JP2000278715A - 立体画像表示データ生成方法、立体画像表示データ生成装置および立体画像表示データを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体 - Google Patents

立体画像表示データ生成方法、立体画像表示データ生成装置および立体画像表示データを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体

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JP2000278715A
JP2000278715A JP11079567A JP7956799A JP2000278715A JP 2000278715 A JP2000278715 A JP 2000278715A JP 11079567 A JP11079567 A JP 11079567A JP 7956799 A JP7956799 A JP 7956799A JP 2000278715 A JP2000278715 A JP 2000278715A
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dimensional image
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Ken Yoshii
謙 吉井
Makoto Miyazaki
誠 宮崎
Fumiya Yagi
史也 八木
Manami Kuiseko
真奈美 杭迫
Toshio Norita
寿夫 糊田
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Minolta Co Ltd
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Minolta Co Ltd
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  • Testing, Inspecting, Measuring Of Stereoscopic Televisions And Televisions (AREA)
  • Compression Or Coding Systems Of Tv Signals (AREA)
  • Controls And Circuits For Display Device (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 スクリーンを回転走査させながら表示対象物
の断面画像を順次投影することにより表示対象物の立体
画像を表示する場合に、断面画像のデータ量が多くな
る。特に、動画像を表示する場合にはデータ量が膨大に
なる。 【解決手段】 立体画像の各シーンSN1,SN2,・
・・のぞれぞれにおいてスクリーンの回転位置θ1,θ
2,・・・に対応する断面画像を所定の順序にてIピク
チャ、Pピクチャ、BピクチャとしてGOPを構成す
る。そして、各ピクチャの量子化の後、GOP間で差分
を求め、さらに可変長符号化を行う。これにより、一連
の断面画像は空間軸方向および時間軸方向に圧縮が行わ
れ、効率のよい圧縮が実現される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、スクリーンの位置
および/または姿勢を変更しながら表示対象物の断面画
像をスクリーンに順次表示することで立体画像を表示す
る際の立体画像表示データ生成方法、立体画像表示デー
タ生成装置、および、立体画像表示データを記録したコ
ンピュータ読み取り可能な記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、画像が投影されるスクリーン
の位置および/または姿勢を変更してスクリーンを体積
走査させ、スクリーンの走査位置に同期させて表示対象
物の断面画像を順次表示することにより表示対象物の立
体画像を表示する方法が知られている。
【0003】図31はスクリーン901を主面に垂直な
方向(矢印902にて示す方向)に繰り返し移動させつ
つスクリーン901に表示対象物903の断面画像90
4を順次表示することにより、表示対象物903の立体
画像を表示する方法を示す概念図である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述のよう
な人間の目の残像効果を利用するいわゆる体積走査法に
より立体画像を表示する方法では、多数の断面画像を保
存、転送する必要がある。また、立体画像の動画表示を
行うにはさらに多数の断面画像の保存、転送が必要とな
る。
【0005】そこで、この発明は上記課題に鑑みなされ
たものであり、立体画像を表示するための断面画像のデ
ータを効率よく圧縮することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、スク
リーンの位置および/または姿勢を変更することにより
前記スクリーンを走査させるとともに、前記スクリーン
の走査に同期しつつ表示対象物の一連の断面画像を前記
スクリーンに順次投影することにより前記表示対象物の
立体画像を表示する際に用いられる立体画像表示データ
を生成する立体画像表示データ生成方法であって、前記
表示対象物の一のシーンのデータから当該一のシーンに
おいて投影すべき断面画像群に対応する2次元画像デー
タ群を取得する工程と、前記2次元画像データ群を前記
スクリーンの走査位置の順序に従って圧縮する工程とを
有する。
【0007】請求項2の発明は、スクリーンの位置およ
び/または姿勢を変更することにより前記スクリーンを
走査させるとともに、前記スクリーンの走査に同期しつ
つ表示対象物の一連の断面画像を前記スクリーンに順次
投影することにより前記表示対象物の立体画像を表示す
る際に用いられる立体画像表示データを生成する立体画
像表示データ生成方法であって、前記一連の断面画像に
対応する一連の2次元画像データを取得する工程と、前
記一連の2次元画像データを前記スクリーンの各走査位
置における2次元画像データ群ごとに圧縮する工程とを
有する。
【0008】請求項3の発明は、スクリーンの位置およ
び/または姿勢を変更することにより前記スクリーンを
走査させるとともに、前記スクリーンの走査に同期しつ
つ表示対象物の一連の断面画像を前記スクリーンに順次
投影することにより前記表示対象物の立体画像を表示す
る際に用いられる立体画像表示データを生成する立体画
像表示データ生成方法であって、前記一連の断面画像に
対応する一連の2次元画像データを取得する工程と、前
記一連の2次元画像データを前記スクリーンの各走査位
置および各シーンごとに圧縮する工程とを有する。
【0009】請求項4の発明は、スクリーンの位置およ
び/または姿勢を変更することにより前記スクリーンを
走査させるとともに、前記スクリーンの走査に同期しつ
つ表示対象物の一連の断面画像を前記スクリーンに順次
投影することにより前記表示対象物の立体画像を表示す
る際に用いられる立体画像表示データを生成する立体画
像表示データ生成装置であって、前記一連の断面画像に
対応する一連の2次元画像データを取得する手段と、前
記一連の2次元画像データを前記スクリーンの各走査位
置および/または各シーンごとに圧縮する手段とを備え
る。
【0010】請求項5の発明は、スクリーンの位置およ
び/または姿勢を変更することにより前記スクリーンを
走査させるとともに、前記スクリーンの走査に同期しつ
つ表示対象物の一連の断面画像を前記スクリーンに順次
投影することにより前記表示対象物の立体画像を表示す
る際に用いられる立体画像表示データを記録したコンピ
ュータ読み取り可能な記録媒体であって、前記立体画像
表示データが、前記一連の断面画像に対応する一連の2
次元画像データを前記スクリーンの各走査位置および/
または各シーンごとに圧縮したデータを有する。
【0011】
【発明の実施の形態】<A.全体のシステム構成>この
発明に係る立体画像表示データ生成装置を有する立体画
像表示システムの全体的な構成を図1に示す。この立体
画像表示システム1は、体積走査法によって表示対象物
の立体表示を行う立体画像表示装置100と、立体画像
表示装置100に対して表示対象物の断面画像に関する
2次元画像データを生成して供給する立体画像表示デー
タ生成装置であるホストコンピュータ3とから構成され
ている。
【0012】立体画像表示装置100は、後述するよう
に所定の回転軸を中心に高速で回転するスクリーンに対
して表示対象物の一連の断面画像を断続的に投影するこ
とによって残像効果を発生させて立体画像を表示する。
そして、回転するスクリーンの位置(角度)に応じて投
影する断面画像を更新していくことにより、様々な表示
対象物の立体像を表示する。
【0013】ホストコンピュータ3は、CPU3a、デ
ィスプレイ3b、キーボード3c、マウス3d等を含ん
で構成されるいわゆる一般的なコンピュータシステムで
ある。このホストコンピュータ3には、予め入力されて
いる表示対象物の3次元画像データからスクリーンが回
転する際の各角度に対応する断面画像の2次元画像デー
タを生成する処理を行うソフトウェアが組み込まれてい
る。このため、ホストコンピュータ3は、表示対象物の
3次元画像データからスクリーンの回転角度(スクリー
ンの回転途上の位置をいい、以下、「回転位置」とい
う。)に応じてスクリーン上に投影すべき表示対象物の
断面画像に関する2次元画像データを生成することがで
き、その生成された2次元画像データを立体画像表示装
置100に供給する。なお、ホストコンピュータ3の詳
細については後述する。
【0014】ホストコンピュータ3と立体画像表示装置
100との間では、オンラインによるデータの受け渡し
が可能であるとともに、可搬型のコンピュータ読み取り
可能な記録メディア4を介してのオフラインによるデー
タの受け渡しも可能である。記録メディア4としては、
光磁気ディスク(MO)、コンパクトディスク(CD−
RW)、ディジタルビデオディスク(DVD−RA
M)、メモリカード等がある。
【0015】<B.立体画像表示装置>次に、立体画像
表示装置100について説明する。図2は、立体画像表
示装置100の概観を示す図である。この立体画像表示
装置100は、スクリーン38に断面画像を投影するた
めの光学系や各種データ処理を行うための制御機構が内
蔵されたハウジング20と、そのハウジング20の上部
側に設けられて内部に回転するスクリーンを収容する円
筒状の風防20aとを備えている。
【0016】風防20aはガラスやアクリル樹脂等の透
明な材質で形成されており、内部側で回転するスクリー
ン38に投影される断面画像を外部より視認することが
できるように構成されている。また、風防20aは内部
空間を密封しており、そのことによってスクリーン38
の回転の安定化や回転駆動するモータの消費電力の低減
を図っている。
【0017】ハウジング20の前面側には液晶ディスプ
レイ(LCD)21、着脱可能な操作スイッチ22、記
録メディア4の着脱口23が配置されており、また側面
側にはディジタル入出力端子24が設けられている。液
晶ディスプレイ21は、操作入力を行う際の操作案内画
面の表示手段および表示対象物のインデックスのための
2次元画像の表示手段として用いられる。ディジタル入
出力端子24はSCSI端子あるいはIEEE1394
端子等である。さらにハウジング20の外周面の4箇所
には音声出力のためのスピーカ25が配置されている。
【0018】図3は、着脱可能な操作スイッチ22の拡
大図である。この操作スイッチ22は、各種動作パラメ
ータを入力するための操作入力手段として機能させるべ
く、電源ボタン221、スタートボタン222、ストッ
プボタン223、カーソルボタン224、セレクトボタ
ン225、キャンセルボタン226、メニューボタン2
27、ズームボタン228、音量調節ボタン229等の
各種ボタンが配置されている。
【0019】スクリーン38による立体画像の表示は、
操作スイッチ22の各ボタン221〜227を操作する
ことによって記録メディア4に記録されているデータフ
ァイルから立体表示を行いたい2次元画像データを選択
したり、またはホストコンピュータ3側に保存されてい
るデータファイルから2次元画像データを選択すること
により開始される。
【0020】次に、立体画像表示装置100においてス
クリーン38上に断面画像を投影するための光学系につ
いて説明する。図4は、立体画像表示装置100におけ
る光学系を含む構成を示す図である。図4に示すように
立体画像表示装置100における光学系は、照明光学系
40と投影光学系50とDMD(ディジタル・マイクロ
ミラー・デバイス)33とTIRプリズム44とを備え
て構成される。
【0021】まず、DMD33について説明する。DM
D33は、スクリーン38に投影する断面画像を生成す
る画像生成手段として機能するものであり、1辺が16
μm程度の矩形の金属片(例えばアルミニウム片)の極
めて小さなミラーを1画素として1チップあたり数十万
枚の規模で平面に敷き詰めた構造を有し、各画素直下に
配置されたSRAM出力の静電電界作用により各ミラー
の傾斜角を個々に±10度で制御できるデバイスであ
る。なお、ミラーの角度制御は、SRAM出力の
「1」、「0」に対応して、ON/OFFのバイナリ制
御であり、光源からの光が当たると、ON(またはOF
F)の方向を向いているミラーで反射した光だけが投影
光学系50の方向に進み、OFF(またはON)の方向
を向いているミラーで反射した光は有効な光路から外れ
投影光学系50の方向には進まない。このミラーのON
/OFF制御により、ON/OFFのミラー分布に対応
した断面画像が生成されてスクリーン38に投影される
ことになる。
【0022】なお、各ミラーの傾斜角を制御して反射す
る光の方向を切り換えるが、この切り換え時間の調整
(反射する時間の長さ)により各画素の濃淡(階調)を
表現することができ、1色につき256階調が表現でき
る。そして、光源からの白色光を周期的に切り替わるR
(赤)、G(緑)、B(青)の3色のカラーフィルター
に通し、通過した各色にDMDチップを同期させること
でカラー画像を形成したり、R、G、Bの各色ごとにD
MDチップを準備して3色の光を同時に投影することで
カラー画像を形成することができる。
【0023】このようなDMD33は、第一に光利用効
率が非常に高いこと、第二に高速応答性を有することの
2つの大きな特徴を有しており、一般にはその高い光利
用効率を活かしてビデオプロジェクタ等の用途に使用さ
れている。
【0024】この立体画像表示装置100においては、
DMD33のもう一つの大きな特徴である高速応答性を
利用することにより、残像効果を利用する体積走査法に
おいて表示対象物の動画像をも表示することができるよ
うに実現される。
【0025】DMD33は一枚一枚のミラーの偏向の応
答性が約10μsecであることと、画像データの書き
込みが一般的なSRAMとほぼ同様の方法でできること
から、1枚の画像を生成するのに要する時間は1mse
cあるいはそれ以下ときわめて高速である。仮に1ms
ecであるとすると、残像効果を実現するために1/1
8secで180゜(すなわち毎秒9回転)の体積走査
を行う場合に生成できる断面画像の数は約60枚とな
る。従来の体積走査法で画像生成手段として使用されて
いたCRTや液晶ディスプレイ等と比較すると、DMD
33は単位時間当たりはるかに多くの断面画像をスクリ
ーン38上に投影することができ、非回転対称形状の立
体の表示のみならず、動画像の表示にも対応することが
できるのである。
【0026】また、DMD33の特徴の1つである光の
利用効率の高さも、より明るい断面画像をスクリーン3
8上に投影することで残像効果を高めることに寄与し、
CRT方式等と比較して高品位の立体画像の表示を可能
にする。
【0027】なお、図4に示すようにDMD33の画像
生成面側には、照明光学系40からの照明光を各微小ミ
ラーに導くとともに、DMD33で生成された断面画像
を投影光学系50に導くためにTIRプリズム44が配
設されている。
【0028】照明光学系40は、白色光源41と照明レ
ンズ系42とを有しており、白色光源41からの照明光
は照明レンズ系42により平行光とされる。照明レンズ
系42はコンデンサレンズ421、インテグレータ42
2、カラーフィルタ43およびリレーレンズ423によ
り構成される。白色光源41からの照明光はコンデンサ
レンズ421により集光されてインテグレータ422に
入射する。そして、インテグレータ422によって光量
分布が均一な状態とされた照明光は、回転式のカラーフ
ィルタ43によってR,G,Bのいずれかの色成分に分
光される。分光された照明光はリレーレンズ423によ
り平行光とされた上で、TIRプリズム44に入射し、
DMD33上に照射される。
【0029】DMD33は、ホストコンピュータ3から
与えられるデータを伸張して得られる2次元画像データ
に基づいて個々の微小ミラーの傾斜角度を変化させるこ
とにより照明光のうちの断面画像を投影するのに必要な
光成分のみを投影光学系50に向けて反射させる。
【0030】投影光学系50は投影レンズ系51とスク
リーン38とを有している。投影レンズ系51は両テレ
セントリックレンズ511と投影レンズ513と投影ミ
ラー36,37と像回転補償機構34とを備えており、
このうち投影レンズ513と投影ミラー36,37はス
クリーン38を回転軸Zのまわりに回転させる回転部材
39の内部側に配置されている。
【0031】DMD33で反射された光(断面画像)は
両テレセントリックレンズ511により平行光にされ、
断面画像の回転補償を行うために像回転補償機構34を
通過する。そして、像回転補償機構34において回転補
償が行われた光束は投影ミラー36、投影レンズ51
3、投影ミラー37を経由して最終的にスクリーン38
の主面(投影面)上に投影される。したがって、投影光
学系50とDMD33ととで、複数の断面画像を2次元
画像データに基づいて順次に生成し、スクリーン38の
回転走査に同期して複数のの断面画像をスクリーン上に
順次に投影する投影画像生成手段を形成する。
【0032】この光学系において、投影ミラー36、投
影レンズ513、投影ミラー37およびスクリーン38
は回転部材39に固定されており、回転部材39の回転
とともにスクリーン38の中心軸を含む垂直な回転軸Z
の回りに角速度Ωで回転する。つまり、体積走査を行う
ためにスクリーン38を回転させる際には、回転部材3
9内部に配置された投影ミラー36、投影レンズ513
および投影ミラー37もスクリーン38と一体となって
回転するため、スクリーン38がいかなる角度となって
も常にその正面側から断面画像の投影を行うことができ
るのである。
【0033】なお、スクリーン38の回転位置は位置検
出器73により常に検出されている。
【0034】こうしてDMD33において生成された断
面画像がスクリーン38上に投影される。投影レンズ5
13の役割は、光束がスクリーン38上に至るところで
適切な画像サイズをなすようにすることである。また、
投影ミラー37はスクリーン38に投影される立体像を
観察する際に観察者の視線を妨げないように、スクリー
ン38の正面の斜め下方向(図4の場合は回転部材39
の内部側)から断面画像を投影するように配置されてい
る。なお、投影レンズ513の投影ミラー36および3
7に対する位置的な順序関係は必ずしも本実施形態にと
らわれるものではない。
【0035】ここで、像回転補償機構34について説明
する。図4に示す像回転補償機構34は、いわゆるイメ
ージローテータの構成によって実現されている。スクリ
ーン38が取り付けられている回転部材39がある回転
位置に位置する場合に、スクリーン38上に投影されて
いる断面画像を基準像とする。もし像回転補償機構34
を用いないとすると、回転部材39が回転するにつれ投
影される断面画像はスクリーン38上で面内回転し、回
転部材39が180゜回転したところで投影される断面
画像は基準像に対し上下が逆転した像になってしまう。
この現象を防ぐものが像回転補償機構34である。
【0036】図4に示す像回転補償機構34は複数のミ
ラーを組み合わせて構成されるイメージローテータを使
用している。イメージローテータを光軸まわりに回転さ
せると、入射画像に対する出射画像がイメージローテー
タの角速度の2倍の角速度で回転して出射される性質が
ある。したがって、スクリーン38が取り付けられてい
る回転部材39の角速度の1/2の角速度でイメージロ
ーテータを回転させることによって、スクリーンの回転
にかかわらず正立した断面像を常に投影できる。
【0037】なお、像回転補償機構としてはイメージロ
ーテータ以外にダブ(タイプ)プリズムを使用しても同
様の効果が得られる。また、ここに説明した像回転補償
機構34を使用せず、DMD33の表面上に生成する断
面画像をスクリーン38の回転位置に応じて光軸まわり
に回転する像とすることで投影像の回転を打ち消すよう
にしてもよい。
【0038】すなわち、DMD33の表面上で生成され
る断面画像が、体積走査の開始時では正立像(あるいは
倒立像)であり、スクリーン38の回転とともに自転し
て体積走査が完了した時点では倒立像(あるいは正立
像)となるように断面画像の生成のための2次元画像デ
ータを、DMD33に与える前の段階で補正するように
してもよい。
【0039】ここで、スクリーン38および回転部材3
9の斜視概観図の一例を図5に示す。図5に示すように
回転部材39は円盤形状をなし、その側面に回転駆動手
段となるモータ74の回転軸が接することによって回転
駆動される。なお、回転部材39の中心軸にモータを直
結したり、歯車やベルトを介して駆動させるようにして
もよい。
【0040】図5に示すようにスクリーン38がある回
転位置θ1にあるとき、θ1に対応した表示対象物の断
面画像P1(DMD33で生成)が、図4に示した投影
ミラー36と投影レンズ513と投影ミラー37とを経
由してスクリーン38上に投影される。そこから微小時
間が経過してスクリーン38が回転し、その回転位置が
θ2になったとき、今度はθ2に対応した表示対象物の
断面画像P2(DMD33で生成)が、図4に示した投
影ミラー36と投影レンズ513と投影ミラー37とを
経由してスクリーン38上に投影される。
【0041】投影ミラー36、投影レンズ513および
投影ミラー37はスクリーン38に対して一定の位置関
係を保ったまま共に回転するので、スクリーン38上に
は回転にかかわらず常に断面像が投影され続ける。そし
て回転部材39を180゜回転(若しくは360°回
転)させた時点で再び始めと同じ断面画像が現れ、1回
の体積走査が完了する。以上の動作を回転部材39の回
転の速度を残像効果が起きるように十分に速く、かつ投
影する断面像の枚数を十分に多くすることによって、観
察者は断面画像の包絡として表示対象物の立体像を視認
することができるのである。
【0042】次に断面画像の大きさ(解像度)について
述べる。図6はスクリーン38に投影される断面画像の
大きさを示す図である。断面画像は256画素(水平方
向)×256画素(垂直方向)の大きさで、スクリーン
38の回転軸に対して対称に投影される。すなわち、回
転軸を中心として周方向に向かって左右128画素の大
きさとなる。投影される断面画像はスクリーン38と一
定の関係を保ったまま共に回転するので、スクリーン3
8の回転にかかわらず、投影される断面画像の大きさは
一定である。なお、図6に示す断面画像の大きさは単な
る一例であり、使用されるDMD33に設けられた微小
ミラーの数に応じて任意の大きさが設定可能である。
【0043】なお、断面画像の投影の際に用いられるデ
ータはホストコンピュータ3において図20(c)にて
示すように表示対象物を複数の切断面により切断するこ
とにより生成されるが、断面画像のデータの生成の詳細
については後述する。
【0044】<C.立体画像表示システムにおける制御
機構>次に、この立体画像表示システム1において立体
画像を表示するための制御機構について説明する。
【0045】図7は、立体画像表示システム1の機能構
成を示すブロック図である。図7において実線矢印は電
気信号の流れを示しており、破線矢印は光の流れを示し
ている。なお、図7に示す照明光学系40および投影光
学系50は上述した内容のものである。
【0046】表示対象物の断面画像に関する2次元画像
データはディジタル入出力端子24を経由してホストコ
ンピュータ3からインタフェース66に入力されたり、
あるいは記録メディア4からインタフェース66に入力
される。
【0047】断面画像のデータである2次元画像データ
は他の種類のデータに比べデータ量が多いため、インタ
フェース66に入力される2次元画像データには後述す
る圧縮処理が施されている。そこで、図7の構成では圧
縮された2次元画像データを伸張するためのデータ伸張
器65が設けられている。
【0048】伸張された2次元画像データは、DMD3
3における断面画像の生成を制御するDMD駆動部60
に与えられる。DMD駆動部60はDMD33とDMD
コントローラ62とメモリ63a,63bとを備えてい
る。メモリ63aおよび63bはそれぞれ独立に書き込
みまたは読み出しが制御されるように構成され、それぞ
れが複数の2次元画像データを記憶する記憶手段として
機能する。DMDコントローラ62はDMD33に対し
て階調信号を与えたり、位置検出器73で検出されるス
クリーン38の回転位置に応じてカラーフィルタ43を
駆動するためのドライバ71を制御するとともにメモリ
63a,63bにおける書き込み動作と読み出し動作と
を制御する。
【0049】ここで、記憶手段となるメモリの構成につ
いて説明する。上述した例示のように体積走査を行う場
合にDMD33で生成できる断面画像の数を60枚とす
る。立体表示を行うには断面画像をスクリーン38の回
転位置に応じて断続的に投影するので、60枚の断面画
像群を1シーンとするとその断面画像群に対応する2次
元画像データを順次に繰り返してDMD33にデータ転
送する必要がある。このため、DMD33に2次元画像
データを供給するためのメモリの記憶容量は、少なくと
も1シーンに相当する60枚分の2次元画像データ群を
記憶しておくことのできるメモリサイズが必要になる。
【0050】つまり、2次元画像データ用のメモリサイ
ズが小さい場合、例えば60枚に満たない断面画像分の
2次元画像データしかメモリに記憶することができない
場合は、ホストコンピュータ3あるいは記録メディア4
から断面画像ごとの2次元画像データを繰り返し転送し
続けないと静止画像ですら適切に立体表示することがで
きない。一般にはホストコンピュータ3あるいは記録メ
ディア4から2次元画像データを転送する際の速度はメ
モリからDMD33に対して2次元画像データを供給す
る際の速度に比べて低速であるため、高速回転するスク
リーン38の回転位置に応じた2次元画像データの供給
が間に合わないという事態が生じ、適切な立体表示がで
きなくなるのである。
【0051】これに対して、60枚分以上のメモリサイ
ズがあれば、1シーンを構成する断面画像群についての
2次元画像データ群を全てメモリに格納しておくことが
できるので、一旦メモリに2次元画像データ群を格納し
ておけば、このメモリからスクリーン38の回転位置に
応じて2次元画像データ群を順次にDMD33に与える
ことによって適切に立体画像の表示を行うことができる
のである。
【0052】以上のことは、立体表示を行う際に静止画
像を表示する場合であっても動画像を表示する場合であ
っても同様である。
【0053】次に、動画像を表示する場合のメモリ構成
について説明する。カラー表示を行うためにR,G,B
の各色成分ごとの画像を構成すると、これらR,G,B
画像が一組で1枚の断面画像を構成することになる。し
たがって、60枚分をR,G,Bの各色成分に対応させ
ると各色成分ごとの画像は20枚の構成となる。このた
め、1枚の立体表示を行うために必要なメモリサイズ
は、上記図6に示した断面画像の大きさについて考える
と、256×256×3×20=3.75MByte
(=30Mbit)となる。
【0054】図8は、メモリの構成例を示す図である。
図8(a)はR,G,Bの各色成分の画像ごとに1つの
メモリを使用する例を示しており、R,G,Bに対応す
る3つのメモリで1つの断面画像についての2次元画像
データを記憶する。したがって、図8(a)の場合は個
々のメモリのメモリサイズは小さくてもよいが1シーン
分の2次元画像データを記憶するために少なくとも60
個のメモリが必要となる。また、図8(b)は1つのメ
モリで構成した例を示しており、図8(c)は2つのメ
モリで構成した例を示している。
【0055】表示する立体画像が静止画像であれば、図
8(b)のようにメモリ1つの構成で1シーン全ての断
面画像群に関する2次元画像データ群を記憶しておき、
それを順次に繰り返してDMD33に出力することによ
り立体表示することができる。しかしながら、動画像を
表示する場合には、スクリーン38の回転に伴って1シ
ーンとして表示すべき断面画像の内容が時々刻々と変化
していくため、メモリ内の2次元画像データを順次に更
新していく必要がある。つまり、動画像を扱う場合に
は、2次元画像データの読み出し(表示)と書き込み
(更新)とを並列的に同時に行うことが必要である。こ
のため、図8(b)に示すようなメモリ1つの構成では
記憶された2次元画像データの読み出しと新たな2次元
画像データの書き込みとを同時に行うことができず、原
則として動画像表示に対応することができない。
【0056】一方、図8(a)および(c)に示すよう
に複数のメモリを備える構成の場合は、読み出し対象と
なるメモリと書き込み対象となるメモリとを順次に切り
換えていくようにすれば、2次元画像データの読み出し
と書き込みとを時間的に並行して行うことができ、動画
像表示に対応することができる。
【0057】そこで、図8(a)と(c)とのメモリ構
成を比較した場合、(a)の構成では60個のメモリが
存在するため、装置構成が複雑化するとともに、読み出
し対象となるメモリと書き込み対象となるメモリとを順
次に切り換えていく際のメモリ制御も複雑化するのに対
し、(c)の構成では2つのメモリで読み出し対象と書
き込み対象とを交互に切り換えていけばよいため構成お
よびメモリ制御が比較的簡単になる。このため、この実
施形態では表示対象物の動画像を立体表示することので
きるメモリ構成として図8(c)のメモリ構成を採用し
たものを一例として図7に示している。
【0058】ところが、図8(c)に示すメモリ構成を
採用するにあたってはデータ転送速度の問題を解決する
必要がある。図8(c)の構成の場合は、1シーン分の
256×256×3×20Byteの2次元画像データ
群を2つのメモリで分離して記憶する。この場合は、第
1メモリに格納された256×256×3×10Byt
eの2次元画像データを読み出してDMD33に供給し
ている間に第2メモリに対して次の256×256×3
×10Byteの2次元画像データを格納しなければな
らない。既述したようにホストコンピュータ3あるいは
記録メディア4から2次元画像データを転送する際の速
度はメモリからDMD33に対して2次元画像データを
供給する際の速度に比べて低速であるため、一方のメモ
リからの1/2シーン分の2次元画像データを読み出し
ている間に他方のメモリに次の1/2シーン分の2次元
画像データの書き込みが完了しないことも考えられる。
このような事態が発生すると、スクリーン38が1回転
するときの後半部分については断面画像の投影ができな
くなるのである。
【0059】この問題を解決するために、この実施形態
においては図8(c)に示すメモリ構成を採用するにあ
たって、各メモリの記憶容量を少なくとも1シーン分の
2次元画像データ群を記憶することができるように構成
する。例えば、図9に示すようにそれぞれのメモリにつ
いて256×256×3×20Byteのメモリサイズ
を確保し、それぞれのメモリで1シーン分の2次元画像
データ群を記憶することができるように構成するのであ
る。このような構成を採用することによって、一方のメ
モリからの1シーン分の2次元画像データ群を読み出し
ている間に他方のメモリに次の1シーン分の2次元画像
データ群の書き込みが完了していない場合には、もう一
度繰り返して前回と同じシーンを表示することができる
のである。この結果、断面画像がとぎれることなくスク
リーン38上に投影され続けるため、残像効果を維持す
ることができる。
【0060】したがって、この実施形態では図7に示す
メモリ63aとメモリ63bとのそれぞれは、1シーン
分、すなわち、表示対象物の立体画像を表示するのに必
要な断面画像群に対応する2次元画像データ群を記憶す
ることができるメモリサイズを有するように構成され
る。
【0061】図7の説明に戻り、システムコントローラ
64は、投影レンズ系51における像回転補償機構34
の回転動作およびモータ74の動作を制御するスクリー
ンコントローラ72に対して駆動指令を与える。また、
システムコントローラ64は白色光源41を駆動するド
ライバ70の制御や、インタフェース66およびデータ
伸張器65を管理・制御してDMD駆動部60に対する
2次元画像データの供給状況等のDMDコントローラ6
2への伝達等を行う。
【0062】また、システムコントローラ64はキャラ
クタジェネレータ69に対して液晶ディスプレイ21の
画面上に適切な文字や記号等を表示させるための指示を
与えるとともに、着脱可能な操作スイッチ22からの入
力情報をも入力することができるように構成されてい
る。操作スイッチ22と立体画像表示装置100とは赤
外線通信を行うように構成されており、立体画像表示装
置100側には赤外線通信用の送受信部75aとドライ
バ75bとを有し、操作スイッチ22側には送受信部7
6aとドライバ76bとを有している。
【0063】なお、2次元画像データに含まれる音声デ
ータは、データ伸張器65の内部に設けられた図示しな
いオーディオデコーダによって復元され、そこで得られ
た音声データはD/A変換器68aとアンプ部68bと
を経由してスピーカ25から出力される。また、電源6
7は図7に示す立体画像表示装置100の各部に対して
電源供給を行う。
【0064】図10は、図7に示した構成のうちの要部
を抜き出した図である。上述したようにこの立体画像表
示装置100においては表示対象物の立体像を時々刻々
と変化させて表示対象物に関する動画像を表示させるた
めに2個のメモリ63a,63bを設け、一方のメモリ
への書き込み動作と他方のメモリからの読み出し動作と
を時間的に並行して行うような構成とされている。具体
的には、DMDコントローラ62内におけるメモリ制御
部62aが読み出し対象となるメモリと書き込み対象と
なるメモリとを切り換える制御手段として機能し、位置
検出器73によって得られるスクリーン38の回転位置
に応じてメモリ63aおよび63bの読み出し動作と書
き込み動作とを交互に切り換える。なお、このメモリ制
御部62aと2個のメモリ63a,63bが一体となっ
て表示対象物の1シーンの全体を複数の断面画像によっ
て集合的に表現した2次元画像データ群を入力した際に
バッファするバッファ手段として機能する。
【0065】データ伸張器65から供給される2次元画
像データはメモリ63a,63bの双方に供給される
が、2つのメモリのうちのメモリ制御部62aによって
書き込み指令の与えられたメモリのみが指定されたアド
レスから順次2次元画像データを書き込んでいく(また
は更新していく)。その一方で、メモリ制御部62aか
ら読み出し指令の与えられたメモリは既に格納している
複数の2次元画像データをメモリ制御部62aからの指
令に基づいて順次に出力してDMD33に与える。
【0066】メモリ制御部62aは位置検出器73から
得られる回転位置に基づいてDMD33において断面画
像の生成を行わせるべく、一方のメモリ63a(または
63b)に対して読み出しアドレスを指定することによ
って2次元画像データの読み出し動作を制御することに
より、断面画像の表示を制御する。そして、1シーン分
の断面画像群の投影を完了したときに、他方のメモリ6
3b(または63a)に対する次の1シーン分の2次元
画像データ群の書き込みが終了しているかどうかを調
べ、終了している場合には読み出し対象と書き込み対象
とのメモリを切り換え、終了していない場合には読み出
し対象である一方のメモリ63a(または63b)から
再度繰り返して同じシーンを投影させるべく、1シーン
分の2次元画像データ群を順次読み出すように制御す
る。
【0067】このような制御を行うメモリ制御部62a
の詳細を機能ブロック図として示すと図11に示すよう
になる。すなわち、位置検出器73から得られる回転位
置に応じたパルス信号をカウンタ81がカウントしてそ
の結果を読み出しアドレス発生部82と切換部84に送
る。読み出しアドレス発生部82では、カウント結果に
基づいてスクリーン38の現在位置に適した断面画像を
特定してその2次元画像データを読み出すための読み出
しアドレスを発生させる。一方、書き込みアドレス発生
部83は、システムコントローラ64から伝達されるデ
ータ伸張器65からの2次元画像データの供給状況に基
づいて供給される2次元画像データの書き込みアドレス
を発生させる。読み出しアドレス発生部82と書き込み
アドレス発生部83とで発生するアドレスはそれぞれ切
換部84に導かれる。そして切換部84はカウンタ81
からの回転位置に基づいて1シーン分の断面画像群の投
影を完了したと判断したときに他方のメモリに対する次
の1シーン分の2次元画像データ群の書き込みが終了し
ているかどうかを調べて、終了している場合には読み出
し対象と書き込み対象とのメモリを切り換えて読み出し
アドレスと書き込みアドレスとの送出先を切り換え、終
了していない場合には切り換え動作を行わない。
【0068】このような構成および制御を行うことによ
り、スクリーン38の回転に伴ってスクリーン38上に
投影される断面画像を更新していくことができ、体積走
査による立体表示において表示対象物の動画像をも表示
することが可能になる。また、読み出し対象となってい
るメモリから1シーン分の断面画像群に関する2次元画
像データ群の読み出しが終了したときに、ホストコンピ
ュータ3等からの入力またはデータ伸張器65における
伸張処理が未だ終了しておらず、他方のメモリに対する
2次元画像データの書き込み(更新)が完了していない
場合であっても、スクリーン38上に投影される断面画
像がとぎれることを回避することができ、常に適切な立
体表示を維持することが可能になる。
【0069】<D.投影像の補正>次に、投影像の補正
の必要性について説明する。投影像を補正することが必
要な点として、2つの点がある。第1には、スクリーン
38への断面画像の投影においてスクリーン38の上方
と下方との間での光路長の相違による断面画像のひずみ
を補正することである。第2には、スクリーン38を1
80゜回転させた時点で1回の体積走査が完了するよう
にした場合に、スクリーン38の投影面が観察者に対し
て前面側にあるときと裏面側にあるときとで、投影する
断面画像を左右反転させることである。
【0070】まず、第1の投影像の補正について説明す
る。立体画像表示装置100においては立体像の観察に
際して観察者の視線を防げないために、図4に示すよう
に、投影ミラー37はスクリーン38の正面よりも斜め
下方にずらした位置に配置されている。従ってスクリー
ン38の上方と下方とで光路長が異なり、スクリーン3
8の下方に比べて上方では断面像が相対的に大きく拡大
されて投影されることになる。この状態では立体像がい
びつになるので、投影像のスケールの差違を補正する必
要がある。
【0071】投影像の補正方法の一例としては、DMD
33で生成される断面画像に、予め像の上方と下方とで
スケールに差を与える補正を施す方法がある。具体的に
は、実際に投影したい断面画像P3が図12(a)に示
すような矩形環状であるとき、DMD33で生成される
断面画像P4は、図12(b)に示すように下方に比べ
上方でスケールを縮小した台形環状の像となるようにD
MD33に与える2次元画像データを補正しておく。こ
の補正を行う補正手段としては、ホストコンピュータ3
側で2次元画像データを生成する際に下方に比べて上方
のスケールを縮小するようにしてホストコンピュータ3
自体を補正手段としてもよく、また図7に示すデータ伸
張器65において伸張を行う際に補正するようにしてデ
ータ伸張器65を補正手段としてもよく、さらにはデー
タ伸張器65の後段側に上記のような補正を行う補正手
段を単体で設けてもよい。なお、スケールの縮小率は、
スクリーン38への投影の際の拡大係率を打ち消すよう
に設定することが好ましいため、補正手段は立体画像表
示装置100側に設けることが好ましい。
【0072】また、投影像の補正方法の他の例として
は、例えば、光軸に対して非対称な屈折特性を有するレ
ンズ系(上方側には倍率が小さく、下方側には倍率が大
きくなるレンズ系)を投影光学系に配置する方法があ
る。この場合、当該レンズ系は、投影ミラー36と投影
ミラー37の間、投影ミラー37とスクリーン38との
間、DMD33と像回転補償機構の間に配設することが
できる。
【0073】また、投影ミラー36と投影ミラー37の
いずれかを上方側に投影される光に対しては像を縮小
し、下方側に投影される光に対しては像を拡大するよう
な複数の曲率を有する曲面ミラーにする方法を採用して
もよい。なお、投影ミラー36と投影ミラー37をとも
に曲面ミラーにして、最終的にスクリーン38に投影す
る際に、上方側に投影される光に対しては像を縮小し、
下方側に投影される光に対しては像を拡大するようにし
てもよい。
【0074】次に、第2の投影像の補正について説明す
る。スクリーン38が360°回転する際に投影する断
面画像群の全ての2次元画像データをメモリ63a,6
3bに格納し、スクリーン38の360°回転を1回の
体積走査とする場合はスクリーン38の投影面が観察者
に対して前面側と裏面側のいずれにあるときでも適切な
断面画像の投影を行うことができる。
【0075】しかしながら、スクリーン38が180°
回転する際に投影する断面画像群の2次元画像データを
メモリ63a,63bに格納し、スクリーン38の18
0°回転を1回の体積走査とする場合はスクリーン38
上に非回転対称の立体像を投影する際には投影面が前面
側にあるときと裏面側にあるときとで断面画像を左右反
転させることが必要になる。なぜなら、例えば表示対象
物としてコーヒーカップの立体像を表示させようとして
左右反転を行わない場合には表示対象物のコーヒーカッ
プには取っ手部分が1つしかないにもかかわらず、立体
表示される表示像には回転軸に対して対称な位置関係に
2つの取っ手部分が表示されることになるからである。
【0076】この左右反転を行う方法の一例として、メ
モリ63a,63bからDMD33に対して2次元画像
データを供給する際におけるメモリ63a,63bの読
み出しアドレスをスクリーン38の回転位置に応じて切
り換える方法がある。この方法では、スクリーン38が
180°回転するごとに断面画像を反転させるために、
断面画像における水平方向についてのデータ読み出し順
序を切り換えるだけでよく、断面画像の垂直方向につい
ては変更する必要がない。
【0077】例えば、断面画像の大きさが図6に示した
ような256画素(水平方向)×256画素(垂直方
向)である場合、各メモリ63a,63bから2次元画
像データを読み出す際の水平アドレスは8ビットとな
り、水平方向の0番目〜255番目までの画素を指定す
ることができる。そして、図10に示したメモリ制御部
62aが位置検出器73から得られるスクリーン38の
回転位置に応じてメモリ63a,63bからDMD33
に与える2次元画像データの水平方向の読み出し順序を
切り換える。
【0078】図13は、スクリーン38の回転位置θに
応じてメモリ63a,63bからの読み出し順序を示す
図である。図13に示すように、メモリ63a,63b
にはスクリーン38が180°回転する際に投影する断
面画像群としてn枚分の2次元画像データが格納され
る。そして図13(a)に示すようにスクリーン38の
回転位置θが0°≦θ<180°の範囲内である場合に
は、n枚分の2次元画像データはそれぞれ水平方向の右
方向に順次1画素ずつの画像データD0、D1、D2、
…、D255が読み出されてDMD33に供給される。
これに対し、図13(b)に示すようにスクリーン38
の回転位置θが180°≦θ<360°の範囲内である
場合には、n枚分の2次元画像データはそれぞれ水平方
向の左方向に順次1画素ずつの画像データD255、D
254、D253、…、D0が読み出されてDMD33
に供給される。
【0079】つまり、スクリーン38の回転位置θが0
°≦θ<180°の範囲内である場合には第1の読み出
しモードとして2次元画像データのそれぞれの画像デー
タを回転軸Zに直交する水平方向の右方向に順次読み出
していくのに対し、スクリーン38の回転位置θが18
0°≦θ<360°の範囲内である場合には第2の読み
出しモードとして2次元画像データのそれぞれの画像デ
ータを回転軸Zに直交する水平方向の左方向に順次読み
出していくのである。
【0080】このような読み出し順序を切り換えるため
の制御機構の一例を図14に示す。図14には図11に
示した読み出しアドレス発生部82の詳細構成を示して
いる。図14に示すように読み出しアドレス発生部82
は第1アドレス発生部82aと第2アドレス発生部82
bとアドレス選択部82cとを備える。第1アドレス発
生部82aはスクリーン38の回転位置θが0°≦θ<
180°の範囲内にあるときの読み出しアドレスを発生
し、第2アドレス発生部82bはスクリーン38の回転
位置θが180°≦θ<360°の範囲内にあるときの
読み出しアドレス(すなわち第1アドレス発生部82a
で発生される水平方向の読み出し順序を逆順序に設定し
た読み出しアドレス)を発生する。第1アドレス発生部
82aおよび第2アドレス発生部82bは双方ともカウ
ンタ81から得られるカウント結果に基づいてスクリー
ン38の現在位置に適した断面画像を特定してその2次
元画像データを読み出すための読み出しアドレスを常時
発生させる。
【0081】図15はこれらのアドレス発生部82a,
82bで発生される8ビットの水平アドレス信号の一例
を示す図である。図15において、(a)は第1アドレ
ス発生部82aで発生されるアドレス信号を示してお
り、(b)は第2アドレス発生部82bで発生されるア
ドレス信号を示している。なお、図15(a),(b)
においてA0〜A7はビット単位ごとの信号を示してい
る。
【0082】図15に示すように、スクリーン38の回
転位置が0°≦θ<180°の範囲内にあるときと18
0°≦θ<360°の範囲内にあるときとでは各ビット
信号A0〜A7はレベル反転した関係にある。この結
果、0°≦θ<180°の範囲内にあるときには図13
(a)に示した順序で1画素ごとのデータが読み出され
ていき、180°≦θ<360°の範囲内にあるときに
は図13(b)に示した順序で1画素ごとのデータが読
み出されていく。なお、図15に示すように2次元画像
データの2ライン目以降についても1ライン目と同様の
読み出し手順(方向)で読み出しアドレスを設定する。
【0083】このようにして第1アドレス発生部82a
と第2アドレス発生部82bとの双方で発生された読み
出しアドレスはアドレス選択部82cに導かれる。アド
レス選択部82cではカウンタ81から得られる回転位
置θが0°≦θ<180°の範囲と180°≦θ<36
0°の範囲とのいずれの範囲内にあるかを調べ、0°≦
θ<180°の範囲内にある場合には第1アドレス発生
部82aで発生されたアドレス信号(図15(a)参
照)を上述した切換部84に供給し、また、180°≦
θ<360°の範囲内にある場合には第2アドレス発生
部82bで発生されたアドレス信号(図15(b)参
照)を上述した切換部84に供給する。
【0084】以上のような構成を採用することにより、
メモリ63aまたは63bから2次元画像データを読み
出す際に断面画像の水平方向に相当する読み出し順序を
スクリーン38の回転位置に応じて反転させる(切り換
える)ことが可能になる。この結果、DMD33に与え
られる2次元画像データはスクリーン38の180°回
転ごとに左右の反転されたデータとなり、スクリーン3
8上に投影される断面画像も180°回転ごとに左右反
転が行われる。この結果、スクリーン38の180°回
転を1回の体積走査とする場合における断面画像の左右
反転を実現することが可能になり、投影像の補正が良好
に行えるのである。
【0085】<E.立体画像表示装置における処理手順
の概要>次に、立体画像表示装置100において実際に
立体画像を表示する際の処理手順の概要について説明す
る。図16ないし図18はこの処理手順を示すフローチ
ャートであり、特に図17は立体表示を行う際の画像が
静止画像である場合の表示処理に関するフローチャート
であり、図18は立体表示を行う際の画像が動画像であ
る場合の表示処理に関するフローチャートである。
【0086】図16のフローチャートにおいて、まず初
期設定が行われる(ステップS1)。この初期設定の内
容には電源の安定化や各種処理条件に関するパラメータ
の初期化等が含まれる。また、スクリーン38の回転走
査も開始される。
【0087】ステップS2以降は立体画像を表示するた
めの工程であり、ステップS2では、観察者(操作者)
は操作スイッチ22からデータファイルの選択のための
入力を行う。例えば、図7の構成において2次元画像デ
ータが記録メディア4内に格納されている場合には、そ
の2次元画像データに関するファイル名等が液晶ディス
プレイ21上に表示され、観察者はこの液晶ディスプレ
イ21の表示内容を視認しながら所望するデータファイ
ルの選択を行う。また、2次元画像データがホストコン
ピュータ3側に格納されている場合には、システムコン
トローラ64の指令の下に立体画像表示装置100とホ
ストコンピュータ3との間でデータ通信が行われ、ホス
トコンピュータ3において格納されている2次元画像デ
ータに関するファイル名等が液晶ディスプレイ21上に
表示される。その結果、観察者はこの液晶ディスプレイ
21の表示内容を視認しながら所望するデータファイル
の選択を行う。
【0088】そして、データファイルの選択が行われる
とステップS3に進み、ステップS2で選択されたデー
タファイルのヘッダファイルの入力が行われる。すなわ
ち、システムコントローラ64が記録メディア4または
ホストコンピュータ3からヘッダファイルを取得する。
このヘッダファイルには、断面画像の大きさ、すなわち
断面画像の水平方向および垂直方向がそれぞれ何画素で
構成されているかという情報、1シーンを構成する断面
画像の数、1回の体積走査が180°回転とするか36
0°回転とするかという情報、動画像の場合におけるシ
ーン数、2次元画像データが静止画像形式であるか動画
像形式であるかを示すデータ形式等の立体表示のために
必要な各種情報が含まれている。
【0089】そしてステップS4に進み、システムコン
トローラ64はヘッダファイルからデータ形式を識別
し、表示すべき立体像が静止画像であるのか動画像であ
るのかを識別する。そして上記各種情報を各部に伝達し
て立体表示の準備段階に入る。
【0090】ステップS4の後、操作スイッチ22から
の入力待機状態となり(ステップS5)、観察者からの
表示開始指示(すなわちスタートボタン222の操作)
があった場合にはステップS6に進み、表示開始指示が
ない場合にはステップS2に戻る。なお、観察者は静止
画像についての表示開始指示を入力する場合にはその静
止画像の表示時間の設定をも行うものとする。
【0091】ステップS6では、ステップS4で識別し
たデータ形式が静止画像であるか動画像であるかを判断
し、静止画像である場合はステップS7に進み、動画像
である場合はステップS8に進む。
【0092】図17に示すように静止画像表示モード
(ステップS7)に進んだ場合には、まず、システムコ
ントローラ64による制御の下に記録メディア4または
ホストコンピュータ3からの圧縮された2次元画像デー
タの入力を開始する。この結果、静止画像についての2
次元画像データは断面画像ごとに順次にインタフェース
66を介してデータ伸張器65に供給される。そして、
データ伸張器65において伸張処理を行いつつ伸張され
た2次元画像データは2つのメモリ63a,63bのう
ちの一方のメモリ63a(または63b)に書き込まれ
ていく(ステップS71)。このときDMDコントロー
ラ62におけるメモリ制御部62aは一方のメモリ63
a(または63b)を指定して、そのメモリに対して書
き込みアドレスを順次に指定していくことになる。そし
て、静止画像を表示するための全ての断面画像に関する
2次元画像データの書き込みが終了すると、ステップS
72に進む。
【0093】そして、ステップS72では2次元画像デ
ータが書き込まれた一のメモリ63a(または63b)
からの2次元画像データを順次に読み出していき、その
読み出した2次元画像データをDMD33に与える。こ
の結果、回転するスクリーン38上にはDMD33に与
えられた2次元画像データに対応する断面画像が投影さ
れる。
【0094】そしてメモリ63a(または63b)に格
納されている2次元画像データの全てが一通りDMD3
3に供給されると、ステップS73に進み、表示時間が
設定された時間を超過したかどうかを判定し、設定時間
に満たない場合には再度同じ断面画像の表示を行うべく
ステップS72に戻る。一方、設定時間を過ぎていた場
合には静止画像の表示に関する処理は終了する。
【0095】なお、ステップS72の処理が繰り返し行
われる場合であってスクリーン38の180°回転を1
回の体積走査としている場合には、このステップS72
が行われる度に上述した断面画像の左右の反転を行うよ
うな読み出しアドレスを発生させる。こうすることによ
り、静止画像表示における投影像の補正が良好に行える
のである。
【0096】次に、図18に示すように動画像表示モー
ド(ステップS8)に進んだ場合について説明する。動
画像表示モード(ステップS8)に進んだ場合にも、ま
ず、システムコントローラ64による制御の下に記録メ
ディア4またはホストコンピュータ3からの2次元画像
データの入力を開始する。この結果、動画像についての
2次元画像データは断面画像ごとに順次にインタフェー
ス66を介してデータ伸張器65に供給される。ただ
し、動画像の場合は、1つの静止画像についての2次元
画像データが複数個集合したものと同様であるので、2
次元画像データの入力を開始しても直ぐにはデータ入力
は完了しない。このため、記録メディア4やホストコン
ピュータ3からのデータ入力を行いつつ動画像について
の立体表示を行うことになる。
【0097】データ伸張器65ではインタフェース66
を介して入力される2次元画像データに対して順次に伸
張処理を施していき、その結果得られる2次元画像デー
タを順次にメモリ63a,63bに対して出力してい
く。
【0098】ステップS81では、DMDコントローラ
62のメモリ制御部62aが一方のメモリ63aを書き
込み対象とし、そのメモリ63aに対して書き込みアド
レスの指定を行う。この結果、最初の1シーン分の2次
元画像データが順次にメモリ63aに書き込まれていく
ことになる。そして1シーン分の2次元画像データの書
き込みが終了すると、ステップS82に進む。
【0099】ステップS82では、メモリ制御部62a
はメモリ63aに書き込まれた2次元画像データをDM
D33に与えるために、メモリ63aを読み出し対象と
するとともに、他方のメモリ63bを書き込み対象とし
て設定する。この結果、最初の1シーン分の2次元画像
データはDMD33に供給されて回転するスクリーン3
8上に投影され、データ伸張器65から得られる次の1
シーン分の2次元画像データはメモリ63bに順次書き
込まれていく。なお、このステップS82において、メ
モリ63aに格納されている2次元画像データの読み出
しが一通り終了したときにメモリ63bに対する次の1
シーン分の書き込み動作が終了していない場合には、再
度メモリ63aからの読み出しを繰り返し行い、スクリ
ーン38に対して前回と同じ断面画像を投影する。これ
に対し、メモリ63aに格納されている2次元画像デー
タの読み出しが一通り終了したときにメモリ63bに対
する次の1シーン分の書き込み動作が終了していた場合
には、ステップS83に進む。
【0100】そして、ステップS83ではデータ伸張器
65からメモリ63a,63b側に供給される2次元画
像データが終了したかどうかを判定する。すなわち、動
画像を表示するための全てのシーン分の2次元画像デー
タがメモリ63a,63bに格納されたかどうかを判定
するのである。そして、データ伸張器65からメモリ6
3a,63b側に供給される2次元画像データが続く場
合は、さらに次のシーンが存在することになるので、ス
テップS83において「NO」と判断され、ステップS
84に進む。これに対して、メモリ63a,63b側に
供給される2次元画像データが存在しない場合は、ステ
ップS82でメモリ63bに書き込んだ2次元画像デー
タが最後のシーンということになるので、その最後のシ
ーンを表示すべくステップS86に進む。
【0101】ステップS84では、メモリ制御部62a
はメモリ63bに書き込まれた2次元画像データをDM
D33に与えるために、メモリ63bを読み出し対象と
するとともに、他方のメモリ63aを書き込み対象(更
新対象)として設定する。この結果、ステップS82に
おいて表示された1シーンに続く1シーン分の2次元画
像データがDMD33に供給されて回転するスクリーン
38上に投影されるとともに、データ伸張器65から得
られるさらに次の1シーン分の2次元画像データがメモ
リ63aに順次書き込まれていく。なお、このステップ
S84においてもメモリ63bに格納されている2次元
画像データの読み出しが一通り終了たときにメモリ63
aに対する次の1シーン分の書き込み動作が終了してい
ない場合には、再度メモリ63bからの読み出しを繰り
返し行い、スクリーン38に対して前回と同じ断面画像
を投影する。これに対し、メモリ63bに格納されてい
る2次元画像データの読み出しが一通り終了したときに
メモリ63aに対する次の1シーン分の書き込み動作が
終了していた場合には、ステップS85に進む。
【0102】そして、ステップS85ではステップS8
3と同様の判定が行われる。したがって、データ伸張器
65からメモリ63a,63b側に供給される2次元画
像データがさらに続く場合は、さらに次のシーンが存在
することになるので、ステップS85において「NO」
と判断されてステップS82に進み、メモリ63a,6
3b側に供給される2次元画像データが存在しない場合
は、ステップS85でメモリ63aに書き込んだ2次元
画像データが最後のシーンということになるので、その
最後のシーンを表示すべくステップS86に進む。
【0103】なお、ステップS82およびS84では、
一方のメモリへの2次元画像データの書き込みと他方の
メモリからの2次元画像データの読み出しとを同時並列
的に行われることは既に説明した内容から明らかであ
る。
【0104】ステップS86では、最後の1シーンをス
クリーン38上に投影すべく、一方のメモリ63aまた
は63bから2次元画像データを読み出してそれをDM
D33に与える動作が行われる。
【0105】このようにして動画像表示が行われるので
あるが、ステップS82,S84,S86においてメモ
リ63aまたは63bからの2次元画像データを読み出
す際に、スクリーン38上に投影する断面画像を左右反
転させる必要のあるときには、上述したように水平方向
の読み出し方向を変更すべく読み出しアドレスの切り換
えが行われる。
【0106】上記のような処理手順を行うことにより、
静止画像のみならず動画像をも適切に立体表示すること
が可能になる。
【0107】<F.立体画像表示データの生成>次に、
立体画像表示データ生成装置であるホストコンピュータ
3の構成、並びに、ホストコンピュータ3にて行われる
断面画像に関する2次元画像データの生成の流れ、およ
び、一連の2次元画像データの圧縮による立体画像の表
示に用いられるデータ(以下、「立体画像表示データ」
という。)の生成の流れについて説明する。
【0108】ホストコンピュータ3は図1に示すよう
に、各種演算処理を行うCPU3a、操作者への表示を
行うディスプレイ3b、操作者からの入力を受け付ける
キーボード3cおよびマウス3d、生成したデータを立
体画像表示装置100に転送する転送部3e、記録メデ
ィア4にデータを記録する記録部3f、立体画像表示デ
ータ生成プログラムPGを記憶したり作業領域となるメ
モリ3g、並びに、立体データDD0や生成した立体画
像表示データDD1を記憶する固定ディスク3hを適宜
インターフェイスを介する等してバスライン3mに接続
して有する。
【0109】図19はホストコンピュータ3の構成を機
能の面から示すブロック図である。図19に示す構成の
一部は、実際には、CPU3aがROM、RAM等のメ
モリ3gや固定ディスク3h等と通信をしながらCPU
3aが立体画像表示データ生成プログラムPGの内容を
実行することにより実現される。
【0110】立体データ記憶部91は、表示対象物の3
次元画像データである立体データDD0を記憶する部位
であり、具体的には、固定ディスク3hに対応する部位
である。立体表示条件入力部92は表示の大きさ、表示
対象物の姿勢、1シーンの断面画像数等の操作者からの
入力を受け付ける部位であり、具体的には、キーボード
3cおよびマウス3dに対応する部位である。断面画像
演算部93は立体データDD0から断面画像のデータで
ある2次元画像データを生成する部位であり、CPU3
aやメモリ3g等の機能の一部に相当する部位である。
また、データ圧縮部94は得られた一連の2次元画像デ
ータを圧縮して立体画像表示データDD1を生成すると
ともに、生成した立体画像表示データDD1を転送部3
eや記録部3fへと出力する部位であり、CPU3aや
メモリ3g等の機能の一部に相当する部位である。な
お、断面画像演算部93やデータ圧縮部94は専用の電
気回路により構築されていてもよく、部分的に専用の電
気回路となっていてもよい。
【0111】立体データ記憶部91に記憶される立体デ
ータDD0は表示対象物の3次元画像データであるが、
ここで記憶される立体データDD0は動画像表示の場合
には、表示対象物の初期状態から最終状態に至るまでの
各形態をそれぞれ1つの3次元画像データとする一連の
3次元画像データとなる。
【0112】そして、立体データ記憶部91から読み出
される3次元画像データと、立体表示条件入力部92か
ら与えられる表示条件に基づいて、所定の角度刻みごと
に表示対象物を切断した断面画像の2次元画像データを
断面画像演算部93が導出する。
【0113】導出された一連の2次元画像データは、デ
ータ圧縮部94にて後述する圧縮処理が行われ、その
後、転送部3eから直接、立体画像表示装置100に転
送されたり、必要に応じて記録部3fにて記録メディア
4に記録されたり、あるいは、ホストコンピュータ3に
接続された固定ディスク3h等の記録媒体に保存され
る。
【0114】図20は、断面画像演算部93において行
われる1つの3次元画像データから1シーン分の2次元
画像データ群への変換過程を説明するための図であり、
図21はこの処理の流れを示す流れ図である。まず、図
20(a)のような表示対象物の3次元画像データに対
して、回転表示を行う際の中心軸となる回転軸を決定す
る(図21:ステップS911)。この回転軸は表示対
象物を切断する切断面の回転中心となるものであり、切
断面に平行となる。この状態が図20(b)である。そ
して、3次元画像データを1回転で何分割するかを設定
し、さらに断面画像の大きさ等の設定が行われてこれら
の情報がヘッダファイルとして生成される(ステップS
912)。生成されたヘッダファイルは適宜、立体画像
表示装置100に転送されたり、記録メディア4や固定
ディスク等の記録媒体に保存される。
【0115】次に、図20(c)に示すように分割数n
に応じて表示対象物をほぼ均等な角度Δθごとの切断面
により放射面状に切断する。この切断によって導かれる
表示対象物の断面画像を画像データとして表現すること
により、図20(d)に示すような所定角度ごとに切断
された(図20(c)中、θ0を基準として、θ1,θ
2,θ3・・・の回転位置にて切断された)表示対象物
の断面画像全体に関する2次元画像データが生成される
(ステップS913)。
【0116】以上のようにして1回転する際に表示対象
物の立体画像を表示するのに必要なn枚の断面画像群の
全ての2次元画像データが1シーン分の2次元画像デー
タ群として生成される。静止画像を表示する場合にはこ
のようにして得られた1シーン分の2次元画像データ群
が用いられるが、動画像を表示する場合には各シーンの
3次元画像データについて2次元画像データ群の取得が
行われる(ステップS914)。すなわち、図22に示
すように各シーンSN1,SN2,・・・,SNmのぞ
れぞれについて所定の角度Δθごとの断面画像(正確に
は、スクリーン38上の表示可能領域の大きさの断面画
像の2次元画像データ)が取得される。
【0117】次に、得られた2次元画像データ群に対し
て行われる圧縮処理(ステップS921)について説明
する。図23は図22に示すようにして得られた複数の
断面画像群を図23中に示す空間軸(縦軸)方向に各回
転位置θ1,θ2,・・・,θnの順序に並べると共
に、空間軸に直交する時間軸(横軸)方向に各シーンS
N1,SN2,・・・,SNmの順序に並べた様子を示
す図である。もちろん、静止画像の表示の場合にはm=
1であり、図23に示す空間軸方向に並ぶ1列の断面画
像群のみしか存在しない。立体画像表示データDD1が
動画像のデータである場合には、各シーン(すなわち、
時刻)についてスクリーン38の回転位置に応じたn枚
の断面画像群が存在し、動画像のシーン数がmである
と、合計n×m枚の断面画像が存在する。
【0118】ここで、表示対象物の表面は原則として連
続する面であることから、一般的に空間軸方向に隣り合
う断面画像同士は類似している。したがって、空間軸方
向に対して各シーンの断面画像群のデータ、すなわち、
2次元画像データ群に圧縮処理を行うことにより効率の
よい圧縮を行うことができる。
【0119】図24は空間軸方向に2次元画像データ群
を圧縮する工程(ステップS921)の一例を示す流れ
図である。2次元画像データ群の圧縮処理では、最初に
各2次元画像データの圧縮が行われる。各2次元画像デ
ータの圧縮では、まず、対応する各断面画像が、例えば
8×8画素のブロックに分割され(ステップS93
1)、各ブロックに離散コサイン変換(Discrete Cosine
Transform)が施されて量子化テーブルにより量子化さ
れる(ステップS932)。そして、量子化されたデー
タ(量子化係数)の高周波成分が除去される(ステップ
S933)。
【0120】次に、各断面画像(空間軸方向に対して先
頭のものを除く)の量子化されたデータについて空間軸
方向に対して前側に隣接する断面画像の量子化されたデ
ータとの差分が求められ、差分データとされる(ステッ
プS934)。その後、各差分データ(先頭の断面画像
については量子化されたデータ)がハフマン符号化等の
可変長符号化により冗長度が除去される(ステップS9
35)。
【0121】以上の処理により、1シーンを構成する1
つの2次元画像データ群に関する空間軸方向に従った
(すなわち、走査位置の順序に従った)圧縮が行われる
(ステップS921)。そして、動画像の場合には他の
シーンについても同様の圧縮処理が行われる(図21:
ステップS922)。空間軸方向に圧縮された一連の2
次元画像データは、ヘッダファイルと同様に、適宜、立
体画像表示装置100に転送されたり、記録メディア4
や固定ディスク3h等の記録媒体に保存される(ステッ
プS923)。
【0122】次に、ステップS921における空間軸方
向(各シーン)に対する2次元画像データ群の圧縮方法
の他の例としてMPEG方式による圧縮技術の基本的部
分を利用する例を簡単に示す。
【0123】図25はMPEG技術と同様にGOP(Gro
up of Pictures)を構成して圧縮を行う方法を説明する
ための図である。図25に示すように、各シーンSN
1,SN2,・・・,SNmの断面画像群はそれぞれG
OPとされ、空間軸方向対して所定の順序にてIピクチ
ャ、Pピクチャ、Bピクチャとして扱われる。図26は
各GOPを圧縮する際の処理の流れを示す流れ図であ
り、図21中のステップS921の他の例を示す図であ
る。
【0124】図26に示すように、まず、回転位置θ1
における断面画像がIピクチャとされ、Iピクチャから
所定数の回転位置だけ離れた断面画像がPピクチャとさ
れ、IピクチャやPピクチャの間の断面画像がBピクチ
ャとされる(ステップS941)。Iピクチャはフレー
ム内符号化により圧縮される(ステップS942)。す
なわち、ブロックに分割され、各ブロックに離散コサイ
ン変換が施されて量子化されて高周波成分が除去された
後、可変長符号化により冗長度が除去される。
【0125】PピクチャについてはIピクチャまたは先
行するPピクチャとの間で動き補償が考慮された上で予
測誤差信号(画像)が取得される。そして、予測誤差信
号がIピクチャの圧縮と同様の手法により圧縮され、動
きベクトルも符号化される(ステップS943)。Bピ
クチャでは先行および/または後続するIピクチャおよ
び/またはPピクチャを基準に予測誤差信号が取得さ
れ、Pピクチャと同様に、この予測誤差信号が圧縮さ
れ、動きベクトルが符号化されることにより圧縮される
(ステップS944)。
【0126】なお、1シーンを構成する断面画像群にて
1つのGOPが構成されていてもよく、1シーンに複数
のGOPが含まれていてもよい。また、MPEGの規格
と異なり、1シーンのGOPにはタイムスタンプ等の時
間に関するパラメータを設定する必要はない。
【0127】このように、空間軸方向に隣り合う断面画
像が類似していることから、空間軸方向に対してMPE
Gによる圧縮技術の基本部分を利用することにより効率
よく2次元画像データ群の圧縮を行うことができる。
【0128】以上、各シーンの2次元画像データ群を空
間軸方向に対して圧縮することにより圧縮効率を高める
圧縮方法について説明したが、図23に示す一連の断面
画像は、各回転位置において時間軸方向に隣り合うもの
同士も類似するという性質を有する。動画像における表
示対象物の動きは一般に滑らかだからである。
【0129】したがって、各回転位置θ1,θ2,・・
・,θnにおいて、時間軸方向に並ぶ断面画像の2次元
画像データ群について、図24ないし図26を用いて説
明した様々な圧縮を行うことにより効率のよい圧縮が実
現される。すなわち、図21におけるステップS921
を各回転位置における2次元画像データ群に対して圧縮
処理を施す処理に置き換え、これを各回転位置における
2次元画像データ群について行うことにより効率のよい
圧縮が行われる。このとき、図24に例示す圧縮方法を
用いる場合にはステップS934が時間軸方向の差分デ
ータを取得する工程となり、MPEG技術を利用する場
合には図27に示すように時間軸方向にIピクチャ、P
ピクチャ、Bピクチャが定められる。
【0130】このように、いわゆる体積走査法による一
連の2次元画像データは各回転位置において時間軸方向
に並ぶ2次元画像データ群に圧縮処理を行うことより効
率のよい圧縮を実現することができる。
【0131】ところで、既述のように図23に示した一
連の断面画像は空間軸方向に対しても時間軸方向に対し
ても互いに隣り合う断面画像同士は類似している。そこ
で、空間軸方向に対する圧縮と時間軸方向に対する圧縮
との双方を行うことによりさらに効果的な圧縮を行うこ
とができる。
【0132】図28は図21中のステップS921,S
922に代えて空間軸方向および時間軸方向に対する双
方の圧縮を行う際の処理の一例を示す流れ図である。図
28に示す例では、まず、空間軸方向で各断面画像を図
26に示した手法と同様の手法により圧縮し(ただし、
可変長符号化が行われる前の段階までの圧縮を行うもの
とする)、各シーンに対応する圧縮されたGOPを構成
する(ステップS951)。なお、Iピクチャ、Pピク
チャ、Bピクチャの配列順序は各シーンで同様とされ
る。
【0133】次に、圧縮された各GOP(最初のシーン
のGOPを除く)について先行するシーンのGOPとの
差分が求められ(ステップS952)、差分されたGO
Pに可変長符号化を施して冗長度を除去する(ステップ
S953)。すなわち、時間軸方向に対して圧縮処理が
施される。以上の処理により、一連の2次元画像データ
は空間軸および時間軸方向に対して圧縮される。
【0134】図29は、このような空間軸および時間軸
の双方に対する圧縮を行う場合の処理の流れを概念的に
示す流れ図である。図29に示すように、図28に示し
た処理は、各シーンの2次元画像データ群に圧縮処理を
施し(ステップS961,S962)、各回転位置にお
ける圧縮された2次元画像データ群に対してさらに圧縮
処理を施す処理の流れとなる(ステップS963,S9
64)。この処理を機能的に表現した場合、図19にお
けるデータ圧縮部94が空間軸方向に圧縮を行う空間軸
方向圧縮部941および時間軸方向に圧縮を行う時間軸
方向圧縮部942を有する構成となる。
【0135】ただし、空間軸方向および時間軸方向の圧
縮の順序は任意であってよく、さらに、空間軸方向およ
び時間軸方向の圧縮は明確に分離されている必要もな
い。例えば、図28に示す処理では、まず、圧縮された
GOPを構成し、その後、圧縮されたGOP間の時間軸
方向の差分を求めるようにしているが、圧縮される前の
各GOP間で差分が求められた後に、各GOPが空間軸
方向に関して圧縮されてもよい。また、符号化の途中、
例えば、動き補償が行われた直後に各GOP間の差分が
求められてもよく、空間軸方向に対する圧縮の途中に時
間軸方向に対する圧縮が行われてもよい。このように、
空間軸方向および時間軸方向に対する圧縮処理はおよそ
並行に行われてもよい。
【0136】なお、図28に示す例では、空間軸方向に
はGOPを構成して圧縮するようにし、時間軸方向には
単に差分を求めるようにしているが、空間軸方向および
時間軸方向の圧縮の方法はどのようなものであってもよ
い。
【0137】以上、一連の2次元画像データを圧縮する
様々な手法について説明してきたが、圧縮された2次元
画像データは画像データファイルとして既述のように立
体画像表示装置100側に供給されたり、記録メディア
4や固定ディスクに保存される(ステップS923)。
そして、このような圧縮手法を用いることにより、立体
画像表示データは効率よく圧縮され、立体画像表示装置
100に転送する際に効率よく転送することができる。
また、立体画像表示データを保存する場合にも、記録メ
ディア4や固定ディスクを経済的に利用することができ
る。
【0138】図30は、記録メディア4や固定ディスク
等に保存された立体画像表示データDD1の構造の例を
示す図である。立体画像表示データDD1には表示対象
物の分割数や断面画像の大きさ等の情報がヘッダファイ
ルDD11として保存され、1シーン以上の圧縮された
2次元画像データが画像データファイルDD12として
保存される。もちろん、ヘッダファイルDD11および
画像データファイルDD12は図30に示すように明り
ょうに分けられて保存される必要はなく、適宜混在して
保存されてもよい。
【0139】<G.変形例>以上、この発明に係る立体
画像表示データ生成装置をホストコンピュータ3として
有する立体画像表示システムの実施の形態について詳細
に説明したが、この発明は上記説明したものに限定され
るものではない。
【0140】例えば、ホストコンピュータ3にて生成さ
れる立体画像表示データが利用される立体画像表示装置
100は以下のように様々な変形が可能である。
【0141】上記説明において立体画像表示装置100
の記憶手段としてのメモリは2個の場合を例示したが2
個に限定されるべき技術的制限は伴わないので2個以上
の複数個であってもよい。この場合、読み出し対象とな
る一のメモリと書き込み対象となる一のメモリとを切り
換える際には、複数のメモリ間で循環的に切り換えが行
われるように構成すればよい。なお、既述のように静止
画像のみを表示する場合にはメモリは1つであってもよ
い。
【0142】また、読み出し対象となるメモリから与え
られる2次元画像データに基づいてスクリーン38に投
影する断面画像を生成する画像生成手段の一例としてD
MD33を例示したが、DMD33以外の素子を使用し
てもよい。
【0143】また、上記説明においては主として所定の
回転軸Zを中心に回転するスクリーン上に断面画像を投
影することによって表示対象物の立体像を表示する構成
例について説明したが、この発明はこれに限定されるも
のではなく、スクリーンの投影面に対して垂直な方向に
直進走査するような体積走査であってもよい。つまり、
スクリーンの位置および/または姿勢を変更することに
より3次元的な所定空間内を走査するものであればよい
のである。この場合、スクリーンの走査途上の位置が上
記実施の形態における回転位置に対応する。
【0144】なお、上記説明においてはスクリーン38
の材質については特に言及しなかったが、スクリーン3
8の材質を工夫することで立体画像が表示されているデ
ューティー比を倍増させることができる。
【0145】すなわち、スクリーン38を180゜回転
させることで体積走査が完了するが、スクリーン38が
不透明な材質で構成されている場合、断面画像が投影さ
れているスクリーンの投影面が観察者から見て裏面側
(反対側)に向いている間は断面像を視認することがで
きない。従って、立体画像が表示されているデューティ
ー比は1/2となる。このため、体積走査終了後、観察
者の眼に残像があるうちにさらにスクリーン38を回転
させて、結果的に360゜回転させる必要がある。
【0146】しかし、スクリーン38の材質として、投
影像が投影側から十分に視認できるだけの拡散反射性能
を有すると同時に、その像をスクリーン38の裏側の方
向からも視認できるような光透過性を有する材質を採用
することで、スクリーン38の表裏両方から投影像を視
認することが可能となる。したがって、スクリーン38
の角度にかかわらず断面画像を視認することができ、立
体画像表示のデューティー比は1となる。このため、残
像効果を維持できる時間内にスクリーン38を回転させ
なければならない角度は180゜で済む。これにより、
スクリーン38の回転数を1/2に抑えることが可能と
なり、その分だけ投影する断面画像の角度刻みを細かく
でき、断面画像の数を増して表示される立体画像の品位
を向上させることができる。
【0147】スクリーン38の材質としては、例えば、
すりガラスや、透明樹脂板の表面をすりガラス状に加工
して白く曇らせたものや、薄い紙などのように半透明の
材質を利用すればよい。
【0148】また、ホストコンピュータ3についても、
一般的なコンピュータシステムとして構成されている必
要はなく、全体が専用のハードウェアとして構築されて
いてもよく、部分的に専用の電気回路にて構築されてい
てもよい。
【0149】また、空間軸方向および/または時間軸方
向の2次元画像データ群の圧縮には上記例以外にも様々
な手法が利用可能である。
【0150】
【発明の効果】請求項1ないし4に記載の発明では、立
体画像表示データを効率よく圧縮することができる。そ
の結果、立体画像表示データの転送を効率的に行った
り、立体画像表示データを経済的に保存することができ
る。
【0151】請求項5に記載の発明では、立体画像表示
データの保存を経済的に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施形態に係る立体画像表示シス
テムの全体的な構成を示す図である。
【図2】立体画像表示装置の概観を示す図である。
【図3】着脱可能な操作スイッチの拡大図である。
【図4】立体画像表示装置における光学系を含む構成を
示す図である。
【図5】スクリーンおよび回転部材の斜視概観図であ
る。
【図6】スクリーンに投影される断面画像の大きさ(解
像度)を示す図である。
【図7】立体画像表示システムの機能構成を示すブロッ
ク図である。
【図8】メモリの構成例を示す図である。
【図9】この発明の実施の形態におけるメモリの構成例
を示す図である。
【図10】図7に示した構成のうちの要部を抜き出した
図である。
【図11】メモリ制御部の詳細を示すブロック図であ
る。
【図12】断面画像(投影像)の補正の一例を示す図で
ある。
【図13】スクリーンの回転位置θに応じたメモリから
の読み出し順序を示す図である。
【図14】2次元画像データの読み出し順序を切り換え
るための制御機構の一例を示す図である。
【図15】アドレス発生部で発生される8ビットの水平
アドレス信号の一例を示す図である。
【図16】立体画像表示装置において実際に立体画像を
表示する際の処理手順を示すフローチャートである。
【図17】立体画像表示装置において実際に立体画像を
表示する際の処理手順を示すフローチャートである。
【図18】立体画像表示装置において実際に立体画像を
表示する際の処理手順を示すフローチャートである。
【図19】ホストコンピュータにおける構成を機能の面
から示すブロック図である。
【図20】3次元画像データから2次元画像データへの
変換過程を示す図である。
【図21】ホストコンピュータにおける処理の流れを示
す流れ図である。
【図22】動画像の場合の断面画像の取得の様子を示す
図である。
【図23】一連の断面画像を各回転位置および各シーン
に関して配列配置した図である。
【図24】空間軸方向に対して1シーン分の2次元画像
データ群を圧縮する処理の一例を示す流れ図である。
【図25】空間軸方向に対してMPEG技術を利用した
2次元画像データの圧縮方法を説明するための図であ
る。
【図26】MPEG技術を利用した2次元画像データの
圧縮処理の例を示す流れ図である。
【図27】時間軸方向に対してMPEG技術を利用した
2次元画像データの圧縮方法を説明するための図であ
る。
【図28】空間軸および時間軸方向に対して2次元画像
データを圧縮する処理の例を示す流れ図である。
【図29】空間軸および時間軸方向に対して2次元画像
データを圧縮する処理の概念を示す流れ図である。
【図30】立体画像表示データの構造の例を示す図であ
る。
【図31】体積走査法による立体画像の表示原理を説明
するための図である。
【符号の説明】
3 ホストコンピュータ 3a CPU 3g メモリ 3h 固定ディスク 4 記録メディア 38 スクリーン 93 断面画像演算部 94 データ圧縮部 DD1 立体画像表示データ DD12 画像データファイル P1〜P4 断面画像 S913,S914,S921,S922,S931〜
S935,S941〜S944,S951〜S953,
S961〜S964 ステップ SN1,SN2,・・・,SNm シーン θ1,θ2,・・・,θn 回転位置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 八木 史也 大阪府大阪市中央区安土町二丁目3番13号 大阪国際ビル ミノルタ株式会社内 (72)発明者 杭迫 真奈美 大阪府大阪市中央区安土町二丁目3番13号 大阪国際ビル ミノルタ株式会社内 (72)発明者 糊田 寿夫 大阪府大阪市中央区安土町二丁目3番13号 大阪国際ビル ミノルタ株式会社内 Fターム(参考) 5C061 AA06 AA29 AB12 AB16 AB17 AB24 5C082 BA34 BA41 BA46 CA31 CA42 CA81 CB01 DA22 DA26 DA87 MM02 MM04

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 スクリーンの位置および/または姿勢を
    変更することにより前記スクリーンを走査させるととも
    に、前記スクリーンの走査に同期しつつ表示対象物の一
    連の断面画像を前記スクリーンに順次投影することによ
    り前記表示対象物の立体画像を表示する際に用いられる
    立体画像表示データを生成する立体画像表示データ生成
    方法であって、 前記表示対象物の一のシーンのデータから当該一のシー
    ンにおいて投影すべき断面画像群に対応する2次元画像
    データ群を取得する工程と、 前記2次元画像データ群を前記スクリーンの走査位置の
    順序に従って圧縮する工程と、を有することを特徴とす
    る立体画像表示データ生成方法。
  2. 【請求項2】 スクリーンの位置および/または姿勢を
    変更することにより前記スクリーンを走査させるととも
    に、前記スクリーンの走査に同期しつつ表示対象物の一
    連の断面画像を前記スクリーンに順次投影することによ
    り前記表示対象物の立体画像を表示する際に用いられる
    立体画像表示データを生成する立体画像表示データ生成
    方法であって、 前記一連の断面画像に対応する一連の2次元画像データ
    を取得する工程と、 前記一連の2次元画像データを前記スクリーンの各走査
    位置における2次元画像データ群ごとに圧縮する工程
    と、を有することを特徴とする立体画像表示データ生成
    方法。
  3. 【請求項3】 スクリーンの位置および/または姿勢を
    変更することにより前記スクリーンを走査させるととも
    に、前記スクリーンの走査に同期しつつ表示対象物の一
    連の断面画像を前記スクリーンに順次投影することによ
    り前記表示対象物の立体画像を表示する際に用いられる
    立体画像表示データを生成する立体画像表示データ生成
    方法であって、 前記一連の断面画像に対応する一連の2次元画像データ
    を取得する工程と、 前記一連の2次元画像データを前記スクリーンの各走査
    位置および各シーンごとに圧縮する工程と、を有するこ
    とを特徴とする立体画像表示データ生成方法。
  4. 【請求項4】 スクリーンの位置および/または姿勢を
    変更することにより前記スクリーンを走査させるととも
    に、前記スクリーンの走査に同期しつつ表示対象物の一
    連の断面画像を前記スクリーンに順次投影することによ
    り前記表示対象物の立体画像を表示する際に用いられる
    立体画像表示データを生成する立体画像表示データ生成
    装置であって、 前記一連の断面画像に対応する一連の2次元画像データ
    を取得する手段と、 前記一連の2次元画像データを前記スクリーンの各走査
    位置および/または各シーンごとに圧縮する手段と、を
    備えることを特徴とする立体画像表示データ生成装置。
  5. 【請求項5】 スクリーンの位置および/または姿勢を
    変更することにより前記スクリーンを走査させるととも
    に、前記スクリーンの走査に同期しつつ表示対象物の一
    連の断面画像を前記スクリーンに順次投影することによ
    り前記表示対象物の立体画像を表示する際に用いられる
    立体画像表示データを記録したコンピュータ読み取り可
    能な記録媒体であって、 前記立体画像表示データが、 前記一連の断面画像に対応する一連の2次元画像データ
    を前記スクリーンの各走査位置および/または各シーン
    ごとに圧縮したデータ、を有することを特徴とする立体
    画像表示データを記録したコンピュータ読み取り可能な
    記録媒体。
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