JP2000264967A - ポリオルガノシロキサン化合物の製造方法 - Google Patents

ポリオルガノシロキサン化合物の製造方法

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JP2000264967A
JP2000264967A JP11066969A JP6696999A JP2000264967A JP 2000264967 A JP2000264967 A JP 2000264967A JP 11066969 A JP11066969 A JP 11066969A JP 6696999 A JP6696999 A JP 6696999A JP 2000264967 A JP2000264967 A JP 2000264967A
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polyorganosiloxane
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JP11066969A
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Yuichi Isoda
裕一 磯田
Kyoichi Ayama
亨一 阿山
Nobumasa Otake
伸昌 大竹
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Chisso Corp
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】分子構造および分子量の制御されたポリオルガ
ノシロキサン化合物およびその製造方法を提供する。 【解決手段】下記式(1)で示されるオルガノトリクロ
ロシランに対して、分子内に一個の活性水素を有する化
合物の1種もしくは2種以上を反応させ、ついで水を添
加して加水分解、縮合させて、分子内に下記式(2)で
示される繰り返し単位を有するポリオルガノシロキサン
化合物。 (ここで、R1は飽和炭化水素基、不飽和炭化水素基、
ラジカル重合性芳香族炭化水素基、ハロゲン化炭化水素
基、フェニル基、シクロヘキシル基、アクリロキシプロ
ピルもしくはメタクリロキシプロピルであり、R2は飽
和炭化水素基、CH3CO基,CH2=CHCO基、CH
2=CCH3CO基および水素のなかから選択される1種
以上の基である)。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、樹脂改質剤として
有用なポリオルガノシロキサン化合物の製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】ケイ素原子1に対して酸素原子が1.5
となるような割合で構成されるポリオルガノシロキサン
は一般にポリシルセスキオキサンと呼ばれ、その優れた
耐熱性、耐候性を利用して半導体絶縁保護膜や難燃剤、
塗料添加剤等の材料として利用されている。これらの化
合物をオルガノアルコキシシランを原料として、加水分
解、縮合反応によって製造する場合、その分子量、シラ
ノール含量といった分子構造が精密に制御されたポリオ
ルガノシロキサンを得ることは困難であった。また、得
られるポリオルガノシロキサンは本質的に不安定なシラ
ノール基を大量に含有することになり、保存安定性に劣
るという欠点があった。末端シラノール基を封鎖し、分
子量の制御、または保存安定性を図る意図でシリル化剤
を併用してこの問題を解決しようとする技術が特開平8
−113648号公報に開示されている。
【0003】しかしながら、該オルガノアルコキシシラ
ンはオルガノクロロシランから製造されることが一般的
であり、オルガノクロロシランにアルコ−ルを反応させ
てオルガノアルコキシシランとし、これを加水分解、縮
合してオルガノシルセスキオキサンを製造するよりも、
オルガノクロロシランを直接、加水分解、縮合してオル
ガノシルセスキオキサンを製造する方が、コスト的に優
れており、係る技術の確立が望まれているのが現状であ
る。
【0004】一方、オルガノクロロシランを原料として
ポリシルセスキオキサンを直接製造することも提案され
ている。例えば、特開平10―139964号公報には
オルガノトリクロロシランとオルガノジクロロシランと
オルガノモノクロロシランの組み合わせにより、ポリシ
ルセスキオキサンを製造する方法が開示されており、ま
たこの様な製造方法は「シリコ−ンハンドブック」(日
刊工業社編)などにも解説されており、比較的広く利用
されている技術でもある。
【0005】しかしながら、オルガノモノクロロシラン
やオルガノジクロロシランを併用すると得られるポリシ
ルセスキオキサンは線状構造をしており、ポリシルセス
キオキサンに本来求められている耐熱性や耐候性および
無機材料的性能が低下することになるので、できる限り
オルガノモノクロロシランやオルガノジクロロシランは
使用しないで、分子量や構造が制御されたポリシルセス
キオキサンが求められている。
【0006】さらに、オルガノトリクロロシランのみか
らポリシルセスキオキサンを製造する試みもなされてい
る。例えば、特開平8−157605号公報には2相系
反応液によって界面を乱すことなく反応を行うことが開
示されているが、商業生産のような大スケ−ルの装置で
は技術的に困難が伴い、また、生産効率も低下すること
が懸念される。特開平10−60279号公報には2相
系であっても激しく攪拌できることが開示されている
が、水相と有機相の懸濁液中で親水性溶媒の併用により
有機相中への水の溶解をコントロ−ルしようとするもの
であり、加水分解はその界面付近で起こることが予想さ
れ、懸濁液の有機相粒子の表面積すなわち粒子の大きさ
が加水分解、縮合反応に大きく影響するものと考えられ
る。懸濁液粒子のコントロ−ルは攪拌の強さや温度によ
って影響を受け、商業設備の製造において品質の安定化
を図るにはハイレベルのノウハウが必要とされ、このよ
うな技術は広く一般には利用されにくい。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明者はクロロシラ
ンとアルコキシシランの加水分解速度の差を利用するこ
とで、課題として挙げたポリオルガノシロキサン化合物
の構造制御を鋭意検討した。その結果、オルガノトリク
ロロシランと部分的に分子内に1個の活性水素を有する
化合物とを反応させ、ついで加水分解、縮合すると、得
られるポリオルガノシロキサン化合物は分子構造の制御
された化合物になることを見出した。
【0008】すなわち、オルガノトリクロロシラン1モ
ルに対してn倍モル量の分子内に1個の活性水素を有す
る化合物でSi−CL基を置換すると、Si−CL基が
0〜3個置換された4種の化合物の混合物が得られ、各
成分の存在割合は添加する分子内に1個の活性水素を有
する化合物量によって決定される。この系に対して、残
存するSi−CL基を加水分解、縮合するのに必要量の
水((3―n)/2倍モル量)で処理すると、Si−C
L基が分子内に1個の活性水素を有する化合物に置換さ
れた基に優先して選択的に加水分解、縮合し、下記化1
で示されるラダ−構造を主成分とするポリオルガノシロ
キサン化合物が得られることを見出し、この知見に基づ
いて本発明を完成した。
【0009】
【化1】
【0010】以上の記述から、明らかなように、本発明
は、分子構造および分子量の制御されたポリオルガノシ
ロキサン化合物および安価なオルガノトリクロロシラン
を用いて、該ポリオルガノシロキサン化合物を安価に製
造する方法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は下記から構成さ
れる。 (1)下記式(1)で示されるオルガノトリクロロシラ
ンに対して、分子内に一個の活性水素を有する化合物の
1種もしくは2種以上を反応させ、ついで水を添加して
加水分解、縮合させて得られる、分子内に下記式(2)
で示される繰り返し単位を有し、かつ、ポリスチレン換
算数平均分子量MNとして下記式(3)で示される分子
量を有するポリオルガノシロキサン化合物。 R1Si(CL)3 (1) R1−Si(OR2n(3 n)/2 (2) (ここで、R1は炭素数1〜18の直鎖状もしくは分岐
状の飽和炭化水素基、炭素数2〜6の直鎖状もしくは分
岐状の不飽和炭化水素基、炭素数8〜14のラジカル重
合性芳香族炭化水素、炭素数3〜8のハロゲン化炭化水
素基、フェニル基、シクロヘキシル基、アクリロキシプ
ロピルもしくはメタクリロキシプロピルであり、式2
中、R2は炭素数1〜4の直鎖状もしくは分岐状の飽和
炭化水素基、CH3CO基,CH2=CHCO基、CH2
=CCH3CO基および水素のなかから選択される1種
以上の基(但し水素が選択される場合は2種以上から選
択される)、nは0.1〜2.0である)。 MN=(4×A+208)×(1/n)+(4×B+32)+K (3) (ただし、Kは0<K≦1000の範囲の定数、nは
0.1〜2.0の数値、AおよびBはそれぞれR1およ
びR2の分子量を示す)。
【0012】(2)前記第1項記載の式(1)で示され
るオルガノトリクロロシランに対して、分子内に一個の
活性水素を有する化合物の1種もしくは2種以上を0.
1〜2.0倍モル反応させて、下記式(4)で示される
オルガノシラン化合物を生成し、ついで、オルガノトリ
クロロシランに対して(1/2)×(1.0〜2.9)
倍モルに相当する水を用いて、該オルガノシラン化合物
のSi−CL基を加水分解、縮合することを特徴とする
前記第1項に記載のポリオルガノシロキサン化合物の製
造方法。 R1−Si(OR2n(3 n)/2 (4) (ここで、R1は炭素数1〜18の直鎖状もしくは分岐
状の飽和炭化水素基、炭素数2〜6の直鎖状もしくは分
岐状の不飽和炭化水素基、炭素数8〜14のラジカル重
合性芳香族炭化水素、炭素数3〜8のハロゲン化炭化水
素基、フェニル基、シクロヘキシル基、アクリロキシプ
ロピルもしくはメタクリロキシプロピルであり、式2
中、R2は炭素数1〜4の直鎖状もしくは分岐状の飽和
炭化水素基、CH3CO基,CH2=CHCO基、CH2
=CCH3CO基および水素のなかから選択される1種
以上の基(但し水素が選択される場合は2種以上から選
択される)、nは0.1〜2.0である)。
【0013】(3)分子内に1個の活性水素を有する化
合物が、炭素数1〜4の直鎖状もしくは分岐状のアルコ
−ル、アクリル酸、メタクリル酸および酢酸から選ばれ
た1種以上の化合物である前記第2項記載のオルガノシ
ロキサン化合物の製造方法。
【0014】(4)前記第2項〜第3項のいずれか1項
に記載のポリオルガノシロキサン化合物の製造方法にお
いて、加水分解、縮合反応終了後、塩基性化合物で脱ク
ロル反応を行うことを特徴とするポリオルガノシロキサ
ン化合物の製造方法。
【0015】(5)塩基性化合物が、アンモニア、1〜
3級アミン、塩基性イオン交換樹脂および金属水酸化物
のなかから選ばれる1種以上の塩基性化合物である前記
第4項記載のポリオルガノシロキサン化合物の製造方
法。
【0016】(7)脱クロル反応後、塩基性イオン交換
樹脂を使用する場合を除いて、反応液を水洗し、塩酸塩
を除去することを特徴とする前記4項もしくは第5項の
いずれか1項記載のポリオルガノシロキサン化合物の製
造方法。
【0017】
【発明の実施の形態】本発明のポリオルガノシロキサン
化合物は、分子内に下記式(2)で示される繰り返し単
位を有し、かつ、ポリスチレン換算数平均分子量MN
して下記式(3)で示される分子量を有するポリオルガ
ノシロキサン化合物である。 R1−Si(OR2n(3 n)/2 (2) (ここで、R1は炭素数1〜18の直鎖状もしくは分岐
状の飽和炭化水素基、炭素数2〜6の直鎖状もしくは分
岐状の不飽和炭化水素基、炭素数8〜14のラジカル重
合性芳香族炭化水素、炭素数3〜8のハロゲン化炭化水
素基、フェニル基、シクロヘキシル基、アクリロキシプ
ロピルもしくはメタクリロキシプロピルであり、式2
中、R2は炭素数1〜4の直鎖状もしくは分岐状の飽和
炭化水素基、CH3CO基,CH2=CHCO基、CH2
=CCH3CO基および水素のなかから選択される1種
以上の基(但し水素が選択される場合は2種以上から選
択される)、nは0.1〜2.0である)。 MN=(4×A+208)×(1/n)+(4×B+32)+K (3) (ただし、Kは0<K≦1000の範囲の定数、nは
0.1〜2.0の数値、AおよびBはそれぞれR1およ
びR2の分子量を示す)。
【0018】すなわち、分子構造として、上記式(2)
に示される繰り返し単位を有し、かつ、その分子量が上
記式(3)で示されるポリスチレン換算数平均分子量を
有する分子構造および分子量が制御され、前記化1で示
されるラダ−構造を有するポリオルガノシロキサン化合
物である。かかる分子構造および分子量が制御された化
合物のため、ポリオルガノシロキサン化合物に本来求め
られていた耐熱性や耐候性および無機材料的性能に優
れ、かつ、保存安定性にも優れたポリオルガノシロキサ
ン化合物なのである。
【0019】係るポリオルガノシロキサン化合物は、前
記式(1)で示されるオルガノトリクロロシランに対し
て、分子内に一個の活性水素を有する化合物の1種もし
くは2種以上を0.1〜2.0倍モル反応させて、前記
式(4)で示されるオルガノシラン化合物を生成し、つ
いで、オルガノトリクロロシランに対して(1/2)×
(1.0〜2.9)倍モルに相当する水を用いて、生成
した該オルガノシラン化合物のSi−CL基を加水分
解、縮合することによって製造される。
【0020】係るオルガノトリクロロシランとしては、
具体的に、メチルトリクロロシラン、エチルトリクロロ
シラン、n−プロピルトリクロロシラン、n−ブチルト
リクロロシラン、i−ブチルトリクロロシラン、t−ブ
チルトリクロロシラン、ペンチルトリクロロシラン、ヘ
キシルトリクロロシラン、n−ヘプチルトリクロロシラ
ン、n−オクチルトリクロロシラン、i−オクチルトリ
クロロシラン、ノニルトリクロロシラン、n−デシルト
リクロロシラン、ビニルトリクロロシラン、アリルトリ
クロロシラン、フェニルトリクロロシラン、ベンジルト
リクロロシラン、シクロヘキシルトリクロロシラン、
(3−アクリロキシプロピル)トリクロロシラン、メタ
クリロキシプロピルトリクロロシラン、3−クロロプロ
ピルトリクロロシラン等を挙げることができる。
【0021】また、分子内に1個の活性水素を有する化
合物としては、炭素数1〜4の直鎖状または分岐状のア
ルコ−ル、アクリル酸、メタクリル酸、酢酸等が例示で
きる。
【0022】オルガノトリクロロシランと、分子内に1
個の活性水素を有する化合物との反応においては、予め
反応器に該オルガノトリクロロシランを入れておき、こ
れに分子内に1個の活性水素を有する化合物を添加して
反応させる。添加の方法としては一括に添加してもよい
し、時間をかけて滴下してもよい。また使用するオルガ
ノトリクロロシランは溶媒で希釈せずにもしくは溶媒で
希釈したもののいずれを用いても良い。この場合に使用
できる溶媒としては、オルガノトリクロロシランに対し
て不活性なものであれば任意に選択でき、通常用いられ
るベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系
溶媒、ヘキサン等の脂肪族炭化水素系溶媒、ジエチルエ
ーテル、テトラヒドロフランなどのエーテル類等が例示
される。
【0023】分子内に1個の活性水素を有する化合物の
添加量に応じて、オルガノトリクロロシラン中のSi−
CL基が該化合物によって置換され、0〜3置換体の混
合物が得られる。0〜3置換体の存在比は添加する分子
内に1個の活性水素を有する化合物量によって制御さ
れ、反応温度はさほど大きな影響を受けない。そのため
反応温度に対しては特に配慮する必要はないが、安全性
を考慮して、10℃以下とするのが好ましい。また、分
子内に1個の活性水素を有する化合物の使用量はオルガ
ノトリクロロシランに対して0.1〜2.0倍モルが好
ましく、特に好ましくは0.5〜2.0倍モルである。
0.5倍モルより小さいと分子量の増大に伴い、縮合反
応が充分に進行せず、0.2倍モル程度では上記式
(3)に示す理論分子量から外れてくるが、実用上は特
に問題ない。
【0024】ついで、部分的に置換されたオルガノシラ
ン化合物の混合物である反応液に対して水を添加し加水
分解を行う。この際、添加する水の量を、Si−CL基
を加水分解、縮合するに足る必要十分量の水である(3
−n)/2倍モルとすることを特徴としている。水の添
加方法は、安全上あるいは反応上急激な加水分解反応に
よる大量の塩酸の発生を防ぐ目的で、系内への水の拡散
が律速とならない程度の速度で行なう。また同様の理由
から反応温度は15℃以下とするのが好ましい。添加終
了後、加水分解、縮合反応を終結させるため1時間程度
熟成を行なうが、この際には加熱により本反応を促進す
ることも可能である。
【0025】本発明のポリオルガノシロキサン化合物の
製造方法にあっては、前記の式(1)で示されるオルガ
ノトリクロロシランに対して、分子内に一個の活性水素
を有する化合物の1種もしくは2種以上を0.1〜2.
0倍モル反応させ、前記式(4)で示される構造を有す
るオルガノシラン化合物を生成させ、ついで、該オルガ
ノシラン化合物に、オルガノトリクロロシランに対して
(1/2)×(1.0〜2.9)倍モルに相当する水を
添加して、Si−CL基を加水分解、縮合してポリオル
ガノシロキサン化合物を製造する。
【0026】また、本発明のポリオルガノシロキサン化
合物の製造法にあっては 加水分解、縮合反応終了後、
塩基性化合物で、脱クロル反応を行うことが好ましい。
該塩基性化合物としては、アンモニア、1〜3級アミ
ン、塩基性イオン交換樹脂、金属水酸化物などであり、
具体的に1〜3級アミンとしてはメチルアミン、エチル
アミン、エチレンジアミン、ジメチルアミン、ジエチル
アミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン等が、金
属水酸化物としては水酸化リチウム、水酸化ナトリウ
ム、水酸化カリウムといったアルカリ金属水酸化物、水
酸化カルシウム、水酸化バリウムといったアルカリ土類
金属水酸化物等が例示される。
【0027】該塩基性化合物の使用量としては反応系中
に溶存する塩化水素、及び未反応のSi−CL基の合計
量に対して過剰であればよく、該当する量の1.0〜
3.0倍モル程度が好ましい。反応温度は本反応に対し
て特に問題とはならず任意の温度で行なえる。反応時間
に関しては、特に長時間行なうことで残存CL分が低減
化されるといった効果は認められないことから、1〜4
時間程度行なうことでよい。
【0028】さらに、本発明は脱クロル反応後、塩基性
イオン交換樹脂を使用する場合を除いて、水洗により塩
酸塩を除去することが好ましい。水洗方法としては、酸
性化合物の水溶液で反応系中の塩基性化合物を中和し、
かつ塩酸塩を溶解し分離除去する。
【0029】用いる酸性化合物はオルガノシロキサン化
合物の加水分解性基の加水分解を抑えるために弱酸性で
あることが好ましく、この観点から酢酸、ぎ酸等のカル
ボン酸が好適である。以上の工程を経た後でもポリオル
ガノシロキサン化合物中の加水分解性基は加水分解を受
けず保持されることがNMR分析により確認されてお
り、以上のことからポリオルガノシロキサン化合物の品
質に影響を与えずに、脱クロル反応後に生成した塩酸塩
を除去する方法として有用である。
【0030】ポリスチレン換算数平均分子量(MN
は、得られたポリオルガノシロキサン化合物を用いてゲ
ルパ−ミア−シヨンクロマトグラフィ−法で測定する。
測定条件は以下の通り。 ・カラム:東ソ−製カラムG4000X、G3000X
およびG2000Xの3本をこの順序に直列に接続して
使用。 ・カラム温度:40℃。 ・移動相:テトラヒドロフラン、 ・流量:1ml/分、 ・ポンプ:日本分光製PU−980 ・検出器:日本分光製830−RI
【0031】本発明のポリオルガノシロキサン化合物の
繰り返し単位の構造の同定は赤外線吸収スペクトル法お
よび1H−NMR法(核磁気共鳴法)によって行う。そ
の測定条件は以下の通り。 赤外線吸収スペクトル法:日本分光(株)製のIR−7
00、液膜法。 NMR法:日本電子工業(株)製FX−90Q、溶媒:
CDCl3
【0032】
【実施例】以下、実施例、比較例および参考例を用い
て、本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれら
によって何ら限定されるものではない。
【0033】実施例1 n−ヘキシルトリクロロシラン−エタノール、n=0.
75倍モルによる合成窒素気流下で十分に乾燥した30
0ml四ツ口フラスコに、滴下漏斗、冷却管、サンプリ
ング管、保護管を取り付け、n−ヘキシルトリクロロシ
ラン219.6g(1.00mol)、トルエン46.
1gを仕込み、系内を十分に窒素置換した。溶液をマグ
ネティックスターラーで攪拌しながら氷浴上で5゜C以下
に保ち、滴下漏斗より、分子内に1個の活性水素を有す
る化合物として、34.6g(0.75mol)のエタ
ノールを約10分かけて滴下し、部分的にアルコキシ化
されたクロロシラン混合物を得た。この混合物の組成に
ついてトルエンを内部標準物質としたGC分析を行なっ
たところ、エトキシ基による2置換体:1置換体:0置
換体がそれぞれ0.38:0.44:0.18のmol
比で存在していた。引き続き、この溶液に対し氷浴上5
゜C以下で、テトラヒドロフラン(THF)40g、水2
0.3g(1.125mol)の混合液を約4時間かけ
て滴下した。滴下終了後、オイルバスで80゜Cまで加熱
し1時間熟成した。トリエチルアミン20.2gを添加
し反応液を塩基性として1時間加熱撹拌後、エタノール
4.6gを加えて2時間熟成した。得られたスラリーを
酢酸水溶液、炭酸水素ナトリウム水溶液、純水の順で洗
浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。ロータリーエ
ヴァポレーターで溶媒を留去し、130gの無色透明の
液体を得た。この液体のゲルパーミエーションクロマト
グラフィー法(GPC法)による分析を実施したところ
ポリスチレン換算で数平均分子量1297の重合物が生
成していることが判った。また、繰り返し単位の構造を
赤外線吸収スペクトル法および1H−NMR法により測
定した。それぞれ図1及び図2として示す。
【0034】・1H−NMRチャ−トのピ−クの同定 3.8ppm(−O−CH2−CH3、q、2H) 1.2ppm(−O−CH2−CH3、t、3H) 0.5〜1.6ppm(Si−n−Hex、m、18.
6H) ・IRチャ−トのピ−クの同定 2960〜2860cm-1(C−H) 1120〜1020cm-1(Si−O)
【0035】実施例2−21 オルガノトリクロロシラン、アルコールの種類およびそ
れらの仕込み量を後述の表1に示すように変更した以外
は実施例1に準拠してポリオルガノシロキサン化合物を
製造し、ポリスチレン換算分子量の測定を行った。その
結果を後述の表1に示した。また、保存存安定性の評価
として、実施例9により得られた重合物を室温にて30
日間放置後、GPC法による分析を行なったが、高分子
量化等の経時変化は見られなかった。MN(GPC)=
1273であった。
【0036】
【表1】
【0037】実施例22〜24 オルガノトリクロロシラン、アルコールの種類およびそ
れらの仕込み量を後述の表2に示すように変更した以外
は実施例1に準拠してポリオルガノシロキサン化合物を
製造し、ポリスチレン換算分子量の測定を行った。その
結果を後述の表2に示した。
【0038】
【表2】
【0039】
【発明の効果】本発明のポリオルガノシロキサン化合物
は分子構造および分子量の制御されたポリオルガノシロ
キサン化合物であり、分子中のシラノ−ル基含量が少な
く、保存安定性にすぐれている。また、本発明の製造方
法にあっては、、製造時のゲル化等の問題もなく、分子
量の制御されたポリオルガノシロキサン化合物を安価に
製造することができ、ポリオルがノシロキサン化合物の
製造方法として極めて優れている。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1で得られたポリオルガノシロキサン化
合物の赤外線吸収スペクトルチャ−ト。
【図2】実施例1で得られたポリオルガノシロキサン化
合物の1H−NMRチャ−ト

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記式(1)で示されるオルガノトリクロ
    ロシランに対して、分子内に一個の活性水素を有する化
    合物の1種もしくは2種以上を反応させ、ついで水を添
    加して加水分解、縮合させて得られる、分子内に下記式
    (2)で示される繰り返し単位を有し、かつ、ポリスチ
    レン換算数平均分子量MNとして下記式(3)で示され
    る分子量を有するポリオルガノシロキサン化合物。 R1Si(CL)3 (1) R1−Si(OR2n(3 n)/2 (2) (ここで、R1は炭素数1〜18の直鎖状もしくは分岐
    状の飽和炭化水素基、炭素数2〜6の直鎖状もしくは分
    岐状の不飽和炭化水素基、炭素数8〜14のラジカル重
    合性芳香族炭化水素、炭素数3〜8のハロゲン化炭化水
    素基、フェニル基、シクロヘキシル基、アクリロキシプ
    ロピルもしくはメタクリロキシプロピルであり、式2
    中、R2は炭素数1〜4の直鎖状もしくは分岐状の飽和
    炭化水素基、CH3CO基,CH2=CHCO基、CH2
    =CCH3CO基および水素のなかから選択される1種
    以上の基(但し水素が選択される場合は2種以上から選
    択される)、nは0.1〜2.0である)。 MN=(4×A+208)×(1/n)+(4×B+32)+K (3) (ただし、Kは0<K≦1000の範囲の定数、nは
    0.1〜2.0の数値、AおよびBはそれぞれR1およ
    びR2の分子量を示す)
  2. 【請求項2】請求項1記載の式(1)で示されるオルガ
    ノトリクロロシランに対して、分子内に一個の活性水素
    を有する化合物の1種もしくは2種以上を0.1〜2倍
    モル反応させて、下記式(4)で示されるオルガノシラ
    ン化合物を生成し、ついで、オルガノトリクロロシラン
    に対して(1/2)×(1.0〜2.9)倍モルに相当
    する水を用いて、該オルガノシラン化合物のSi−CL
    基を加水分解、縮合することを特徴とする、請求項1に
    記載のポリオルガノシロキサン化合物の製造方法。 R1−Si(OR2n(3 n)/2 (4) (ここで、R1は炭素数1〜18の直鎖状もしくは分岐
    状の飽和炭化水素基、炭素数2〜6の直鎖状もしくは分
    岐状の不飽和炭化水素基、炭素数8〜14のラジカル重
    合性芳香族炭化水素、炭素数3〜8のハロゲン化炭化水
    素基、フェニル基、シクロヘキシル基、アクリロキシプ
    ロピルもしくはメタクリロキシプロピルであり、式2
    中、R2は炭素数1〜4の直鎖状もしくは分岐状の飽和
    炭化水素基、CH3CO基,CH2=CHCO基、CH2
    =CCH3CO基および水素のなかから選択される1種
    以上の基(但し水素が選択される場合は2種以上から選
    択される)、nは0.1〜2.0である)。
  3. 【請求項3】 分子内に1個の活性水素を有する化合物
    が、炭素数1〜4の直鎖状もしくは分岐状のアルコ−
    ル、アクリル酸、メタクリル酸および酢酸から選ばれた
    1種以上の化合物である請求項2記載のポリオルガノシ
    ロキサン化合物の製造方法。
  4. 【請求項4】請求項2〜請求項3のいずれか1項に記載
    のポリオルガノシロキサン化合物の製造方法において、
    加水分解、縮合反応終了後、塩基性化合物で脱クロル反
    応を行うことを特徴とするポリオルガノシロキサン化合
    物の製造方法。
  5. 【請求項5】塩基性化合物が、アンモニア、1〜3級ア
    ミン、塩基性イオン交換樹脂および金属水酸化物のなか
    から選ばれる1種以上の塩基性化合物である請求項4記
    載のポリオルガノシロキサン化合物の製造方法。
  6. 【請求項6】 脱クロル反応後、塩基性イオン交換樹脂
    を使用する場合を除いて、反応液を水洗し、塩酸塩を除
    去することを特徴とする請求項4もしくは請求項5のい
    ずれか1項記載のポリオルガノシロキサン化合物の製造
    方法。
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