JP2000264923A - フルオロ飽和炭化水素基含有機能性材料 - Google Patents

フルオロ飽和炭化水素基含有機能性材料

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JP2000264923A JP6566099A JP6566099A JP2000264923A JP 2000264923 A JP2000264923 A JP 2000264923A JP 6566099 A JP6566099 A JP 6566099A JP 6566099 A JP6566099 A JP 6566099A JP 2000264923 A JP2000264923 A JP 2000264923A
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 分子間相互作用が大きく、室温はもとより高
温でも分子集合体を安定に形成し、有機物質を捕捉し、
有用物質包含体を形成したり、包含させた物質に対して
反応場を与えうる、溶媒溶解性に優れ取扱いやすい機能
性材料を提供する。 【解決手段】 上記材料として、一般式 〔式中、Rfは炭素数1〜29のフルオロ飽和炭化水素
基を、Rは水素原子又は炭素数1〜5のアルキル基を、
Zは一般式 −NH−A−X−Q(ここで、Aは分岐鎖
を有していてもよい炭素数1〜6のアルキレン基を、X
はカルボニル基、−O−CO−又は−O−CO−NH−
を、Qは水素原子、又は炭素数1〜10の、アルキル
基、ヒドロキシアルキル基、アミノアルキル基、アルキ
ルアミノアルキル基、ジアルキルアミノアルキル基又は
アルコキシアルキル基をそれぞれ示す)で表わされる基
を、xは自然数をそれぞれ示す〕で表わされるフルオロ
飽和炭化水素基含有化合物を有効成分とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規なフルオロ飽
和炭化水素基含有機能性材料に関する。
【0002】
【従来の技術】有機化合物中にフルオロアルキル基を含
有する化合物は、耐候性、撥水撥油性、生理活性等の有
用な性質を示す。従来、基材の改質に際しては、種々の
フッ素系材料が使用されており、特に基材の保護、美粧
性、撥水撥油性、絶縁性、離型性、防汚性等の特性を付
与する目的で、フルオロアクリレートポリマー等が使用
されている。しかし、これらのフッ素樹脂等は、溶解性
や安全性の問題から使用できる溶剤の種類に限りがあ
り、さらに同様の理由で、樹脂中に導入されるフッ素原
子の数には限りがあった。また、フルオロアルキル基が
エステル基を介して導入されていると、加水分解されや
すいという欠点があり、耐候性の点で問題がある。
【0003】また、フルオロアルキル基の持つ物質の低
表面エネルギー性は、表面張力を調整するのに着目され
ており、ペルフルオロアルキルスルホニルフルオライド
やペルフルオロアルキルカルボニルフルオライドに、ア
ミド基やエステル基を介してポリエーテル基を結合させ
た界面活性剤や、パーフルオロアルキルカルビノールに
エチレンオキサイドを反応させたポリエーテル系界面活
性剤が表面張力低下剤としてよく知られている。しか
し、これらの表面張力低下剤は、収率や耐加水分解性の
点で問題がある。
【0004】分子中に、長鎖アルキル基を有し、かつア
ミド基やエステル基、カルボニル基等の水素結合性官能
基をもつ物質は、分子間相互作用により分子同士が自己
集合により分子集合体を形成する。これらの分子集合体
は、一般に、その作用や存在形態、存在部位等により二
分子膜構造(ラメラ構造)、ヘキサゴナル構造、ミセル
構造、リポソーム構造、液晶構造等と呼ばれ、場合によ
っては、特定の溶媒中でその溶媒を集合体中に包含し疑
似固体となった、いわゆるゲル構造と呼ばれることもあ
る。これらの分子集合体中には、特定の条件下におい
て、物質を捕捉することが可能であり、それゆえ有用物
質包含体を形成したり、包含した物質に対して反応場を
提供することが可能である。
【0005】しかし、これらの分子間相互作用は比較的
弱く、水素結合も加熱により弱体化し、高温では分子集
合体が解体してしまうという問題があった。また分子間
相互作用の強化のため、アルキル基同士の相互作用を強
化すると必然的にアルキル鎖長が長くなり溶媒溶解性が
悪化するなどの取扱性の点で問題があった。同様に、水
素結合性官能基の数を増やすと分子内あるいは分子間凝
集が発生して、溶媒溶解性が悪化したり物質包含性が無
くなる等の問題が生じる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、分子
間相互作用が大きく、室温はもとより高温でも分子集合
体を安定に形成し、有機物質を捕捉し、有用物質包含体
を形成したり、包含させた物質に対して反応場を与えう
る、溶媒溶解性に優れ取扱いやすい機能性材料を提供す
ることにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記した
好ましい特性を有する機能性材料を開発すべく鋭意研究
を行った結果、末端にフルオロ飽和炭化水素基が直接炭
素−炭素結合を介して導入され、さらにその構造中に親
水性かつ水素結合性官能基である、アミド基及び、カル
ボニル基、カルボキシル基又はそのエステル又はアミド
誘導体、又はウレタン結合を有する特定の化合物がその
目的に適合しうることを見出し、この知見に基づいて本
発明をなすに至った。
【0008】すなわち、本発明は、一般式
【化3】 〔式中、Rfは酸素原子が介在していてもよく、塩素原
子で置換されていてもよい炭素数1〜29のフルオロ飽
和炭化水素基を、Rは水素原子又は炭素数1〜5のアル
キル基を、ZはN末端アミノ酸残基又はN末端オリゴペ
プチド残基、又はそのエステル又はアミド誘導体、又は
一般式 −NH−A−X−Q (ここで、Aは分岐鎖を有していてもよい炭素数1〜6
のアルキレン基を、Xはカルボニル基、−O−CO−又
は−O−CO−NH−を、Qは水素原子、又は炭素数1
〜10の、アルキル基、ヒドロキシアルキル基、アミノ
アルキル基、アルキルアミノアルキル基、ジアルキルア
ミノアルキル基又はアルコキシアルキル基をそれぞれ示
す)で表わされる基を、xは自然数をそれぞれ示す〕で
表わされるフルオロ飽和炭化水素基含有化合物を有効成
分とするフルオロ飽和炭化水素基含有機能性材料、特に
表面張力低下剤、塗料添加剤、樹脂添加剤、記録液添加
剤、ルミネセンスエンハンサーのような発光強度増強剤
を提供するものである。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明のフルオロ飽和炭化水素基
含有機能性材料(以下、本発明機能性材料と称す)は、
前記一般式(I)のフルオロ飽和炭化水素基含有化合物
(以下、化合物(I)と称す)を有効成分とするもので
あって、化合物(I)におけるRは水素原子又はメチル
基が好ましい。また、化合物(I)におけるRfは−
(CF2pX(pは1〜10の整数を、Xはフッ素原
子、塩素原子又は水素原子を示す)、−CF(CF3
〔OCF2CF(CF3)〕q−OC37(qは0〜8の
整数を示す)、パーフルオロシクロヘキシル基であるの
が好ましい。
【0010】また、化合物(I)におけるZがN末端ア
ミノ酸残基又はN末端オリゴペプチド残基である場合に
は、該置換基はアミノ酸又はオリゴペプチドを構成する
アミノ酸(好ましくはこれらのアミノ酸はα‐アミノ酸
である)のアミノ基において置換されたものであり、さ
らにZはこのようなもののエステル又はアミド誘導体で
あってもよい。
【0011】Zが−NH−A−CO−Qである場合に
は、Aはエチレン、プロピレン、トリメチレン、1,1
‐ジメチルエチレンなどの炭素数2〜5のものが好まし
い。また、Qはメチル基、エチル基、プロピル基、イソ
プロピル基などの炭素数1〜4のアルキル基が好まし
い。
【0012】化合物(I)として特に好ましいのは、一
般式
【化4】 〔ここで、Rfは−(CF2pX(pは1〜10の整数
を、Xはフッ素原子、塩素原子又は水素原子を示す)、
−CF(CF3)〔OCF2CF(CF3)〕q−OC37
(qは0〜8の整数を示す)又はパーフルオロシクロヘ
キシル基を、R1は水素原子又はメチル基をそれぞれ示
す〕で表わされるものである。
【0013】化合物(I)の数平均分子量(Mn)は、
通常、500〜100000の範囲で選ばれるが、フル
オロアルキル基などのフルオロ飽和炭化水素基の特徴を
顕著に発現させ分子集合体を効率よく形成させるため、
さらには目的物の製造効率を向上させるためには500
〜50000とするのが好ましい。なお、化合物(I)
においてはフルオロ飽和炭化水素基Rf又はRf′が片
末端にのみ導入されたものが反応副生物などとして少量
混入される場合であってもその程度の量ならば差し支え
ない。
【0014】化合物(I)において、Rの炭素数が6以
上、Aのアルキレン基の炭素数が7以上、又はQの各官
能基の炭素数が11以上である場合、溶媒溶解性等が低
下し、またそのために製造困難となる。
【0015】化合物(I)は、末端にフッ素基含有飽和
炭化水素基を有しかつ親水性官能基を有するため、メタ
ノール、エタノールを初めとする親水性溶媒はもとよ
り、ベンゼン、トルエン等の疎水性溶媒などの幅広い種
類の溶媒に溶解させることが可能となり、取扱い性が大
きく向上しているのである。
【0016】化合物(I)は、一般式 RfC(=O)OO(O=C)Rf (II) (ここで、Rfは前記したと同様の意味を示す)で示さ
れる過酸化アシルと、一般式 CH2=CR−CO−Z (III) (ここで、R及びZはそれぞれ前記したと同様の意味を
示す)で示されるビニル系モノマーを反応させることに
より得られる。
【0017】一般式(II)の過酸化アシル(以下過酸
化アシルと称する)として好ましいのは、Rfが−(C
2pXのものについては−(CF23F、−(C
24F、−(CF25F、−(CF26F、−(CF
27F、−(CF28F、−(CF29F、−(C
210Fで示されるパーフルオロアルキル基であるも
のが、また−CF(CF3)〔OCF2CF(CF3)〕q
−OC37のものについては、qが0、1、2、3、4
又は5である、酸素原子が介在するパーフルオロアルキ
ル基であるものであり、またRfがパーフルオロシクロ
ヘキシル基であるものである。
【0018】また、一般式(III)のビニル系モノマ
ー(以下ビニル系モノマーと称する)としては、一分子
中に1個のラジカル反応性不飽和結合を有し、かつアミ
ド基及び、カルボニル基、カルボキシル基又はそのエス
テル誘導体、又はウレタン結合等の水素結合性官能基を
合わせ持つものが好ましい。このようなモノマーとして
は、メタ(アクリル)酸モノマーのカルボキシル基と、
アミノ酸、オリゴペプチド、又はそのエステルのN末端
部とのアミド化反応により生成される化合物、例えばN
‐アクリロイル‐L‐プロリンメチルエステル、N‐メ
タクリロイル‐L‐アラニン、N‐メタクリロイルグリ
シン、N‐メタクリロイル‐L‐アラニル‐L‐アラニ
ン、N‐メタクリロイル‐L‐アラニンメチルエステル
(以上群馬大及び原子力研究所・高崎「1997年日本
化学会要旨集、1998年高分子学会要旨集」等)、水
酸基含有(メタ)アクリルアミドモノマー(例えば、N
‐2‐ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミドやN‐
3‐ヒドロキシプロピル(メタ)アクリルアミド等)の
末端水酸基と、飽和脂肪族カルボン酸(例えばアルカン
カルボン酸等)のカルボキシル基とのエステル化反応に
より生成される化合物、前記水酸基含有(メタ)アクリ
ルアミドモノマーの末端水酸基と、飽和脂肪族イソシア
ネート化合物(例えばアルキルイソシアネート化合物
等)のイソシアナト基とのウレタン化反応により生成さ
れる化合物、及びN‐(1,1‐ジメチル‐3‐オキソ
ブチル)アクリルアミド(慣用名「ダイアセトンアクリ
ルアミド」)等が挙げられるが、収率やコスト、取り扱
い性の点から考慮すると、N‐(1,1‐ジメチル‐3
‐オキソブチル)アクリルアミドが好ましい。
【0019】前記反応において、各反応成分の使用割合
は、ビニル系モノマーが過酸化アシルに対し、仕込みモ
ル比で0.1〜100、好ましくは0.5〜50、より
好ましくは1〜10の範囲である。このビニル系モノマ
ーの仕込みモル比が0.1未満では、過酸化アシルの自
己分解に起因する生成物が大量に発生するし、また10
0を超えると目的生成物の収率が著しく低下するので好
ましくない。
【0020】また、この仕込みモル比を調整することに
より、得られる生成物の分子量を調節することができ
る。例えばこの比を小さくして、過酸化アシルの使用量
(仕込み量)をビニル系モノマーのそれに対し高くする
と低分子量の化合物(I)を得ることができるし、また
この比を大きくして過酸化アシルの使用量(仕込み量)
をビニル系モノマーのそれに対し低くすると高分子量の
化合物(I)を得ることができる。
【0021】反応条件については、各種原料の種類や使
用割合などにより変動するが、通常、常圧下、−20〜
150℃、好ましくは0〜100℃の範囲の反応温度が
用いられる。反応温度が−20℃未満では反応時間が長
くなるし、また150℃を超えても反応時の圧力が高く
なりすぎて系の制御が困難となるので好ましくない。さ
らに、反応時間は通常0.5〜20時間の範囲である
が、実用的には1〜10時間となるように条件を設定す
るのが望ましい。
【0022】このような反応条件下において、過酸化ア
シルとビニル系モノマーを反応させることにより、目的
の化合物(I)を直接一段階反応で得ることができる
が、反応をより円滑に行うために有機溶媒を用いるのが
好ましい。
【0023】このような有機溶媒としてはハロゲン化脂
肪族溶媒、ハロゲン化芳香族溶媒が特に好ましい。具体
的には、塩化メチレン、クロロホルム、2‐クロロ‐
1,2‐ジブロモ‐1,1,2‐トリフルオロエタン、
1,2‐ジブロモヘキサフルオロプロパン、1,2‐ジ
ブロモテトラフルオロエタン、1,1‐ジフルオロテト
ラクロロエタン、1,2‐ジフルオロテトラクロロエタ
ン、フルオロトリクロロメタン、ヘプタフルオロ‐2,
3,3‐トリクロロブタン、1,1,1,3‐テトラク
ロロテトラフルオロプロパン、1,1,1‐トリクロロ
ペンタフルオロプロパン、1,1,2‐トリクロロトリ
フルオロエタン、1,1,1,2,2‐ペンタフルオロ
‐3,3‐ジクロロプロパン、1,1,2,2,3‐ペ
ンタフルオロ‐1,3‐ジクロロプロパン、ベンゾトリ
フルオリド、ヘキサフルオロキシレン、ペンタフルオロ
ベンゼン等を使用することができ、殊に工業的には1,
1,1,2,2‐ペンタフルオロ‐3,3‐ジクロロプ
ロパン、1,1,2,2,3‐ペンタフルオロ‐1,3
‐ジクロロプロパン、ベンゾトリフルオリド等の溶媒あ
るいはこれらの溶媒が任意の割合で混合された混合溶媒
〔例えば旭硝子社製、AK‐225(1,1,1,2,
2‐ペンタフルオロ‐3,3‐ジクロロプロパン:1,
1,2,2,3‐ペンタフルオロ‐1,3‐ジクロロプ
ロパン=1:1.35)〕が好適である。
【0024】前記溶媒を使用する場合、通常溶媒中の過
酸化アシルの濃度が0.1〜50重量%、中でも0.1
〜30重量%であるのが望ましい。
【0025】このようにして得られる化合物(I)は、
再沈殿法、カラムクロマトグラフィー法、透析法、蒸留
法等で精製することができる。
【0026】本発明機能性材料は、化合物(I)を有効
成分としてなるものであって、表面張力低下性を有し、
同時に優れた湿潤性、展着性、流動性、分散性、乳化
性、潤滑性を有しているため、多方面での応用、例え
ば、高分子化合物やオリゴマー等の製造における重合用
乳化剤、塗料についてレベリングを向上させたり、消泡
したりするための添加剤、家庭用品、農薬、繊維製品等
の乳化剤、分散剤、安定剤等として有用である。
【0027】これは、化合物(I)の末端フルオロ飽和
炭化水素基による疎水性や疎油性分子間相互作用に起因
する強力な凝集作用と、アミド基、カルボニル基などの
水素結合性官能基、アミノ酸残基に起因する分子間相互
作用が生じる結果、自己集合に基づく分子集合体が形成
されることによるものと推測される。
【0028】本発明機能性材料について、さらに詳しく
以下に説明する。本発明機能性材料は、耐水性、耐溶剤
性、潤滑性、離型性、耐候性に優れているため、樹脂類
に添加しあるいは表面処理を施すことで、その性能を飛
躍的に向上させることができる樹脂改質剤として有用で
ある。このような樹脂改質剤は、その使用目的等に応
じ、樹脂表面に対する表面処理剤として、また樹脂添加
剤として用いられる。
【0029】樹脂表面処理剤として使用する場合は、通
常、本発明機能性材料は適当な有機溶媒に溶解させて液
状としたのち、直接基材樹脂表面に適用されるが、更に
密着性を向上させるために、ウレタン樹脂、アクリル樹
脂、アクリルウレタン樹脂、塩化ビニル樹脂、エポキシ
樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリエステル樹脂等の公知
の樹脂を単独であるいは2種以上混合して本発明機能性
材料と併用し、上記と同様に有機溶媒に溶解させて液状
としたのち、基材樹脂表面に適用することも可能であ
る。この際用いられる有機溶媒としては、例えばメタノ
ール、エタノール、イソプロパノール、テトラヒドロフ
ラン、酢酸エチル、ベンゼン、トルエン、ジメチルホル
ムアミド、ジメチルスルホキシド、ジクロロメタン、ト
リクロロメタン、アセトン、四塩化炭素等の単独あるい
は混合溶媒が挙げられる。
【0030】このように、樹脂表面処理剤は液状として
はけ塗り、スプレーコーティング、ロールコーティン
グ、グラビアコーティング、ナイフコーティング、ディ
ップコーティング等の公知のコーティング方法に付され
る。
【0031】また、樹脂添加剤として使用する場合は、
通常、本発明機能性材料は、原料樹脂に通常配合される
添加剤、例えば紫外線吸収剤、酸化防止剤、着色剤、安
定剤、可塑剤等とともにあらかじめ添加される。この場
合、本発明機能性材料は、両末端にフルオロ飽和炭化水
素基を有しているため、成形時にフツ素基に起因する親
気性により効率よく表面配向しうることから、本発明の
所期の効果を発揮させるのに添加量が少量ですむので、
原料樹脂固有の性質を変化させることなく改質すること
ができる。
【0032】本発明機能性材料を樹脂改質剤として使用
するに当り、その用量は通常、表面処理剤の場合には、
該剤中0.05〜10重量%、好ましくは0.1〜5重
量%、樹脂添加剤の場合には樹脂成分に対し0.05〜
10重量部、好ましくは0.1〜5重量部の範囲で選ば
れる。いずれの場合も、この量が少なすぎると添加効果
が十分には発揮されないし、また多すぎても基材となる
樹脂の性質に影響を及ぼし、またコスト的にも不利とな
る。
【0033】また、本発明機能性材料は塗料添加剤とし
ても有用である。該剤は、アルキッドメラミン樹脂、ア
クリルウレタン樹脂、アクリルメラミン樹脂、ウレタン
樹脂、アクリル樹脂、塩化ビニル樹脂、エポキシ樹脂、
ポリオレフィン樹脂、ポリエステル樹脂等をベースとす
る、通常用いられている塗料に対し、予めあるいはその
使用時に添加すればよく、また塗装時にフルオロ飽和炭
化水素基の親気性により効率よく表面配向しうるので、
添加量が少量でも本発明機能性材料の効果が発揮され
る。また、フッ素系塗料に対しても、本発明機能性材料
はフルオロ飽和炭化水素基を有しているため、相溶性良
く混和しうる。
【0034】このような塗料添加剤としての使用割合は
通常、それが添加される塗料の樹脂分に対して0.05
〜10重量部、好ましくは0.1〜5重量部の範囲で選
ばれる。この量が少なすぎると添加効果が十分には発揮
されないし、また多すぎても基材となる樹脂の性質に影
響を及ぼし、またコスト的にも不利となる。
【0035】また、本発明機能性材料は、分子間相互作
用に因る分子集合体を形成し、その内部に有機物質、例
えば色素等を包接又は包含する性質がある。本発明機能
性材料は、このような性質を応用して、記録液添加剤と
しても有用である。
【0036】本発明機能性材料を水系記録液添加剤とし
て使用する場合は、水系記録液に添加成分として通常用
いられているものと共に添加され、適宜、ディスパー、
サンドミル、ホモジナイザー、ボールミル、ペイントシ
ェーカー、超音波分散機等を用いて分散し、高速分散
機、羽式撹拌機、乳化機等により混合、撹拌して所望の
水系記録液に調製される。この際、本発明機能性材料は
そのまま、あるいはメタノール、エタノール、イソプロ
パノール、テトラヒドロフラン、ジオキサン、アセト
ン、ジメチルスルホキシド等にあらかじめ溶解して添加
すればよく、また、その添加量は通常、記録液全体の
0.01〜5重量部の範囲で選ばれる。この量が少なす
ぎると添加効果が十分には発揮されないし、また多すぎ
ても記録液の性質を変化させてしまう。
【0037】上記常用の添加成分としては、例えば着色
剤(例えばカラーインデックスに掲載されている従来公
知のブラック系、イエロー系、マゼンタ系、シアン系の
基礎染料、直接染料、酸性染料、食品染料等の各種水溶
性染料等)、水、水溶性有機溶媒(例えばメタノール、
エタノール、イソプロパノール、テトラヒドロフラン、
ジオキサン、アセトン、グリセリン、ポリエチレングリ
コール、プロピレングリコール、ジエチレングリコー
ル、ジエチレングリコールモノメチル(またはエチル)
エーテル、2‐ピロリドン、尿素、1,2,3‐ヘキサ
ントリオール、チオグリコール、ジメチルスルホキシド
等)、浸透剤(例えば、ジエチレングリコールモノブチ
ルエ−テル、トリエチレングリコールモノブチルエーテ
ル、高分子系活性剤等)、分散剤(水溶性あるいは水分
散性樹脂等)、各種界面活性剤、糖類(例えば、グルコ
ース、マンノース、マルトース、フラクトース等)、粘
度調整剤(例えば、ポリビニルアルコール、セルロース
類、水溶性樹脂等)、表面張力調整剤(例えば、シリコ
ン系やフツ素系のもの等)、比抵抗調整剤、pH調整
剤、酸化防止剤、防カビ剤(例えば、安息香酸ナトリウ
ム、5‐クロロ‐2‐メチル‐4‐イソチアゾリン‐3
‐オン、2‐メチル‐4‐イソチアゾリン‐3‐オン
等)、キレート剤(例えば、エチレンジアミン四酢酸及
びそのナトリウム塩、ジアンモニム塩、テトラアンモニ
ウム塩等)、消泡剤等が挙げられる。
【0038】このようにして、水系記録液に添加される
本発明機能性材料は、記録液中において分子集合体を作
り、その内部に着色剤を内包する。それにより、前記記
録液により記録された文字や図表等に耐水性、耐候性、
耐熱性等を付与することができる。また、本発明機能性
材料は、低表面張力性、潤滑性等を併せ持つため、前記
水性記録液の成分である浸透剤、分散剤、表面張力調整
剤、比抵抗調整剤、消泡剤等の機能を増強あるいは代行
することが可能である。このようにして調製された本発
明機能性材料含有水系記録液は、インクジェット印刷用
インクや水性ペン、カラー液晶画面のカラーフィルター
作成等への応用が可能である。
【0039】また、本発明機能性材料を油系記録液添加
剤として使用する場合は、油系記録液に、通常用いられ
る添加成分、例えば着色剤(例えば、カラーインデック
スに掲載されているソルベントブラック、スピロンブラ
ック等の油溶性ブラック系染料、ソルベントイエロー、
スピロンイエロ−等の油溶性染料、ソルベントレッド、
スピロンレッド、バリファーストレッド等の油溶性マゼ
ンタ系染料、ソルベントブルー、スピロンブルー、バリ
ファーストブルー等の油溶性シアン系染料等)、非水溶
性極性溶剤(例えば、ベンジルアルコール、フェニルエ
チルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテ
ル、プロピレングリコールフェニルエーテル等)、非水
溶性分散剤(例えば、ポリオキシエチレンアルキルアミ
ン等の非水溶性有機アミン等)、オイル系潤滑剤(例え
ば、ラウリン酸、オレイン酸等)、増粘剤(水添ロジン
樹脂、ケトン樹脂等)などと共に添加して所望の油系記
録液に調製される。
【0040】また、上記添加成分に加え、分散質(例え
ば、架橋型アクリル樹脂及び中和剤としてのトリエタノ
ールアミンや界面活性剤等)、多価アルコール(例え
ば、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリ
セリン、ジエチレングリコール等)、水などを併用すれ
ば、W/O油系エマルションタイプの記録液を作成する
ことができる。この場合も、前記水系記録液の場合と同
様、本発明機能性材料はそのままあるいは適当な有機溶
媒、例えばベンジルアルコール、フェニルエチルエーテ
ル等にあらかじめ溶解して添加すればよく、また、その
添加量は通常、記録液全体の0.01〜5重量%の範囲
とすればよい。この量が少なすぎると添加効果が十分に
は発揮されないし、また多すぎても記録液の性質を変化
させてしまう。
【0041】このようにして添加された本発明機能性材
料は油系記録液中で分子集合体を形成し、着色剤を内包
することで、耐水性、耐候性、耐熱性等を一層強化する
ことができる。また、本発明機能性材料は、低表面張力
性、潤滑性等を併せ持つため、前記油系記録液の成分で
ある浸透剤、分散剤、表面張力調整剤、比抵抗調整剤、
消泡剤等の機能を増強あるいは代行することが可能であ
る。このようにして調製された本発明機能性材料含有油
系記録剤は、サインペン、マーカーペン、ボールペン等
のインクとしての応用が可能である。
【0042】また、本発明機能性材料は、発光強度増強
剤、特に化学ルミネセンスを示すルミノールやイソルミ
ノールやこれらの誘導体のルミノール発光反応を増強す
るエンハンサーとして有用である。例えば、ルミノール
やイソルミノールやこれらの誘導体は、通常、アルカリ
性条件下において、過酸化水素、銅イオンや鉄イオン等
の金属イオン等の発光触媒存在下で、励起状態にある3
‐アミノフタル酸イオンと窒素に分解し、この励起状態
の3‐アミノフタル酸イオンが基底状態へと移行する際
に発光する。
【0043】本発明機能性材料は、前記の如く分子間相
互作用により形成された分子集合体中に、ルミノールや
イソルミノールやこれらの誘導体を包接することができ
る。さらに、これらの包接場においては、励起状態にあ
る3‐アミノフタル酸イオンの基底状態への移行頻度が
上昇するため発光が増強されると考えられる。
【0044】本発明機能性材料を、ルミネセンスエンハ
ンサーとして利用する場合には、発光物質たるルミノー
ル、イソルミノール及びその誘導体〔例えば、N‐(4
‐アミノブチル)‐N‐エチルイソルミノールヘミスク
シミド、N‐(6‐アミノヘキシル)‐N‐エチルイソ
ルミノール、N‐(4‐アミノブチル)‐N‐エチルイ
ソルミノ−ル等〕、銅イオンや鉄イオン等の金属イオン
〔例えば、ヘキサシアノ鉄(III)カリウムや銅のア
ンミン錯塩等〕、酸化剤(例えば過酸化水素等)等の主
要成分を、アルカリ性に調製した緩衝液や、水酸化ナト
リウムや水酸化カリウム等を添加してアルカリ性とした
水に溶解・分散させて使用すればよい。
【0045】このような緩衝液の例としては、炭酸、リ
ン酸、ホウ酸、アミノ酸、クエン酸のようなオキシカル
ボン酸等の酸又はその塩系の緩衝液、2,4,6‐コリ
ジン−塩酸緩衝液、トリス(ヒドロキシメチルアミノメ
タン)−塩酸緩衝液、2‐アミノ‐2‐メチル‐1,3
‐プロパンジオール−塩酸緩衝液、2‐アミノ‐2‐メ
チル‐1‐プロパノール−塩酸緩衝液、グッドバッファ
ー(商品名)の内、最適pH範囲がアルカリ条件下にあ
るもの(例えばBES緩衝液、MOPS緩衝液、TES
緩衝液、HEPES緩衝液、DIPSO緩衝液、TAP
SO緩衝液、POPSO緩衝液、HEPPSO緩衝液、
EPPS緩衝液、Tricine緩衝液、Bicine
緩衝液、TAPS緩衝液、CHES緩衝液、CAPSO
緩衝液、CAPS緩衝液等)などが挙げられる。
【0046】上記ルミネセンスエンハンサーとして用い
る場合、本発明機能性材料は、発光反応液中に0.00
1〜10.0重量%、好ましくは0.01〜2.0重量
%となるように添加すればよく、予め緩衝液等に溶解、
分散させて使用すればよい。この添加量が0.001重
量%より少ないと本発明機能性材料が発光体である発光
物質を十分には包接することができなくなるし、また1
0.0重量%より多くても余剰の本発明機能性材料が反
応系内に沈殿してくる。
【0047】このようなルミネセンスエンハンサーを使
用したルミノール発光系は、血液検出系のような特殊分
析系や、環境ホルモン量測定、健康診断の際の血液検
査、癌やエイズ等の各種病理診断薬の分野において、検
出系にルミネセンスを応用した免疫学的測定法(例え
ば、化学発光免疫測定法や化学発光酵素免疫測定法等)
を適用することが可能であるし、また免疫学的病理染色
分野においても、目的とする抗原の検出系に応用でき
る。
【0048】
【実施例】以下、実施例により本発明を更に詳しく説明
するが、本発明はこれらの例により何ら限定されるもの
ではない。なお、分析方法としてIRスペクトルは島津
製作所製FTIR‐8200PC型を使用し、NMR‐
スペクトルはバリアン社製Unityplus500
(500MHz)を使用した。分子量測定には、島津製
作所製高速液体クロマトグラフィーLC‐6AD(示差
屈折率検出器:同RID‐6A、カラム:SHODEX
製GPC KF‐802.5)を用いて標準プルランの
校正曲線により化合物の分子量を測定した。また、接触
角測定には、協和界面科学製自動接触角計CA‐Z型
を、表面張力測定には協和界面科学製表面張力計CBV
P‐A3型を、蛍光強度測定にはアロカ社製ルミネセン
スリーダーBLR−201をそれぞれ使用した。
【0049】合成例1 撹拌器、冷却器、温度制御装置を備えた300mlの反
応器に、ダイアセトンアクリルアミド(協和発酵工業社
製)(以下DAAMと称する)3.00mmol(0.
51g)をAK‐225(旭硝子社製、1,1,1,
2,2‐ペンタフルオロ‐3,3‐ジクロロプロパン:
1,1,2,2,3‐ペンタフルオロ‐1,3‐ジクロ
ロプロパン=l:l.35(モル比)の混合溶媒)10
0gに溶解した溶液を加えたのち、過酸化ジ(パーフル
オロブチリル)2.00mmol(0.85g)をAK
‐225の30gに溶解させたものを加え、窒素気流下
45℃で5時間反応させた。こうして得られた淡黄色透
明生成物を乾燥させ、次いで、AK‐225−ヘキサン
系による再沈殿で精製したところ、式
【化5】 (但し、Rf=C37)で示されるフルオロアルキル基
含有化合物(以下合成物1と称する)0.65gが得ら
れた。
【0050】合成例2 過酸化ジ(パーフルオロブチリル)2.00mmo1に
代えて、過酸化ジ(パーフルオロ‐2‐メチル‐3‐オ
キサヘキサノイル)5.00mmol(3.29g)を
使用し、ダイアセトンアクリルアミドの量を15.0m
mol(2.54g)に変えた以外は、合成例1と同様
にして反応させ、式(J)〔但し、Rf=CF(C
3)OC37〕のフルオロアルキル基含有化合物(以
下合成物2と称する)2.96gを得た。
【0051】合成例3 過酸化ジ(パーフルオロブチリル)2.00mmo1に
代えて、過酸化ジ(パーフルオロ‐2,5‐ジメチル‐
3,6‐ジオキサノナノイル)2.00mmo1(1.
98g)を使用し、ダイアセトンアクリルアミドの量を
7.00mmol(1.18g)に変えた以外は、合成
例1と同様に反応させ、式(J)〔但し、Rf=CF
(CF3)OCF2CF(CF3)OC37〕のフルオロ
アルキル基含有化合物(以下合成物3と称する)0.7
7gを得た。
【0052】合成例4 過酸化ジ(パーフルオロブチリル)2.00mmo1に
代えて、過酸化ジ(パーフルオロ‐2,5,8‐トリメ
チル‐3,6,9‐トリオキサドデカノイル)1.00
mmo1(1.32g)を使用し、ダイアセトンアクリ
ルアミドの量を4.00mmol(0.68g)に変え
た以外は、合成例1と同様に反応させ、式(J)〔但
し、Rf=CF(CF3)OCF2CF(CF3)OCF2
CF(CF 3)OC37〕のフルオロアルキル基含有化
合物(以下合成物4と称する)1.14gを得た。
【0053】比較合成例1 撹拌器、冷却器、温度制御装置を備えた300mlの反
応器にダイアセトンアクリルアミド100mmo1(1
6.9g)をベンゼン(東京化成社製、試薬特級)10
0gに溶解した溶液を加え、85℃まで撹拌しながら昇
温させた。次いで、2,2′‐アゾビス(イソブチロニ
トリル)(東京化成社製、試薬1級)3mmol(0.
50g)をジクロロメタン20gに溶解したものを窒素
気流下2時間かけて滴下したのち、95℃まで昇温し6
時間反応させ、次いで溶媒を留去し、式
【化6】 で示される淡黄色固体生成物(以下比較合成物1と称す
る)12.0gを得た。
【0054】参考例1 合成例1〜4及び比較合成例1により得られた、合成物
1〜4及び比較合成物1について、収率、数平均分子量
を次のようにして求めた。その結果を表1に示す。 収率:原料の仕込み量から算出。 数平均分子量:溶媒にテトラヒドロフランを用い、前記
装置によるゲルろ過法により測定。 なお、表中(RfCO22は各種過酸化フルオロアルカ
ノイルを示す。
【0055】
【表1】
【0056】参考例2 合成物1〜4について、FT−IRデータ及びNMRデ
ータを測定した。その結果を表2に示す。なお、FT−
IRは前記装置を用いてKBr法で測定した。NMRは
前記装置を用い、溶媒に1H−NMR、19F−NMR共
に重クロロホルムを用いて測定した。なお、19F−NM
Rにおいては、外部対照サンプルとしてトリフルオロ酢
酸を用いた。FT−IRの測定数値単位はcm-1、NM
Rの測定数値単位(δ)はppmである。
【0057】
【表2】
【0058】参考例3 合成物1〜4及び比較合成物1について、各種溶媒に対
する溶解性を調べ、次の基準で評価した。その結果を表
3に示す。 ○:溶解する。 △:均一分散。 ×:溶解しない。
【0059】
【表3】
【0060】表中、MeOH、EtOH、THF、Ac
OEt、DMF及びDMSOはそれぞれメタノール、エ
タノール、テトラヒドロフラン、酢酸エチル、ジメチル
ホルムアミド及びジメチルスルホキシドを示す。表3よ
り、合成物1〜4は幅広い溶媒に溶解することが分か
る。
【0061】実施例1(表面張力低下剤) 合成物1〜4及び比較合成物1を試料として、種々の濃
度でm‐キシレン(東京化成社製、試薬特級)に溶解
し、25℃における表面張力を前記装置を用いウィルヘ
ルミー法により測定した。その結果を表4に示す。表面
張力単位はmN/m、気相は空気である。
【0062】
【表4】
【0063】表4より、合成物1〜4は、m‐キシレン
の表面張力を効率よく低下させ、しかもその効果はフル
オロアルキル基の鎖長に比例していることが分かる。
【0064】実施例2(樹脂表面処理剤) 合成物1〜4及び比較合成物1を試料に用い、各試料を
エタノールに2.0重量%の濃度で溶解して表面処理剤
を調製した。この表面処理剤を用い、日本テストパネル
製、ポリエチレンテレフタレート樹脂標準板について、
次の手順で処理し、精製水及びドデカンに対する静止接
触角を、前記装置を用いて測定した。その結果を表5に
示す。
【0065】(処理手順) 樹脂標準板を、ポリオキシエチレンフェニルエーテル
(ライオン製、商品名「リポノックスNCJ」)5重量
%精製水溶液で、2時間超音波洗浄し、次いで精製水で
1時間超音波洗浄する。 樹脂標準板を85℃で1時間乾燥させたのち、その表
面を室温でメタノール及びヘキサンを用いて洗浄、脱脂
する。 このように前処理された樹脂標準板を、上記表面処理
剤に30分間浸漬したのち、130℃で15分間反応さ
せる。 反応終了後の樹脂標準板を、エタノールでの2時間の
ソックスレー抽出に付すことにより、余分な合成物を除
去する。
【0066】
【表5】
【0067】表5より、樹脂は、表面処理剤に合成物1
〜4を用いた場合には、表面にフルオロアルキル基が導
入され、撥水撥油性を示すことが分かる。
【0068】また、この場合には樹脂表面が精製水滴下
後の時間経過によって親水性へと移行する、いわゆるフ
リップ−フロップ現象がわずかながら観察され、またド
デカンに対し撥油性を示した。これにより、樹脂表面の
優れた汚れ防止性のみならず、良好な防曇性も期待しう
る。
【0069】実施例3(樹脂添加剤) 合成物1、2及び比較合成物1を試料に用い、各試料と
ポリカーボネート樹脂を塩化メチレン(和光純薬社製、
試薬1級)に溶解させ、各試料0.2重量%、ポリカー
ボネート樹脂10.0重量%及び塩化メチレン残部から
なる処方の樹脂液を調製した。また、試料を用いない外
は上記と同様にして無添加の樹脂液を調製した。これら
の樹脂液を用い、ポリテトラフルオロエチレンフィルム
上にフィルムアプリケーター(太佑機材社製、商品名
「マルチアプリケーター」)にて均一に塗布したのち、
85℃で4時間乾燥、成膜させた。このようにして得ら
れたフィルムをポリテトラフルオロエチレンフィルムよ
り剥離させ、水及びドデカンに対する静止接触角を前記
装置を用いて測定した。その結果を表6に示す。
【0070】
【表6】
【0071】表6より、樹脂に合成物1〜4を添加した
場合には、撥水撥油性を示すことが分かる。
【0072】実施例4(塗料添加剤) 合成物2、3及び比較合成物1を試料に用い、各試料
1.0重量%、熱硬化性アクリル樹脂塗料(関西ペイン
ト社製、商品名「マジクロン1000ホワイト」)4
0.0重量%及び専用シンナー残部からなる処方の塗料
組成物を調製した。この塗料組成物を、冷間圧延鋼板
(日本テストパネル製、サイズ:70×150×0.8
mm)にバーコーターで30μmの厚さに塗布し、15
0℃のオーブン中で30分間加熱硬化させた。なお、無
処理区には上記熱硬化性アクリル樹脂塗料のみを上記と
同様に塗布した。このようにして作成した塗装板につい
て、水及びドデカンの静止接触角を、前記装置を用いて
測定した。
【0073】また、各塗装板を3カ月間屋外に暴露し、
汚れ性を次の基準で評価した。 ◎:変化なし。 ○:ほとんど変化なし。 △:若干汚れが残存する。 ×:全面に汚れが残存する。 これらの結果を表7に示す。
【0074】
【表7】
【0075】これより、合成物2、3を配合した塗料に
よる塗装鋼板の表面は、撥水撥油性を有し、かつ汚れ防
止性も有することが分かる。
【0076】実施例5(色素抽出剤) 合成物2、3、4及び比較合成物1を試料に用い、各試
料を0.3mmol/リットルの濃度となるようにクロ
ロホルムに溶解して各供試液を調製した。一方、色素で
あるベーシックブルー9(カラーインデックス5201
5、ランカスター社製試薬高純度物)及びアシッドオレ
ンジ52(カラーインデックス13025、ランカスタ
ー社製試薬)を各々1.0mmol/リットルの濃度と
なるように水に溶解して各色素液を調製した。各供試液
及び色素液を各5mlずつネジ口試験管にとり、5分間
ボルテックスにて撹拌し、水層からクロロホルム層への
各色素の液−液抽出率を測定した。その結果を表8に示
す。なお、抽出率は混合前の水槽における各色素の最大
吸収波長(ベーシックブルー9;644nm、アシッド
オレンジ52;463nm)における吸光度をλw、抽
出操作後のクロロホルム層の各色素の最大吸収波長にお
ける吸光度をλcとしたとき、(λc/λw)×100
(%)で示される数値である。
【0077】
【表8】
【0078】表8より、合成物2〜4により色素が効率
よく抽出されることが分かる。
【0079】実施例6(記録液添加剤) 合成物2、3及び比較合成物1を試料に用い、各試料
0.5重量%、色素5.0重量%、エタノール10.0
重量%、ジエチレングリコール10.0重量%、及び水
の残部からなる処方の記録液を調製した。この記録液を
ペーパークロマトグラフィー用ろ紙(アドバンテック社
製、No.51)に5μlづつスポットした。溶媒を蒸
発させたのち、水を展開溶媒に用い、色素の移動度を、
展開溶媒の移動距離に対する色素の移動距離の値として
求めた。その結果を表9に示す。
【0080】
【表9】
【0081】これより、合成物3を添加した記録液は、
耐水性に優れていることが分かる。
【0082】実施例7(ルミネセンスエンハンサー) 合成物3及び比較合成物1を試料に用い、各試料2gを
2‐アミノ‐2‐メチル‐1‐プロパノール緩衝液
(0.1M、pH9.6)1リットルに分散させた溶液
を調製した。この分散液450μl、2‐アミノ‐2‐
メチル‐1‐プロパノール緩衝液(0.1M、pH9.
6)300μl、ヘキサシアノ鉄(III)カリウムの
上記緩衝液溶液(0.4mmol/リットル)50μ
l、ルミノールの上記緩衝液溶液(200nmol/リ
ットル)200μl及び過酸化水素(100μmol/
リットル)100μlの処方の蛍光発光液を調製した。
この蛍光発光液を用い、前記装置にて蛍光強度を測定す
ることによりルミノール発光強度増強効果を調べた。な
お、蛍光強度は発光量(フォトン数)で表わされ、測定
単位は(×10-3カウント/分)である。
【0083】
【表10】
【0084】これより、合成物3を配合した蛍光発光液
は、測定開始後30分において、比較合成物を配合した
場合や無添加の場合に比べ、約50倍の発光強度増強効
果をもたらすことが分かる。
【0085】
【発明の効果】本発明機能性材料は、分子間相互作用が
大きく、室温はもとより高温でも分子集合体を安定に形
成し、有機物質を捕捉し、有用物質包含体を形成した
り、包含させた物質に対して反応場を与えうる、溶媒溶
解性に優れ取扱いやすいものであって、種々の用途に適
用することができ、例えば、表面張力低下剤、樹脂表面
処理剤、樹脂添加剤、塗料添加剤、記録液添加剤、ルミ
ネセンスエンハンサーのような発光強度増強剤として有
用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C09D 5/16 C09D 5/16 4J039 7/12 7/12 A 4J100 11/00 11/00 133/26 133/26 C09K 3/00 C09K 3/00 R 3/18 103 3/18 103 11/07 11/07 Fターム(参考) 4D077 AA03 AA05 AB03 AB14 AB17 AB20 AC02 AC05 BA02 BA07 BA20 CA02 CA03 CA14 DC02Y DC03Y DC06Z DC10Y DC10Z DC32Z DC42Y DC48Z DC50Z DC71Z DC72Y DC72Z DD03Y DD13Y DD19Z DE02Y DE03Y DE08Y DE09Y DE17Y DE24Y DE35Y 4H011 BA01 BA05 BC06 BC19 DH02 DH18 4H020 BA13 4J015 BA06 4J038 CG172 EA011 GA12 NA05 4J039 AD12 BE22 4J100 AM21P BA14P BA15P BA16P BA34P CA01 CA27 FA03

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式 【化1】 〔式中、Rfは酸素原子が介在していてもよく、塩素原
    子で置換されていてもよい炭素数1〜29のフルオロ飽
    和炭化水素基を、Rは水素原子又は炭素数1〜5のアル
    キル基を、ZはN末端アミノ酸残基又はN末端オリゴペ
    プチド残基、又はそのエステル又はアミド誘導体、又は
    一般式 −NH−A−X−Q (ここで、Aは分岐鎖を有していてもよい炭素数1〜6
    のアルキレン基を、Xはカルボニル基、−O−CO−又
    は−O−CO−NH−を、Qは水素原子、又は炭素数1
    〜10の、アルキル基、ヒドロキシアルキル基、アミノ
    アルキル基、アルキルアミノアルキル基、ジアルキルア
    ミノアルキル基又はアルコキシアルキル基をそれぞれ示
    す)で表わされる基を、xは自然数をそれぞれ示す〕で
    表わされるフルオロ飽和炭化水素基含有化合物を有効成
    分とするフルオロ飽和炭化水素基含有機能性材料。
  2. 【請求項2】 化1におけるRfが−(CF2pX(p
    は1〜10の整数を、Xはフッ素原子、塩素原子又は水
    素原子を示す)、−CF(CF3)〔OCF2CF(CF
    3)〕q−OC37(qは0〜8の整数を示す)又はパー
    フルオロシクロヘキシル基である請求項1記載のフルオ
    ロ飽和炭化水素基含有機能性材料。
  3. 【請求項3】 一般式 【化2】 〔ここで、Rfは−(CF2pX(pは1〜10の整数
    を、Xはフッ素原子、塩素原子又は水素原子を示す)、
    −CF(CF3)〔OCF2CF(CF3)〕q−OC37
    (qは0〜8の整数を示す)又はパーフルオロシクロヘ
    キシル基を、R1は水素原子又はメチル基をそれぞれ示
    す〕で表わされるフルオロアルキル基含有化合物を有効
    成分とするフルオロアルキル基含有機能性材料。
  4. 【請求項4】 表面張力低下剤である請求項1ないし3
    のいずれかに記載の材料。
  5. 【請求項5】 樹脂表面処理剤である請求項1ないし3
    のいずれかに記載の材料。
  6. 【請求項6】 樹脂添加剤である請求項1ないし3のい
    ずれかに記載の材料。
  7. 【請求項7】 塗料添加剤である請求項1ないし3のい
    ずれかに記載の材料。
  8. 【請求項8】 記録液添加剤である請求項1ないし3の
    いずれかに記載の材料。
  9. 【請求項9】 発光強度増強剤である請求項1ないし3
    のいずれかに記載の材料。
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