JP2000273820A - 路面用液体散布装置 - Google Patents

路面用液体散布装置

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JP2000273820A
JP2000273820A JP11078352A JP7835299A JP2000273820A JP 2000273820 A JP2000273820 A JP 2000273820A JP 11078352 A JP11078352 A JP 11078352A JP 7835299 A JP7835299 A JP 7835299A JP 2000273820 A JP2000273820 A JP 2000273820A
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spray
spray nozzle
road surface
nozzles
liquid spraying
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Norio Meshida
紀雄 召田
Masaaki Kobashi
昌明 小橋
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Nichireki Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 アスファルトやアスファルト乳剤などの瀝青
材料や、その他の舗装用液体材料を均一にムラなく散布
することができる路面用液体散布装置を提供することを
課題とする。 【解決手段】 複数個のスプレーノズルからなる少なく
とも1つのスプレーノズル群と、スプレーノズル群内の
各スプレーノズルを、スプレーノズル軸芯に平行な軸の
回りに回転させるノズル回転機構とを備えた路面用液体
散布装置を提供することによって上記課題を解決する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、路面用液体散布装
置に関し、詳しくは、結合材などの舗装用液体材料を均
一に散布することのできる路面用液体散布装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】道路舗装を行うに際しては、アスファル
トやアスファルト乳剤などの瀝青材料をプライマーや結
合材などとして路面上に散布する場合があるが、従来、
これらの液体材料を路面上に散布するに当たっては、例
えば、アスファルトディストリビューターなどの作業車
を用いて、路面上に散布することが行われている。作業
車には、通常、作業車の進行方向と直交する方向に直線
状に配置された複数のスプレーノズルが備えられてお
り、それらのスプレーノズルから液体材料が噴射され、
路面上に散布される。
【0003】このような液体材料の散布は均一に行われ
るのが望ましく、そのため、従来は、使用する複数のス
プレーノズルの噴射特性を可能な限り揃えたり、隣接す
るスプレーノズルからの散布領域を互いに一部重複させ
るなどして、個々のスプレーノズルの持つ特性の変動を
打ち消し合う試みが為されている。しかしながら、市販
のスプレーノズルを使用したり、故障等が原因でスプレ
ーノズルを一部取り替えたりする必要があることを考え
ると、使用する複数のスプレーノズルの噴射特性を同じ
に揃えることには限界がある。また、隣接するスプレー
ノズルからの散布領域を一部重複させるにしても、スプ
レーノズルの路面からの高さ、即ち散布高さには、散布
される液体材料が霧状に飛散してしまう恐れがあるため
に無闇に高くすることはできないという制約があり、ス
プレーノズルの配置間隔にも、スプレーノズル自体の大
きさの関係上、一定の制約があるために、二重或いは三
重に重複させるのが精々であった。隣接するスプレーノ
ズルからの散布領域の重複が二重或いは精々三重である
と、使用する液体材料の種類や散布環境などにも依る
が、均一な散布を実現することは難しく、その結果、散
布ムラが生じ、散布済み領域に作業車の進行方向に沿っ
た複数本の筋として観察されることが多かった。
【0004】このような散布ムラは、瀝青材料をプライ
マーや結合材などとして単位面積当たりに比較的多量に
散布する場合や、或いは、散布面上にアスファルト混合
物などを厚く敷き均す場合には、それほど問題となるも
のではないが、例えば、散布式表面処理工法などのよう
に、路面上に結合材を単位面積当たり比較的少量だけ散
布し、その上から骨材を散布して表面処理層を構築する
ような場合には、思わぬ障害をもたらすことがある。即
ち、散布式表面処理工法においては、骨材は、路面上に
散布された結合材によって路面に結合されるので、結合
材の散布にムラがあって、例えば、結合材の散布量が少
なすぎる箇所があると、その箇所では骨材と路面との結
合力が弱くなり、車両の通行等によって骨材が飛散し、
構築された表面処理層が破壊されてしまう恐れがある。
また、逆に、結合材の散布量が多すぎる箇所があると、
その箇所では、散布された骨材層の上面にまで結合材が
浮き出し、美観を損なうばかりでなく、路面がフラッシ
ュし、著しく滑りやすくなって、スリップの原因ともな
る。
【0005】このように、例えば散布式表面処理工法な
どのように、施工に際して細かな施工管理や工程管理が
要求される工法においては、液体材料の散布に関して
は、これまでにはないレベルでの均一性が求められるも
のであるが、従来、このような要求を満たす路面用液体
散布装置は存在しなかった。
【0006】
【発明の解決しようとする課題】本発明は、以上のよう
な従来技術の欠点を解決するために為されたもので、ア
スファルトやアスファルト乳剤などの瀝青材料や、その
他の舗装用液体材料を均一にムラなく散布することがで
きる路面用液体散布装置を提供することを課題とするも
のである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らの調査したと
ころによれば、使用するスプレーノズルの特性を揃える
ことには限界があり、全く同一特性のスプレーノズルを
複数個調達することは困難であること、また、単一のス
プレーノズルから噴射される液体材料の噴射密度も完全
に均一ではなく場所的なムラがあり、単一のスプレーノ
ズルについて見ても散布領域の全体に渡って均一な散布
が行われていないことが判明した。例えば、図1に示す
ように、単一のスプレーノズルからの散布量にも場所的
なばらつきがある。なお、図1において符号3はスプレ
ーノズルであり、4はスプレーバーを、5は噴射パター
ンを、Nは散布位置を、Pは散布量をそれぞれ示してい
る。そこで、このような複数のスプレーノズル間、及
び、単一のスプレーノズルにおける散布の不均一性を解
消し、例えば散布式表面処理工法などにおいて求められ
る従来にないレベルでの散布の均一性を実現すべく研究
を重ねた結果、複数のスプレーノズルを、各スプレーノ
ズルの軸芯に平行な軸の回りに回転させることによっ
て、従来にないレベルでの散布の均一性を実現すること
ができることを見出して、本発明を完成した。
【0008】即ち、本発明は、複数個のスプレーノズル
からなる少なくとも1つのスプレーノズル群と、スプレ
ーノズル群内の各スプレーノズルを、スプレーノズル軸
芯に平行な軸の回りに回転させるノズル回転機構とを備
えた路面用液体散布装置を提供することによって上記課
題を解決するものである。
【0009】本発明によれば、スプレーノズル群を構成
する複数のスプレーノズルが、その軸芯に平行な軸の回
りに回転しながら液体材料を噴射するので、噴射される
液体材料の噴射パターンも回転し、結果として、各スプ
レーノズルからの噴射量の不均一性は分散されて液体材
料の均一な散布が達成される。スプレーノズルの回転軸
は、スプレーノズルの軸芯であっても良いし、軸芯から
偏心した軸であっても良い。回転速度や回転方向、回転
角度、回転位相などは、個々のスプレーノズル毎に調節
可能であり、任意のタイミングで、回転、停止、反転な
どが可能となっているのが望ましい。特に回転角度は、
360度以上連続的に回転するようにしても良いし、1
80度未満の角度で、交互に回転方向を変えながら、回
転するようにしても良い。
【0010】また、本発明によれば、複数のスプレーノ
ズルから構成されるスプレーノズル群を、そのスプレー
ノズル群を構成するスプレーノズルの移動軌跡が周期的
な図形を描くように、1又は複数のスプレーノズル群を
単位に運動させることができる。このように構成するこ
とにより、各スプレーノズルからの噴射パターンは幾重
にも重複し、スプレーノズル相互の噴射特性のばらつき
は打ち消され、極めて均一性に富んだ液体材料の散布が
可能となる。ここで、スプレーノズルの移動軌跡が描く
周期的な図形とは、路面用液体散布装置上の座標系から
見た図形であって、円、楕円、長円、多角形、直線、曲
線を含み、その他の曲線で構成される図形や、直線と曲
線とが混合した図形であっても良いが、そのような運動
を実現する機構的な簡便さと、達成される散布の均一性
の観点からは、円又は直線が最も好ましい。
【0011】スプレーノズルの移動軌跡が描く周期的な
図形が円である場合、水平面、垂直面、その他、傾きを
持った面のいずれの面内にあっても良い。スプレーノズ
ルの移動軌跡が描く円が水平面内にある場合には、スプ
レーノズルはその垂直位置、即ち、路面からの高さは一
定を保ちながら、スプレーノズルの平面的な位置のみが
周期的に変化する。スプレーノズルの移動軌跡が描く円
が垂直面内にある場合、及び、その他の傾きを持った面
内にある場合には、スプレーノズルは、平面的な位置だ
けでなく、垂直位置も周期的に変化することとなる。ま
た、スプレーノズルの移動軌跡が描く周期的な図形が直
線である場合、その直線の向きに応じて、スプレーノズ
ルは、その水平位置だけ、或いは、その垂直位置だけ、
或いは、その水平位置及びその垂直位置の双方を、周期
的に変えることとなる。スプレーノズルの移動軌跡が描
く直線を、スプレーノズルの噴射角度αの1/2だけ垂
直から傾いた方向になるように選ぶと、スプレーノズル
群の運動にも係わらず、スプレーノズル群の一方の端部
における噴射境界を一定位置に維持することができ、液
体材料散布時の端部処理が容易になるという利点があ
る。
【0012】このようなスプレーノズル群の運動の速
度、方向及び振幅は可変であって、散布される液体材料
の種類や路面の状況などに応じて適宜調整、変更され
る。スプレーノズル群の運動の速度、方向及び/又は振
幅は、散布作業中一定に維持しても良いし、変化させて
も良く、特定位置で停止させたり、運動方向を逆転させ
たり、停止と運動とを交互に行わせるようにしても良
い。なお、スプレーノズル群の運動の振幅とは、スプレ
ーノズルの移動軌跡が描く周期的な図形の振幅のことを
いい、描かれる周期的な図形が円の場合にはその直径と
なり、直線の場合にはその長さとなる。また、本発明の
路面用液体散布装置は、スプレーノズル群をスプレーノ
ズルの移動軌跡が周期的な図形を描くように運動させる
ことも特徴の1つとするものであるが、スプレーノズル
の移動軌跡が周期的な図形ではなく、ランダムな図形を
描く場合でも、散布の均一性の点で周期的な図形を描く
ように運動させた場合と同様の結果が得られる場合に
は、当然に本発明の技術思想の範囲内である。液体材料
の噴射は、スプレーノズル群の運動中、継続的に行って
も良いし、特定の行程部分のみにおいて行うようにして
も良い。
【0013】このようにして、スプレーノズルが、それ
自身回転するだけでなく、群としても周期的な運動を行
う場合には、その周期的な運動の振幅域内に存在する各
スプレーノズルの噴射領域は互いに重なり合い、スプレ
ーノズルの設置間隔に制限がある場合でも、また、スプ
レーノズルの路面からの高さに制約がある場合でも、隣
接するスプレーノズルの散布領域を二重、三重は勿論、
四重、ないしはそれ以上に重複させることが容易に可能
である。このとき、スプレーノズル群の運動振幅を調整
したり、使用するスプレーノズル群の数を変えることに
よって、散布領域の重複数を変更できることは言うまで
もない。このように、本発明の路面用液体散布装置にお
いては、各スプレーノズルからの噴射領域が多重に重複
するので、複数のスプレーノズル間に噴射特性のばらつ
きがある場合でも、また、単一のスプレーノズルに噴射
量の場所的な不均一性が存在する場合でも、それらのば
らつきや不均一性が容易に打ち消され、これまでにない
レベルでの均一な散布が可能となる。更には、スプレー
ノズル群を運動させる結果、スプレーノズル群の運動面
が水平面である場合を除いて、各スプレーノズルの水平
方向の位置だけでなく、各スプレーノズルと路面との距
離も周期的に変化する。従って、各スプレーノズルから
噴射される液体材料の路面上における散布領域の大きさ
も変化し、噴射量のムラを打ち消すのに効果的であり、
スプレーノズル列の運動によってスプレーノズルの散布
高さも変化する場合には、より一層の均一化が達成され
る。しかも、本発明の路面用液体散布装置においては、
スプレーノズル自身が回転しているので、各スプレーノ
ズルから噴射される噴射量の不均一性は分散されてお
り、噴射パターンの多重重複効果と相俟って、更に一層
の散布量の均一化が達成できるものである。
【0014】本発明の路面用液体散布装置においては、
スプレーノズル群を構成する複数のスプレーノズルはほ
ぼ直線状に整列しているのが望ましい。ほぼ直線状と
は、複数のスプレーノズルが完全に一直線上にあること
を意味しない。複数のスプレーノズルは、中心となる直
線から多少の変位をもって分布することができ、全体と
して直線状に並んでいると判断される状態であれば良
い。例えば、複数のスプレーノズルは、交互にジグザグ
に位置することができる。この場合、ジグザグ図形の中
心に直線を想定することができるので、これらのスプレ
ーノズルは直線状に整列していると言える。本発明の路
面用液体散布装置における複数のスプレーノズルの直線
状の配置は、例えば、スプレーバーを用いることによっ
て可能である。複数のスプレーノズルがスプレーバーに
取り付けられる。
【0015】本発明の路面用液体散布装置には、2つ以
上、複数個のスプレーノズル群を設けることができる。
複数個のスプレーノズル群を設けるとき、それぞれのス
プレーノズル群を構成する複数のスプレーノズルがほぼ
直線状に並んでいる場合には、それらが互いに平行であ
ることが望ましい。スプレーノズル群を運動させない場
合、或いは、運動させてもスプレーノズルの位置がスプ
レーノズルの直線状の整列方向に変化しない場合には、
各スプレーノズル群毎に、スプレーノズルの直線状の整
列方向位置がずれている方が望ましい。そのようにずら
すことによって、噴射パターンは、それぞれ異なる場所
で重複し、散布の均一性を達成する上で効果的である。
【0016】複数個のスプレーノズル群は、互いに位相
を同期させて、或いは同期させずに、運動させることが
できるが、位相を同期させて運動させるのが望ましい。
複数個のスプレーノズル群を、互いに位相を同期させて
運動させる場合には、その位相は同位相であるか、或い
は、位相差が均等であるのが良く、位相差を均等にする
には、nを2以上の自然数として、n個のスプレーノズ
ル群が存在する場合には、その位相間隔を360/n度
とするのが良い。複数個のスプレーノズル群を同位相で
運動させる場合には、複数個のスプレーノズル群を単一
の駆動機構によって運動させることができる。本発明の
路面用液体散布装置は、通常、作業車に搭載されるなど
して、路面上を移動するので、複数個のスプレーノズル
群を設けることによって、スプレーノズル群が1つだけ
の場合に比べて、スプレーノズル群の本数倍だけ多い散
布領域の重複数が得られることとなる。しかも個々のス
プレーノズルが自身回転しているので、散布量のばらつ
きは打ち消され、極めて優れた均一性が得られることと
なる。
【0017】複数個のスプレーノズル群を用いる場合に
おいても、各スプレーノズル群の運動の速度、方向及び
振幅は可変であって、散布される液体材料の種類や路面
の状況などに応じて適宜調整、変更される。各スプレー
ノズル群の運動の速度、方向及び/又は振幅は、散布作
業中一定に維持しても良いし、変化させても良く、複数
個のスプレーノズル群を1または複数個単位で、特定位
置で停止させたり、停止と運動とを交互に行わせるよう
にしても良い。
【0018】なお、本発明の路面用液体散布装置で使用
するスプレーノズルの種類には特に制限はなく、円形全
面形の噴射パターンを有するスプレーノズルや、四角形
全面形の噴射パターン、円環形の噴射パターン、その他
の噴射パターンを有するものであっても良いが、均一な
多重散布を実現する観点からは、フラット形の噴射パタ
ーンを有するスプレーノズルを使用するのが望ましい。
フラット形の噴射パターンとは、スプレーノズルからあ
る噴射角度αをもって扇形に噴射される、噴射方向に垂
直な断面が細長いほぼ線状の噴射パターンであって、本
発明でいうフラット面とは扇形の噴射パターンの扇の面
を指すものとする。
【0019】スプレーノズルを回転させる機構、及び、
スプレーノズル群を運動させる機構に特に制限はなく、
スプレーノズルを回転させ、あるいは、スプレーノズル
の移動軌跡が周期的な図形を描くように運動させること
ができるものであれば、どのような機構を用いても良
い。スプレーノズル群は、通常、スプレーバーに取り付
けられた複数のスプレーノズルとして構成されるので、
スプレーノズル群を運動させるにはスプレーバーを運動
させれば良い。スプレーバーを用いない場合には、複数
のスプレーノズルを個々に運動させても良いし、機械的
な結合手段を介して、複数のスプレーノズルを一団とし
て運動させても良い。
【0020】本発明の路面用液体散布装置は、作業車に
搭載されるのが好ましい。作業車としては、道路舗装工
事用の作業車に限られず、路面に凍結防止用の液体を散
布したり、未舗装道路に防塵処理用の液体を散布する液
体散布車も含まれる。また、必要であれば、農業用の肥
料や田畑へのアスファルト乳剤の散布などにも使用でき
る。しかしながら、本発明の路面液体用散布装置は極め
て均一性に優れた散布を実現することができるので、散
布式表面処理工法などのように、これまでにないレベル
での均一性が求められる散布作業に使用するのが好まし
い。散布式表面処理工法に適した作業車としては、例え
ば、同じ出願人による特願平10−158664号明細
書、特願平10−158665号明細書、特願平10−
172107号明細書、特願平10−172119号明
細書、及び、特願平10−177986号明細書に開示
したような、少なくとも骨材の散布装置と結合材の散布
装置とを搭載した作業車が挙げられ、本発明の路面用液
体散布装置は、そのような作業車に結合材散布装置とし
て搭載され、散布式表面処理工法用作業車として構成さ
れる。
【0021】本発明の路面用液体散布装置によって散布
される液体材料に特に制限はなく、アスファルトやアス
ファルト乳剤などの瀝青材料、水、樹脂、その他エマル
ジョン、化学薬品、液体肥料、凍結防止剤、乾燥防止液
等、通常路面に散布されることのある液体材料ならばい
ずれにも適用可能であるが、粘性などの点から従来均一
散布が特に困難であった瀝青材料に適用すると最も効果
がある。また、本発明でいう路面とは、必ずしも舗装道
路表面、未舗装道路表面に限られず、広場、駐車場、荷
役場、運動場、田畑、海岸、荒野、緑地等、散水や液体
材料の散布作業が行われる場所の全てを含むものであ
る。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、図面を用いて本発明につい
て詳細に説明する。
【0023】図2は、本発明の路面用液体散布装置の一
例を示す側面図である。図2において、1は本発明の路
面用液体散布装置であって、2で表される作業車に取り
付けられている。図においては作業車2はその一部分だ
けが表されている。3−1、3−2、3−3、3−4・
・・はスプレーノズルであって、スプレーバー4に取り
付けられており、ほぼ直線状に整列したスプレーノズル
群を構成している。5−1、5−2、5−3、5−4・
・・は、各々スプレーノズル3−1、3−2、3−3、
3−4・・・から噴射される噴射パターンを示し、図2
の例においてはフラット形の噴射パターンの場合を示し
ているが、スプレーノズル3−1、3−2、3−3、3
−4、・・・の噴射パターンとしてはフラット形に限る
ものではない。
【0024】各々の噴射パターン5−1、5−2、5−
3、5−4・・・は、その半分の領域において隣接する
噴射パターンとそれぞれ重複しており、このままの状態
で作業車2をスプレーバー4と直交する方向に進行させ
ることによって、路面7上には二重に重複した散布が行
われるようになっている。6はスプレーバー4を運動さ
せる駆動機構であって、図2の例では、スプレーバー4
を水平面内でスプレーノズルの移動軌跡が円を描くよう
に運動させることができるようになっている。なお、α
はスプレーノズルから噴射される液体材料の噴射角度、
7は路面である。
【0025】図3は、スプレーノズル3−1、3−2、
3−3が各々回転する様子を示す図であって、8−1、
8−2、8−3は、それぞれスプレーノズル3−1、3
−2、3−3の軸芯であって、この図の例においては各
スプレーノズル3−1、3−2、3−3の回転軸と一致
している。スプレーノズル3−1、3−2、3−3がそ
れぞれ軸芯8−1、8−2、8−3の回りに回転するこ
とによって、各スプレーノズルの噴射パターン5−1、
5−2、5−3も回転し、9−1、9−2、9−3で示
される円形の散布領域が形成される。円形の散布領域9
−1、9−2、9−3は図から明らかなように、約半分
の領域で互いに重複しており、スプレーノズル3−1、
3−2、3−3の回転とも相俟って、路面上に均一な散
布が行われることとなる。また、図3の例においては、
隣接するスプレーノズルは互いに同期して逆方向に回転
するように構成されているので、360度を越える角度
連続的に回転させても、各スプレーノズル3−1、3−
2、3−3の噴射パターン5−1、5−2、5−3が空
中でぶつかり合うことがなく、噴射パターンに乱れが生
じることがないので、より均一な散布が達成される。各
スプレーノズル3−1、3−2、3−3の回転速度には
特に制限はないが、通常、スプレーバー4は作業車等に
搭載されて路面に対して一定速度で移動しながら液体材
料の散布が行われるので、スプレーノズルが路面に対し
て各スプレーノズルの散布領域9−1、9−2、9−3
の直径分を移動する間に、少なくとも1回転することが
望ましい。より望ましくは、スプレーノズルが路面に対
して各スプレーノズルの散布領域9−1、9−2、9−
3の直径分を移動する間に、少なくとも2回転以上、更
に望ましくは、3回転以上である。
【0026】図4は、各スプレーノズル3−1、3−
2、3−3の回転の他の例を示す図であって、スプレー
バー4を上から見た図である。図4において、各スプレ
ーノズル3−1、3−2、3−3は、互いに同位相で、
180度未満の角度だけ交互に回転方向を変えながら回
転するように構成されているので、各スプレーノズル3
−1、3−2、3−3の噴射パターン5−1、5−2、
5−3が空中でぶつかり合うことがなく、噴射パターン
に乱れが生じることがないので、均一な散布が達成され
る。なお、この場合、路面には対になった扇形の散布領
域9−1、9−2、9−3が形成される。
【0027】以上のように、本発明の路面用液体散布装
置は、スプレーノズル自体を回転させることによって、
個々のスプレーノズル自体が有している噴射量の場所的
なムラや、複数のスプレーノズル間の特性のばらつきを
打ち消し合って、より均一な散布を可能とするものであ
るが、例えば図2に示す本発明の路面用液体散布装置1
において、駆動装置6を駆動して、スプレーバー4を水
平面内で回転運動させた場合には、より一層の散布の均
一性が達成できる。
【0028】図5は、図2の路面用液体散布装置1にお
いて、駆動装置6を駆動して、スプレーバー4を水平面
内で回転運動させた場合の散布状況を示す図である。駆
動装置6を駆動することによって、スプレーバー4は4
A→4B→4C→4D→4Aを回転運動し、それに伴
い、スプレーノズル3−1、3−2、3−3は円形の軌
跡10−1、10−2、10−3を描いて運動する。そ
の結果、図5において斜線を引いて表した円形の散布領
域9−1A、9−2A、9−3Aも、(9−1A、9−
2A、9−3A)→(9−1B、9−2B、9−3B)
→(9−1C、9−2C、9−3C)→(9−1D、9
−2D、9−3D)→(9−1A、9−2A、9−3
A)と、互いに重複しながら移動することとなり、極め
て均一性の高い散布が実現されることとなる。
【0029】スプレーノズル3−1、3−2、3−3が
描く円形の移動軌跡10−1、10−2、10−3の大
きさに特に制限はないが、余りに小さすぎるとスプレー
ノズル群を運動させる意味がなくなり、また逆に余りに
大きすぎると、機構的にも無理が生じるので、通常、そ
の半径rが1〜90cmの範囲、好ましくは2〜70c
m、更に好ましくは、3〜50cmの範囲が良い。ま
た、スプレーノズルの取付間隔wの大きさにも特に制限
はないが、余りに小さすぎるとスプレーノズル自体の大
きさや、スプレーノズルを装着するための部品等の大き
さが邪魔をして取付が困難となるばかりでなく、故障の
原因ともなり、また逆に余りに大きすぎても、スプレー
ノズルの数が減少して均一な散布が達成しづらくなるの
で、通常、3〜30cmの範囲、好ましくは5〜25c
m、更に好ましくは7〜20cmの範囲が良い。rとw
の関係は、使用するスプレーノズルの噴射角度や、スプ
レーノズルから路面までの距離、スプレーノズル列の
数、必要とする散布の重複数などに応じて適宜決めるこ
とができるが、通常、r=w/3〜3wの範囲、好まし
くはr=w/2〜2wの範囲である。
【0030】また、スプレーバー4の回転速度、即ち、
スプレーノズル群の回転速度にも特に制限はないが、通
常、スプレーバー4は作業車等に搭載されて路面に対し
て一定速度で移動しながら液体材料の散布が行われるの
で、スプレーノズルが路面に対して各スプレーノズルの
移動軌跡が描く円10−1、10−2、10−3の直径
分を移動する間に、少なくとも1回転することが望まし
い。より望ましくは、スプレーノズルが路面に対して各
スプレーノズルの移動軌跡が描く円10−1、10−
2、10−3の直径分を移動する間に、少なくとも2回
転以上、更に望ましくは、3回転以上である。なお、図
5の例において、各スプレーノズルも360度を越える
角度連続的に回転していることは言うまでもない。
【0031】図6は、各スプレーノズル3−1、3−
2、3−3が、スプレーノズルの軸芯から偏心した軸の
回りに回転する場合の例であって、各スプレーノズル3
−1、3−2、3−3は、それぞれ回転円盤11−1、
11−2、11−3に取り付けられており、回転円盤1
1−1、11−2、11−3が各々の回転軸12−1、
12−2、12−3の回りに回転することによって、各
スプレーノズル3−1、3−2、3−3も回転軸12−
1、12−2、12−3の回りに回転することとなる。
回転円盤11−1、11−2、11−3の回転速度、即
ち、スプレーノズルの偏心回転の回転速度には特に制限
はないが、通常、スプレーバー4は作業車等に搭載され
て路面に対して一定速度で移動しながら液体材料の散布
が行われるので、スプレーノズルが路面に対して各スプ
レーノズルの偏心回転の直径分を移動する間に、少なく
とも1回転することが望ましい。より望ましくは、スプ
レーノズルが路面に対して各スプレーノズルの偏心回転
の直径分を移動する間に、少なくとも2回転以上、更に
望ましくは、3回転以上である。なお、この場合、各ス
プレーノズル3−1、3−2、3−3は、回転軸12−
1、12−2、12−3の回りに回転すると同時に、各
スプレーノズル3−1、3−2、3−3の軸芯の回りに
も回転するように構成しても良い。また、図6に示すよ
うなスプレーバー4全体を図5に示すように回転運動さ
せても良いことは勿論である。
【0032】図7は、スプレーノズル群を直線的に運動
させる場合の一例を示す図であって、図2と同じものに
は同じ符号を付してある。図7において、図示しない複
数のスプレーノズルが取り付けられたスプレーバー4に
は案内レール13が取り付けられており、案内レール1
3は、支持腕14、14によって摺動自在に支持されて
おり、支持腕14、14は作業車2本体に取り付けられ
ている。このような構成において、駆動装置6を駆動す
ることによってスプレーバー4を矢印A方向に直線的に
運動させることにより、スプレーバー4に取り付けられ
た複数のスプレーノズルも矢印A方向に運動し、その移
動軌跡は、スプレーバー4の長手方向と平行な方向の水
平な直線を描くこととなる。
【0033】図8は、スプレーバー4を図7に示すよう
に水平に往復直線運動をさせた場合の散布状況を示す図
であって、スプレーノズル3−1、3−2、3−3は、
フラット形のスプレーノズルを用い、各スプレーノズル
自体を360度を越えて連続的に回転させる場合の例を
示している。wは各スプレーノズル3−1、3−2、3
−3の取付間隔である。wは、スプレーバー4の長手方
向に沿って適宜変化させても良いが、一定にするのが望
ましい。図8の例では、スプレーバー4の往復直線運動
の振幅はw/2に選ばれており、各スプレーノズル3−
1、3−2、3−3は、スプレーバー4がその最大振幅
位置に移動したときに、それぞれ3−1’、3−2’、
3−3’の位置にくる。スプレーバー4の直線運動によ
って、各スプレーノズル3−1、3−2、3−3からの
散布領域9−1、9−2、9−3は、互いに連続的に重
複し、この状態で図7に示す作業車2を進行させること
によって、路面には液体材料の極めて均一な散布が行わ
れる。
【0034】スプレーノズル群、即ち、スプレーバー4
の往復運動の振幅の大きさLにも特に制限はないが、余
りに小さすぎるとスプレーノズル列を運動させる意味が
なくなり、また逆に余りに大きすぎると、機構的にも無
理が生じるので、通常、3〜100cmの範囲、好まし
くは4〜70cm、更に好ましくは、5〜50cmの範
囲が良い。また、Lとスプレーノズルの取付間隔wとの
関係は、使用するスプレーノズルの噴射角度αや、スプ
レーノズルから路面までの距離、スプレーノズル群の
数、必要とする散布の重複数などに応じて適宜決めるこ
とができるが、通常、L=w/3〜3wの範囲、好まし
くはL=w/2〜2wの範囲である。
【0035】スプレーバー4の往復直線運動の速度にも
特に制限はないが、通常、スプレーバー4は作業車等に
搭載されて路面に対して一定速度で移動しながら液体材
料の散布が行われるので、スプレーノズルが路面に対し
て各スプレーノズルからの散布領域9−1、9−2、9
ー3の直径分を移動する間に、少なくとも1往復するこ
とが望ましい。より望ましくは、スプレーノズルが路面
に対して各スプレーノズルからの散布領域9−1、9−
2、9ー3の直径分を移動する間に、少なくとも2往復
以上、更に望ましくは、3往復以上である。
【0036】以上の例においては、スプレーバー4に直
線状に取り付けられた複数のスプレーノズルからなるス
プレーノズル群を、各スプレーノズル自体を回転させな
がら、各スプレーノズルの移動軌跡が水平面内で円又は
直線を描くように運動させる場合について説明したが、
スプレーノズル群の運動としては上述の例のものに限ら
れず、各スプレーノズルの移動軌跡が描く図形は、円や
直線以外の、たとえば、楕円、長円、多角形、曲線、そ
の他の曲線で構成される図形や、直線と曲線とが混合し
た図形であっても良い。また、各スプレーノズルの移動
軌跡が描く周期的な図形の存在する面は、水平面に限ら
れず、垂直面であっても良いし、任意の角度傾いた面で
あっても良い。特に、スプレーノズル群をスプレーノズ
ルの移動軌跡が垂直面内で直線を描くように往復運動さ
せる場合には、スプレーバー4の運動方向は、垂直方向
からスプレーノズルの噴射角度αの半分の角度だけ傾い
ている直線を描くようにスプレーバー4を運動させるの
が好ましい。スプレーバー4の運動方向をこのような方
向に選ぶことによって、スプレーバー4が垂直面内で上
下に直線運動しても、各スプレーノズルからの噴射パタ
ーンは相似形を描きながら連続し、より均一な散布が可
能となる。特に、スプレーノズル群の一方の端部にある
スプレーノズルに着目すれば、この端部スプレーノズル
から噴射される液体材料の路面上での噴射境界は、噴射
パターンが、スプレーバー4の垂直面内での直線往復運
動にもかかわらず、連続している結果、常に一定位置に
維持されており、液体材料散布時の端部処理が容易にな
るという利点がある。
【0037】更には、直線運動や円運動に限らず、スプ
レーノズル群を上下方向にも運動させる場合には、各ス
プレーノズルと路面との距離も周期的に変化する。従っ
て、各スプレーノズルから噴射される液体材料の路面上
における散布領域の大きさも変化し、噴射量のムラを打
ち消すのに効果的である。なお、各スプレーノズルから
路面までの距離は、路面に種々の凹凸や敷設物がある場
合のことを想定して、各スプレーノズルが最下位置にあ
る場合でも少なくとも10cm以上、好ましくは15c
m以上、更に好ましくは20cm以上あるようにするの
が良い。また、スプレーノズルから路面までの距離は、
噴射パターンが風等によって乱されたり、噴射された液
体材料が霧状になって空中に散逸したりすることがない
ように、スプレーバー4が最上位置にあるときでも、5
0cm以下とするのが好ましい。
【0038】図9はスプレーノズル群を2組設ける場合
の例を示す平面図であって、各スプレーノズル群を構成
する2本のスプレーバー4−1、4−2には、それぞ
れ、等間隔wでスプレーノズル3−1、3−2、3−
3、及び、3−1’、3−2’、3−3’が取り付けら
れている。スプレーノズル3−1、3−2、3−3、及
び、スプレーノズル3−1’、3−2’、3−3’の取
付位置は、図示のように、互いに半周期、即ちw/2ず
つずれているのが望ましい。スプレーバーが3本の時に
は、互いにw/3ずつ、また、スプレーバーが4本の時
には、互いにw/4ずつずれているのが望ましい。その
ようにすることによって互いの散布領域が過不足なく重
複し、例えば図9に示すような路面用液体散布装置を作
業車に搭載するなどして、矢印B方向に進行させた場
合、路面にはより均一な液体材料の散布が実現されるこ
ととなる。各スプレーノズル群を構成するスプレーノズ
ル3−1、3−2、3−3、及び、3−1’、3−
2’、3−3’の回転速度、回転角度、回転方向は任意
に調節可能でる。
【0039】また、図9に示されたような複数のスプレ
ーバー4−1、4−2は、互いに独立に非同期で、或い
は、互いに同期連動して円運動や往復直線運動などの運
動をさせても良いが、同期させた方が機械構成上簡便で
あるし、得られる散布の均一さも優れている。互いに同
期連動して運動させる場合には、各スプレーバー4−
1、4−2の運動位相は、互いに等間隔の位相差をもっ
て運動するように構成するのが望ましい。例えば、スプ
レーバーが2本の場合には、位相差は180度であり、
3本の場合には120度、4本の場合には90度の位相
差であって、一般にスプレーバーの本数がn本の場合、
位相差は(360/n)度であるのが望ましい。また、
複数本のスプレーバーを単一の駆動装置に取り付けるな
どして、位相差なしに一体的に運動させることも可能で
ある。
【0040】なお、以上の例において、複数個のスプレ
ーノズルがある場合、その複数のスプレーノズルはその
全てを回転運動させるようにしたが、複数のスプレーノ
ズルのうちの一部のものだけを回転運動させるようにし
ても良いことは勿論である。また、複数個のスプレーノ
ズルの回転を停止し、均一な散布を実現するのに好都合
な位置に停止させて使用することも施工現場の状況等に
応じて適宜実施することが可能である。スプレーノズル
の回転停止は液体材料の散布中ずっと継続されても良い
し、一定時間毎に、又は、ランダムな時間間隔で、回転
と停止を繰り返すようにしても良い。液体材料の噴射
は、各スプレーノズルの回転の全位相に渡って行っても
良いし、一部の位相のみについて行うようにしても良
い。更には、液体材料の必要な散布幅に応じて、スプレ
ーバーの長さを変えたり、各スプレーノズルに取り付け
られた個々のスプレーノズル毎に、或いは、2個以上の
複数個のスプレーノズル毎に、液体材料の噴射をオン、
オフ制御することによって、散布幅を自由に調節できる
ことはいうまでもない。スプレーノズルからの液体材料
の噴射のオン、オフ制御は通常、例えば電磁弁等によっ
て行われる。
【0041】以上の例においては、それぞれのスプレー
ノズル群を構成するスプレーノズルの特性や個数、更に
は設置間隔は各スプレーノズル群間で同じであるが、複
数のスプレーノズル群を使用する場合には、各々のスプ
レーノズル群によって所望の散布パターンが実現できる
ように、スプレーノズル群毎に、そのスプレーノズル群
を構成するスプレーノズルの特性や個数、更には設置間
隔を変更することも可能である。
【0042】以下、実施例を用いて本発明を更に詳細に
説明する。
【0043】〈実施例1〉図7を元に本発明の路面用液
体散布装置を作製し、作業車に搭載して、液体材料の散
布を行った。詳細は以下のとおりである。 スプレーバーの本数:1本 スプレーノズルの種類:フラット形(噴射角度α:60
度) スプレーノズルの取付間隔w:7.2cm スプレーノズルから路面までの距離H:20cm スプレーノズルの回転運動:3回/秒(60秒毎に正逆
回転切り替え) スプレーノズル群の運動:なし 路面上での散布の重複数:三重散布 被散布液体材料:アスファルト乳剤(商品名「サンピィ
ーゾール」、ニチレキ株式会社製) 散布圧:1kgf/cm 施工速度:3km/h
【0044】以上の路面用液体散布装置並びに液体材料
を使用して、スプレーバーをその長手方向と直角方向に
移動させながら、幅1.5m、長さ10mに渡って、液
体材料の散布を行った。散布は、散布ムラが明瞭に観察
できるように、路面に白色不織布を張り、その上から行
った。散布後、散布面を目視観察したが、散布ムラは認
められなかった。
【0045】〈比較例1〉スプレーノズルを回転運動さ
せない以外は実施例1と同様にして液体材料の散布を行
った。ただし、スプレーノズルのフラット形噴射パター
ンのフラット面のスプレーバーに対する角度は全てのス
プレーノズルについて20度にセットした。散布後、散
布面を目視観察したところ、施工方向に沿った筋状の散
布ムラが複数本認められた。
【0046】〈実施例2〉スプレーバーを振幅11cm
で、2往復/秒の早さでスプレーバーの長手方向に往復
直線運動させた以外は、実施例1と同様にして、液体材
料の散布を行った。散布後、散布面を目視観察したが、
散布ムラは認められなかった。
【0047】〈実施例3〉実施例1で使用した作業車の
後部に、同じ出願人による特願平10−158664号
明細書に開示したような骨材の散布装置を取付け、路面
上に白色不織布を張ることなく直接、実施例1と同じア
スファルト乳剤を散布すると同時に、その散布面の上か
ら骨材を散布して、散布式表面処理工法を施工した。骨
材としては、粒径5〜8mmの砕石(栃木県葛生産)を
使用し、各々の材料の散布量は、アスファルト乳剤1.
1(リットル/m)、骨材9.0(リットル/m
であった。骨材の散布後、散布面を軽く転圧し、浮き石
を除去した後、散布面を目視観察したが、散布面へのア
スファルト乳剤の浸み出しは認められなかった。また、
目視観察後、直ちに重荷重積載車を試験的に30回通過
させたが、骨材の飛散は見られなかった。
【0048】
【発明の効果】以上のように、本発明の路面用液体散布
装置によれば、複数個のスプレーノズル自体を回転させ
ながら液体材料を噴射、散布することができるので、た
とえ使用する複数のスプレーノズル間にその噴射特性な
どにばらつきがあっても、また、個々のスプレーノズル
において噴射量に場所的な不均一性があったとしても、
それらのばらつきや不均一性は互いに打ち消され、高度
に均一な液体材料の散布を実現することが可能である。
そのため、市販の規格品であるスプレーノズルの中から
自由に使用するスプレーノズルを選択使用することがで
き、装置設計の自由度が増すと共に、安価に高性能の路
面用液体散布装置を製造することができる。しかも、個
々のスプレーノズルを故障などの原因で取り替える場合
にも、市販の規格品で十分であるので、装置の保守管理
が極めて容易となる利点がある。
【0049】また、それ自身が回転するスプレーノズル
群を更に各スプレーノズルの移動軌跡が任意の面内で周
期的な図形を描くように運動させることにより、多重散
布が極めて簡単に実現でき、散布の均一性はより一層向
上する。本発明の路面用液体散布装置は、例えば散布式
表面処理工法などのように、高度な散布の均一性が要求
される工法において特に威力を発揮し、骨材の散布装置
などと共に単一の作業車に搭載されることによって、散
布式表面処理作業車としても優れた性能を発揮し、当該
技術分野に新たな可能性をもたらすものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 単一スプレーノズルからの噴射量のばらつき
を示す図である。
【図2】 本発明の路面用液体散布装置の一例を示す側
面図である。
【図3】 スプレーノズルの回転状況と散布領域との関
係を示す図である。
【図4】 スプレーノズルの回転状況の他の例を示す図
である。
【図5】 スプレーバーの運動と散布領域との関係を示
す図である。
【図6】 スプレーノズルの回転の更に他の例を示す図
である。
【図7】 本発明の路面用液体散布装置の他の例を示す
図である。
【図8】 スプレーバーの運動と散布領域との関係を示
す図である。
【図9】 2本のスプレーバーを使用する場合の一例を
示す図である。
【符号の説明】
1 路面用液体散布装置 2 作業車 3 スプレーノズル 4 スプレーバー 5 噴射パターン 6 駆動機構 7 路面 8 スプレーノズルの軸芯 9 散布領域 10 移動軌跡 11 回転円盤 12 回転軸 13 案内レール 14 支持腕 α 噴射角度 N 散布位置 P 散布量 w スプレーノズルの取付間隔

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数個のスプレーノズルからなる少なく
    とも1つのスプレーノズル群と、スプレーノズル群内の
    各スプレーノズルを、スプレーノズル軸芯に平行な軸の
    回りに回転させるノズル回転機構とを備えた路面用液体
    散布装置。
  2. 【請求項2】 スプレーノズルの回転軸がスプレーノズ
    ル軸芯と一致している請求項1記載の路面用液体散布装
    置。
  3. 【請求項3】 スプレーノズルの回転軸がスプレーノズ
    ル軸芯から偏心している請求項1記載の路面用液体散布
    装置。
  4. 【請求項4】 各スプレーノズルの回転方向、回転角
    度、及び、回転速度が可変である請求項1、2又は3記
    載の路面用液体散布装置。
  5. 【請求項5】 スプレーノズル群を、そのスプレーノズ
    ル群を構成するスプレーノズルの移動軌跡が周期的な図
    形を描くように、1又は複数のスプレーノズル群を単位
    に運動させる駆動機構を備えている請求項1、2、3又
    は4記載の路面用液体散布装置。
  6. 【請求項6】 スプレーノズル群の運動の速度、方向及
    び振幅が調節可能である請求項1、2、3、4又は5記
    載の路面用液体散布装置。
  7. 【請求項7】 スプレーノズル群を構成する複数のスプ
    レーノズルがほぼ直線状に整列している請求項1、2、
    3、4、5又は6記載の路面用液体散布装置。
  8. 【請求項8】 スプレーノズル群を構成する複数個のス
    プレーノズルがスプレーバーに取り付けられている請求
    項1、2、3、4、5、6又は7記載の路面用液体散布
    装置。
  9. 【請求項9】 スプレーノズルが、フラット形の噴射パ
    ターンを有するスプレーノズルである請求項1、2、
    3、4、5、6、7又は8記載の路面用液体散布装置。
  10. 【請求項10】 作業車に取り付けられている請求項
    1、2、3、4、5、6、7、8又は9記載の路面用液
    体散布装置。
  11. 【請求項11】 請求項1、2、3、4、5、6、7、
    8又は9のいずれかに記載の路面用液体散布装置を備え
    ている作業車。
  12. 【請求項12】 骨材の散布装置を備えている請求項1
    1記載の作業車。
  13. 【請求項13】 散布式表面処理工法用作業車である請
    求項11又は12記載の作業車。
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