JP2000265121A - 湿気硬化一液型接着剤を用いた接合工法 - Google Patents

湿気硬化一液型接着剤を用いた接合工法

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JP2000265121A
JP2000265121A JP7000299A JP7000299A JP2000265121A JP 2000265121 A JP2000265121 A JP 2000265121A JP 7000299 A JP7000299 A JP 7000299A JP 7000299 A JP7000299 A JP 7000299A JP 2000265121 A JP2000265121 A JP 2000265121A
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Hiroyuki Okudaira
浩之 奥平
Naoya Adachi
直也 足立
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Yokohama Rubber Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】含水率または浸水性の低い被着体の接着に、湿
気硬化一液型接着剤の利用を可能とする、湿気硬化一液
型接着剤を用いた接合工法の提供。 【解決手段】被着体の少なくとも一方に、湿気硬化一液
型接着剤を塗布し、ついで、湿気硬化一液型接着剤表面
を水分で処理した後、被着体を接着させるか、または、
該湿気硬化一液型接着剤表面上に水分を含ませた中間層
を設け、該中間層を被着体間にはさみ被着体を接着させ
ることを特徴とする湿気硬化一液型接着剤を用いた接合
工法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、湿気硬化一液型接
着剤を、含水率あるいは浸水性の低い、例えば、金属と
いった被着体同士の接着に使用することを可能とする接
合工法に関する。
【0002】
【従来の技術】湿気硬化一液型接着剤は、空気中の湿気
や被着体に含まれる湿気により硬化するものであり、例
えば、湿気を含んだコンクリートやモルタル等の被着体
の接着には使用が可能であるが、含水率または浸水性の
低い金属板等の被着体の接着には使用できなかった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、含水
率または浸水性の低い被着体同士の接着に、湿気硬化一
液型接着剤の利用を可能とする、湿気硬化一液型接着剤
を用いた接合工法を提供することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、被
着体の少なくとも一方に、湿気硬化一液型接着剤を塗布
し、ついで、湿気硬化一液型接着剤表面を水分で処理し
た後、被着体を接着させるか、または、該湿気硬化一液
型接着剤表面上に水分を含ませた中間層を設け、該中間
層を被着体間にはさみ被着体を接着させることを特徴と
する湿気硬化一液型接着剤を用いた接合工法を提供す
る。
【0005】前記中間層の含水率が10重量%以上であ
るのが好ましい。
【0006】前記中間層が、含水性の織布、不織布、
紙、フィルム、および、粉粒体からなる群より選ばれる
ものであるのが好ましい。
【0007】前記湿気硬化一液型接着剤が、分子内にエ
ポキシ基を少なくとも2個以上有するエポキシ樹脂、お
よび、α位に置換基を持つケトンと分子内にアミノ基を
少なくとも2個有するポリアミンとから合成されるケチ
ミン基含有化合物を含有することを特徴とするエポキシ
接着剤であるのが好ましい。
【0008】前記ケチミン基含有化合物が、下記式
(1)で表されるケトンと、下記式(2)で表されるポ
リアミンとから合成される化合物であるのが好ましい。
【化3】 1 :炭素数1〜6のアルキル基からなる群から選ばれ
るいずれか1つ R2 :メチル基またはエチル基 R3 :水素原子、メチル基またはエチル基
【化4】 4 :有機基(O、S、Nを有する基を含む) n :2以上の整数
【0009】
【発明の実施の形態】本発明の湿気硬化一液型接着剤を
用いた接合工法(以下、本発明の工法とも記す)は、基
本的に、湿気硬化一液型接着剤の硬化剤、あるいは、硬
化促進剤として、水分を、被着体に塗布した湿気硬化一
液型接着剤に付与する点にある。水分を付与する方法と
して、塗布した接着剤表面を水分で処理する、あるい
は、水分を含ませた中間層を、接着剤表面上に設けると
いう方法をとる。
【0010】本発明に用いる湿気硬化一液型接着剤(以
下、単に接着剤とも略記する)とは、水分と反応する官
能基を有する化合物もしくはプレポリマーを成分中に有
する湿気硬化型の接着剤をいう。例えば、ポリマーポリ
オールにポリイソシアネートを反応させ、水酸基は全て
ウレタン結合させイソシアネート基を残したプレポリマ
ーを主成分とするウレタン系の接着剤、エポキシ樹脂
と、ケチミン、アルジミン、エナミン等を潜在性硬化剤
として含むエポキシ系の接着剤、その他、シリコーン
系、変性シリコーン系、エポキシ変性シリコーン系ポリ
サルファイド系等が挙げられる。
【0011】本発明の工法においては、石材、タイル、
化粧パネル等を、コンクリート、モルタル、スレート、
合板等に接着させることができるばかりでなく、従来の
湿気硬化一液型接着剤の使用が困難であった含水率もし
くは浸水性の低い被着体同士の接着にも使用することが
でき、したがって、本発明の工法を用いるのに好適な被
着体として、金属板、例えば、鉄板、一般構造用鋼鈑、
冷間圧延鋼鈑等の鋼鈑、アルミニウム等を挙げることが
できる。金属板は、予め機械的処理、化学的処理、機械
的加工等による表面処理をしてもよく、ついで、表面を
脱脂してもよい。
【0012】本発明の工法では、被着体上に、湿気硬化
一液型接着剤を、スプレー、カーテン、ダイノズル、フ
ローコーター、ロールコーター等を用い、あるいは、刷
毛塗りにより、面状に塗布する。塗布厚は、充分な接着
力を有するために、10μm〜1cmが好ましい。つい
で、水分により上記接着剤の塗布面を処理する。具体的
には、例えば、水を既知の噴霧器、または、霧吹きを用
いて霧状に塗布する、あるいは、水を刷毛等で塗布して
もよい。塗布する水分量は、接着剤に対し、0.5〜1
0.0重量%が好ましい。また、被着体に湿気硬化一液
型接着剤を塗布後、高湿度のオーブン中に一定時間保持
することで、塗布面に水分を与える方法によってもよ
い。この場合、オーブン内の湿度を60〜100%、温
度を20〜80℃とするのが好ましい。被着体の接着を
オーブン内で行うと、湿度と温度とオーブン内に保持す
る時間とを調節することにより、塗布面の含水率を容易
に調節できるので好ましい。
【0013】あるいは、接着剤表面上に、水分を含ませ
た中間層を設け、該中間層を被着体間にはさんでもよ
い。水分を含ませた中間層を接着剤表面上に設けると
は、例えば、既に含水した中間層を接着剤表面に貼りつ
けたり塗りつけても良いし、水分を含んでいない中間層
をまず接着剤表面に貼りつけあるいは塗りつけ、ついで
中間層に刷毛塗り、スプレー等により水分を付与しても
よい。また、接着剤を塗布していない被着体面に水分を
含ませた中間層を貼りつけてもよく、あるいは接着剤を
塗布していない被着体面に水分を含ませていない中間層
を貼りつけ、該中間層に水を刷毛塗り、スプレー等にて
付与してもよい。中間層の含水率は、10重量%以上が
好ましく、10〜10000重量%がより好ましい。こ
の範囲であれば、接着剤の湿気硬化が充分に進み、充分
な接着性が得られるからである。本発明の工法では、特
に水分中に硬化促進剤を配合する必要がない。又、水分
中に硬化促進剤を配合すると均一溶液とする手間が必要
となるが、本発明では、水分を付与するのみで、接着硬
化させるので、接着剤全体を、より均一に硬化させられ
る。
【0014】中間層は、接着剤が被着体同士を直接、接
着するために、接着剤が貫通できるもので、シート状の
中間層であれば微少の多孔を有するものであるのが好ま
しい。中間層としては、具体的には、例えば、水分を含
ませた、シート状の、織布、不織布、紙、フィルム等、
あるいは粉粒体が挙げられる。織布としては、浸水性の
天然繊維、合成繊維、あるいは、炭素繊維よりなるもの
等が挙げられる。不織布としては、フェルト等の天然繊
維の不織布、ポリエステル不織布等の合成繊維の不織布
等が挙げられる。紙としては、木材繊維等の植物繊維か
らなるもの、吸水性ポリマー等の合成繊維紙、合成パル
プ等が挙げられる。具体的には、これらの素材からなる
ティッシュペーパー、ちり紙、綿状パルプ等が挙げられ
る。フィルムとしては、吸水性のポリマー、例えば、ポ
リアクリル酸塩系の架橋体系、重合体系、共重合体系、
ポリエチレンオキシド変性物系、イソブチレン−無水マ
レイン酸共重合体系、デンプン−アクリル酸塩グラフト
共重合体架橋物系等のポリマーをシート状に製造したも
のが挙げられる。粉粒体としては、珪砂、ヒュームドシ
リカ、焼成シリカ、沈降シリカ、粉砕シリカ、溶融シリ
カ;けいそう土;酸化鉄、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化
バリウム、酸化マグネシウム;炭酸カルシウム、炭酸マ
グネシウム、炭酸亜鉛;ろう石クレー、カオリンクレ
ー、焼成クレー;あるいはカーボンブラック、あるいは
これらの脂肪酸、樹脂酸、脂肪酸エステル処理物等が挙
げられる。粉粒体を水と予め混合し、スラリー状とし
て、ダイノズル、フローコーター、ロールコーター等に
より塗布してもよい。
【0015】中間層の厚さ(中間層が粉粒体であれば、
その塗布厚)は、10μm〜5mmが好ましい。この範
囲であると、充分な水分を含水でき、接着剤の硬化反応
を促進できるとともに、中間層を設けなかった場合に比
して、より強固な接着力を得ることができる。
【0016】次に、被着体を重ねて、圧着を行い、被着
体同士を接合する。硬化促進のため、接合後、被着体を
ヒーター等で加温してもよい。このように、接着剤表面
を水分で処理し、あるいは、水分を含ませた中間層を被
着体に挟んで接着させると、湿気硬化タイプの一液型接
着剤の湿気硬化が進み、強固な接着力を得ることができ
る。本発明の工法によれば、一液型接着剤の硬化剤とな
る水分を被着体表面の接着剤に均一に付与することがで
き、接着剤全体に、より均一に湿気硬化反応を進行させ
ることができる。本発明の工法では、被着体に塗布した
接着剤表面を水分で処理して被着体を接着させても良い
し、被着体間に水分を含ませた中間層を挟んで被着体を
接着させても良いし、また、これらの方法を併用して、
被着体に塗布した接着剤表面を水分で処理し、ついで、
被着体間に水分を含ませた中間層を挟んで、被着体を接
着させてもよい。このようにすることで、接着剤の硬化
反応が促進されるが、接着剤に硬化促進剤として水分が
付与されるのが、接着剤塗布後であるため、貯蔵中の一
液型接着剤の貯蔵安定性が損なわれることがない。特
に、該一液型接着剤が潜在性硬化剤としてケチミンを含
有し、該ケチミンが立体障害を有するものであると、該
接着剤の貯蔵安定性は特に良好である。
【0017】本発明の工法に用いられる湿気硬化一液型
接着剤としては、分子内にエポキシ基を少なくとも2個
以上有するエポキシ樹脂、および、α位に置換基を持つ
ケトンと分子内にアミノ基を少なくとも2個有するポリ
アミンとから合成されるケチミン基含有化合物を含有す
るエポキシ接着剤を好適に用いることができる。
【0018】本発明に用いられるエポキシ接着剤に含ま
れるエポキシ樹脂とは、1分子中にエポキシ基を2個以
上含むポリエポキシ化合物であれば、特に限定はない。
例えば、ビスフェノールAのグリシジルエーテル型エポ
キシ樹脂及びその誘導体、グリセリンのグリシジルエー
テル型エポキシ樹脂、ポリアルキレンオキサイドのグリ
シジルエーテル型エポキシ樹脂、フェノールノボラック
のグリシジルエーテル型エポキシ樹脂、ダイマー酸のグ
リシジルエステル型エポキシ樹脂、ビスフェノールFの
グリシジルエーテル型エポキシ樹脂等のポリエーテル構
造を有する、分子内にエポキシ基を少なくとも2個有す
るポリエポキシ化合物等が例示さされる。これらのう
ち、ビスフェノールAのグリシジルエーテル型エポキシ
樹脂は、汎用のエポキシ樹脂として好適に用いられる。
【0019】本発明に用いるられるエポキシ接着剤に含
まれるケチミン基含有化合物は、α位に置換基を持つケ
トンと、分子内にアミノ基を2個以上有するポリアミン
とを反応させて得られる化合物である。このようなケチ
ミン基含有化合物は、ケチミン基の2重結合の近くに嵩
高い置換基を有し、この置換基でケチミン窒素が保護さ
れているため、その塩基性が大幅に弱まり、その結果、
硬化速度と貯蔵安定性という相反する特性を満たす。こ
のようなケチミンを潜在性硬化剤として含有するエポキ
シ接着剤は、硬化性に優れるとともに、貯蔵安定性に優
れる。
【0020】本発明で用いられるα位に置換基をもつケ
トンとは、カルボニル基から数えてα位に置換基を有す
るケトンのことで、メチルt−ブチルケトン、ジイソプ
ロピルケトン、メチルイソプロピルケトン等の他、プロ
ピオフェノン、ベンゾフェノン等が具体例として挙げら
れるが、これらの中でも特に上記式(1)で表される化
合物が好ましく、具体的にはメチルイソプロピルケト
ン、メチルt−ブチルケトンが挙げられ、これらを用い
て合成したケチミン基含有化合物とエポキシ樹脂との配
合物の、貯蔵安定性と硬化性のバランスが優れているこ
とから好ましい。
【0021】本発明で用いる、分子内にアミノ基を2個
以上有するポリアミンとしては、例えば、エチレンジア
ミン、プロピレンジアミン、ブチレンジアミン、ジエチ
レントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチ
レンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミン、ヘキサメ
チレンジアミン、トリメチルヘキサメチレンジアミン、
N−アミノエチルピペラジン、1,2−ジアミノプロパ
ン、イミノビスプロピルアミン、メチルイミノビスプロ
ピルアミン、サンテクノケミカル社製のジェファーミン
EDR148に代表されるポリエーテル骨格のジアミ
ン、デュポン・ジャパン社製のMPMD、メタキシリレ
ンジアミン等の脂肪族ポリアミン;イソホロンジアミ
ン、1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサン、1−シ
クロヘキシルアミノ−3−アミノプロパン、3−アミノ
メチル−3,3,5−トリメチル−シクロヘキシルアミ
ン等の脂環式ポリアミン;三井化学(株)製のNBDA
に代表されるノルボルナン骨格のジアミン;ポリアミド
の分子末端にアミノ基を有するポリアミドアミン;2,
5−ジメチル−2,5−ヘキサメチレンジアミン、メン
センジアミン、1,4−ビス(2−アミノ−2−メチル
プロピル)ピペラジン、ポリプロピレングリコール(P
PG)を骨格に持つサンテクノケミカル社製のジェファ
ーミンD230、ジェファーミンD400等が具体例と
して挙げられる。これらの中でも、サンテクノケミカル
社製のジェファーミンシリーズは汎用のアミンとして好
適に用いられる。また、1,3−ビスアミノメチルシク
ロヘキサン、ノルボルナンジアミン、メタキシリレンジ
アミン、ポリアミドアミンは、これらを用いて合成した
ケチミン基含有化合物を含有する本発明のエポキシ接着
剤が貯蔵安定性に優れるうえ、硬化性に特に優れること
から、特に好ましい。
【0022】本発明で用いるケチミン基含有化合物とし
ては、上記アミノ基含有化合物のそれぞれと、上記ケト
ンのそれぞれとを組み合わせて得られるケチミン基含有
化合物が好適に例示されるが、このうち、上記アミノ基
含有化合物とメチルイソプロピルケトン、メチルt−ブ
チルケトンから合成されるケチミン基含有化合物が硬化
速度と貯蔵安定性のバランスが特に優れる。また、上記
ケトンと1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサン、ノ
ルボルナンジアミン、メタキシリレンジアミン、ポリア
ミドアミンから合成されるケチミン基含有化合物も、硬
化速度と貯蔵安定性のバランスに特に優れるが、その中
でも特に硬化性に優れる。また、上記ケトンとジェファ
ーミンシリーズから合成されるケチミンは、硬化性に特
に優れる。
【0023】具体的には、サンテクノケミカル社製のポ
リエーテル骨格のジアミンであるジェファーミンEDR
148とメチルイソプロピルケトンから得られるもの、
ジェファーミンEDR148とメチルt−ブチルケトン
から得られるもの、1,3−ビスアミノメチルシクロヘ
キサンとメチルt−ブチルケトンから得られるもの、三
井東圧化学(株)製のNBDAとメチルイソプロピルケ
トンから得られるもの、1,3−ビスアミノメチルシク
ロヘキサンとメチルイソプロピルケトンから得られるも
の、NBDAとメチルt−ブチルケトンから得られるも
の、三菱ガス化学社製のMXDAとメチルイソプロピル
ケトンから得られるもの、三菱ガス化学社製のMXDA
とメチルt−ブチルケトンから得られるもの、三和化学
社製のX2000とメチルイソプロピルケトンから得ら
れるもの、三和化学社製のX2000とメチルt−ブチ
ルケトンから得られるもの、ジェファーミンD230と
メチルイソプロピルケトンから得られるもの、ジェファ
ーミンD230とメチルt−ブチルケトンから得られる
もの、ジェファーミンD400とメチルイソプロピルケ
トンから得られるもの、ジェファーミンD400とメチ
ルt−ブチルケトンから得られるもの、2,5−ジメチ
ル−2,5−ヘキサメチレンジアミンとメチルイソプロ
ピルケトンから得られるもの、2,5−ジメチル−2,
5−ヘキサメチレンジアミンとメチルt−ブチルケトン
から得られるもの等が例示される。これらの中でも、特
に三井化学(株)製のNBDAとメチルイソプロピルケ
トンから得られるもの、NBDAとメチルt−ブチルケ
トンから得られるもの、1,3−ビスアミノメチルシク
ロヘキサンとメチルイソプロピルケトンから得られるも
のは、硬化性に優れる。また、X2000とメチルイソ
プロピルケトンから得られるもの、X2000とメチル
t−ブチルケトンから得られるものは、湿潤面への接着
性に優れる。
【0024】上述の、α位に置換基をもつケトンと、分
子内に少なくとも2個アミノ基を持つポリアミンとを反
応させて得られるケチミン基含有化合物は、ケトンとポ
リアミンを無溶媒下、あるいはベンゼン、トルエン、キ
シレン等の溶媒存在下、加熱環流させ、脱離してくる水
を共沸により除きながら反応させることで得られる。
【0025】なお、本発明においては、上記ケチミン基
含有化合物の合成に用いるケトンのカルボニル基をホル
ミル基に置換したアルデヒドと、アミンとから合成され
るアルジミンも、上記ケチミン基含有化合物と同様に用
いることができる。また、本発明に用いられるエポキシ
接着剤には、ケチミンの他に、他の公知の潜在性硬化剤
を含んでもよい。
【0026】本発明のエポキシ接着剤中でのケチミン基
含有化合物の添加量は、当量比で、(ケチミン基含有化
合物のイミノ基)/(エポキシ樹脂中のエポキシ基)が
0.1〜2.0であるのが好ましく、0.3〜1.5で
あるのがより好ましい。この範囲であれば、貯蔵安定
性、硬化性がともに良好だからである。
【0027】本発明のエポキシ接着剤は、必要に応じて
硬化促進剤を併用しても良い。硬化促進剤としては、亜
リン酸エステル類が非常に効果的である。亜リン酸エス
テル類は、エポキシ樹脂を含有する組成物の貯蔵中、該
組成物に増粘その他悪影響を及ぼさないからである。硬
化促進剤として用いる亜リン酸エステル類としては、ト
リフェニルホスファイト、トリス(ノニルフェニル)ホ
スファイト、トリエチルホスファイト、トリブチルホス
ファイト、トリス(2−エチルヘキシル)ホスファイ
ト、トリデシルホスファイト、トリス(トリデシル)ホ
スファイト、ジフェニルモノ(2−エチルヘキシル)ホ
スファイト、ジフェニルモノデシルホスファイト、ジフ
ェニルモノ(トリデシル)ホスファイト、テトラフェニ
ルジプロピレングリコールジホスファイト、テトラフェ
ニルテトラ(トリデシル)ペンタエリスリトールテトラ
ホスファイト、トリラウリルトリチオホスファイト、ビ
ス(トリデシル)ペンタエリスリトールジホスファイ
ト、ビス(ノニルフェニル)ペンタエリスリトールジホ
スファイト、トリステアリルホスファイト、ジステアリ
ルペンタエリスリトールジホスファイト、トリス(2,
4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト、水添ビス
フェノールA・ペンタエリスリトールホスファイトポリ
マー等のトリエステル体が挙げられる。また、これらの
トリエステル体を部分的に加水分解したジー、あるいは
モノエステル体も例として挙げられる。このうち、テト
ラフェニルテトラ(トリデシル)ペンタエリスリトール
テトラホスファイト、ビス(トリデシル)ペンタエリス
リトールジホスファイト、ビス(ノニルフェニル)ペン
タエリスリトールジホスファイト、ジステアリルペンタ
エリスリトールジホスファイト、水添ビスフェノールA
・ペンタエリスリトールホスファイトポリマー等は、特
に促進効果が高く、好適に用いられる。
【0028】これらの亜リン酸エステル体のうち、トリ
エステル体を用いる場合、その添加量は、本発明のエポ
キシ接着剤に含まれるエポキシ樹脂のエポキシ基に対し
て0.005mol%以上であり、好ましくは0.00
5〜1.0mol%である。またトリエステル体を部分
的に加水分解したジ−、あるいはモノエステル体を用い
る場合は、添加量は、本発明のエポキシ接着剤に含まれ
るエポキシ樹脂のエポキシ基に対して0.005〜50
mol%、好ましくは、0.005〜10mol%であ
る。0.005mol%より少ないと促進剤としての効
果が無く、一方ジエステル体の添加量が50mol%よ
り多いと貯蔵安定性を悪くする。また本発明のエポキシ
接着剤は、促進剤として、亜リン酸エステル以外の促進
剤を含んでいてもよい。
【0029】本発明のエポキシ接着剤は、必要に応じて
シランカップリング剤を併用してもよい。シランカップ
リング剤を含有することにより、貯蔵安定性と硬化速度
のバランスに優れると共に、湿潤面への接着性にも優れ
るエポキシ接着剤とすることができる。シランカップリ
ング剤としては、特に限定されず、従来公知のシランカ
ップリング剤を使用することができ、例えば、クロロプ
ロピルトリメトキシシラン、トリメトキシビニルシラ
ン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(2−メ
トキシエトキシ)シラン、γ−メタクリロキシプロピル
トリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメ
トキシシラン等が挙げられる。これらのうち、トリメト
キシビニルシラン、3−グリシドキシプロピルトリメト
キシシランは、特に、湿潤面への接着性を向上させる効
果に優れ、更に汎用であることから、好適に用いられ
る。
【0030】これらのシランカップリング剤の含有量
は、上記エポキシ樹脂100重量部に対し、0.1〜2
0重量部が好ましく、0.5〜10重量部であるのがよ
り好ましい。該範囲であると、湿潤面への接着性に関
し、破断時に剪断応力が高く、母材の破壊率もほぼ10
0%となるので好ましい。
【0031】本発明のエポキシ接着剤は、下記式(3)
で表されるシリルエステル基を有する化合物を含有して
もよい。このようなシリルエステル基を有する化合物を
特定量配合することにより、貯蔵安定性を損なうことな
く、硬化時間を短縮することができる。
【0032】
【化5】
【0033】式中、Rは、水素原子、もしくは炭素数1
〜20の炭化水素基を表す。炭化水素基としては、具体
的には、メチル基、エチル基、ビニル基、プロピル基、
オクチル基、ラウリル基、パルミチル基、ステアリル
基、アリル基、エイコシル基等の直鎖の炭化水素基;イ
ソプロピル基、イソブチル基等の分岐した炭化水素基;
ヘキサメチル基等の脂環式炭化水素基;フェニル基、ベ
ンジル基等の芳香族基等を挙げることができる。Rとし
ては、貯蔵安定性および硬化反応の促進効果に優れると
いう理由から、炭素数1〜17の炭化水素基が特に好ま
しい。Rが水素原子では、貯蔵安定性にやや難が生じ、
逆に炭素数18以上では、硬化反応の促進効果がやや低
下するからである。
【0034】上述のシリルエステル基を有する化合物
は、シリルエステル基が上式(3)で表される化合物で
あれば、特に限定されず、シリルエステル基が主鎖中、
主鎖末端、側鎖のいずれに含まれていても、また、1個
あるいは2個以上含まれていてもよい。式(3)で表さ
れるシリルエステル基が化合物中に2個以上含まれる場
合は、1種類のみが含まれていてもよく、それぞれ異な
ってもよい。このようなシリルエステル基を有する化合
物の主鎖は、主にSi−O結合からなる。主鎖は1種単
独でも2種以上であってもよい。式(3)で表されるシ
リルエステル基が主鎖中に含まれる場合は、シリルエス
テル基のSiが主鎖中のSiとなる。このようなシリル
エステル基を有する化合物としては、具体的に、下記式
で表される化合物を示すことができる。
【0035】
【化6】
【0036】上式中、シリルエステル基の繰り返し単位
数pは1以上の整数である。上述のシリルエステル基を
有する化合物の製造方法としては、例えば、ポリ(メチ
ルハイドロジェン)シロキサン等のSi−H基を有する
ポリハイドロジェンシロキサンと;蟻酸、ステアリン酸
等の直鎖飽和脂肪酸、カプロレイン酸等の不飽和脂肪
酸、安息香酸等の芳香族カルボン酸、ナフトエ酸等の脂
環式カルボン酸等のカルボン酸類とを、あるいは上述の
ポリハイドロジェンシロキサンとアルケンとの共重合体
と、上述のカルボン酸類とを、Pt、Ru等の第VIII族
の遷移金属単体あるいはこれらの金属の塩化物等を触媒
として脱水縮合することにより合成できる。
【0037】本発明の組成物において、このようなシリ
ルエステル基を有する化合物の含有量は、エポキシ樹脂
100重量部に対し、0.05〜10重量部が好まし
い。該範囲であると、貯蔵安定性を損なうことなく、硬
化時間が短縮されるからである。特に、0.1〜8重量
部であると好ましい。
【0038】本発明のエポキシ接着剤は、本発明の目的
を損なわない範囲で、炭酸カルシウムを含有してもよ
い。特に表面処理炭酸カルシウムを含有することによ
り、粘度の調整が可能であり、また、良好な初期チクソ
性と貯蔵安定性を得ることができる。このような炭酸カ
ルシウムとしては、脂肪酸、樹脂酸、あるいは脂肪酸エ
ステルにより表面処理された従来公知の表面処理炭酸カ
ルシウムを用いることができる。具体的には、脂肪酸で
表面処理された炭酸カルシウムとして、カルファイン2
00(丸尾カルシウム社製)、ホワイトン305(重質
炭酸カルシウム、白石カルシウム社製)、脂肪酸エステ
ルで表面処理された炭酸カルシウムとして、シーレッツ
200(丸尾カルシウム社製)等が好適に用いられる。
【0039】炭酸カルシウムとして、表面処理炭酸カル
シウムを用いた場合、ケチミン基含有化合物として比較
的極性の高いものを用いると、特にチクソ性と貯蔵安定
性に優れる。比較的極性の高いケチミン基含有化合物と
して、下記式(4)、(5)により表されるケチミン基
含有化合物を示すことができる。
【化7】 5 :O、S、N、芳香環のいずれかを少なくとも一つ
有する有機基
【化8】 4 :有機基(O、S、Nを有する基も含む)
【0040】表面処理炭酸カルシウムは、表面の極性が
低いため、同じ極性の低いケチミンを使うと、ぬれが生
じ、チクソ性が低下する。このぬれを防ぐために、ケチ
ミンは、比較的極性の高いものを用いることが好まし
い。式(5)で表されるケチミンにおいては、イミン部
付近の置換基は、メチル基およびイソプロピル基であ
り、極性の高いイミン部の極性を下げるには小さい。従
って、ケチミン骨格(R4 )に影響されることなく、良
好なチクソ性、貯蔵安定性を保てる。一方、式(4)で
表されるケチミンにおいては、メチル基およびt−ブチ
ル基により、イミン部の極性が低くなっている。従っ
て、ケチミン骨格(R5 )を極性の高いものにしなけれ
ばならない。このように比較的極性の高いケチミンとし
ては、サンテクノケミカル社製のジェファーミンEDR
148に代表されるポリエーテル骨格のジアミンや、三
菱ガス化学社製のMXDAに代表されるキシリレン骨格
のジアミン類と、メチルイソプロピルケトン、メチルt
−ブチルケトンから合成されるケチミン、三井東圧化学
社製のNBDAに代表されるノルボルナン骨格のジアミ
ンや、三菱ガス化学社製の1,3−BACに代表される
シクロヘキサン骨格のジアミン類とメチルイソプロピル
ケトンから合成されるケチミンを示すことができる。
【0041】炭酸カルシウムの添加量は、エポキシ接着
剤に含まれるエポキシ樹脂100重量部に対して30〜
200重量部が好ましく、50〜150重量部がより好
ましい。30重量部未満では、適切な初期チクソ性およ
び作業性が得られなくなり、また、200重量部超で
は、粘度が高くなり作業性が悪くなる。
【0042】本発明のエポキシ接着剤は、上述した化合
物の他に、本発明の目的を損なわない範囲で、その他の
添加剤、例えば、充填剤、可塑剤、チクソトロピー付与
剤、顔料、染料、老化防止剤、酸化防止剤、帯電防止
剤、難燃剤、接着付与剤、分散剤、溶剤等を配合しても
よい。
【0043】本発明のエポキシ接着剤に用いることので
きる充填剤としては、各種形状の有機または無機のもの
があり、ヒュームドシリカ、焼成シリカ、沈降シリカ、
粉砕シリカ、溶融シリカ;けいそう土;酸化鉄、酸化亜
鉛、酸化チタン、酸化バリウム、酸化マグネシウム;炭
酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸亜鉛;ろう石ク
レー、カオリンクレー、焼成クレー;あるいはカーボン
ブラック、あるいはこれらの脂肪酸、樹脂酸、脂肪酸エ
ステル処理物等が挙げられる。
【0044】本発明のエポキシ接着剤に用いることので
きる可塑剤としては、ジオクチルフタレート(DO
P)、ジブチルフタレート(DBP);アジピン酸ジオ
クチル、コハク酸イソデシル;ジエチレングリコールジ
ベンゾエート、ペンタエリスリトールエステル;オレイ
ン酸ブチル、アセチルリシノール酸メチル;リン酸トリ
クレジル、リン酸トリオクチル;アジピン酸プロピレン
グリコールポリエステル、アジピン酸ブチレングリコー
ルポリエステル等が用いられる。これらの可塑剤は、単
独でも、2種以上を混合して使用してもよい。
【0045】本発明のエポキシ接着剤に用いることので
きるチクソトロピー授与剤としては、エアロジル(日本
エアロジル(株)製)、ディスパロン(楠本化成(株)
製)を、また帯電防止剤としては、、一般的に、第4級
アンモニウム塩、あるいはポリグリコールやエチレンオ
キサイド誘導体などの親水性化合物を挙げることができ
る。
【0046】本発明のエポキシ接着剤に用いることので
きる顔料としては、着色顔料、耐湿顔料、防錆顔料等の
顔料が挙げられる。本発明のエポキシ接着剤に用いるこ
とのできる老化防止剤としては、ヒンダードフェノール
系等の化合物が挙げられる。本発明のエポキシ接着剤に
用いることのできる酸化防止剤としては、ブチルヒドロ
キシトルエン(BHT)、ブチルヒドロキシアニソール
(BHA)、等を挙げることができる。
【0047】本発明のエポキシ接着剤に用いることので
きる難燃剤としては、クロロアルキルホスフェート、ジ
メチル・メチルホスホネート、臭素・リン化合物、アン
モニウムポリホスフェート、ネンペンチルブロマイド−
ポリエーテル、臭素化ポリエーテル等が挙げられる。本
発明に用いることが出来る接着付与剤としては、テレペ
ン樹脂、フェノール樹脂、テルペン−フェノール樹脂、
ロジン樹脂等が挙げられる。
【0048】本発明のエポキシ接着剤の製造方法は、特
に限定されないが、好ましくは上述のそれぞれの成分を
減圧下、あるいは窒素雰囲気下に、混合ミキサー等の攪
拌装置を用いて十分混練し、均一に分散させて組成物と
するのがよい。
【0049】上記構成をとる本発明の湿気硬化一液型接
着剤を用いた接合工法は、含水率あるいは浸水性の低い
または全くない被着体、例えば、金属板等であっても、
湿気硬化タイプの一液型接着剤を用いて接着することが
できる。特に、被着体間に水分を含ませた中間層を配
し、中間層の含水率が10重量%以上である、本発明の
湿気硬化一液型接着剤を用いた接合工法では、被着体間
の接着強度が特に良好である。また、中間層として、水
分を含ませた含水性の織布、不織布、紙、フィルム、あ
るいは粉粒体を用いた、本発明の湿気硬化一液型接着剤
を用いた接合工法では、被着体間の接着強度が向上し、
特に良好である。湿気硬化一液型接着剤として、立体障
害の大きなケチミン基含有化合物を潜在性硬化剤として
含有するエポキシ接着剤を用いる本発明の湿気硬化一液
型接着剤を用いた接合工法では、接着剤が硬化性に優
れ、短時間で接着することができると共に、かかる接着
剤は貯蔵安定性にも優れる。特に、ケチミン基含有化合
物として、特定構造のケトンとポリアミンとから合成し
た化合物を用いるエポキシ接着剤を用いる本発明の湿気
硬化一液型接着剤を用いた接合工法では、接着剤の硬化
性が特に優れ、同時にエポキシ接着剤の貯蔵安定性との
バランスにも優れている。したがって、本発明の接合工
法は、コンクリート、モルタル、スレート、合板同士あ
るいはこれらへの石材、タイル、化粧パネル等の接着、
または含水率あるいは浸水性の低いかあるいは全くない
被着体同士、例えば、鉄板、鋼鈑等の金属板を、湿気硬
化一液型接着剤により接着させるために好適に使用する
ことができる。また、本発明の接合方法は、低温時(例
えば、冬場、あるいは寒冷地等)の、一液型接着剤の硬
化反応が進みにくい環境下で、含水率あるいは浸水性の
低いかあるいは全くない被着体同士を、一液型接着剤で
接着させる場合の、接着硬化反応を促進させる方法とし
ても好適である。本発明の接合方法は、例えば、ゴム組
成物と、一般構造用鋼鈑、冷間圧延鋼鈑等の硬質板とを
積層してなる免震支承体の硬質板同士の接着や、硬質板
とゴム組成物、あるいは、ゴム組成物同士の接着にも好
適に利用することができる。
【0050】
【実施例】以下に、実施例を示して本発明を具体的に説
明するが、本発明はこれらに限られるものではない。 <一液型エポキシ接着剤の調整>エポキシ樹脂(YD1
28東都化成社製)に対し、下記式で表されるケチミン
基含有化合物を、(ケチミン基含有化合物のイミノ基)
/(エポキシ樹脂中のエポキシ基)=1/2となるよう
配合し、エポキシ接着剤を調整した。
【化9】
【0051】(実施例1)鉄板2枚に、上記一液型エポ
キシ接着剤を塗布(塗布厚3mm)し、30℃湿度95
%のオーブンに10分入れ、その後、鉄板を圧着して接
着させ、常温にて3日間養生した。 (実施例2)鉄板2枚に、上記一液型エポキシ接着剤を
塗布(塗布厚3mm)し、ついで、水を含んだ(含水率
700重量%)紙(キムワイプ、紙厚100μm、クレ
シア(株)製)1枚を鉄板の間にはさんで圧着して接着
させ、常温にて3日間養生した。 (比較例1)鉄板2枚に、上記一液型エポキシ接着剤を
塗布(塗布厚3mm)後、すぐに鉄板を圧着して接着さ
せ、常温にて3日間養生した。
【0052】<手剥離試験>実施例1〜2、比較例1で
接着した2枚の鉄板を用いて、手で剥離できるか試験し
た。結果を下記表1に示す。表中、○は手剥離が不可能
であってことを、×は、接着剤が未硬化で手剥離が容易
にできたことを表す。
【0053】
【0054】
【発明の効果】本発明の湿気硬化一液型接着剤を用いた
接合工法は、含水率あるいは浸水性の低いかまたは全く
ない被着体、例えば、金属板等であっても、湿気硬化タ
イプの一液型接着剤を用いて接着することができる。特
に、被着体間に一定値以上の水分を含ませた、織布、不
織布、紙、フィルム、あるいは粉等の中間層を配する
と、被着体間の接着強度が向上する。湿気硬化一液型接
着剤として、立体障害の大きなケチミン基含有化合物を
潜在性硬化剤として含有するエポキシ接着剤を用いる本
発明の湿気硬化一液型接着剤を用いた接合工法では、接
着剤が硬化性に優れ、短時間で接着することができると
共に、かかる接着剤は貯蔵安定性にも優れる。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】被着体の少なくとも一方に、湿気硬化一液
    型接着剤を塗布し、ついで、湿気硬化一液型接着剤表面
    を水分で処理した後、被着体を接着させるか、または、
    該湿気硬化一液型接着剤表面上に水分を含ませた中間層
    を設け、該中間層を被着体間にはさみ被着体を接着させ
    ることを特徴とする湿気硬化一液型接着剤を用いた接合
    工法。
  2. 【請求項2】前記中間層の含水率が10重量%以上であ
    る請求項1に記載の湿気硬化一液型接着剤を用いた接合
    工法。
  3. 【請求項3】前記中間層が、含水性の織布、不織布、
    紙、フィルム、および、粉粒体からなる群より選ばれる
    ものである請求項1または2に記載の湿気硬化一液型接
    着剤を用いた接合工法。
  4. 【請求項4】前記湿気硬化一液型接着剤が、分子内にエ
    ポキシ基を少なくとも2個有するエポキシ樹脂、およ
    び、α位に置換基を持つケトンと分子内にアミノ基を少
    なくとも2個有するポリアミンとから合成されるケチミ
    ン基含有化合物を含有することを特徴とするエポキシ接
    着剤である請求項1〜3のいずれかに記載の湿気硬化一
    液型接着剤を用いた接合工法。
  5. 【請求項5】前記ケチミン基含有化合物が、下記式
    (1)で表されるケトンと、下記式(2)で表されるポ
    リアミンとから合成される化合物であることを特徴とす
    る請求項4に記載の湿気硬化一液型接着剤を用いた接合
    工法。 【化1】 1 :炭素数1〜6のアルキル基からなる群から選ばれ
    るいずれか1つ R2 :メチル基またはエチル基 R3 :水素原子、メチル基またはエチル基 【化2】 4 :有機基(O、S、Nを有する基を含む) n :2以上の整数
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016132946A (ja) * 2015-01-21 2016-07-25 株式会社ダイフレックス 下張緩衝シートおよび防水構造
JP2017071749A (ja) * 2015-10-07 2017-04-13 大日本印刷株式会社 物品の製造方法および接着シート

Cited By (3)

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JP2016132946A (ja) * 2015-01-21 2016-07-25 株式会社ダイフレックス 下張緩衝シートおよび防水構造
WO2016117657A1 (ja) * 2015-01-21 2016-07-28 株式会社ダイフレックス 下張緩衝シートおよび防水構造
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