JP2000263315A - 突切りプレス型式パイプ切断装置 - Google Patents

突切りプレス型式パイプ切断装置

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JP2000263315A
JP2000263315A JP11068028A JP6802899A JP2000263315A JP 2000263315 A JP2000263315 A JP 2000263315A JP 11068028 A JP11068028 A JP 11068028A JP 6802899 A JP6802899 A JP 6802899A JP 2000263315 A JP2000263315 A JP 2000263315A
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blade
pipe
press
die
cutting device
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JP11068028A
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Tatsuo Nomura
辰男 野村
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Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 突切りプレス型式パイプ切断装置として、プ
レス刃とダイのクリアランスを大きく設定した場合と、
小さく設定した場合のそれぞれの長所を併せ持ち、パイ
プの切断端面に残存するかさぶた状屑をなくし、しかも
パイプ切断端部の膨みやバリの発生を抑制できるように
する。 【解決手段】 プレス刃3に対向して並列配置された保
持孔4を有する一対のダイ1,2を備え、保持孔4に通
したパイプPを両ダイ間でプレス刃3により突切り切断
する装置において、ダイ1,2の保持孔4周囲に有する
受刃部5におけるプレス刃進入方向の両側部分を凹設し
て、受刃部5における稜線5aと外方へ広がる刃面5b
のうち、プレス刃進入方向の両側部分を凹部a、プレス
刃進入側とは反対側の部分を凸部bとしてパイプ長手方
向に段違いに形成し、プレス刃3に対し大小2種のクリ
アランスS1,Sを設定できるようにする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、主に金属製パイプ
を所定の長さに切断するための突切りプレス型式パイプ
切断装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、例えば、パイプメーカーにお
いて、継目無管や溶接管の造管、延伸、定形等の製管工
程を経て高速で走行するパイプを、所定長さに連続的に
切断したり、不良部分を除去するための走行切断を行な
う場合、あるいは管の引抜き加工業者や、自動車の燃
料、潤滑、プレーキ系統や冷熱機器のパイプ部品の加工
メーカーが、長尺のパイプを所定の長さに切断する場合
に、突切り用プレス刃(パンチとも言う)によりダイに
通されたパイプを突切り切断する所謂突切りプレス型式
のパイプ切断装置が使用されている。
【0003】かかる突切りプレス型式のパイプ切断装置
は、ダイ一体方式の装置、ダイ分割方式の装置、ダイ分
割二重突切り方式の装置の三つに大別できる。
【0004】ダイ一体方式の装置は、突切りプレス型式
の最も基本的なものであり、その主要部を図11および
図12に示している。この装置は、切断しようとするパ
イプPを一対のダイ51,52の孔54に連続して貫通
させておき、先端が略三角形状をなす板状の突切り用プ
レス刃53により、前記両ダイ51,52の間でパイプ
Pを突切り切断するものである。この切断過程におい
て、プレス刃53により剪断された部分が左右二つの切
屑P1,P1となって両側の斜め下方に押し出され、両
ダイ51,52の対向面側に有する肉盗み部56を経て
下方に落下するようになっている。図における61は両
ダイ51,52を一定間隔に保持する保持台で、両ダイ
51,52間に開口62を有している。63はプレス刃
53の保持部材である。
【0005】また、ダイ分割方式の装置は、図13のよ
うに、プレス刃53に対向して並列配置される一対のダ
イ51(他方側のダイは図示を省略)は、パイプ貫通用
の保持孔54を中心に左右に分割形成され、片側を固定
ダイ51aとし、反対側を可動ダイ51bとして、左右
に摺動することにより開閉できるように構成されてい
る。そしてプレス刃53に同期して上下動するダイ開閉
用カム57が、まずバネ手段57aにより開方向に付勢
されている可動ダイ51bを押し、固定ダイ51aを密
着させてパイプPを保持した後、プレス刃53がパイプ
Pを突切り切断するようになっている。この場合も、剪
断されて生じる二つの切屑(図示省略)は、プレス刃5
3により斜め下方に押し出されて落下する。
【0006】さらに、ダイ分割二重突切り方式の装置
は、ダイ分割方式の装置と同様の、固定ダイと可動ダイ
およびダイ開閉用カムを有する分割方式のダイを備える
装置において(図示を省略)、図14のようにダイの上
部にパイプ長手方向に対して直交方向で水平方向に進退
する水平カット刃物58が設けられ、プレス刃53と共
に動く水平カット刃物用のカム59等によって駆動され
るようになっている。そして、分割されたダイを閉じて
パイプを保持した後、プレス刃53の下降により水平カ
ット刃物58を引いて、その先端の鉤状の刃部58aに
よりパイプPの上部を適当な深さに削って切欠溝60を
形成し、次にプレス刃53の先端53aを前記切欠き溝
60の肉厚の薄くなった部分に突き刺して、上記同様に
切断するようになっている。
【0007】これらの装置は、それぞれ利点および欠点
があり、切断目的や切断されたパイプの用途あるいは切
断効率等に応じて選択して使用されている。例えば、図
11および図12のダイ一体方式の装置は、パイプの変
形等の品質よりもむしろ高速で確実に切断できればよい
場合、すなわちパイプを高速で走行させながら切断装置
も同期走行させて切断する所謂走行切断によく使用さ
れ、また図14のダイ分割二重突切り方式の装置は、効
率やコスト等よりも真円度が重視される部品の切断加工
に最適なものとして使用される。図13のダイ分割方式
の装置はその中間にランクされて使用されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上記いずれの方式の突
切りプレス型式のパイプ切断装置においても、突切り用
プレス刃53の前後両面およびこれに対向する一対のダ
イ51,52の受刃側面は、摩耗しない限り平面に加工
されており、前記プレス刃53の前後両面と両ダイ5
1,52の受刃側面との間には、プレス刃53の上下摺
動を許容する僅かなクリアランSを保有している(図1
1参照)。このクリアランSは、あまり大きいとパイプ
Pの切断端のバリや外側への膨みが大きくなるので、比
較的小さいクリアランスを保有するように設定されてい
る。
【0009】しかし、前記突切りプレス型式のパイプ切
断装置において、前記クリアランスを微小に設定する
と、パイプ内側に巻き込まれた切屑が潰れて別の問題が
生じることになる。この問題について、ダイ一体方式を
例にして剪断される切屑の生成状態を切断進行に従って
説明する。
【0010】先ず、図15および図16のように、突切
り用プレス刃53が下降することにより、その先端53
aが、ダイ51,52の保持孔54に通したパイプPの
プレス刃進入側の頂部(上部)を突き破って剪断が開始
されるとともに、剪断されて切屑になる部分が内側に巻
き込まれながら上部の剪断が進行する。P1aはその巻
き込まれ部を示す。次に、図17および図18のよう
に、プレス刃53が下降することにより、前記巻き込ま
れ部P1aが、プレス刃53とパイプPの内面に挟まれ
た状態で上部から剪断が進み、次第に外側斜め下方に押
し出されることになる。このとき、前記巻き込まれ部P
1aが大きな圧縮力を受けて若干潰されるとともに、パ
イプPの内側には凹みP2が生じ、また外側では剪断さ
れて切屑になる部分が、ダイ51とダイ52の間に食い
込んで剪断が始まろうとしている。なお、潰れた巻き込
まれ部P1aは、プレス刃53の側縁部とパイプ内面の
凹みP2の肩ダレ部P2aの間に押し出されて膨みP3
aとなる。
【0011】さらに、プレス刃53が下降し、剪断がほ
ぼ終了した状態においては、図19および図20に示す
ように、剪断された切屑P1を二つのダイ51とダイ5
2の間へ押し出すが、この際、前記の切屑P1のうちの
膨みP3aの部分が、プレス刃53とダイ51,52と
のクリアランスSが小さいこともあって、プレス刃53
で扱かれて薄いかさぶた状態になり、しかもパイプPの
切断された端面に軽く圧着されながら展開し、遂にはプ
レス刃53とダイ51,52の接近により切れて切屑P
1と分離する。
【0012】この後、プレス刃53が突切り方向の限界
位置(下限)に到達して切屑P1を充分に押し出した
後、プレス刃53は上昇して基の位置に戻り、1回の切
断工程が完了する。
【0013】このようして切断されたパイプPの切断端
面は、図21のようになり、前述の切屑P1から分離し
た部分がかさぶた状屑P3となって残存する。
【0014】切断されたパイプPの端部に前記のかさぶ
た状屑P3が残存していると、これを除去しないでその
まま使用に供した場合には、圧入やロウ付けによる管接
続に支障が生じたり、該かさぶた状屑P3が脱落して異
物となってパイプ内に入り込み、このパイプを使用する
機器類の故障の原因となったりするおそれがある。その
ため、これをいちいち除去し、さらに洗浄することが行
なわれているが、その処理のために造管ラインの工程が
多くなり、加工コストも高くなる。
【0015】なお、プレス刃とダイとのクリアランスを
大きくした場合は、図17および図18と同じ切断途中
における図22および図23に示すように、切屑になる
部分の巻き込まれ部P1aがパイプPの肉厚tの約1/
3程度食い込んで凹みP2ができたとき、前記クリアラ
ンスSが大きいために、ダイ51,52の受刃とプレス
刃53の刃先付近からクラックGが発生し易くなり、そ
れが成長して破断となり切断が早く終了する。その結
果、切屑になる部分の巻き込まれ部P1aが受ける最大
圧縮応力が小さくなり、潰れが減り、かさぶた状屑の発
生を抑制できることになる。
【0016】しかしながら、前記のようにプレス刃とダ
イのクリアランスを大きくした場合は、プレス刃が直接
パイプを剪断する部分、主にプレス刃進入側とは反対側
の部分で切断面の状態が悪くなり、パイプ切断端の大き
なバリの発生や膨れの発生につながる問題があり、単純
にクリアランスを大きく設定できるものではない。
【0017】本発明は、上記の事情に鑑みてなしたもの
であり、突切りプレス型式パイプ切断装置として、プレ
ス刃とダイのクリアランスを大きく設定した場合と小さ
く設定した場合のそれぞれの長所を併せ持ち、パイプの
切断端面に残存するかさぶた状屑をなくし、しかもパイ
プ切断端部の膨みやバリの発生を抑制できるようにした
ものである。
【0018】
【課題を解決するための手段および作用】本発明は、先
端が略三角形をなす板状の突切り用プレス刃と、該プレ
ス刃に対向して並列配置されかつ切断対象のパイプが貫
通する保持孔を有する一対のダイとを備え、前記ダイに
通したパイプを両ダイ間において前記プレス刃により突
切り切断するパイプ切断装置であって、前記一対のダイ
の前記保持孔周囲の受刃部が、プレス刃進入方向の両側
部分において少なくともプレス刃進入側とは反対側の部
分に対してパイプ長手方向に僅かに凹設され、前記プレ
ス刃に対し大小2種のクリアランスを保有するように形
成されてなることを特徴とする。
【0019】前記のパイプ切断装置によれば、突切り用
プレス刃をダイの保持孔に通されたパイプを突切り切断
する過程で、ダイの保持孔周囲の受刃部におけるプレス
刃進入方向における両側部分が凹設されて、この部分で
はプレス刃との間のクリアランスが大きくなっているた
め、剪断開始後の比較的早い段階でクラックおよび破断
が発生することになり、その結果、切断部に挟まれた切
屑の圧縮応力を軽減し、切屑の潰れが原因のかさぶた状
屑の発生を防止できる。
【0020】しかも、ダイの保持孔周囲の受刃部のう
ち、プレス刃進入側とは反対側の部分、すなわちプレス
刃が直接パイプを剪断する部分では、凹設された前記両
側部分に対してプレス刃とのクリアランスが小さくなっ
ており、そのためパイプの切断端におけるバリの発生や
外側への膨れを抑制できる。
【0021】請求項2の発明は、前記のパイプ切断装置
において、前記受刃部が、保持孔周囲の稜線と該稜線か
ら外方へ広がる刃面を含み、この受刃部の稜線および外
方へ広がる刃面が、プレス刃進入方向の両側部分を凹
部、プレス刃進入側とは反対側の部分を凸部として、パ
イプ長手方向に段違いに形成されてなるものである。
【0022】これにより、前記ダイにおける受刃部のう
ち、両側部分のパイプ切断部分(切屑になる部分)をプ
レス刃とパイプ内面に挟んで剪断する範囲を大きいクリ
アランスに、またプレス刃進入側とは反対側のプレス刃
が直接パイプを剪断する範囲を小さいクリアランスに設
定でき、前記のように大小2種のクリアランスの長所を
併せ持って、パイプ切断端のかさぶた状屑をなくし、か
つ膨みやバリの発生も抑制できる。
【0023】請求項3の発明は、前記受刃部における凸
部と凹部との間の段違いの変位部分が斜状に形成される
とともに、該斜状部と凹部底とが丸みのある屈曲部によ
り滑らかに連続していることを特徴とする。これによ
り、前記凹部の設定範囲が少々ずれていても、またプレ
ス刃先端の摩耗によって切屑になる巻き込まれ部が下方
へずれて長くなっても、前記のようにかさぶた状屑を生
じさせことなく突切り切断することができる。また前記
斜状部が凹部底に丸みのある屈曲部でなめらかに連続し
ていることで、この屈曲部でのバリの発生を防ぐことが
でき、しかもパイプ切断端が周方向に段違いになって
も、滑らかに連続して危険のないものになり、さらに例
えば後工程でパイプ端部を拡径するフレア加工等を行な
う場合の応力集中による割れを防止することができる。
【0024】請求項4の発明は、前記のパイプ切断装置
において、前記受刃部の外方へ広がる刃面が、外方に向
って漸次低く傾斜していることを特徴とする。これによ
り、切断されて生じる切屑と前記外方へ広がる刃面との
接触抵抗が小さくなり、前記切屑が斜め下方に押し出さ
れ易く容易に落下排出される。
【0025】請求項5の発明は、前記のパイプ切断装置
において、プレス刃進入側とは反対側の凸部における両
側の斜状部が、保持孔から外方に向って外下り形状をな
していることを特徴とする。この場合も、前記切屑の押
出しに必要な力が軽減され、前記切屑の巻き込まれ部に
係る圧縮応力が小さくなるのでかさぶた状屑の発生を防
止できることになる。
【0026】請求項6の発明は、前記のパイプ切断装置
において、前記一対のダイの対向面側に保持孔の両側方
および下方を囲むように肉盗み部が形成され、前記受刃
部の外方へ広がる刃面が前記肉盗み部にまで延びている
ことを特徴とする。
【0027】
【発明の実施の形態】次に本発明の実施の形態を図面に
示す実施例に基いて説明する。
【0028】図1は本発明の1実施例に係るパイプ切断
装置に使用する一つのダイの受刃側の斜視図、図2は同
上のダイの受刃側の正面図、図3は同上のダイを使用し
たパイプ切断装置の主要部の拡大縦断面図を示し、図4
は受刃部の稜線の展開図を示している。
【0029】この実施例のダイ1(2)は、ダイ一体方
式のパイプ切断装置に使用するものであって、図3のよ
うに、先端3aが略三角形の剣先状をなす薄い板状の突
切り用プレス刃3に対向して、該プレス刃3が摺動可能
に挿入される所要の間隔を存して並列配置される。ダイ
一体方式のパイプ切断装置の主要部の全体構成について
は、図15および図16に示す従来装置と基本的に同じ
であり、その詳しい説明は省略する。なお、図3のダイ
2は図1および図2のダイ1と対称同形であり、ここで
は一方のダイ1を主にして説明する。
【0030】前記ダイ1および2の略中央部には、切断
対象の金属製のパイプPが貫通する保持孔4を有してい
る。この保持孔4の内径は、切断対象のパイプPの外径
より僅かに大きく形成される。すなわち、保持孔4に通
されたパイプPは、切断の際に保持孔4の突切り方向の
底部側(下部側)で支持されることになるので、プレス
刃3の進入側になる上側に空隙を保有する形状のもので
あってもよい。
【0031】前記ダイ1,2の対向面側における前記保
持孔4の周囲部が受刃部5として形成されており、この
受刃部5が、プレス刃3の進入方向(突切り方向)の両
側部分において少なくともプレス刃進入側とは反対側の
所要範囲の部分に対してパイプ長手方向に僅かに凹設さ
れることにより、前記プレス刃3に対し大小2種のクリ
アランスS1、Sを保有するように形成されている。
【0032】具体的には、図示するように、前記受刃部
5は、保持孔4周囲の刃先になる稜線5aと該稜線5a
から外方へ広がる刃面5bを含み、この受刃部5の稜線
5aおよび外方へ広がる刃面5bが、プレス刃進入方向
の両側の所要範囲部分を凹部a、少なくともプレス刃進
入側とは反対側の部分、すなわちプレス刃3の先端3a
がパイプPの突切り方向底面を突き破って突出する側の
所要範囲部分(図の下部)を凸部bとして、パイプ長手
方向に段違いに形成されている。これにより、図4に展
開して示すように前記凹部aでは、プレス刃3との間に
大きいクリアランスS1が、また前記凸部bでは、プレ
ス刃3との間に従来一般に設定される程度の小さいクリ
アランスSが設定されるようになっている。
【0033】図4は前記保持孔4のプレス刃進入側を0
°として受刃部の稜線5aを展開したもので、前記クリ
アランスS1,Sの設定状態を示している。
【0034】前記両側部分の凹部aの範囲は、切屑にな
る部分がプレス刃3とパイプ内面の間に挟まって剪断さ
れる範囲に略対応した角度範囲とし、またプレス刃進入
側とは反対側の凸部bの範囲は、プレス刃3が直接パイ
プPを剪断する範囲に略対応する角度範囲とするのがよ
い。
【0035】なお、前記の凹部aと凸部bの段差(凹部
の深さ)は、前記小さいクリアランスSを、プレス刃3
が直接パイプを剪断するのに適した寸法とした場合に、
前記大きいクリアランスS1が、切屑になる部分の端部
の潰れによるかさぶた状屑を発生させずに切断できて、
しかもできるだけ良好な剪断状態が得られるクリアラン
スを保有する最適寸法に設定される。
【0036】図示する実施例の場合、プレス刃3の進入
側である保持孔4より上部側の部分についても、両側部
分の凹部aに対して凸部b1となっているが、上部側で
は前記のクリアランスの大小はパイプ切断に影響を与え
ないので、この部分を凹部とすることも可能である。
【0037】前記受刃部5における凹部aと凸部bの間
の段違いの変位部分は、凸部bの側から凹部aの側へ漸
次低く斜状をなし、この斜状部c1,c2と凹部aの底
との間が丸みのある屈曲部dで滑らかに連続しているの
が、突切り切断作用や切断端の体裁等の点から好まし
い。
【0038】また、前記受刃部5の外方へ広がる刃面5
bにおける少なくとも凹部aの底面が、外方に向って低
く傾斜しているのが、パイプPの切屑における巻き込ま
れ部P1aに対する圧縮応力を軽減でき好ましい。
【0039】さらに、前記プレス刃3によるパイプPの
突切り方向底側に位置する凸部bの両側の斜状部c1の
面は、保持孔4から外方に向って外下り形状として、パ
イプ切断の際に切屑P1が斜め下方に押し出され易くし
ている。この斜状部c1の外下がりの角度は、前記切屑
P1が斜め下方に押し出される方向よりやや下向きであ
るのが好ましい。
【0040】なお、図8のように、前記斜状部c1の面
が、凹部aの上部側の斜状部c2と同様に略水平に形成
しておくこともできる。この場合、凹部aの表面粗さが
小さくて高精度で、しかも加工容易な成形研削加工が可
能になる。しかし前記切屑の押し出し作用の点からは、
前記のように外下がり形状にして実施するのが好まし
い。
【0041】前記一対のダイ1,2の相対向する受刃部
側面には、保持孔4の両側方および下方を囲むように肉
盗み部6が形成され、前記受刃部5の外方へ広がる刃面
5bが前記肉盗み部6にまで延びてされているのがよ
く、これにより切屑P1の排出がさらに確実に行なわれ
る。
【0042】図9は、ダイ分割方式の装置に使用するダ
イ1を示しており、保持孔4を中心に、左右一方が固定
ダイ1a、他方が可動ダイ1bとして分割形成されてい
る。この場合も、保持孔4周囲の受刃部5については上
記と同様に形成して実施することができる。また同様に
ダイ分割二重突切り方式の装置においても、ダイ構造を
同様に構成して実施することができる。
【0043】なお、切断対象となるパイプは、図示する
実施例の丸形パイプに限らず、小判形や角形のパイプで
もよく、この場合、ダイのパイプ貫通用の保持孔も、前
記形状に対応した開口形状にして実施する。またパイプ
Pの材質は鋼、ステンレス、銅、黄銅、アルミニウム等
のどのような金属製パイプであってもよい。これらの切
断対象のパイプの種類に応じて、またその機械的性質や
サイズ等に応じて、プレス刃の先端角度や形状および厚
み、さらには切断スピード等を適宜最適なように設定す
ればよい。特にプレス刃3の略三角形の先端3aの形状
については、両側縁が直線状をなすもののほか、図10
の(A)のように両側縁が円弧状に湾曲した略三角形の
剣先状をなすもの、あるいは同図の(B)のように、両
側縁が二つの円弧の組合せによる剣先状をなすもの等、
略三角形をなす種々の実施が可能である。また先端角度
は、鋭角のほか、鈍角の略三角形をなすものであっても
よい。
【0044】上記のように構成された実施例のダイ1,
2を用いたパイプ切断装置によるパイプ切断状態につい
て説明する。
【0045】まず、切断対象のパイプPをダイ1,2の
保持孔4に貫通した状態において、突切り用プレス刃3
が下降し、その先端3aがパイプPの上部を突き破っ
て、さらに下降することにより、切屑になる部分の一部
が内側に巻き込まれながら剪断される。この切断過程に
おいて、図5のように前記巻込まれ部P1aをプレス刃
3とパイプP内面との間に挟んで剪断するプレス刃進入
方向の両側部分では、ダイ1,2における受刃部5の稜
線5aおよび外方へ広がる刃面5bが凹部aとして形成
されており、プレス刃3との間のクリアランスS1が大
きくなっているために、切断開始後の比較的早い段階
で、図6のように、クラックGさらには破断を生じさせ
ることになる。そのため、プレス刃3とパイプP内面と
に挟まれた巻き込まれ部P1aの圧縮応力が軽減され、
巻き込まれ部P1aがプレス刃3の側縁部とパイプ内面
の凹みP2の肩ダレ部P2aの間に押し出されることな
く破断することとなって、破断過程での潰れが原因のか
さぶた状屑の発生が防止されることになる。
【0046】さらに、剪断が進み、プレス刃進入側とは
反対側の部分、つまりプレス刃3が直接パイプPを剪断
する下部側の凸部bでは、プレス刃3とのクリアランス
Sが小さくなっているため、剪断に伴うパイプ切断端の
外側へのバリや膨れ(開き)を抑制できて、パイプPを
確実に突切り切断できる。
【0047】なお、パイプPと切離された切屑P1は、
プレス刃3により斜め下方に向って押し出されて、凸部
b両側の外下がりの斜状部c1に沿って排出される。こ
の際、受刃部5の外方へ広がる刃面5bが外方に向って
低く傾斜していると、切屑P1と前記刃面5bとの接触
抵抗が小さく、容易に押し出される。
【0048】このように、ダイ1,2の受刃部5とプレ
ス刃3との間のクリアランスを大小2種にしたことで、
双方の利点を活かして、パイプPの切断端の膨みやバリ
の発生を抑えることができて、しかも切断端面にかさぶ
た状屑を発生させずに突切り切断することができる。
【0049】図7は、プレス刃3により矢印U方向に切
断されたパイプPの端部を示しており、該端部はダイ
1,2の受刃部5の凹部と凸部の段違い形状に対応して
周方向に段違いになっている。特に、受刃部5の凹部a
と凸部bの間に斜状部c1,c2を有し、該斜状部c
1,c2と凹部aとが丸みのある屈曲部dで連続してい
ることで、前記切断端部は周方向に段違いになってはい
ても、前記屈曲部dに相当する部分Pdは丸みがあって
比較的滑らかに連続した状態で体裁がよく、危険のない
ものになる。
【0050】
【発明の効果】上記したように、本発明の突切りプレス
型式パイプ切断装置によれば、ダイの保持孔周囲の受刃
部を段違いとし、切屑になる部分をプレス刃とパイプ内
面に挟んで切断する両側部分を凹部として大きいクリア
ランスに、またプレス刃が直接パイプを切断するプレス
刃進入側とは反対側の部分を凸部として小さいクリアラ
ンスに設定したことにより、この大小2種のクリアラン
スのそれぞれの長所を併せ持ち、パイプの切断端面に残
存するかさぶた状屑をなくすことができるとともに、パ
イプ切断端部の膨みやバリの発生を抑制したパイプ切断
を行なうことができる。
【0051】そのため、従来より行なっているバリ取り
やかさぶた状屑の除去およびその後の洗浄工程を廃止す
ることができる。また造管ラインの最終工程で行なう走
行切断による切断パイプを、そのまま切り直し無しで製
品とする場合の対象範囲を拡大できる。
【0052】さらに、両側部分の破断が早くなり、プレ
ス刃およびダイの受刃部にかかる圧縮応力や摩擦力が軽
減することで、工具寿命を延長できる効果もある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るパイプ切断装置に使用するダイの
斜視図である。
【図2】同上のダイの受刃側面の正面図である。
【図3】同上のダイを使用した本発明に係るパイプ切断
装置の1実施例を示す主要部の拡大断面図である。
【図4】ダイの受刃部の稜線の凹凸状態を示す展開図で
ある。
【図5】同上のダイを使用したパイプ切断装置による切
断途中における切断個所の拡大断面図である。
【図6】前図X1−X1線の断面図である。
【図7】切断されたパイプの端部を示す斜視図である。
【図8】本発明のパイプ切断装置に使用するダイの他の
例を示す斜視図である。
【図9】本発明のパイプ切断装置に使用するダイのさら
に他の例を示す斜視図である。
【図10】(A)(B)それぞれ突切り用プレス刃の先
端形状の変更例を示す正面図である。
【図11】従来のパイプ切断装置を示す主要部の略示縦
断面図である。
【図12】前図のX2−X2線の断面図である。
【図13】従来のパイプ切断装置の他の例を示す主要部
の略示縦断面図である。
【図14】従来のパイプ切断装置の他の例を示す一部の
斜視図である。
【図15】従来のダイを用いたパイプ切断装置による切
断開始直後における切断個所の拡大断面図である。
【図16】前図のX3−X3線の断面図である。
【図17】従来のダイを用いたパイプ切断装置による切
断途中における切断個所の拡大断面図である。
【図18】前図のX4−X4線の断面図である。
【図19】従来のダイを用いたパイプ切断装置による切
断終了直前における切断個所の拡大断面図である。
【図20】前図のX5−X5線の断面図である。
【図21】従来装置により切断されたパイプ端部の斜視
図である。
【図22】プレス刃とダイのクリアランスを大きくした
場合の切断途中における拡大切断個所の断面図である。
【図23】前図のX6−X6線の断面図である。
【符号の説明】
1,2 ダイ 3 突切り用プレス刃 3a 先端 4 保持孔 5 受刃部 5a 稜線 5b 外方へ広がる刃面 6 肉盗み部 P パイプ P1 切屑 P1a 巻き込まれ部 P2 凹み P3 かさぶた状屑 a 凹部 b 凸部 c1 斜状部 c2 斜状部 d 屈曲部

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】先端が略三角形状をなす板状の突切り用プ
    レス刃と、該プレス刃に対向して並列配置されかつ切断
    対象のパイプが貫通する保持孔を有する一対のダイとを
    備え、前記ダイに通したパイプを両ダイ間において前記
    プレス刃により突切り切断するパイプ切断装置であっ
    て、 前記一対のダイの保持孔周囲の受刃部が、プレス刃進入
    方向の両側部分において少なくともプレス刃進入側とは
    反対側の部分に対してパイプ長手方向に僅かに凹設さ
    れ、前記プレス刃に対し大小2種のクリアランスを保有
    するように形成されてなることを特徴とする突切りプレ
    ス型式パイプ切断装置。
  2. 【請求項2】前記ダイの受刃部は、保持孔周囲の稜線と
    該稜線から外方へ広がる刃面を含み、この受刃部の稜線
    および外方へ広がる刃面が、プレス刃進入方向の両側部
    分を凹部、プレス刃進入側とは反対側の部分を凸部とし
    て、パイプ長手方向に段違いに形成されてなることを特
    徴とする請求項1に記載の突切りプレス型式パイプ切断
    装置。
  3. 【請求項3】前記受刃部における凹部と凸部の間の段違
    いの変位部分が斜状に形成されるとともに、該斜状部と
    凹部の底とが丸みのある屈曲部により滑らかに連続して
    いることを特徴とする請求項2に記載の突切りプレス型
    式パイプ切断装置。
  4. 【請求項4】前記受刃部の外方へ広がる刃面が、外方に
    向って漸次低く傾斜していることを特徴とする請求項2
    または3に記載の突切りプレス型式パイプ切断装置。
  5. 【請求項5】プレス刃進入側とは反対側の凸部における
    両側の斜状部が、保持孔から外方に向って外下り形状を
    なしていることを特徴とする請求項2または3に記載の
    突切りプレス型式パイプ切断装置。
  6. 【請求項6】前記ダイの受刃部側の面に、保持孔の両側
    方および下方を囲むように肉盗み部が形成され、前記受
    刃部の外方へ広がる刃面が前記肉盗み部にまで延びてい
    る請求項2〜5のいずれか1項に記載の突切りプレス型
    式パイプ切断装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2012040639A (ja) * 2010-08-18 2012-03-01 Mine Service:Kk 配管切断装置
CN108405970A (zh) * 2018-04-20 2018-08-17 浙江和良智能装备有限公司 一种管材切断设备及管材切断方法
KR20190067606A (ko) * 2017-12-07 2019-06-17 신국수 모세관 변형 방지구조를 포함하는 모세관 면취장치

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