JP2000277593A - 静電チャック - Google Patents

静電チャック

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JP2000277593A
JP2000277593A JP8118199A JP8118199A JP2000277593A JP 2000277593 A JP2000277593 A JP 2000277593A JP 8118199 A JP8118199 A JP 8118199A JP 8118199 A JP8118199 A JP 8118199A JP 2000277593 A JP2000277593 A JP 2000277593A
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Atsushi Ito
淳 伊藤
Yasutaka Ito
康隆 伊藤
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Ibiden Co Ltd
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Ibiden Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 パーティクルが発生しにくい静電チャックを
提供すること。 【解決手段】 この静電チャック1では、セラミック質
からなる絶縁基材2の内部に形成されたチャック電極層
3,4への通電により、絶縁基材2のチャック面S1に
被吸着物W1が静電的に吸着される。絶縁基材2におい
て少なくともチャック電極層3,4とチャック面S1と
の間の領域は、セラミック質からなる弾性層6になって
いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、静電チャックに関
するものである。
【0002】
【従来の技術】半導体製造プロセスにおいては、シリコ
ン等からなる半導体ウェハを固定した状態でエッチング
やスパッタリング等の工程が行われる。このような場
合、通常、チャック装置と呼ばれる固定手段が用いられ
る。特に近年では、静電気の力を利用して半導体ウェハ
を吸着するセラミック製の静電チャックが提案されるに
至っている。
【0003】この種の静電チャックとしては、例えば特
開平5−8140号公報に開示されたものがある。同公
報の静電チャックはいわゆる単極タイプと呼ばれるもの
である。セラミック基材上にはチャック電極が設けら
れ、そのチャック電極は気孔率3%以下の絶縁性誘電層
により被覆されている。そして、通電を行なった場合に
は、チャック面である絶縁性誘電層の表面に、被吸着物
であるシリコンウェハが静電的に吸着されるようになっ
ている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、従来公報の
静電チャックであっても、実際上はパーティクルを発生
させるおそれが依然としてあった。従って、パーティク
ルの付着に起因するウェハの凹凸発生などをより確実に
防止すべく、パーティクルの発生率を低減する何らかの
対策を講じることが要望されていた。
【0005】本発明は上記の課題に鑑みてなされたもの
であり、その目的は、パーティクルが発生しにくい静電
チャックを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに、請求項1に記載の発明では、セラミック質からな
る絶縁基材に形成されたチャック電極層への通電によ
り、前記絶縁基材のチャック面に被吸着物が静電的に吸
着される静電チャックであって、前記絶縁基材において
少なくとも前記チャック電極層と前記チャック面との間
の領域に、セラミック質からなる弾性層を有する静電チ
ャックをその要旨とする。
【0007】請求項2に記載の発明は、請求項1におい
て、前記弾性層の弾性率は50GPa〜150GPaで
あるとした。請求項3に記載の発明は、請求項1または
2において、前記弾性層の気孔率は5%〜30%である
とした。
【0008】請求項4に記載の発明は、請求項1乃至3
のいずれか1項において、前記弾性層は前記絶縁基材の
全体に及んでいるとした。以下、本発明の「作用」につ
いて説明する。
【0009】請求項1に記載の発明によると、当該領域
にセラミック質からなる弾性層を有することから、チャ
ック時に被吸着物を介して絶縁基材に押圧力が加わって
も、結晶粒子が粒界部分にて剥がれ落ちる確率は小さ
い。その理由は、セラミック質の結晶粒子の「ずれ」に
よる弾性作用が得られる結果、ミクロ的にみて弾性層が
いわば弾性変形し、被吸着物を介して加わる押圧力があ
る程度緩和・吸収されるためと推測される。よって、従
来に比べてパーティクルが発生しにくい好適な静電チャ
ックとすることができる。
【0010】請求項2,3に記載の発明によると、弾性
層の弾性率、気孔率を上記好適範囲内に設定しているた
め、3kV/mm以上の絶縁耐圧を維持しつつ、結晶粒子
の「ずれ」による弾性作用を得ることができる。従っ
て、チャック力の大幅低下を伴うことなくパーティクル
の発生率を低減することができる。
【0011】請求項4に記載の発明によると、弾性層は
絶縁基材の全体に及んでいるため、例えば組成の異なる
2種のセラミック材料を用いて焼結体を作製しなくても
よくなり、比較的製造しやすいものとなる。また、この
構成であると、弾性層とそうでない部分との界面にクラ
ックが生じるという心配もないため、耐久性も向上す
る。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明を具体化した一実施
形態の双極タイプの静電チャック1を図1〜図3に基づ
き詳細に説明する。
【0013】図1,図2には、本実施形態の静電チャッ
ク1が概略的に示されている。この静電チャック1を構
成している絶縁基材2は、好適な誘電体である窒化アル
ミニウム焼結体からなる。窒化アルミニウム焼結体を選
択した理由は、耐熱性、熱伝導性、耐プラズマ性等に優
れ、静電チャック1用の材料として極めて好都合だから
である。ここでは絶縁基材2として円盤状かつ厚さが約
数mmのものを用いている。なお、本実施形態の絶縁基
材2は、被吸着物であるシリコンウェハW1を複数枚同
時にチャックすべく、シリコンウェハW1の数倍の面積
となるように形成されている。
【0014】本実施形態の絶縁基材2は多層構造をなし
ていて、その内部にはチャック電極層3,4が形成され
ている。正極のチャック電極層3及び負極のチャック電
極層4は、ともにチャック面S1から近い層に位置して
いる。チャック面S1からチャック電極層3,4の下面
までの深さは、0.3mm程度に設定されている。な
お、各チャック電極層3,4は、いずれもタングステン
ペースト等のような導電性ペーストP1 を用いて印刷形
成されている。
【0015】図1に示されるように、正極のチャック電
極層3は、絶縁基材2の外周に位置する半円弧状部分
と、その半円弧状部分から平行にかつ等間隔に延びる多
数の直線部分3aとにより構成されている。従って、全
体的にみると同チャック電極層3は櫛歯状を呈してい
る。負極のチャック電極層4も、半円弧状部分と多数の
直線状部分4aとにより構成されていて、同じく櫛歯状
を呈している。本実施形態では、これら2つのチャック
電極層3,4の形状・大きさはほぼ等しい。
【0016】両者の直線状部分3a,4a同士は、図2
に示されるように互い違いに配置されている。即ち、異
極のチャック電極層3,4の直線状部分3a,4aは、
基材面方向に隣接して配置されている。
【0017】そして、正極のチャック電極層3には、チ
ャック用の直流電源5のプラス側が図示しないスルーホ
ール及び配線を介して接続されている。同様に、負極の
チャック電極層4には、前記直流電源5のマイナス側が
図示しないスルーホール及び配線を介して接続されてい
る。
【0018】図1,図2に示されるように、絶縁基材2
においてチャック電極層3,4とチャック面S1との間
の領域は、窒化アルミニウム焼結体からなる弾性層6に
なっている。つまり、弾性層6は窒化アルミニウム焼結
体の一部に存在する。本実施形態の弾性層6は、絶縁基
材2においてそうでない部分(便宜上、非弾性層7と呼
ぶ。)に比べ、弾性率が高くかつ気孔率が大きい。ちな
みに、非弾性層7の弾性率及び気孔率は200GPa,
3%であるのに対し、弾性層6の弾性率及び気孔率は5
0GPa〜150GPa,5%〜30%に設定されてい
る。なお、本実施形態の弾性層6は、非弾性層7と同じ
く絶縁性を有する誘電体であって、しかも非弾性層7と
同種のセラミック質からなるものとされている。
【0019】弾性層6の厚さは少なくとも20μm以
上、好ましくは50μm以上、さらに好ましくは100
μm以上であることがよい。この実施形態では弾性層6
の厚さは約0.3mmに設定され、チャック面S1からチ
ャック電極層3,4までの厚さに相当するものとなって
いる。弾性層6が薄すぎる場合、後述する結晶粒子の
「ずれ」による充分な弾性作用が得られないからであ
る。
【0020】また、弾性層6の弾性率を上記のごとく5
0GPa〜150GPaの範囲内に設定したのは、以下
の理由による。即ち、弾性率が小さすぎると、非弾性層
7とあまり変わらないものとなり、上記の弾性作用を期
待できなくなるからである。一方、弾性率が大きすぎる
と、焼結体の多孔質化が進む結果、3kV/mmという
絶縁耐圧を実現できなくなり、ひいてはチャック力の大
幅な低下につながってしまうからである。
【0021】弾性層6の気孔率を上記のごとく10%〜
30%の範囲内に設定したのは、以下の理由による。即
ち、気孔率が小さすぎると、焼結体が緻密化しすぎて結
晶粒子の「ずれ」が起こりにくくなる結果、好適な弾性
を得ることができず、上記の弾性作用を期待できなくな
るからである。一方、気孔率が大きすぎると、焼結体の
多孔質化が進む結果、3kV/mmという絶縁耐圧を実
現できなくなり、ひいてはチャック力の大幅な低下につ
ながってしまうからである。
【0022】弾性層6にある気孔の最大気孔径は8μm
以下、好ましくは5μm以下であることがよい。その理
由は、絶縁耐圧の低下を最小限に止めるためである。次
に、本実施形態の静電チャック1を製造する手順の一例
を紹介する。
【0023】絶縁基材2の材料となるグリーンシート
は、窒化アルミニウム粉末を主成分として含むスラリー
をドクターブレード法にてシート成形することにより作
製される。得られたグリーンシートの所定位置には、必
要に応じて、ドリル加工あるいは打ち抜き加工等により
スルーホール形成用孔が形成される。なお、本実施形態
では、後に弾性層6となるグリーンシート、後に非弾性
層7となるグリーンシートの2種を作製する。両グリー
ンシートの組成(例えば窒化アルミニウム粉末の粒径
や、焼結助剤の分量など)は、達成したい弾性率や気孔
率に応じて適宜変更される。
【0024】穴あけ加工を経たグリーンシートには、導
電性粒子としてのタングステン(W)粒子、分散溶媒、
分散剤等を含む導電性ペーストP1 が印刷される。もっ
とも、W粒子の代わりに一炭化一タングステン(WC)
粒子を含む導電性ペーストP1 としてもよい。
【0025】引き続いて行われるペースト印刷工程で
は、まず穴あけ工程を経たグリーンシート(非弾性層7
形成用のもの)を印刷装置にセットして、印刷面にメタ
ルマスクを配置する。この状態で上記の導電性ペースト
P1を印刷し、スルーホールを形成する。次いで、スル
ーホール印刷がなされたグリーンシートを今度はスクリ
ーン印刷機にセットし、印刷面にスクリーンマスクを配
置する。この状態で上記の導電性ペーストP1 をパター
ン印刷することにより、グリーンシート表面にチャック
電極層3,4を形成する。
【0026】次に、ペースト印刷工程を経た複数枚のグ
リーンシートを位置決めして重ね合わせ、この状態で所
定圧力にて真空プレスを行う。その際、ペースト印刷が
施された非弾性層7形成用のグリーンシートの上面に、
弾性層6形成用のグリーンシートを重ね合わせるように
する。すると、真空プレスの結果、各グリーンシートが
一体化し、グリーンシート積層体が形成される。
【0027】そして、得られたグリーンシート積層体
を、常圧下にて数十℃〜百数十℃の温度で所定時間加熱
することにより乾燥させる。乾燥工程は積層工程の実施
前に行われてもよい。
【0028】乾燥工程を経たグリーンシート積層体は、
本焼成工程の前にあらかじめ非酸化性雰囲気下で脱脂及
び仮焼成される。その後、熱処理工程を経て得られたグ
リーンシート仮焼体をるつぼ内に入れるとともに、必要
に応じてその周囲をセッターで包囲する。この状態のる
つぼを焼成炉内にセットし、常法に従い1700℃以上
の温度にて所定時間かつ所定圧力でのホットプレス焼成
を実施する。その結果、窒化アルミニウム及び導電性ペ
ーストP1が完全に同時焼結し、チャック電極層3,4
を備える窒化アルミニウム製の絶縁基材2が形成され
る。
【0029】この後、研削機等を用いて絶縁基材2の外
形加工及び面出し加工を行い、これによりチャック面S
1の表面粗さRaを所定範囲内に調整する。さらに、常
法に従ってコーティング及びI/Oピンのろう付け等の
諸工程を実施し、図1,図2に示されるような所望の静
電チャック1を完成させる。
【0030】以上のようにして製造された静電チャック
1の2つのチャック電極層3,4に直流電流の通電を行
うと、チャック面S1の外部領域に電場が形成される結
果、シリコンウェハW1と静電チャック1との間に静電
的な力が働く。その結果、チャック面S1に対してシリ
コンウェハW1が吸着され、シリコンウェハW1の固定
が図られる。
【0031】このときにおける弾性層6の表層部の様子
を、図3に概念的に示す。チャック時には、シリコンウ
ェハW1を介して絶縁基材2のチャック面S1(本実施形
態にて具体的には弾性層6の外表面)に基材厚さ方向か
らの押圧力が加わっている。そして、押圧力が大きい
と、本来的には窒化アルミニウムの結晶粒子が粒界部分
にて剥がれ落ちる確率が高くなり、この剥がれ落ちた結
晶粒子がパーティクルとなって周囲を汚染する。しかし
ながら、弾性層6を有する本実施形態では、剥がれ落ち
の起こる確率が小さくなる。その理由を以下に記す。
【0032】弾性層6は非弾性層7に比べて相対的に気
孔率が大きく、ゆえに弾性率が高くなっている。このよ
うな焼結体では、図3にて矢印A1で示すように、基材
厚さ方向からの押圧力の印加により、窒化アルミニウム
の結晶粒子が僅かに層方向にずれやすいという特性があ
る。このような結晶粒子の「ずれ」は、ミクロ的にみて
弾性層6にいわば弾性変形をもたらすと考えられる。そ
して、かかる弾性作用によって、シリコンウェハW1を
介して加わる押圧力が、ある程度緩和・吸収されるもの
と推測される。
【0033】
【実施例及び比較例】[サンプルの作製]ここでは次に
示すような5種の被験体サンプルをあらかじめ作製し
た。
【0034】実施例1〜4であるサンプル1〜4は、外
径190mm、厚さ1.5mmの窒化アルミニウム製の
絶縁基材2からなるものとし、そのチャック面S1 の表
面粗さRaを0.03μmに設定した。これらのサンプ
ル1〜4については厚さ0.3mmの弾性層6を設け、そ
の外表面をチャック面S1とした。そして、絶縁基材2
を構成している窒化アルミニウム焼結体の気孔率を、サ
ンプル1では5%に、サンプル2では10%に、サンプ
ル3では20%に、サンプル4では30%にそれぞれ設
定した。サンプル2〜4における弾性層6は多孔質体と
なっていた。また、窒化アルミニウム焼結体の弾性率
を、サンプル1では150GPaに、サンプル2では1
00GPaに、サンプル3では75GPaに、サンプル
4では50GPaにそれぞれ設定した。各サンプル1〜
4について、非弾性層7の気孔率は3%、弾性率は20
0GPaに設定した。
【0035】一方、比較例であるサンプル5は、絶縁基
材2を構成する窒化アルミニウム焼結体の全体が非弾性
層7(気孔率3%,弾性率200GPa)からなるも
の、つまり弾性層6を全くもたないものとした。
【0036】なお、導電性ペーストP1の組成等につい
ては、各サンプル1〜5で全く同一とした。焼結体の最
大気孔径は、いずれも5μm以下とした。 [比較試験及びその結果]そして、これら5種のサンプ
ルについて、以下のような比較試験を行った。
【0037】即ち、各静電チャック1のチャック面S1
に20mmφのシリコンウェハW1を載せ、真空かつ高
温条件(具体的には600℃)下で所定印加電圧(具体
的には1500V)にて通電した。そして、シリコンウ
ェハW1を30秒間チャックした後、シリコンウェハW1
を剥がし、ウェハ裏面に付着した直径0.2μm以上の
パーティクルの単位面積あたり個数(個/cm2)をカウ
ントした。その結果を表1に示す。同表には各サンプル
1〜5の絶縁耐圧(kV/mm)も参考として記されてい
る。 [結論]表1より明らかなように、実施例1〜4につい
ては、若干の絶縁耐圧の低下がみられるものの、最低で
も3kV/mmは確保されていた。また、これら実施例
1〜4では、比較例と比べてパーティクルの発生率が低
減されることが確認された。とりわけ、実施例2,3,
4によれば、比較例のパーティクル発生率の1/5以下
という小さな値を達成できることがわかった。従って、
これら実施例の静電チャック1を用いれば、パーティク
ルの付着に起因するシリコンウェハ5の凹凸発生や傷付
きをより確実に防止でき、ひいては半導体の高品質化や
歩留まり向上が期待できるものと考えられた。
【0038】
【表1】 以上の結果を総合すると、本実施形態によれば以下のよ
うな効果を得ることができる。
【0039】(1)本実施形態の静電チャック1による
と、弾性層6を設けたことに起因して、従来に比べ、パ
ーティクルが発生しにくい好適な静電チャック1を実現
することができる。
【0040】(2)この静電チャック1では、弾性層6
の弾性率、気孔率を上記好適範囲内に設定しているた
め、最低でも3kV/mm以上の絶縁耐圧を維持しつつ、
結晶粒子の「ずれ」による弾性作用を得ることができ
る。従って、チャック力の大幅低下を伴うことなくパー
ティクルの発生率を低減することができる。
【0041】なお、本発明の実施形態は以下のように変
更してもよい。 ・ 図4(a)に示す別例の静電チャック11では、弾
性層6が絶縁基材2の全体に及んでいて、非弾性層7が
全く存在しない状態となっている。このような構成であ
ると、実施形態のように組成の異なる2種のグリーンシ
ートを用いて窒化アルミニウム焼結体を作製しなくても
よく、1種のみで足りる。よって、その意味において比
較的製造しやすい静電チャック11となる。また、弾性
層6と非弾性層7との界面というものが焼結体中に存在
しないので、熱膨張係数差に起因する当該界面における
クラックの発生という心配もなくなる。従って、耐久性
も向上する。
【0042】・ 図4(b)に示す別例の静電チャック
12のように弾性層6を実施形態のものに比べて厚く形
成してもよい。これとは逆に、図4(c)に示される別
例の静電チャック13のように、弾性層6を実施形態の
ものに比べて薄く形成してもよい。もっとも、この場合
であっても弾性層6の厚さは20μm以上確保されてい
ることがよい。
【0043】・ 弾性層6は必ずしも絶縁基材2の表面
に露出していなくてもよい。別の言い方をすると、チャ
ック面S1は必ずしも弾性層6の外表面になくてもよ
く、非弾性層7の外表面にあってもよい。例えば、図4
(d)に示す別例の静電チャック14では、内層にある
弾性層6が、チャック面S1からチャック電極層3,4
までの厚さの約半分程度の厚さに形成されている。図4
(e)に示す別例の静電チャック15では、内層にある
弾性層6がさらに薄く形成されている。勿論、上記2つ
の別例でも、弾性層6の厚さは20μm以上確保されて
いることがよい。
【0044】・ 絶縁基材2を作製するにあたって、窒
化アルミニウム焼結体以外のものをセラミック質として
用いてもよく、例えば窒化ほう素、窒化珪素、高純度ア
ルミナ、ベリリア、マグネシア等の焼結体を選択するこ
とができる。なお、弾性層6と非弾性層7とは、実施形
態のように同種のセラミック質からなる組み合わせのみ
に限定されず、異種のセラミック質からなる組み合わせ
についても許容される。
【0045】・ 前記実施形態や別例では双極タイプの
静電チャック1,11〜15として具体化したが、これ
を単極タイプの静電チャックとして具体化してもよい。
次に、特許請求の範囲に記載された技術的思想のほか
に、前述した実施形態によって把握される技術的思想を
その効果とともに以下に列挙する。
【0046】(1) セラミック質からなる絶縁基材に
形成されたチャック電極層への通電により、前記絶縁基
材のチャック面に被吸着物が静電的に吸着される静電チ
ャックであって、前記絶縁基材において少なくとも前記
チャック電極層と前記チャック面との間の領域に、弾性
率50GPa〜100GPaかつ気孔率10%〜30%
のセラミック質からなる弾性層を有する静電チャック。
従って、この技術的思想1に記載の発明によれば、極め
てパーティクルが発生しにくい好適な静電チャックを提
供することができる。
【0047】(2) 請求項1乃至3において、前記弾
性層はセラミック多孔質体からなること。従って、この
技術的思想2に記載の発明によれば、極めてパーティク
ルが発生しにくい好適な静電チャックを提供することが
できる。
【0048】(3) 請求項1乃至3のいずれか1つに
おいて、前記弾性層の弾性率は、前記絶縁基材において
弾性層でない部分の弾性率の2倍以上の値に設定されて
いること。従って、この技術的思想3に記載の発明によ
れば、極めてパーティクルが発生しにくい好適な静電チ
ャックを提供することができる。
【0049】(4) 請求項1乃至4、技術的思想1乃
至3のいずれか1つにおいて、前記弾性層にある気孔の
最大気孔径は5μm以下であること。従って、この技術
的思想4に記載の発明によれば、絶縁耐圧の低下を最小
限に止めることができる。
【0050】(5) 請求項1乃至4、技術的思想1乃
至4のいずれか1つにおいて、前記弾性層の厚さは少な
くとも20μm以上であること。 (6) 請求項1乃至3、技術的思想1乃至5のいずれ
か1つにおいて、前記弾性層と、前記絶縁基材において
弾性層でない部分とは、ともに窒化アルミニウム焼結体
からなること。
【0051】
【発明の効果】以上詳述したように、請求項1〜4に記
載の発明によれば、パーティクルが発生しにくい好適な
静電チャックを提供することができる。
【0052】請求項2,3に記載の発明によれば、チャ
ック力の大幅低下を伴うことなくパーティクルの発生率
を低減することができる。請求項4に記載の発明によれ
ば、製造容易化及び耐久性向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を具体化した実施形態の静電チャックの
平面図。
【図2】図1のA−A線における概略断面図。
【図3】弾性層がもたらす弾性作用を説明するための概
略図。
【図4】(a)〜(e)は別例の静電チャックの概略断
面図。
【符号の説明】
1,11,12,13,14,15…静電チャック、2
…絶縁基材、3,4…チャック電極層、6…弾性層、S
1…チャック面、W1…被吸着物としてのシリコンウェ
ハ。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】セラミック質からなる絶縁基材に形成され
    たチャック電極層への通電により、前記絶縁基材のチャ
    ック面に被吸着物が静電的に吸着される静電チャックで
    あって、前記絶縁基材において少なくとも前記チャック
    電極層と前記チャック面との間の領域に、セラミック質
    からなる弾性層を有する静電チャック。
  2. 【請求項2】前記弾性層の弾性率は50GPa〜150
    GPaであることを特徴とする請求項1に記載の静電チ
    ャック。
  3. 【請求項3】前記弾性層の気孔率は5%〜30%である
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の静電チャッ
    ク。
  4. 【請求項4】前記弾性層は前記絶縁基材の全体に及んで
    いることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に
    記載の静電チャック。
JP8118199A 1999-03-25 1999-03-25 静電チャック Pending JP2000277593A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2003008359A1 (fr) * 2001-07-19 2003-01-30 Ibiden Co., Ltd. Corps de connexion en ceramique, procede de connexion des corps en ceramique, et corps structurel en ceramique
CN111048462A (zh) * 2018-10-15 2020-04-21 细美事有限公司 基板支承装置及其制造方法

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