JP2000279146A - 液状物の殺菌方法 - Google Patents

液状物の殺菌方法

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JP2000279146A
JP2000279146A JP11092480A JP9248099A JP2000279146A JP 2000279146 A JP2000279146 A JP 2000279146A JP 11092480 A JP11092480 A JP 11092480A JP 9248099 A JP9248099 A JP 9248099A JP 2000279146 A JP2000279146 A JP 2000279146A
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JP
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liquid material
sterilization
liquid
sterilizing
electrodes
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JP11092480A
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English (en)
Inventor
Akira Senbayashi
暁 千林
Kouichi Naeshiro
晃一 苗代
Shigeru Kato
茂 加藤
Tamotsu Kawakita
有 川北
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Nissin Electric Co Ltd
Original Assignee
Nissin Electric Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 殺菌装置の始動時に生じる処理液状物のロス
を低減することのできる殺菌方法を提供する。 【解決手段】 殺菌装置の始動時に、まず、切換弁24
をB方向側に切り換えて、未処理槽4、ポンプ6、予備
加熱器8、殺菌処理部10、切換弁24および循環配管
26から成る循環ループ内で液状物2を循環させる。そ
の後、切換弁24をA方向側に切り換えて循環ループを
開放し、殺菌処理部10においてパルス電界EP を印加
して液状物2に殺菌処理を施しながら、殺菌処理済の液
状物2を下流側へ取り出す。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、飲料(ジュー
ス、牛乳等)、液卵、水、化粧水、液体医薬品、水耕栽
培液、培養液等の液状物(液体を含む)に高電界のパル
ス電界を印加して殺菌処理を施す殺菌装置における殺菌
方法に関し、より具体的には、殺菌装置の始動時に生じ
る処理液状物のロスを低減する手段に関する。
【0002】
【従来の技術】液状物の殺菌法として、広く一般的に
は、液状物を加熱する熱殺菌法が知られているが、熱殺
菌法では、液状物を例えば70℃〜140℃程度にまで
加熱してその温度を例えば数秒〜30分程度保持するこ
とから、液状物が変質する、食品の風味や栄養価が
低下する、殺菌に多くのエネルギーが必要である、等
の課題がある。この熱殺菌法に代わる殺菌法として、パ
ルス電界印加による電界殺菌法が注目されており、その
一例が例えば特許第2781558号に記載されてい
る。
【0003】この電界殺菌法は、簡単に言えば、液状物
にパルス高電界を印加することによって、液状物中の細
菌の細胞膜を破壊して殺菌する方法である。この方法に
よると、従来の熱殺菌法のように液状物を高い温度に加
熱および保持しなくても殺菌を行うことができる。
【0004】この方法による殺菌装置の従来例を図4に
示す。この殺菌装置は、殺菌処理前の液状物2を貯める
未処理槽4と、この未処理槽4から液状物2を送出する
ポンプ6と、液状物2をパルス電界EP の印加によって
殺菌処理する殺菌処理部10と、この殺菌処理部10に
パルス電圧VP を繰り返して印加するパルス電源18
と、このパルス電源18等を制御する制御装置20と、
殺菌処理部10から出た殺菌処理済の液状物2を貯める
処理済槽22とを備えている。
【0005】殺菌処理部10は、この例では、互いに沿
って配置された二つの電極12および14を有してい
て、両電極12、14間を液状物2が流通する。二つの
電極12、14は、この例では一例として平行平板状を
しているが、同軸円筒状等であっても良い。また、殺菌
処理部10は三つ以上の電極(例えば3枚の平行平板状
電極)を有していても良い。16は絶縁物である。
【0006】この殺菌処理部10の両電極12、14間
に液状物2を流通させながら、両電極12、14間に上
記パルス電源18からパルス電圧VP を繰り返して供給
することによって、両電極12、14間の液状物2にパ
ルス電界EP が繰り返して印加され、それによって液状
物2に対する殺菌処理が行われる。
【0007】なお、殺菌効果をより高めるために、この
例のように、殺菌処理部10の手前に予備加熱器8を設
けて、予め液状物2を従来の熱殺菌法による場合よりも
低い温度(例えば40℃程度)に加熱した後に、殺菌処
理部10で電界殺菌処理を行う場合もある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上記殺菌装置の始動時
(立ち上げ時)には、より具体的にはポンプ6の始動直
後には、未処理槽4から殺菌処理部10への配管等の内
部に空気が存在するため、通常は、殺菌処理部10に供
給される液状物2中に気泡が混入した状態になってい
る。
【0009】この状態で、殺菌処理部10において液状
物2にパルス電界EP を印加すると、殺菌処理部10内
の液状物2中の気泡に電界が集中するため、この気泡を
起点として、殺菌処理部10の電極12、14間が絶縁
破壊し、正常に殺菌処理を行うことはできない。
【0010】従って従来は、装置の始動時には、処理す
る液状物2中に気泡が無くなるまで液状物2を流す必要
があり、しかもこの間に流された液状物2は、正常に殺
菌処理されたものとして扱うことはできないので、処理
液状物2のロス(損失あるいは無駄)が生じる。
【0011】そこでこの発明は、殺菌装置の始動時に生
じる処理液状物のロスを低減することのできる殺菌方法
を提供することを主たる目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】この発明に係る第1の殺
菌方法は、前記殺菌装置の始動時に、まず、少なくとも
前記殺菌処理部を含む循環ループ内で液状物を循環さ
せ、その後、前記循環ループを開放して、前記殺菌処理
部において液状物に殺菌処理を施しながら殺菌処理済の
液状物を下流側へ取り出すことを特徴としている(請求
項1)。
【0013】この殺菌方法によれば、まず初めに、液状
物を上記循環ループ内で循環させることによって、循環
ループ内の液状物中から気泡を無くすることができる。
従って、後の工程で殺菌処理部において気泡に起因する
異常処理が起こることを防止することができる。
【0014】その後、上記循環ループを開放して、殺菌
処理部において殺菌処理を施しながら、処理済の液状物
を下流側へ取り出す。このようにして取り出される液状
物は、気泡に起因する異常処理が防止されるので、正常
に殺菌処理されている。
【0015】このようにして、殺菌装置の始動時に生じ
る処理液状物のロスを低減することができる。
【0016】この発明に係る第2の殺菌方法は、前記殺
菌装置の始動時に、まず、少なくとも前記殺菌処理部を
含む送液系内を真空引きし、その後、当該送液系内に液
状物を満たして前記殺菌処理部において液状物に殺菌処
理を施すことを特徴としている(請求項2)。
【0017】この殺菌方法によれば、まず初めに上記送
液系内を真空引きした後に、当該送液系内に液状物を満
たすので、液状物に気泡が混入することを防止すること
ができる。従って、殺菌処理部において気泡に起因する
絶縁破壊による異常処理が起こることを防止することが
できる。
【0018】このようにして、殺菌装置の始動時に生じ
る処理液状物のロスを低減することができる。
【0019】この発明に係る第3の殺菌方法は、前記殺
菌装置の始動時に、まず、前記予備加熱器による液状物
の加熱温度を熱殺菌温度まで高めて当該予備加熱器によ
って液状物に対して熱殺菌処理を施し、その後、前記予
備加熱器による液状物の加熱温度を下げるかまたは加熱
を切り、かつ前記殺菌処理部に前記パルス電圧を供給し
て液状物に電界殺菌処理を施すことを特徴としている
(請求項3)。
【0020】この殺菌方法によれば、まず初めに、予備
加熱器によって液状物を熱殺菌温度にまで加熱して熱殺
菌処理を施すことによって、液状物中の気泡の有無に拘
わらずに、液状物に正常に殺菌処理を施すことができ
る。しかもこの熱殺菌処理を行っている間に、気泡を含
んだ液状物は下流側へ排出されるので、液状物中に気泡
が存在しなくなる。
【0021】その後、予備加熱器による加熱温度を下げ
るかまたは加熱を切り、殺菌処理部において液状物に電
界殺菌処理を施す。これによって得られる液状物は、気
泡に起因する異常処理が防止されるので、正常に殺菌処
理されている。
【0022】このようにして、殺菌装置の始動時に生じ
る処理液状物のロスを低減することができる。
【0023】
【発明の実施の形態】図1は、この発明に係る殺菌方法
を実施する殺菌装置の一例を示す図である。図4に示し
た従来の装置と同一または相当する部分には同一符号を
付し、以下においては当該従来例との相違点を主に説明
する。
【0024】この殺菌装置においては、前記殺菌処理部
10の出口部と処理済槽22との間に、殺菌処理部10
から出た液状物2の流れを、矢印Aに示す処理済槽22
側と、矢印Bに示す循環配管26側とに切り換える切換
弁24を設けている。更に、この切換弁24のB方向側
と前記未処理槽4とを接続する循環配管26を設けてい
る。これによって、未処理槽4、ポンプ6、予備加熱器
8、殺菌処理部10、切換弁24および循環配管26か
ら成る、液状物2の循環ループを形成している。
【0025】切換弁24は、例えば電磁弁である。この
切換弁24は、図示例は三方弁であるけれども、必ずし
もそれである必要はなく、他の方式の弁でも良い。ま
た、複数(例えば二つ)の弁の組み合わせによって、上
記切り換え機能を実現しても良い。
【0026】更にこの例では、未処理槽4とポンプ6と
の間にも、上記切換弁24と同様の切換弁28を設けて
いるが、これについては後述する。
【0027】上記切換弁24、28、パルス電源18お
よびポンプ6等は、この例では、従来の制御装置20に
代わる制御装置20aによって制御される。
【0028】この殺菌装置における殺菌方法の例を、以
下に工程順に示す。
【0029】(1)循環工程 この殺菌装置の始動時は、まず初めに、切換弁24をB
方向側に切り換えて、上記循環ループを形成した状態
で、ポンプ6を運転して、循環ループ中に気泡が無くな
るまで、循環ループ内で液状物2を循環させる。
【0030】(2)予備殺菌工程 次いで、循環ループ中に気泡が無くなった時点で、パル
ス電源18から殺菌処理部10にパルス電圧VP を印加
して、殺菌処理部10において液状物2に対する電界殺
菌処理を開始する。このとき、少なくとも、切換弁24
に殺菌処理済の液状物2が到達するまでは、切換弁24
をB方向側に開いておいて、液状物2を循環配管26側
へ流す。
【0031】(3)処理液状物取出し工程 次いで、切換弁24に殺菌処理済の液状物2が到達した
後に、切換弁24をA方向側に切り換えて上記循環ルー
プを開放して(切って)、殺菌処理部10において液状
物2に電界殺菌処理を施しながら、殺菌処理済の液状物
2を下流側へ、具体的にはこの例では処理済槽22側へ
取り出す。
【0032】上記工程(1)〜(3)の切り換えは、こ
の例は制御装置20aからの制御によって行われる。上
記工程(1)および(2)にかける時間の管理は、例え
ば、制御装置20a内に設けたタイマーによって行うの
が、最も簡単で現実的であると言える。
【0033】具体的には、上記循環工程(1)にかける
時間T1 は、上記循環ループの全容積をS1 [cc]、
ポンプ6による液状物2の循環速度をv[cc/s]と
すると、通常は液状物2が3〜5回循環すれば循環ルー
プ内から気泡が無くなることから、次式によって求める
ことができる。ここで、a=3〜5である。
【0034】
【数1】T1 =a・S1 /v [s]
【0035】上記予備殺菌工程(2)にかける時間T2
は、殺菌処理部10およびそれから切換弁24に至る配
管の全容積をS2 とすると、上記と同様の理由から、次
式によって求めることができる。
【0036】
【数2】T2 =a・S2 /v [s]
【0037】上記全容積S1 およびS2 は、この殺菌処
理装置の構造によって自ずから決まるので、ポンプ6に
よる液状物2の循環速度vが決まれば、上記時間T1
よびT2 が定まることになる。この時間T1 およびT2
を、例えば制御装置20aにおいて演算によって求め
て、それを同制御装置20a内のタイマーに設定し、こ
の時間T1 およびT2 だけ、上記工程(1)および
(2)をそれぞれ実行すれば良い。それによって、上記
工程(1)および(2)の目的をそれぞれ達成すること
ができる。
【0038】上記循環速度vは、制御装置20aに外部
から設定値として与えても良いし、ポンプ6の出口側等
に循環速度vを計測する流速計を設けておいて、その計
測値を制御装置20aに取り込んでも良い。
【0039】また、上記時間T1 およびT2 は、上記の
ように演算によって求める代わりに、この殺菌装置の試
運転を行うこと等によって予め実測しておき、それを制
御装置20aに設定しても良い。
【0040】この殺菌方法によれば、上記循環工程
(1)において、液状物2を上記循環ループ内で循環さ
せることによって、循環ループ内の液状物2中から気泡
を無くすることができるので、後の工程で殺菌処理部1
0において液状物2にパルス電界EP を印加しても、気
泡に起因する絶縁破壊による異常処理が起こることを防
止することができる。
【0041】従って、その後の上記処理液状物取出し工
程(3)によって取り出される液状物2は、気泡に起因
する異常処理が防止されるので正常に殺菌処理されてい
る。
【0042】このようにして、殺菌装置の始動時に生じ
る処理液状物2のロスを低減することができる。
【0043】また、上記予備殺菌工程(2)を設けるこ
とは必須ではないけれども、この例のように当該工程を
設けておくと、殺菌処理部10における殺菌開始の直後
に殺菌処理部10と切換弁24との間にあって殺菌処理
されなかった液状物2が処理済槽22側へ取り出される
のを防止することができるので、殺菌処理済の液状物2
の取出し開始直後から、確実に電界殺菌処理された(即
ち未処理の液状物の混じらない)液状物2を取り出すこ
とが可能になる。その結果、液状物2の取出し開始直後
の過渡時における液状物2のロスをも無くすることがで
きる。
【0044】なお、未処理槽4内に液状物2が殆ど無く
なった場合、あるいは殺菌処理を一時的に停止する等の
場合は、殺菌処理部10へのパルス電圧VP の印加を停
止し、上記切換弁28(これは通常は未処理槽4側を開
にしている)を開放管30側に切り換えてポンプ6によ
って開放管30から空気を吸引して流すと共に、切換弁
24をB方向側に切り換えることによって、殺菌処理部
10等に残留している液状物2を未処理槽4に回収して
も良い。このようにすれば、殺菌処理部10等を洗浄す
る等の場合にも、液状物2のロスを殆ど無くすることが
できる。
【0045】図2は、この発明に係る殺菌方法を実施す
る殺菌装置の他の例を示す図である。図4に示した従来
の装置との相違点を主体に説明すると、この装置では、
殺菌処理部10の出口側に弁36を介して真空ポンプ3
8を接続しており、更にその接続部の下流側に弁34
を、かつポンプ6の入口側に弁32を、それぞれ設けて
いる。
【0046】弁32、34および36は、例えば電磁弁
である。
【0047】上記真空ポンプ38、弁32、34、36
およびパルス電源18等は、この例では、従来の制御装
置20に代わる制御装置20aによって制御される。
【0048】この殺菌装置における殺菌方法の例を説明
すると、殺菌装置の始動時は、まず初めに、ポンプ6の
始動前に弁32および34を閉、弁36を開にしてお
き、真空ポンプ38を動作させて、少なくとも殺菌処理
部10を含む送液系内を、具体的にはこの例ではポンプ
6、予備加熱器8、殺菌処理部10およびそれらの間を
つなぐ配管の内部を、真空引きする。
【0049】この真空引きは、上記送液系内の空気排出
が主目的であるので、必ずしも高真空に排気する必要は
なく、例えば数Torr以下の圧力に排気すれば良い。
【0050】次いで、弁36を閉、かつ真空ポンプ38
を停止して、弁32を開く。これによって、大気圧によ
って、未処理槽4から液状物2が押し上げられて、液状
物2が弁34まで供給され、殺菌処理部10を含む弁3
4までの送液系が、気泡混入のない液状物2で満たされ
る。
【0051】その後、弁34を開き、かつポンプ6を動
作させると共に、殺菌処理部10へパルス電圧VP を供
給して電界殺菌処理を施す。処理済の液状物2は処理済
槽22側に取り出される。
【0052】この殺菌方法によれば、まず初めに送液系
内を真空引きした後に、当該送液系内に液状物2を満た
すので、液状物2に気泡が混入することを防止すること
ができる。従って、殺菌処理部10において液状物2に
パルス電界EP を印加しても、気泡に起因する絶縁破壊
による異常処理が起こることを防止することができる。
【0053】このようにして、殺菌装置の始動時に生じ
る処理液状物2のロスを低減することができる。
【0054】しかもこの殺菌方法によれば、送液系を予
め真空引きした後に液状物2を満たすことによって、液
状物2中に気泡混入が無くて、ポンプ6の動作開始直後
から殺菌処理部10におけるパルス電界EP の正常な印
加が可能になるので、装置の立ち上げを早く行うことが
でき、装置始動時の時間的なロスをも低減することがで
きる。
【0055】次に、殺菌方法の更に他の例を説明する。
この殺菌方法では、前述した予備加熱器8を用いる。こ
の方法を実施する装置は、図1〜図4に示す殺菌装置で
も良いし、図4に示した従来の殺菌装置でも良い。
【0056】殺菌装置の始動時は、すぐには殺菌処理部
10による電界殺菌は行わず、まず初めに、予備加熱器
8による液状物2の加熱温度を前述した予備加熱温度
(例えば40℃程度)よりも高い熱殺菌温度(例えば7
0℃〜140℃程度)にまで高めて、この予備加熱器8
によって液状物2に対して熱殺菌処理を施す。これは電
界殺菌ではないので、液状物2中の気泡の有無に拘わら
ずに、液状物2に正常に殺菌処理を施すことができる。
【0057】しかもこの熱殺菌処理を行っている間に、
気泡を含んだ液状物2は下流側へ排出されるので、液状
物2中に気泡が存在しなくなる。
【0058】上記熱殺菌処理を行う時間は、装置の立ち
上げ直後に殺菌処理部10に供給される液状物2中に気
泡が無くなるまでの時間で良い。この時間は、例えば、
予め装置の試運転等によって求めておくのが簡単であ
る。そしての時間を、例えば、制御装置20a(または
20)内のタイマーに設定しておいて、その時間経過で
次の工程に切り換えれば良い。
【0059】次いで、上記時間経過後、予備加熱器8に
よる液状物2の加熱温度を上記予備加熱温度にまで下
げ、かつ殺菌処理部10にパルス電圧VP を供給して、
殺菌処理部10において液状物2に対して電界殺菌処理
を施す。予備加熱を併用しない場合は、予備加熱器8を
切っても(オフしても)良い。この電界殺菌処理によっ
て得られる液状物2は、気泡に起因する絶縁破壊による
異常処理が防止されるので、正常に殺菌処理されてい
る。
【0060】このようにして、殺菌装置の始動時に生じ
る処理液状物2のロスを低減することができる。
【0061】しかもこの殺菌方法によれば、装置の立ち
上げ直後から、熱殺菌か電界殺菌かの違いはあるにして
も、正常に殺菌処理された液状物2を得ることができる
ので、装置の立ち上げ時間を大幅に短縮することがで
き、装置始動時の時間的なロスをも低減することができ
る。
【0062】なお、運転初期の加熱殺菌運転時には、ポ
ンプ6を減速運転しても良い。このようにすることで、
予備加熱器8の熱容量を定常運転での必要容量に対して
大きくすることなく、加熱殺菌を行うことができる。
【0063】また、上述した各殺菌方法を組み合わせる
ことも可能である。
【0064】また、殺菌処理部10の下流側に、殺菌処
理後の液状物2を冷却する熱交換器を設けても良く、そ
の場合にも上記殺菌方法は有効である。
【0065】その場合、殺菌装置が上述した循環ループ
を有するときは、図3に示すように、熱交換器40の設
置場所は、循環ループの中(即ち殺菌処理部10と切
換弁24との間)でも良いし(実線で示す熱交換器40
参照)、循環ループの外(即ち切換弁24の下流側)
でも良い(二点鎖線で示す熱交換器40参照)。
【0066】上記の場合は、熱交換器40を殺菌処理
部10に接近して設置することができるので、電界殺菌
処理後の最も高温の液状物2を速やかに冷却することが
できる。従って、液状物2の変質、品質劣化等を最小限
に抑えることができる。例えば、液状物2が殺菌処理部
10の出口から熱交換器40に至る時間を1〜2秒以
内、熱交換器40内での滞留時間を4〜8秒以内にする
ことは可能であり、そのようにすれば、殺菌処理後の液
状物2の最高到達温度保持時間を5〜10秒以内に低減
することができる。
【0067】上記の場合は、循環ループの前述した全
容積S1 が上記の場合よりも低減されるので、前述し
た数1からも分かるように、上記の場合に比べて、装
置立ち上げ時の前述した循環工程(1)にかける時間T
1 を短縮することができる。従って、立ち上げ時のロス
時間を短縮することができる。
【0068】また、上記いずれの殺菌方法においても、
殺菌処理部10内を例えば1〜5kg/cm2 程度の圧
力に加圧しながら、殺菌処理部10において電界殺菌処
理を行うようにしても良く、そのようにすれば、加圧に
よって殺菌処理部10における液状物2中の気泡を低減
することができる。その結果、殺菌装置の始動時のより
早い時期から、正常に殺菌処理された液状物2を取り出
すことが可能になるので、殺菌装置の始動時に生じる処
理液状物2のロスおよび時間のロスをより低減すること
が可能になる。
【0069】
【発明の効果】この発明は、上記のとおり構成されてい
るので、次のような効果を奏する。
【0070】請求項1記載の発明によれば、循環ループ
内で液状物を循環させて液状物中の気泡を無くした後
に、殺菌処理部において液状物に殺菌処理を施しながら
液状物を下流側へ取り出すので、殺菌処理部において気
泡に起因する絶縁破壊による異常処理が起こることを防
止することができる。従って、殺菌装置の始動時に生じ
る処理液状物のロスを低減することができる。
【0071】請求項2記載の発明によれば、送液系内を
真空引きした後に当該送液系内に液状物を満たすので、
液状物に気泡が混入することを防止することができる。
従って、殺菌処理部において気泡に起因する絶縁破壊に
よる異常処理が起こることを防止することができる。そ
の結果、殺菌装置の始動時に生じる処理液状物のロスを
低減することができる。
【0072】しかもこの発明によれば、送液系を予め真
空引きした後に液状物を満たすことによって、送液開始
直後から殺菌処理部におけるパルス電界の正常な印加が
可能になるので、装置の立ち上げを早く行うことがで
き、装置始動時の時間的なロスをも低減することができ
る。
【0073】請求項3記載の発明によれば、装置の始動
直後は、熱殺菌処理によって、液状物中の気泡の有無に
拘わらずに殺菌処理を施すことができ、その間に液状物
から気泡を無くすることができ、その後殺菌処理部にお
いて液状物に電界殺菌処理を施すので、殺菌処理部にお
いて気泡に起因する絶縁破壊による異常処理が起こるこ
とを防止することができる。従って、殺菌装置の始動時
に生じる処理液状物のロスを低減することができる。
【0074】しかもこの発明によれば、装置の立ち上げ
直後から、熱殺菌か電界殺菌かの違いはあるにしても、
正常に殺菌処理された液状物を得ることができるので、
装置の立ち上げ時間を大幅に短縮することができ、装置
始動時の時間的なロスをも低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係る殺菌方法を実施する殺菌装置の
一例を示す図である。
【図2】この発明に係る殺菌方法を実施する殺菌装置の
他の例を示す図である。
【図3】この発明に係る殺菌方法を実施する殺菌装置の
更に他の例を示す図である。
【図4】従来の殺菌装置の一例を示す図である。
【符号の説明】
2 液状物 8 予備加熱器 10 殺菌処理部 18 パルス電源 20a 制御装置 24 切換弁 38 真空ポンプ
フロントページの続き (72)発明者 加藤 茂 京都府京都市右京区梅津高畝町47番地 日 新電機株式会社内 (72)発明者 川北 有 京都府京都市右京区梅津高畝町47番地 日 新電機株式会社内 Fターム(参考) 4B021 LA42 LP01 LP06 LT03 LW05 LW06 MC01 4C058 AA21 AA22 BB06 CC01 CC04 DD05 EE26 KK06 KK46

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 互いに沿って配置された複数の電極を有
    していてこの電極間を液状物が流通する殺菌処理部と、
    この殺菌処理部の電極間にパルス電圧を供給して当該電
    極間の液状物にパルス電界を印加するパルス電源とを備
    える液状物の殺菌装置において、 前記殺菌装置の始動時に、まず、少なくとも前記殺菌処
    理部を含む循環ループ内で液状物を循環させ、その後、
    前記循環ループを開放して、前記殺菌処理部において液
    状物に殺菌処理を施しながら殺菌処理済の液状物を下流
    側へ取り出すことを特徴とする液状物の殺菌方法。
  2. 【請求項2】 互いに沿って配置された複数の電極を有
    していてこの電極間を液状物が流通する殺菌処理部と、
    この殺菌処理部の電極間にパルス電圧を供給して当該電
    極間の液状物にパルス電界を印加するパルス電源とを備
    える液状物の殺菌装置において、 前記殺菌装置の始動時に、まず、少なくとも前記殺菌処
    理部を含む送液系内を真空引きし、その後、当該送液系
    内に液状物を満たして前記殺菌処理部において液状物に
    殺菌処理を施すことを特徴とする液状物の殺菌方法。
  3. 【請求項3】 互いに沿って配置された複数の電極を有
    していてこの電極間を液状物が流通する殺菌処理部と、
    この殺菌処理部の電極間にパルス電圧を供給して当該電
    極間の液状物にパルス電界を印加するパルス電源と、前
    記殺菌処理部へ供給する液状物を予め加熱する予備加熱
    器とを備える液状物の殺菌装置において、 前記殺菌装置の始動時に、まず、前記予備加熱器による
    液状物の加熱温度を熱殺菌温度まで高めて当該予備加熱
    器によって液状物に対して熱殺菌処理を施し、その後、
    前記予備加熱器による液状物の加熱温度を下げるかまた
    は加熱を切り、かつ前記殺菌処理部に前記パルス電圧を
    供給して液状物に電界殺菌処理を施すことを特徴とする
    液状物の殺菌方法。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006067943A (ja) * 2004-09-03 2006-03-16 Mayekawa Mfg Co Ltd 上限臨界温度を有する流動食品の加熱方法
JP2011512157A (ja) * 2008-02-22 2011-04-21 テトラ ラバル ホールデイングス エ フイナンス ソシエテ アノニム タンクのための入口及びタンクに液体食品製品を供給する方法
JP2012522530A (ja) * 2009-04-07 2012-09-27 コミッサリア ア ロンネルジー アトミック エ オ ゾンネルジー ザルテルナティーフ パルス電場を用いる生体細胞の膜透過化のための方法
JP2018146413A (ja) * 2017-03-07 2018-09-20 株式会社日立ハイテクノロジーズ 自動分析装置

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