JP2001119724A - 立体画像表示システム、断面画像生成方法および断面画像生成装置 - Google Patents

立体画像表示システム、断面画像生成方法および断面画像生成装置

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JP2001119724A
JP2001119724A JP29529099A JP29529099A JP2001119724A JP 2001119724 A JP2001119724 A JP 2001119724A JP 29529099 A JP29529099 A JP 29529099A JP 29529099 A JP29529099 A JP 29529099A JP 2001119724 A JP2001119724 A JP 2001119724A
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JP29529099A
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Ken Yoshii
謙 吉井
Manami Kuiseko
真奈美 杭迫
Makoto Miyazaki
誠 宮崎
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Minolta Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 所定空間を周期的に走査するスクリーンに対
して画像を投影することによって、残像効果を生じさせ
て表示対象物の立体画像を表示する立体画像表示におい
て、表示対象物に含まれる複数のオブジェクトをスクリ
ーンの走査空間内のどの位置に配置するかを設定可能と
すること。 【解決手段】 オブジェクト配置部93が、配置条件入
力部92から得られる任意の配置条件に基づいて、表示
対象物に含まれる複数のオブジェクトのそれぞれについ
てのスクリーンの走査空間内での配置を決定する。そし
て、その配置に基づいて表示対象物に関する3次元画像
データを生成し、断面画像生成部95に与える。断面画
像生成部95では、決定された配置に基づいて、スクリ
ーンの各走査位置に対応させて、複数のオブジェクトを
含む表示対象物の複数の断面画像を生成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は立体画像を表示する
立体画像表示システムに関し、特に、その立体表示の際
にスクリーンに投影される表示対象物の断面画像生成技
術に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より発明・考案されてきた立体画像
の表示方法の一つとして、人間の眼の残像効果を利用す
る体積走査法と呼ばれるものがある。
【0003】従来の体積走査法による表示装置は、スク
リーンをその投影面に垂直な方向に高速で直進移動さ
せ、投影面の位置に応じて表示対象物の断面の2次元像
あるいは断面の輪郭を時々刻々と変化させつつ投影する
ものであった。そして、高速移動するスクリーンの走査
空間内を外部側より見ることによって、人間の眼に残像
効果がもたらされ、断面画像が配置されて全体として立
体像が表示されているように見えるのである。
【0004】また、スクリーンを回転させ、投影面の回
転角に応じて表示対象物の断面の2次元像あるいは断面
の輪郭を時々刻々と変化させつつ投影するものもあっ
た。この従来技術も人間の眼の残像効果により走査空間
内に立体像が表示されているように見える。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従来の体積走査法によ
る表示装置では、スクリーンが移動(走査)することに
よって形成される走査空間内の中心位置に表示対象物の
立体像が表示されるように構成されている。
【0006】しかしながら、従来の装置は、単一のオブ
ジェクトを表示するものであり、複数のオブジェクトを
表示する点については提案されていない。
【0007】そこで、この発明は、人間の眼の残像効果
を利用する体積走査法において、走査空間内における立
体像の位置を設定することのできる立体画像表示システ
ム、そのような立体表示のための断面画像生成方法およ
び断面画像生成装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1に記載の発明は、所定空間を周期的に走査
するスクリーンに対して画像を投影することによって、
残像効果を生じさせ、表示対象物の立体画像を表示する
立体画像表示システムであって、前記表示対象物に含ま
れる複数のオブジェクトのそれぞれについての前記スク
リーンの走査空間内での配置を決定する配置決定手段
と、前記配置に基づき、前記スクリーンの各走査位置に
対応させて、前記複数のオブジェクトを含む前記表示対
象物の複数の断面画像を生成する断面画像生成手段と、
前記複数の断面画像を、前記スクリーンの各走査位置に
対応させて順次に投影する投影手段とを備えている。
【0009】請求項2に記載の発明は、請求項1に記載
の立体画像表示システムにおいて、前記スクリーンが所
定の回転軸を中心に回転走査するとともに、前記複数の
オブジェクトが平面オブジェクトを含んでおり、前記配
置決定手段が、前記平面オブジェクトを前記走査空間内
において前記回転軸を含む平面に配置することを特徴と
している。
【0010】請求項3に記載の発明は、請求項1に記載
の立体画像表示システムにおいて、前記スクリーンが所
定の回転軸を中心に回転走査するとともに、前記複数の
オブジェクトが平面オブジェクトを含んでおり、前記配
置決定手段が、前記平面オブジェクトを前記走査空間の
外縁に曲面状に配置することを特徴としている。
【0011】請求項4に記載の発明は、請求項1に記載
の立体画像表示システムにおいて、前記配置決定手段
が、前記走査空間内において前記複数のオブジェクトを
分散配置することを特徴としている。
【0012】請求項5に記載の発明は、請求項1に記載
の立体画像表示システムにおいて、前記配置決定手段
が、前記複数のオブジェクトのうちの指定されたオブジ
ェクトを前記走査空間の中心位置に配置することを特徴
としている。
【0013】請求項6に記載の発明は、請求項1に記載
の立体画像表示システムにおいて、前記複数のオブジェ
クトが静止オブジェクトと動体オブジェクトとを含み、
前記配置決定手段が、前記静止オブジェクトと前記動体
オブジェクトとのそれぞれの前記スクリーンの走査空間
内での配置を決定することを特徴としている。
【0014】請求項7に記載の発明は、所定空間を周期
的に走査するスクリーンに対して所定の表示対象物の断
面画像を順次に投影することによって、残像効果を生じ
させて表示対象物の立体画像を表示するために、投影用
となる前記断面画像を生成する方法であって、前記表示
対象物に含まれる複数のオブジェクトのそれぞれについ
ての前記スクリーンの走査空間内での配置を決定する工
程と、前記配置に基づき、前記スクリーンの各走査位置
に対応させて、前記複数のオブジェクトを含む前記表示
対象物の複数の断面画像を生成する工程とを有してい
る。
【0015】請求項8に記載の発明は、請求項7に記載
の断面画像生成方法において、前記スクリーンが所定の
回転軸を中心に回転走査するとともに、前記複数のオブ
ジェクトが平面オブジェクトを含んでおり、前記平面オ
ブジェクトが、前記走査空間内において前記回転軸を含
む平面内に配置されることを特徴としている。
【0016】請求項9に記載の発明は、請求項7に記載
の断面画像生成方法において、前記スクリーンが所定の
回転軸を中心に回転走査するとともに、前記複数のオブ
ジェクトが平面オブジェクトを含んでおり、前記平面オ
ブジェクトが、前記走査空間の外縁に曲面状に配置され
ることを特徴としている。
【0017】請求項10に記載の発明は、請求項7に記
載の断面画像生成方法において、前記複数のオブジェク
トが、前記走査空間内において分散配置されることを特
徴としている。
【0018】請求項11に記載の発明は、請求項7に記
載の断面画像生成方法において、前記複数のオブジェク
トのうちの指定されたオブジェクトが、前記走査空間の
中心位置に配置されることを特徴としている。
【0019】請求項12に記載の発明は、請求項7に記
載の断面画像生成方法において、前記複数のオブジェク
トには静止オブジェクトと動体オブジェクトとが含まれ
ており、前記静止オブジェクトと前記動体オブジェクト
とのそれぞれが前記スクリーンの走査空間内で配置され
ることを特徴としている。
【0020】請求項13に記載の発明は、所定空間を周
期的に走査するスクリーンに対して所定の表示対象物の
断面画像を順次に投影することによって、残像効果を生
じさせて表示対象物の立体画像を表示するために、投影
用となる前記断面画像を生成する装置であって、前記表
示対象物に含まれる複数のオブジェクトのそれぞれにつ
いての前記スクリーンの走査空間内での配置を決定する
手段と、前記配置に基づき、前記スクリーンの各走査位
置に対応させて、前記複数のオブジェクトを含む前記表
示対象物の複数の断面画像を生成する手段とを備えてい
る。
【0021】
【発明の実施の形態】<1.全体のシステム構成>この
発明に係る立体画像表示システムの実施の形態として、
立体画像表示システムの全体的な構成を図1に示す。こ
の立体画像表示システム1は、体積走査法によって表示
対象物の立体表示を行う立体画像表示装置100と、立
体画像表示装置100に対して表示対象物の断面画像を
生成し、その断面画像に関する2次元画像データを立体
画像表示装置100に対して供給するホストコンピュー
タ3とから構成されている。すなわち、ホストコンピュ
ータ3は、立体表示のための断面画像を生成する断面画
像生成装置として機能する。
【0022】立体画像表示装置100は、後述するよう
に所定の回転軸を中心に高速で回転するスクリーンに対
して表示対象物の断面画像を断続的に投影することによ
って残像効果を発生させて立体画像を表示する。そし
て、回転するスクリーンの角度(走査位置)に応じて投
影する断面画像を更新していくことにより、様々な表示
対象物の立体像を表示する。
【0023】ホストコンピュータ3は、CPU3aとデ
ィスプレイ3bとキーボード3cとマウス3dとを含ん
で構成されるいわゆる一般的なコンピュータシステムで
ある。このホストコンピュータ3には、予め入力されて
いる表示対象物の立体的なデータからスクリーンが回転
する際の各角度に対応する断面画像の2次元画像データ
を生成する処理を行うソフトウェアが組み込まれてい
る。このため、ホストコンピュータ3は、表示対象物に
関するデータからスクリーンの回転角度に応じてスクリ
ーン上に投影すべき表示対象物の断面画像に関する2次
元画像データを生成することができ、その生成された2
次元画像データを立体画像表示装置100に供給する。
【0024】ホストコンピュータ3と立体画像表示装置
100との間では、オンラインによるデータの受け渡し
が可能であるとともに、可搬型の記録メディア4を介し
てのオフラインによるデータの受け渡しも可能である。
記録メディア4としては、光磁気ディスク(MO)、コ
ンパクトディスク(CD−RW)、ディジタルビデオデ
ィスク(DVD−RAM)、メモリカード等がある。
【0025】<2.立体画像表示装置>次に、立体画像
表示装置100の一形態について説明する。図2は、立
体画像表示装置100の概観を示す図である。この立体
画像表示装置100は、スクリーン38に断面画像を投
影するための光学系や各種データ処理を行うための制御
機構が内蔵されたハウジング20と、そのハウジング2
0の上部側に設けられて内部に回転するスクリーンを収
容する円筒状の風防20aとを備えている。
【0026】風防20aはガラスやアクリル樹脂等の透
明な材質で形成されており、内部側で回転するスクリー
ン38に投影される断面画像を外部より視認することが
できるように構成されている。また、風防20aは内部
空間を密封しており、そのことによってスクリーン38
の回転の安定化や回転駆動するモータの消費電力の低減
を図っている。
【0027】ハウジング20の前面側には液晶ディスプ
レイ(LCD)21、着脱可能な操作スイッチ22、記
録メディア4の着脱口23が配置されており、また側面
側にはディジタル入出力端子24が設けられている。液
晶ディスプレイ21は、操作入力を行う際の操作案内画
面の表示手段及び表示対象物のインデックスのための2
次元画像の表示手段として用いられる。ディジタル入出
力端子24はSCSI端子あるいはIEEE1394端
子等である。さらにハウジング20の外周面の4箇所に
は音声出力のためのスピーカ25が配置されている。
【0028】図3は、着脱可能な操作スイッチ22の拡
大図である。この操作スイッチ22は、各種動作パラメ
ータを入力するための操作入力手段として機能させるべ
く、電源ボタン221、スタートボタン222、ストッ
プボタン223、カーソルボタン224、セレクトボタ
ン225、キャンセルボタン226、メニューボタン2
27、ズームボタン228、音量調節ボタン229等の
各種ボタンが配置されている。
【0029】スクリーン38による立体画像の表示は、
操作スイッチ22の各ボタン221〜227を操作する
ことによって記録メディア4に記録されているデータフ
ァイルから立体表示を行いたい2次元画像データを選択
したり、又はホストコンピュータ3側に保存されている
データファイルから2次元画像データを選択することに
より開始される。
【0030】次に、立体画像表示装置100においてス
クリーン38上に断面画像を投影するための光学系につ
いて説明する。図4は、立体画像表示装置100におけ
る光学系を含む構成を示す図である。図4に示すように
立体画像表示装置100における光学系は、照明光学系
40と投影光学系50とDMD(ディジタル・マイクロ
ミラー・デバイス)33とTIRプリズム44とを備え
て構成される。
【0031】まず、DMD33について説明する。DM
D33は、スクリーン38に投影する断面画像を生成す
る画像生成手段として機能するものであり、1辺が16
μm程度の矩形の金属片(例えばアルミニウム片)の極
めて小さなミラーを1画素として1チップあたり数十万
枚の規模で平面に敷き詰めた構造を有し、各画素直下に
配置されたSRAM出力の静電電界作用により各ミラー
の傾斜角を個々に±10度で制御できるデバイスであ
る。なお、ミラーの角度制御は、SRAM出力の
「1」、「0」に対応して、ON/OFFのバイナリ制
御であり、光源からの光が当たると、ON(またはOF
F)の方向を向いているミラーで反射した光だけが投影
光学系50の方向に進み、OFF(またはON)の方向
を向いているミラーで反射した光は有効な光路から外れ
投影光学系50の方向には進まない。このミラーのON
/OFF制御により、ON/OFFのミラー分布に対応
した断面画像が生成されてスクリーン38に投影される
ことになる。
【0032】なお、各ミラーの傾斜角を制御して反射す
る光の方向を切り換えるが、この切り換え時間の調整
(反射する時間の長さ)により各画素の濃淡(階調)を
表現することができ、1色につき256階調が表現でき
る。そして、光源からの白色光を周期的に切り替わるR
(赤)、G(緑)、B(青)の3色のカラーフィルター
に通し、通過した各色にDMDチップを同期させること
でカラー画像を形成したり、R、G、Bの各色ごとにD
MDチップを準備して3色の光を同時に投影することで
カラー画像を形成することができる。
【0033】このようなDMD33は、第一に光利用効
率が非常に高いこと、第二に高速応答性を有することの
2つの大きな特徴を有しており、一般にはその高い光利
用効率を活かしてビデオプロジェクタ等の用途に使用さ
れている。
【0034】この実施形態においては、DMD33のも
う一つの大きな特徴である高速応答性を利用することに
より、残像効果を利用する体積走査法において表示対象
物の動画像をも表示することができるように実現され
る。
【0035】DMD33は一枚一枚のミラーの偏向の応
答性が約10μsecであることと、画像データの書き
込みが一般的なSRAMとほぼ同様の方法でできること
から、1枚の画像を生成するのに要する時間は1mse
cあるいはそれ以下ときわめて高速である。仮に1ms
ecであるとすると、残像効果を実現するために1/1
8secで180゜(すなわち毎秒9回転)の体積走査
を行う場合に生成できる断面画像の数は約60枚とな
る。従来の体積走査法で画像生成手段として使用されて
いたCRTや液晶ディスプレイ等と比較すると、DMD
33は単位時間当たりはるかに多くの断面画像をスクリ
ーン38上に投影することができ、非回転対称形状の立
体の表示のみならず、動画像の表示にも対応することが
できるのである。
【0036】また、DMD33の特徴の1つである光の
利用効率の高さも、より明るい断面画像をスクリーン3
8上に投影することで残像効果を高めることに寄与し、
CRT方式等と比較して高品位の立体画像の表示を可能
にする。
【0037】なお、図4に示すようにDMD33の画像
生成面側には、照明光学系40からの照明光を各微小ミ
ラーに導くとともに、DMD33で生成された断面画像
を投影光学系50に導くためにTIRプリズム44が配
設されている。
【0038】照明光学系40は、白色光源41と照明レ
ンズ系42とを有しており、白色光源41からの照明光
は照明レンズ系42により平行光とされる。照明レンズ
系42はコンデンサレンズ421、インテグレータ42
2、カラーフィルタ43およびリレーレンズ423によ
り構成される。白色光源41からの照明光はコンデンサ
レンズ421により集光されてインテグレータ422に
入射する。そして、インテグレータ422によって光量
分布が均一な状態とされた照明光は、回転式のカラーフ
ィルタ43によってR,G,Bのいずれかの色成分に分
光される。分光された照明光はリレーレンズ423によ
り平行光とされた上で、TIRプリズム44に入射し、
DMD33上に照射される。
【0039】DMD33は、ホストコンピュータ3から
与えられる断面画像に関する2次元画像データに基づい
て個々の微小ミラーの傾斜角度を変化させることにより
照明光のうちの断面画像を投影するのに必要な光成分の
みを投影光学系50に向けて反射させる。
【0040】投影光学系50は投影レンズ系51とスク
リーン38とを有している。投影レンズ系51は両テレ
セントリックレンズ511と投影レンズ513と投影ミ
ラー36,37と像回転補償機構34とを備えており、
このうち投影レンズ513と投影ミラー36,37はス
クリーン38を回転軸Zのまわりに回転させる回転部材
39の内部側に配置されている。
【0041】DMD33で反射された光(断面画像)は
両テレセントリックレンズ511により平行光にされ、
断面画像の回転補償を行うために像回転補償機構34を
通過する。そして、像回転補償機構34において回転補
償が行われた光束は投影ミラー36、投影レンズ51
3、投影ミラー37を経由して最終的にスクリーン38
の主面(投影面)上に投影される。
【0042】この光学系において、投影ミラー36、投
影レンズ513、投影ミラー37及びスクリーン38は
回転部材39に固定されており、回転部材39の回転と
ともにスクリーン38の中心軸を含む垂直な回転軸Zの
回りに角速度Ωで回転する。つまり、体積走査を行うた
めにスクリーン38を回転させる際には、回転部材39
内部に配置された投影ミラー36、投影レンズ513及
び投影ミラー37もスクリーン38と一体となって回転
するため、スクリーン38がいかなる角度となっても常
にその正面側から断面画像の投影を行うことができるの
である。
【0043】なお、スクリーン53の回転角度は位置検
出器73により常に検出されている。
【0044】こうしてDMD33において生成された断
面画像がスクリーン38上に投影される。投影レンズ5
13の役割は、光束がスクリーン38上に至るところで
適切な画像サイズをなすようにすることである。また、
投影ミラー37はスクリーン38に投影される立体像を
観察する際に観察者の視線を妨げないように、スクリー
ン38の正面の斜め下方向(図4の場合は回転部材39
の内部側)から断面画像を投影するように配置されてい
る。なお、投影レンズ513の投影ミラー36及び37
に対する位置的な順序関係は必ずしも本実施形態にとら
われるものではない。
【0045】ここで、像回転補償機構34について説明
する。図4に示す像回転補償機構34は、いわゆるイメ
ージローテータの構成によって実現されている。スクリ
ーン38が取り付けられている回転部材39がある回転
角度に位置する場合に、スクリーン38上に投影されて
いる断面画像を基準像とする。もし像回転補償機構34
を用いないとすると、回転部材39が回転するにつれ投
影される断面画像はスクリーン38上で面内回転し、回
転部材39が180゜回転したところで投影される断面
画像は基準像に対し上下が逆転した像になってしまう。
この現象を防ぐものが像回転補償機構34である。
【0046】図4に示す像回転補償機構34は複数のミ
ラーを組み合わせて構成されるイメージローテータを使
用している。イメージローテータを光軸まわりに回転さ
せると、入射画像に対する出射画像がイメージローテー
タの角速度の2倍の角速度で回転して出射される性質が
ある。したがって、スクリーン38が取り付けられてい
る回転部材39の角速度の1/2の角速度でイメージロ
ーテータを回転させることによって、スクリーンの回転
にかかわらず正立した断面像を常に投影できる。
【0047】なお、像回転補償機構としてはイメージロ
ーテータ以外にダブ(タイプ)プリズムを使用しても同
様の効果が得られる。また、ここに説明した像回転補償
機構34を使用せず、DMD33の表面上に生成する断
面画像をスクリーン38の回転角度に応じて光軸まわり
に回転する像とすることで投影像の回転を打ち消すよう
にしても良い。
【0048】すなわち、DMD33の表面上で生成され
る断面画像が、体積走査の開始時では正立像(あるいは
倒立像)であり、スクリーン38の回転とともに自転し
て体積走査が完了した時点では倒立像(あるいは正立
像)となるように断面画像の生成のための2次元画像デ
ータを、DMD33に与える前の段階で補正するように
しても良い。
【0049】ここで、スクリーン38および回転部材3
9の斜視概観図の一例を図5に示す。図5に示すように
回転部材39は円盤形状をなし、その側面に回転駆動手
段となるモータ74の回転軸が接することによって回転
駆動される。なお、回転部材39の中心軸にモータを直
結したり、歯車やベルトを介して駆動させるようにして
も良い。
【0050】図5に示すようにスクリーン38がある回
転角度θ1にあるとき、θ1に対応した表示対象物の断
面画像P1(DMD33で生成)が、図4に示した投影
ミラー36と投影レンズ513と投影ミラー37とを経
由してスクリーン38上に投影される。そこから微小時
間が経過してスクリーン38が回転し、その回転角度が
θ2になったとき、今度はθ2に対応した表示対象物の
断面画像P2(DMD33で生成)が、図4に示した投
影ミラー36と投影レンズ513と投影ミラー37とを
経由してスクリーン38上に投影される。
【0051】投影ミラー36、投影レンズ513および
投影ミラー37はスクリーン38に対して一定の位置関
係を保ったまま共に回転するので、スクリーン38上に
は回転にかかわらず常に断面画像が投影され続ける。そ
して回転部材39を180゜回転(若しくは360°回
転)させた時点で再び始めと同じ断面画像が現れ、1回
の体積走査が完了する。以上の動作を回転部材39の回
転の速度を残像効果が起きるように十分に速く、かつ投
影する断面像の枚数を十分に多くすることによって、観
察者は断面画像の包絡としてスクリーン38の走査空間
内に表示対象物の立体像を視認することができるのであ
る。
【0052】次に断面画像の大きさ(解像度)について
述べる。図6はスクリーン38に投影される断面画像の
大きさを示す図である。断面画像は256画素(水平方
向)×256画素(垂直方向)の大きさで、スクリーン
38の回転軸に対して対称に投影される。すなわち、回
転軸を中心として周方向に向かって左右128画素の大
きさとなる。投影される断面画像はスクリーン38と一
定の関係を保ったまま共に回転するので、スクリーン3
8の回転にかかわらず、投影される断面画像の大きさは
一定である。なお、図6に示す断面画像の大きさは単な
る一例であり、使用されるDMD33に設けられた微小
ミラーの数に応じて任意の大きさが設定可能である。
【0053】<3.ホストコンピュータ>次に、上記の
ような立体画像表示装置100に対し、スクリーン38
に投影するための断面画像を生成して供給するホストコ
ンピュータ3の構成例および断面画像生成の際の処理形
態について説明する。
【0054】図7はホストコンピュータ3における機能
構成を示すブロック図である。ホストコンピュータ3の
CPU3aは、立体データ記憶部91、配置条件入力部
92、オブジェクト配置部93、立体表示条件入力部9
4、断面画像生成部95として機能する。そして、表示
対象物の立体的な形状等に関する立体データから、表示
対象物に含まれる複数のオブジェクトの配置を決定し、
その配置に基づいてスクリーン38の走査空間内に各オ
ブジェクトが表示されるように、スクリーン38の回転
角度に対応させた断面画像ごとに2次元画像データを導
出し、当該データを立体画像表示装置100側に供給す
る。
【0055】立体データ記憶部91は表示対象物の立体
的なデータを記憶する。ここで記憶される立体データは
表示対象物の各オブジェクトについての3次元座標値が
示された3次元画像データであったり、また、視差画像
データであったりする。視差画像とは、いわゆる両眼立
体視のように、例えば2台のカメラを所定の距離を隔て
て設置し、表示対象物となる被写体を撮影して得られる
2つの画像をいい、両画像間にはカメラ間の距離に応じ
て一定の視差が生じている。また、表示対象物に含まれ
る複数のオブジェクトは、静止的な立体オブジェクトで
あってもよいし、動的な立体オブジェクトであってもよ
い。また、立体オブジェクトに限らず、平面的なオブジ
ェクトであってもよい。
【0056】配置条件入力部92は、表示対象物に含ま
れる各オブジェクトの配置条件を設定入力する手段であ
り、配置条件はホストコンピュータ3のキーボード3c
やマウス3d等を介して入力される(図1参照)。
【0057】オブジェクト配置部93は、配置条件入力
部92から得られる各オブジェクトの配置条件に基づい
て各オブジェクトをスクリーン38の走査空間内のどの
位置に配置するかを決定し、各オブジェクトの位置を確
定させる。そして、各オブジェクトの配置に基づいて各
オブジェクトの3次元座標値が求められ、走査空間内に
おける各オブジェクトの位置や大きさ等が確定される。
【0058】立体表示条件入力部94は、表示対象物を
何枚の断面画像を用いて立体表示するか等についての表
示条件を設定する手段である。
【0059】そして、断面画像生成部95は立体表示条
件入力部94から得られる表示条件に基づいて、オブジ
ェクト配置部93で生成される3次元画像データからス
クリーン38の各走査位置に対応させて表示対象物の断
面画像を生成する。
【0060】表示対象物に複数のオブジェクトが含まれ
ている場合、各オブジェクトをスクリーン38の走査空
間内へどのように配置するかということに関しては、多
様な配置形態が考えられる。以下、いくつかの配置形態
についてのホストコンピュータ3の処理について説明す
る。
【0061】まず、第1の配置形態について説明する。
第1の配置形態は、立体データ記憶部91に記憶される
立体データが複数の立体オブジェクトを含む場合であっ
て、それぞれのオブジェクトが3次元座標値として表現
されている場合の配置形態である。
【0062】図8は、表示対象物に含まれる複数の立体
オブジェクトを走査空間内に分散配置する例を示す図で
ある。まず、図8(a),(b)は表示対象物6を示し
ており、(a)は表示対象物6を正面側から見た図であ
り、(b)は表示対象物6を上方から見た図である。図
8(a),(b)に示すように、表示対象物6には表示
対象として、3体の人形の立体的なオブジェクト6a,
6b,6cが含まれており、各オブジェクト6a〜6c
は互いに近接した分布状態となっている。そして、立体
データ記憶部91は表示対象物6に含まれる各オブジェ
クト6a〜6cの形状等が3次元座標値で表現された3
次元画像データを記憶している。
【0063】図8(a),(b)に示すような分布状態
をそのままスクリーン38の走査空間に配置すると、図
8(c)に示すようになる。図8(c)はスクリーン3
8が回転することによって形成される走査空間38aを
上方から見た図である。すなわち、互いに近接した分布
状態となっているオブジェクト6a〜6cをそのまま走
査空間38a内に配置すると、立体表示される際に各オ
ブジェクト6a〜6cは互いに近接した状態で立体表示
される。このような表示形態は、走査空間38aを有効
に利用しているとは言えず、観察者からオブジェクト6
b,6cの立体像を観察しようとすると、オブジェクト
6aの陰となって視認することが困難な表示形態とな
る。
【0064】そこで、そのような場合には、断面画像を
生成する際に、配置条件入力部92より表示対象物6に
含まれる複数のオブジェクト6a〜6cを走査空間38
a内に分散して配置するように配置条件を設定する。そ
して、オブジェクト配置部93が、配置条件に求められ
る分散配置指令に基づいて、立体データ記憶部91から
得られる各オブジェクト6a〜6cを走査空間38a内
に分散配置させる。
【0065】この分散配置処理について説明する。オブ
ジェクト配置部93は、まず、各オブジェクト6a〜6
cの3次元座標値を取得すると、図8(d)に示すよう
な各オブジェクト6a〜6cを内包する包絡線7を演算
により求める。そして、その包絡線7内における各オブ
ジェクト6a〜6cの位置関係を記憶しておく。
【0066】その包絡線7を走査空間38a内に配置す
る。このとき、オブジェクト配置部93は、図8(e)
に示すように包絡線7が走査空間38aの外縁に内接す
るように包絡線7を任意の方向に伸縮させて配置する。
包絡線7が伸縮されて走査空間38a内に配置される
と、包絡線7の伸縮によって各オブジェクト6a〜6c
の分布状態も伸縮される。つまり、包絡線7が伸長され
る場合は、各オブジェクトの配置間隔は伸長されること
になるのであり、逆に包絡線7が収縮される場合は、各
オブジェクトの配置間隔は短縮されることになる。
【0067】そして、包絡線7が伸縮されて配置された
状態における各オブジェクト6a〜6cの配置位置に各
オブジェクトの3次元座標値を設定するのである。つま
り、包絡線7内での記憶した各オブジェクトの相対的位
置関係に基づいて、各オブジェクトを配置し、その配置
位置における3次元座標値を演算によって求めるのであ
る。この結果、表示対象物6に含まれる複数のオブジェ
クトが走査空間38aに分散して配置されることにな
り、走査空間38a全体を有効に利用した立体表示が可
能になるのである。
【0068】したがって、包絡線7が伸長される場合に
は、各オブジェクトの間隔を大きくすることができ、各
オブジェクトの立体像を視認し易くすることが可能にな
る。
【0069】また、包絡線7が収縮される場合には、本
来なら全てのオブジェクトを走査空間38aに表示する
ことができないような分布状態であるものを、走査空間
38a内に収めることができ、スクリーン38の走査空
間38a内において全てのオブジェクトの立体表示を行
うことが可能になるのである。
【0070】なお、図8(d)および(e)では、走査
空間38aを上方から見た概念を示しているが、走査空
間38aは立体的なものであるので、上記の手法を適用
する際、厳密には包絡線7は3次元的な面状となる。
【0071】以上は、表示対象物に含まれる複数の立体
オブジェクトを走査空間内に分散配置する例であるが、
上記のような複数のオブジェクトのうちでも特に注目し
たいオブジェクトが存在する場合がある。そこで、この
ような特に注目したいオブジェクトが存在する場合の配
置処理について説明する。
【0072】この実施の形態のスクリーン38の走査は
回転走査であるため、スクリーン38の各走査位置に対
応させて断面画像を投影する場合、走査空間の外周部よ
りも回転中心付近の方が立体像の解像度は高くなる。な
ぜなら、図5に示した回転角度θ1で断面画像P1を投
影し、θ2で断面画像P2を投影する場合、回転軸によ
り近い位置の方がスクリーン38の変位量が少ないから
である。
【0073】したがって、表示対象物に含まれる複数の
オブジェクトのうちに特に注目したいオブジェクトが存
在する場合には、そのオブジェクトを回転中心位置、す
なわち走査空間の中心位置に配置することが望ましい。
走査空間の中心位置に配置することによって注目したい
オブジェクトを最も高解像度で立体表示することができ
るからである。
【0074】図9は、表示対象物に含まれる複数の立体
オブジェクトを走査空間内の中心に配置する例を示す図
である。特に注目したいオブジェクトが存在する場合に
は、断面画像の生成の際に、予めその旨をキーボード3
c等より入力しておく。配置条件入力部92は、注目オ
ブジェクトを走査空間の中心に配置するモードであるこ
とをオブジェクト配置部93に指令する。オブジェクト
配置部93は、立体データ記憶部91より複数のオブジ
ェクトについての立体データを取得すると、各オブジェ
クトの配置状態をディスプレイ3bに表示させる。例え
ば、図8(a),(b)に示した表示対象物6をディス
プレイ3bに表示すると、図9(a)に示すような表示
画面となる。このような表示画面においてホストコンピ
ュータ3の操作者がマウス3d等を用いて複数のオブジ
ェクトのうちから注目オブジェクトを1つ選択指定す
る。そして、指定された注目オブジェクトは配置条件入
力部92からオブジェクト配置部93に伝達される。つ
まり、注目オブジェクトを走査空間内の中心位置に配置
することが配置条件であるとして、配置条件入力部92
からオブジェクト配置部93に配置条件の指令が行われ
るのである。
【0075】注目オブジェクトは、所定の条件によって
自動で指定されるようにしてもよい。例えば、観察者に
最も近いオブジェクトや最も大きなオブジェクトを自動
指定するようにしてもよい。
【0076】例えば、図9(a)に示す表示画面におい
て、複数のオブジェクト6a〜6cから注目オブジェク
トとしてオブジェクト6aが指定されたとする。する
と、オブジェクト配置部93は、図9(b)に示すよう
にオブジェクト6aを走査空間38aの中心位置に配置
する。この結果、表示対象物に含まれるオブジェクト6
a〜6cのうちのオブジェクト6aが走査空間38aの
中心位置に配置される。そして、その後の他のオブジェ
クト6b,6cが配置される。
【0077】具体的には、配置前の段階での各オブジェ
クトの位置関係を記憶しておき、注目オブジェクトを走
査空間38aの中心位置に配置した後に、注目オブジェ
クトの位置を基準として他のオブジェクトを配置するの
である。そして、配置終了後に、各オブジェクトの配置
位置に基づいて3次元座標値を求めることによって、注
目オブジェクトが走査空間の中心位置に配置された状態
での3次元画像データを得ることが可能になる。
【0078】このようにして得られた3次元画像データ
に基づいて断面画像を生成して、スクリーン38に投影
すれば、複数のオブジェクトのうちの特に注目したい1
つのオブジェクトを走査空間38a内に配置して立体表
示することができ、その注目したいオブジェクトを最も
高解像度で立体表示することが可能である。
【0079】次に、第2の配置形態について説明する。
第2の配置形態は、立体データ記憶部91に記憶される
立体データが視差画像データである場合の配置形態であ
る。
【0080】図10はいわゆる両眼立体視による視差画
像データを得るための原理を示す図である。図10に示
すように、表示対象物となる被写体を所定間隔Lだけ隔
てて設置された2台のカメラ10a,10bによって撮
影する。図11は、各カメラ10a,10bにて得られ
る視差画像を示す図である。図11(a)はカメラ10
aで得られる画像(右画像)であり、図11(b)はカ
メラ10bで得られる画像(左画像)である。
【0081】図11に示すような視差画像では、そのま
までは表示対象物の3次元座標を特定することができな
いため、まず、図11(a),(b)の2枚の視差画像
に基づいて表示対象物の3次元座標値を求めることが必
要になる。このため、オブジェクト配置部93は、立体
データ記憶部91から視差画像データを入力すると、視
差画像中から各オブジェクトを抽出するとともに、各オ
ブジェクトについての3次元座標値を求める処理を行
う。
【0082】図11に示す2枚の視差画像において、カ
メラ10a,10bに対して比較的近い距離にあるオブ
ジェクトの画像は間隔Lによる視差の影響が大きくな
る。一方、カメラ10a,10bから遠方に離れたオブ
ジェクトについては視差の影響は無視することができる
程度に小さなものとなる。つまり、図11の視差画像に
おける背景部分は右画像と左画像とにおいて同一である
と考えることができる。
【0083】そこで、オブジェクト配置部93は、オブ
ジェクトの配置に先立って、図11に示す2枚の視差画
像から背景部分を分離する。この結果、図12に示すよ
うに、背景画像(図12(a))と、右画像に含まれる
オブジェクトの画像(図12(b))と、左画像に含ま
れるオブジェクトの画像(図12(c))との3つの画
像に分離される。なお、背景画像(図12(a))は視
差画像とは別に立体データ記憶部91に記憶されていて
もよい。
【0084】オブジェクト配置部93は図12(a)の
ような背景画像を2次元的な平面オブジェクトとして取
り扱う。一方、右画像と左画像とに含まれる立体的なオ
ブジェクトについては、両画像におけるオブジェクトの
結像位置等から3次元座標値が求められる。
【0085】右画像と左画像との両画像からオブジェク
トの3次元座標値を求める手法は、いわゆる両眼立体視
あるいは三角測量法と呼ばれる手法によって行われる。
簡単に説明すると、図10に示すカメラ10aと10b
との間隔(基線長)Lと、右画像と左画像とにおいて対
応するそれぞれの点が画像中のどの位置にあるかによっ
て決定される視線方向とによって1つの三角形が特定さ
れるため、それによって右画像と左画像との対応点の3
次元座標値を求めることができる。この処理を、オブジ
ェクトに関する全ての対応点について行うことでオブジ
ェクト全体についての3次元座標値が求められるのであ
る。
【0086】次に、オブジェクト配置部93は、上記の
ようにして得られた2次元的な背景画像と立体オブジェ
クトとを走査空間内に配置する。配置条件入力部92は
背景画像と立体オブジェクトとの走査空間内における配
置条件をオブジェクト配置部93に与える。背景画像は
平面的な画像であるため、例えば、背景画像を走査空間
のセンター位置、すなわち回転軸Zを含む平面に配置し
たり、走査空間の外縁に曲面状に配置したりすることが
できる。
【0087】背景画像を走査空間のセンター位置に配置
する場合について説明する。図13は、この場合におけ
る走査空間38aを上方から見た図である。図13に示
すように背景画像をセンター位置に配置するように配置
条件が指定された場合には、背景画像の平面オブジェク
ト6eは走査空間38aの回転軸Zを含む平面内に配置
される。一方、立体オブジェクト6dについては背景画
像の配置位置よりも前方側であって、かつ、走査空間3
8a内に配置される。
【0088】次に背景画像を走査空間の外縁に配置する
場合について説明する。図14は、この場合における走
査空間38を上方から見た図である。図14に示すよう
に背景画像を走査空間の外縁に配置するように配置条件
が指定された場合には、背景画像の平面オブジェクトは
走査空間38aの外縁に沿って曲面状に配置される。そ
して、立体オブジェクト6dは背景画像の配置位置より
も前方側であって、かつ、走査空間38a内に配置され
る。このとき、立体オブジェクト6dを走査空間38a
の中心に配置すれば、最も高い解像度で立体表示を行う
ことができる。
【0089】このようにオブジェクト配置部93は配置
条件に基づいて平面オブジェクトと立体オブジェクトと
を走査空間38a内に配置する。そして、そして、配置
終了後に、各オブジェクトの配置位置に基づいて3次元
座標値を求めることによって、視差画像に含まれる複数
のオブジェクトが走査空間内に配置された状態での3次
元画像データを得る。
【0090】したがって、立体データ記憶部91に視差
画像が記憶されている場合であっても、その視差画像に
含まれるオブジェクトを走査空間内の任意の位置に配置
することができ、その配置での適切な立体表示を行うこ
とができるのである。
【0091】次に、第3の配置形態について説明する。
第3の配置形態は、表示対象物に静止オブジェクトと動
体オブジェクトとが含まれる場合の配置形態である。
【0092】図15は、静止オブジェクトと動体オブジ
ェクトとの概念を示す図である。図15(a)は静止オ
ブジェクトを示しており、水槽内の岩や水草等の複数の
立体オブジェクトを含む例について示している。また、
図15(b)は動体オブジェクトを示しており、水槽内
を泳ぐ魚をオブジェクトとしており、立体的形態が時間
的に変化する。立体データ記憶部91には図15
(a),(b)に示すような静止オブジェクトと動体オ
ブジェクトとに関する立体データが個別に記憶されてお
り、オブジェクト配置部93は静止オブジェクトと動体
オブジェクトとの配置位置を決定する。
【0093】図16は静止オブジェクトと動体オブジェ
クトとの配置位置の一例を示す図である。配置条件入力
部92は、走査空間38a内における静止オブジェクト
の配置条件と動体オブジェクトの配置条件とを定め、そ
れをオブジェクト配置部93に与える。例えば、静止オ
ブジェクトの配置条件としては、各立体オブジェクトが
走査空間38a内に配置されることが配置条件となり、
動体オブジェクトの配置条件としては、動体オブジェク
トが静止オブジェクトの各立体オブジェクトと立体表示
において重なりを生じないことが配置条件となる。
【0094】オブジェクト配置部93は、配置条件入力
部92より静止オブジェクトおよび動体オブジェクトに
関する配置条件を取得すると、静止オブジェクトに関し
ては、図16に示すように各立体オブジェクトを走査空
間38a内に配置する。すなわち、静止オブジェクトの
各立体オブジェクト間の距離が長く、または、各立体オ
ブジェクトのサイズが大きい場合であって、3次元座標
値に基づいて配置を行うと走査空間38a内に配置する
ことができない場合には、各オブジェクト間の距離を短
縮したり、各オブジェクトを縮小したりすることで、走
査空間38a内への配置を行う。そして、その配置に基
づいて、静止オブジェクトに関する3次元画像データを
生成する。
【0095】一方、動体オブジェクトに関しては、図1
6に示すように、初期状態から最終状態に至るまでの動
体オブジェクトが配置される動体表示空間38bを走査
空間38a内に設定する。上記の例の場合では、動体オ
ブジェクトが静止オブジェクトの各立体オブジェクトと
立体表示において重なりを生じないことが配置条件とな
っているため、動体表示空間38bは静止オブジェクト
を含まないように設定される。なお、図16においては
動体表示空間38bは円筒状空間で示されているが、こ
れに限定されるものではなく、3次元的な任意の空間で
あってよい。そして、動体表示空間38bの設定が終了
すると、その動体表示空間38b内に動体オブジェクト
の初期形態から最終形態までの立体像が収まるように各
形態の立体オブジェクトが配置され、その配置に基づい
て各形態についての動体オブジェクトに関する3次元画
像データが生成される。
【0096】そして、断面画像生成部95においては、
静止オブジェクトに関する3次元画像データから静止オ
ブジェクトを立体表示するための断面画像を生成し、ま
た、動体オブジェクトに関する3次元画像データから動
体オブジェクトを立体表示するための断面画像が各形態
ごとに生成される。そして、立体画像表示装置100側
にて静止画像と動画像との合成を行って、1つの断面画
像を生成し、それを投影することによって、図17に示
すように動体オブジェクトが含まれる表示対象物の立体
表示が可能になる。
【0097】以上、表示対象物に含まれる複数のオブジ
ェクトの配置形態として3つの形態を示したが、他の配
置形態を採用してもよいことは勿論である。
【0098】次に、各オブジェクトの配置が行われて生
成された3次元画像データから断面画像に関する2次元
画像データを生成する処理について説明する。
【0099】図18は、断面画像生成部95において行
われる3次元画像データから2次元画像データへの変換
過程を示す図である。まず、図18(a)のような表示
対象物の3次元画像データに対して、回転表示を行う際
の中心軸となる回転軸を設定する。この状態が図18
(b)である。そして、立体表示条件入力部94からの
指令に基づいて3次元画像データを1回転で何分割する
かを設定し、図18(c)に示すように分割数に応じて
表示対象物をほぼ均等な角度ごとの放射状に切断する。
この切断によって導かれる表示対象物の断面像を画像デ
ータとして表現することにより、図18(d)に示すよ
うな所定角度ごとに切断された表示対象物の断面画像に
関する2次元画像データが生成される。すなわち、図1
8(d)に示すような複数の2次元画像データが、1回
転する際に表示対象物の立体画像を表示するのに必要な
1シーン分の断面画像群の全ての2次元画像データとな
る。そして、この1シーン分の2次元画像データに基づ
いて立体表示を行うことにより、表示対象物がある一つ
の状態にあるときの立体画像を投影することができるの
である。
【0100】そして、動体オブジェクトの場合は、上記
のような1シーンの2次元画像データが連続するシーン
ごと(各形態ごと)に生成されることになり、表示対象
物の初期状態から最終状態に至るまでの各形態のそれぞ
れについて、1シーンを1つのまとまりとする2次元画
像データが順次に導出されていき、それらデータが順次
に立体画像表示装置100側に供給されていくのであ
る。
【0101】なお、導出された2次元画像データは必要
に応じてMPEG2等の方式によりデータ圧縮が行われ
る。
【0102】上記のような複数のオブジェクトの配置処
理を、ホストコンピュータ3に適用する際のホストコン
ピュータ3の処理手順の一例を示すと図19ないし図2
2に示すフローチャートのようになる。
【0103】まず、図19に示すように、ホストコンピ
ュータ3にて処理が開始されると、立体データ記憶部9
1に記憶されている立体データの形式がどのような形式
であるかが判定される(ステップS1)。つまり、ステ
ップS1では、表示対象物についての立体データが、静
止立体オブジェクトが3次元座標値で表現されたデータ
であるか、視差画像データであるか、動体オブジェクト
を含む各オブジェクトが3次元座標値で表現されたデー
タであるかを判定する。そして、立体データ記憶部91
に記憶されている立体データが、静止立体オブジェクト
についてのデータである場合にはステップS2に進み、
視差画像データである場合にはステップS3に進み、動
体オブジェクトを含むデータである場合にはステップS
4に進む。
【0104】静止立体オブジェクトである場合の処理
は、図20に示すフローチャートである。
【0105】まず、ステップS5において、ホストコン
ピュータ3の操作者がキーボード3c等を操作すること
によって配置条件入力部92に対して配置条件を入力す
る。操作者が入力する配置条件は、デフォルト配置、分
散配置、注目オブジェクトの中心位置への配置のうちの
いずれかである。そして、ステップS6にて、入力され
た配置条件を判定し、上記の配置条件に応じてステップ
S11,S21,S31のうちのいずれかに処理を進め
る。
【0106】入力された配置条件がデフォルト配置の場
合には、オブジェクト配置部93は表示対象物に含まれ
る立体オブジェクトの各3次元座標値に基づいてそのま
ま配置を行う。すなわち、各オブジェクトに対する特別
な配置調整を行うことなく、立体データ記憶部91に記
憶されている3次元画像データをそのまま断面画像生成
用に使用するのである。
【0107】そして、ステップS11にて3次元画像デ
ータから断面画像データを生成し、ステップS12にて
静止画像であるか動画像であるかを示す情報等を含むヘ
ッダファイルを作成し、そのヘッダファイルを断面画像
データの先頭に付与する。
【0108】また、入力された配置条件が分散配置の場
合には、ステップS21に進み、オブジェクト配置部9
3が複数のオブジェクトを包含する包絡線を求める。そ
して、ステップS22にて包絡線が表示領域の外周に接
するように、すなわち、走査空間の外縁に内接するよう
に包絡線を修正する。そして、修正後の包絡線に基づい
て各オブジェクトを配置し、その配置結果に基づいて3
次元画像データを求める(図8参照)。
【0109】そして、ステップS23に進み、断面画像
生成部95が3次元画像データから断面画像データを生
成し、その後、ステップS24にてヘッダファイルを作
成し、そのヘッダファイルを断面画像データの先頭に付
与する。
【0110】また、入力された配置条件が注目オブジェ
クトの中心位置への配置である場合には、ステップS3
1に進み、まず、注目オブジェクトの指定が行われる。
そして、ステップS32にて指定オブジェクトを注目オ
ブジェクトとして走査空間の中心位置に配置し、ステッ
プS33にて他のオブジェクトを各オブジェクトの位置
関係に基づいて配置する。各オブジェクトの配置が完了
すると、その配置に基づいて3次元画像データを生成す
る(図9参照)。そして、ステップS34にて3次元画
像データから断面画像データを生成し、ステップS35
にてヘッダファイルを作成して断面画像データの先頭に
付与する。
【0111】また、立体データの形式が視差画像データ
である場合の処理は、図21に示すフローチャートであ
る。
【0112】まず、オブジェクト配置部93が視差画像
データから表示対象物に含まれるオブジェクトの立体デ
ータ(3次元座標値にて表現された3次元画像データ)
を生成する。そして、ステップS8において、ホストコ
ンピュータ3の操作者が配置条件入力部92に対して配
置条件を入力する。操作者が入力する配置条件は、デフ
ォルト配置、背景画像のセンター配置、背景画像の外縁
配置、注目オブジェクトの中心位置への配置のうちのい
ずれかである。そして、ステップS9にて、入力された
配置条件を判定し、上記の配置条件に応じてステップS
41,S51,S61,S71のうちのいずれかに処理
を進める。
【0113】入力された配置条件がデフォルト配置の場
合には、ステップS11の場合と同様に、各オブジェク
トに対する特別な配置調整を行うことなく、各オブジェ
クトの3次元画像データをそのまま断面画像生成用に使
用する。そして、断面画像およびヘッダファイルが生成
される(ステップS41,S42)。
【0114】入力された配置条件が背景画像のセンター
配置である場合には、背景画像を回転軸Zを含む平面に
配置し(ステップS51)、その前方側に他のオブジェ
クトを配置する(ステップS52)。この配置に基づい
て3次元画像データを生成し(図13参照)、断面画像
およびヘッダファイルを生成する(ステップS53,S
54)。
【0115】入力された配置条件が背景画像の外縁配置
である場合には、背景画像を走査空間の外縁に配置し
(ステップS61)、その前方側に他のオブジェクトを
配置する(ステップS62)。そして、この配置に基づ
いて3次元画像データを生成し(図14参照)、断面画
像およびヘッダファイルを生成する(ステップS63,
S64)。
【0116】入力された配置条件が注目オブジェクトの
中心位置への配置である場合には、ステップS31〜S
35と同様の処理が行われ、指令したオブジェクトにつ
いての断面画像およびヘッダファイルが生成される(ス
テップS71〜75)。
【0117】また、立体データの形式が動体オブジェク
トを含むデータである場合の処理は、図22に示すフロ
ーチャートである。
【0118】まず、オブジェクト配置部93が静止オブ
ジェクトと動体オブジェクトとのそれぞれを入力し(ス
テップS81)、各オブジェクトについての走査空間内
における配置を決定する(ステップS82)。そして、
その配置に基づいて静止オブジェクトと動体オブジェク
トとのそれぞれについて3次元画像データを生成する。
このとき、動画像オブジェクトについては各形態につい
て複数の3次元画像データが生成される。そして、各3
次元画像データから断面画像が生成されて(ステップS
83)、ヘッダファイルが付与される(ステップS8
4)。
【0119】図23は、動体オブジェクトについての処
理(ステップS4)が行われて最終的に生成されるデー
タの構造を示す図である。図23に示すように、データ
の先頭位置にはヘッダファイルが格納されており、次に
静止オブジェクトについての1シーン分の断面画像が格
納されている。その静止オブジェクトの断面画像の後段
側に動体オブジェクトについての連続するシーンごとの
断面画像が連続的に格納されている。
【0120】上記のような処理を行うことにより、ホス
トコンピュータ3において断面画像を生成する際に、表
示対象物に含まれる複数のオブジェクトを任意の位置に
配置することが可能になり、そのような配置が反映され
た断面画像が生成される。
【0121】<4.立体画像表示システムにおける制御
機構>次に、この立体画像表示システム1において立体
画像を表示するための制御機構について説明する。
【0122】図24は、立体画像表示システム1の機能
構成を示すブロック図である。図24において実線矢印
は電気信号の流れを示しており、破線矢印は光の流れを
示している。なお、図24に示す照明光学系40および
投影光学系50は上述した内容のものである。
【0123】表示対象物の断面画像に関する2次元画像
データはディジタル入出力端子24を経由してホストコ
ンピュータ3からインタフェース66に入力されたり、
あるいは記録メディア4からインタフェース66に入力
される。
【0124】一般に画像データは他の種類のデータに比
べデータ量が多いため、インタフェース66に入力され
る2次元画像データには必要に応じてMPEG2方式等
によるデータ圧縮が施されている。この場合、圧縮され
た2次元画像データを伸張(復元)する必要がある。そ
こで、図24の構成では圧縮された2次元画像データを
伸張するためのデータ伸張器65が設けられている。な
お、インタフェース66に入力される2次元画像データ
にデータ圧縮が施されていない場合ではデータ伸張器6
5を設ける必要性はない。
【0125】伸張された2次元画像データは、DMD3
3における断面画像の生成を制御するDMD駆動部60
に与えられる。DMD駆動部60はDMD33とDMD
コントローラ62とメモリ63a,63b,63cとを
備えている。メモリ63a、63b及び63cはそれぞ
れ独立に書き込み又は読み出しが制御されるように構成
され、それぞれが1シーン分の断面画像の2次元画像デ
ータを記憶することができる記憶容量を有する記憶手段
として機能する。DMDコントローラ62はDMD33
に対して階調信号を与えたり、位置検出器73で検出さ
れるスクリーン38の回転角度に応じてカラーフィルタ
43を駆動するためのドライバ71を制御するとともに
メモリ63a,63b,63cにおける書き込み動作と
読み出し動作とを制御する。
【0126】システムコントローラ64は、投影レンズ
系51における像回転補償機構34の回転動作及びモー
タ74の動作を制御するスクリーンコントローラ72に
対して駆動指令を与える。また、システムコントローラ
64は白色光源41を駆動するドライバ70の制御や、
インタフェース66及びデータ伸張器65を管理・制御
してDMD駆動部60に対する2次元画像データの供給
状況等のDMDコントローラ62への伝達等を行う。
【0127】また、システムコントローラ64はキャラ
クタジェネレータ69に対して液晶ディスプレイ21の
画面上に適切な文字や記号等を表示させるための指示を
与えるとともに、着脱可能な操作スイッチ22からの入
力情報をも入力することができるように構成されてい
る。操作スイッチ22と立体画像表示装置100とは赤
外線通信を行うように構成されており、立体画像表示装
置100側には赤外線通信用の送受信部75aとドライ
バ75bとを有し、操作スイッチ22側には送受信部7
6aとドライバ76bとを有している。
【0128】なお、2次元画像データに含まれる音声デ
ータは、データ伸張器65の内部に設けられた図示しな
いオーディオデコーダによって復元され、そこで得られ
た音声データはD/A変換器68aとアンプ部68bと
を経由してスピーカ25から出力される。また、電源6
7は図24に示す立体画像表示装置100の各部に対し
て電源供給を行う。
【0129】図25は、図24に示した構成のうちのメ
モリ制御に関する要部を抜き出した図である。この実施
形態においては、メモリ63a,63bは動画像、すな
わち動体オブジェクトの表示用として設けられており、
メモリ63cは静止オブジェクトの表示用として設けら
れている。
【0130】また、メモリ63a,63bの出力とメモ
リ63cの出力とを加算する加算器61が設けられてお
り、動体オブジェクトに関する断面画像を構成するデー
タと静止オブジェクトに関する断面画像を構成するデー
タとが画素ごとに加算される。
【0131】表示対象物に動体オブジェクトを含まない
場合は、メモリ63cに1シーン分の断面画像に関する
複数の2次元画像データがメモリ63cにのみ有効なデ
ータが格納され、メモリ63a,63bには有効なデー
タは格納されない。このため、加算器61からの出力
は、メモリ63cに格納されている2次元画像データが
そのまま出力されることになり、静止オブジェクトにつ
いての2次元画像データがDMD33に供給される。
【0132】一方、表示対象物に動体オブジェクトを含
む場合は、図23に示したようなデータ構造のデータが
入力されるため、ヘッダファイルの次に入力する静止オ
ブジェクトの断面画像に関する2次元画像データがメモ
リ63cに格納され、それ以後に入力する動体オブジェ
クトの断面画像に関する2次元画像データが各シーンご
とにメモリ63a,63bに対して交互に格納される。
すなわち、動体オブジェクトを表示するために2個のメ
モリ63a,63bが設けられているので、一方のメモ
リへの書き込み動作と他方のメモリからの読み出し動作
とを時間的に並行して行うような構成とされている。
【0133】具体的には、DMDコントローラ62内に
おけるメモリ制御部62aが、メモリ63a,63bの
うちで読み出し対象となるメモリと書き込み対象となる
メモリとを切り換える制御手段として機能し、位置検出
器73によって得られるスクリーン38の回転角度に応
じてメモリ63a及び63bの読み出し動作と書き込み
動作とを交互に切り換える。
【0134】データ伸張器65から供給される2次元画
像データはメモリ63a,63b,63cの全てに供給
されるが、3つのメモリのうちのメモリ制御部62aに
よって書き込み指令の与えられたメモリのみが指定され
たアドレスから順次2次元画像データを書き込んでいく
(又は更新していく)。その一方で、メモリ制御部62
aから読み出し指令の与えられたメモリは既に格納して
いる複数の2次元画像データをメモリ制御部62aから
の指令に基づいて順次に出力して加算器61に与える。
【0135】そして、動体オブジェクトを含む表示対象
物の立体像を表示させる際には、メモリ制御部62a
は、スクリーン38が1回転するごとに、メモリ63c
に格納されている静止オブジェクトについての断面画像
を1シーンの先頭から順次読み出すように制御するとと
もに、メモリ63a,63bに格納されている動体オブ
ジェクトについての断面画像の読み出し対象となるメモ
リを切り換える。
【0136】そして、加算器61にて動体オブジェクト
についての断面画像と静止オブジェクトについての断面
画像とが合成された断面画像が生成され、合成によって
生成された断面画像に関する2次元画像データがDMD
33に供給されることになる。
【0137】この結果、DMD33は、静止オブジェク
トと動体オブジェクトとが所定位置に配置された投影用
の断面画像を生成し、その断面画像がスクリーン38に
投影されることになる。
【0138】なお、メモリ63a,63bに対するメモ
リ制御を行う際において、データ伸張器65から供給さ
れる次の1シーン分の2次元画像データの書き込みが終
了していない場合、少なくともその書き込み動作が終了
するまでの間はメモリの切り換え制御を行わないように
構成すれば、繰り返し断面画像を投影することができる
ので、立体表示中に投影像がとぎれることを回避するこ
とができる。
【0139】このような制御を行うメモリ制御部62a
の詳細を機能ブロック図として示すと図26に示すよう
になる。すなわち、位置検出器73から得られる回転角
度に応じたパルス信号をカウンタ81がカウントしてそ
の結果を読み出しアドレス発生部82と切換部84に送
る。読み出しアドレス発生部82では、カウント結果に
基づいてスクリーン38の現在位置に適した断面画像を
特定してその2次元画像データを読み出すための読み出
しアドレスを発生させる。一方、書き込みアドレス発生
部83は、システムコントローラ64から伝達されるデ
ータ伸張器65からの2次元画像データの供給状況に基
づいて供給される2次元画像データの書き込みアドレス
を発生させる。
【0140】読み出しアドレス発生部82と書き込みア
ドレス発生部83とで発生するアドレスはそれぞれ切換
部84に導かれる。切換部84は、静止オブジェクトの
2次元画像データの入力中であるときにはメモリ63c
に書き込みアドレスを送出し、動体オブジェクトの2次
元画像データを順次に入力中であるときにはメモリ63
a,63bに対する書き込みアドレスと読み出しアドレ
スとの送出先をスクリーン38の回転に同期させて切り
換えるとともに、メモリ63cに対しては読み出しアド
レスを送出し続ける。
【0141】このような制御を行うことにより、スクリ
ーン38の回転に伴ってスクリーン38上に投影される
断面画像を更新していくことができ、静止オブジェクト
についての立体像が常に表示されるとともに、動体オブ
ジェクトについての立体像が時々刻々と変化しつつ表示
される。
【0142】以上は、表示対象物が動体オブジェクトを
含む場合であるが、表示対象物が静止オブジェクトのみ
で構成される場合は、スクリーン38の回転に同期させ
てメモリ63cに読み出しアドレスを与えるだけでよ
い。その結果、メモリ63cに格納されている1シーン
分の断面画像をスクリーン38の回転に同期させて繰り
返し投影することができ、静止オブジェクトについての
立体像が常に表示されることになる。
【0143】<5.投影像の補正>次に、投影像の補正
の必要性について説明する。投影像を補正することが必
要な点として、2つの点がある。第1には、スクリーン
38への断面画像の投影においてスクリーン38の上方
と下方との間での光路長の相違による断面画像のひずみ
を補正することである。第2には、スクリーン38を1
80゜回転させた時点で1回の体積走査が完了するよう
にした場合に、スクリーン38の投影面が観察者に対し
て前面側にあるときと裏面側にあるときとで、投影する
断面画像を左右反転させることである。
【0144】まず、第1の投影像の補正について説明す
る。立体画像表示装置100においては立体像の観察に
際して観察者の視線を防げないために、図4に示すよう
に、投影ミラー37はスクリーン38の正面よりも斜め
下方にずらした位置に配置されている。従ってスクリー
ン38の上方と下方とで光路長が異なり、スクリーン3
8の下方に比べて上方では断面像が相対的に大きく拡大
されて投影されることになる。この状態では立体像がい
びつになるので、投影像のスケールの差違を補正する必
要がある。
【0145】投影像の補正方法の一例としては、DMD
33で生成される断面画像に、予め像の上方と下方とで
スケールに差を与える補正を施す方法がある。具体的に
は、実際に投影したい断面画像P3が図27(a)に示
すような矩形環状であるとき、DMD33で生成される
断面画像P4は、図27(b)に示すように下方に比べ
上方でスケールを縮小した台形環状の像となるようにD
MD33に与える2次元画像データを補正しておく。こ
の補正を行う補正手段としては、ホストコンピュータ3
側で断面画像に関する2次元画像データを生成する際に
下方に比べて上方のスケールを縮小するようにしてホス
トコンピュータ3自体を補正手段としてもよく、また図
24に示すデータ伸張器65において伸張を行う際に補
正するようにしてデータ伸張器65を補正手段としても
よく、さらにはデータ伸張器65の後段側に上記のよう
は補正を行う補正手段を単体で設けてもよい。なお、ス
ケールの縮小率は、スクリーン38への投影の際の拡大
係率を打ち消すように設定することが好ましいため、補
正手段は立体画像表示装置100側に設けることが好ま
しい。
【0146】また、投影像の補正方法の他の例として
は、例えば、光軸に対して非対称な屈折特性を有するレ
ンズ系(上方側には倍率が小さく、下方側には倍率が大
きくなるレンズ系)を投影光学系に配置する方法があ
る。この場合、当該レンズ系は、投影ミラー36と投影
ミラー37の間、投影ミラー37とスクリーン38との
間、DMD33と像回転補償機構の間に配設することが
できる。
【0147】また、投影ミラー36と投影ミラー37の
いずれかを上方側に投影される光に対しては像を縮小
し、下方側に投影される光に対しては像を拡大するよう
な複数の曲率を有する曲面ミラーにする方法を採用して
も良い。なお、投影ミラー36と投影ミラー37をとも
に曲面ミラーにして、最終的にスクリーン38に投影す
る際に、上方側に投影される光に対しては像を縮小し、
下方側に投影される光に対しては像を拡大するようにし
ても良い。
【0148】次に、第2の投影像の補正について説明す
る。スクリーン38が360°回転する際に投影する断
面画像群の全ての2次元画像データをメモリ63a,6
3b,63cに格納し、スクリーン38の360°回転
を1回の体積走査とする場合はスクリーン38の投影面
が観察者に対して前面側と裏面側のいずれにあるときで
も適切な断面画像の投影を行うことができる。
【0149】しかしながら、スクリーン38が180°
回転する際に投影する断面画像群の2次元画像データを
メモリ63a,63b,63cに格納し、スクリーン3
8の180°回転を1回の体積走査とする場合はスクリ
ーン38上に非回転対称の立体像を投影する際には投影
面が前面側にあるときと裏面側にあるときとで断面画像
を左右反転させることが必要になる。なぜなら、例えば
表示対象物としてコーヒーカップの立体像を表示させよ
うとして左右反転を行わない場合には表示対象物のコー
ヒーカップには取っ手部分が1つしかないにもかかわら
ず、立体表示される表示像には回転軸に対して対称な位
置関係に2つの取っ手部分が表示されることになるから
である。
【0150】この左右反転を行う方法の一例として、メ
モリ63a,63b,63cからDMD33に対して2
次元画像データを供給する際におけるメモリ63a,6
3b,63cの読み出しアドレスをスクリーン38の回
転角度に応じて切り換える方法がある。この方法では、
スクリーン38が180°回転するごとに断面画像を反
転させるために、断面画像における水平方向についての
データ読み出し順序を切り換えるだけでよく、断面画像
の垂直方向については変更する必要がない。
【0151】例えば、断面画像の大きさが図6に示した
ような256画素(水平方向)×256画素(垂直方
向)である場合、各メモリ63a,63b,63cから
2次元画像データを読み出す際の水平アドレスは8ビッ
トとなり、水平方向の0番目〜255番目までの画素を
指定することができる。そして、図25に示したメモリ
制御部62aが位置検出器73から得られるスクリーン
38の回転角度に応じてメモリ63a,63b,63c
からDMD33に与える2次元画像データの水平方向の
読み出し順序を切り換える。
【0152】図28は、スクリーン38の回転角度θに
応じたメモリ63a,63b,63cからの読み出し順
序を示す図である。図28に示すように、メモリ63
a,63b,63cにはスクリーン38が180°回転
する際に投影する断面画像群としてn枚分の2次元画像
データが格納される。そして図28(a)に示すように
スクリーン38の回転角度θが0°≦θ<180°の範
囲内である場合には、n枚分の2次元画像データはそれ
ぞれ水平方向の右方向に順次1画素ずつの画像データD
0、D1、D2、…、D255が読み出されてDMD3
3に供給される。これに対し、図28(b)に示すよう
にスクリーン38の回転角度θが180°≦θ<360
°の範囲内である場合には、n枚分の2次元画像データ
はそれぞれ水平方向の左方向に順次1画素ずつの画像デ
ータD255、D254、D253、…、D0が読み出
されてDMD33に供給される。
【0153】つまり、スクリーン38の回転角度θが0
°≦θ<180°の範囲内である場合には第1の読み出
しモードとして2次元画像データのそれぞれの画像デー
タを回転軸Zに直交する水平方向の右方向に順次読み出
していくのに対し、スクリーン38の回転角度θが18
0°≦θ<360°の範囲内である場合には第2の読み
出しモードとして2次元画像データのそれぞれの画像デ
ータを回転軸Zに直交する水平方向の左方向に順次読み
出していくのである。
【0154】このような読み出し順序を切り換えるため
の制御機構の一例を図29に示す。図29には図26に
示した読み出しアドレス発生部82の詳細構成を示して
いる。図29に示すように読み出しアドレス発生部82
は第1アドレス発生部82aと第2アドレス発生部82
bとアドレス選択部82cとを備える。第1アドレス発
生部82aはスクリーン38の回転角度θが0°≦θ<
180°の範囲内にあるときの読み出しアドレスを発生
し、第2アドレス発生部82bはスクリーン38の回転
角度θが180°≦θ<360°の範囲内にあるときの
読み出しアドレス(すなわち第1アドレス発生部82a
で発生される水平方向の読み出し順序を逆順序に設定し
た読み出しアドレス)を発生する。第1アドレス発生部
82aおよび第2アドレス発生部82bは双方ともカウ
ンタ81から得られるカウント結果に基づいてスクリー
ン38の現在位置に適した断面画像を特定してその2次
元画像データを読み出すための読み出しアドレスを常時
発生させる。
【0155】図30はこれらのアドレス発生部82a,
82bで発生される8ビットの水平アドレス信号の一例
を示す図である。図30において、(a)は第1アドレ
ス発生部82aで発生されるアドレス信号を示してお
り、(b)は第2アドレス発生部82bで発生されるア
ドレス信号を示している。なお、図30(a),(b)
においてA0〜A7はビット単位ごとの信号を示してい
る。
【0156】図30に示すように、スクリーン38の回
転角度が0°≦θ<180°の範囲内にあるときと18
0°≦θ<360°の範囲内にあるときとでは各ビット
信号A0〜A7はレベル反転した関係にある。この結
果、0°≦θ<180°の範囲内にあるときには図28
(a)に示した順序で1画素ごとのデータが読み出され
ていき、180°≦θ<360°の範囲内にあるときに
は図28(b)に示した順序で1画素ごとのデータが読
み出されていく。なお、図30に示すように2次元画像
データの2ライン目以降についても1ライン目と同様の
読み出し手順(方向)で読み出しアドレスを設定する。
【0157】このようにして第1アドレス発生部82a
と第2アドレス発生部82bとの双方で発生された読み
出しアドレスはアドレス選択部82cに導かれる。アド
レス選択部82cではカウンタ81から得られる回転角
度θが0°≦θ<180°の範囲と180°≦θ<36
0°の範囲とのいずれの範囲内にあるかを調べ、0°≦
θ<180°の範囲内にある場合には第1アドレス発生
部82aで発生されたアドレス信号(図30(a)参
照)を上述した切換部84に供給し、また、180°≦
θ<360°の範囲内にある場合には第2アドレス発生
部82bで発生されたアドレス信号(図30(b)参
照)を上述した切換部84に供給する。
【0158】以上のような構成を採用することにより、
メモリ63a,63b,63cから2次元画像データを
読み出す際に断面画像の水平方向に相当する読み出し順
序をスクリーン38の回転角度に応じて反転させる(切
り換える)ことが可能になる。この結果、DMD33に
与えられる2次元画像データはスクリーン38の180
°回転ごとに左右の反転されたデータとなり、スクリー
ン38上に投影される断面画像も180°回転ごとに左
右反転が行われる。そして、スクリーン38の180°
回転を1回の体積走査とする場合における断面画像の左
右反転を実現することが可能になり、投影像の補正が良
好に行えるのである。
【0159】<6.特徴的作用効果>以上説明したよう
に、この実施形態における立体画像表示システムにおい
ては、配置決定手段として機能するオブジェクト配置部
93が、入力される配置条件に基づいて表示対象物に含
まれる複数のオブジェクトのそれぞれに対して、スクリ
ーン38の走査空間内での配置を決定し、その配置に基
づいて断面画像生成部95がスクリーン38の各走査位
置に対応させて、複数のオブジェクトを含む表示対象物
の複数の断面画像を生成する。そして、立体画像表示装
置100において、複数の断面画像をスクリーン38の
各走査位置に対応させて順次に投影するように構成され
ているので、スクリーン38の走査空間内において複数
のオブジェクトに関する立体像の配置位置を設定するこ
とが可能となっている。また、オブジェクト配置部93
は入力される配置条件に基づいて複数のオブジェクトの
配置を行うように構成されているので、配置条件を変更
することにより、各オブジェクトの走査空間内における
位置を自由に設定することが可能である。
【0160】また、複数のオブジェクトに平面オブジェ
クトが含まれる場合において、その平面オブジェクトを
スクリーン38の回転軸を含む平面内に配置することに
よって、平面オブジェクトを走査空間の中心位置に立体
表示することができる。また、平面オブジェクトを走査
空間の外縁に曲面状に配置することによって、他のオブ
ジェクトを走査空間の中心位置に立体表示することもで
きる。
【0161】また、配置条件の設定によっては、オブジ
ェクト配置部93が走査空間内において複数のオブジェ
クトを分散させて配置するので、走査空間を有効に利用
した立体表示が可能となる。
【0162】また、複数のオブジェクトのうちの指定さ
れたオブジェクトを走査空間の中心位置に配置するよう
にすれば、指定されたオブジェクトを最も高解像度で表
示することが可能になる。
【0163】さらに、複数のオブジェクトが静止オブジ
ェクトと動体オブジェクトとを含んでいる場合であって
も、オブジェクト配置部93が、静止オブジェクトと動
体オブジェクトとのそれぞれの走査空間内での配置を決
定するため、表示対象物が動体オブジェクトを含む場合
であっても動体オブジェクトを常に走査空間内に立体表
示することが可能になっている。
【0164】<7.変形例>以上、この発明に係る立体
画像表示装置および立体画像表示システムについての一
実施形態を詳細に説明したが、この発明は上記説明した
ものに限定されるものではない。
【0165】例えば、第1の配置形態で、3つの立体オ
ブジェクト間の位置関係が予め決められている場合につ
いて説明したが、各オブジェクトは別途、独立した3次
元データとして供給されるようにしてもよい。
【0166】また、第2の配置形態で、平面オブジェク
トと立体オブジェクトを配置する実施例として、両オブ
ジェクトを視差画像から取得する例について説明した
が、それらは別途、独立して供給されるようにしてもよ
い。
【0167】また、上記実施例では、断面画像の生成を
ホストコンピュータ内で行うように構成した例を説明し
たが、立体画像表示装置内で行うようにしてもよい。
【0168】また、上記実施例では、種々の配置条件に
基づいて配置するように構成したが、手動で配置条件を
決定するようにしてもよい。また、特定のオブジェクト
について手動で配置し、その他のオブジェクトを自動で
配置するようにしてもよい。
【0169】また、例えば、上記説明においては、読み
出し対象となるメモリから与えられる2次元画像データ
に基づいてスクリーン38に投影する断面画像を生成す
る手段の一例としてDMD33を例示したが、DMD3
3以外の素子を使用してもよい。
【0170】また、上記説明においては主として所定の
回転軸Zを中心に回転するスクリーン上に断面画像を投
影することによって表示対象物の立体像を表示する構成
例について説明したが、この発明はこれに限定されるも
のではなく、スクリーンの投影面に対して垂直な方向に
直進走査するような体積走査であってもよい。つまり、
スクリーンが3次元的な所定空間内を周期的に走査する
ものであればよいのである。
【0171】なお、上記説明においてはスクリーン38
の材質については特に言及しなかったが、スクリーン3
8の材質を工夫することで立体画像が表示されているデ
ューティー比を倍増させることができる。
【0172】すなわち、スクリーン38を180゜回転
させることで体積走査が完了するが、スクリーン38が
不透明な材質で構成されている場合、断面画像が投影さ
れているスクリーンの投影面が観察者から見て裏面側
(反対側)に向いている間は断面像を視認することがで
きない。従って、立体画像が表示されているデューティ
ー比は1/2となる。このため、体積走査終了後、観察
者の眼に残像があるうちにさらにスクリーン38を回転
させて、結果的に360゜回転させる必要がある。
【0173】しかし、スクリーン38の材質として、投
影像が投影側から十分に視認できるだけの拡散反射性能
を有すると同時に、その像をスクリーン38の裏側の方
向からも視認できるような光透過性を有する材質を採用
することで、スクリーン38の表裏両方から投影像を視
認することが可能となる。したがって、スクリーン38
の角度にかかわらず断面画像を視認することができ、立
体画像表示のデューティー比は1となる。このため、残
像効果を維持できる時間内にスクリーン38を回転させ
なければならない角度は180゜で済む。これにより、
スクリーン38の回転数を1/2に抑えることが可能と
なり、その分だけ投影する断面画像の角度刻みを細かく
でき、断面画像の数を増して表示される立体画像の品位
を向上させることができる。
【0174】スクリーン38の材質としては、例えば、
すりガラスや、透明樹脂板の表面をすりガラス状に加工
して白く曇らせたものや、薄い紙などのように半透明の
材質を利用すれば良い。
【0175】
【発明の効果】請求項1ないし請求項6に記載の発明に
よれば、スクリーンの走査空間内において複数のオブジ
ェクトを配置した立体表示を行うことが可能になる。
【0176】特に、請求項2に記載の発明によれば、複
数オブジェクトのうちの平面オブジェクトを走査空間の
中心位置に配置することができる。
【0177】また、請求項3に記載の発明によれば、複
数のオブジェクトのうちの平面オブジェクトを走査空間
の外縁に配置することができる。
【0178】また、請求項4に記載の発明によれば、複
数のオブジェクトを走査空間内に分散配置することがで
き、走査空間を有効に利用した立体表示が可能となる。
【0179】また、請求項5に記載の発明によれば、複
数のオブジェクトのうちの指定されたオブジェクトを走
査空間の中心位置に配置することができる。そして、ス
クリーンが回転走査する場合には、指定されたオブジェ
クトを高解像度で立体表示することが可能になる。
【0180】さらに、請求項6に記載の発明によれば、
静止オブジェクトと動体オブジェクトとが、スクリーン
の走査空間内に配置された立体表示が可能になる。
【0181】また、請求項7ないし請求項13に記載の
発明によれば、スクリーンの走査空間内に複数のオブジ
ェクトを配置した立体画像表示用の断面画像を生成する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施形態に係る立体画像表示シス
テムの全体的な構成を示す図である。
【図2】立体画像表示装置の概観を示す図である。
【図3】着脱可能な操作スイッチの拡大図である。
【図4】立体画像表示装置における光学系を含む構成を
示す図である。
【図5】スクリーンおよび回転部材の斜視概観図であ
る。
【図6】スクリーンに投影される断面画像の大きさ(解
像度)を示す図である。
【図7】ホストコンピュータにおける機能構成を示すブ
ロック図である。
【図8】表示対象物に含まれる複数の立体オブジェクト
を走査空間内に分散配置する例を示す図である。
【図9】表示対象物に含まれる複数の立体オブジェクト
を走査空間内の中心に配置する例を示す図である。
【図10】視差画像データを得るための原理を示す図で
ある。
【図11】各カメラにて得られる視差画像を示す図であ
る。
【図12】視差画像から分離される複数のオブジェクト
を示す図である。
【図13】背景画像を走査空間のセンター位置に配置す
る場合の走査空間を上方から見た図である。
【図14】背景画像を走査空間の外縁に配置する場合の
走査空間を上方から見た図である。
【図15】静止オブジェクトと動体オブジェクトとの概
念を示す図である。
【図16】静止オブジェクトと動体オブジェクトとの配
置位置の一例を示す図である。
【図17】動体オブジェクトが含まれる表示対象物の立
体表示の一例を示す図である。
【図18】3次元画像データから2次元画像データへの
変換過程を示す図である。
【図19】ホストコンピュータにおける処理手順の一例
を示すフローチャートである。
【図20】ホストコンピュータにおける処理手順の一例
を示すフローチャートである。
【図21】ホストコンピュータにおける処理手順の一例
を示すフローチャートである。
【図22】ホストコンピュータにおける処理手順の一例
を示すフローチャートである。
【図23】動体オブジェクトについての処理が行われて
最終的に生成されるデータの構造を示す図である。
【図24】立体画像表示システムの機能構成を示すブロ
ック図である。
【図25】図24に示した構成のうちのメモリ制御に関
する要部を抜き出した図である。
【図26】メモリ制御部の詳細を示すブロック図であ
る。
【図27】断面画像(投影像)の補正の一例を示す図で
ある。
【図28】スクリーンの回転角度θに応じたメモリから
の読み出し順序を示す図である。
【図29】2次元画像データの読み出し順序を切り換え
るための制御機構の一例を示す図である。
【図30】アドレス発生部で発生される8ビットの水平
アドレス信号の一例を示す図である。
【符号の説明】
1 立体画像表示システム 3 ホストコンピュータ(断面画像生成装置) 91 立体データ記憶部 92 配置条件入力部 93 オブジェクト配置部 94 立体表示条件入力部 95 断面画像生成部 100 立体画像表示装置
フロントページの続き (72)発明者 宮崎 誠 大阪府大阪市中央区安土町二丁目3番13号 大阪国際ビル ミノルタ株式会社内 Fターム(参考) 5B050 BA08 EA13 FA06 5C061 AA06 AA23 AA29 AB12 AB14 AB16 AB24 5C082 AA01 AA27 BA12 BA47 BB15 BB25 CA76 DA01 MM10

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定空間を周期的に走査するスクリーン
    に対して画像を投影することによって、残像効果を生じ
    させ、表示対象物の立体画像を表示する立体画像表示シ
    ステムであって、 前記表示対象物に含まれる複数のオブジェクトのそれぞ
    れについての前記スクリーンの走査空間内での配置を決
    定する配置決定手段と、 前記配置に基づき、前記スクリーンの各走査位置に対応
    させて、前記複数のオブジェクトを含む前記表示対象物
    の複数の断面画像を生成する断面画像生成手段と、 前記複数の断面画像を、前記スクリーンの各走査位置に
    対応させて順次に投影する投影手段と、を備えることを
    特徴とする立体画像表示システム。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の立体画像表示システム
    において、 前記スクリーンは所定の回転軸を中心に回転走査すると
    ともに、前記複数のオブジェクトは平面オブジェクトを
    含んでおり、 前記配置決定手段は、前記平面オブジェクトを前記走査
    空間内において前記回転軸を含む平面に配置することを
    特徴とする立体画像表示システム。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の立体画像表示システム
    において、 前記スクリーンは所定の回転軸を中心に回転走査すると
    ともに、前記複数のオブジェクトは平面オブジェクトを
    含んでおり、 前記配置決定手段は、前記平面オブジェクトを前記走査
    空間の外縁に曲面状に配置することを特徴とする立体画
    像表示システム。
  4. 【請求項4】 請求項1に記載の立体画像表示システム
    において、 前記配置決定手段は、前記走査空間内において前記複数
    のオブジェクトを分散配置することを特徴とする立体画
    像表示システム。
  5. 【請求項5】 請求項1に記載の立体画像表示システム
    において、 前記配置決定手段は、前記複数のオブジェクトのうちの
    指定されたオブジェクトを前記走査空間の中心位置に配
    置することを特徴とする立体画像表示システム。
  6. 【請求項6】 請求項1に記載の立体画像表示システム
    において、 前記複数のオブジェクトは静止オブジェクトと動体オブ
    ジェクトとを含み、 前記配置決定手段は、前記静止オブジェクトと前記動体
    オブジェクトとのそれぞれの前記スクリーンの走査空間
    内での配置を決定することを特徴とする立体画像表示シ
    ステム。
  7. 【請求項7】 所定空間を周期的に走査するスクリーン
    に対して所定の表示対象物の断面画像を順次に投影する
    ことによって、残像効果を生じさせて表示対象物の立体
    画像を表示するために、投影用となる前記断面画像を生
    成する方法であって、 前記表示対象物に含まれる複数のオブジェクトのそれぞ
    れについての前記スクリーンの走査空間内での配置を決
    定する工程と、 前記配置に基づき、前記スクリーンの各走査位置に対応
    させて、前記複数のオブジェクトを含む前記表示対象物
    の複数の断面画像を生成する工程と、を有することを特
    徴とする断面画像生成方法。
  8. 【請求項8】 請求項7に記載の断面画像生成方法にお
    いて、 前記スクリーンは所定の回転軸を中心に回転走査すると
    ともに、前記複数のオブジェクトは平面オブジェクトを
    含んでおり、 前記平面オブジェクトは、前記走査空間内において前記
    回転軸を含む平面内に配置されることを特徴とする断面
    画像生成方法。
  9. 【請求項9】 請求項7に記載の断面画像生成方法にお
    いて、 前記スクリーンは所定の回転軸を中心に回転走査すると
    ともに、前記複数のオブジェクトは平面オブジェクトを
    含んでおり、 前記平面オブジェクトは、前記走査空間の外縁に曲面状
    に配置されることを特徴とする断面画像生成方法。
  10. 【請求項10】 請求項7に記載の断面画像生成方法に
    おいて、 前記複数のオブジェクトは、前記走査空間内において分
    散配置されることを特徴とする断面画像生成方法。
  11. 【請求項11】 請求項7に記載の断面画像生成方法に
    おいて、 前記複数のオブジェクトのうちの指定されたオブジェク
    トが、前記走査空間の中心位置に配置されることを特徴
    とする断面画像生成方法。
  12. 【請求項12】 請求項7に記載の断面画像生成方法に
    おいて、 前記複数のオブジェクトには静止オブジェクトと動体オ
    ブジェクトとが含まれており、前記静止オブジェクトと
    前記動体オブジェクトとのそれぞれが前記スクリーンの
    走査空間内で配置されることを特徴とする断面画像生成
    方法。
  13. 【請求項13】 所定空間を周期的に走査するスクリー
    ンに対して所定の表示対象物の断面画像を順次に投影す
    ることによって、残像効果を生じさせて表示対象物の立
    体画像を表示するために、投影用となる前記断面画像を
    生成する装置であって、 前記表示対象物に含まれる複数のオブジェクトのそれぞ
    れについての前記スクリーンの走査空間内での配置を決
    定する手段と、 前記配置に基づき、前記スクリーンの各走査位置に対応
    させて、前記複数のオブジェクトを含む前記表示対象物
    の複数の断面画像を生成する手段と、を備えることを特
    徴とする断面画像生成装置。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006349774A (ja) * 2005-06-13 2006-12-28 Kanazawa Inst Of Technology 三次元画像表示装置
US7486817B2 (en) 2004-03-02 2009-02-03 Kabushiki Kaisha Toshiba Apparatus for and method of generating image, and computer program product
JP2012059008A (ja) * 2010-09-08 2012-03-22 Namco Bandai Games Inc プログラム、情報記憶媒体及び画像生成システム
KR102014973B1 (ko) * 2018-04-04 2019-08-27 이재환 홀로그래픽 장치

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