JP2000277012A - プラズマディスプレイパネルの製造方法 - Google Patents

プラズマディスプレイパネルの製造方法

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JP2000277012A
JP2000277012A JP8113099A JP8113099A JP2000277012A JP 2000277012 A JP2000277012 A JP 2000277012A JP 8113099 A JP8113099 A JP 8113099A JP 8113099 A JP8113099 A JP 8113099A JP 2000277012 A JP2000277012 A JP 2000277012A
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JP
Japan
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phosphor
plasma display
glass substrate
display panel
ink
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Application number
JP8113099A
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English (en)
Inventor
Hiroyuki Kawamura
浩幸 河村
Masaki Aoki
正樹 青木
Keisuke Sumita
圭介 住田
Shigeo Suzuki
茂夫 鈴木
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Publication date
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  • Devices For Indicating Variable Information By Combining Individual Elements (AREA)
  • Formation Of Various Coating Films On Cathode Ray Tubes And Lamps (AREA)
  • Gas-Filled Discharge Tubes (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 高精細なプラズマディスプレイパネルの蛍光
体層を高精度で安価に形成する。 【解決手段】 プラズマディスプレイパネルの蛍光体層
を形成した後、蛍光体層18を焼成する前に100℃か
ら200℃の温度で少なくとも10分間以上乾燥させた
後に、蛍光体層18を形成した隔壁17が設けられた基
板を焼成することによって、高精度で安価なプラズマデ
ィスプレイパネルを実現する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、蛍光体層の形成に
特徴を備えた表示デバイスに用いるプラズマディスプレ
イパネルの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の交流型(AC型)のプラズマディ
スプレイパネルの概略構成は、フロントカバープレート
となる前面ガラス基板上に表示電極があり、この上を誘
電体ガラス層と酸化マグネシウム(MgO)の結晶配向
が(111)面に配向した誘電体保護層が覆っている。
また、背面ガラス基板(バックプレート)上にアドレス
電極および隔壁、蛍光体層が設けられており、放電空間
に放電ガスが封入されている。従来この蛍光体層を形成
するにはスクリーン印刷法、インクジェット法、フォト
レジストフィルム法が用いられてきた。
【0003】また、従来プラズマディスプレイパネルと
して開発されてきたパネル輝度は、40インチのNTS
Cパネル(セル数が640×480個でセルピッチが
0.43mm×1.29mm、1セル面積約0.55m
2 )で約250cd/m2 であった。
【0004】近年ハイビジョンをはじめとする高品位、
大画面テレビへの期待が高まっている。CRTは解像度
・画質の点でプラズマディスプレイや液晶に対して優れ
ているが、奥行きと重量の点で40インチ以上の大画面
には向いていない。液晶は、消費電力が少なく、駆動電
圧も低いといった優れた特徴を有しているが、画面の大
きさや視野角に限界がある。これに対してプラズマディ
スプレイは、大画面の実現が可能であり、すでに40イ
ンチクラスの製品が開発されている。
【0005】現在製品化されているプラズマディスプレ
イの輝度は、放電空間に封入されたガス(He−Xe系
やネオン−Xe系のガス)の放電によって発せられる紫
外線の強度により輝度レベルが左右されている。特にH
e−Xe系ガスによる放電では、Xeの共鳴線による波
長が147nm(ナノメートル)の真空紫外線が放出さ
れ、主にこの波長による紫外線によって放電セル内に塗
布された赤、緑、青の紫外線励起蛍光体を励起発光させ
ている。
【0006】また、現行40〜42インチクラスのプラ
ズマディスプレイの画素レベルは、画素数640×48
0個、セルピッチ0.43mm×1.29mm、1セル
の面積0.55mm2 である。さらに、近年期待されて
いるフルスペックのハイビジョンテレビの画素レベル
は、画素数が1920×1125となり、セルピッチも
42インチクラスで0.15mm×0.48mmで1セ
ルの面積は0.072mm2 の細かさになる。したがっ
て、プラズマディスプレイの高精細化が進むにしたがっ
てセルピッチや1セル当たりの面積が従来のNTSCと
比較して小さくなるため、輝度の向上を目指した蛍光体
膜の高精度形成技術が望まれている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、スクリ
ーン印刷法による蛍光体塗布では、隔壁に蛍光体インク
を充填する際にスクリーン版が変形し、隣接する隔壁内
に蛍光体インクが入ることにより混色するといった課題
がある。また、微細セルを考えると、スクリーン印刷法
による蛍光体塗布では、隔壁のピッチが0.1mmから
0.15mmになると、隔壁には幅があるため、蛍光体
の充填される空間は0.1mmから0.08mm程度の
非常に狭い幅となり、印刷法によって精度良くしかも高
速に粘度の高い(数万センチポアズ)蛍光体インクを流
し込むことは困難になってくる。
【0008】また、蛍光体と紫外線感光樹脂を用いた蛍
光体フォトフィルム法や、蛍光体フォトペースト法で
は、ある程度精度良く隔壁内に蛍光体を埋め込むことが
可能であるが、露光現像行程を3色繰り返し行う必要が
あることや、現像残りによる混色や、高価な蛍光体材料
の回収が困難であること等の課題がある。
【0009】このような課題を解決できる蛍光体塗布方
法として、特開昭53−79371号公報や、特開平8
−162019号公報の様な、蛍光体インクを加圧され
たノズルより噴射させて所望のパターンを基板上に描画
させるインクジェット法が提案されている。インクジェ
ット法では、蛍光体インクをノズルから連続かつ安定に
吐出させるため、蛍光体インク粘度を低く設定する必要
があるためインク溶剤量が多いため、隔壁内に拡散した
インク溶剤が乾燥時に残り、焼成の際に気化熱を奪った
り、蛍光体表面に吸着するなどして完全に除去できない
といった課題がある。
【0010】本発明はかかる点に鑑み、プラズマディス
プレイパネルにおいて安価に精度良く蛍光体層が形成で
きるプラズマディスプレイパネルの製造方法を提供する
ことを目的とするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記課題を解
決するために、蛍光体膜を焼成する前に100℃から2
00℃の温度で少なくとも10分間以上乾燥させた後
に、蛍光体膜を形成した隔壁が設けられた基板を焼成す
る方法である。
【0012】もしくは、前記蛍光体膜を焼成する前に蛍
光体膜を形成した基板を反転させ、100℃から200
℃の温度で少なくとも10分間以上乾燥させた後に、再
び蛍光体膜を形成した隔壁を反転させて焼成する方法で
ある。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て説明する。
【0014】(PDPの全体的な構成及び製法)図1
は、本発明の一実施の形態による交流放電型PDPの概
略断面図である。
【0015】図1ではセルが1つだけ示されているが、
赤、緑、青の各色を発光するセルが多数配列されてPD
Pが構成されている。
【0016】このPDPは、前面ガラス基板11上に放
電電極(表示電極)12と誘電体ガラス層13およびM
gO保護層14が配された前面パネルと、背面ガラス基
板15上にアドレス電極16、隔壁17、蛍光体層18
が配された背面パネルの間に形成される放電空間19内
に放電ガスが封入された構成となっており、以下に示す
ように作製される。
【0017】前面パネルの作製:前面パネルは、前面ガ
ラス基板11上に放電電極(表示電極)12を形成し、
その上を鉛系の誘電体ガラス層13で覆い、更に誘電体
ガラス層13の表面上にMgO保護層14を形成するこ
とによって作製する。
【0018】本実施の形態では、放電電極(表示電極)
12は銀電極であって、紫外線感光性樹脂を含んだ銀電
極用インクをスクリーン印刷法により前面ガラス基板1
1上に均一塗布して乾燥した後、露光現像によるパター
ニングと焼成によって形成する。
【0019】また、誘電体ガラス層13の組成は、酸化
鉛[PbO]70重量%、酸化硼素[B23]15重量
%、酸化珪素[SiO2 ]15重量%であって。スクリ
ーン印刷法と焼成によって形成する。
【0020】また、MgO保護層14は、酸化マグネシ
ウム[MgO]からなり、スパッタリング法で形成す
る。
【0021】背面パネルの作製:背面パネルは、背面ガ
ラス基板15上にアドレス電極16を形成し、その上に
ガラス製の隔壁17を所定のピッチで形成し、更に隔壁
17によって挟まれた各空間に赤色蛍光体、緑色蛍光
体、青色蛍光体による蛍光体層18を形成することによ
り作製する。
【0022】本実施の形態では、アドレス電極16は銀
電極であって、背面ガラス基板15上に、紫外線感光性
樹脂を含んだ銀電極用インクをスクリーン印刷法により
背面ガラス基板15上に均一塗布して乾燥した後、露光
現像によるパターニングと焼成によって形成する。
【0023】また、隔壁17であり、スクリーン印刷法
により数回繰り返し印刷することにより形成する。
【0024】また、隔壁17によって挟まれた各空間
に、赤色蛍光体、緑色蛍光体、青色蛍光体をそれぞれイ
ンク吐出法によって塗布することにより蛍光体層18を
形成する。各色の蛍光体としては、一般的にプラズマデ
ィスプレイパネルに用いられる蛍光体を用いることがで
きるが、ここでは次の蛍光体を用いる。 ・赤色蛍光体:(YXGd1-X)BO3:Eu3+ または
YBO3:Eu3+ ・緑色蛍光体:BaAl1219:Mn または Zn2
SiO4:Mn ・青色蛍光体:BaMgAl1017:Eu2+ パネル張り合わせによるPDPの作製:次に、このよう
にして作製した前面パネルと背面パネルとを封着用ガラ
スを用いて張り合わせると共に、隔壁17で仕切られた
放電空間19内を高真空(8×10-7Torr)に排気
した後、所定の組成の放電ガスを、所定の圧力で封入す
ることによってプラズマディスプレイパネルを作製す
る。
【0025】封入する放電ガスの組成は、従来から用い
られているNe−Xe系であるが、Xeの含有量を5体
積%以上に設定し、封入圧力は500から800Tor
rの範囲に設定する。
【0026】
【実施例】(実施例1)次に、本発明の実施例1につい
て図1、図2を用いて蛍光体層の形成方法を説明する。
背面ガラス基板15上に、スクリーン印刷を繰り返して
行った後焼成することによって隔壁17を形成する。次
に、隔壁17で仕切られた各空間に蛍光体層を形成する
方法を図2を用いて説明する。
【0027】図2は、プラズマディスプレイパネルの蛍
光体層を形成する際に用いるインク吐出装置の概略図で
ある。図2において,20は蛍光体インク、21は蛍光
体インク20を吐出するノズル、22は蛍光体インク2
0をノズル21に供給するためのサーバー、23はノズ
ル21に圧力を加えるための加圧器である。
【0028】まず、サーバー22に平均粒径2.0μm
の青色蛍光体であるBaMgAl1017:Eu2+粉末3
0重量%、エチルセルロース(分子量4万)4.5重量
%、分散剤(グリセリルトリオレエート)2重量%、平
均粒径0.01μmのシリカ(SiO2 )粒子1重量
%、溶剤(ブチルカルビトールアセテート)62.0重
量%、可塑剤0.5重量%から成る蛍光体混合物を良く
攪拌して10センチポイズ(cp)とした塗布液を入
れ、加圧器23の圧力でノズル21(ノズル径φ100
μm)から青色蛍光体を背面ガラス基板15上にストラ
イプ形状に形成された隔壁17内に吐出させると同時に
背面ガラス基板15を隔壁17の方向に合わせて直線状
に移動させて、青色蛍光体ラインを形成する。
【0029】続いて、赤色蛍光体(YXGd1-X)B
3:Eu3+の蛍光体混合物からなる塗布液をノズル2
1から吐出させると同時に背面ガラス基板15を隔壁1
7の方向に合わせて直線状に移動させて、赤色蛍光体ラ
インを形成する。
【0030】同様にして、緑色蛍光体Zn2SiO4:M
nのラインを形成した後、120℃で90分乾燥させた
後、500℃で10分間焼成し、蛍光体層を形成する。
【0031】ここで、蛍光体層の乾燥時間と蛍光体膜中
の炭素量の関係について、(表1)を用いて述べる。
【0032】
【表1】
【0033】平均粒径3.0μmの緑色蛍光体であるZ
2SiO4:Mn粉末52重量%、エチルセルロース
(分子量:4万)1重量%、溶剤(ターピネオール)4
7重量%からなる蛍光体混合物を良く攪拌し、30cp
とした塗布液をガラス基板上に膜厚50μmで塗布し、
乾燥条件を変えて、500℃で10分間焼成した後、6
00℃で酸素気流中で燃焼させ(電気抵抗炉を使用)、
赤外線吸収法によりカーボン量を定量化した結果であ
る。
【0034】次に、蛍光体層が設けられた背面ガラス基
板を封着用ガラスを用いて前記前面ガラス基板と貼り合
わせ、放電ガス封入前に放電空間部を8×10-7Tor
rの真空度に排気する。なお、隔壁の端部は一方のみ閉
じているので、放電空間は均一に排気することができ
る。放電空間部を排気後、放電空間部内に10%キセノ
ン(Xe)ガスを含むヘリウム(He)ガスを放電ガス
として500Torr封入し、交流面放電プラズマディ
スプレイとした。
【0035】次に、このパネルを放電維持電圧150
V、周波数30KHzで放電させた時の紫外線の波長
は、(間接的な実験から)主に173nmを中心とする
Xeの分子線による励起波長となる。ここで、蛍光体膜
形成後の乾燥条件とパネル輝度の関係を(表2)に示
す。なお、各条件での乾燥後に、500℃、10分の焼
成を行っている。
【0036】
【表2】
【0037】考察;蛍光体層の形成後の乾燥条件120
℃の場合を比較すると、乾燥時間が増えるにしたがって
パネル輝度が高くなっている。これは、乾燥時間を長く
することで、蛍光体膜および隔壁内に拡散した溶剤を蒸
発させたことにより、蛍光体膜中の残留カーボンを減少
させることができたためと思われる。
【0038】一方、乾燥が不十分なパネルでは、パネル
封着後に蛍光体膜および隔壁からCHO成分が放出さ
れ、真空紫外線を吸収するためパネル輝度が減少するも
のと思われる。
【0039】同様に、乾燥条件150℃の場合を比較す
ると、乾燥時間が増えるにしたがってパネル輝度が高く
なっている。
【0040】また、乾燥時間30分を越えるとパネル輝
度が飽和しており、蛍光体膜および隔壁内に拡散した溶
剤がほぼ完全に揮発したものと思われる。
【0041】同様に、乾燥条件200℃の場合を比較す
ると、乾燥時間が増えるにしたがってパネル輝度が高く
なっている。
【0042】また、乾燥時間が30分を越えるとパネル
輝度は飽和するが、乾燥時間10分でもパネル輝度は乾
燥時間30分以上の場合とほぼ同等となっている。
【0043】この結果から、乾燥時間は、乾燥温度が1
20℃の場合には60分以上であることが望ましい。乾
燥温度が150℃の場合には、乾燥時間が30分以上で
あることが望ましい。また、乾燥温度が200℃の場合
には、乾燥時間が10分以上であることが望ましい。
【0044】(実施例2)実施例1と同様に、本実施例
について図1、図2を用いて蛍光体層の形成方法につい
て説明する。背面ガラス基板15上に、スクリーン印刷
を繰り返して行った後焼成することによって隔壁17を
形成する。次に、隔壁17で仕切られた各空間に蛍光体
層を形成する方法を図2を用いて説明する。
【0045】まず、サーバー22に平均粒径2.0μm
の青色蛍光体であるBaMgAl1017:Eu2+粉末3
0重量%、エチルセルロース(分子量4万)4.5重量
%、分散剤(グリセリルトリオレエート)2重量%、平
均粒径0.01μmのシリカ(SiO2 )粒子1重量
%、溶剤(ブチルカルビトールアセテート)62.0重
量%、可塑剤0.5重量%から成る蛍光体混合物を良く
攪拌して10センチポイズ(cp)とした塗布液を入
れ、加圧器23の圧力でノズル21(ノズル径φ100
μm)から青色蛍光体を背面ガラス基板15上にストラ
イプ形状に形成された隔壁17内に吐出させると同時に
背面ガラス基板15を隔壁17の方向に合わせて直線状
に相対移動させて、青色蛍光体ラインを形成する。
【0046】青色蛍光体ラインを形成した後、背面ガラ
ス基板15を反転させ15分間放置する。このとき、青
色蛍光体膜には重力が作用し、隔壁17に沿って青色蛍
光体インクがずり下がり、隔壁17の頂部近傍の膜厚が
増加する。背面ガラス基板15を反転させた状態で、1
20℃、10分乾燥させることで、青色蛍光体膜中の溶
剤を揮発させ、蛍光体膜を固定させる。
【0047】続いて、赤色蛍光体(YXGd1-X)B
3:Eu3+の蛍光体混合物からなる塗布液をノズル2
1から吐出させると同時に背面ガラス基板15を隔壁1
7の方向に合わせて直線状に移動させて、赤色蛍光体ラ
インを形成する。
【0048】赤色蛍光体ラインを形成後、背面ガラス基
板15を反転させ、15分間放置する。このとき、赤色
蛍光体膜には重力が作用し、隔壁17に沿って赤色蛍光
体インクがずり下がり、隔壁17の頂部近傍の膜厚が増
加する。背面ガラス基板15を反転させた状態で、12
0℃、10分乾燥させることで,赤色蛍光体膜中の溶剤
を揮発させ、蛍光体膜を固定させる。
【0049】同様にして、緑色蛍光体Zn2SiO4:M
nの蛍光体混合物からなる塗布液をノズル21から吐出
させると同時に背面ガラス基板15を隔壁17の方向に
合わせて直線状に相対移動させて、緑色蛍光体ラインを
形成する。
【0050】緑色蛍光体ラインを形成後、背面ガラス基
板15を反転させ、15分間放置する。このとき、緑色
蛍光体膜には重力が作用し、隔壁17に沿って緑色蛍光
体インクがずり下がり、隔壁17の頂部近傍の膜厚が増
加する。背面ガラス基板15を反転させた状態で、12
0℃、10分乾燥させることで緑色蛍光体膜中の溶剤を
揮発させ、蛍光体膜を固定させる。再び、背面ガラス基
板を反転させて、乾燥させる。
【0051】ここで、蛍光体層の乾燥時間と蛍光体膜中
の炭素量の関係について、(表1)を用いて述べる。
【0052】平均粒径3.0μmの緑色蛍光体であるZ
2SiO4:Mn粉末52重量%、エチルセルロース
(分子量:4万)1重量%、溶剤(ターピネオール)4
7重量%からなる蛍光体混合物を良く攪拌し、30cp
とした塗布液をガラス基板上に膜厚50μmで塗布し、
乾燥条件を変えて、500℃で10分間焼成した後、6
00℃で酸素気流中で燃焼させ(電気抵抗炉を使用)、
赤外線吸収法によりカーボン量を定量化した結果であ
る。
【0053】次に、蛍光体層が設けられた背面ガラス基
板26を封着用ガラスを用いて前記前面ガラス基板と貼
り合わせ、放電ガス封入前に放電空間部を8×10-7
orrの真空度に排気する。なお、隔壁の端部は一方の
み閉じているので、放電空間は均一に排気することがで
きる。放電空間部を排気した後、放電空間部内に10%
キセノン(Xe)ガスを含むヘリウム(He)ガスを放
電ガスとして500Torr封入し、交流面放電プラズ
マディスプレイとした。
【0054】次に、このパネルを放電維持電圧150
V、周波数30KHzで放電させた時の紫外線の波長
は、(間接的な実験から)主に173nmを中心とする
Xeの分子線による励起波長となる。ここで、蛍光体膜
形成後の乾燥条件とパネル輝度の関係を(表3)に示
す。なお、各条件での乾燥後に、500℃、10分の焼
成を行っている。
【0055】
【表3】
【0056】考察;蛍光体層の形成後の乾燥条件120
℃の場合を比較すると、乾燥時間が増えるにしたがって
パネル輝度が高くなっている。これは、乾燥時間を長く
することで、蛍光体膜および隔壁内に拡散した溶剤を蒸
発させたことにより、蛍光体膜中の残留カーボンを減少
させることができたためと思われる。一方、乾燥が不十
分なパネルでは、パネル封着後に蛍光体膜および隔壁か
らCHO成分が放出され、真空紫外線を吸収するためパ
ネル輝度が減少するものと思われる。
【0057】同様に、乾燥条件150℃の場合を比較す
ると、乾燥時間が増えるにしたがってパネル輝度が高く
なっている。また、乾燥時間30分を越えるとパネル輝
度が飽和しており、蛍光体膜および隔壁内に拡散した溶
剤がほぼ完全に揮発したものと思われる。
【0058】同様に、乾燥条件200℃の場合を比較す
ると、乾燥時間が増えるにしたがってパネル輝度が高く
なっている。また、乾燥時間が30分を越えるとパネル
輝度は飽和するが、乾燥時間10分でもパネル輝度は乾
燥時間30分以上の場合とほぼ同等となっている。
【0059】この結果から、乾燥時間は、乾燥温度が1
20℃の場合には60分以上であることが望ましい。乾
燥温度が150℃の場合には、乾燥時間が30分以上で
あることが望ましい。また、乾燥温度が200℃の場合
には、乾燥時間が10分以上であることが望ましい。
【0060】以上のように本実施例によれば、蛍光体膜
を焼成する前に、前記蛍光体膜を形成した基板を反転さ
せ、ほぼ100℃からほぼ200℃の温度で少なくとも
約10分間以上乾燥させた後に焼成することで、高精度
で安定、安価な蛍光体層が形成され、高輝度のパネルを
得ることができる。
【0061】尚、蛍光体インクが、少なくとも蛍光体粉
体とターピネオールと0.1重量%以上、30重量%以
下のアクリル樹脂から構成されたものを用いても良い。
【0062】
【発明の効果】以上のように本発明は、高精度で安定、
安価に蛍光体層が形成可能な、従来にない優れたパネル
が実現でき、テレビ仕様の広幅ピッチからハイビジョン
をはじめとする微細ピッチのプラズマディスプレイパネ
ルまでに適応できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態によるプラズマディスプレ
イパネルの断面図
【図2】本発明の一実施形態によるインク吐出装置の概
略断面図
【符号の説明】
18 蛍光体層
フロントページの続き (72)発明者 住田 圭介 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 鈴木 茂夫 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 Fターム(参考) 5C028 FF16 HH14 5C040 FA01 GG07 GG09 JA13 JA21 JA28 KA17 MA02 MA23 MA24 MA26 5C094 AA05 AA31 AA43 AA44 BA12 BA31 BA32 CA19 CA24 DA13 EA04 EB02 EC04 FB01 FB03 FB06 FB20 GB10 JA01

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】電極と誘電体ガラス層が設けられたフロン
    トカバープレート(前面ガラス基板)と、電極と蛍光体
    層が設けられたバックプレート(背面ガラス基板)の少
    なくとも一方に隔壁が設けられ、それぞれの電極面を所
    定のギャップを保って相対向させ封着し、内部に放電可
    能なガス媒体を封入して成るプラズマディスプレイパネ
    ルにおいて、蛍光体インクをインクノズルから吐出させ
    ながら隔壁内に塗布した後に焼成することによって前記
    隔壁内に蛍光体膜を作成する方法であって、前記蛍光体
    膜を焼成する前に100℃から200℃の温度で少なく
    とも10分間以上乾燥させた後に、前記蛍光体膜を形成
    した隔壁が設けられた基板を焼成したことを特徴とする
    プラズマディスプレイパネルの製造方法。
  2. 【請求項2】電極と誘電体ガラス層が設けられたフロン
    トカバープレート(前面ガラス基板)と、電極と蛍光体
    層が設けられたバックプレート(背面ガラス基板)の少
    なくとも一方に隔壁が設けられ、それぞれの電極面を所
    定のギャップを保って相対向させ封着し、内部に放電可
    能なガス媒体を封入して成るプラズマディスプレイパネ
    ルにおいて、蛍光体インクをインクノズルから吐出させ
    ながら隔壁内に塗布した後に焼成することによって前記
    隔壁内に蛍光体膜を作成する方法であって、前記蛍光体
    膜を焼成する前に、前記蛍光体膜を形成した基板を反転
    させ、100℃から200℃の温度で少なくとも10分
    間以上乾燥させた後に、再び前記蛍光体膜を形成した隔
    壁を反転させて焼成したことを特徴とするプラズマディ
    スプレイパネルの製造方法。
  3. 【請求項3】蛍光体インクが、少なくとも蛍光体粉体と
    ターピネオールと0.1重量%以上、10重量%以下の
    エチルセルロースから構成されていることを特徴とする
    請求項1または2記載のプラズマディスプレイパネルの
    製造方法。
  4. 【請求項4】蛍光体インクが、少なくとも蛍光体粉体と
    ターピネオールと0.1重量%以上、30重量%以下の
    アクリル樹脂から構成されていることを特徴とする請求
    項1または2記載のプラズマディスプレイパネルの製造
    方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007310091A (ja) * 2006-05-17 2007-11-29 Fujifilm Corp プラズマディスプレイパネル

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