JP2000279124A - 風味だしの製造法 - Google Patents
風味だしの製造法Info
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Abstract
業性よく、かつ、高い収率で抽出することができる風味
だしの製造法を提供する。 【解決手段】 粗砕した節をカラムに充填し、水又はア
ルコール溶液を通液してエキスを抽出した後、上記と同
じカラムを用いて抽出残渣に対してさらに蛋白分解酵素
液を通液してエキスを抽出する。上記1回目の抽出では
風味の良好な高濃度のエキスが得られるが、上記2回目
の抽出エキスを1回目のエキスに混合することにより、
旨みを向上させると共に収率を高めることができる。
Description
しの製造法に関する。
の節類からのだしの抽出は、タンクを用いて抽出するバ
ッチ式で行われている。この方法は、鰹節などの節類と
熱水又はアルコール溶液とを混合撹拌し、濾過/圧搾し
て抽出液を得る方法である。
来のバッチ式で得られる抽出液は、鰹節などの燻し臭が
非常に強く、また、エキスの固形分濃度も5%以下と低
いものであった。そのため高濃度エキスを製造するため
には濃縮工程が不可欠であり、この濃縮工程によってエ
キスの香り成分が失われ、風味が弱くなるという問題が
あった。また、エキス分の収率も低いという問題があっ
た。
味成分の両方に富んだエキスを作業性よく、かつ、高い
収率で抽出することができる風味だしの製造法を提供す
ることにある。
に、本発明の風味だしの製造法は、粗砕した節をカラム
に充填し、水又はアルコール溶液を通液してエキスを抽
出する工程(1)と、さらに蛋白分解酵素液を通液して
エキスを抽出する工程(2)を有することを特徴とす
る。
て風味と旨味成分に富んだエキスを効率よく抽出するこ
とができる。また、このエキスは固形分濃度が10〜3
0%と高いため、濃縮することなくそのまま風味だしと
して用いることができる。また、工程(2)における蛋
白分解酵素液の通液は、工程(1)と同じカラムを用い
て、カラムに残った抽出残渣にそのまま酵素溶液を通液
すればよいので、作業性よく全体としての回収率を上げ
ることができる。そして、工程(1)で得られた抽出液
と混合することにより、さらに旨味を増すことができる
と共に、エキスの収率を高めることができる。
節をカラムに充填し、水又はアルコール溶液を通液して
抽出する工程(1)と、上記カラムに残った抽出残渣に
酵素溶液を通液して抽出する工程(2)からなる。以
下、各工程について説明する。
節類としては、特に制限はないが、例えば、鰹節、宗田
鰹節、鯖節、メジ節、これらの製造過程ででる副産物、
またはそれらの混合物が挙げられる。また、その大きさ
は、粗砕後4〜20メッシュのものが好ましく、6〜1
6メッシュのものがより好ましい。大きさが20メッシ
ュより細かい場合は、抽出する際に節粉がカラム内で膨
張し、圧力が上がって抽出が困難となり、4メッシュを
超える場合は、カラムに充填される節粉の量が少なくな
り、また抽出効率も悪くなるため好ましくない。そし
て、原料をカラムに効率よく充填するため、原料の10
〜70重量%、より好ましくは20〜50重量%の水又
はアルコール溶液に懸濁して充填し、さらに20〜85
℃で0.5〜1時間静置保温してから抽出をはじめるこ
とにより抽出効率を上げることができる。
わち、上記カラムに充填する際に加える水又はアルコー
ル溶液の量と、通液する水又はアルコール溶液の量との
合計量は、原料100重量部に対して60〜180重量
部であることが好ましく、より好ましくは、60〜12
0重量部である。上記水の量が上記範囲外であると、香
りや味が弱く、燻臭も強くなるため好ましくない。な
お、アルコール溶液としては1〜80重量%濃度の水溶
液が好ましく使用される。
ましく、より好ましくは50〜75℃である。抽出温度
が20℃未満であると、有効成分の溶出が遅くなるため
抽出液の固形分濃度が低くなり、85℃を超えると節に
含まれる脂質が抽出されてしまい抽出液が濁るため好ま
しくない。
何倍の容量を流すかを示すSpace Velocity(以下、S
Vという)で表すと、SV=0.1〜2.5h-1が好ま
しく、SV=0.5〜1.5h-1がより好ましい。通液
速度がSV=0.1h-1未満であると、抽出に時間がか
かり、SV=2.5h-1を超えると抽出効率が悪く、抽
出液の固形分濃度が低くなるため好ましくない。
水抽出液という)は、非常に風味がよく、固形分濃度を
高くすることができるため、濃縮せずにそのまま調味液
等としても用いることができる。
溶液を通液して、上記抽出残渣からさらに抽出を行い、
このエキスを工程(1)のエキスに混合して用いること
により、風味をより向上させると共に、エキスの収率を
高めることができる。
白質分解に使用される酵素が使用できるが、中性蛋白質
分解酵素であることが好ましく、それらを1種又は2種
以上を併用してもよい。また、風味を増すためにペプチ
ダーゼなどの酵素を使用してもよい。
よるが、例えば、蛋白消化力が10,000u/gの酵
素の場合、原料の1〜1.5重量%であることが好まし
く、1〜1.2重量%であることがより好ましい。な
お、ここでいう蛋白消化力は、ミルクカゼインを基質と
して、pH7.0、温度37.0±0.5℃の条件で6
0分間に反応濾液1ml中にチロシン100μgに相当
するアミノ酸を生成する酵素量を1単位(u)として表
したものである。
の100〜150重量%が好ましい。また、その濃度
は、0.5〜1.2%であることが好ましく、0.5〜
0.8%であることがより好ましい。濃度が0.5%未
満であると、分解効率が悪く抽出液の固形分濃度が低く
なり、また、1.2%を超えると、得られた抽出液が濁
るため好ましくない。
1〜1h-1、より好ましくはSV=0.1〜0.5h-1
で8〜18時間通液することが好ましい。通液時間が8
時間未満であると抽出効率が悪く、18時間を超えると
分解液に濁りが発生するため好ましくない。
用する酵素の最適温度範囲に設定すればよい。
液した後にさらに水押しすることが好ましく、必要に応
じて濃縮してもよい。
分解液という)は、酵素を失活させてから上記水抽出液
と混合する。
ラムを1本ずつ並列にして抽出してもよく、2本以上直
列にして連続抽出してもよいが、2本以上直列にして連
続抽出することがより好ましい。
する。 実施例1 本荒節の表面を削って中厚品に加工したもの(小林食品
株式会社製)を、家庭用ミキサーで粗砕して10メッシ
ュパス品を調製した。この本荒節の調製品615gを水
150mlと混合して、カラム(容量550ml、φ
4.0cm×50cm)2本に充填して直列につなぎ、
55〜60℃で45分間静置保温した。その後、同温の
温水を用いてSV=0.5h-1の通液速度で抽出を行
い、水抽出液の固形分濃度(Brix)が4.0%にな
るまで回収を行った。その時回収した水抽出液量は、5
00ml(固形分含量17.7%)であった。
(商品名「プロテアーゼAアマノG」(10,000u
/g)、アマノ製)1000mlをSV=0.5h-1の
通液速度で通液し、さらに同温度の水を用いて同じ通液
速度で水押しを行い、押水の固形分濃度が4%になるま
で分解液を回収し、分解液1600ml(固形分含量
6.3%)を得た。得られた分解液は、90℃で20分
間以上処理して酵素を失活させた。各工程で得られた抽
出液全体を混合して風味だしを得た。
化を図1に示す。図1から分かるように、水抽出液は、
固形分濃度が非常に高く、さらに酵素溶液で抽出するこ
とにより、固形分の収率を上げることができる。
て撹拌しながら95℃以上で、30分間微沸騰させた
後、濾過/圧搾し、さらにフィルターに通して水抽出液
2432ml(固形分含量4.4%)を得た。
で得られた風味だしの特性を比較した結果を表1に示
す。
1の風味だしに比べて、燻し臭がなく風味、旨味ともに
よく、収量が大幅に増大することが分かる。
によれば、工程(1)によって、燻し臭や魚の生臭みが
少なく、節特有の風味及び旨みに富んだエキスを得るこ
とができる。また、このエキスは、固形分濃度が高いた
め濃縮工程を行うことなく風味だしとして利用すること
ができる。
た抽出残渣に蛋白分解酵素液を通液することにより、エ
キスの回収率を高めることができる。その場合、工程
(1)と同じカラムを用いて、そのままカラムに酵素溶
液を通液するだけでよいので、作業性を向上させて製造
工程を簡略化することができる。
工程(2)で得られたエキスとを混合することによっ
て、風味、旨味共に良好な風味だしを収率よく製造する
ことができる。
の変化を表すグラフである。
Claims (3)
- 【請求項1】 粗砕した節をカラムに充填し、水又はア
ルコール溶液を通液してエキスを抽出する工程(1)
と、さらに蛋白分解酵素液を通液してエキスを抽出する
工程(2)を有することを特徴とする風味だしの製造
法。 - 【請求項2】 前記節が、鰹節、鯖節、メジ節、及びそ
れらの節削り、節生産過程ででる副産物、又はこれらの
混合物から選ばれたものである請求項1記載の風味だし
の製造法。 - 【請求項3】 前記工程(1)の抽出温度が、20〜8
5℃である請求項1又は2記載の風味だしの製造法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP09106399A JP4023950B2 (ja) | 1999-03-31 | 1999-03-31 | 風味だしの製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP09106399A JP4023950B2 (ja) | 1999-03-31 | 1999-03-31 | 風味だしの製造法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
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JP4023950B2 JP4023950B2 (ja) | 2007-12-19 |
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ID=14016056
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP09106399A Expired - Fee Related JP4023950B2 (ja) | 1999-03-31 | 1999-03-31 | 風味だしの製造法 |
Country Status (1)
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008035767A (ja) * | 2006-08-04 | 2008-02-21 | Yaizu Suisankagaku Industry Co Ltd | 節類エキスの製造方法 |
JP4456174B1 (ja) * | 2009-10-05 | 2010-04-28 | 株式会社ミツカングループ本社 | 節類抽出物入り調味料、その製造方法、および、節類抽出物入り調味料の風味向上方法 |
CN104664305A (zh) * | 2015-03-31 | 2015-06-03 | 湖北海顺达食品科技有限公司 | 一种风味高汤调味料及其制备方法 |
-
1999
- 1999-03-31 JP JP09106399A patent/JP4023950B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JP2011078325A (ja) * | 2009-10-05 | 2011-04-21 | Mitsukan Group Honsha:Kk | 節類抽出物入り調味料、その製造方法、および、節類抽出物入り調味料の風味向上方法 |
CN104664305A (zh) * | 2015-03-31 | 2015-06-03 | 湖北海顺达食品科技有限公司 | 一种风味高汤调味料及其制备方法 |
CN104664305B (zh) * | 2015-03-31 | 2017-02-01 | 湖北海顺达食品科技有限公司 | 一种风味高汤调味料及其制备方法 |
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JP4023950B2 (ja) | 2007-12-19 |
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