、血液との接触により材料表面で血液が凝固
して血栓が形成される問題があった。血栓が形成される
と血流を停止させたりあるいは生成した血栓が血流と共
に移動し、肺血栓症、脳血栓症、心筋梗塞、静脈炎など
の合併症を引き起こすため危険性が多大である。従っ
て、これらの医療用材料を実際に使用する場合には、ヘ
パリンなどの抗凝固剤を全身投与し、血栓形成を防止す
るのが一般的であるが、そのような抗凝固療法を長期に
わたり行った場合、それに起因する肝臓障害、出血時間
の延長あるいはアレルギー反応等の様々な副作用が現れ
ることが知られている。これらの課題を解決する為に、
近年ヘパリンを材料に適用する試みが種々なされてい
る。ヘパリンを材料に適用する方法としては、4級窒素
を表面に有する材料にヘパリンをイオン的に結合させる
方法、あるいは、材料表面に化学結合によりヘパリンを
結合させる方法が知られている(医学のあゆみ、第10
5巻、第5号、352頁−362頁、1978年)。
【0003】しかしながら、ヘパリンをイオン的に結合
させた材料は、ヘパリンが血液中に短期間に流出して抗
血栓性が長時間持続しない問題があった。また、ヘパリ
ンの抗凝固作用は、アンチトロンビンIIIとコンプレッ
クスを形成してトロンビン活性を阻害することにより発
現するので、ヘパリンを化学結合により固定化した材料
においても、アンチトロンビンIIIとのコンプレックス
形成によりヘパリンが化学量論的に消費された後、もし
くは、血液中の分解酵素等によりヘパリンが分解された
後では、抗血栓性を失ってしまい、この場合においても
長期にわたる良好な血液適合性の発現は望めなかった。
【0004】一方、医療用材料に血液適合性を付与する
方法として、リン脂質極性基を有する材料を用いる試み
もある。例えば、特開昭54−63025号公報には、
2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン(以
後、MPCと略す。)が血液適合性を付与する単量体と
して開示されている。リン脂質極性基であるホスホリル
コリン基を有する高分子が血液凝固を有効に抑制するの
は、この高分子表面が生体膜に類似しており、表面に血
漿タンパク質が吸着されず、血小板の粘着、活性化など
が誘起されないためであると考えられている〔生体材
料、8,231−237(1990),J.Biome
d.Mater.Res.,25,1397−1407
(1991)〕。また、特表平7−502053号公報
には、ホスホリルコリン基等の両性イオンを有する単量
体を構成成分として含有する重合体を基材の表面に用い
て生体適合性を付与する技術が開示されている。またさ
らに、特開平9−20814号公報には、中性希釈剤
モノマーとホスホリルコリン基等の両性イオン性基を
有する単量体および架橋剤モノマーの三種類を配合し
て重合させることによって得られる架橋ポリマーが優れ
た生体適合性を示すことが開示されている。
【0005】しかし、臨床現場で医療用具を用いる場合
には皮膚の切開、血管の切開などの外科的な刺激が伴
う。こうした刺激により血液成分が活性化される場合に
は、前記のMPCポリマーを被覆した極めて血液適合性
の良い材料を用いても、血栓形成を完全に抑制すること
は困難である。MPCのポリマーとヘパリン若しくはヘ
パリン誘導体と組み合わせ用いた技術は知られていな
い。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の第1の目的
は、前記課題を解決し、手術時における外科的な侵襲に
伴う血液成分の活性化を抑制するとともに、長期使用に
おいても優れた血液適合性を発揮する医療用材料を提供
することにある。本発明の第2の目的は、前記の医療用
材料の製造方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するために鋭意検討を行った結果、リン脂質極性
基を側鎖に有する重合体と抗凝血剤であるヘパリン若し
くはヘパリン誘導体の双方より構成される被覆層が基材
表面に形成された医療用材料は、短期は勿論であるが長
期使用においても優れた抗血栓性を発現することを見出
した。即ち、前記医療用材料においては、ヘパリン若し
くはヘパリン誘導体が医療用具の体内への挿入等に伴う
外科的な刺激に対する血液成分の活性化を抑制し、また
ヘパリン若しくはヘパリン誘導体の消費後の生理的平衡
化における抗血栓性に関しては、リン脂質極性基が担う
ために、手術中から医療用具を体外に抜去するまでの何
れの期間においても優れた血液適合性が維持される知見
を得て、本発明を完成するに至った。即ち、本発明は、
次の[1]〜[6]である。
【0008】[1]基材(A)の表面に、下記の一般式
(1)
【0009】
【化4】
【0010】(ただし、式中、R1、R2およびR3は、
同一でも異なる基であってもよく、水素原子または炭素
数1〜4の1価の炭化水素基を示す。またnは2〜4の
整数を示す。)で表される基を側鎖に有する単量体とヘ
パリン若しくはヘパリン誘導体と結合可能な基を有する
単量体に基づく共重合体(B)と、ヘパリン若しくはヘ
パリン誘導体(C)より構成される被覆層が形成されて
なることを特徴とする医療用材料。
【0011】[2]Bの共重合体が、下記の一般式
(2)
【0012】
【化5】
【0013】{ただし、式中、R1、R2およびR3は、
同一でも異なる基であってもよく、水素原子、または炭
素数1〜4の1価の炭化水素基を示す。またnは2〜4
の整数を示す。またR4は−(GO)m−G−基(ここ
でGは炭素数1〜20の炭化水素基、mは0〜10の整
数)、R5は水素原子またはメチル基を示す。}で表さ
れる単量体を組成比が1モル%〜99モル%、ヘパリン
若しくはヘパリン誘導体と結合可能な基を有する単量体
0.1〜95モル%を含んでなる単量体組成物を重合し
てなる重合体である前記の医療用材料。
【0014】[3]基材表面にCのヘパリン若しくはヘ
パリン誘導体の固定化する量が、表面分析をX線光電子
分光法で行い、一般式(1)で表される基を有する共重
合体に由来するリン原子に対するヘパリンに由来する硫
黄原子の割合(S/P)が0.01以上である前記の医
療用材料。
【0015】[4]Bの共重合体とCのヘパリン若しく
はヘパリン誘導体との固定化の際の結合方式がイオン結
合である前記の医療用材料。
【0016】[5]Bの共重合体とCのヘパリン若しく
はヘパリン誘導体との固定化の際の結合方式が共有結合
である前記の医療用材料。
【0017】[6]前記の医療用材料の製造方法であっ
て、基材(A)の表面に、一般式(1)
【0018】
【化6】
【0019】(ただし、式中、R1、R2およびR3は、
同一でも異なる基であってもよく、水素原子または炭素
数1〜4の1価の炭化水素基を示す。またnは2〜4の
整数を示す。)で表される基を側鎖に有する単量体と、
ヘパリン若しくはヘパリン誘導体と結合可能な基を有す
る単量体に基づく共重合体(B)を固定し、ついで、ヘ
パリン若しくはヘパリン誘導体(C)をさらに固定する
ことを特徴とする医療用材料の製造方法。
【0020】
【発明の実施の形態】本発明で用いられるAの基材は特
に限定されず、医療用材料に用いる種々の基材が利用可
能である。具体的には、例えば、ポリエチレン、ポリプ
ロピレン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ナイロン、
ポリウレタン、ポリウレア、ポリ(メタ)アクリル酸、
ポリ(メタ)アクリル酸エステル、ポリエステル、ポリ
アクリロニトリル、ポリアクリルアミド、ポリ酢酸ビニ
ル、ポリカーボネート、ポリスルホン、ポリビニルアル
コール、セルロース、セルロースアセテート、シリコー
ン樹脂、ガラス、セラミック、金属、ステンレススチー
ル等が挙げられる。またこれらの基材は単独で用いても
良いし、これらを組み合わせて使用しても構わない。本
発明において、「(メタ)アクリル」はメタクリルおよ
び/またはアクリルを意味する。
【0021】本発明で用いられるBの成分は、一般式
(1)
【0022】
【化7】
【0023】で表される基を側鎖に有し、かつヘパリン
若しくはヘパリン誘導体と結合可能な基を有する共重合
体(以下、PC重合体と略す)である。PC重合体は、
分子中に重合性の二重結合を有し、かつ前記の一般式
(1)で表される基を有する単量体(以下b1と略す)
と、分子中に重合性の二重結合を有し、かつヘパリン若
しくはヘパリン誘導体と結合可能な基を有する単量体の
組成物(以下、単に略して単量体組成物と言う)を重合
してなる共重合体である。前記の一般式(1)におい
て、R1、R2及びR3は、同一または異なる基であって
もよく、水素原子または炭素数1〜4の1価の炭化水素
基を示す。nは、2〜4の整数である。
【0024】このような一般式(1)で表される基を有
する単量体(b1)の具体的なものとしては、例えば、
2−(メタ)アクリロイルオキシエチル−2’−(トリ
メチルアンモニオ)エチルホスフェート{このうち2−
メタクリロイルオキシエチル−2’−(トリメチルアン
モニオ)エチルホスフェート(=2−メタクリロイルオ
キシエチルホスホリルコリンともいう(以下、MPCと
略記)}、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピル−
2’−(トリメチルアンモニオ)エチルホスフェート、
4−(メタ)アクリロイルオキシブチル−2’−(トリ
メチルアンモニオ)エチルホスフェート、5−(メタ)
アクリロイルオキシペンチル−2’−(トリメチルアン
モニオ)エチルホスフェート、6−(メタ)アクリロイ
ルオキシヘキシル−2’−(トリメチルアンモニオ)エ
チルホスフェート、2−(メタ)アクリロイルオキシエ
チル−2’−(トリエチルアンモニオ)エチルホスフェ
ート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチル−2’−
(トリプロピルアンモニオ)エチルホスフェート、2−
(メタ)アクリロイルオキシエチル−2’−(トリブチ
ルアンモニオ)エチルホスフェート、
【0025】2−(メタ)アクリロイルオキシプロピル
−2’−(トリメチルアンモニオ)エチルホスフェー
ト、2−(メタ)アクリロイルオキシブチル−2’−
(トリメチルアンモニオ)エチルホスフェート、2−
(メタ)アクリロイルオキシペンチル−2’−(トリメ
チルアンモニオ)エチルホスフェート、2−(メタ)ア
クリロイルオキシヘキシル−2’−(トリメチルアンモ
ニオ)エチルホスフェート、2−(メタ)アクリロイル
オキシエチル−3’−(トリメチルアンモニオ)プロピ
ルホスフェート、3−(メタ)アクリロイルオキシプロ
ピル−3’−(トリメチルアンモニオ)プロピルホスフ
ェート、4−(メタ)アクリロイルオキシブチル−3’
−(トリメチルアンモニオ)プロピルホスフェート、5
−(メタ)アクリロイルオキシペンチル−3’−(トリ
メチルアンモニオ)プロピルホスフェート、6−(メ
タ)アクリロイルオキシヘキシル−3’−(トリメチル
アンモニオ)プロピルホスフェート、
【0026】2−(メタ)アクリロイルオキシエチル−
4’−(トリメチルアンモニオ)ブチルホスフェート、
3−(メタ)アクリロイルオキシプロピル−4’−(ト
リメチルアンモニオ)ブチルホスフェート、4−(メ
タ)アクリロイルオキシブチル−4’−(トリメチルア
ンモニオ)ブチルホスフェート、5−(メタ)アクリロ
イルオキシペンチル−4’−(トリメチルアンモニオ)
ブチルホスフェート、6−(メタ)アクリロイルオキシ
ヘキシル−4’−(トリメチルアンモニオ)ブチルホス
フェート、
【0027】2−(ビニルオキシ)エチル−2’−(ト
リメチルアンモニオ)エチルホスフェート、2−(アリ
ルロキシ)エチル−2’−(トリメチルアンモニオ)エ
チルホスフェート、2−(p−ビニルベンジルオキシ)
エチル−2’−(トリメチルアンモニオ)エチルホスフ
ェート、2−(p−ビニルベンゾイルオキシ)エチル−
2’−(トリメチルアンモニオ)エチルホスフェート、
2−(スチリルオキシ)エチル−2’−(トリメチルア
ンモニオ)エチルホスフェート、2−(p−ビニルベン
ジル)エチル−2’−(トリメチルアンモニオ)エチル
ホスフェート、2−(ビニルオキシカルボニル)エチル
−2’−(トリメチルアンモニオ)エチルホスフェー
ト、2−(アリルオキシカルボニル)エチル−2’−
(トリメチルアンモニオ)エチルホスフェート、2−
(アクリロイルアミノ)エチル−2’−(トリメチルア
ンモニオ)エチルホスフェート、2−(ビニルカルボニ
ルアミノ)エチル−2’−(トリメチルアンモニオ)エ
チルホスフェート、2−(アリルオキシカルボニルアミ
ノ)エチル−2’−(トリメチルアンモニオ)エチルホ
スフェート、2−(ブテロイルオキシ)エチル−2’−
(トリメチルアンモニオ)エチルホスフェート、2−
(クロトノイルオキシ)エチル−2’−(トリメチルア
ンモニオ)エチルホスフェート、エチル−(2’−トリ
メチルアンモニオエチルホスホリルエチル)フマレー
ト、ブチル−(2’−トリメチルアンモニオエチルホス
ホリルエチル)フマレート、ヒドロキシエチル−(2’
−トリメチルアンモニオエチルホスホリルエチル)フマ
レート、エチル−(2’−トリメチルアンモニオエチル
ホスホリルエチル)フマレート、ブチル−(2’−トリ
メチルアンモニオエチルホスホリルエチル)フマレー
ト、ヒドロキシエチル−(2’−トリメチルアンモニオ
エチルホスホリルエチル)フマレート等が挙げられる。
これらの単量体は単独で用いてもよいし、2種以上の混
合物として用いてもよい。
【0028】より好ましくは、下記の一般式(2)
【0029】
【化8】
【0030】で表されるラジカル重合性単量体等が挙げ
られる。ここで、R1、R2及びR3は、同一または異な
る基であって、水素原子または炭素数1〜4の1価の炭
化水素基を示す。nは2〜4の整数である。またR4
−(GO)m−G−基(ここでGは炭素数1〜20の炭
化水素基を示す。mは0〜10の整数を示す。)、R5
は、水素原子またはメチル基を示す。特に入手性などか
ら、MPCが好ましく挙げられる。
【0031】前記単量体組成物中に対して、単量体(b
1)の含有割合は、全単量体中の1〜99モル%、特に
5〜70モル%の範囲が好ましい。1モル%未満では十
分な血液適合性の発現が期待できず、また、99モル%
より多いと相対的にヘパリン若しくはヘパリン誘導体の
結合に預かる後述の単量体(b2)の含有量が低下し、
十分なヘパリン若しくはヘパリン誘導体が固定化されな
いので好ましくない。
【0032】本発明で用いられるPC重合体を構成する
成分としては、前記のb1の単量体以外の結合可能な別
の単量体(b2)が挙げられる。ここで「結合可能な」
の意味は、PC重合体とヘパリン若しくはヘパリン誘導
体とを固定化するもので、化学的な結合とイオン的な結
合が挙げられる。固定化に預かる前記の単量体以外の結
合可能な別の単量体(b2)としては、まず一つは、分
子中に重合性の二重結合を有し、側鎖にヘパリン若しく
はヘパリン誘導体と化学結合可能な官能基を有する単量
体を好ましく挙げることができる。例えば、このような
化合物の具体的なものとしては、(イ)水酸基含有単量
体、(ロ)アミノ基含有単量体、(ハ)カルボキシル基
含有単量体等が挙げられる。
【0033】水酸基含有単量体としては、例えば、2−
ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキ
シプロピル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコ
ールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコ
ールモノ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコー
ルポリプロピレングリコールのブロックまたはランダム
共重合体のモノ(メタ)アクリレート、グリセロールα
−モノ(メタ)アクリレート、アリルアルコール、2−
アリルフェノール、グリセロールα−モノアリルエーテ
ル、エチレングリコールモノアリルエーテル、N−(ヒ
ドロキシメチル)アクリルアミド等を挙げることができ
る。
【0034】アミノ基含有単量体としては、例えば、ア
リルアミン、アリルアミン(塩酸塩)、アリルウレア、
1−アリル−2−チオウレタン、2−メチルアリルアミ
ン(塩酸塩)、2−アミノエチル(メタ)アクリレート
(塩酸塩)等が挙げられる。カルボキシル基含有単量体
としては、例えば、(メタ)アクリル酸、3−ペンテン
酸、4−ペンテン酸、3−アリロキシプロピオン酸、2
−(メタ)アクリロイルオキシエチルフタル酸等が挙げ
られる。好ましくは、入手が容易でありヘパリン若しく
はヘパリン誘導体との化学結合が容易である2−アミノ
エチル(メタ)アクリレート(塩酸塩)、(メタ)アク
リル酸が挙げられる。
【0035】固定化に預かる単量体(b1)のもう一つ
としては、分子中に重合性の二重結合を有し、側鎖にヘ
パリンもしくはヘパリン誘導体とイオン結合可能な官能
基を有する単量体を好ましく挙げることができる。この
ような化合物の具体的なものとしては、例えば、アミノ
基含有単量体あるいはアンモニウム塩基含有単量体を挙
げることができる。これら単量体としては例えば、アリ
ルアミン、アリルアミン(塩酸塩)、アリルウレア、1
−アリル−2−チオウレタン、2−メチルアリルアミン
(塩酸塩)、2−アミノエチル(メタ)アクリレート
(塩酸塩)、[3−((メタ)アクリロイルオキシアミ
ノ)プロピル]トリメチルアンモニウムクロライド、
[2−((メタ)アクリロイルオキシ)エチル]トリメ
チルアンモニウムクロライドなどが挙げられる。好まし
くは、ヘパリンの硫酸基とのイオン結合が容易である2
−アミノエチル(メタ)アクリレート(塩酸塩)、[2
−((メタ)アクリロイルオキシ)エチル]トリメチル
アンモニウムクロライドが挙げられる。
【0036】PC重合体中の前記の単量体(b2)の構
成成分としての含有割合は、全単量体組成物中の0.1
〜95モル%、より好ましくは、1〜80モル%の範囲
である。単量体(b2)に基づく構成成分としての含有
割合が0.1モル%未満ではヘパリン若しくはヘパリン
誘導体の固定化量が少なく抗凝固効果が低くなり好まし
くない。また、単量体(b2)に基づく構成成分として
の含有割合が95モル%より多い場合は、相対的にPC
重合体中の血液適合性の発現に寄与する前記の単量体
(b1)に基づく含有量が少なくなるので好ましくな
い。
【0037】本発明で用いられるPC重合体中には、共
重合体(B)と基材(A)との親和性を向上させ、かつ
基材表面に塗布することにより形成される塗膜の物理的
性質を制御するために、更に別の単量体(b3)を構成
成分として用いてもよい。このような化合物としては、
例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル
酸エチル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)ア
クリル酸i−ブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、
(メタ)アクリル酸ペンチル、(メタ)アクリル酸ヘキ
シル、(メタ)アクリル酸ヘプチル、(メタ)アクリル
酸オクチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル
(EHMA)、(メタ)アクリル酸トリデシルなどの
(メタ)アクリル酸アルキルエステル;さらにスチレ
ン、α−メチルスチレン、メチル核置換スチレン、クロ
ロ核置換スチレンなどのスチレン系単量体;塩化ビニ
ル、塩化ビニリデンなどのハロゲン系単量体;エチレ
ン、プロピレン、イソブチレンなどの不飽和炭化水素系
単量体;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニルなどのビニル
エステル系単量体;エチルビニルエーテル、n−ブチル
ビニルエーテルなどのビニルエーテル系単量体;ジエチ
ルイタコネート、ジーn−ブチルイタコネートなどの多
価カルボン酸エステル系単量体を挙げることができる。
好ましくは、(メタ)アクリル酸エステル、スチレンな
どを挙げることができる。前記単量体(b3)の含有割
合は、共重合体(B)の性能を損なわないために0〜9
0モル%が望ましい。
【0038】本発明で用いるPC重合体の重量平均分子
量は、特に限定されず、好ましくは1000〜5,00
0,000、より好ましくは10,000〜500,0
00である。なお、PC重合体は、ランダム、ブロッ
ク、およびグラフト共重合体のいずれであっても構わな
い。また、これらのPC重合体は単独で用いてもよい
し、または2種類以上を混合して用いてもよい。
【0039】本発明で用いられるPC重合体は、前記b
1とb2の単量体組成物またはb1とb2およびb3の
単量体組成物を、公知の溶液重合、塊状重合、乳化重
合、懸濁重合等の方法を用いて、必要に応じて重合系を
不活性ガス、例えば、窒素、二酸化炭素、ヘリウムで置
換ないし雰囲気下にして、重合温度0〜100℃、重合
時間10分〜48時間の条件でラジカル重合させる方法
等により調製することができる。重合開始剤としては特
に限定されず、通常のラジカル重合開始剤を用いること
ができる。ラジカル重合開始剤としては、具体的には、
ベンゾイルパーオキサイド、t―ブチルパーオキシ―2
―エチルヘキサノエート、サクシニルパーオキサイド、
グルタルパーオキサイド、サクシニルパーオキシグルタ
レート、t―ブチルパーオキシマレート、t―ブチルパ
ーオキシピバレート、ジ―2―エトキシエチルパーオキ
シカーボネート、3―ヒドロキシ―1,1―ジメチルブ
チルパーオキシピバレート等の有機過酸化物;アゾビス
イソブチロニトリル、ジメチル―2,2’―アゾビスイ
ソブチレート、1―((1―シアノ―1―メチルエチ
ル)アゾ)ホルムアミド、2,2’―アゾビス(2―メ
チル―N―フェニルプロピオンアミヂン)ジハイドロク
ロライド、2,2’―アゾビス(2―メチル―N―(2
―ヒドロキシエチル)―プロピオンアミド)、2,2’
―アゾビス(2―メチルプロピオンアミド)ジハイドレ
ート、4,4’―アゾビス(4―シアノペンタン酸)、
2,2’―アゾビス(2―(ヒドロキシメチル)プロピ
オニトリル)等のアゾ化合物;過硫酸塩、および過硫酸
塩―亜硫酸水素塩系等を挙げることができる。これら重
合開始剤は、使用に際して単独で用いてもよいし、若し
くは2種以上の混合物として用いてもよい。前記重合開
始剤には各種レドックス系の促進剤を用いてもよい。重
合開始剤の使用量は、単量体組成物100重量部に対し
て0.01〜5.0重量部が好ましい。
【0040】PC重合体の精製は、再沈殿法、透析法、
限外濾過法など一般的な精製方法により行うことができ
る。
【0041】本発明で用いられるヘパリン若しくはヘパ
リン誘導体(C)としては、ヘパリンをそのまま、ある
いは、ヘパリンより誘導されたものを使用することが可
能であり、誘導体としては、例えば、過ヨウ素酸ナトリ
ウムでヘパリンのジオール部位をジアルデヒドにしたヘ
パリン誘導体や、硫酸でヘパリンのN−硫酸部位を部分
的に脱硫酸化したヘパリン誘導体等が挙げられる。これ
らのヘパリンあるいはヘパリン誘導体は単独で用いても
よいし、これらを組み合わせて使用しても構わない。
【0042】本発明で用いられる医療用材料の作製に際
しては、例えば、まずPC重合体(B)を適当な溶媒に
溶解せしめ、この溶液を基材(A)表面に塗布後、乾燥
させ、必要に応じて減圧乾燥、加熱処理等によりPC重
合体(B)よりなる被覆層を形成させる必要がある。P
C重合体(B)を塗布する際に使用する溶媒としては、
基本的にはPC重合体(B)を溶解せしめる溶媒であれ
ば全て利用可能であり、単独溶媒でも混合溶媒でもよ
い。溶液中におけるPC重合体の濃度は0.01〜30
重量%、特に0.1〜20重量%の範囲が好ましい。濃
度が0.01重量%未満の場合、塗布後においても基材
表面に残存するPC重合体の量が不十分なために目的と
する性能の発現が期待できない。また濃度が30重量%
を越えると溶液粘度が高くなるためコーティングの際の
作業性が悪く、また被膜の均一性も得難いため好ましく
ない。
【0043】前記のPC共重合体(B)を溶解した溶液
は、例えば、ディピング法、スプレー法、ローラーコー
ティング法、スピンコーティング法等の公知の方法によ
り基材表面に塗布される。
【0044】PC重合体と基材との結合は、PC重合体
の種類および、使用する基材により適宜選択される。特
にこれらに限定されるものではないが、例えば、疎水性
相互作用による結合、イオン結合、水素結合、共有結合
等が挙げられる。
【0045】共重合体(B)を基材表面に固定化した医
用材料にヘパリン若しくはヘパリン誘導体をイオン結合
により付与する方法としては、前記医療用材料をヘパリ
ン若しくはヘパリン誘導体を溶解した溶液に接触させる
か、あるいは前記医療材料をハロゲン化アルキル等で処
理し、共重合体(B)中の第3級アミンを第4級アンモ
ニウム塩とした後、同様にヘパリン若しくはヘパリン誘
導体溶液に接触させる方法等を挙げることができる。こ
れにより共重合体(B)中に存在する第3級アミンある
いは第4級アンモニウム塩に、ヘパリン若しくはヘパリ
ン誘導体の硫酸基がイオン的に結合しヘパリン若しくは
ヘパリン誘導体が基材表面に固定化された医療材料を得
ることができる。
【0046】ヘパリン若しくはヘパリン誘導体を溶解さ
せる溶媒としては、ヘパリン若しくはヘパリン誘導体が
溶解すれば特に制限はない。例えば、水、生理食塩水、
各種緩衝溶液、各種生理的塩類溶液などの溶液が好まし
く挙げられる。溶液中におけるヘパリン若しくはヘパリ
ン誘導体の濃度としては、0.01重量%以上が好まし
く挙げられる。ヘパリン若しくはヘパリン誘導体を接触
させる温度としては、10〜70℃が好ましく、接触時
間としては、1分〜48時間が好ましい。
【0047】一方、共重合体(B)を基材表面に固定化
した医用材料にヘパリン若しくはヘパリン誘導体を化学
的な結合により導入する方法としては、種々の方法が適
用可能で特に限定されないが、例えば、前記共重合体
(B)中に存在するアミノ基(またはカルボキシル基)
とヘパリン若しくはヘパリン誘導体(C)に存在するカ
ルボキシル基(またはアミノ基)とを結合させる場合に
は、カルボジイミドやウッドワード試薬等の縮合剤を用
いることにより達成される。またスペーサーを導入する
場合は、予めヘパリン若しくはヘパリン誘導体(C)に
スペーサーを導入し、そのスペーサーの反応性末端を基
材に存在する共重合体(B)中の反応性官能基と反応さ
せる方法や、予め基材表面の共重合体(B)中の反応性
官能基にスペーサーを導入しておき、該スペーサーの反
応性末端にヘパリン若しくはヘパリン誘導体(C)を反
応させる方法を挙げることができる。
【0048】具体的には、例えば、酢酸緩衝液に溶解さ
せた、硫酸でヘパリンのN−硫酸部位を部分的に脱硫酸
化したヘパリン誘導体の溶液を、アミノ基を有する基材
表面に接触させ、その後に、リン酸生理的緩衝溶液(以
下PBSと略記)に溶解させたグルタルアルデヒド溶液
を接触させることにより目的とする医療用材料の表面に
ヘパリン若しくはヘパリン誘導体を固定化することがで
きる。
【0049】本発明の医療用材料表面における、ヘパリ
ン若しくはヘパリン誘導体(C)の固定化量が、表面分
析をX線光電子分光法により行い、PC共重合体の一般
式(1)で表される基に由来するリン原子(P)に対す
る、ヘパリンに由来する硫黄原子(S)の割合(S/
P)としては、0.01以上が挙げられる。より好まし
くは、十分な抗凝固能の発現が顕著に期待できる0.0
5以上が挙げられる。
【0050】本発明の医療用材料は、各種カテーテル、
ガイドワイヤー、人工血管、血液透析膜、内視鏡などの
医療材料に広く適応可能である。
【0051】
【発明の効果】本発明の医療用材料は、前記の一般式
(1)で表される基を側鎖に有する単量体と、ヘパリン
もしくはヘパリン誘導体と結合可能な基を側鎖に有する
単量体に基づく重合体を基材に固定化し、さらにヘパリ
ンもしくはヘパリン誘導体より構成される被覆層を表面
に形成させるので、短期および長期の血液適合性や生体
適合性を有する安定な材料である。したがって、本発明
の医療用材料は、各種カテーテル、ガイドワイヤー、人
工血管、血液透析膜、内視鏡などの医療材料に広く適応
可能であり、その際には血液の凝固による血栓の生成を
十分に抑制することができる。
【0052】
【実施例】次に合成例、実施例及び比較例により本発明
の内容を更に詳細に説明するが、本発明はこれらに限定
されるものではない。また以下の合成例中に記載されて
いる共重合体の各構成単位の含有割合および分子量は、
下記の方法で測定した。 (1)共重合体の各構成単位の含有割合 各共重合体を重メタノール(CD3OD)に溶解し、1
重量%溶液とした後、1H−NMRにて各構造単位の含
有量を求めた。
【0053】(2)共重合体の分子量 各共重合体を0.5重量%の塩化リチウムを含むクロロ
ホルム:メタノール=6:4(体積%)に溶解させて、
0.5重量%の共重合体溶液を調製した。次いで、この
溶液を0.45μmのメンブランフィルターで濾過し、
試験溶液とした。GPC分析は、カラムとしてMIXE
D−C(2本)(ポリマーラボラトリーズ社製)、溶離
液として0.5重量%の塩化リチウムを含むクロロホル
ム:メタノール=6:4(体積%)、検出器として示差
屈折計、流速として1.0mL/分、カラム温度として
40℃、試料溶液使用量として100μLで行った。重
量平均分子量(Mw)、数平均分子量測定(Mn)、分
子量分布(Mw/Mn)は、標準物質としてポリメチル
メタクリレート(ポリマー・ラボラトリー社製)を用い
て、東ソー社製インテグレーター内蔵分子量計算プログ
ラム(SC−8020用GPCプログラム)により求め
た。
【0054】<ESCAによる表面分析> ESCAによる表面分析の方法; 機種;ESCAは、島津X線光電子分析装置(ESCA
−3300)を用いた。 条件;X線照射角度は90°である。
【0055】<全血凝固性評価(Lee−White
Test)方法>試料の重合体およびヘパリン等を内面
に固定化したガラスチューブに、抗凝固剤を用いずに採
取したヒト新鮮全血液3mLを加え、37℃の温浴中に
静置した。1分間毎にチューブを傾けて血液のsol−
gel転移時間(ゾル−ゲル凝固時間)を目視で観察し
ながら測定した。
【0056】<血小板粘着試験>内面に試料の重合体お
よびヘパリン等を固定化したチューブ(ポリウレタン=
PU)に、クエン酸ナトリウムで抗凝固化したヒト新鮮
全血液より調製した血小板多血漿(PRP)を3mLず
つ加え、37℃の温浴中で6時間静置した。所定時間
後、PRPを取り除き、ハンクス緩衝液5mLで3回洗
浄した。洗浄後、2.5重量%グルタルアルデヒド水溶
液5mLを加え、2時間静置して血小板を固定した。所
定時間後、グルタルアルデヒド水溶液を除去し、蒸留水
5mLで3回洗浄した。得られたポリウレタンチューブ
を凍結乾燥した後、ポリウレタンチューブを切り開き、
試料を切り出して金蒸着して走査型電子顕微鏡にてチュ
ーブ内表面を観察して血小板粘着状態を調べた。
【0057】<各種重合体の合成> 合成例1 MPC(日本油脂製)44.3g(0.15 mol、
30モル%)、2―エチルヘキシルメタクリレート(以
後、EHMAと略す)64.5g(0.325mol、
65モル%)、およびアミノエチルメタクリレート塩酸
塩(以後、AEMA・HClと略す、Polyscie
nces製)4.2g(0.025mol、5モル%)
をエタノール500mLに溶解し、窒素ガスにて反応容
器内を十分に置換した。この溶液にアゾビスイソブチロ
ニトリル(以後、AIBNと略す)0.41g(2.5
mmol)を加え、60℃の温浴中に浸漬して10時間
加熱重合した。冷却後、反応溶液をジエチルエーテル中
に滴下し、生成した共重合体を濾別後、真空乾燥した。
次いで、得られた共重合体を再度エタノールに溶解し、
透析チューブ(Spectra/Por、分画分子量=
3,500)に充填した。該チューブを30体積%エタ
ノール水溶液に対して1週間透析することにより精製し
た後、凍結乾燥した。得られた共重合体中における各種
単量体単位の含有量および共重合体の分子量を表1に示
す。
【0058】合成例2 各モノマーの使用割合を、MPC44.3g(0.15
mol、30モル%)、EHMA59.5g(0.30
mol、60モル%)、および80重量%2―(メタク
リロイルオキシエチル)トリメチルアンモニウムクロラ
イド水溶液(以後、MTACと略す、三菱レイヨン製)
13.0g(0.05mol、10モル%)に代えた以
外は、合成例1と同様にしてMPC/EHMA/MTA
C共重合体を得た。得られた共重合体中における各種単
量体単位の含有量および共重合体の分子量を表1に示
す。
【0059】合成例3 各モノマーの使用割合を、MPC44.3g(0.15
mol、30モル%)、EHMA49.6g(0.25
mol、50モル%)、およびメタクリル酸(以後、M
Aと略す)8.6g(0.10mol、20モル%)に
代えた以外は、合成例1と同様にしてMPC/EHMA
/MA共重合体を得た。得られた共重合体中における各
種単量体単位の含有量および共重合体の分子量を表1に
示す。
【0060】合成例4 各モノマーの使用割合を、MPC44.3g(0.15
mol、30モル%)およびEHMA69.4g(0.
35mol、70モル%)に代えた以外は、合成例1と
同様にしてMPC/EHMA共重合体を得た。得られた
共重合体中における各種単量体単位の含有量および共重
合体の分子量を表1に示す。
【0061】合成例5 各モノマーの使用割合を、EHMA94.2g(0.4
75mol、95モル%)およびAEMA・HCl、
4.2g(0.025mol、5モル%)に代えた以外
は、合成例1と同様にしてEHMA/AEMA・HCl
共重合体を得た。得られた共重合体中における各種単量
体単位の含有量および共重合体の分子量を表1に示す。
【0062】合成例6 各モノマーの使用割合を、EHMA89.2g(0.4
5mol、90モル%)および80重量%MTAC水溶
液13.0g(0.05mol、10モル%)に代えた
以外は、合成例1と同様にしてEHMA/MTAC共重
合体を得た。得られた共重合体中における各種単量体単
位の含有量および共重合体の分子量を表1に示す。
【0063】合成例7 各モノマーの使用割合を、EHMA79.3g(0.4
0mol、80モル%)およびMA8.6g(0.10
mol、20モル%)に代えた以外は、合成例1と同様
にしてEHMA/MA共重合体を得た。得られた共重合
体中における各種単量体単位の含有量および共重合体の
分子量を表1に示す。
【0064】
【表1】
【0065】<イオン結合によるヘパリンの固定化> 実施例1−1、1−2 チューブ(内径:10mm、長さ:10cm、材質はガ
ラス若しくはポリウレタン)に合成例1および2で得ら
れたMPC/EHMA/AEMA・HCl共重合体およ
びMPC/EHMA/MTAC共重合体の0.05重量
%エタノール溶液の各々を約10mLずつ加えた後に除
去し、室温で乾燥させた。この操作を2回繰り返した
後、室温で一夜減圧乾燥させることによりチューブ内面
に前記MPC共重合体よりなる被膜を形成させた。次い
で、該チューブに6重量%ヘパリン生理食塩水溶液約1
0mLを加え、室温で24時間静置した。所定時間後、
ヘパリン生理食塩水溶液を除去し、生理食塩水にて5回
洗浄した。得られたイオン結合によりヘパリンを固定化
したチューブをそれぞれ実施例1−1および1−2とし
て、各々の試料を用いて、前記のESCAの測定方法に
より表面の元素分析を行った。その結果を表2に示す。
【0066】比較例1−1〜1−3 使用する共重合体を合成例4〜6で得られた各種共重合
体に代えた以外は、実施例1−1、1−2に記載の方法
に準じて、ヘパリンを固定化したチューブを作製した。
得られたヘパリン固定化チューブをそれぞれ比較例1−
1〜1−3として、各々の試料を用いて前記と同様にE
SCAにより表面の元素分析を行った。その結果を表2
に示す。
【0067】<共有結合によるヘパリンの固定化> 実施例2−1 10重量%ヘパリン水溶液10mLに、5.5N硫酸
0.4mLを加え、95℃で10分間加熱することによ
り、ヘパリンのN―硫酸部位を部分的に脱硫酸化した。
得られた反応液を水酸化ナトリウム水溶液にて中和後、
透析チューブに充填し、蒸留水に対して1週間透析する
ことにより精製した後、凍結乾燥した。合成した一部脱
硫酸化ヘパリンは、酢酸緩衝液(pH=4.5)に溶解
し、0.5重量%溶液とした。これとは別に、実施例1
−1、1−2に記載の方法に準じて、合成例1で得られ
たMPC/EHMA/AEMA・HCl共重合体よりな
る被膜を内面に形成させたチューブを作製した。次いで
該チューブに、前記の0.5重量%一部脱硫酸化ヘパリ
ン酢酸緩衝液(pH=4.5)10mLを加え、室温で
24時間静置した。所定時間後、ヘパリン溶液を除去
し、2.5重量%のグルタルアルデヒドを溶解したPB
S(pH=7.4)10mLを加え、室温で24時間静
置した。続いて、グルタルアルデヒド溶液を除去し、1
重量%水素化ホウ素ナトリウム炭酸緩衝溶液(pH=1
0)10mLを加え、室温で4時間静置した。その後、
水素化ホウ素ナトリウム溶液を除いて、生理食塩水にて
5回洗浄することによりヘパリンが化学的に結合したチ
ューブを得た。得られた試料を用いて、ESCAにより
表面の元素分析を行った。その結果を表2に示す。
【0068】比較例2−1 使用する共重合体を合成例5で得られたEHMA/AE
MA・HCl共重合体に代えた以外は、実施例2−1に
記載の方法に準じて、ヘパリンを化学的に結合したチュ
ーブを得た。得られた試料をESCAにより表面分析し
た。その結果を表2に示す。
【0069】実施例2−2 実施例1−1、1−2に記載の方法に準じて、合成例3
で得られたMPC/EHMA/MA共重合体よりなる被
膜を内面に形成させたチューブを作製した。該チューブ
に1重量%1―エチル―3―(3―ジメチルアミノプロ
ピル)―カルボジイミド塩酸塩(以後、WSCと略す、
同仁(株)社製)水溶液10mLを加え、室温で24時
間静置した。所定時間後、WSC水溶液を除去し、5%
ヘキサメチレンジアミン水溶液10mLを加え、室温で
4時間反応させた。その後、ヘキサメチレンジアミン水
溶液を除去し、蒸留水で十分に洗浄することにより、M
PC/EHMA/MA共重合体のカルボキシル基とヘキ
サメチレンジアミンのアミノ基との反応により基材表面
にアミノ基を生成させたチューブを作製した。またこれ
とは別に、0.1重量%WSC水溶液にヘパリンを溶解
し、室温で24時間静置することにより、5重量%のヘ
パリンを含む0.1重量%WSC水溶液を調製した。こ
の活性化されたヘパリン溶液10mLを、前記の基材表
面にアミノ基を有するチューブに加え、室温で4時間静
置した後、ヘパリン溶液を除去し、蒸留水で十分に洗浄
することにより、ヘパリンが化学的に結合したチューブ
を得た。得られた試料をESCAにより表面分析した。
その結果を表2に示す。
【0070】比較例2−2 使用する共重合体を合成例7で得られたEHMA/MA
共重合体に代えた以外は、実施例2−2に記載の方法に
準じて、ヘパリンを化学的に結合したチューブを得た。
得られた試料をESCAにより表面分析した。その結果
を表2に示す。
【0071】
【表2】
【0072】<全血凝固性評価(Lee−White
Test)> 実施例3および比較例3 実施例1−1、1−2、実施例2−1、実施例2−2、
比較例1−1〜1−3、比較例2−1、比較例2−2で
得られた内面にヘパリンを固定化したチューブを用い、
前記の全血凝固性評価方法に従い、血液のsol−ge
l転移時間(ゾル−ゲル凝固時間(min))を測定し
た。その結果を表3に示す。
【0073】
【表3】
【0074】<血小板粘着試験> 実施例4 実施例1−1、1−2、実施例2−1、実施例2−2、
比較例1−1〜1−3、比較例2−1、比較例2−2で
得られた内面にヘパリンを固定化したチューブを用い、
前記の血小板粘着試験に従い、血小板粘着状態を調べ
た。その結果を表4に示す。
【0075】
【表4】
【0076】注)評価記号はつぎのとおりである。 ◎;非常に少ない ○;少ない △;多い ×;非常に多い
【0077】以上の結果から、表2より、本発明の実施
例1−1、1−2、2−1および2−2は、比較例1−
1、1−2、2−1および2−2に比べて、S/Pの数
値が明らかであり、PC重合体およびヘパリンが結合し
ていることが分かる。また、表3より本発明の実施例が
比較例に比べて、ヒトの新鮮全血液の凝固時間を飛躍的
に延長していることがわかる。またさらに、表4より6
時間後においても、本発明の実施例が比較例に比べて、
ヒトの新鮮全血液より調製した血小板多血漿の血小板の
粘着する数が少ないことから、長期における血液適合性
も極めて良好でことがわかる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4C081 AB13 AC05 AC08 AC15 BA04 BA05 CA021 CA041 CA051 CA081 CA082 CA091 CA101 CA161 CA201 CA211 CA231 CA271 CA281 CC01 CD021 CD062 CF22 CG01 CG05 DA02 DA03 DA15 DC03 DC04 DC05 EA02 EA06

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基材(A)の表面に、下記の一般式(1) 【化1】 (ただし、式中、R1、R2およびR3は、同一でも異な
    る基であってもよく、水素原子または炭素数1〜4の1
    価の炭化水素基を示す。またnは2〜4の整数を示
    す。)で表される基を側鎖に有する単量体とヘパリン若
    しくはヘパリン誘導体と結合可能な基を有する単量体と
    に基づく共重合体(B)と、ヘパリン若しくはヘパリン
    誘導体(C)より構成される被覆層が形成されてなるこ
    とを特徴とする医療用材料。
  2. 【請求項2】Bの共重合体が、下記の一般式(2) 【化2】 {ただし、式中、R1、R2およびR3は、同一でも異な
    る基であってもよく、水素原子、または炭素数1〜4の
    1価の炭化水素基を示す。またnは2〜4の整数を示
    す。またR4は−(GO)m−G−基(ここでGは炭素
    数1〜20の炭化水素基、mは0〜10の整数)、R5
    は水素原子またはメチル基を示す。}で表される単量体
    を組成比が1モル%〜99モル%、ヘパリン若しくはヘ
    パリン誘導体と結合可能な基を有する単量体0.1〜9
    5モル%を含む単量体組成物を重合してなる共重合体で
    ある請求項1記載の医療用材料。
  3. 【請求項3】基材表面にCのヘパリン若しくはヘパリン
    誘導体の固定化する量が、表面分析をX線光電子分光法
    で行い、一般式(1)で表される重合体に由来するリン
    原子に対するヘパリンに由来する硫黄原子の割合(S/
    P)が0.01以上である請求項1または2に記載の医
    療用材料。
  4. 【請求項4】Bの共重合体とCのヘパリン若しくはヘパ
    リン誘導体との固定化の際の結合方式がイオン結合であ
    る請求項1〜3のいづれか1項に記載の医療用材料。
  5. 【請求項5】Bの共重合体とCのヘパリン若しくはヘパ
    リン誘導体との固定化の際の結合方式が共有結合である
    請求項1〜3のいづれか1項に記載の医療用材料。
  6. 【請求項6】請求項1〜5記載の医療用材料の製造方法
    であって、基材(A)の表面に、一般式(1) 【化3】 (ただし、式中、R1、R2およびR3は、同一でも異な
    る基であってもよく、水素原子、または炭素数1〜4の
    1価の炭化水素基を示す。またnは2〜4の整数を示
    す。)で表される基を側鎖に有する単量体と、ヘパリン
    若しくはヘパリン誘導体と結合可能な基を有する単量体
    に基づく共重合体(B)を固定し、ついで、ヘパリン若
    しくはヘパリン誘導体(C)をさらに固定することを特
    徴とする医療用材料の製造方法。
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