JP2000255622A - 密封用ライナーを装着した容器用キャップ - Google Patents

密封用ライナーを装着した容器用キャップ

Info

Publication number
JP2000255622A
JP2000255622A JP5655599A JP5655599A JP2000255622A JP 2000255622 A JP2000255622 A JP 2000255622A JP 5655599 A JP5655599 A JP 5655599A JP 5655599 A JP5655599 A JP 5655599A JP 2000255622 A JP2000255622 A JP 2000255622A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
resin
copolymer
ethylene
carboxylic acid
weight
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP5655599A
Other languages
English (en)
Inventor
Yasuhiko Haneda
泰彦 羽田
Hiroyuki Shimo
浩幸 下
Hitoshi Tateno
均 舘野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kuraray Co Ltd
Original Assignee
Kuraray Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kuraray Co Ltd filed Critical Kuraray Co Ltd
Priority to JP5655599A priority Critical patent/JP2000255622A/ja
Publication of JP2000255622A publication Critical patent/JP2000255622A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02WCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO WASTEWATER TREATMENT OR WASTE MANAGEMENT
    • Y02W30/00Technologies for solid waste management
    • Y02W30/50Reuse, recycling or recovery technologies
    • Y02W30/80Packaging reuse or recycling, e.g. of multilayer packaging

Landscapes

  • Closures For Containers (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ガスバリア性、容器との密着性、キャップ本
体との接着性、機械強度およびリサイクル性に優れた容
器用キャップを提供すること。 【解決手段】 エチレン含有量が20〜60モル%でケ
ン化度が90%以上であるエチレン−ビニルアルコール
共重合体(A)5〜60重量%、ポリアミド樹脂(B)
1〜30%、オレフィン−不飽和カルボン酸共重合体
(C)5〜89重量%および11以下の溶解性パラメー
ター(Fedorsの式から算出)を有する前記樹脂以
外の熱可塑性樹脂(D)5〜89重量%からなる樹脂組
成物からなる層をキャップ本体に装着する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ガスバリア性、容
器との密着性、キャップ本体との接着性、機械強度およ
びリサイクル性に優れたキャップ用ライナーを装着され
てなる容器用キャップに関する。
【0002】
【従来の技術】ソース、ケチャップなどの食品、医薬
品、工業用品などを包装するボトルなどの容器におい
て、本体部分は多くの場合、内容物の酸化劣化からの保
護あるいは内容物の有効成分揮発防止のために、容器本
体をガスバリア性樹脂あるいはアルミニウム箔などのガ
スバリア材を含む多層構成とする方法が公知である。し
かしこれらの容器のキャップ、特にプラスチック製キャ
ップについては、内容物の触れる表面積が小さいことも
あり、バリア性の付与が行われていない場合が多い。し
かし近年、容器に要求されるバリア性がより厳しくなっ
てきており、バリア性の低いキャップ部からのガス透過
が容器全体のバリア性を低下させていることから、キャ
ップへのバリア性付与の要求が高まってきている。
【0003】容器用キャップへのバリア性の付与方法と
しては、アルミニウム等のガスバリア材を接着性樹脂な
どと積層してキャップ内側に貼り付ける方法が用いられ
るが、このような多層シートからなる密封用ライナー
は、一般的に前もって作製したシートを打ち抜いて作ら
れるので、生産性が低下するほか、打ち抜き時に発生す
るバリの処理などの問題が生じる。またガスバリア材を
キャップ内側に貼り付けることは、ガスバリア材とキャ
ップの接着力の観点およびキャップのシール性の観点か
ら非常に困難である。
【0004】ガスバリア性を有する密封用ライナーの例
として、特開平10-1579号公報(ヨーロッパ公開
第761752号公報)に、エチレン-ビニルアルコー
ル共重合体がマトリックス、ビニル芳香族モノマー重合
体ブロックとイソブチレン重合体ブロックとを有するブ
ロック共重合体がドメインの形で分散している樹脂組成
物層とポリエチレン層からなる多層シートを用いた容器
用パッキング(密封用ライナー)についての記載があ
る。また特公平2-225586号公報には、マトリッ
クス材料とエチレン-ビニルアルコール共重合体とを混
合した堆積物を塗被したキャップについての記載があ
る。しかし、これらの公報の実施例にはキャップとして
金属製のものを用いた記載があるのみであり、キャップ
本体としてプラスチック製のものを用いた実施例はな
い。またエチレン-ビニルアルコール共重合体とポリエ
チレンの相容化剤として、前者はビニル芳香族モノマー
重合体ブロックとイソブチレン重合体ブロックとを有す
るブロック共重合体を、また後者の実施例ではエチレン
-プロピレン共重合体、エチレン-プロピレン-ジエン三
元共重合体およびスチレン-ブタジエン-スチレンゴムを
相容化剤として使用しているが、その相容性は不十分で
あり、密封用ライナーの機械強度・衝撃強度がやや弱く
なる。また、後者の実施例ではシートを打ち抜いて密封
用ライナーを作成しているが、この製法では打ち抜いた
後のバリのリサイクルが必要となる。しかしこれらの公
報に記載の組成物では相容性が不充分であるため、リサ
イクルして再成形した際の密封用ライナーの性能が著し
く落ちることになる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、ガスバリア
性、容器との密着性、キャップ本体との接着性、機械強
度およびリサイクル性に優れた密封用ライナーを装着さ
れてなる容器用キャップを得ようとするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的は、本発明で達
成される。すなわち、本発明はエチレン含有量が20〜
60モル%でケン化度が90%以上であるエチレン−ビ
ニルアルコール共重合体(A)5〜60重量%、ポリア
ミド樹脂(B)1〜30%、オレフィン−不飽和カルボ
ン酸共重合体(C)5〜89重量%および11以下の溶
解性パラメーター(Fedorsの式から算出)を有す
る前記樹脂以外の熱可塑性樹脂(D)5〜89重量%か
らなる樹脂組成物からなる層が、キャップ本体に密封用
ライナーとして装着されてなる、容器用キャップに関す
る。
【0007】好ましい実施態様では、容器用キャップ
は、熱可塑性樹脂(D)の20℃における弾性モジュラ
スが1000kg/cm以下である樹脂組成物からな
る層が、キャップ本体に密封用ライナーとして装着され
る。
【0008】さらに、好ましい実施態様では、樹脂組成
物からなる密封用ライナーがキャップ本体の表面に接着
される。
【0009】また、好ましい実施態様では、容器用キャ
ップのキャップ本体が熱可塑性樹脂からなっている。
【0010】好ましい実施態様では、密封用ライナーを
構成する樹脂組成物は、エチレン−ビニルアルコール共
重合体(A)の連続相中にオレフィン−不飽和カルボン
酸共重合体(C)および/または熱可塑性樹脂(D)の
樹脂粒子が分散している形態を有している。
【0011】別の好ましい実施態様では、密封用ライナ
ーを構成する樹脂組成物は、オレフィン−不飽和カルボ
ン酸共重合体(C)および/または熱可塑性樹脂(D)
の連続相中にエチレン−ビニルアルコール共重合体
(A)の樹脂粒子が分散している形態を有している。
【0012】また、好ましい実施態様では、密封用ライ
ナーの樹脂組成物に用いる前記オレフィン−不飽和カル
ボン酸共重合体(C)が、エチレン−不飽和カルボン酸
ランダム共重合体またはその金属塩である。
【0013】さらに、好ましい実施態様では、密封用ラ
イナーに用いる熱可塑性樹脂(D)がエチレン−酢酸ビ
ニル共重合体である。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明で用いられるエチレン−ビ
ニルアルコール共重合体(A)(以下、EVOHと記
す。)は、エチレンとビニルエステルからなる共重合体
をアルカリ触媒等を用いてケン化して得られる。ビニル
エステルとしては酢酸ビニルが代表的なものとして挙げ
られるが、その他の脂肪酸ビニルエステル(プロピオン
酸ビニル、ピバリン酸ビニルなど)も使用できる。ま
た、EVOHは共重合成分としてビニルシラン化合物
0.0002〜0.2モル%を含有することができる。
ここで、ビニルシラン系化合物としては、たとえば、ビ
ニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、
ビニルトリ(β−メトキシ−エトキシ)シラン、γ−メ
タクリルオキシプロピルメトキシシランが挙げられる。
なかでも、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエト
キシシランが好適に用いられる。さらに、本発明の目的
が阻害されない範囲で、他の共単量体、例えば、プロピ
レン、ブチレン、あるいは(メタ)アクリル酸、(メ
タ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチルなど
の不飽和カルボン酸又はそのエステル、又はN−ビニル
ピロリドンなどのビニルピロリドンを共重合することも
出来る。
【0015】本発明に用いられるEVOH(A)のエチ
レン含量は20〜60モル%であり、好適には25〜5
5モル%、より好適には25〜50モル%である。エチ
レン含量が20モル%未満では、高湿度下でのガスバリ
ア性が低下し溶融成形性も悪化する。また60モル%を
超えると十分なガスバリア性が得られない。
【0016】また、本発明に用いられるEVOH(A)
のビニルエステル成分のケン化度は90%以上であり、
好適には95%以上、より好適には98%以上である。
ケン化度が90%未満では、高湿度時のガスバリア性が
低下するだけでなく、EVOHの熱安定性が悪化し、成
形物にゲルが発生しやすくなる。
【0017】本発明に用いられるEVOH(A)の好適
なメルトフローレート(MFR)(190℃、2160
g荷重下)は0.1〜50g/10min.、最適には
0.5〜30g/10min.である。但し、融点が1
90℃付近あるいは190℃を超えるものは2160g
荷重下、融点以上の複数の温度で測定し、片対数グラフ
で絶対温度の逆数を横軸、MFRの対数を縦軸にプロッ
トし、190℃に外挿した値で表す。これらのEVOH
樹脂は、それぞれ単独で用いることもできるし、2種以
上を混合して用いることもできる。
【0018】本発明で用いられるポリアミド樹脂(B)
は、アミド結合を有する重合体であって、例えば、ポリ
カプロアミド(ナイロン−6)、ポリウンデカンアミド
(ナイロン−11)、ポリラウリルラクタム(ナイロン
−12)、ポリヘキサメチレンアジパミド(ナイロン−
6,6)、ポリヘキサメチレンセバカミド(ナイロン−
6,12)の如き単独重合体、カプロラクタム/ラウリ
ルラクタム共重合体(ナイロン−6/12)、カプロラ
クタム/アミノウンデカン酸重合体(ナイロン−6/1
1)、カプロラクタム/ω−アミノノナン酸重合体(ナ
イロン−6,9)、カプロラクタム/ヘキサメチレンジ
アンモニウムアジペート共重合体(ナイロン−6/6,
6)、カプロラクタム/ヘキサメチレンジアンモニウム
アジペート/ヘキサメチレンジアンモニウムセバケート
共重合体(ナイロン−6/6,6/6,12)、アジピ
ン酸とメタキシリレンジアミンとの重合体、あるいはヘ
キサメチレンジアミンとm,p−フタル酸との重合体で
ある芳香族系ナイロンなどが挙げられる。これらのポリ
アミド樹脂は、それぞれ単独で用いることもできるし、
2種以上を混合して用いることもできる。
【0019】EVOHとの相容性の点から、これらのポ
リアミド樹脂(B)のうち、ナイロン6成分を含むポリ
アミド樹脂(例えば、ナイロン−6、ナイロン−6,1
2、ナイロン−6/12、ナイロン−6/6,6等)が
好ましい。EVOHとポリアミド樹脂は高温での溶融過
程で反応してゲル化するため、ブレンド組成物の熱劣化
を抑制する点から、ポリアミド樹脂(B)の融点は24
0℃以下が好ましく、230℃以下であることがより好
ましい。
【0020】本発明に用いられるポリアミド樹脂(B)
の好適なメルトフローレート(MFR)(210℃、2
160g荷重下)は0.1〜50g/10min.、最
適には0.5〜30g/10min.である。但し、融
点が210℃付近あるいは210℃を超えるものは21
60g荷重下、融点以上の複数の温度で測定し、片対数
グラフで絶対温度の逆数を横軸、MFRの対数を縦軸に
プロットし、210℃に外挿した値で表す。
【0021】本発明に用いられるオレフィン−不飽和カ
ルボン酸共重合体(C)とは、オレフィン、特にα−オ
レフィンと不飽和カルボン酸とからなる共重合体のこと
をいい、分子中にカルボキシル基を有するポリオレフィ
ンおよびポリオレフィン中に含有されるカルボキシル基
の全部あるいは一部が金属塩の形で存在しているものも
含まれる。オレフィン−不飽和カルボン酸共重合体のベ
ースとなるポリエチレン{低密度ポリエチレン(LDP
E)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、超低
密度ポリエチレン(VLDPE)}、ポリプロピレン、
共重合ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合
体、エチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体等
の各種ポリオレフィンが挙げられる。
【0022】本発明に用いられるオレフィン−不飽和カ
ルボン酸共重合体(C)の中でも、ポリオレフィンと不
飽和カルボン酸またはその無水物をランダム共重合して
得られる重合体が好ましく、エチレンと不飽和カルボン
酸またはその無水物がランダムに共重合していることが
さらに望ましい。ランダム共重合体がグラフト化合物よ
りも優れている理由は、グラフト化合物では、相容性を
発揮するのに必要な高い酸含有量を得ることが難しいた
めである。さらに、不飽和カルボン酸、例えば無水マレ
イン酸のグラフト化合物の場合は、EVOH中の水酸基
とグラフト共重合体中のカルボキシル基が反応して、ゲ
ル・ブツの原因となるため、好ましくない場合がある。
特に長時間に渡る溶融成形を行う場合にゲル・ブツの発
生が顕著となり易く、リサイクル性が低下する。また、
本発明で用いる樹脂組成物においては、オレフィン−不
飽和カルボン酸共重合体より、その金属塩を用いる方が
優れている。その理由は明確でないが、金属塩の方が極
性が高くなるために、ポリアミド樹脂に対する相容性が
増すためと考えられる。
【0023】不飽和カルボン酸またはその無水物の含有
量は、好ましくは2〜15モル%、さらに好ましくは3
〜12モル%である。不飽和カルボン酸またはその無水
物としては、アクリル酸、メタアクリル酸、エタアクリ
ル酸、マレイン酸、マレイン酸モノメチル、マレイン酸
モノエチル、イタコン酸、無水イタコン酸、無水マレイ
ン酸などが例示され、特にアクリル酸あるいはメタアク
リル酸が好ましい。また、共重合体に含有されても良い
他の単量体としては、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル
のようなビニルエステル、アクリル酸メチル、アクリル
酸エチル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸イソブ
チル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸2−エチルヘ
キシル、メタアクリル酸メチル、メタアクリル酸イソブ
チル、マレイン酸ジエチルのような不飽和カルボン酸エ
ステル、一酸化炭素などが例示される。
【0024】オレフィン−不飽和カルボン酸共重合体の
金属塩における金属イオンとしては、リチウム、ナトリ
ウム、カリウムなどのアルカリ金属、マグネシウム、カ
ルシウムなどのアルカリ土類金属、亜鉛などの遷移金属
が例示され、特に亜鉛を用いた場合がポリアミド樹脂に
対する相容性の点で好ましい。オレフィン−不飽和カル
ボン酸共重合体の金属塩における中和度は、100%以
下、特に90%以下、さらに70%以下の範囲が望まし
い。中和度の下限値については、通常5%以上、特に1
0%以上、さらには30%以上が望ましい。
【0025】本発明に用いるオレフィン−不飽和カルボ
ン酸共重合体(C)の好適なメルトフローレート(MF
R)(190℃、2160g荷重下)は、好ましくは
0.05〜50g/10min.、さらに好ましくは
0.5〜30g/10min.である。これらのオレフ
ィン−不飽和カルボン酸共重合体(C)は、それぞれ単
独で用いることもできるし、2種以上を混合して用いる
こともできる。
【0026】本発明で用いられる熱可塑性樹脂(D)
は、成分(A)、(B)、(C)とは異なる熱可塑性樹
脂であり、溶解性パラメーターが11以下である事が重
要である。即ち、熱可塑性樹脂(D)とオレフィン−不
飽和カルボン酸共重合体(C)の溶解性パラメーター
(Fedorsの式から算出)が近いことにより、結果
として、4成分(A)、(B)、(C)、(D)間の相
容性が向上する。熱可塑性樹脂(D)の溶解性パラメー
ターが11を超える場合、4成分(A)、(B)、
(C)、(D)間の相容性が低下し、ブレンド樹脂組成
物の強度、リサイクル性が著しく低下する。
【0027】溶解性パラメーターが11以下の熱可塑性
樹脂(D)として、ポリオレフィン系樹脂、スチレン系
樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂などが挙げられる。その中
でも、ポリオレフィン系樹脂が最も好ましく、高密度も
しくは低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテ
ン−1などのα−オレフィンの単独重合体、エチレン、
プロピレン、ブテン−1、ヘキセン−1などから選ばれ
たα−オレフィン同士の共重合体などが例示される。ま
た、α−オレフィンに以下の成分:ジオレフィン、塩化
ビニル、酢酸ビニルなどのビニル化合物、アクリル酸エ
ステル、メタクリル酸エステルなどの不飽和カルボン酸
エステルなど;を共重合したものも含まれる。また、ス
チレン系樹脂としては、ポリスチレン、アクリロニトリ
ル−ブタジエン−スチレン共重合樹脂(ABS)、アク
リロニトリル−スチレン共重合樹脂(AS)等が挙げら
れる。これらの熱可塑性樹脂は、それぞれ単独で用いる
こともできるし、2種以上を混合して用いることもでき
る。
【0028】本発明においては、熱可塑性樹脂(D)の
20℃における弾性モジュラス(ASTM D882)
が1000kg/cm以下であることが好ましく、さ
らに好適には600kg/cm以下、最も好適には3
00g/cm以下である。かかる熱可塑性樹脂(D)
を用いることが、シール性の観点から特に好ましい。
【0029】弾性モジュラスが1000kg/cm
下である熱可塑性樹脂(D)の例としては、低密度ポリ
エチレン(LDPE)、超低密度ポリエチレン(VLD
PE)、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、エ
チレン−メチルメタクリレート共重合体(EMMA)、
エチレン−エチルアクリレート共重合体(EEA)、エ
チレン−プロピレン共重合体(EPR)、スチレン系エ
ラストマー(SEBS樹脂等)などが挙げられが、中で
も、エチレン-酢酸ビニル共重合体(EVA)、超低密
度ポリエチレン(VLDPE)を用いることが好まし
く、エチレン-酢酸ビニル共重合体(EVA)を用いる
ことが特に好ましい。
【0030】本発明に用いる熱可塑性樹脂(D)の好適
なメルトフローレート(MFR)(190℃、2160
g荷重下)は、好ましくは0.05〜100g/10m
in.、さらに好ましくは0.05〜50g/10mi
n.、最適には0.5〜30g/10min.である。
但し、融点が190℃付近あるいは190℃を超えるも
のは2160g荷重下、融点以上の複数の温度で測定
し、片対数グラフで絶対温度の逆数を横軸、MFRの対
数を縦軸にプロットし、190℃に外挿した値で表す。
【0031】本発明の目的を達成するためには、エチレ
ン含有量が20〜60モル%でケン化度が90%以上で
あるエチレン−ビニルアルコール共重合体(A)5〜6
0重量%、ポリアミド樹脂(B)1〜30%、オレフィ
ン−不飽和カルボン酸共重合体(C)5〜89重量%お
よび11以下の溶解性パラメーター(Fedorsの式
から算出)を有する前記樹脂以外の熱可塑性樹脂(D)
5〜89重量%からなる樹脂組成物を用いる必要があ
る。樹脂組成物中のEVOH(A)の含有量 は5〜6
0重量%であり、好適には10〜50重量%、さらに好
適には15〜40重量%である。樹脂組成物中のEVO
H(A)の含有量 が5重量%未満の場合には組成物の
ガスバリア性が不足し、 EVOH(A)の含有量 が6
0重量%を超える場合には組成物の強度や接着性の改善
効果が不充分である。
【0032】樹脂組成物中のポリアミド樹脂(B)の含
有量 としては1〜30重量%、好適には1.5〜20
重量%、さらに好適には2〜10重量%である。樹脂組
成物中のポリアミド樹脂(B)の重量比が30重量%を
超える場合には、EVOH(A)に対するポリアミド樹
脂(B)の比率が上昇するため、両者の反応によるゲル
が生じ易くなり、リサイクル性も低下する。また1重量
%を下回る場合には、EVOH(A)とオレフィン−不
飽和カルボン酸共重合体(C)との相容性が低下し、組
成物の強度や接着性の改善効果、リサイクル性が不充分
となる。
【0033】樹脂組成物中のオレフィン−不飽和カルボ
ン酸共重合体(C)の含有量は5〜89重量%、好適に
は6〜50重量%、さらに好適には7〜30重量%であ
る。樹脂組成物中のオレフィン−不飽和カルボン酸共重
合体(C)の含有量が5重量%未満の場合には組成物の
強度や接着性の改善効果、リサイクル性が不充分であ
り、オレフィン−不飽和カルボン酸共重合体(C)の含
有量が89重量%を超える場合には組成物のガスバリア
性が不足する。
【0034】ポリアミド樹脂(B)とオレフィン−不飽
和カルボン酸共重合体(C)の合計量に対するポリアミ
ド樹脂(B)含有量は、両樹脂の合計量全体に対して2
〜98重量%であることが好ましく、5〜40重量%で
あることがさらに好ましい。ポリアミド樹脂(B)含有
量が2重量%未満の場合、EVOH(A)とポリアミド
樹脂(B)の相容性が低下し、 ポリアミド樹脂(B)
含有量が98重量%を超える場合、オレフィン−不飽和
カルボン酸共重合体(C)および/または熱可塑性樹脂
(D)との相容性が低下するおそれがある。両樹脂の合
計量全体に対するポリアミド樹脂(B)の含有量がかか
る範囲にあることで、樹脂組成物の溶融安定性が改善さ
れ、長時間におよぶ溶融成形においても良好な外観の成
形物を得ることができ、生産性、リサイクル性が向上す
る。この理由は明らかではないが、EVOH(A)とポ
リアミド樹脂(B)の反応が溶融安定性に悪影響を与え
ているものと考えられる。各成分間の相容性の低下は、
樹脂組成物自身の機械強度の低下あるいはバリア性、リ
サイクル性の低下につながる。
【0035】また組成物中の熱可塑性樹脂(D)の含有
量は5〜89重量%、好ましくは10〜75重量%、更
に好ましくは15〜70重量%である。樹脂組成物中の
熱可塑性樹脂(D)の含有量が5重量%未満の場合には
組成物の強度や接着性の改善効果が不充分であり、熱可
塑性樹脂(D)の含有量が89重量%を超える場合には
組成物のガスバリア性が不足する。
【0036】本発明においては、オレフィン−不飽和カ
ルボン酸共重合体(C)および/または熱可塑性樹脂
(D)が連続相、EVOH(A)が分散相となる樹脂組
成物が、全体としてポリオレフィンの特長を保有してい
ながら、EVOHを配合することによってその特性を付
与することができる点で有用である。すなわち熱接着
性、機械強度および柔軟性を保持しながらバリア性を改
善できる。具体的には、熱可塑性樹脂(D)を連続相と
することにより、バリア性を有しながらも、容器本体と
の密着性に優れた密封用ライナーを得ることができる。
このような分散形態は、 EVOH(A)の溶融粘度を
オレフィン−不飽和カルボン酸共重合体(C)および/
または熱可塑性樹脂(D)の溶融粘度より大きくするこ
と、あるいは樹脂組成物中のEVOH(A)とオレフィ
ン−不飽和カルボン酸共重合体(C)および/または熱
可塑性樹脂(D)の合計の重量に対する、EVOH
(A)の重量の値を小さくすることにより得ることがで
きる。
【0037】本発明においては、オレフィン−不飽和カ
ルボン酸共重合体(C)および/または熱可塑性樹脂
(D)が分散相、EVOH(A)が連続相となる樹脂組
成物もまた、有用である。この樹脂組成物は、全体とし
てEVOH(A)の特長を保有しながら、熱可塑性樹脂
(D)を配合することにより、熱接着性、機械強度、お
よび柔軟性を改善できる。具体的には、EVOH(A)
を連続相とすることにより、極めて高いバリア性を保有
し、かつ、EVOH(A)単体からなる密封用ライナー
と比較して、容器本体とのシール性、接着性、および機
械強度に優れた密封用ライナーを得ることができる。こ
のような分散形態は、オレフィン−不飽和カルボン酸共
重合体(C)および/または熱可塑性樹脂(D)の溶融
粘度をEVOH(A)の溶融粘度より大きくすること、
あるいは樹脂組成物中のEVOH(A)とオレフィン−
不飽和カルボン酸共重合体(C)および/または熱可塑
性樹脂(D)の合計の重量に対する、EVOH(A)の
重量の値を大きくすることにより得ることができる。
【0038】EVOH(A)とポリアミド樹脂(B)と
が反応することによるEVOHの熱劣化を防ぐ観点か
ら、本発明に用いる樹脂組成物には、高級脂肪族カルボ
ン酸の金属塩およびハイドロタルサイト化合物の少なく
とも1種を含有させることが好ましい。
【0039】ここで、ハイドロタルサイト化合物として
は特にMAl(OH)2x+3 y−2z(A)
aHO(MはMg、CaまたはZn、AはCOまた
はHPO、x、y、z、aは正数)で示される複塩で
あるハイドロタルサイト化合物を挙げることができ、こ
のようなもので、特に好適なものとして次のようなもの
が例示される。
【0040】MgAl(OH)16CO・4H
O MgAl(OH)20CO・5HO MgAl(OH)14CO・4HO Mg10Al(OH)22(CO・4HO MgAl(OH)16HPO・4HO CaAl(OH)16CO・4HO ZnAl(OH)16CO・4HO Mg4.5Al(OH)13CO・3.5H
【0041】また、ハイドロタルサイト化合物として、
特開平1−308439号(USP4954557)に
記載されているハイドロタルサイト系固溶体である、
[Mg 0.75Zn0.250.67Al
0.33(OH)(CO0.167・0.45H
Oのようなものも用いることができる。
【0042】高級脂肪族カルボン酸の金属塩とは炭素数
8〜22の高級脂肪酸の金属塩であり、炭素数8〜22
の高級脂肪酸としては、ラウリン酸、ステアリン酸、ミ
リスチン酸などがあげられ、また金属としては、ナトリ
ウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、亜鉛、バ
リウム、アルミニウムなどがあげられる。このうちマグ
ネシウム、カルシウム、バリウム等のアルカリ土類金属
が好適である。
【0043】これらの高級脂肪族カルボン酸の金属塩お
よびハイドロタルサイト化合物の含有量は、樹脂組成物
の合計重量に対して0.01〜3重量部が好ましく、よ
り好適には0.05〜2.5重量部である。
【0044】また、本発明に用いられる樹脂組成物に
は、上記の樹脂成分の他に適切な添加剤(例えば、熱安
定剤、可塑剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、着色剤、フ
ィラー、他の樹脂など)を本発明の目的が阻害されない
範囲で使用することは自由である。
【0045】本発明のEVOH(A)、ポリアミド樹脂
(B)、オレフィン−不飽和カルボン酸共重合体(C)
および11以下の溶解性パラメーター(Fedorsの
式から算出)を有する前記樹脂以外の熱可塑性樹脂
(D)からなる樹脂組成物は、通常の溶融混練装置によ
り各成分を溶融混練することにより容易に得ることがで
きる。ブレンドする方法に関しては、特に限定されるも
のではない。例えば、EVOH(A)、ポリアミド樹脂
(B)、オレフィン−不飽和カルボン酸共重合体(C)
および熱可塑性樹脂(D)を同時に、単軸または二軸ス
クリュー押出機などでペレット化し乾燥する方法、ある
いはまず最初にオレフィン−不飽和カルボン酸共重合体
(C)とポリアミド樹脂(B)を溶融混合−冷却−ペレ
ット化した後に、 EVOH(A)および熱可塑性樹脂
(D)とドライブレンドし、単軸または二軸スクリュー
押出機などでペレット化し乾燥する方法等が挙げられ
る。
【0046】なかでも、後述する実施例で示されている
ように、まず最初に、ポリアミド樹脂(B)とオレフィ
ン−不飽和カルボン酸共重合体(C)とを溶融混合し、
造粒・乾燥してから、 EVOH(A)と熱可塑性樹脂
(D)とにドライブレンドし、単軸または二軸スクリュ
ー押出機などで造粒し、乾燥する方法が好ましい。この
理由として、各成分を同時に溶融混練する場合は、相容
性の良い成分同士(例えば、EVOH(A)とポリアミ
ド樹脂(B))の混合が優先して進む場合があるため
に、4成分からなる樹脂組成物のモルフォロジーを安定
に制御することが難しいことがある。しかしながら、ポ
リアミド樹脂(B)とオレフィン−不飽和カルボン酸共
重合体(C)とのブレンド物を予め作製しておくことに
より、溶融混合時の条件にあまり影響を受けずに、安定
したEVOH(A)と熱可塑性樹脂(D)の相容化効果
が得られる。
【0047】なお、溶融配合操作においては、ブレンド
が不均一になったり、ゲル、ブツが発生、混入したりす
る可能性があるので、ブレンドペレット化はなるべく混
練度の高い押出機を使用し、ホッパー口を窒素ガスでシ
ールし、低温で押出しすることが望ましい。
【0048】本発明に用いられるキャップ本体の材料は
特に限定されないが、組成物との接着性や機械特性など
の観点から、ポリエチレンやポリプロピレンなどのポリ
オレフィン、特にポリプロピレンが多く用いられる。キ
ャップ本体の成形法としては特に限定されないが、射出
成形法、圧縮成形法、ディスク成形法などの公知の方法
が用いられる。
【0049】前記キャップ本体と本発明の樹脂組成物を
用いて容器用キャップを作成する方法としては、圧縮成
形法、射出成形法、シート成形法などの公知の方法が採
用できる。また圧縮成形法、射出成形法については、金
型内に予め成形したキャップ本体を設置して接着及び成
形を行う一体成形法、およびキャップ本体と密封用ライ
ナーを別々に成形して装着する方法があり、どちらを採
用してもよい。装着方法は特に限定されないが、接着、
嵌合、螺合などが挙げられる。中でも、密着性の観点か
らは接着が好ましい。接着方法としては、熱あるいは超
音波などの適切な手法で接着する方法があり、どちらを
採用してもよい。なおシート成形法については工程上、
別々に成形した後に接着する必要がある。また、シート
成形の場合および作成法によっては射出成形の場合には
リサイクル性が望まれる。以下に成形法の概略を説明す
る。
【0050】(圧縮成形法)溶融樹脂を雌金型内に落下
させた後、雄金型で圧縮して成形する方法である。一体
成形の場合には、密封用ライナーの雌金型内に予め成形
したキャップ本体を設置した状態で溶融樹脂を落下させ
て成形する。
【0051】(射出成形法)金型内に溶融樹脂を射出し
て成形する方法である。一体成形の場合には、金型内に
予め成形したキャップ本体を設置した状態で溶融樹脂を
射出する。ライナーをリサイクルして使用する場合は、
粉砕後再度溶融させて射出する。
【0052】(シート成形法)本組成物を、押出成形す
ることでシートを作製して、密封用ライナーの形状に打
ち抜いた後、超音波接着などの方法でキャップ本体に接
着する方法である。打ち抜き時に生じたバリは粉砕後に
再度押出成形に供される。
【0053】本発明の組成物は単体で密封用ライナーと
して用いることができるが、本組成物からなる層を少な
くとも一層含む多層構成して用いても構わない。多層構
成にて用いる際には、本発明の樹脂組成物以外の樹脂組
成物からなる層とキャップ本体との間に本樹脂組成物か
らなる層を配する構成が一般的である。また多層構成の
際のキャップの作製法は、上記圧縮成形法や射出成形法
を繰り返し行う方法、共射出成形による方法、多層シー
トを打ち抜いて貼り付ける方法、またはそれらの組み合
わせなどが挙げられる。
【0054】キャップを装着する容器本体の形態は特に
限定されない。ガラス瓶、PET(ポリエチレンテレフ
タレート)ボトルなどの容器、アルミ箔やエチレン‐ビ
ニルアルコール共重合体などのガスバリア材とポリオレ
フィンあるいはPETとを接着層を介して積層した積層
包装材を用いて作成した容器が用いられる。
【0055】このようにして得られた包装容器はガスバ
リア性に優れているほか、強度、リサイクル性に優れて
おり、食品、とくに液状食品(たとえばワイン、酒など
のアルコール類、しょう油等)の容器用キャップとして
好適である。
【0056】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに説明する
が、本発明はこれらの実施例に限定されるものではな
い。本実施例(以降の実施例、比較例でも同様)で使用
した樹脂(A)、(B)、および(C)および(D)
は、それぞれ下記の表1、表2、表3および表4に示し
たものを用いた。
【0057】
【表1】
【0058】
【表2】
【0059】
【表3】
【0060】
【表4】
【0061】(実施例1)エチレン−ビニルアルコール
共重合体樹脂(A−1)30重量部、ポリアミド樹脂
(B−1)とエチレン−メタクリル酸ランダム共重合体
金属塩(C−1)の重量比3/7混合物を10重量部、
熱可塑性樹脂(D−1 )60重量部の各樹脂のブレン
ド物を以下の方法で得た。すなわち、まずB−1とC−
1とを二軸スクリュータイプのベント式押出機に入れ、
窒素の存在下220℃で押出しペレット化を行い、得ら
れたブレンドペレット、A−1およびD−1をタンブラ
ーで予備混合後、ニーディングディスクを有する30m
mφの2軸押出機(日本製鋼所製TEX30:L/D=
30)を用いてシリンダー温度を、フィード下部を19
0℃、混練部及びノズル付近を210℃に設定し、押出
機のローターの回転数は610rpm、フィーダーのモ
ーター回転数250rpmで溶融混練し、ペレットを得
た。
【0062】前記ペレットを、圧縮成形用ライナー成形
機に供給し、同成形機の金型に、予め射出成形にて作製
した外径65mm、底部厚み1.2mmのポリプロピレ
ン製スクリューキャップ本体を配置して、キャップ本体
に溶融樹脂を直接落下させた後、圧縮成形にて密封用ラ
イナー層を成形した。この時圧縮成形機のシリンダー温
度は245℃、ノズル温度は235℃、金型温度は30
℃となるよう調節した。このとき密封用ライナーの厚み
は200μmであった。
【0063】このようにして成形した密封用ライナーの
評価は以下のように行った。まず、密封用ライナーの相
構成を検討した。前記圧縮成形にて密封用ライナーのみ
を作製し、その一部を切断し、小片を得た。小片の切断
面のEVOH(A)をヨウ素で染色し、切断面を光学顕
微鏡で観察することにより、EVOH(A)が連続相で
あるか、分散相であるかを判別した。本実施例において
は、EVOH(A)は分散相であった。
【0064】(1)バリア性(酸素透過係数) 前記圧縮成形にて、密封用ライナー層のみを作製し、本
ライナーを70℃、24時間以上真空乾燥して絶乾状態
とし、モダン・コントロール社(米国)製Ox‐Tran10/5
0型酸素透過率測定装置を用いて温度20℃、0%RHの
条件でJISK7126に準じて酸素透過係数(cc・20μ/
・Day・atm)を求めた。本実施例における透
過係数は、200cc・20μ/m・Day・atm
であった。
【0065】(2)シール性 内容量500mlのポリエステル製ボトルを各試料につ
いて2本準備し、それぞれに水200mlを入れ、キャ
ップを取り付けた後、トルクメーターを使用して、3k
g・cmおよび5kg・cmの締め付けトルクでそれぞ
れキャップを締めた。その後にボトル胴部を手で持ち、
上下に大きく20回振った。その結果液漏れの状態を観
察して、以下の基準により判定した。
【0066】評価 ◎:締めトルク3kg・cmでも漏れなかった。 ○:締めトルク5kg・cmでは漏れなかったが、3k
g・cmでは漏れた。 ×:締めトルク5kg・cmでも漏れた。
【0067】(3)接着性及び強度 内容量500mlのポリエステル製ボトル及びキャップ
を各試料について5本準備し、0℃の部屋で12時間放
置した後、キャップを手で強く20回、開け閉めを繰り
返した。その結果、キャップ本体とライナーの接着性、
およびライナーの強度をそれぞれ以下の基準に従って判
定した。
【0068】(接着性の評価) ◎:キャップ本体とライナー表面が、極めて良く密着し
ている。(商品価値極めて大) ○:キャップ本体とライナーとの間に、部分的にごく微
少な隙間が生じるが、商品価値は高い。 ×:ライナーとキャップ本体が剥離する、あるいは全く
接着しない。
【0069】(強度の評価) ◎:ライナー表面には全く変化なし。(商品価値極めて
大) ○:ライナー表面にごく微少なひびが見られるが、商品
価値は高い。 ×:ライナーに明らかなひび割れ、または裂傷が生じ
る。(不合格)
【0070】(4)リサイクル性 本発明の樹脂組成物からなるシートから密封用ライナー
を打ち抜いたバリを再び粉砕し、実施例1と同様の方法
で圧縮成形にて密封用ライナーおよび密封用ライナー付
きキャップを作成し、シール性、接着性および強度を上
記方法にて評価、判定した。
【0071】(実施例2〜5、比較例1〜8)表5に記
載の樹脂組成で実施例1と同様に各樹脂をブレンドし、
ペレットを得て、圧縮成形用ライナー成形機に供給し、
実施例1と同様の方法で、厚み200μmの密封用ライ
ナーを成形し、実施例1と同様に評価した。実施例1と
ともに結果を表5に示す。
【0072】
【表5】
【0073】本発明の容器用キャップはいずれも酸素バ
リア性は良好で、シール性、接着性、強度、およびリサ
イクル性に優れていた。比較例1は、EVOH(A)の
量が必要量に満たないため、シール性、接着性等に優れ
るもののガスバリア性が低かった。比較例2のエチレン
−酢酸ビニル共重合体のみからなる樹脂は、シール性、
接着性等に優れるものの、ガスバリア性が極端に悪かっ
た。相容化剤(B)と(C)とを含まない比較例3およ
び4は、強度もシール性も弱かった。
【0074】本発明に用いるEVOH(A)のエチレン
含有量の範囲(20〜60モル%)を超えるEVOH
(A−2)(70モル%)を用いた比較例5は、ガスバ
リア性が極端に悪かった。また、本発明に用いる熱可塑
性樹脂(D)の溶解性パラメーター11以下の要件を満
たさない溶解性パラメーター11.5の樹脂(D−3)
を用いた比較例6は、シール性、接着性およびリサイク
ル性に欠けていた。更に、相容化剤(B)又は(C)を
含まない比較例7、8は強度が不足した。
【0075】
【発明の効果】エチレン含有量が20〜60モル%でケ
ン化度が90%以上であるエチレン−ビニルアルコール
共重合体(A)5〜60重量%、ポリアミド樹脂(B)
1〜30重量%、オレフィン−不飽和カルボン酸共重合
体(C)5〜89重量%および11以下の溶解性パラメ
ーター(Fedorsの式から算出)を有する前記樹脂
以外の熱可塑性樹脂(D)5〜89重量%からなる樹脂
組成物からなる層が、キャップ本体に密封用ライナーと
して装着されてなる容器用キャップは、ガスバリア性、
容器との密着性、キャップ本体との接着性、機械強度お
よびリサイクル性に優れている。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08L 101/00 C08L 101/00 Fターム(参考) 3E084 CC04 CC05 DC04 DC05 HA02 HC07 4J002 AA01X BB00X BB03X BB05X BB06X BB07X BB08W BB09W BB10W BB10X BB12X BB14W BB14X BB15X BB16X BB17X BB18X BB22Y BB23W BC02X BC03X BC06X BD03X BE03Y BN15X CL00Z CL01Z CL03Z CL05Z FD070 GG01

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エチレン含有量が20〜60モル%でケ
    ン化度が90%以上であるエチレン−ビニルアルコール
    共重合体(A)5〜60重量%、ポリアミド樹脂(B)
    1〜30重量%、オレフィン−不飽和カルボン酸共重合
    体(C)5〜89重量%および11以下の溶解性パラメ
    ーター(Fedorsの式から算出)を有する前記樹脂
    以外の熱可塑性樹脂(D)5〜89重量%からなる樹脂
    組成物からなる層が、キャップ本体に密封用ライナーと
    して装着されてなる、容器用キャップ。
  2. 【請求項2】 前記熱可塑性樹脂(D)の20℃におけ
    る弾性モジュラスが1000kg/cm以下である請
    求項1記載の容器用キャップ。
  3. 【請求項3】 前記樹脂組成物からなる層が、キャップ
    の本体の表面に密封用ライナーとして接着されてなる、
    請求項1または2に記載の容器用キャップ。
  4. 【請求項4】 前記キャップ本体が、熱可塑性樹脂から
    なる請求項1ないし3のいずれかの項に記載の容器用キ
    ャップ。
  5. 【請求項5】 前記樹脂組成物が、エチレン−ビニルア
    ルコール共重合体(A)の連続相中にオレフィン−不飽
    和カルボン酸共重合体(C)および/または熱可塑性樹
    脂(D)の樹脂粒子が分散している形態を有する、請求
    項1ないし4のいずれかの項に記載の容器用キャップ。
  6. 【請求項6】 前記樹脂組成物が、オレフィン−不飽和
    カルボン酸共重合体(C)および/または熱可塑性樹脂
    (D)の連続相中にエチレン−ビニルアルコール共重合
    体(A)の樹脂粒子が分散している形態を有する、請求
    項1ないし4のいずれかの項に記載の容器用キャップ。
  7. 【請求項7】 前記オレフィン−不飽和カルボン酸共重
    合体(C)が、エチレン−不飽和カルボン酸ランダム共
    重合体またはその金属塩である、請求項1ないし6のい
    ずれかの項に記載の容器用キャップ。
  8. 【請求項8】 前記熱可塑性樹脂(D)がエチレン−酢
    酸ビニル共重合体である請求項1ないし7のいずれかに
    記載の容器用キャップ。
JP5655599A 1999-03-04 1999-03-04 密封用ライナーを装着した容器用キャップ Withdrawn JP2000255622A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5655599A JP2000255622A (ja) 1999-03-04 1999-03-04 密封用ライナーを装着した容器用キャップ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5655599A JP2000255622A (ja) 1999-03-04 1999-03-04 密封用ライナーを装着した容器用キャップ

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2000255622A true JP2000255622A (ja) 2000-09-19

Family

ID=13030370

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP5655599A Withdrawn JP2000255622A (ja) 1999-03-04 1999-03-04 密封用ライナーを装着した容器用キャップ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2000255622A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002241619A (ja) * 2001-02-19 2002-08-28 Kuraray Co Ltd ガソリンバリア性に優れた樹脂組成物
JP2003104427A (ja) * 2001-07-24 2003-04-09 Kuraray Co Ltd ライナーを装着した容器用キャップ
JP2003225916A (ja) * 2002-02-04 2003-08-12 Hokkai Can Co Ltd 蓋体の製造方法

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002241619A (ja) * 2001-02-19 2002-08-28 Kuraray Co Ltd ガソリンバリア性に優れた樹脂組成物
JP2003104427A (ja) * 2001-07-24 2003-04-09 Kuraray Co Ltd ライナーを装着した容器用キャップ
JP2003225916A (ja) * 2002-02-04 2003-08-12 Hokkai Can Co Ltd 蓋体の製造方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP0940438A1 (en) Resin composition
JP4275256B2 (ja) 容器用キャップ
CA2475554C (en) Resin composition and method for producing the same
CA2473980C (en) Resin composition and method for producing the same
JP3939584B2 (ja) 多層ブロー成形容器
JP3574500B2 (ja) 樹脂組成物および多層構造体
JP2000255622A (ja) 密封用ライナーを装着した容器用キャップ
JP4118437B2 (ja) プルリング付き注ぎ口
JP2000246843A (ja) 畜肉包装用多層フィルム
JP4052617B2 (ja) 樹脂組成物
JPH11140244A (ja) 樹脂組成物
JP3850971B2 (ja) 中空成形容器
EP0682072B1 (en) Multilayered structure
JP4179404B2 (ja) 成形物のスクラップを回収する方法
JP2000313749A (ja) 単層成形品
JP2000248129A (ja) プルリング付き注ぎ口
JP4218854B2 (ja) 多層中空成形容器
JPH11106590A (ja) 樹脂組成物および熱成形用多層構造体
JP2000248130A (ja) 注ぎ口が装着されている包装容器
JP2001288323A (ja) 樹脂組成物ペレットおよびその用途
JP2005054195A (ja) 樹脂組成物
JP2000248131A (ja) ガスバリア性に優れた容器用キャップ
JP2003205926A (ja) 多層プラスチックボトル
JP2000248136A (ja) 柔軟性に優れたエチレン−ビニルアルコール共重合体樹脂組成物
JP4778175B2 (ja) ライナーを装着した容器用キャップ

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20060118

A761 Written withdrawal of application

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A761

Effective date: 20081222

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090107