JP2000256404A - 酸化キトサン化合物 - Google Patents

酸化キトサン化合物

Info

Publication number
JP2000256404A
JP2000256404A JP11060162A JP6016299A JP2000256404A JP 2000256404 A JP2000256404 A JP 2000256404A JP 11060162 A JP11060162 A JP 11060162A JP 6016299 A JP6016299 A JP 6016299A JP 2000256404 A JP2000256404 A JP 2000256404A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
chitosan
compound
added
acetylation
group
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP11060162A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4395573B2 (ja
Inventor
Yoshihiro Shigemasa
重政好弘
Naofumi Terada
寺田直文
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tottori University NUC
Taki Chemical Co Ltd
Original Assignee
Tottori University NUC
Taki Chemical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Tottori University NUC, Taki Chemical Co Ltd filed Critical Tottori University NUC
Priority to JP06016299A priority Critical patent/JP4395573B2/ja
Publication of JP2000256404A publication Critical patent/JP2000256404A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4395573B2 publication Critical patent/JP4395573B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)
  • Polysaccharides And Polysaccharide Derivatives (AREA)
  • Biological Depolymerization Polymers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 医療用材料等に有用な水溶性の酸化キトサン
化合物を提供する。 【解決手段】 キトサンから誘導される酸化キトサン化
合物であって、キトサンのCH2OH基のCOOX基
(但し、XはH、NaまたはKを表す)への酸化率が1
〜100モル%であり、NH2基のNHCOCH3基への
アセチル化率が40〜95モル%である重量平均分子量
が5,000以上であって、且つpH7、温度25℃で
の水に対する溶解度が0.1g/100g以上である酸
化キトサン化合物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は酸化キトサン化合物に関
し、特に水溶性酸化キトサン化合物に関する。
【0002】
【従来の技術】キチンはカニやエビなどの甲殻類、カブ
トムシやコオロギなどの昆虫類の骨格物質に多く存在す
るほか、菌類や細胞壁にも存在し、N-アセチルD-グルコ
サミン残基が多数、β-(1,4)-結合した多糖類である。
そして地球上でもっとも豊富な有機化合物であるセルロ
−スと類似の構造を有し、2位の炭素に結合している水
酸基に代えてアセトアミド基をもつアミノ多糖類であ
る。キトサンはキチンの脱アセチル化合物でグルコサミ
ンのβ-(1,4)-結合した多糖類である。
【0003】これら天然多糖類は、近年新しいタイプの
生分解性高分子材料として、また生体親和性材料として
注目され、その利用について多くの研究がなされ、数々
の知見が得られている。キチン、キトサンについていえ
ば、創傷治癒促進効果、抗凝血作用、免疫賦活活性、静
菌・抗菌活性などさまざまな生物活性効果が報告されて
いる。更にまた、細胞認識やそれに伴う情報伝達機構な
ど生体機能発現において、糖鎖が鍵物質として重要な役
割を演じていることも明らかになりつつある。
【0004】しかしながら、キチン、キトサンは一般に
水不溶性であり、これを医用材料として利用する場合、
取扱い上の利便性、各種化学薬品、薬剤との相溶性、薬
効の均一性、加工性等の観点から、広範なpH領域に於
いて水溶性であることが望ましい。
【0005】水可溶化方法の一つとして、キチン、キト
サンに室温でエチレンオキシドガスを反応させる方法が
知られている(千手諒一、沖益哲、日本農芸化学会誌、
23、432,(1950))。しかしながら、エチレ
ンオキシドガスでは6位の炭素以外に3位の炭素などに
も反応し位置選択性が無く、実験を追試したが、置換度
が20〜50%程度では水不溶であった。また、アルカ
リキチン、アルカリキトサンにモノクロロ酢酸を室温で
反応させる方法も知られているが、カルボキシメチル基
が生体に副作用を示す可能性がある。
【0006】また、キトサンに塩基の存在下、ヨウ化メ
チルを室温で作用させる方法も知られている(Domard,
A.,M.Rinaudo,C.Terrassion,Int.J.Biol.Macromol.,105
(1986))。しかしながら、メチル基が生体に副作用を示
す可能性があり、3,6位の炭素などにも反応し位置選
択性がない。キトサンを酢酸水溶液で溶かし乾燥させる
方法も知られているが、水溶液は酸性になりアルカリ性
になった場合沈殿する。また、キチンの脱アセチル化率
を45〜55モル%に調整する方法も知られているが、
工業的に係る範囲に調整することは極めて困難であるこ
とに加え、事実市販品も水不溶性である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】そこで本発明者らは広
範囲のpH領域において水可溶性の酸化キトサン化合物
を得るべく種々検討を重ねた結果、本発明を完成したも
のである。
【0008】
【課題を解決するための手段】即ち本発明は一般式
【0009】
【化3】 と一般式
【0010】
【化4】 の構成単位から成り、(a)/((a)+(b))(モ
ル比)>70%であるキトサンから誘導される酸化キト
サン化合物であって、化1及び化2の式中CH2OH基
のCOOX基(但し、XはH、NaまたはKを表す)へ
の酸化率が1〜100モル%であり、化1の式中NH2
基のNHCOCH3基へのアセチル化率が40〜95モ
ル%である重量平均分子量が5,000以上であって、
且つpH7、温度25℃での水に対する溶解度が0.1
g/100g以上である酸化キトサン化合物に関する。
【0011】
【発明の実施の形態】以下に本発明の酸化キトサン化合
物の製造方法について詳記する。先ず、本発明のキトサ
ンについていえば、上式から明らかな通り、本発明の対
象とするキトサンはアセチル化率30%以下のものであ
る。即ち、アセチル化率が30%以上の場合、水可溶性
酸化キトサン化合物を得ることが極めて困難となる。
【0012】先ずキトサンを酢酸塩にする。酢酸塩にす
る方法としては使用するキトサンのアミノ基のモル数に
対し1.5〜4倍モル、更に好ましくは2〜3倍モルの
酢酸を加え、約15〜40℃、更に好ましくは20〜2
5℃で1〜3時間攪拌する(但し、脱アセチル化率が1
00%のキトサンXgの場合、キトサンのアミノ基のモ
ル数はXg/161g(キトサンの構成糖の分子量)で
算出する)。このとき使用する酢酸の濃度としては0.
5〜10モル濃度(モル濃度はmol/l)、より好ま
しくは1〜5モル濃度である。
【0013】次いでこれを50〜100℃で乾燥し、キ
トサン酢酸塩とする。酢酸に代えて塩酸を使用すること
もできるが、後に詳記する酸化容易性の点から酢酸が好
ましい。尚、塩酸の使用条件は酢酸の場合と同じであ
る。酢酸塩を乾燥する理由は、水分を可能な限り少なく
するためである。次いで更に上記キトサン酢酸塩に濃酢
酸、即ち80〜99.8重量%、より好ましくは95.
0〜99.8重量%の酢酸を加えてよく攪拌する。ここ
で濃酢酸を使用する理由は、濃酢酸でキトサン酢酸塩を
懸濁させた場合、後述する6位の炭素の酸化が、容易に
行われることによる。
【0014】即ち、次記6位の炭素のCH2OH基の酸
化はCH2OH→CHO→COOHの酸化反応工程を経
て酸化されるが、CH2OH→CHOの反応は水分が少
ない程反応速度が速いためである。従って、上記の如く
キトサン酢酸塩を乾燥することなくエバポレーター等を
利用して濃縮しても良い。要は経済性を考慮して酸化反
応工程に付する前に可能な限り水分を少なくすることが
望ましい。
【0015】次いでこの懸濁液に過塩素酸を加え、キト
サン酢酸塩をキトサン過塩素酸塩に変換する。このとき
溶液は一般にゼリー状となる。過塩素酸に代えて塩酸、
硫酸を使用することもできるが、濃度、添加量、反応度
合 を充分に管理しないと、後述する酸化反応において
2位、3位の炭素が酸化される可能性があり望ましくな
い。過塩素酸の使用量は、キトサン酢酸塩のアミノ基の
モル数に対し1〜3倍モル、より好ましくは1.5〜2
倍モルが良い。使用する過塩素酸の濃度は4〜8モル濃
度、より好ましくは5〜7モル濃度が良い。更に好まし
くは6モル濃度近傍がよい。上記モル倍率を逸脱すると
キトサン構造が壊れ、開環する可能性がある。またキト
サン過塩素酸塩への変換時間、換言すれば、反応時間は
1時間で充分である。キトサン過塩素酸塩に変換する理
由は、アミノ基に結合している酢酸イオン(CH3CO
-)を、より酸度の強い過塩素酸イオン(ClO4 -
に置換し、安定なゼリー状即ち、ゲル状の過塩素酸塩と
することにより、次に行う酸化反応において2位、3位
の炭素の酸化を防止することにある。
【0016】次に、このキトサン過塩素酸懸濁液(ゲル
状態は攪拌により懸濁液状態となる)に酸化剤を加えて
6位の炭素、即ちCH2OH基の酸化を行う。酸化剤と
しては過マンガン酸ナトリウム、過マンガン酸カリウ
ム、過酸化水素、次亜塩素酸ナトリウム、次亜塩素酸カ
リウム、硝酸等を使用することができるが、反応効率の
点から無水クロム酸が最も望ましい。無水クロム酸の使
用量は所望する酸化率により異なるが、50モル%酸化
率を所望する場合CH2OH基の1.5〜4倍モル、よ
り好ましくは2〜3倍モルである。酸化反応温度は常
温、酸化反応時間は5〜6時間である。100モル%酸
化率を所望する時は、望ましくは0℃以下の温度で、ゆ
っくりと反応させるが、後記する製造方法を採用するこ
とが推奨される。
【0017】次いで、得られた酸化キトサンを濾別す
る。濾別方法としては遠心分離機、フィルタープレス、
真空濾過機等任意の濾別方法を採用することができる。
【0018】次いで、濾別分離により得られた酸化キト
サンをアルカリ溶液に溶解する。使用するアルカリ剤と
しては水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アルカノー
ルアミン、アンモニア水溶液等が好例として挙げられる
が、とりわけ水酸化ナトリウム、水酸化カリウムが望ま
しい。アルカリ剤の使用量は酸化キトサン溶液pHが1
2以上になるように添加し、水により酸化キトサン濃度
が概ね0.001〜0.01モル濃度、より好ましくは
0.004〜0.006モル濃度になるよう調整する。
【0019】次いで、この酸化キトサンアルカリ水溶液
にメタノールを添加する。酸化キトサンに対するメタノ
ールの使用割合は、キトサン酸化率、後述するアセチル
化率等によっても異なるが、例えばキトサンの酸化率5
0モル%、アセチル化率95モル%を所望する場合、酸
化キトサン100部に対しメタノール150〜500部
である。使用するメタノールの濃度としては90〜98
重量%が好ましい。ここでメタノールを使用する理由
は、アセチル化率を向上させるためであり、メタノール
を使用しない場合、無水酢酸が加水分解を生起しアセチ
ル化率が向上しないものと推定される。なお、メタノー
ルの他に、エタノール、イソプロパノール、ブタノール
等も使用することができるが、メタノールが極性が大き
く、アセチル化反応効率を最も大きくすることができ
る。
【0020】次いでこのメタノール溶液に、無水酢酸を
加えて酸化キトサンのアミノ基をアセチル化する。無水
酢酸の添加量は、所望するアセチル化率に応じて決定す
れは良いが、例えばアセチル化率80モル%を所望する
場合は、酸化キトサンのアミノ基モル数に対して無水酢
酸0.9倍モルを添加すればよい。アセチル化率80モ
ル%以上を所望するときは、酸化キトサンのアミノ基モ
ル数に対し1倍モル以上の無水酢酸を使用することが望
ましい。アセチル化反応の反応時間はアセチル化率、酸
化率等により異なり一概に限定することはできないが、
概ね6時間〜2日間でアセチル化は完了する。
【0021】このようにしてアセチル化された酸化キト
サン化合物は、これを濾別し、pH12以上のアルカリ
溶液とした後、透析、限外濾過、イオン交換樹脂等によ
り脱塩する。必ずしも高純度品である必要がないとき
は、そのまま噴霧乾燥、静置乾燥等任意の乾燥手段によ
り乾燥しても良い。
【0022】本発明酸化キトサン化合物を製造する方法
としては、収率、作業性、原料入手容易性、製造設備の
簡便性、その他経済性等から以上述べた方法が最良であ
るが、本発明酸化キトサン化合物は、他の方法によって
も製造することができる。
【0023】以下、本発明酸化キトサン化合物の他の製
造方法について詳記する。先ずキトサンを有機溶媒に膨
潤させる。膨潤させる方法としては、キトサンに高濃
度、例えば99重量%以上のN,N-ジメチルホルムアルデ
ヒドを加え、キトサンを分散させる。N,N-ジメチルホル
ムアルデヒド100部に対し、概ねキトサン1〜10部
を添加分散させる。次にキトサンのアミノ基のモル数に
対し2〜3倍モルの無水フタル酸を加え、100〜13
0℃で10〜15時間反応させ常温に冷却した後、これ
に水、望ましくは脱イオン水を加え、上記反応により得
られたN−フタロイル化キトサンを沈殿させる。この沈
殿物を任意の手段により濾別する。次いでこれを50〜
100℃で乾燥する。
【0024】無水フタル酸を使用する理由は、選択的に
アミノ基を保護することにある。この乾燥N-フタロイル
化キトサンを高濃度例えば99重量%以上のピリジン溶
液に溶解する。溶解量はピリジン100部に対し、概ね
N-フタロイル化キトサン1〜10部を添加溶解する。
【0025】続いて、この溶解液にトリチルクロライド
を添加する。トリチルクロライドの添加量は6位の炭
素、即ちCH2OH基モル数に対し1〜3倍モルであ
り、1倍モル以下の場合6位の炭素を充分に保護するこ
とができない。尚、トリチルクロライドは粉末状で加え
ても良いし、溶液として加えても良い。反応温度として
は80〜95℃、反応時間は20〜24時間である。こ
の溶液を室温まで冷却後、続いて3位の炭素のOH基を
保護するために無水酢酸を添加する。無水酢酸の使用量
はこのOH基モル数に対し、1〜4倍モルである。1モ
ル倍以下の場合3位の炭素を充分に保護することができ
ない。
【0026】反応温度は常温で、反応時間は10〜14
時間で充分である。反応後の溶液に全量が沈殿するに充
分な水、望ましくは脱イオン水を加え、沈殿物を生成さ
せ、これを濾別、乾燥(50〜100℃)し、N-フタロ
イル-3-O-アセチル-6-O-トリチルキトサンを得る。この
反応過程で極めて重要なことは、先ず6位の炭素を保護
し、次いで3位の炭素を保護することである。逆順の場
合6位の炭素と3位の炭素がアセチル化され本発明の酸
化キトサン化合物を得ることができない。
【0027】次いで、上記方法により得たN-フタロイル
-3-O-アセチル-6-O-トリチルキトサンを酢酸水溶液に懸
濁する。酢酸濃度としては略6.0〜12.0モル濃度
であり、この酢酸水溶液100部に対し、N-フタロイル
-3-O-アセチル-6-O-トリチルキトサン1.5部を添加し
乾燥する。酢酸溶液に添加する理由は保護基である6位
の炭素のトリチル基を脱保護することにある。反応温度
は40〜80℃、反応時間は10〜14時間が良い。脱
保護をする酸としては上記酢酸の他、塩酸、硫酸、シュ
ウ酸、クエン酸等の鉱酸、有機酸を利用することもでき
る。脱保護により得られたN-フタロイル-3-O-アセチル
キトサンを濾別、乾燥(50〜100℃)し、乾燥N-フ
タロイル-3-O-アセチルキトサンを得る。
【0028】次いで、この乾燥N-フタロイル-3-O-アセ
チルキトサンの6位の炭素を酸化する。酸化方法として
はCH2OH(6位炭素)のモル数に対し1〜3倍モル
の次亜塩素酸を加え、常温で0.5〜3時間酸化反応を
行う。次亜塩素酸濃度としては10〜20重量%のもの
を使用する。酸化剤としては上記次亜塩素酸の他、過マ
ンガン酸ナトリウム、過酸化水素、過塩素酸、硝酸等を
利用することができる。また、酸化に際しては触媒を使
用することが好ましく、触媒としてはルテニウム、タン
グステン、ニッケル等が推奨されるが、これらに限定さ
れるものではない。酸化物はクロロホルムにより抽出す
る。クロロホルムの使用量は酸化物1〜10部に対し、
概ね100〜200部である。クロロホルム抽出後、エ
バポレーターで溶媒を除去し、クロロホルム抽出物を5
0〜100℃で乾燥し、N-フタロイル-3-O-アセチルキ
トサン酸化物を得る。
【0029】次に6〜10モル濃度のヒドラジン100
〜200部にN-フタロイル-3-O-アセチルキトサン酸化
物1〜10部を懸濁し、80〜90℃で30〜35時間
反応させアミノ基の保護基となっているフタロイル基を
アミノ基から完全に分離・脱保護する。反応終了後、こ
れを常温に冷却し、これに水、望ましくは脱イオン水を
加え3-O-アセチルキトサン酸化物を完全に沈殿させる。
これを濾別し、濾別ケーキ(乾物換算)10部に対し、
5〜10モル濃度のアルカリ剤を添加攪拌し、常温で1
0〜14時間脱アセチル化反応を行わせ、3位の炭素の
アセチル基を脱保護化する。使用するアルカリ剤として
は水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア水、
アルカノールアミン等が好例として挙げられる。脱保護
化後の酸化キトサンを濾別する。濾別後の酸化キトサン
は乾燥し、アミノ基のアセチル化に供せられる。アセチ
ル化は前記の方法を踏襲すればよい。
【0030】さて、本発明に於いてアセチル化率、分子
量、溶解度等は以下の方法により測定した。 〔酸化キトサン化合物のアセチル化率の測定方法〕1
NMRを使用し3ppm付近に現れる2位のプロトンシ
グナルの積分値をA、2ppm付近に現れるN−アセチ
ル基のメチルプロトンの積分値をBとすると次式の関係
が成立する。A:B=X:3(1−X)・・・(1)、D
DA={3A/(B+3A)}×100・・・(2)。上
記式(1)及び(2)よりDDAを算出する。但し、D
DA:脱アセチル化率、X:DDA/100。
【0031】[分子量の測定法]分子量測定には(株)島
津製作所製液体クロマトグラフLC-6Aを使用し、カラム
には旭化成工業(株)Asahipac GS510M、GS510H、GS310
H、GS220Hを連結させたGPCカラムを使用した。検出器に
は(株)島津製作所製RIDetector RID-2Aを使い、標準物
質として昭和電工(株)製Pullulan P-800、P-200、P-10
0、P-50、P-20、P-10、P-5、N-acetyl-D-glucosamine
(和光純薬工業(株)製)を用いて検量線を作成し、分子
量を算出した。
【0032】[溶解度の測定法]サンプルを所定量精秤
し、これを1モル濃度の水酸化ナトリウム水溶液25m
lに加え、よく攪拌し、各pH(1モル濃度の塩酸をゆ
っくり、0.01mlずつ滴下することにより調整)に
於ける懸濁液の透過度(波長600nmで測定)が90
%以上の場合を溶解していると判定した。
【0033】[6位の炭素の酸化率測定法]サンプル1
0mgを0.1モル濃度の水酸化ナトリウム水溶液10
mlに溶解し、これをアセトン:水=20:1(重量
比)の溶液50mlに投入し析出させた。これを遠心分
離で上澄みと沈殿物に分離した。同様の析出操作を10
回繰り返し未反応の水酸化ナトリウムを除去した。得ら
れたNa型の酸化キトサン化合物を50℃で24時間乾
燥した。これを1モル濃度の塩酸10mlに溶解し完全
にNaを遊離させた後、ICP(Inductively Coupled Plas
ma:誘導結合型プラズマ)発光分析装置を用いてNa量
を測定しNa量から6位の炭素の酸化率を算出した。
【0034】さて、本発明酸化キトサン化合物の溶解性
について述べると、本発明酸化キトサン化合物の溶解性
は6位の炭素の酸化率とアセチル化率によりpH7近傍
を中心に大きく変化する。例えばアセチル化率が一定の
場合pH7近傍においては酸化率が大きくなる程溶解性
は大きくなる。pH7近傍以下、即ちほぼpH6以下に
おいては酸化率が一定の場合アセチル化率が小さい程溶
解性は大きくなる。一方、pH7近傍以上、即ちほぼp
H8以上においてはアセチル化率が一定の場合、酸化率
が大きい程溶解性は大きくなる。ところで、前記の如
く、本発明酸化キトサン化合物の酸化率は、
【0035】
【化5】 及び
【0036】
【化6】 の式中CH2OH基のCOOX基への酸化率が1〜10
0モル%であり、1モル%以下になると特にアルカリ側
での溶解度が小さくなる。また
【0037】
【化7】 式中NH2基のNHCOCH3基への変換・即ちアセチ
ル化率が40モル%以下においても上記と同様特にアル
カリ側での溶解度が小さくなる。またアセチル化率が9
5モル%を上廻ると、酸性側での溶解度が極めて小さく
なる。
【0038】本発明酸化キトサン化合物は前記のとお
り、pH7近傍での溶解度が高いことに特にその特徴を
有し、一般的には酸化率60〜80モル%、アセチル化
率20〜30%の範囲で溶解度は最も大きくなり、例え
ばpH7の水に対して、分子量30,000の場合1〜
3g/100gの溶解度を有する。
【0039】次に本発明酸化キトサン化合物の分子量に
ついて言及すれば、重量平均分子量5,000以上であ
る。重量平均分子量5,000以下では、ある程度の溶
解性を有し、本発明の如き反応処理を必要としないこと
による。尚、一般的に重量平均分子量が大きくなる程、
全てのpH領域に於いて溶解性は小さくなる。
【0040】本発明酸化キトサン化合物は広範囲のpH
領域において溶解性を有するため、創傷治癒促進剤、腫
瘍増殖抑制剤、鎮痛抑制剤、ガン細胞転移抑制剤等の医
療用材料、保湿材、皮膜剤、肌荒れ防止等の化粧品添加
物等の用途において特に有用であるが、これらの用途に
限定されるものではない。以下に本発明の実施例を挙げ
更に説明するが、これら実施例に限定されるものではな
い。尚、%は特に断らない限り重量%を表す。
【0041】
【実施例】[実施例1]脱アセチル化率100%のキトサ
ン1gに1.8モル濃度酢酸30mlを添加し、20℃
で2時間攪拌し完全に溶解させた。これに12.6モル
濃度酢酸24mlを加え攪拌し、エバポレーターで水分
を除去し全量が20mlになるまで濃縮した。これに1
6.6モル濃度酢酸80mlを加えキトサン酢酸懸濁液
100mlを調製した。キトサン酢酸懸濁液を攪拌しな
がら、6モル濃度過塩素酸1.2mlを滴下しキトサン
過塩素酸塩とした。この時系内はゼリー状のゲルになっ
た。これを攪拌して懸濁状態にし、無水クロム酸1.6
gを添加し、2時間反応させた。得られた酸化キトサン
懸濁液を遠心分離により分離し、酸化キトサン全量を蒸
留水60mlに溶解した。溶解後1モル濃度水酸化ナト
リウム水溶液でpH12に調整し、1時間攪拌した。得
られた溶液を分画分子量3,000の透析膜を有する透
析装置を用いpH7になるまで約3日間透析を行った。
pH7の透析液を凍結乾燥し、酸化キトサン0.85g
を得た。
【0042】得られた酸化キトサンを、1モル濃度水酸
化ナトリウム水溶液20mlに溶解させ、これに80m
lのメタノールを加え攪拌した。その溶液に無水酢酸
0.5mlを添加し室温で12時間反応した。これを1
モル濃度水酸化ナトリウム水溶液でpH7になるまで中
和し、エバポレーターでメタノールを除去した後、1モ
ル濃度水酸化ナトリウム水溶液で再度pH12に調整
し、再び1時間攪拌した。得られた溶液を分画分子量
3,000のセルロース透析膜を有する透析装置を用い
pH7になるまで約3日間透析を行った。pH7の透析
液を凍結乾燥し本発明の酸化キトサン化合物0.8gを
得た。この化合物をICP発光分析装置を使用し測定し
た結果、カルボキシ基への変換率即ち、酸化率は30モ
ル%であった。NMRでアセチル化率を測定した結果ア
セチル化率70モル%であった。また重量平均分子量は
67,000であった。さらに酸化キトサン化合物0.
1gをpH7、温度25℃の水10gに溶解させたとこ
ろ完全に溶解した。
【0043】尚、得られた酸化キトサン化合物の6位の
炭素は、COONa型である。そこで、次に6位の炭素
のCOOH型を得るため、次の操作を行い溶解性を調べ
た。即ち、上記で得られた酸化キトサン化合物の0.1
gを1モル濃度塩酸水溶液50mlに溶解させた。この
溶液を分画分子量3,000の透析膜を有する透析装置
を用い、pH7になるまで約3日間透析を行った。pH
7の透析液を凍結乾燥し、COOH型の酸化キトサン化
合物0.09gを得た。この得られた酸化キトサン化合
物0.02gをpH7、温度25℃の水10gに溶解さ
せたところ完全に溶解した。このようなCOOH型の酸
化キトサン化合物は、塩の影響で物性が変化しやすい薬
剤への配合には極めて有用である。また、6位の炭素の
COOK型を望むときは、上記に於ける水酸化ナトリウ
ム水溶液でpH12に調整することに代えて、水酸化カ
リウムで同様の調整を行えばよい。
【0044】[実施例2]脱アセチル化率100%のキト
サン1gを蒸留水100mlに懸濁させ、これに2,2,6,
6-テトラメチル-1-ピペリジン・オキソアンモニウム5
0mgを添加し、反応中はpH10.8に保ち2時間反
応させた。得られた生成物を遠心分離により分離した。
得られた生成物に1モル濃度水酸化ナトリウム40ml
を添加し、1時間攪拌し溶解させた。得られた溶液を分
画分子量3,000のセルロース透析膜を有する透析装
置を用いpHが7になるまで約3日間透析を行った。十
分透析した透析液を凍結乾燥し、酸化キトサン0.85
gを得た。
【0045】得られた酸化キトサンを1モル濃度水酸化
ナトリウム20mlに溶解させ、80mlのメタノール
を加え、さらに攪拌した。この溶液に無水酢酸0.5m
lを添加して室温で12時間反応した。これを1モル濃
度水酸化ナトリウム水溶液でpH7になるまで中和しエ
バポレーターでメタノールを除去した後、1モル濃度水
酸化ナトリウム水溶液でpH12に調製し、再び1時間
攪拌した。得られた溶液を分画分子量3,000のセル
ロース透析膜を有する透析装置を用いpH7になるまで
約3日間透析を行った。pH7の透析液を凍結乾燥し、
本発明酸化キトサン化合物0.8gを得た。この化合物
をICP発光分析装置で測定したところ、カルボキシ基
への変換率、即ち酸化率は35モル%であった。NMR
でアセチル化率を測定した結果アセチル化率70モル%
であった。また重量平均分子量は98,000であっ
た。さらに酸化キトサン化合物0.1gをpH7、温度
25℃の水10gに溶解させたところ完全に溶解した。
【0046】[比較例1]アセチル化率100%のキチン
1.25gを蒸留水100mlに懸濁させ、2,2,6,6-テ
トラメチル-1-ピペリジン・オキソアンモニウム50m
gを添加し、反応中pHを10.8に保ち2時間反応さ
せてキチンの6位のCH2OH基を酸化した。得られた
生成物を遠心分離により分離し、その生成物を1モル濃
度の水酸化ナトリウム40mlに溶解させようと試みた
が白濁し、ゲル状にはなったが溶解はしなかった。
【0047】[実施例3]実施例1と同じ方法で酸化キト
サンを調製した。酸化キトサン0.84gを1モル濃度
水酸化ナトリウム20mlに溶解させ、これに80ml
のメタノールを加えさらに攪拌した。この溶液に無水酢
酸0.32mlを添加し室温で12時間反応した。これ
を1モル濃度水酸化ナトリウム水溶液でpH7に中和し
た後、エバポレーターでメタノールを除去した後1モル
濃度水酸化ナトリウム水溶液でpH12に調整し、再び
1時間攪拌した。得られた溶液を分画分子量3,000
のセルロース透析膜を有する透析装置でpH7になるま
で約3日間透析を行った。pH7の透析液を凍結乾燥
し、本発明酸化キトサン化合物0.8gを得た。この化
合物をICP発光分析装置で測定したところ、カルボキ
シ基への変換率、即ち酸化率は35モル%であった。N
MRでアセチル化率を測定した結果アセチル化率40モ
ル%の酸化キトサン化合物を得た。また重量平均分子量
は65,000であった。酸化キトサン化合物0.05
gをpH7、温度25℃の水10gに溶解させたところ
完全に溶解した。
【0048】[比較例2]実施例1と同じ方法で酸化キト
サンを調製した。この酸化キトサンを1モル濃度水酸化
ナトリウム20mlに溶解させ80mlのメタノールを
加えさらに攪拌した。この溶液に無水酢酸0.25ml
を添加し室温で12時間反応した。これを1モル濃度水
酸化ナトリウム水溶液でpH7に中和した後、エバポレ
ーターでメタノールを除去した後、1モル濃度水酸化ナ
トリウム水溶液でpH12に調整し再び1時間攪拌し
た。得られた溶液を分画分子量3,000のセルロース
透析膜を有する透析装置を用いpH7になるまで約3日
間透析を行った。pH7の透析液を凍結乾燥することに
より本発明酸化キトサン化合物0.8gを得た。この化
合物をICP発光分析装置で測定したところ、カルボキ
シ基への変換率、即ち酸化率は35モル%であった。N
MRでアセチル化率を測定した結果、アセチル化率35
モル%の酸化キトサン化合物を得た。酸化キトサン化合
物を0.05gをpH7、温度25℃の水10gに溶解
させたところ溶解しなかった。
【0049】[実施例4]実施例1と同じ方法でアセチル
化率20モル%のキトサンを酸化し、酸化キトサンを調
整した。このアセチル化率20%酸化キトサン0.8g
を1モル濃度水酸化ナトリウム水溶液20mlに溶解さ
せ80mlのメタノールを加え、さらに攪拌した。この
溶液に無水酢酸0.42mlを添加し室温で12時間反
応した。1モル濃度水酸化ナトリウム水溶液でpH7に
中和した後、エバポレーターでメタノールを除去し、さ
らに1モル濃度水酸化ナトリウム水溶液でpH12に調
製し、再び1時間攪拌した。得られた溶液を分画分子量
3,000のセルロース透析膜を有する透析装置を用
い、pH7になるまで約3日間透析を行った。pH7の
透析液を凍結乾燥し本発明酸化キトサン化合物0.8g
を得た。この化合物をICP発光分析装置で測定したと
ころ、カルボキシ基への変換率即ち酸化率は35%であ
った。NMRでアセチル化度を測定したところアセチル
化率60モル%(測定値は80モル%であるが、キトサ
ンがアセチル化率20モル%であるからアセチル化率は
60モル%)である。また重量平均分子量64,000
であった。さらに酸化キトサン化合物0.1gをpH
7、温度25℃の水10gに溶解させたところ完全に溶
解した。
【0050】[実施例5]酸化剤である無水クロム酸の添
加量を0.6mlにし、反応時間を0.3時間としたこ
とを除いては実施例1と同様の方法により本発明酸化キ
トサン化合物を製造した。得られた酸化キトサン化合物
をICP発光分析装置で測定したところカルボキシル基
への変換率、即ち酸化率は1モル%であり、アセチル化
率は70モル%であった。また重量平均分子量は72,
000であった。酸化キトサン化合物0.02gをpH
7、温度25℃の水10gに溶解させたところ完全に溶
解した。
【0051】[比較例3]酸化剤である無水クロム酸の添
加量を0.3mlにし、反応時間を0.3時間としたこ
とを除いては実施例1と同様の方法により酸化キトサン
化合物を製造した。得られた酸化キトサン化合物をIC
P発光分析装置で測定したところカルボキシル基への変
換率、即ち酸化率は0.5モル%であり、アセチル化率
70モル%であった。酸化キトサン化合物0.02gを
pH7、温度25℃の水10gに溶解させたところ大半
が沈殿した。
【0052】[実施例6]脱アセチル化率100%のキト
サン4gに濃度99.8重量%のN,N-ジメチルホルムア
ミド100mlを添加し室温で2時間攪拌し完全に分散
させた。これに無水フタル酸7.3gを加え反応容器に
還流管を接続し130℃で12時間反応させた。全量を
4℃に冷却した脱イオン水500mlに注ぎN-フタロイ
ル化キトサンを沈殿させた。これを遠心分離により分離
し、110℃で12時間乾燥した。得られた乾燥N-フタ
ロイル化キトサンに濃度99.8重量%のピリジン10
0mlを添加し、室温で2時間攪拌し完全に溶解させ
た。これにトリチルクロライド13.8gを加え反応容
器に還流管を接続し90℃で24時間反応後、室温まで
冷却させた。冷却後無水酢酸5mlを加え室温で12時間
反応させた。これに脱イオン水500mlを加え、N-フ
タロイル-3-O-アセチル-6-O-トリチルキトサンを沈殿さ
せた。得られたN-フタロイル-3-O-アセチル-6-O-トリチ
ルキトサンを遠心分離機により分離し、110℃で12
時間乾燥した。
【0053】得られた生成物の全量を10モル濃度酢酸
水溶液100mlに懸濁させ60℃で12時間攪拌し
た。反応後1モル濃度水酸化ナトリウムでpH7に中和
し遠心分離により分離し、110℃で12時間乾燥し
た。得られたN-フタロイル-3-O-アセチルキトサンに1
3重量%の次亜塩素酸27.5ml、ルテニウム触媒1
0mgを加え室温で2時間反応させた。次いで得られた
酸化物は100mlクロロホルムにより抽出した。クロ
ロホルム抽出後、エバポレーターで溶媒を除去し、クロ
ロホルム抽出物を約70℃で乾燥しN-フタロイル-3-O-
アセチルキトサン酸化物を得た。次に10モル濃度のヒ
ドラジン100mlにN-フタロイル-3-O-アセチルキト
サン酸化物を懸濁させ、90℃で30時間反応させアミ
ノ基の保護基となっているフタロイル基をアミノ基から
完全に分離・脱保護した。反応終了後、これを室温に冷
却し、脱イオン水500mlに加え3-O-アセチルキトサ
ン酸化物を完全に沈殿させた。これを濾別し、10モル
濃度の水酸化ナトリウム水溶液100mlを加え、室温
で14時間攪拌し、脱アセチル化反応を行わせ、3位の
炭素のアセチル基を脱保護した。脱保護後の酸化キトサ
ンを遠心分離により濾別した。これを110℃で12時
間乾燥し酸化キトサンを得た。
【0054】得られた酸酸化キトサンを蒸留水80ml
に分散させた後、1モル濃度水酸化ナトリウム水溶液で
pH12に調整し1時間攪拌した。得られた溶液を分画
分子量3,000のセルロース透析膜を有する透析装置
を用いpH7になるまで約3日間透析を行った。pH7
の透析液を凍結乾燥し、酸化キトサンを得た。
【0055】得られた酸化キトサン0.85gを1モル
濃度水酸化ナトリウム水溶液20mlに溶解させ、80
mlのメタノールを加えさらに攪拌した。その溶液に無
水酢酸0.5mlを添加し、室温で12時間反応した。
これを1モル濃度水酸化ナトリウム水溶液でpH7にな
るまで中和し、エバポレーターでメタノールを除去した
後1モル濃度水酸化ナトリウム水溶液でpH12に調整
し、1時間攪拌した。得られた溶液を分画分子量300
0のセルロース透析膜を有する透析装置を用い、pH7
になるまで約3日間透析を行った。pH7の透析液を凍
結乾燥し、本発明酸化キトサン化合物0.8gを得た。
この化合物をICP発光分析装置で置換度を測定したと
ころ、カルボキシ基への変換率、即ち酸化率は50モル
%であった。NMRでアセチル化率を測定したところア
セチル化率70モル%の酸化キトサン化合物を得た。
尚、重量平均分子量は83,000であった。酸化キト
サン化合物0.1gをpH7、温度25℃の水10gに
溶解させたところ完全に溶解した。
【0056】[実施例7]実施例1と同様の方法により酸
化率、アセチル化率の異なる各種酸化キトサン化合物を
製造し、各pHに於ける溶解性を実施例1と同様の方法
により測定した結果、表1の通りであった。尚、溶解性
はサンプルNo.1〜3に於いてそれぞれサンプル0.
05g、0.1g、0.2gを温度25℃の水に溶解し
た場合である。
【0057】
【表1】 注)pHは塩酸と水酸化ナトリウム水溶液で調整した
【0058】
【発明の効果】本発明酸化キトサン化合物は広範囲のp
H領域において溶解し、特にpH7近傍で高い水溶性を
有するため、これを医療用材料として使用するときは甚
だ利便性がよい。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4C086 AA03 EA23 EA24 MA01 MA04 NA14 4C090 AA02 BA46 BA47 BB02 BB17 BB18 BB36 BB53 BB65 BB91 BC28 BD03 BD36 BD37 DA23

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式 【化1】 と一般式 【化2】 の構成単位から成り、(a)/((a)+(b))(モ
    ル比)>70%であるキトサンから誘導される酸化キト
    サン化合物であって、化1及び化2の式中CH2OH基
    のCOOX基(但し、XはH、NaまたはKを表す)へ
    の酸化率が1〜100モル%であり、化1の式中NH2
    基のNHCOCH3基へのアセチル化率が40〜95モ
    ル%である重量平均分子量が5,000以上であって、
    且つpH7、温度25℃での水に対する溶解度が0.1
    g/100g以上である酸化キトサン化合物。
JP06016299A 1999-03-08 1999-03-08 酸化キトサン化合物 Expired - Lifetime JP4395573B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP06016299A JP4395573B2 (ja) 1999-03-08 1999-03-08 酸化キトサン化合物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP06016299A JP4395573B2 (ja) 1999-03-08 1999-03-08 酸化キトサン化合物

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2000256404A true JP2000256404A (ja) 2000-09-19
JP4395573B2 JP4395573B2 (ja) 2010-01-13

Family

ID=13134191

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP06016299A Expired - Lifetime JP4395573B2 (ja) 1999-03-08 1999-03-08 酸化キトサン化合物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4395573B2 (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003026703A (ja) * 2001-07-12 2003-01-29 Toppan Printing Co Ltd 酸化キチン又は酸化キトサン及びそれらの製造方法
JP2003180812A (ja) * 2001-12-17 2003-07-02 Toppan Printing Co Ltd 酸化多糖類材料を被覆又は含浸させた材料および生体適合材料
US6764981B1 (en) * 2003-03-21 2004-07-20 Halliburton Energy Services, Inc. Well treatment fluid and methods with oxidized chitosan-based compound
KR100451399B1 (ko) * 2001-11-02 2004-10-06 주식회사 건풍바이오 키토산의 아세틸화 방법
JP2009050714A (ja) * 2008-10-16 2009-03-12 Toppan Printing Co Ltd 酸化多糖類材料を被覆又は含浸させた材料および生体適合材料

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003026703A (ja) * 2001-07-12 2003-01-29 Toppan Printing Co Ltd 酸化キチン又は酸化キトサン及びそれらの製造方法
KR100451399B1 (ko) * 2001-11-02 2004-10-06 주식회사 건풍바이오 키토산의 아세틸화 방법
JP2003180812A (ja) * 2001-12-17 2003-07-02 Toppan Printing Co Ltd 酸化多糖類材料を被覆又は含浸させた材料および生体適合材料
US6764981B1 (en) * 2003-03-21 2004-07-20 Halliburton Energy Services, Inc. Well treatment fluid and methods with oxidized chitosan-based compound
JP2009050714A (ja) * 2008-10-16 2009-03-12 Toppan Printing Co Ltd 酸化多糖類材料を被覆又は含浸させた材料および生体適合材料

Also Published As

Publication number Publication date
JP4395573B2 (ja) 2010-01-13

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP0020183B1 (en) Poly-ion complex, process for its preparation and shaped articles prepared therefrom
Abreu et al. Preparation and characterization of carboxymethylchitosan
JPH0558002B2 (ja)
JPH02235905A (ja) 活性キトサンの製造方法および活性キトサンをキトサン誘導体の製造に使用する方法
JP3034352B2 (ja) 安定な一重らせん構造の分子内架橋(1→3)−β−D−グルカン類及びその製造法
JP2006282926A (ja) 水溶性ポリウロン酸およびその製造方法
JP2004059618A (ja) 多糖類複合体及びその製造方法
JP4395573B2 (ja) 酸化キトサン化合物
CN1587281A (zh) 壳聚糖季铵盐的制备方法
JP4310967B2 (ja) 多糖類複合体の製造方法
JP4929581B2 (ja) 水溶性ポリウロン酸の製造方法
JP4254120B2 (ja) 酸化キトサンの製造方法
JP2009068014A (ja) 水溶性酸化キチン及びその製造方法
WO2003037935A1 (en) The acetylation method of chitosan
JPH06293801A (ja) アルカリ域でも水溶解性を示すキトサン及びその製造方法
JP4411847B2 (ja) ポリウロン酸の製造方法
EP0859795B1 (en) Process for making crystalline iron dextran
JP3731007B2 (ja) N−カルボキシアシルキトサン及びその製造方法
JP4254142B2 (ja) 酸化キチンの製造方法
JPH1171406A (ja) キトサン誘導体及びその製造方法
JP6750778B2 (ja) パラミロン誘導体及びその製造方法、並びにナノファイバー及びその製造方法
JP4277473B2 (ja) 酸化キトサンの製造方法
JP4961144B2 (ja) 抗ウイルス剤
JP2003212903A (ja) 酸化キトサンの製造方法
JPH02145602A (ja) キトサン誘導体の製造法

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 19990310

RD03 Notification of appointment of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A681

Effective date: 19990315

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20050825

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712

Effective date: 20050825

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20050825

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712

Effective date: 20050825

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20090827

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20090914

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121030

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121030

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20151030

Year of fee payment: 6

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

EXPY Cancellation because of completion of term