JP3228210B2 - プラズマディスプレイパネルおよびその製造方法 - Google Patents

プラズマディスプレイパネルおよびその製造方法

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JP3228210B2
JP3228210B2 JP1021698A JP1021698A JP3228210B2 JP 3228210 B2 JP3228210 B2 JP 3228210B2 JP 1021698 A JP1021698 A JP 1021698A JP 1021698 A JP1021698 A JP 1021698A JP 3228210 B2 JP3228210 B2 JP 3228210B2
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  • Formation Of Various Coating Films On Cathode Ray Tubes And Lamps (AREA)
  • Gas-Filled Discharge Tubes (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、表示デバイスなど
に用いるプラズマディスプレイパネルおよび、所定の蛍
光体層を形成するプラズマディスプレイパネルの製造方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】図5は、交流型(AC型)のプラズマデ
ィスプレイパネルの概略断面図である。図5において、
201はフロントカバープレート(前面ガラス基板)で
あり、この基板上に表示電極202があり、この上を誘
電体ガラス層203とMgOの結晶配向が(111)面
に配向した酸化マグネシウム(MgO)誘電体保護層2
04が覆っている。従来このMgOの誘電体保護層20
4は、主にMgOを原料に用いた電子ビーム加熱による
真空蒸着法が用いられてきた(例えば特開平5−342
991号公報)。
【0003】また、205は背面ガラス基板(バックプ
レート)であり、この基板上にアドレス電極206、隔
壁207、蛍光体層208が設けられており、209が
放電ガスを封入する放電空間である。従来この電極層
(表示電極及びアドレス電極)を形成するには主にスク
リーン印刷法が、また蛍光体層を形成するにはスクリー
ン印刷法、インクジェット法、フォトレジストフィルム
法が用いられてきた。
【0004】また、従来プラズマディスプレイパネルと
して開発されてきたパネル輝度は、40インチのNTS
Cパネル(セル数が640×480個でセルピッチが
0.43mm×1.29mm、1セル面積約0.55m
2 )で約250cd/m2 であった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】近年ハイビジョンをは
じめとする高品位、大画面テレビへの期待が高まってい
る。CRTは解像度・画質の点でプラズマディスプレイ
や液晶に対して優れているが、奥行きと重量の点で40
インチ以上の大画面には向いていない。液晶は、消費電
力が少なく、駆動電圧も低いといった優れた特徴を有し
ているが、画面の大きさや視野角に限界がある。これに
対してプラズマディスプレイは、大画面の実現が可能で
あり、既に40インチクラスの製品が開発されている。
【0006】現在製品化されているプラズマディスプレ
イの輝度は、放電空間に封入されたガス(He−Xe系
やネオン−Xe系のガス)の放電によって発せられる紫
外線の強度により、輝度レベルが左右されている。
【0007】特にHe−Xe系ガスによる放電では、X
eの共鳴線による波長が147nm(ナノメートル)の
真空紫外線が放出され、主にこの波長による紫外線によ
って放電セル内に塗布された赤、緑、青の紫外線励起蛍
光体を励起発光させている。
【0008】また、現行40〜42インチクラスのプラ
ズマディスプレイの画素レベルは、画素数640×48
0個、セルピッチ0.43mm×1.29mm、1セル
の面積0.55mm2 である。さらに、近年期待されて
いるフルスペックのハイビジョンテレビの画素レベル
は、画素数が1920×1125となり、セルピッチも
42インチクラスで0.15mm×0.48mmで1セ
ルの面積は0.072mm2 の細かさになる。
【0009】したがって、プラズマディスプレイの高精
細化が進むにしたがってセルピッチや1セル当たりの面
積が従来のNTSCと比較して小さくなるため、輝度の
向上を目指した蛍光体膜の高精度形成技術が望まれてい
る。
【0010】しかしながら、スクリーン印刷法による蛍
光体塗布では、隔壁に蛍光体インクを充填する際にスク
リーン版が変形し、隣接する隔壁内に蛍光体インクが入
ることにより混色するといった課題がある。
【0011】また、微細セルを考えると、スクリーン印
刷法による蛍光体塗布では、隔壁のピッチが0.1mm
から0.15mmになると、隔壁には幅があるため、蛍
光体の充填される空間は0.1mmから0.08mm程
度の非常に狭い幅となり、印刷法によって精度良くしか
も高速に粘度の高い(数万センチポアズ)蛍光体インク
を流し込むことは困難になってくる。
【0012】また、蛍光体と紫外線感光樹脂を用いた蛍
光体フォトフィルム法や、蛍光体フォトペースト法で
は、ある程度精度良く隔壁内に蛍光体を埋め込むことが
可能であるが、露光現像行程を3色繰り返し行う必要が
あることや、現像残りによる混色や、高価な蛍光体材料
の回収が困難であること等の課題がある。
【0013】このような課題を解決できる蛍光体塗布方
法として、蛍光体インクを加圧されたノズルより噴射さ
せて所望のパターンを基板上に描画させるインクジェッ
ト法が提案されている。インクジェット法では、蛍光体
インクをノズルから連続的に吐出させておき、基板また
はノズルを移動させることで、蛍光体パターンを隔壁内
に充填する。
【0014】しかし、例えば一色目の蛍光体インクが塗
布された場合、インク中の溶剤が両側の隔壁内に拡散す
る。したがって、2色目の蛍光体インクを塗布する際、
一方の隔壁は溶剤が拡散していないのに対し、もう一方
の隔壁には溶剤が拡散している状態になる。
【0015】このため、蛍光体インクが隔壁内に塗布さ
れると、溶剤の拡散した隔壁の方が溶剤が拡散していな
い隔壁より蛍光体インクのぬれ性が良くなり、蛍光体イ
ンクが溶剤の拡散した方の隔壁に引き寄せられ、蛍光体
膜形状が非対称になるといった課題がある。
【0016】本発明はかかる点に鑑み、プラズマディス
プレイパネルにおいて安価に精度良く蛍光体層が形成で
きるプラズマディスプレイパネルの製造方法を提供する
ことを目的とするものである。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
するために、隔壁内に蛍光体インクを塗布する前に溶剤
を前記隔壁に塗布したことで、蛍光体層の形状を前記隔
壁に対して対称に形成するものである。
【0018】または、隔壁内に蛍光体インクを塗布した
後に、前記蛍光体インクに含有する溶剤の沸点以上で乾
燥することで、蛍光体層の形状を前記隔壁に対して対称
に形成するものである。
【0019】また、蛍光体層の形成には、複数個設けら
れたノズルから蛍光体インクを吐出させることが好まし
い。
【0020】また、インク塗布の際には、インクノズル
先端とバックプレート(背面ガラス基板)が非接触であ
ることが好ましい。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て説明する。
【0022】(PDPの全体的な構成及び製法)図1
は、本発明に形態による対向交流放電型PDPの概略断
面図である。図1ではセルが1つだけ示されているが、
赤、緑、青の各色を発光するセルが多数配列されてPD
Pが構成されている。
【0023】このPDPは、前面ガラス基板11上に放
電電極(表示電極)12と誘電体ガラス層13およびM
gO保護層14が配された前面パネルと、背面ガラス基
板15上にアドレス電極16、隔壁17、左右対称形の
蛍光体層18が配された背面パネルの間に形成される放
電空間19内に放電ガスが封入された構成となってお
り、以下に示すように作製される。
【0024】前面パネルの作製:前面パネルは、前面ガ
ラス基板11上に放電電極(表示電極)12を形成し、
その上を鉛系の誘電体ガラス層13で覆い、更に誘電体
ガラス層13の表面上にMgO保護層14を形成するこ
とによって作製する。
【0025】本実施の形態では、放電電極(表示電極)
12は銀電極であって、紫外線感光性樹脂を含んだ銀電
極用インクをスクリーン印刷法により前面ガラス基板1
1上に均一塗布して乾燥した後、露光現像によるパター
ニングと焼成によって形成する。
【0026】また、誘電体ガラス層13の組成は、酸化
鉛[PbO]70重量%、酸化硼素[B23]15重量
%、酸化珪素[SiO2 ]15重量%であって、スクリ
ーン印刷法と焼成によって形成する。
【0027】また、MgO保護層14は、酸化マグネシ
ウム[MgO]からなり、スパッタリング法で形成す
る。
【0028】背面パネルの作製:背面パネルは、背面ガ
ラス基板15上にアドレス電極16を形成し、その上に
ガラス製の隔壁17を所定のピッチで形成し、更に隔壁
17によって挟まれた各空間に赤色蛍光体、緑色蛍光
体、青色蛍光体による蛍光体層18を形成することによ
り作製する。
【0029】本実施の形態では、アドレス電極16は銀
電極であって、背面ガラス基板15上に、紫外線感光性
樹脂を含んだ銀電極用インクをスクリーン印刷法により
背面ガラス基板15上に均一塗布して乾燥した後、露光
現像によるパターニングと焼成によって形成する。
【0030】また、隔壁17であり、スクリーン印刷法
により数回繰り返し印刷することにより形成する。
【0031】また、隔壁17によって挟まれた各空間
に、赤色蛍光体、緑色蛍光体、青色蛍光体をそれぞれイ
ンク吐出法によって塗布することにより蛍光体層18を
形成する。各色の蛍光体としては、一般的にプラズマデ
ィスプレイパネルに用いられる蛍光体を用いることがで
きるが、ここでは次の蛍光体を用いる。
【0032】「赤色蛍光体」:(YXGd1-X)BO3
Eu3+ または YBO3:Eu3+ 「緑色蛍光体」:BaAl1219:Mn または Zn
2SiO4:Mn 「青色蛍光体」:BaMgAl1017:Eu2+ パネル張り合わせによるPDPの作製:次に、このよう
にして作製した前面パネルと背面パネルとを封着用ガラ
スを用いて張り合わせると共に、隔壁17で仕切られた
放電空間19内を高真空(8×10-7Torr)に排気
した後、所定の組成の放電ガスを、所定の圧力で封入す
ることによってプラズマディスプレイパネルを作製す
る。
【0033】封入する放電ガスの組成は、従来から用い
られているNe−Xe系であるが、Xeの含有量を5体
積%以上に設定し、封入圧力は500から800Tor
rの範囲に設定する。
【0034】
【実施例】(実施例1)次に、本発明の実施例に係る蛍
光体層の形成方法について、図2、図3、図4を用いて
説明する。
【0035】図2は実施例1を説明するために用いた背
面パネルの概略図である。図中、隔壁17は背面ガラス
基板20上にスクリーン印刷を繰り返して行った後焼成
することによって形成される。
【0036】図3は、プラズマディスプレイパネルの蛍
光体層を形成する際に用いるインク吐出装置の概略図で
ある。図3において、22は蛍光体インク、23は蛍光
体インク22を吐出するノズル、24は蛍光体インク2
2をノズル23に供給するためのサーバー、25はノズ
ル23に圧力を加えるための加圧器である。
【0037】図4は、隔壁内の蛍光体膜が形成されるメ
カニズムを示した概略図である。26は蛍光体インクに
含有する溶剤が拡散した隔壁、27は溶剤が拡散してい
ない隔壁、28は蛍光体膜である。
【0038】蛍光体膜の形成方法を図2、図3を用いて
説明する。まず、図2に示した隔壁17に蛍光体インク
溶剤であるブチルカルビトールアセテートを塗布してお
く。
【0039】次に、隔壁内に蛍光体層を形成する方法を
図3を用いて説明する。既に、背面ガラス基板26上の
隔壁27には、溶剤であるブチルカルビトールアセテー
トが塗布されている。
【0040】その後、サーバー24に平均粒径2.0μ
mの青色蛍光体であるBaMgAl 1017:Eu2+粉末
30重量%、エチルセルロース(分子量20万)4.5
重量%、分散剤(グリセリルトリオレエート)2重量
%、平均粒径0.01μmのシリカ(SiO2 )粒子1
重量%、溶剤(ブチルカルビトールアセテート)62.
0重量%、可塑剤0.5重量%から成る蛍光体混合物を
良く攪拌して10センチポイズ(cp)とした塗布液を
入れ、加圧器25の圧力でノズル23(ノズル径φ10
0μm)から青色蛍光体を背面ガラス基板26上にスト
ライプ形状に形成された隔壁27内に吐出させると同時
に、背面ガラス基板26を隔壁27の方向に合わせて直
線状に移動させて、青色蛍光体ラインを形成する。
【0041】続いて、赤色蛍光体(YXGd1-X)B
3:Eu3+の蛍光体混合物からなる塗布液をノズル2
3から吐出させると同時に背面ガラス基板26を隔壁2
7の方向に合わせて直線状に移動させて、赤色蛍光体ラ
インを形成する。
【0042】このように、蛍光体インクの塗布前に予め
蛍光体インクに含有する溶剤を塗布しておくことで、蛍
光体膜形状を対称にできる理由を図4を用いて説明す
る。
【0043】例えば、一色目の蛍光体インクが塗布され
た場合、インク中の溶剤が両側の隔壁内に拡散する。し
たがって、2色目の蛍光体インクの塗布に際しては、溶
剤が拡散した隔壁26と溶剤が拡散していない隔壁27
に対して蛍光体インクを塗布することになる。
【0044】この状態で、隔壁内に蛍光体インクが塗布
されると、溶剤が拡散した隔壁26の方が、溶剤が拡散
していない隔壁27よりも蛍光体インクに対するぬれ性
が良くなり、結果として蛍光体インクが溶剤が拡散した
隔壁26に引き寄せられるため蛍光体膜が非対称とな
る。
【0045】しかし、本実施例に示したように予め隔壁
に溶剤を塗布してあるので、隔壁による蛍光体インクの
ぬれ性の差異が生じず、蛍光体膜形状を対称にすること
ができる。
【0046】このように蛍光体層を形成した後、蛍光体
層が設けられた背面ガラス基板26を封着用ガラスを用
いて前記前面ガラス基板と貼り合わせ、放電ガス封入前
に放電空間部19を8×10-7Torrの真空度に排気
する。
【0047】尚、隔壁27の端部は一方のみ閉じている
ので、放電空間は均一に排気することができる。放電空
間部19を排気後、放電空間部内に10%キセノン(X
e)ガスを含むヘリウム(He)ガスを放電ガスとして
500Torr封入し、交流面放電プラズマディスプレ
イとした。
【0048】次に、このパネルを放電維持電圧150
V、周波数30KHzで放電させた時の紫外線の波長
は、(間接的な実験から)主に173nmを中心とする
Xeの分子線による励起波長であり、パネルの輝度は4
80cd/m2 であった。
【0049】尚、本実施例では溶剤としてブチルカルビ
トールアセテートを用いたが、蛍光体インクに含有する
溶剤であればよい。
【0050】(実施例2)実施例1と同様にして、図3
を用いて蛍光体層の形成方法を説明する。図3は、プラ
ズマディスプレイパネルの蛍光体層を形成する際に用い
るインク吐出装置の概略図である。
【0051】図3において、22は蛍光体インク、23
は蛍光体インク22を吐出するノズル、24は蛍光体イ
ンク22をノズル23に供給するためのサーバー、25
はノズル23に圧力を加えるための加圧器である。
【0052】まず、サーバー24に平均粒径2.0μm
の青色蛍光体であるBaMgAl1017:Eu2+粉末3
0重量%、エチルセルロース(分子量20万)4.5重量
%、分散剤(グリセリルトリオレエート)2重量%、平
均粒径0.01μmのシリカ(SiO2 )粒子1重量
%、溶剤(ブチルカルビトールアセテート)62.0重
量%、可塑剤0.5重量%から成る蛍光体混合物を良く
攪拌して10センチポイズ(cp)とした塗布液を入
れ、加圧器25の圧力でノズル23(ノズル径φ100
μm)から青色蛍光体を背面ガラス基板26上にストラ
イプ形状に形成された隔壁27内に吐出させると同時
に、背面ガラス基板26を隔壁27の方向に合わせて直
線状に移動させて、青色蛍光体ラインを形成する。
【0053】青色蛍光体ラインを形成した後、溶剤のブ
チルカルビトールアセテートの沸点180℃よりも高い
200℃で30分乾燥させ、隔壁27に拡散したブチル
カルビトールアセテートを蒸発させる。
【0054】続いて、赤色蛍光体(YXGd1-X)BO3
Eu3+の蛍光体混合物からなる塗布液をノズル23から
吐出させると同時に背面ガラス基板28を隔壁29の方
向に合わせて直線状に移動させて、赤色蛍光体ラインを
形成する。
【0055】青色蛍光体ラインの時と同様に、溶剤のブ
チルカルビトールアセテートの沸点180℃よりも高い
200℃で30分乾燥させ、隔壁27に拡散したブチル
カルビトールアセテートを蒸発させる。
【0056】同様にして、緑色蛍光体Zn2SiO4:M
nのラインを形成した後、500℃で10分間焼成し、
蛍光体層を形成する。
【0057】このように、各色の蛍光体ラインを形成す
るたびに溶剤の沸点以上の温度で乾燥させ、隔壁内に拡
散した溶剤を蒸発させるので、隔壁に対する蛍光体イン
クのぬれ性が不均一とならず、蛍光体膜が隔壁に対して
対称となる。
【0058】次に、蛍光体層が設けられた背面ガラス基
板26を封着用ガラスを用いて前記前面ガラス基板と貼
り合わせ、放電ガス封入前に放電空間部19を8×10
-7Torrの真空度に排気する。前記したように、加熱
昇華性樹脂の壁30は熱分解されて除去されているた
め、放電空間は均一に排気することができる。
【0059】放電空間部19を排気した後、放電空間部
内に10%キセノン(Xe)ガスを含むヘリウム(H
e)ガスを放電ガスとして500Torr封入し、交流
面放電プラズマディスプレイとした。
【0060】次に、このパネルを放電維持電圧150
V、周波数30KHzで放電させた時の紫外線の波長
は、(間接的な実験から)主に173nmを中心とする
Xeの分子線による励起波長であり、パネルの輝度は4
80cd/m2 であった。
【0061】なお、本実施例では、加熱昇華性樹脂とし
てイソデシルメタアクリレートを用いたが、アクリル樹
脂のように400℃以上で熱分解可能なものであれば使
用することができる。
【0062】また、蛍光体層の形成には、複数個設けら
れたノズルから蛍光体インクを吐出させることが好まし
い。また、インクノズル先端とバックプレート(背面ガ
ラス基板)が非接触であることが好ましい。
【0063】(実施例3)以上の各実施例では、電極が
形成された一対の基板の少なくとも一方の基板に隔壁を
形成する工程と、各電極を所定のギャップを保って相対
向させ、内部に放電可能なガス媒体を封入する工程に加
えて、蛍光体層を対称にする工程として、蛍光体塗布前
に溶剤を散布したり、乾燥させているが、蛍光体層を対
称に形成するためには、一対の前記隔壁の蛍光体層が形
成される部分の物理状態(もしくは塗布状態)をほぼ同
一にした状態で前記隔壁に蛍光体インクを塗布する工程
とを少なくとも含んでいればよいものである。
【0064】例えば、実施例2と比較して時間はかかる
が、溶剤の沸点以下の温風や冷風によって蛍光体層が左
右対称となりうる程度に乾燥させてもよく、この場合、
省エネが可能となる。また、自然乾燥(もしくは自然揮
発)なら、さらに省エネが図れるものである。
【0065】また、1ライン毎に間隔を開けた多数のノ
ズル群を1対用い、まず先のノズル群で1度塗布した
後、次に塗布する場合は次のノズル群で1ラインずらし
て塗布する。この方法によれば、最初に塗布した後は、
蛍光体の塗布されないラインが1ライン毎に残るが、そ
の隔壁は全て溶剤が拡散されるため、隔壁の蛍光体層が
形成される部分の物理状態はほぼ同一となり、蛍光体層
を対称に形成することができる。
【0066】例えば、ライン順にR(赤)G(緑)B
(青)の蛍光体を順にRGBRGBRGBRGBRGB
・・・のように形成する場合は、1ラインずつ間隔を開
けてRBGRBGRBGのノズル群を配置して塗布し、
次に未塗布のラインを塗布すべくGRBGRBGRBG
RB・・・のように配置されたノズル群で蛍光体を塗布
すればよい。すなわちライン順に以下のように塗布され
ることとなる。
【0067】1回目に塗布された蛍光体:RQBQGQ
RQBQGQRQBQGQ・・・ 2回目に塗布された蛍光体:QGQRQBQGQRQB
QGQRQB・・・ 尚、Qは未塗布のラインを示している。
【0068】また、ノズル群でなく、RGB各3本のみ
のノズルを用いて蛍光体をライン順にRGBRGBRG
BRGBRGB・・・のように形成する場合は、R(1
ライン目)B(3ライン目)G(2ライン目)G(5ラ
イン目)R(4ライン目)R(7ライン目)B(6ライ
ン目)B(9ライン目)・・・のように塗布していけば
よい。
【0069】この時の一対の隔壁の状態は次のようにな
る。つまり、1ライン、3ラインは乾燥状態での塗布と
なり、2ライン目は溶剤拡散状態での塗布、5ライン目
は乾燥状態での塗布、以下乾燥状態での塗布と拡散状態
での塗布とが交互に続くこととなる。この際、インクの
噴出条件(塗布条件)などを乾燥状態での塗布と拡散状
態での塗布に対応して微妙に変化させるなど調整しても
良い。この場合には、全ての蛍光体層が対称となるよう
に調整することも可能となる。
【0070】もちろん、全ラインを塗布可能なノズル群
を用いて、1回の塗布で全てのラインの蛍光体を塗布し
てもよい。
【0071】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、高精度で
安定、安価に蛍光体層が形成可能な、従来にない優れた
方法であり、テレビ仕様の広幅ピッチからハイビジョン
をはじめとする微細ピッチのプラズマディスプレイパネ
ルまで幅広く適応できる方法である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態によるプラズマディスプ
レイパネルの断面図
【図2】本発明の実施例1、2の背面ガラス基板の概略
を示す斜視図
【図3】本発明の実施例1、2の形態によるインク吐出
装置の概略断面図
【図4】(a),(b)本発明の実施例1で蛍光体膜の
形成メカニズムを示した概略図
【図5】従来のプラズマディスプレイパネルの断面図
【符号の説明】
18 蛍光体層(対称形)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 鈴木 茂夫 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内 (72)発明者 光明寺 大道 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内 (72)発明者 松田 直子 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内 (72)発明者 宮下 加奈子 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内 (56)参考文献 特開 平10−125228(JP,A) 特開 平5−41159(JP,A) 特開 平11−111183(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01J 9/227 H01J 11/00 - 11/04 H01J 17/00 - 17/06 H01J 17/49

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フロントカバープレートと、バックプレ
    ートの少なくとも一方に設けられた隔壁に,蛍光体イン
    クをインクノズルから吐出させながら隔壁に挟まれた空
    間に塗布した後に焼成するプラズマディスプレイパネル
    の蛍光体層を形成する方法であって, 前記蛍光体インクを塗布する前に溶剤を前記隔壁に塗布
    することを特徴とするプラズマディスプレイパネルの蛍
    光体層の形成方法。
  2. 【請求項2】 電極と誘電体ガラス層が設けられたフロ
    ントカバープレートと,電極と蛍光体層が設けられたバ
    ックプレートを,それぞれの電極面を所定のギャップを
    保って相対向させ封着し、内部に放電可能なガス媒体を
    封入するプラズマディスプレイパネルの製造方法であっ
    て、前記蛍光体層を請求項1記載の蛍光体層の形成方法で形
    成する ことを特徴とするプラズマディスプレイパネルの
    製造方法。
  3. 【請求項3】 電極と誘電体ガラス層が設けられたフロ
    ントカバープレートと、電極と蛍光体層が設けられたバ
    ックプレートを,それぞれの電極面を所定のギャップを
    保って相対向させて封着し、内部に放電可能なガス媒体
    を封入して成るプラズマディスプレイパネルの製造方法
    であって, 前記蛍光体層は,前記フロントカバープレートと、前記
    バックプレートの少なくとも一方に設けられた隔壁に,
    蛍光体インクをインクノズルから吐出させながら隔壁
    挟まれた空間に塗布して蛍光体ラインを形成するたび
    ,前記蛍光体インクに含有する溶剤の沸点以上の温度
    で乾燥することで隔壁内に拡散した前記溶剤を蒸発させ
    塗布した後に焼成することによって形成されることを
    特徴とするプラズマディスプレイパネルの製造方法。
  4. 【請求項4】 基板に所定のピッチで形成された隔壁に
    よって挟まれた空間に,赤,緑,青の蛍光体層を前記ピ
    ッチで形成するプラズマディスプレイパネルの蛍光体層
    の形成方法であって, 既に蛍光体インキが塗布された空間に隣接する空間に蛍
    光体インキを塗布する場合には常に,当該蛍光体インキ
    が塗布される空間に隣接する両側の空間において既に蛍
    光体インキが塗布された状態で,当該空間に蛍光体イン
    キを塗布すること を特徴とするプラズマディスプレイパ
    ネルの蛍光体層の形成方法。
  5. 【請求項5】 電極が形成された一対の基板の少なくと
    も一方の基板に隔壁を形成する工程と、各電極を所定の
    ギャップを保って相対向させ、内部に放電可能なガス媒
    体を封入する工程と、前記隔壁に挟まれた空間に請求項
    4記載の蛍光体層の形成方法で蛍光体層を形成すること
    を特徴とするプラズマディスプレイパネルの製造方法。
  6. 【請求項6】 請求項2,3,5の何れかに記載のプラ
    ズマディスプレイパネルの製造方法で製造されたことを
    特徴とするプラズマディスプレイパネル。
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