JP2000260653A - 積層セラミックコンデンサおよびその検査方法 - Google Patents
積層セラミックコンデンサおよびその検査方法Info
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Abstract
コンデンサにおいて、直流電界を長時間印加することな
く絶縁抵抗の寿命を判定することが可能な検査方法を提
供する。 【解決手段】 誘電体層のキュリー温度以上かつ130
℃以上の温度でインピーダンスの位相角を測定し、周波
数と位相角との関係を示すグラフを作成し、このグラフ
において周波数1mHz〜100Hzの範囲内に位相角のピ
ークを2つもち、これらのピークのうち高周波側のもの
をP1、その位相角をθP1とし、低周波側のものをP
2、その位相角をθP2としたとき、θP1≧θP2である積
層セラミックコンデンサを選択する工程を有する積層セ
ラミックコンデンサの検査方法。
Description
ンデンサと、その検査方法とに関する。
容量、高信頼性の電子部品として広く利用されており、
1台の電子機器の中で使用される個数も多数にのぼる。
近年、機器の小型・高性能化にともない、積層セラミッ
クコンデンサに対する更なる小型化、大容量化、低価格
化、高信頼性化への要求はますます厳しくなっている。
デンサにおいては、誘電体層を薄くすると共に多層化す
ることが試みられている。しかし、誘電体層を薄くする
と、直流電圧を印加したときに誘電体層に加わる電界強
度が大きくなる。そのため、電圧印加状態において絶縁
抵抗の経時劣化が生じやすくなる。また、直流電圧の印
加により、比誘電率εsが経時的に低下し、容量の経時
劣化が生じるという問題も生じる。
電極層にNi等の卑金属を使用することが試みられてい
る。しかし、内部電極層に卑金属を用いる場合、大気中
で焼成を行なうと内部電極層が酸化してしまうため、誘
電体層と内部電極層との同時焼成を、還元性雰囲気中で
行なう必要がある。しかし、還元性雰囲気中で焼成する
と、誘電体層が還元されて、比抵抗が低くなってしま
う。このため、非還元性の誘電体材料が開発されてい
る。しかし、非還元性の誘電体材料を用いた積層セラミ
ックコンデンサは、電界の印加によるIR(絶縁抵抗)
の劣化が著しく、すなわちIR寿命が短く、信頼性が低
いという問題がある。
は、誘電体層の薄型化が進み、また、内部電極層に卑金
属を使用するようになってきているので、上述したよう
な特性劣化に対して耐性のある誘電体材料の開発が重要
であり、また、特性劣化を製品出荷前に判定する技術、
および信頼性を保証する技術も、極めて重要になってき
ている。
ンサの製造ロットの良否を判定する方法としては、抜き
取り検査と全数検査とが利用されている。抜き取り検査
は、各ロットから一定数の試料を抜き取って検査を行
い、ロット全体の不良率を推定する方法である。一方、
全数検査は、出荷されるコンデンサの全数について検査
を行う方法である。
検査や絶縁劣化検査などのように、検査によりその製品
が破壊ないし劣化してしまうような検査項目がある。例
えば絶縁劣化検査において、絶縁劣化を生じるまでの時
間を測定するためには、製品が劣化するまで電圧をかけ
続けることになる。そのため、検査終了後、製品として
使用することは不可能となっている。そこで、このよう
な検査項目を全数検査において実施する場合、低負荷で
検査を行って不良品を排除する方法がとられる。そのた
め、積層セラミックコンデンサの信頼性確認には、基本
的に、抜き取り、破壊検査によって推測する手法がとら
れている。
の積層セラミックコンデンサは、電圧印加状態でのIR
の経時劣化が大きいという問題があった。また、IRの
劣化は長時間にわたる電圧印加によって生じるため、抜
き取り検査によって製造ロットごとの寿命を判定するに
は長時間を要するという問題があった。一方、全数検査
を行う場合、一つの製造ロットで膨大な数の積層セラミ
ックコンデンサが製造されるため、たとえ良品は破壊に
至らない程度の時間で測定を行っても、全数にわたって
検査を行うと大きな時間とコストがかかるという問題が
生じる。また、一定時間電圧を印加して劣化を起こした
ものを除去する方法では、試験電圧の印加によって良品
の寿命をも低下させるおそれがあった。また、電圧印加
初期の漏れ電流の経時変化により良否判定を行う方法も
提案されているが、この方法では、同様に直流印加によ
る判定のため、良品の寿命を劣化させている可能性があ
る。
が可能であり、かつ、直流電界下での絶縁抵抗の寿命が
長い積層セラミックコンデンサを提供することである。
また、本発明の他の目的は、還元性雰囲気中で焼成され
た積層セラミックコンデンサにおいて、直流電界を長時
間印加することなく絶縁抵抗の寿命を判定することが可
能な検査方法を提供することである。
(1)および(2)の本発明により達成される。 (1) 誘電体層と内部電極層とが交互に積層されてお
り、前記誘電体層が、主成分として 式 [(Ba1-xCax)O]m(Ti1-yZry)O2 [上記式においてx、y、mはモル比を表し、 0≦x≦0.05、 0≦y≦0.20、 1.000≦m≦1.010 である]で表される化合物を含有し、副成分としてR酸
化物(ただし、RはY、Eu、Tb、Gd、Dy、H
o、Er、TmまたはYb)の少なくとも1種およびM
nOを含有し、主成分に対するRの比率が0.05〜
1.0モル%であり、主成分に対するMnOの比率が
0.05〜1.0モル%であり、前記誘電体層のキュリ
ー温度以上かつ130℃以上の温度でインピーダンスの
位相角を測定し、周波数と位相角との関係を示すグラフ
を作成したとき、このグラフにおいて周波数1mHz〜1
00Hzの範囲内に位相角のピークが2つ観測され、これ
らのピークのうち高周波側のものをP1、その位相角を
θP1とし、低周波側のものをP2、その位相角をθP2と
したとき、 θP1≧θP2 である積層セラミックコンデンサ。 (2) 誘電体層と内部電極層とが交互に積層された構
造の積層セラミックコンデンサを検査する方法であっ
て、前記誘電体層のキュリー温度以上かつ130℃以上
の温度でインピーダンスの位相角を測定し、周波数と位
相角との関係を示すグラフを作成し、このグラフにおい
て周波数1mHz〜100Hzの範囲内に位相角のピークを
2つもち、これらのピークのうち高周波側のものをP
1、その位相角をθP1とし、低周波側のものをP2、そ
の位相角をθP2としたとき、 θP1≧θP2 である積層セラミックコンデンサを選択する工程を有す
る積層セラミックコンデンサの検査方法。
例を、図1に断面図として示す。
誘電体層2と内部電極層3とが交互に積層された構成の
コンデンサチップ体10を有し、このコンデンサチップ
体10表面に、内部電極層3と導通する外部電極4を有
する。コンデンサチップ体10の形状に特に制限はない
が、通常、直方体状とされる。また、その寸法にも特に
制限はなく、用途に応じて適当な寸法とすればよいが、
通常、(0.6〜5.6mm)×(0.3〜5.0mm)×
(0.3〜1.9mm)程度である。内部電極層3は、そ
の端面がコンデンサチップ体10の対向する2表面に交
互に露出するように積層され、外部電極4は、コンデン
サチップ体10の前記対向する2表面に形成され、所定
のコンデンサ回路を構成する。
つ130℃以上の温度で、積層セラミックコンデンサ試
料のインピーダンスの位相角を測定し、そのときの位相
角のピークの分布を分析することにより、IRの寿命が
長い試料を選択することができる。
長い試料と判定されるものでは、前記位相角測定におい
て、1mHz〜100Hzの周波数範囲内に位相角のピーク
が2つ観測される。そして、これらのピークのうち高周
波側のものをP1、その位相角をθP1とし、低周波側の
ものをP2、その位相角をθP2としたとき、 θP1≧θP2 となるものである。なお、θP1およびθP2は、共に−9
0〜0°の範囲に存在するので、 θP1/θP2≦1 である。
℃とすることが好ましい。上記測定において、測定温度
が低すぎるとピークが低周波側にシフトし、正確な結果
が得られない。また、測定温度が高すぎると、ピークが
高周波側にシフトして正確な結果が得られない。また、
測定時に直流バイアス電圧を印加してもよいが、通常、
印加せずに測定することが好ましい。
する。
モル比を表す。上記式において、 0≦x≦0.05、 0≦y≦0.20、 1.000≦m≦1.010 である。
(ただし、RはY、Eu、Tb、Gd、Dy、Ho、E
r、TmまたはYb)の少なくとも1種およびMnOを
含有する。主成分に対するRの合計比率は、0.05〜
1.0モル%、好ましくは0.05〜0.5モル%であ
り、主成分に対するMnOの比率は、0.05〜1.0
モル%、好ましくは0.05〜0.5モル%である。な
お、Rの上記比率は、R酸化物のモル比ではなく、Rの
モル比である。すなわち、例えばR酸化物としてY酸化
物を用いた場合、Rの比率が1モル%であるとは、Y2
O3の比率が1モル%なのではなく、Yの比率が1モル
%であることを意味する。
する各酸化物を化学量論組成で表しているが、各酸化物
の酸化状態は化学量論組成から外れるものであってもよ
い。ただし、副成分の上記比率は、副成分を構成する酸
化物に含有される金属量から上記化学量論組成の酸化物
に換算して求める。
量温度特性がEIAJ規格のF特性(−25〜85℃、
△C=−80%以上+30%以下、20℃基準)および
EIA規格のY5V特性(−30〜85℃、△C=−8
2%以上+22%以下、25℃基準)を満足するように
選択され、かつ、十分に高いIRおよび十分に長いIR
寿命が得られるように選択される。以下、誘電体層の組
成限定理由を詳しく説明する。
果があり、また、容量温度特性におけるデプレッサとし
ての働きも示す。ただし、Baに対するCaの置換率を
表すxが大きすぎると、比誘電率が低くなってしまう。
フトさせる働きを示す。上記Y5V特性を満足させるた
めには、Tiに対するZrの置換率を表すyが、上記範
囲内に存在する必要がある。
寿命向上に効果がある。MnOが少なすぎると添加によ
る効果が発現せず、多すぎるとIRの低下、誘電損失
(tanδ)の増大が生じる。
寿命を向上させる。R酸化物が少なすぎると添加による
効果が実現しない。一方、R酸化物が多すぎると、かえ
ってIRが低くなってしまう。なお、Rとしては、Y、
Eu、Tb、Gd、Er、TmおよびYbの少なくとも
1種が好ましい。
O2、V2O5、MoO3およびWO3の少なくとも1種が
含有されていてもよい。SiO2は、容量温度特性を向
上させ、また、IRを向上させる効果を示す。ただしS
iO2が多すぎると、IR寿命が不十分となるほか、誘
電率の急激な低下が生じ、また、主成分のBaTiO 3
と反応して誘電体特性を悪化させてしまうので、SiO
2の含有量は誘電体層の0.25重量%以下とすること
が好ましい。V2O5、MoO3およびWO3は、焼結温度
を低下させる働きと、IR寿命を向上させる働きとを示
す。ただし含有量が多すぎるとIRが低下するので、V
2O5、MoO3およびWO3の合計含有量は主成分に対し
0.1モル%以下とすることが好ましい。
l2O3が含まれていてもよい。Al 2O3は容量温度特性
にあまり影響を与えず、焼結性、IRおよびIR寿命を
改善する効果を示す。ただし、Al2O3の含有量が多す
ぎると焼結性が悪化してIRが低くなるため、Al2O3
は誘電体層の1モル%以下であることが好ましい。
述した誘電体層を有し、かつ、前記検査方法において、
P1およびP2が存在し、かつθP1≧θP2となるもので
ある。
2の存在ならびにθP1とθP2との関係が、誘電体層の組
成、焼成条件およびアニール(再酸化)条件に大きく影
響を受けることがわかった。そして、位相角のピークを
調べることにより、その誘電体層が十分に高いIRをも
つかどうか、また、十分なIR寿命をもつかどうかを判
定可能であることを見いだした。
ピークが存在することは、誘電体が還元されてIRが非
常に低くなっている状態を示す。したがって、100Hz
以下の周波数範囲内に2つのピークが存在することが確
認できれば、誘電体の再酸化が十分であって、必要なI
Rが得られていることがわかる。
P1とP2とが存在する状態で、θ P1≧θP2を満足すれ
ば、十分に長いIR寿命が得られる。R酸化物のような
ドナー成分の含有量は、θP1およびθP2に影響を及ぼ
し、このようなドナー成分を適量添加することによりθ
P1が増大すると共にθP2が減少して、θP1≧θP2とする
ことができる。
影響を与えると考えられる。そして、MnO添加による
効果、特にIR寿命の向上には、Mn2+とMn3+とが関
与すると考えられ、θP2の大きさとこれらのイオンの存
在とが相関をもつと考えられる。
位相角には実質的に影響しない。
ず、誘電体層の厚さなどに応じて例えば0.1〜1.0
μmの範囲から適宜決定すればよいが、平均結晶粒径を
小さくすれば、IR寿命が長くなり、また、直流電界下
での容量の経時変化が少なくなるため、平均結晶粒径は
小さいことが好ましい。
誘電体への相転移温度)は、組成を選択することにより
変更することができ、目的とする容量温度特性に応じて
設定することが可能であるが、好ましくは120℃以
上、より好ましくは123℃以上とする。なお、キュリ
ー温度は、DSC(示差走査熱量測定)などによって測
定することができる。
0μm以下、好ましくは30μm以下である。厚さの下限
は、通常、2μm程度である。なお、誘電体層の積層数
は、通常、2〜300程度とする。
が、誘電体層2構成材料が耐還元性を有するため、卑金
属を用いることができる。導電材として用いる卑金属と
しては、NiまたはNi合金が好ましい。Ni合金とし
ては、Mn、Cr、CoおよびAlから選択される1種
以上の元素とNiとの合金が好ましく、合金中のNi含
有量は95重量%以上であることが好ましい。
各種微量成分が0.1重量%程度以下含まれていてもよ
い。
定すればよいが、通常、0.5〜5μm、特に0.5〜
2.5μm程度であることが好ましい。
本発明では安価なNi、Cuや、これらの合金を用いる
ことができる。
されればよいが、通常、10〜50μm程度であること
が好ましい。
ミックコンデンサと同様に、ペーストを用いた通常の印
刷法やシート法によりグリーンチップを作製し、これを
焼成した後、外部電極を印刷ないし転写して焼成するこ
とにより製造される。以下、製造方法について具体的に
説明する。
ビヒクルとを混練した有機系の塗料であってもよく、水
系の塗料であってもよい。
合物、複合酸化物を用いることができるが、その他、焼
成により上記した酸化物や複合酸化物となる各種化合
物、例えば、炭酸塩、シュウ酸塩、硝酸塩、水酸化物、
有機金属化合物等から適宜選択し、混合して用いること
ができる。誘電体原料中の各化合物の含有量は、焼成後
に上記した誘電体磁器組成物の組成となるように決定す
ればよい。なお、誘電体原料として用いる複合酸化物と
しては、例えば蓚酸塩法、水熱合成法、ゾルゲル法など
で合成したBaTiO3、BaZrO3、CaTiO3、
CaZrO3等を利用することができる。
μm程度の粉末として用いられる。
に溶解したものである。有機ビヒクルに用いるバインダ
は特に限定されず、エチルセルロース、ポリビニルブチ
ラール等の通常の各種バインダから適宜選択すればよ
い。また、用いる有機溶剤も特に限定されず、印刷法や
シート法など、利用する方法に応じて、テルピネオー
ル、ブチルカルビトール、アセトン、トルエン等の各種
有機溶剤から適宜選択すればよい。
する場合には、水溶性のバインダや分散剤などを水に溶
解させた水系ビヒクルと、誘電体原料とを混練すればよ
い。水系ビヒクルに用いる水溶性バインダは特に限定さ
れず、例えば、ポリビニルアルコール、セルロース、水
溶性アクリル樹脂などを用いればよい。
電性金属や合金からなる導電材、あるいは焼成後に上記
した導電材となる各種酸化物、有機金属化合物、レジネ
ート等と、上記した有機ビヒクルとを混練して調製す
る。
層用ペーストと同様にして調製すればよい。
有量に特に制限はなく、通常の含有量、例えば、バイン
ダは1〜5重量%程度、溶剤は10〜50重量%程度と
すればよい。また、各ペースト中には、必要に応じて各
種分散剤、可塑剤、誘電体、絶縁体等から選択される添
加物が含有されていてもよい。これらの総含有量は、1
0重量%以下とすることが好ましい。
および内部電極層用ペーストを、PET等の基板上に積
層印刷し、所定形状に切断した後、基板から剥離してグ
リーンチップとする。
ペーストを用いてグリーンシートを形成し、この上に内
部電極層用ペーストを印刷した後、これらを積層してグ
リーンチップとする。
理を施す。脱バインダ処理は、通常の条件で行えばよい
が、内部電極層の導電材にNiやNi合金等の卑金属を
用いる場合、特に下記の条件で行うことが好ましい。 昇温速度:5〜300℃/時間、特に10〜100℃/
時間、 保持温度:180〜400℃、特に200〜300℃、 温度保持時間:0.5〜24時間、特に5〜20時間、 雰囲気:空気中
極層用ペースト中の導電材の種類に応じて適宜決定され
ればよいが、導電材としてNiやNi合金等の卑金属を
用いる場合、焼成雰囲気中の酸素分圧は、10-8〜10
-12気圧とすることが好ましい。酸素分圧が前記範囲未
満であると、内部電極層の導電材が異常焼結を起こし、
途切れてしまうことがある。また、酸素分圧が前記範囲
を超えると、内部電極層が酸化する傾向にある。
100〜1400℃、より好ましくは1200〜136
0℃である。保持温度が前記範囲未満であると緻密化が
不十分となり、前記範囲を超えると、内部電極層の異常
焼結による電極の途切れや、内部電極層構成材料の拡散
による容量温度特性の悪化が生じやすくなる。
囲から選択することが好ましい。
00〜300℃/時間、 温度保持時間:0.5〜8時間、特に1〜3時間、 冷却速度:50〜500℃/時間、特に200〜300
℃/時間
とが好ましく、雰囲気ガスとしては、例えば、N2とH2
との混合ガスを加湿して用いることが好ましい。
サチップ体にはアニールを施すことが好ましい。アニー
ルは、誘電体層を再酸化するための処理であり、これに
よりIR寿命を著しく長くすることができので、信頼性
が向上する。
圧以上、特に10-5〜10-4気圧とすることが好まし
い。酸素分圧が前記範囲未満であると誘電体層の再酸化
が困難であり、前記範囲を超えると内部電極層が酸化す
る傾向にある。
下、特に500〜1100℃とすることが好ましい。保
持温度が前記範囲未満であると誘電体層の酸化が不十分
となるので、IRが低く、また、IR寿命が短くなりや
すい。一方、保持温度が前記範囲を超えると、内部電極
層が酸化して容量が低下するだけでなく、内部電極層が
誘電体素地と反応してしまい、容量温度特性の悪化、I
Rの低下、IR寿命の低下が生じやすくなる。なお、ア
ニールは昇温過程および降温過程だけから構成してもよ
い。すなわち、温度保持時間を零としてもよい。この場
合、保持温度は最高温度と同義である。
記範囲から選択することが好ましい。
0時間、 冷却速度:50〜500℃/時間、特に100〜300
℃/時間
ス等を用いることが好ましい。
2ガスや混合ガス等を加湿するには、例えばウェッター
等を使用すればよい。その場合、水温は5〜40℃程度
が好ましい。
連続して行なっても、独立に行なってもよい。これらを
連続して行なう場合、脱バインダ処理後、冷却せずに雰
囲気を変更し、続いて焼成の際の保持温度まで昇温して
焼成を行ない、次いで冷却し、アニールの保持温度に達
したときに雰囲気を変更してアニールを行なうことが好
ましい。一方、これらを独立して行なう場合、焼成に際
しては、脱バインダ処理時の保持温度までN2ガスある
いは加湿したN2ガス雰囲気下で昇温した後、雰囲気を
変更してさらに昇温を続けることが好ましく、アニール
時の保持温度まで冷却した後は、再びN2ガスあるいは
加湿したN2ガス雰囲気に変更して冷却を続けることが
好ましい。また、アニールに際しては、N2ガス雰囲気
下で保持温度まで昇温した後、雰囲気を変更してもよ
く、アニールの全過程を加湿したN2ガス雰囲気として
もよい。
プ体に、例えばバレル研磨やサンドブラストなどにより
端面研磨を施し、外部電極用ペーストを印刷ないし転写
して焼成し、外部電極4を形成する。外部電極用ペース
トの焼成条件は、例えば、加湿したN2とH2との混合ガ
ス中で600〜800℃にて10分間〜1時間程度とす
ることが好ましい。そして、必要に応じ、外部電極4表
面に、めっき等により被覆層を形成する。
ラミックコンデンサは、ハンダ付等によりプリント基板
上などに実装され、各種電子機器等に使用される。
を作製した。
TiO2、ZrO2、MnCO3、SiO2およびR酸化物
を用意した。
0.2重量%、MnCO3およびR酸化物を表1に示す
比率となるように添加して、ボールミルにより16時湿
式混合した後、乾燥した。次いで、空気中において11
50℃で焼成した後、ボールミルにより40時間湿式粉
砕し、乾燥して誘電体材料を得た。
樹脂4.8重量部と、塩化メチレン40重量部と、酢酸
エチル20重量部と、ミネラルスピリット6重量部と、
アセトン4重量部とをボールミルで混合し、ペースト化
した。
と、有機ビヒクル(エチルセルロース8重量部をブチル
カルビトール92重量部に溶解したもの)40重量部
と、ブチルカルビトール10重量部とを3本ロールによ
り混練し、ペースト化した。
ヒクル(エチルセルロース樹脂8重量部をブチルカルビ
トール92重量部に溶解したもの)35重量部およびブ
チルカルビトール7重量部とを混練し、ペースト化し
た。
リーンシートを形成した。この上に内部電極層用ぺース
トを印刷した後、PETフィルムからシートを剥離し
た。次いで、これらのグリーンシートと保護用グリーン
シート(内部電極層用ペーストを印刷しないもの)とを
積層、圧着して、グリーンチップを得た。
ダ処理、焼成およびアニールを下記条件にて行った後、
外部電極を形成して、図1に示す構成の積層セラミック
コンデンササンプルを得た。
スの加湿には、水温を35℃としたウエッターを用い
た。
た後、上記外部電極用ペーストを前記端面に転写し、加
湿したN2+H2雰囲気で800℃にて10分間焼成する
ことにより形成した。
ズは、3.2mm×1.6mm×0.6mmであり、内部電極
層に挟まれた誘電体層の数は4、その厚さは10μmで
あり、内部電極層の厚さは1.5μmであった。
た。結果を表1に示す。
条件下で容量およびtanδを測定した。そして、容量、
電極寸法およびサンプルの厚さから、比誘電率を算出し
た。
縁抵抗が1MΩ以下になるまでの時間を寿命時間とし
た。
プルの一部について、位相角の周波数特性のグラフを示
す。
らかである。すなわち、周波数1mHz〜100Hzの範囲
内において、高周波側にP1、低周波側にP2が観測さ
れ、それらの位相角が θP1≧θP2 を満足するサンプルでは、IRが高く、IR寿命が長
い。
特性を測定したところ、すべてEIAJ規格のF特性お
よびEIA規格のY5V特性を満足していた。
EIAJ規格のF特性およびEIA規格のY5V特性を
満足し、かつ、還元性雰囲気中での焼成が可能である積
層セラミックコンデンサについて、直流電界を長時間印
加することなく、IRおよびIR寿命を判定することが
できる。したがって、短時間で劣化の心配なく全数検査
が可能となる。また、抜き取り検査を行う場合でも、検
査時間を短縮できる。
示す断面図である。
3)
Claims (2)
- 【請求項1】 誘電体層と内部電極層とが交互に積層さ
れており、前記誘電体層が、主成分として 式 [(Ba1-xCax)O]m(Ti1-yZry)O2 [上記式においてx、y、mはモル比を表し、 0≦x≦0.05、 0≦y≦0.20、 1.000≦m≦1.010 である]で表される化合物を含有し、副成分としてR酸
化物(ただし、RはY、Eu、Tb、Gd、Dy、H
o、Er、TmまたはYb)の少なくとも1種およびM
nOを含有し、主成分に対するRの比率が0.05〜
1.0モル%であり、主成分に対するMnOの比率が
0.05〜1.0モル%であり、 前記誘電体層のキュリー温度以上かつ130℃以上の温
度でインピーダンスの位相角を測定し、周波数と位相角
との関係を示すグラフを作成したとき、このグラフにお
いて周波数1mHz〜100Hzの範囲内に位相角のピーク
が2つ観測され、これらのピークのうち高周波側のもの
をP1、その位相角をθP1とし、低周波側のものをP
2、その位相角をθP2としたとき、 θP1≧θP2 である積層セラミックコンデンサ。 - 【請求項2】 誘電体層と内部電極層とが交互に積層さ
れた構造の積層セラミックコンデンサを検査する方法で
あって、 前記誘電体層のキュリー温度以上かつ130℃以上の温
度でインピーダンスの位相角を測定し、周波数と位相角
との関係を示すグラフを作成し、このグラフにおいて周
波数1mHz〜100Hzの範囲内に位相角のピークを2つ
もち、これらのピークのうち高周波側のものをP1、そ
の位相角をθP1とし、低周波側のものをP2、その位相
角をθP2としたとき、 θP1≧θP2 である積層セラミックコンデンサを選択する工程を有す
る積層セラミックコンデンサの検査方法。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2006160532A (ja) * | 2004-12-02 | 2006-06-22 | Samsung Yokohama Research Institute Co Ltd | 誘電体磁器組成物及び磁器コンデンサとそれらの製造方法 |
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-
1999
- 1999-03-08 JP JP6073199A patent/JP3411848B2/ja not_active Expired - Fee Related
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