JP2000255213A - 重荷重用空気入りラジアルタイヤ - Google Patents

重荷重用空気入りラジアルタイヤ

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JP2000255213A
JP2000255213A JP11059871A JP5987199A JP2000255213A JP 2000255213 A JP2000255213 A JP 2000255213A JP 11059871 A JP11059871 A JP 11059871A JP 5987199 A JP5987199 A JP 5987199A JP 2000255213 A JP2000255213 A JP 2000255213A
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layer
cord
tire
angle
cords
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JP11059871A
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Akihiko Abe
明彦 阿部
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Bridgestone Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 べルトセパレーションと耐摩耗性の低下を有
効に抑制と、トレッドセンター部の偏摩耗を有効に抑制
することができる重荷重用空気入りラジアルタイヤを提
供することにある。 【解決手段】 主ベルト1を形成する第1層から第4層
のコードゴム引き層3〜6が、第2層4のタイヤ軸方向
幅W2 が最も広く、かつ、第2層4のコード4aのタイヤ
赤道面2に対する角度θ2 が比較的大きいこと、第2層
4のコード4aと第3層5のコード5aは、同じ向きに傾斜
する配置関係になり、かつ、第2層4のコード4aの前記
角度θ2 が第3層5のコードのそれθ3 よりも大きいこ
と、及び第3層5のコード5aと第4層6のコード6aとは
逆向きに傾斜する配置関係になり、かつ、これらのコー
ドの前記角度θ3 , θ4 がいずれも40°以下であること
を特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、1対のビードコ
アに跨るカーカスの外方に、スチールコードをタイヤ赤
道面に対して傾斜する向きに配列した第1層から第4層
までの計4層のコードゴム引き層を順次積層することに
よって形成した主ベルトと、トレッドゴムとを有する重
荷重用空気入りラジアルタイヤに関するものであり、よ
り詳細には、主べルトを形成する4層のコードゴム引き
層について、それらの軸方向幅並びにコードを配設する
向き及び角度の適正化を図ることにより、べルトセパレ
ーションと耐摩耗性の低下を抑制すると共に、トレッド
センター部の偏摩耗を抑制することにある。
【0002】
【従来の技術】例えばトラックやバス及び建設車両等の
車両のように高空気圧及び高負荷荷重が作用する条件下
で使用される、いわゆる重荷重用空気入りラジアルタイ
ヤは、そのベルト構成が、スチールコードをタイヤ赤道
面に対して傾斜する向きに配列したコードゴム引き層を
互いにタイヤ赤道面を挟んで交差する向きに順次積層す
ることによって形成するとともに、上記ベルトを形成す
るコードゴム引き層のコードのタイヤ赤道面に対する角
度を15〜30°の範囲に設定するのが一般的である。
【0003】ところで、隣接するコード層同士を、コー
ドがタイヤ赤道面を挟んで逆向きになるように積層する
ことによって形成した上記ベルト構成を有するタイヤの
場合には、隣接するコードゴム引き層間に逆向きのせん
断変形が発生するが、それを層間ゴムが抑制する方向に
作用する結果として、タイヤ周方向剛性を生み出すこと
ができる。
【0004】しかしながら、コード角度をいずれも15〜
30°の範囲内に設定した上記従来タイヤの場合には、せ
ん断変形によりタイヤ周方向への伸び量が大きくなると
同時に、これに伴ってタイヤ幅方向への縮み量も大きく
なる傾向があるため、結果的にゴムに大きなせん断変形
が生じるのは止むを得ず、従って、これらの歪によって
クラックが発生し、このクラックが起点となってセパレ
ーションに進展するおそれがある。
【0005】このため、隣接するコードゴム引き層同士
を、コードがタイヤ赤道面を挟んで逆向きになるように
順次積層することによってベルト形成し、かつ、コード
角度をいずれも15〜30°の範囲内に設定した上記ベルト
構成は、ベルトセパレーションを改良する点から適正化
を図ることが必要である。
【0006】また、これらの歪の発生は大きな発熱の原
因となり、この発熱によって、トレッド部の温度が上昇
する結果として耐摩耗性が低下するおそれもある。
【0007】さらに、上記ベルト構成では、タイヤ周方
向剛性とタイヤ軸方向剛性の双方とも十分ではなく、長
期間の使用によってトレッドセンター部がせり出してき
て、トレッドセンター部で偏摩耗が生じるおそれもあ
る。
【0008】加えて、主ベルトを構成するゴム引きコー
ド層のうち、上層に位置するコードゴム引き層の張力負
担が大きすぎると、耐カット貫通性が悪くなるおそれも
あり、タイヤ使用環境下によっては、かかる耐カット貫
通性を改良する必要が生じる場合もある。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】この発明の目的は、 主
べルトを4層のコードゴム引き層で形成したタイヤの、
コードゴム引き層の軸方向幅並びにそれらのコードを配
設する向き及び角度の適正化を図ることにより、べルト
セパレーションの発生と耐摩耗性の低下を有効に抑制で
き、かつ、長期間の使用によって生じがちなトレッドセ
ンター部のせり出しを防止してトレッドセンター部の偏
摩耗を有効に抑制することができる重荷重用空気入りラ
ジアルタイヤを提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、 この発明は、 1対のビードコアに跨るカーカスの外
方に、スチールコードをタイヤ赤道面に対して傾斜する
向きに配列した第1層から第4層までの計4層のコード
ゴム引き層を順次積層することによって形成した主ベル
トと、トレッドゴムとを有する重荷重用空気入りラジア
ルタイヤにおいて、主ベルトを形成する第1層から第4
層のコードゴム引き層が、下記に示す(1)〜(3)の
条件を満足することを特徴とする重荷重用空気入りラジ
アルタイヤ。
【0011】記 (1) 第2層のタイヤ軸方向幅(W2 )が最も広く、か
つ、第2層のコードのタイヤ赤道面に対する角度
(θ2 )が比較的大きいこと。 (2)第2層のコードと第3層のコードは、同じ向きに
傾斜する配置関係になり、かつ、第2層のコードのタイ
ヤ赤道面に対する角度が第3層のコードのそれよりも大
きいこと。 (3)第3層のコードと第4層のコードとは逆向きに傾
斜する配置関係になり、かつ、これらのコードの前記角
度がいずれも40°以下であること。
【0012】また、この発明では、前記第1層のコード
と前記第2層のコードとは、同じ向きに傾斜する配置関
係になること、前記第3層のコードの前記角度は、前記
第4層のコードのそれよりも大きいこと、前記第2層の
コードの前記角度は55°以上であり、前記第3層のコー
ドの前記角度は5°以上40°以下であり、前記第4層の
コードの前記角度は10°以下であること、前記第4層の
タイヤ軸方向幅は、前記第2層のそれの0.50〜0.75倍の
範囲であること、前記第1層のタイヤ軸方向幅及びコー
ドの前記角度をそれぞれW1 及びθ1 とし、前記第2層
のタイヤ軸方向幅をW2 とするとき、前記角度θ1 が、
34.87 (W1 /W2 )−2.65 ≦θ1 ≦19.94 (W1
2 )+30.42 の不等式を満足すること、及び/又は、
主ベルトとトレッドゴムとの間に、さらに少なくとも1
層のコードゴム引き層からなる補助ベルトを配設するこ
とがより好適である。
【0013】
【発明の実施の形態】次に、 この発明の実施の形態の一
例を以下に説明する。図1は、 この発明に従う重荷重用
空気入りラジアルタイヤの主ベルトを形成するコードゴ
ム引き層の積層状態を模式的に示したものであり、 図2
は、図1の各コードゴム引き層に埋設したコードのうち
の1本のコードをそれぞれ抜き出しこれらのコードを重
ねた状態を示したものであり、図中1は主ベルト、2は
タイヤ赤道面、3〜6はコードゴム引き層である。
【0014】この発明のタイヤは、1対のビードコア
(図示せず)に跨るカーカス (図示せず)の外方に、主
ベルト1とトレッドゴム (図示せず)とを有し、主ベル
ト1を、スチールコードをタイヤ赤道面2に対して傾斜
する向きに配列した第1層から第4層までの計4層のコ
ードゴム引き層3〜6(以下、それぞれ「第1層3、第
2層4、第3層5、第4層6」という。)を順次積層す
ることによって形成したものである。
【0015】そして、この発明の主な特徴は、主べルト
1を第1層3、第2層4、第3層5及び第4層6で形成
したタイヤについて、これらの層3〜6の軸方向幅W1
〜W 4 並びにそれらのコード3a〜6aを配設する向き及び
角度θ1 〜θ4 の適正化を図ること、より具体的には、
これらの層3〜6を、 (1) 第2層4のタイヤ軸方向幅
2 を第1〜4層3〜6のタイヤ軸方向幅W1 〜W4
中で最も広くし、かつ、第2層4のコード4aのタイヤ赤
道面2に対する角度θ2 を比較的大きくすること、
(2)第2層4のコード4aと第3層5のコード5aを同じ
向きに傾斜する配置関係にし、かつ第2層4のコード4a
のタイヤ赤道面2に対する角度θ2 を第3層5のコード
5aの前記角度θ3 よりも大きくすること、及び(3)第
3層5のコード5aと第4層6のコード6aとを逆向きに傾
斜する配置関係にし、かつこれらのコード5a,6a の前記
角度θ3 , θ4 をいずれも40°以下にすることという上
記(1)〜(3)の全ての条件を満足するように積層形
成することにある。
【0016】即ち、この発明では、上記構成を採用する
ことにより、図2に示すように、第2〜第4層4〜6の
コード4a〜6aが三角形を形成する配置構成になり、この
配置構成によって、タイヤの周方向や軸方向等のあらゆ
る方向の入力に対してバランスのとれたベルト剛性が得
られる。
【0017】また、第2層4のタイヤ軸方向幅W2 を第
1〜4層3〜6のタイヤ軸方向幅W 1 〜W4 の中で最も
広くするとともに、第2層4のコード4aの前記角度θ2
を比較的大きくするという上記条件(1)を満足させる
ことにより、十分なタイヤ軸方向剛性が得られ、この結
果、トレッド部がタイヤ軸方向に変形するのを抑制する
ことができる。
【0018】さらに、第2層4のコード4aと第3層5の
コード5aを同じ向きに傾斜する配置関係にし、かつ第2
層4のコード4aのタイヤ赤道面2に対する角度θ2 を第
3層5のコード5aの前記角度θ3 よりも大きくすること
という上記条件(2)を満足することにより、これらの
層4,5のコード4a,5a の傾斜配列が同じ向きであるた
め、これらの層間で発生するせん断歪が小さくなり、こ
の結果、このせん断歪に起因して生じがちなベルトセパ
レーションやゴム発熱を有効に抑制することができると
ともに、かかる構成であっても、通常の交差ベルトの場
合と同様の剛性が得られ、加えて、第2層4がタイヤ幅
方向の変形に対するつっかえ棒的な役割をも果たすこと
から、タイヤ軸方向に変形するのをより一層抑制するこ
とができる。
【0019】図3に、1枚のコードゴム引き層を、その
コードのタイヤ赤道面に対する角度θを同じ向きの角度
0〜90°の範囲で変化させてタイヤに配設したときのせ
ん断歪(%)をコンピューターシュミレーションによっ
て理論的に算出した結果の一例を示す。
【0020】一般に、積層するコードゴム引き層のコー
ドが同じ向きの傾斜である場合には、同方向に変形する
ため十分な周方向剛性が得られないと考えられていた
が、発明者は、図3の結果から、積層するコードゴム引
き層、即ち、第2層4のコード4a の前記角度θ2 と第
3層5のコード5aの前記角度θ3 を同じ向きの傾斜でか
つ適正な角度に設定すれば、コードを逆向きになるよう
に積層して形成した通常の交差ベルトと同様に、各層
4、5に逆向きのせん断変形(但し、せん断変形量は通
常の交差ベルトに比べると小さい。)が得られるため、
周方向剛性を生み出すことができること、さらに、2層
のコード角度が大きいと、タイヤ幅方向につっかえ棒の
効果があるため、タイヤ幅方向に縮みづらくなり、結果
的に周方向へ伸びにくくなり、その結果、タイヤ周方向
剛性はさらに大きくなることを見出した。
【0021】さらにまた、第3層5のコード5aと第4層
6のコード6aとを逆向きに傾斜する配置関係にし、かつ
これらのコード5a,6a の前記角度θ3 , θ4 をいずれも
40°以下にすることによって、十分なタイヤ周方向剛性
が得られるため、長期間の使用によって生じがちなトレ
ッドセンター部のせり出しを防止してトレッドセンター
部の偏摩耗を有効に抑制することができる。
【0022】ここで、「コードが同じ向きに傾斜する」
とは、具体的には、 平面上で、直交する座標軸で平面を
4つに分けたときの第1〜第4象限を考え、 対象となる
コードが原点を通り第1象限と第3象限の範囲内にある
とき、 同様の範囲内で傾斜することを意味し、 また、
「コードが逆向きに傾斜する」とは、対象となるコード
が原点を通り第1象限と第3象限の範囲にあるとき、 第
2象限と第4象限の範囲内で傾斜することを意味する。
【0023】以上のように、この発明では、上記(1)
〜(3)の条件の全てを満足させることによって、べル
トセパレーションと耐摩耗性の低下を有効に抑制し、か
つ、長期間の使用によって生じがちなトレッドセンター
部のせり出しを防止してトレッドセンター部の偏摩耗を
有効に抑制することに成功したのである。
【0024】また、この発明では、主ベルト1を形成す
る4層のコードゴム引き層3〜6のうちの、3層のコー
ドゴム引き層である第2〜4層4〜6についてのコード
4a〜6aの前記角度θ2 〜θ4 の配設関係だけを規定し、
残りのコードゴム引き層である第1層3のコードの前記
角度θ1 についてはあえて規定しなくても上述した効果
を奏することができるが、第1層3のコード3aと前記第
2層4のコード4aとを、同じ向きに傾斜する配置関係に
すれば、これらの層間で大きなせん断歪が発生しにくく
なるとともに、タイヤ軸方向剛性のより一層の向上が期
待できるため、この配置関係にすることが好ましい。
【0025】さらに、第3層5のコード角度θ3 は、第
4層6のコード角度θ4 よりも小さいと、タイヤ周方向
剛性が大きくなりすぎて、接地時にセンター部の変形が
過度に抑制され、この結果、十分な接地長が得られずに
トレッド部が偏摩耗する場合があるため、かかる場合に
は、第3層5のコード角度θ3 を第4層6のコード角度
θ4 よりも大きくすることが好ましく、より好ましく
は、前記角度θ3 を5°以上40°以下の範囲、前記角度
θ4 を10°以下の範囲にする。
【0026】加えて、第3層5のコード5aの前記角度θ
3 が40°以下であること及び図3に示す結果から、第2
層4のコード4a の前記角度θ2 は、第2層と第3層で
形成される積層コードゴム引き層によって、通常の交差
ベルトと同様な効果を得るには、55°以上にすることが
好ましい。
【0027】また、図4(a) 及び(b) は、それぞれ、第
2層4のコード角度θ2 を変化させたときの、内圧充填
時の第3層の端部位置のタイヤ軸方向変位(mm)、及び荷
重時のトレッド部の端部位置のタイヤ軸方向変位(mm)を
示したものであり、両図とも、コード角度θ2 の「L]
及び「R」の符号はそれぞれ「左上がり」及び「右上が
り」を意味する。
【0028】図4(a),(b)の結果から、第2層4のコード
4a の前記角度θ2 は、前記角度θ 3 と同じ向きでかつ
60〜90°の範囲にすることがより好適である。
【0029】さらに、第4層6は、そのタイヤ軸方向幅
4 が広すぎると、ショルダー部の剛性が高くなりす
ぎ、接地時にあまり接地しなくなる傾向がある一方、そ
のタイヤ軸方向幅W4 が狭すぎると、十分なタイヤ周方
向剛性が得られなくなり、内圧充填時にトレッドセンタ
ー部の径成長が大きくなる傾向があり、いずれの場合に
も、トレッドセンター部の接地圧負担が増加する結果、
トレッドセンター部で偏摩耗が顕著に生じるおそれがあ
る。
【0030】図5は、種々のタイヤ軸方向幅W4 の第4
層6を作製し、第2層4のタイヤ軸方向幅W2 に対する
タイヤ軸方向幅W4 の比W4 /W2 を変化させたとき
の、トレッドセンター部の偏摩耗の度合を表わす指標と
なるトレッドセンター部の温度の測定値をプロットした
ものである。尚、第2層4のタイヤ軸方向幅W2 を550m
m、前記角度θ2 を30°とし、第4層6の前記角度θ4
を6°とした。
【0031】図5の結果から、第4層6のタイヤ軸方向
幅W4 は、前記第2層4のタイヤ軸方向幅W2 の0.50〜
0.75倍の範囲にすれば、トレッドセンター部での発熱が
抑制され、トレッドセンター部の偏摩耗が生じにくくな
るのが推測できる。従って、第4層6のタイヤ軸方向幅
4 は、第2層4のタイヤ軸方向幅W2 の0.50〜0.75倍
の範囲にすることがより好適である。
【0032】さらにまた、第1層3の前記角度θ1 は、
タイヤ軸方向幅比W1 /W2 との関係で、トレッドセン
ター部の温度及び耐カット貫通性に大きく影響を与える
ことから、かかる観点から規定することが好ましい。即
ち、第1層3の前記角度θ1が小さく、タイヤ軸方向幅
1 が広いと、タイヤ周方向剛性が高くカット貫通性は
良くなるが、ショルダー部の剛性が高くなりすぎ、接地
時にあまり接地しなくなり、その結果、トレッドセンタ
ー部の接地圧負担が増加してトレッドセンター部の偏摩
耗が発生しやすくなる傾向がある一方、第1層3の前記
角度θ1 が大きく、タイヤ軸方向幅W1 が狭いと、十分
なタイヤ周方向剛性が得られず、カット貫通性が悪くな
る傾向があるからである。
【0033】前記角度θ1 を、タイヤ軸方向幅比W1
2 との関係で、トレッドセンター部の温度に関してプ
ロットしたものを図6に、また、カット貫通性を表わす
指標となるプランジャー入力時の第1層3のコード3a方
向の歪に関してプロットしたものを図7に示し、これら
の好適範囲の最低レベル線 (図6及び図7の破線)をプ
ロットしたものを図8に示す。
【0034】図8の結果から、前記角度θ1 は、 34.8
7 (W1 /W2 )−2.65 ≦θ1 ≦19.94 (W1
2 )+30.42 の不等式を満足するような角度にするこ
とが好ましい。
【0035】また、より高い剛性と耐カット貫通性能が
必要な場合には、主ベルト1とトレッドゴム (図示せ
ず)との間に、さらに少なくとも1層のコードゴム引き
層からなる補助ベルト (図示せず)を配設することがよ
り好適である。
【0036】尚、主ベルト1を形成するコードゴム引き
層3〜6のコード3a〜6aには、張力負担をすることがで
きる、スチール等の破断伸びが小さい (好適には2〜4
%)コードを用いるのが好適であり、上記補助ベルトを
形成するコードゴム引き層のコードには、ハイエロンゲ
ーションスチールコード等の破断伸びが大きい (好適に
は3〜6%)コードを用いるのが好適である。
【0037】尚、上述したところは、この発明の実施形
態の一例を示したにすぎず、請求の範囲において種々の
変更を加えることができる。
【0038】
【実施例】次に、この発明に従う空気入りタイヤを試作
し、性能を評価したので以下で説明する。 ・実施例1 実施例1のタイヤは、そのサイズがORR37.00R57である
建設車両用空気入りラジアルタイヤであり、主ベルト1
が4層のコードゴム引き層である第1〜4層3〜6で形
成したものであり、各層3〜6の、タイヤ軸方向幅W1
〜W4 をそれぞれ125mm ,550mm ,350mm ,310mm と
し、前記角度θ1 〜θ4 をそれぞれR60 °,R60 °,R2
3 °,L6°とした。また、主ベルト1とトレッドゴムと
の間に、2層のコードゴム引き層(下層:550mm ,L27
°、上層: 420mm,R23 °)からなる補助ベルトを配設
してある。尚、これ以外のタイヤ構造については、従来
の建設車両用空気入りラジアルタイヤとほぼ同様のタイ
ヤ構造を有する。
【0039】・実施例2 実施例2のタイヤは、各層3〜6の、タイヤ幅方向幅W
1 〜W4 をそれぞれ80mm,550mm ,290mm ,310mm と
し、前記角度θ1 〜θ4 をそれぞれR60 °,R60°,R9
°,L6°としたことを除いて実施例1のタイヤと同様に
構成した。
【0040】・実施例3 実施例3のタイヤは、各層3〜6の、タイヤ幅方向幅W
1 〜W4 をそれぞれ290mm ,550mm ,290mm ,310mm と
し、前記角度θ1 〜θ4 をそれぞれR40 °,R60 °,R9
°,L6°としたことを除いて実施例1のタイヤと同様に
構成した。
【0041】・実施例4 実施例4のタイヤは、各層3〜6の、タイヤ幅方向幅W
1 〜W4 をそれぞれ180mm ,550mm ,290mm ,310mm と
し、前記角度θ1 〜θ4 をそれぞれR20 °,R60 °,R9
°,L6°としたことを除いて実施例1のタイヤと同様に
構成した。
【0042】・実施例5 実施例5のタイヤは、各層3〜6の、タイヤ幅方向幅W
1 〜W4 をそれぞれ80mm,550mm ,290mm ,310mm と
し、前記角度θ1 〜θ4 をそれぞれR6°,R60 °,R9
°,L6°としたことを除いて実施例1のタイヤと同様に
構成した。
【0043】・従来例 従来例1のタイヤは、そのサイズがORR37.00R57である
建設車両用空気入りラジアルタイヤであり、主ベルト1
が4層のコードゴム引き層である第1〜4層3〜6で形
成したものであり、各層3〜6の、タイヤ幅方向幅W1
〜W4 をそれぞれ350mm ,460mm ,380mm ,310mm と
し、前記角度θ1 〜θ4 をそれぞれR25 °,L27 °,R1
9 °,Ll9 °とした。また、主ベルト1とトレッドゴム
との間に、2層のコードゴム引き層(下層:550mm ,L2
7 °、上層: 420mm,R23 °)からなる補助ベルトを配
設したタイヤである。
【0044】(試験方法)上記各供試タイヤについて、
タイヤ内圧:700kPa、タイヤ負荷荷重:515 kNの条件下
で、耐カット貫通性、耐摩耗性、及びトレッドセンター
部の偏摩耗について評価するための試験を行なった。
【0045】耐カット貫通性を評価するための試験は、
直径90mmの各先端が半球状をなすスチール製丸棒を垂直
に固定し、これら半球状先端に上記空気圧充填下で各供
試タイヤを押し当てて垂直に下降させ、プランジャがタ
イヤを破断するまでに要したエネルギーを測定し、この
測定値から耐カット貫通性を評価した。
【0046】耐摩耗性を評価するための試験は、上記空
気圧及び負荷荷重で供試タイヤを室内ドラム試験機で一
定時間走行させる条件下で、トレッドセンター部の温度
を測定し、この測定値から耐摩耗性を評価した。
【0047】トレッドセンター部の偏摩耗について評価
するための試験は、上記空気圧充填時の条件下で、トレ
ッドセンター部の径成長量を測定し、この測定値からト
レッドセンター部の偏摩耗を評価した。
【0048】表1にこれらの評価結果を示す。尚、表1
中の数値は、いずれも従来例を100とした指数比で示し
てあり、いずれも小さい方が優れていることを意味す
る。
【0049】
【表1】
【0050】表1の結果から、実施例1〜5は、いずれ
も従来例に比べて、耐摩耗性に優れており、トレッドセ
ンター部の偏摩耗が抑制されていることがわかる。尚、
実施例1及び2は、耐カット貫通性が従来例よりも劣る
が、これらのタイヤは、耐カット貫通性があまり問題と
ならないような環境下で使用すれば顕著な効果を相する
ことができる。
【0051】
【発明の効果】この発明によって、べルトセパレ- ショ
ンとトレッド部の温度上昇による耐摩耗性の低下が抑制
され、かつ、長期間の使用によって生じがちなトレッド
センター部のせり出しを抑制して、トレッドセンター部
の偏摩耗が生じにくい重荷重用空気入りラジアルタイヤ
の提供が可能になった。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明に従う重荷重用空気入りラジアルタ
イヤの主ベルトを形成するコードゴム引き層の積層状態
を模式的に示した図である。
【図2】 図1の各コードゴム引き層に埋設したコード
のうちの1本のコードを抜き出しこれらのコードを重ね
た状態を示した図である。
【図3】 コードのタイヤ赤道面に対する角度θが異な
る1枚のコードゴム引き層をタイヤに配設したときのせ
ん断歪(%)をコンピュータによってシュミレーション
した結果の一例を示す図である。
【図4】 (a) は、コード角度θ2 を変化させて第2層
4を配設したときの、内圧充填時の第3層の端部位置の
タイヤ軸方向変位をプロットした図であり、(b) は、コ
ード角度θ2 を変化させて第2層4を配設したときの、
荷重時のトレッド部の端部位置のタイヤ軸方向変位を示
した図である。
【図5】 第2層4のタイヤ軸方向幅W2 に対するタイ
ヤ軸方向幅W4 の比W4/W2 を変化させたときの、ト
レッドセンター部の温度の測定値をプロットした図であ
る。
【図6】 前記角度θ1 を、タイヤ軸方向幅比W1 /W
2 との関係で、トレッドセンター部の温度に関してプロ
ットした図である。
【図7】 前記角度θ1 を、タイヤ軸方向幅比W1 /W
2 との関係で、第1層3のコード3a方向の歪に関してプ
ロットした図である。
【図8】 図6及び図7の好適範囲の最低レベル線 (図
6及び図7の破線)をプロットした図である。
【符号の説明】
1 主ベルト 2 タイヤ赤道面 3 コードゴム引き層( 又は第1層) 4 コードゴム引き層 (又は第2層) 5 コードゴム引き層(又は第3層) 6 コードゴム引き層(又は第4層) 3a〜6a コード

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 1対のビードコアに跨るカーカスの外方
    に、スチールコードをタイヤ赤道面に対して傾斜する向
    きに配列した第1層から第4層までの計4層のコードゴ
    ム引き層を順次積層することによって形成した主ベルト
    と、トレッドゴムとを有する重荷重用空気入りラジアル
    タイヤにおいて、 主ベルトを形成する第1層から第4層のコードゴム引き
    層が、下記に示す(1)〜(3)の条件を満足すること
    を特徴とする重荷重用空気入りラジアルタイヤ。 記 (1) 第2層のタイヤ軸方向幅(W2 )が最も広く、か
    つ、第2層のコードのタイヤ赤道面に対する角度
    (θ2 )が比較的大きいこと。 (2)第2層のコードと第3層のコードは、同じ向きに
    傾斜する配置関係になり、かつ、第2層のコードのタイ
    ヤ赤道面に対する角度(θ2 )が第3層のコードのそれ
    (θ3 )よりも大きいこと。 (3)第3層のコードと第4層のコードとは逆向きに傾
    斜する配置関係になり、かつ、これらのコードの前記角
    度(θ3 , θ4 )がいずれも40°以下であること。
  2. 【請求項2】 前記第1層のコードと前記第2層のコー
    ドとは、同じ向きに傾斜する配置関係になる請求項1記
    載の重荷重用空気入りラジアルタイヤ。
  3. 【請求項3】 前記第3層のコードの前記角度(θ3
    は、前記第4層のコードのそれ(θ4 )よりも大きい請
    求項1又は2記載の重荷重用空気入りラジアルタイヤ。
  4. 【請求項4】 前記第2層のコードの前記角度(θ2
    は55°以上であり、前記第3層のコードの前記角度(θ
    3 )は5°以上40°以下であり、前記第4層のコードの
    前記角度(θ4 )は10°以下である請求項1、2又は3
    記載の重荷重用空気入りラジアルタイヤ。
  5. 【請求項5】 前記第4層のタイヤ軸方向幅(W4
    は、前記第2層のそれ(W 2 )の0.50〜0.75倍の範囲で
    あること請求項1〜4のいずれか1項記載の重荷重用空
    気入りラジアルタイヤ。
  6. 【請求項6】 前記第1層のタイヤ軸方向幅及びコード
    の前記角度をそれぞれW 1 及びθ1 とし、前記第2層の
    タイヤ軸方向幅をW2 とするとき、前記角度θ1が、 34.87 (W1 /W2 )−2.65 ≦θ1 ≦ 19.94 (W1
    /W2 )+30.42 の不等式を満足する請求項1〜5のいずれか1項記載の
    重荷重用空気入りラジアルタイヤ。
  7. 【請求項7】 主ベルトとトレッドゴムとの間に、さら
    に少なくとも1層のコードゴム引き層からなる補助ベル
    トを配設する請求項1〜6のいずれか 1項記載の重荷重
    用空気入りラジアルタイヤ。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007276596A (ja) * 2006-04-05 2007-10-25 Yokohama Rubber Co Ltd:The ランフラットタイヤ
JP2008260343A (ja) * 2007-04-10 2008-10-30 Yokohama Rubber Co Ltd:The 空気入りタイヤ
CN106457914A (zh) * 2014-05-19 2017-02-22 大陆轮胎德国有限公司 车辆充气轮胎

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