JP2000270549A - 保護回路付きのスイッチング電源装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 スイッチング電源装置において過電流や過電
圧が出現したときにスイッチング動作を停止する保護回
路系を簡潔で安価な回路で実現する。 【解決手段】 制御電源用一次巻線１５に接続された整
流平滑回路の直流出力ラインに電圧監視回路７が接続さ
れている。電圧監視回路７は、直列接続された抵抗７
１，抵抗７２，ツェナーダイオード７３と、トランジス
タ７４と、抵抗７５とを含んでいる。トランジスタ７４
のエミッタは前記直流出力ラインのプラス側に接続さ
れ、ベースは抵抗７１と７２の中間に接続され、オープ
ンコレクタが抵抗７５を介してコントロール回路３の禁
止端子に接続されている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、保護回路付きのス
イッチング電源装置に関し、特に、過電流や過電圧が出
現したときにスイッチング動作を停止する保護回路系の
改良に関する。

【０００２】

【従来の技術】図１は、スイッチング電源装置で二次側
グランドが共通なタイプの従来の代表的な構成を示して
いる。同図に示すように、トランス１０は、一次巻線１
１と、複数の出力チャンネル用二次巻線１２，１３，１
４と、制御電源用一次巻線１５とを有する。トランス一
次巻線１１とスイッチング素子２とが直列に入力電源に
接続される。このスイッチング素子２がコントロール回
路３から出力されるスイッチング信号によりオンオフさ
れる。３つの出力チャンネル用二次巻線１２，１３，１
４の一端が共通グランドに接続されている。各出力チャ
ンネル用二次巻線１２，１３，１４にそれぞれ整流平滑
回路（ダイオードＤ１とコンデンサＣ１）が接続され、
それらの直流出力がそれぞれ負荷に向けた出力となる。
また制御電源用一次巻線１５に整流平滑回路（ダイオー
ドＤ２とコンデンサＣ２）が接続され、その直流出力が
コントロール回路３の電源となる。

【０００３】各出力チャンネル用二次巻線１２，１３，
１４に接続された整流平滑回路の直流出力ラインにそれ
ぞれ過電流検出回路４と過電圧検出回路５が接続されて
いる。

【０００４】過電流検出回路４は、出力電流ラインに挿
入された抵抗４１の両端の電圧から出力電流値を検出
し、これが基準値を超えたときにオペアンプ又はコンパ
レ−タ４２の出力によりトランジスタ４３をオンさせる
構成である。過電圧検出回路５は、直流出力電圧が基準
値を超えたときにツェナーダイオード５１がオンする構
成である。

【０００５】二次巻線１２，１３，１４に対応した３チ
ャンネルの各出力にそれぞれ付帯している合計６つの過
電流検出回路４と過電圧検出回路５の出力がワイヤード
オア接続され、１個のフォトカプラ入力素子６１に共通
接続されている。このフォトカプラの出力素子６２は、
制御電源用一次巻線１５に接続された整流平滑回路の直
流出力ラインとコントロール回路３のＯＮ／ＯＦＦコン
トロ−ル端子との間に接続されている。合計６つの過電
流検出回路４と過電圧検出回路５のいずれか１つの出力
でもオンになると、フォトカプラ入力素子６１がオンと
なり、これを受けてフォトカプラ出力素子６２がオンと
なる。すると、コントロール回路３のＯＮ／ＯＦＦコン
トロ−ル端子に動作停止指令信号が供給される。これで
コントロール回路３によるスイッチング動作が停止し、
負荷への電力供給が停止する。以上が過電流あるいは過
電圧検出の基づく保護回路系の動作である。

【０００６】また、図２はスイッチング電源装置で二次
側グランドが共通でないフローティングタイプの従来の
代表的な構成を示している。図１と比較すると明らかな
ように、グランドが共通でないため、各二次巻線１２，
１３，１４にそれぞれフォトカプラ入力素子６１が接続
される。そして、このフォトカプラの３つの出力素子６
２が一次側に設置される。この３つ出力素子６２のいず
れかでもオンになると、コントロール回路３のＯＮ／Ｏ
ＦＦコントロ−ル端子に動作停止指令信号が供給され
る。

【０００７】

【発明が解決しようとする課題】図１，図２に示した従
来のいずれの回路でも、出力チャンネルが３つあれば、
合計６つの過電流検出回路４と過電圧検出回路５が必要
となり、回路を構成する素子数が多くて価格が高くなる
だけでなく、高密度小型実装の面でも不利になる。

【０００８】本発明は、上記した背景に鑑みてなされた
もので、その目的とするところは、上記した問題を解決
し、スイッチング電源装置において過電流や過電圧が出
現したときにスイッチング動作を停止する保護回路系を
簡潔で安価な回路で実現することにある。

【０００９】

【課題を解決するための手段】上記した目的を達成する
ために、本発明に係る保護回路付きのスイッチング電源
装置は、次の事項（ａ）〜（ｅ）により特定されるもの
である。 （ａ）トランスは、一次巻線と、単数又は複数の出力チ
ャンネル用二次巻線と、制御電源用一次巻線とを有す
る。 （ｂ）前記トランス一次巻線とスイッチング素子とが直
列に入力電源に接続される。このスイッチング素子がコ
ントロール回路から出力されるスイッチング信号により
オンオフされる。 （ｃ）各出力チャンネル用二次巻線にそれぞれ整流平滑
回路が接続され、それらの直流出力がそれぞれ負荷に向
けた出力となる。 （ｄ）前記トランスの制御用二次巻線に整流平滑回路が
接続され、その直流出力が前記コントロール回路の電源
となる。 （ｅ）前記制御電源用一次巻線に接続された前記整流平
滑回路の直流電圧が基準値を超えたときに前記コントロ
ール回路に対して動作停止指令信号を供給する電圧監視
回路を備える。

【００１０】トランスの二次側巻線の電圧が異常に高く
なると、これに応じて他の巻線電圧も高くなる。する
と、トランスの一次巻線に大きな入力電流が流れ込み、
これにともない制御電源用一次巻線にも大きな電力が誘
起され、整流平滑回路の直流出力電圧が増大する。

【００１１】また、トランスの二次巻線の出力電流が異
常に大きくなると、スイッチング信号によるオンオフの
パルス幅の変化とトランス内の各巻線の結合により、制
御電源用一次巻線の直流出力電圧が増大する。

【００１２】このことを利用し、出力側のいずれかに過
電圧または過電流が生じ、制御電源用一次巻線の直流出
力電圧が増大し、係る直流出力電圧が基準値を超えると
過電流或いは過電圧のいずれかの異常状態が発生してい
ると判断でき、コントロール回路の動作を停止する。こ
れにより、コントロール回路３によるスイッチング動作
が停止し、負荷への電力供給が停止する。

【００１３】

【発明の実施の形態】図３は、本発明の好適な一実施の
形態である３チャンネル出力式の絶縁型スイッチング電
源装置（二次側グランドが共通なタイプ）の構成を示し
ている。同図に示すように、トランス１０は、一次巻線
１１と、３つの出力チャンネル用二次巻線１２，１３，
１４と、制御電源用一次巻線１５とを有する。トランス
一次巻線１１とスイッチング素子２とが直列に入力電源
に接続される。このスイッチング素子２がコントロール
回路３から出力されるスイッチング信号によりオンオフ
される。３つの出力チャンネル用二次巻線１２，１３，
１４の一端が共通グランドに接続されている。各出力チ
ャンネル用二次巻線１２，１３，１４にそれぞれ整流平
滑回路（ダイオードＤ１とコンデンサＣ１）が接続さ
れ、それらの直流出力がそれぞれ負荷に向けた出力とな
る。また制御電源用一次巻線１５に整流平滑回路（ダイ
オードＤ２とコンデンサＣ２）が接続され、その直流出
力がコントロール回路３の電源となる。

【００１４】制御電源用一次巻線１５に接続された整流
平滑回路の直流出力ラインに本発明の要部をなす電圧監
視回路７が接続されている。電圧監視回路７は、直列接
続された抵抗７１，抵抗７２，ツェナーダイオード７３
と、トランジスタ７４と、抵抗７５とを含んでいる。ト
ランジスタ７４のエミッタは前記直流出力ラインのプラ
ス側に接続され、ベースは抵抗７１と７２の中間に接続
され、オープンコレクタが抵抗７５を介してコントロー
ル回路３の禁止端子に接続されている。

【００１５】３チャンネルの出力側のいずれかになんら
かの原因で過電流または過電圧が生じると、トランス一
次巻線１１に大きな入力電流が流れ込むことになるの
で、制御電源用一次巻線１５にも大きな電力が誘起さ
れ、整流平滑回路（ダイオードＤ２とコンデンサＣ２）
の直流出力電圧が増大する。あるいは、トランスの二次
巻線の出力電流が以上におおきくなることによりスイッ
チング信号によるオンオフのパルス幅の変化とトランス
内の各巻線の結合により、この直流出力電圧が増大す
る。それが基準値を超えると電圧監視回路７のツェナー
ダイオード７３がオンし、したがってトランジスタ７４
がオンし、コントロール回路３のＯＮ／ＯＦＦコントロ
−ル端子に動作停止指令信号が供給される。これでコン
トロール回路３によるスイッチング動作が停止し、負荷
への電力供給が停止する。

【００１６】なお、上記した実施の形態は、二次側グラ
ンドを共通にしたタイプであるが、図４に示すようにフ
ローティングタイプでももちろん本発明は適用できる。
なおまた、図３，図４の実施の形態における電圧監視回
路７はツェナーダイオード７３がオンからオフに復帰す
るとトランジスタ７４もオフに復帰するが、この実施の
形態のコントロール回路３はＯＮ／ＯＦＦコントロ−ル
端子に印加される動作停止指令信号が一度オンになる
と、別のリセット制御系によりリセット信号がかかるま
で、スイッチング動作を停止している。すなわち動作停
止指令信号のラッチ機能をコントローラ回路３が内蔵し
ている。しかし、コントローラ回路によってはこのラッ
チ機能を備えていないものがある。そのようなコントロ
ーラ回路を使用する場合、動作停止信号をラッチする回
路を外付けにすればよい。そのようなラッチ回路は周知
であり、簡単に構成できる。

【００１７】図５は、電圧監視回路７の別の構成例を示
している。この構成例では、制御電源用一次巻線１５に
接続された整流平滑回路の直流出力ラインに抵抗７６，
７７を直列に接続し、両抵抗７６，７７で分圧された電
圧をコンパレータ（またはオペアンプ）７８の一方の入
力端子に与える。また、このコンパレータ７８の他方の
入力端子にツェナーダイオード７９で決定される基準電
圧を与える。

【００１８】これにより、３チャンネルの出力側のいず
れかになんらかの原因で過電流または過電圧が生じる
と、抵抗７６，７７の分圧電圧も上昇し、ツェナーダイ
オード７９で特定される基準値を超えると、コンパレー
タ７８の出力が反転し、トランジスタ７４がオンする。
これより、コントロール回路３のＯＮ／ＯＦＦコントロ
−ル端子に動作停止指令信号が供給され、コントロール
回路３によるスイッチング動作が停止し、負荷への電力
供給が停止する。

【００１９】なお、その他の構成並びに作用効果は上記
した実施の形態と同様であるのでの対応する部材に同一
符号を付し、その詳細な説明を省略する。もちろん、こ
の変形例でもラッチ回路を外付けするタイプにも適用で
きるし、図４のようにフローティングタイプのものにも
適用できる。

【００２０】さらにまた、上記した各実施の形態並びに
変形例は、いずれも二次側巻線が３つのものについて説
明したが、本発明はこれに限ることはなく、単数あるい
は他の複数でももちろん良い。

【００２１】

【発明の効果】以上のように、本発明に係る本発明によ
れば、スイッチング電源装置において過電流や過電圧が
出現したときにスイッチング動作を停止する保護回路系
を簡潔で安価な回路で実現することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】従来のスイッチング電源装置の構成図である。

【図２】従来の他のスイッチング電源装置の構成図であ
る。

【図３】本発明の好適な一実施の形態によるスイッチン
グ電源装置の構成図である。

【図４】本発明の好適な他の実施の形態によるスイッチ
ング電源装置の構成図である。

【図５】本発明の変形例を示す図である。

【符号の説明】

２ スイッチング素子 ３ コントローラ回路 ４ 過電流検出回路（従来） ５ 過電圧検出回路（従来） ７ 電圧監視回路 １０ トランス １１ 一次巻線 １２，１３，１４ 出力チャンネル用二次巻線 １５ 制御電源用一次巻線

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 スイッチング電源装置であって、 トランスは、一次巻線と、単数又は複数の出力チャンネ
   ル用二次巻線と、制御電源用一次巻線とを有し、 前記トランス一次巻線とスイッチング素子とが直列に入
   力電源に接続され、このスイッチング素子がコントロー
   ル回路から出力されるスイッチング信号によりオンオフ
   され、 前記トランスの単数及び複数の出力チャンネル用二次巻
   線にそれぞれ整流平滑回路が接され、それらの直流出力
   がそれぞれ負荷に向けた出力となり、 前記トランスの制御電源用一次巻線に整流平滑回路が接
   続され、その直流出力が前記コントロール回路の電源と
   なり、 前記制御電源用一次巻線に接続された前記整流平滑回路
   の直流電圧が基準値を超えたときに前記コントロール回
   路に対して動作停止指令信号を供給する電圧監視回路を
   備えたことを特徴とする保護回路付きのスイッチング電
   源装置。