JP2000277809A - チップ型発光装置 - Google Patents

チップ型発光装置

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 外力が作用したときに透光性樹脂モールドが
基板から剥離しない構成としたチップ型発光装置を提供
すること。 【解決手段】 基板2に一対の電極パターン3、4を形
成し、電極パターン3のパッド部3aに発光ダイオ−ド
(LED)チップ1をダイボンデングにて搭載し、LE
Dチップ1の電極1aと第2の電極パターン4を金属線
5でワイヤボンデングで接続する。LEDチップ1およ
び金属線5は透光性樹脂モールド6で封止する。電極パ
ターンの表面側を基板との接触面側よりも突出させて張
り出し部3x、4xを形成し、当該張り出し部の内部に
前記透光性樹脂モールド6の一部を食い込ませる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、外力が作用しても
透光性樹脂モールドが基板から剥離しない構成としたチ
ップ型発光装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、発光源として発光ダイオ−ド(L
ED)チップを用いた小型のチップ型発光装置が知られ
ている。図7はこのようなチップ型発光装置50の一例
を一部透視して示す斜視図、図8は図7の矢視A−A断
面でみた正面図である。図7において、基板2に銅箔等
の導電材料よりなる一対の電極パターン3、4が形成さ
れる。基板2の両端には長穴状の切欠きが形成されてお
り、当該切欠きの内周面にメッキ層等の導電膜で側面電
極を形成して基板2の裏面に延在させている。裏面側の
電極はプリント基板の配線パタ−ンと電気的に接続され
る。
【0003】電極パターン3、4には、それぞれパッド
部3a、4aを形成する。このようなパッド部3a、4
aは、例えば基板2の表面に貼り付けた銅箔をエッチン
グ処理することにより所定の形状で銅箔を除去して形成
される。パッド部3aにLEDチップ1をダイボンデン
グにより搭載する。
【0004】また、LEDチップ1の電極1aに金属線
5の一方端子をワイヤボンデングにて電気的に接続し、
金属線5の他方端子をパッド部4aにワイヤボンデング
にて電気的に接続する。LEDチップ1をダイボンデン
グおよびワイヤボンデングにより電極パターン3、4と
電気的に接続する際に、電気的接続が良好になされるよ
うに、パッド部3a、4aの部分には金(Au)メッキ
を施している。
【0005】ダイボンデングにより基板2の一方の電極
パターン3のパッド部3aに搭載されたLEDチップ1
と、LEDチップ1の電極1aおよび他方の電極パター
ン4のパッド部4aにワイヤボンデングにて電気的に接
続された金属線5は、透光性樹脂モールド6により封止
される。透光性樹脂モールド6は、前記長穴状の切欠き
内を通過して裏面側に流出しないように、基板2の両側
の端面の位置よりも内側にその端面の位置が配置され
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】透光性樹脂モールド6
の底面は、基板2の表面および一対の電極パターン3、
4のパッド部3a、4aと平面状に接触している。パッ
ド部3a、4aには前記のようにAuメッキが施されて
おり、このAuメッキが施されている部分は透光性樹脂
モールド6と接着していない。
【0007】このため、透光性樹脂モールド6と基板2
および一対の電極パターン3、4の接着強度が十分では
なく、振動や衝撃等の外力が作用すると、透光性樹脂モ
ールド6の底面が基板2の表面および一対の電極パター
ン3、4のパッド部3a、4aから剥離することがあ
る。図9は、このような透光性樹脂モールド6が基板表
面から剥離した状態を示す正面図である。透光性樹脂モ
ールド6が基板表面から移動して両者間に空隙が生じる
と、LEDチップ1と金属線5の封止が劣化するという
問題があった。
【0008】本発明はこのような問題に鑑みてなされた
ものであり、外力が作用したときに、透光性樹脂モール
ドが基板表面から剥離しない構成としたチップ型発光装
置の提供を目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の上記目的は、チ
ップ型発光装置を、基板の両端部に対向するように形成
される電極パターンと、基板の表面側に搭載される発光
ダイオ−ドチップ(LEDチップ)と、前記LEDチッ
プを封止する透光性樹脂モールドとを備えるチップ型発
光装置において、前記電極パターンの表面側を基板との
接触面側よりも突出させて張り出し部を形成し、当該張
り出し部の内部に前記透光性樹脂モールドの一部を食い
込ませた構成とすることにより達成できる。
【0010】本発明の上記特徴によれば、基板表面に形
成される電極パターンの表面側を基板との接触面側より
も突出させて張り出し部を形成し、当該張り出し部の内
部に前記透光性樹脂モールドの一部を食い込ませた構成
としているので、外力が透光性樹脂モールドに作用した
際に、前記食い込みの部分により抑止力が働き、透光性
樹脂モールドと基板表面との剥離を防止することができ
る。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図を参照して説明する。図1は本発明の実施の形態に
係るチップ型発光装置10の斜視図である。図7に示し
た従来例のチップ型発光装置と同じ部分または対応する
部分については同一の符号を付しており、詳細な説明は
省略する。
【0012】図1において、対向するようにして基板2
の両端部に形成される電極パターン3、4は、表面側が
基板2と接触している裏面側よりも長さが長く形成され
ており、電極パターン3、4の表面側と裏面側とでは長
さが相違している。すなわち、電極パターン3、4の表
面側には、裏面側に対して庇状に張り出している張り出
し部3x、4xが形成されている。
【0013】このような張り出し部3x、4xは、基板
2の表面に形成されている導電膜、例えば銅箔をウエッ
トエッチング処理により所定形状に除去して、パッド部
3a、4aを形成する際に、エッチング処理の時間を通
常よりも延長して、オ−バエッチング処理を行なうこと
により形成することができる。
【0014】基板2の表面に貼り付けた銅箔に対してエ
ッチング処理を行なうと、腐食液は所定のパタ−ンで銅
箔表面から次第に銅箔を浸食して基板2との接触面に至
り、パッド部3a、4aが形成される。この際の銅箔断
面の形状は、表面側から基板との接触面までほぼ直線状
に形成されている。
【0015】時間を延長して更にエッチング処理を行な
うと、すなわちオ−バエッチング処理を行なうと、腐食
液により銅箔断面でみて基板との接触面から内側に向け
て更に浸食されてゆき、接触面から表面方向に上向きに
傾斜する断面が形成される。このようにして、電極パタ
ーン3、4には基板2との接触面に対して庇状に突出し
ている張り出し部3x、4xが形成される。この庇状の
張り出し部3x、4xは、パッド部3a、4aの周辺
と、電極パターン3、4の互いに対向している内側端面
に形成される。
【0016】図3は、図1の矢視A−A断面でみた正面
図である。透光性樹脂モールド6は、基板2の表面にお
いて電極パターン3、4のパッド部3a、4aに形成さ
れる庇状の張り出し部3x、4xの内部に入り込み、く
さび状の抜け止め部が形成される。このような張り出し
部3x、4xを形成するためエッチング液としては、例
えば、塩化第2鉄溶液が使用される。
【0017】パッド部3a、4aにAuメッキが施され
ているために、この部分で透光性樹脂モールド6の接着
強度が十分ではない場合にも、パッド部3a、4aの周
辺には庇状の張り出し部3x、4xにより透光性樹脂モ
ールド6に対してくさび状の抜け止め部が形成されてい
るので、透光性樹脂モールド6に振動や衝撃等の外力が
作用しても、透光性樹脂モールド6は基板2の表面から
剥離することがなく、LEDチップ1と金属線5の封止
の劣化を防止することができる。
【0018】図2は、本発明の別の実施の形態のチップ
型発光装置20を示す斜視図である。図2のチップ型発
光装置20が図1のチップ型発光装置10と相違すると
ころは、基板2の両端に半円状の切欠き7、8を形成
し、一対の電極パターン3、4の側面電極3b、側面電
極4bを半円状の切欠き7、8の内周面にメッキ層等の
導電膜で形成し、基板の裏面側まで延在させている点に
ある。
【0019】図2の例においても、オ−バエッチング処
理を行なうことによりパッド部3a、4aの周辺と、電
極パターン3、4の互いに対向している内側端面に庇状
の張り出し部3x、4xを形成している。このため、図
2の矢視A−A断面でみた正面図は、図1の例と同様に
図3となり、パッド部3a、4aの周辺には庇状の張り
出し部3x、4xにより透光性樹脂モールド6に対して
くさび状の抜け止め部が形成される。
【0020】図4は、図1に示したチップ型発光装置の
電極パターンの構成を変更した例を示す正面図である。
図4のチップ型発光装置30は、基板2の表面に第2の
電極パターン3p、4pを形成し、第2の電極パターン
3p、4pの上に第1の電極パターン3、4を形成して
いる。
【0021】図4の例では、基板2の表面に二枚の銅箔
を貼り付け、電極パターンを形成する際にオ−バエッチ
ング処理を行なうことにより、基板2に接触している側
の銅箔を上側に貼り付けられている銅箔よりも腐食液に
よる浸食の度合いを大きくして、パッド部3a、4aの
周辺と、電極パターン3、4の互いに対向している内側
端面に庇状の張り出し部3x、4xを形成している。し
たがって、透光性樹脂モールド6は庇状の張り出し部3
x、4xの内部に食い込み、張り出し部3x、4xが透
光性樹脂モールド6に対する抜け止め部として作用す
る。
【0022】図5は、図2に示したチップ型発光装置の
電極パターンの構成を変更した例を示す正面図である。
図5のチップ型発光装置40は、図4の例と同様に基板
2の表面に第2の電極パターン3p、4pを形成し、第
2の電極パターン3p、4pの上に第1の電極パターン
3、4を形成している。第1、第2の電極パターンの一
端は前記切欠きを覆い、透光性樹脂モールド6の端面は
基板2の端面の位置まで延在されている。
【0023】図5の例においても、図4の例で説明した
ように基板2の表面に二枚の銅箔を貼り付け、電極パタ
ーンを形成する際にオ−バエッチング処理を行なうこと
により、基板2に接触している側の銅箔を上側に貼り付
けられている銅箔よりも腐食液による侵食の度合いを大
きくして、パッド部3a、4aの周辺と、電極パターン
3、4の内側端面に庇状の張り出し部3x、4xを形成
している。
【0024】図6は、図5のチップ型発光装置40を製
造する工程の一例を示す工程図である。次に、この工程
図について説明する。
【0025】(a)の工程では、基材を縦方向および横
方向に所定の大きさに切断してなる基板2に、縦方向お
よび横方向に複数の切欠き7、8、・・・を順次形成す
る。次に、基板2に第2の銅箔9を貼り付け、第2の銅
箔9の上に第1の銅箔3を貼り付ける。
【0026】(b)の工程では、各切欠き7、8、・・
・の内周面にメッキ層等の導電膜で側面電極3b、4b
を形成し、基板2の裏面側まで延在させる。
【0027】(c)の工程では、第1の銅箔3と第2の
銅箔9に対して腐食液によりエッチング処理を行い、所
定形状の電極パタ−ンを形成する。この際に、エッチン
グ処理の時間を延長してオ−バエッチング処理を行い、
第2の銅箔9の浸食の度合いを第1の銅箔3の浸食の度
合いよりも大きくして、第1の銅箔3に張り出し部3
x、4xを形成する。
【0028】(d)の工程では、(c)の工程で形成さ
れた一対の電極パタ−ンのうち、一方の電極パタ−ン3
のパッド部3aにLEDチップ1をダイボンデングにて
搭載し、LEDチップ1の電極と、他方の電極パタ−ン
4のパッド部4aとを金属線5によりワイヤボンデング
にて電気的に接続する。このようにして、基板2の縦方
向および横方向に多数のLEDチップ1を配置する。
【0029】(e)の工程では、基板2上を透光性樹脂
モールド6で覆う。次に、各切欠き7、8、・・・の中
心の位置であるX−X、Y−Y、・・・の線に沿って基
板2を切断する。また、所定の幅で、基板2をX−X、
Y−Y、・・・の線に直交する方向で切断する。このよ
うにして、単体のチップ型発光装置40が複数製造され
る。
【0030】上記の例では、第1の銅箔3と第2の銅箔
9とにより、電極パタ−ンを多層構成としたものにおい
て、エッチング時間を延長したオ−バ−エッチングによ
り、電極パターンの表面側を基板との接触面側よりも突
出させた張り出し部を形成している。本発明において
は、同一のエッチング液に対して下層のエッチングレ−
ト(エッチング速度)を上層のエッチングレ−トよりも
大きくすることにより、前記張り出し部を形成すること
ができる。
【0031】図5の構成のチップ型発光装置40は、一
対の電極パタ−ン3、4はそれぞれの一方端部で切欠き
を覆うので、透光性樹脂モールド6の両側の端面を基板
2の両側の端部の位置まで延在させても、透光性樹脂モ
ールド6が切欠きを通過して基板2の裏面側に回り込む
ことを防止できる。
【0032】このように、透光性樹脂モールド6の両側
の端面を基板2の両側の端部の位置まで延在させている
ので、図1〜図4に示したチップ型発光装置と比較する
と透光性樹脂モールド6の長さが延長され、その面積が
増大している。このため、チップ型発光装置40をプリ
ント基板に実装する際のチャックの吸着面積が増大する
ので、実装時の操作性が向上する。
【0033】前記したような、外力の作用により透光性
樹脂モールドが基板から剥離する現象は、長さ×幅の寸
法が、1.6×0.8mm以下、特に1.0×0.5m
mのチップ型発光装置において問題となっている。本発
明は、このような超小型のチップ型発光装置に有効に適
用される。
【0034】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の特徴によ
れば、基板表面に形成される電極パターンの表面側を基
板との接触面側よりも突出させて張り出し部を形成し、
当該張り出し部の内部に前記透光性樹脂モールドの一部
を食い込ませた構成としているので、外力が透光性樹脂
モールドに作用した際に、前記食い込みの部分により抑
止力が働き、透光性樹脂モールドと基板表面との剥離を
防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係るチップ型発光装置を
示す斜視図である。
【図2】本発明の別の実施の形態に係るチップ型発光装
置を示す斜視図である。
【図3】図1の正面図である。
【図4】本発明の別の実施の形態に係るチップ型発光装
置を示す正面図である。
【図5】本発明の別の実施の形態に係るチップ型発光装
置を示す正面図である。
【図6】図5のチップ型発光装置の製造工程示す工程図
である。
【図7】従来例のチップ型発光装置の概略の斜視図であ
る。
【図8】図7の正面図である。
【図9】透光性樹脂モールドが基板から剥離した状態を
示す正面図である。
【符号の説明】
1 LEDチップ 2 基板 3、4 一対の電極パターン 3x、4x 張り出し部 5 金属線 6 透光性樹脂モールド 7、8 切欠き 10 チップ型発光装置

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板の両端部に対向するように形成され
    る電極パターンと、基板の表面側に搭載される発光ダイ
    オ−ドチップ(LEDチップ)と、前記LEDチップを
    封止する透光性樹脂モールドとを備えるチップ型発光装
    置において、前記電極パターンの表面側を基板との接触
    面側よりも突出させて張り出し部を形成し、当該張り出
    し部の内部に前記透光性樹脂モールドの一部を食い込ま
    せたことを特徴とするチップ型発光装置。
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