JP2000273544A - クランクシャフトの高周波加熱装置 - Google Patents

クランクシャフトの高周波加熱装置

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JP2000273544A
JP2000273544A JP11077148A JP7714899A JP2000273544A JP 2000273544 A JP2000273544 A JP 2000273544A JP 11077148 A JP11077148 A JP 11077148A JP 7714899 A JP7714899 A JP 7714899A JP 2000273544 A JP2000273544 A JP 2000273544A
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coil
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coil unit
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 焼入位置に搬入されたクランクシャフト10
の複数のピン部11,12,13が、ワーク受け入れの
ための初期位置に固定されたコイルユニット20a,2
0b,20cに衝突するのを防ぐ。初期位置でコイルユ
ニット20a,20b,20cを側方へ傾けることによ
る弊害の発生を防ぐ。 【構成】 コイルユニット20a,20b,20cを、
従動型の吊り下げフレーム30a,30b,30cによ
り、鉛直方向及びクランクシャフト10の中心線に直角
な水平方向の2方向に従動可能に吊り下げ支持する。焼
入位置に搬入されたクランクシャフト10の複数のピン
部11,12,13と、初期位置に固定されたコイルユ
ニット20a,20b,20cとが、クランクシャフト
10の中心線に直角な水平方向で位置合わせられるよう
に、コイルユニット20a,20b,20cと吊り下げ
フレーム30a,30b,30cとの連結位置を、ピン
部11,12,13の位相角度に応じて、クランクシャ
フト10の中心線に直角な水平方向で相違させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、クランクシャフト
に設けられた複数のピン部表面を焼入するためにその複
数のピン部表面を同時に高周波誘導加熱するクランクシ
ャフトの高周波加熱装置に関する。
【0002】
【従来の技術】クランクシャフトの高周波焼入では、複
数のピン部表面が同時に高周波誘導加熱され焼入され
る。ここにおける高周波加熱装置の従来構造を3図を参
照して説明する。
【0003】クランクシャフトの高周波加熱装置は、焼
入すべきクランクシャフト10の複数のピン部11,1
2,13に対応する個数のコイルユニット20と、コイ
ルユニット20を装置フレーム40に独立に吊り下げて
支持するための、コイルユニット20と同数の従動型の
吊り下げユニット30とを備えている。
【0004】コイルユニット20は、クランクシャフト
10のピン部に上方から被さってセットされる半開放鞍
形式の加熱コイル21と、加熱コイル21の上方に一体
的に連結されたディスクトランスと呼ばれる薄型のカレ
ントトランス22とを備えている。カレントトランス2
2は、フレーム23内に収容されると共に、下方の加熱
コイル21に電気的に接続され、更にフレキシブルリー
ド24によって装置フレーム40内の高周波電源等に電
気的に接続されている。
【0005】従動型の吊り下げユニット30は、装置フ
レーム40に一端部が軸体35にて回動自在に連結され
た略水平な揺動式の吊り下げアーム31と、吊り下げア
ーム31の他端部(先端部)を上方へ弾性的に引っ張る
コイル状のスプリング32とを備えた2軸揺動追従形式
である。
【0006】即ち、装置フレーム40に水平に連結され
たスプリング32は、チェーン33によって吊り下げア
ーム31に連結されており、チェーン33は、吊り下げ
アーム31の上方に位置して装置フレーム40に取り付
けられた滑車34によって向きを水平方向から鉛直方向
に変える。そして、コイルユニット20のフレーム23
は、上記吊り下げアーム31の先端部に、両側へ揺動し
得るよう軸体36にて回動自在に連結されている。
【0007】ここで、吊り下げアーム31の揺動中心O
1からコイルユニット20の揺動中心O2までの距離L
は、全てのコイルユニット20で同寸とされており、こ
れにより、クランクシャフト10の中心線に直角な水平
方向での両者の連結位置は、全てのコイルユニット20
で同一とされている。
【0008】クランクシャフト10の複数のピン部1
1,12,13を焼入するときは、先ず複数のコイルユ
ニット20をワーク受け入れのための初期位置(以下、
単にワーク受け入れ位置という)に位置させる。なお、
この複数のコイルユニット20の初期位置は、すべて同
じ位置である。次いで、クランクシャフト10を焼入位
置に搬入する。搬入方式としては、例えば焼入位置の斜
め下方から焼入位置へ旋回移動するスイングアーム方式
がある。焼入位置に搬入されたクランクシャフト10
は、複数のピン部11,12,13が対応する加熱コイ
ル21に下方から挿入される。これにより、各加熱コイ
ル21は対応するピン部に上方から被さった状態とな
る。
【0009】クランクシャフト10の搬入中は、コイル
ユニット20はクランクシャフト10の移動に伴って所
定の位置に移動する。これにより、コイルユニット20
の加熱コイル21は3つのスペーサ26,26,26を
介して対応するピン部に載置される。そして、クランク
シャフト10を中心線回りに回転させながら、加熱コイ
ル21に高周波電流を通じる。
【0010】クランクシャフト10が中心線回りに回転
すると、その中心線回りを複数のピン部11,12,1
3が自転しつつ公転する。ピン部が公転すると、この公
転運動に追従して、吊り下げユニット30の吊り下げア
ーム31が上下に揺動すると共に、吊り下げアーム31
に吊り下げられたコイルユニット20が両側に揺動す
る。即ち、ピン部に載置されたコイルユニット20は、
ピン部の公転運動に追随するため、鉛直方向とクランク
シャフト10の中心線に直角な水平方向の2方向に往復
運動する。かくして、複数のピン部11,12,13の
各外面が同時に高周波誘導加熱される。
【0011】このようなクランクシャフトの高周波加熱
装置では、様々な種類のクランクシャフト10が処理さ
れる。クランクシャフト10が2気筒エンジン用クラン
クシャフトや4気筒エンジン用クランクシャフトの場合
は、複数のピン部は180°の位相のずれをもってクラ
ンクシャフト10の中心線回りに配置されるが、3気筒
エンジン用クランクシャフトや6気筒エンジン用クラン
クシャフトの場合は、複数のピン部は120°の位相の
ずれをもってクランクシャフト10の中心線回りに配置
される。
【0012】前者の場合、焼入位置に搬入されたクラン
クシャフト10の2種類のピン部は、一方のピン部の真
下に他方のピン部を位置させることにより、クランクシ
ャフト10の中心線に直角な水平方向での位置ずれを回
避できるが、後者の場合は、焼入位置に搬入されたクラ
ンクシャフト10の3種類のピン部は、クランクシャフ
ト10の中心線に直角な水平方向で位置ずれを回避でき
ない。例えば図3のようにクランクシャフト10の中心
線に直角な水平方向の位置ずれを第2ピン部12で0と
した場合、第1ピン部11及び第3ピン部13では±Δ
lの位置ずれが発生する。
【0013】一方、従来のクランクシャフトの高周波加
熱装置では、前述した通り、吊り下げアーム31の揺動
中心からコイルユニット20の揺動中心(連結点)まで
の距離Lは、全てのコイルユニット20で同寸とされて
いるので、このままでは、クランクシャフト10を焼入
位置に搬入したときに一部のピン部(図3では第1ピン
部11及び第3ピン部13)が対応するコイルユニット
20の加熱コイル21にスムーズに挿入されず、衝突に
より破損を生じるおそれがある。
【0014】この対策として、従来のクランクシャフト
の高周波加熱装置では、図4(a)(b)に示すよう
に、コイルユニット20の側方でコイルユニット20と
吊り下げアーム31の間に引っ張りスプリング37を介
在させて、コイルユニット20をワーク受け入れ位置で
側方へ数°〜10°程度傾けるようにしている。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】このような引っ張りス
プリング37を用いたコイルユニット20の傾けによ
り、クランクシャフト10が3気筒エンジン用クランク
シャフトや6気筒エンジン用クランクシャフトの場合
も、3種類のピン部11,12,13が、ワーク受け入
れ位置に固定されたコイルユニット20の加熱コイル2
1にスムーズに挿入される。しかし、ワークセットに続
く加熱工程では、コイルユニット20を傾けるための引
っ張りスプリング37が逆に障害となって、クランクシ
ャフト10の回転に伴うピン部の公転運動により、引っ
張りスプリング37が伸縮することによる荷重変動のた
めに、コイルユニット20ではスペーサ26,26,2
6の磨耗が増長されるなどの問題が生じる。
【0016】例えば、図5(a)に示すように、第1ピ
ン部11を加熱するコイルユニット20を、その外側に
配置した引っ張りスプリング37によりワーク受け入れ
位置で外側へ傾けた場合、クランクシャフト10の回転
に伴って第1ピン部11が上死点へ移動すると引っ張り
スプリング37が初期状態から伸び、その結果、加熱コ
イル21はその伸びに対応する力Fで第1ピン部11を
内側から外側へ押圧する。図5(b)に示すように、第
1ピン部11が下死点へ移動したときは、逆に引っ張り
スプリング37が初期状態より縮み、この力Fは小さく
なる。図4(b)に示すように、第3ピン部13を加熱
するコイルユニット20を、その内側に配置した引っ張
りスプリング37によりワーク受け入れ位置で内側へ傾
けた場合は、これとは逆に、第3ピン部13が下死点へ
移動したときに、加熱コイル21は大きな外力で第3ピ
ン部13を外側から内側へ押圧する。
【0017】この結果、加熱コイル21は、コイルユニ
ット20の荷重による外力の他、引っ張りスプリング3
7による側方からの荷重を受け、且つ、この荷重は変動
するため、スペーサ26,26,26の磨耗が増長され
るなどの問題が発生する。
【0018】本発明はかかる事情に鑑みて創案されたも
のであり、加熱対象ワークが3気筒エンジン用クランク
シャフトや6気筒エンジン用クランクシャフトのよう
に、複数のピン部が180°以外の位相差をもって中心
線回りに配置された多気筒エンジン用クランクシャフト
の場合も、スペーサの磨耗の増長のような二次的な弊害
を生じることなく、ワーク受け入れ位置で複数のピン部
を各対応コイル内にスムーズに挿入することができるク
ランクシャフトの高周波加熱装置を提供することを目的
とする。
【0019】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明に係るクランクシャフトの高周波加熱装置
は、焼入位置にセットされたクランクシャフトの複数の
ピン部を高周波誘導加熱するために、各ピン部に上方か
ら被さってセットされる複数のコイルユニットと、複数
のコイルユニットを、鉛直方向及び焼入位置にセットさ
れたクランクシャフトの中心線に直角な水平方向の2方
向に従動可能にそれぞれ吊り下げ支持する複数の従動型
の吊り下げユニットとを備えたクランクシャフトの高周
波加熱装置において、焼入位置に搬入されたクランクシ
ャフトの複数のピン部に、ワーク受け入れ位置に固定さ
れた複数のコイルユニットを、クランクシャフトの中心
線に直角な水平方向で位置合わせするべく、複数のコイ
ルユニットと各吊り下げユニットとの連結位置が、対応
するピン部の位相角度に応じて、クランクシャフトの中
心線に直角な水平方向で相違するように構成される。
【0020】従動型の吊り下げユニットは、例えば、一
方の端部を中心にして上下に揺動し得る揺動式の吊り下
げアームと、吊り下げアームの他方の端部を上方へ弾性
的に引っ張るスプリングとを備え、コイルユニットを、
焼入位置にセットされたクランクシャフトの中心線に直
角な水平方向へ揺動させるべく、前記吊り下げアームに
回動自在に連結した2軸揺動追従形式である。この形式
の場合は、吊り下げアームの揺動中心からコイルユニッ
トの揺動中心までの距離が、対応するピン部の位相角度
に応じて相違するように構成される。
【0021】このような構成によれば、引っ張りスプリ
ングによってコイルユニットを側方へ強制的に傾けずと
も、ワーク受け入れ位置にあるコイルユニットが直立の
まま、焼入位置に搬入されるクランクシャフトの対応す
るピン部に位置合わせされることになり、その結果、複
数のピン部は対応する加熱コイル内に衝突することなく
下方からスムーズに挿入される。
【0022】クランクシャフトの加熱時の回転に伴うピ
ン部の公転運動に追従して、コイルユニットはクランク
シャフトの中心線に直角な水平方向に移動し、揺動形式
の場合はコイルユニットが側方へ比較的大きく傾き、こ
の傾きに伴って加熱コイルはコイルユニットの荷重によ
る側方からの力を受けるが、コイルユニットの側方への
移動量に比べてコイルユニットの全高が格段に大きいた
め、傾きの絶対量は10°程度と小さく、しかもコイル
ユニットの荷重はスプリングにより大幅に軽減されてい
るので、この場合にコイルユニットが側方から受ける力
は、引っ張りスプリングによってコイルユニットを側方
へ強制的に傾ける場合と比べると僅かである。
【0023】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施形態を図面に
基づいて説明する。図1は本発明の実施形態に係るクラ
ンクシャフトの高周波加熱装置の正面図、図2は同高周
波加熱装置に使用されている3種類のコイルユニットの
正面図である。
【0024】本発明の実施形態に係るクランクシャフト
の高周波加熱装置は、3気筒エンジン用クランクシャフ
トや6気筒エンジン用クランクシャフトのように、3種
類のピン部11,12,13が120°の位相差をもっ
て中心線回りに配置された多気筒エンジン用のクランク
シャフト10のピン部表面の高周波焼入に使用される。
【0025】この高周波焼入設備では、装置フレーム4
0の一方の側、図1では左側でクランクシャフト10の
ジャーナル部の表面焼入が行われた後、装置フレーム4
0の他方の側、図1では右側でクランクシャフト10の
ピン部11,12,13の表面焼入が行われる。これに
伴って、ジャーナル部の焼入を終えたクランクシャフト
10は、装置フレーム40の下方を中心線に直角な水平
方向に搬送され、スイグアーム方式によりピン部11,
12,13の焼入位置に搬入される。
【0026】ピン部11,12,13の焼入に使用され
る本発明の実施形態に係るクランクシャフトの高周波加
熱装置は、ピン部11,12,13に各対応する3種類
のコイルユニット20a,20b,20cを備えてお
り、3種類のコイルユニット20a,20b,20c
は、共通の装置フレーム40に対して3種類の従動型の
吊り下げユニット30a,30b,30cにより独立に
支持されている。
【0027】3種類のコイルユニット20a,20b,
20cは、いずれも、焼入位置に搬入されたクランクシ
ャフト10のピン部に上方から被さってセットされる半
開放鞍形式の加熱コイル21と、加熱コイル21の上方
に一体的に連結されたディスクトランスと呼ばれる薄型
のカレントトランス22とを備えている。カレントトラ
ンス22は、フレーム23内に収容されると共に、下方
の加熱コイル21に電気的に接続され、更にフレキシブ
ルリード24によって装置フレーム40内の高周波電源
等に電気的に接続されている。
【0028】3種類の吊り下げユニット30a,30
b,30cは、いずれも2軸揺動追従形式であり、装置
フレーム40に一端部が軸体35にて回動自在に連結さ
れた略水平な揺動式の吊り下げアーム31と、吊り下げ
アーム31の他端部(先端部)を上方へ弾性的に引っ張
るコイル状のスプリング32とを備えている。装置フレ
ーム40に水平に連結されたスプリング32は、チェー
ン33によって吊り下げアーム31に連結されており、
チェーン33は、吊り下げアーム31の上方に位置して
装置フレーム40に取り付けられた滑車34によって向
きを水平方向から鉛直方向に変える。
【0029】そして、コイルユニット20a,20b,
20cの各フレーム23は、従来のクランクシャフトの
高周波加熱装置と異なり、吊り下げユニット30a,3
0b,30cの各吊り下げアーム31の先端部に、クラ
ンクシャフト10が焼入位置へ搬入されたときのピン部
11,12,13の位置に応じた固有の異なる位置で連
結されており、各位置では、各フレーム23は両側へ揺
動し得るよう軸体36にて回動自在に連結されている。
【0030】即ち、本発明の実施形態に係るクランクシ
ャフトの高周波加熱装置では、クランクシャフト10が
焼入位置へ搬入されたとき、第1ピン部11と第3ピン
部13は、第2ピン部12の両側に対称的に位置する。
これにより、クランクシャフトの10の中心線を基準に
した、中心線に直角な水平方向の位置ずれ量は、第2ピ
ン部12では0となり、第1ピン部11及び第3ピン部
13では±Δlで表された大きさとなる。
【0031】位置ずれ量が0の第2ピン部12を加熱す
るコイルユニット20bと吊り下げフレーム30bとの
連結位置(揺動中心O2)は、チェーン33と吊り下げ
アーム31の連結位置と同じ位置にある。位置ずれ量が
+Δlの第1ピン部11を加熱するコイルユニット20
aについては、吊り下げユニット30aとの連結位置
(揺動中心O2)が、コイルユニット20bと吊り下げ
ユニット30bの連結位置(揺動中心O2)に対し、位
置ずれと同じ外側へずれ量と同じΔlだけ変位してい
る。位置ずれ量が−Δlの第3ピン部13を加熱するコ
イルユニット20cについては、吊り下げユニット30
cとの連結位置(揺動中心O2)が、コイルユニット2
0bと吊り下げユニット30bの連結位置(揺動中心O
2)に対し、位置ずれと同じ内側へずれ量と同じΔlだ
け変位している。
【0032】吊り下げユニット30a,30b,30c
の各吊り下げアーム31の揺動中心O1からコイルユニ
ット20a,20b,20cの各揺動中心O2までの距
離Lで言えば、各距離La,Lb,Lbはコイルユニッ
ト20a,20b,20cの順番にΔlずつ段階的に大
きくなっている。
【0033】これにより、ワーク受け入れ位置に固定さ
れたコイルユニット20a,20b,20cの各加熱コ
イル21は、クランクシャフト10が焼入位置へ搬入さ
れたときのピン部11,12,13に対し、クランクシ
ャフト10の中心線に直角な水平方向で位置合わせされ
る。
【0034】クランクシャフト10のピン部11,1
2,13を焼入するときは、先ずコイルユニット20
a,20b,20cがワーク受け入れ位置に固定され
る。次いで、ジャーナル部の焼入を終えたクランクシャ
フト10が装置フレーム40の下方を通り、焼入位置の
斜め下方からスイグアーム方式により旋回して焼入位置
へ搬入される。このとき、コイルユニット20a,20
b,20cの各加熱コイル21は、クランクシャフト1
0が焼入位置へ搬入されたときのピン部11,12,1
3に対し、クランクシャフト10の中心線に直角な水平
方向で位置合わせされている。このため、ピン部11,
12,13は対応する加熱コイル21に衝突することな
く下方からスムーズに挿入される。
【0035】クランクシャフト10の搬入中は、コイル
ユニット20はクランクシャフト10の移動に伴って所
定の位置に移動する。これにより、コイルユニット20
a,20b,20cの各加熱コイル21は3つのスペー
サ26,26,26を介してピン部11,12,13に
それぞれ載置される。そして、クランクシャフト10を
中心線回りに回転させながら、加熱コイル21に高周波
電流を通じる。
【0036】クランクシャフト10が中心線回りに回転
すると、その中心線回りをピン部11,12,13が自
転しつつ公転する。ピン部が公転すると、この公転運動
に追従して、吊り下げユニット30a,30b,30c
の各吊り下げアーム31が上下に揺動すると共に、各吊
り下げアーム31に吊り下げられたコイルユニット20
a,20b,20cが両側に揺動する。即ち、ピン部1
1,12,13に載置されたコイルユニット20a,2
0b,20cは、ピン部11,12,13の公転運動に
追随するため、鉛直方向とクランクシャフト10の中心
線に直角な水平方向の2方向に往復運動する。かくし
て、ピン部11,12,13の各外面が同時に高周波誘
導加熱される。
【0037】このとき、コイルユニット20a,20
b,20cは両側に傾き、コイルユニット20a,20
cは一方の側へ比較的大きく傾くが、通常、コイルユニ
ット20a,20b,20cの側方への移動量は数10
mmであるのに対し、コイルユニット20a,20b,
20cの全高は約1000mm(1m)と、側方への移
動量に比べて格段に大きい。このため、コイルユニット
20a,20b,20cの傾き角度は10°程度と小さ
い。しかも、コイルユニット20a,20b,20cの
各荷重はスプリング33により大幅に軽減されている。
これらのため、コイルユニット20a,20b,20c
の傾斜に伴って側方から受ける力は、引っ張りスプリン
グによってコイルユニットを側方へ強制的に傾ける場合
と比べると大幅に小さくなる。従って、コイルユニット
20a,20b,20cで各スペーサ26,26,26
の磨耗が促進されるなどの問題が解決される。
【0038】上記実施形態では、加熱対象ワークは、1
20°の位相差で配置された3種類のピン部11,1
2,13をもつ3気筒エンジン用クランクシャフト又は
6気筒エンジン用クランクシャフトとしたが、8気筒エ
ンジン用クランクシャフトも同様に適用可能であり、複
数のピン部が180°以外の位相差をもって中心線回り
に配置される多気筒エンジン用クランクシャフトであれ
ば、その種類を問わない。
【0039】上記実施形態では又、コイルユニット20
と対応する吊り下げユニット30との連結位置は固定さ
れているが、例えば吊り下げユニット30に対してコイ
ルユニット20をスライド形式にすることなどにより、
両者の連結位置を可変とすることによっても、ワーク受
け入れ位置にあるコイルユニットの加熱コイルを、加熱
位置に搬入されるクランクシャフトの対応するピン部に
位置合わせすることが可能である。
【0040】コイルユニット20と吊り下げユニット3
0の具体的な連結位置は、クランクシャフト10の種類
と、焼入位置に搬入されたときの姿勢とによって、適宜
変更可能であることは言うまでもない。
【0041】クランクシャフト10の搬入方式について
は、スイングアーム方式以外のものも使用可能である。
【0042】
【発明の効果】以上に説明した通り、本発明に係るクラ
ンクシャフトの高周波加熱装置は、焼入位置に搬入され
たクランクシャフトの複数のピン部に、ワーク受け入れ
位置に固定された複数のコイルユニットが、クランクシ
ャフトの中心線に直角な水平方向で位置合わせされよう
に、複数のコイルユニットと各吊り下げユニットとの連
結位置を、対応するピン部の位相角度に応じて、クラン
クシャフトの中心線に直角な水平方向で相違させたこと
により、加熱対象ワークが3気筒エンジン用クランクシ
ャフトや6気筒エンジン用クランクシャフトのように、
複数のピン部が180°以外の位相差をもって中心線回
りに配置された多気筒エンジン用クランクシャフトの場
合も、スペーサの磨耗の増長のような二次的な弊害を生
じることなく、複数のピン部を対応するコイルユニット
にスムーズに挿入して、衝突による両者の損傷等を防止
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係るクランクシャフトの高
周波加熱装置の正面図である。
【図2】同高周波加熱装置に使用されている3種類のコ
イルユニットの正面図である。
【図3】従来のクランクシャフトの高周波加熱装置の正
面図である。
【図4】従来のクランクシャフトの高周波加熱装置での
衝突対策を示すコイルユニットの正面図である。
【図5】同衝突対策での問題点を示すコイルユニットの
正面図である。
【符号の説明】
10 クランクシャフト 11,12,13 ピン部 20 コイルユニット 21 加熱コイル 22 カレントトランス 23 トランスフレーム 30 吊り下げユニット 31 揺動アーム 32 スプリング 35,36 軸体 40 装置フレーム

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 焼入位置にセットされたクランクシャフ
    トの複数のピン部を高周波誘導加熱するために、各ピン
    部に上方から被さってセットされる複数のコイルユニッ
    トと、複数のコイルユニットを、鉛直方向及び焼入位置
    にセットされたクランクシャフトの中心線に直角な水平
    方向の2方向に従動可能にそれぞれ吊り下げ支持する複
    数の従動型の吊り下げユニットとを備えたクランクシャ
    フトの高周波加熱装置において、焼入位置に搬入された
    クランクシャフトの複数のピン部に、ワーク受け入れの
    ための初期位置に固定された複数のコイルユニットが、
    クランクシャフトの中心線に直角な水平方向で位置合わ
    せされるように、複数のコイルユニットと各吊り下げユ
    ニットとの連結位置を、対応するピン部の位相角度に応
    じて、クランクシャフトの中心線に直角な水平方向で相
    違させたことを特徴とするクランクシャフトの高周波加
    熱装置。
  2. 【請求項2】 前記クランクシャフトは、複数のピン部
    が180°以外の位相差をもって中心線回りに配置され
    た多気筒エンジン用クランクシャフトであることを特徴
    とする請求項1に記載のクランクシャフトの高周波加熱
    装置。
  3. 【請求項3】 前記従動型の吊り下げユニットは、一方
    の端部を中心にして上下に揺動し得る揺動式の吊り下げ
    アームと、吊り下げアームの他方の端部を上方へ弾性的
    に引っ張るスプリングとを備えており、前記コイルユニ
    ットは、焼入位置にセットされたクランクシャフトの中
    心線に直角な水平方向へ揺動すると共に、吊り下げアー
    ムの揺動中心からコイルユニットの揺動中心までの距離
    が、対応するピン部の位相角度に応じて相違するよう
    に、前記吊り下げアームに回動自在に連結されているこ
    とを特徴とする請求項1又は2に記載のクランクシャフ
    トの高周波加熱装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN102041363A (zh) * 2009-10-19 2011-05-04 富士电子工业株式会社 高频热处理装置

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