JP3848777B2 - 荒地走行用重荷重用空気入りラジアルタイヤ - Google Patents

荒地走行用重荷重用空気入りラジアルタイヤ Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、荒地走行用重荷重用空気入りラジアルタイヤに関し、更に詳しくは、タイヤ耐久性を低下させることなく、エンベロープ性とショルダー部の耐カット性とを両立するようにした荒地走行用重荷重用空気入りラジアルタイヤに関する。
【0002】
【従来の技術】
例えばローダー等の大型建設車両に使用される重荷重用空気入りラジアルタイヤは、荒地を走行する時トレッド部に路面上の砕石等の様々な突起物により衝撃やカット傷を受ける。そのため、トレッド部の構造には、路面上の突起物を包み込むように追従するエンベロープ性と共に、カット傷がタイヤ内面まで容易に達しない耐カット性が求められている。
【0003】
従って、一般に荒地走行用重荷重用空気入りラジアルタイヤは、トレッド部のベルト層の補強コードに破断伸び4%以下の非伸長性スチールコードを使用することにより、耐カット性を確保している。また、上記ベルト層の全幅を一般のラジアルタイヤに使用されるベルト層よりも狭くし、ショルダー部の曲げ剛性を小さくすることにより、エンベロープ性を有するようにしている。しかし、このようにベルト層全幅を狭くすることにより、エンベロープ性は得られるものの、ショルダー部での耐カット性が悪化するという問題があった。
【0004】
従来、上記ショルダー部の耐カット性対策として、図5に示すように、トレッド部11、サイドウォール部12、カーカス層14、ベルト層17を備えた荒地走行用重荷重用空気入りラジアルタイヤにおいて、トレッド部11に配置された複数のベルト層17の内、最内層のベルト層17Xのベルト幅のみをショルダー部11Aまで延ばして広くするようにした技術が提案されている。しかし、曲げ剛性の高いベルト層のエッジが、変形の激しいショルダー部11A内まで深く延在していると、エッジセパレーションを起こし易くなる。そのため、ベルト耐久性を維持しようとすると、ベルト層17Xをショルダー部11A内へ深く延ばすことができず、ショルダー部の耐カット性を大きく改善することができないという問題があった。また、曲げ剛性の高いベルト層をショルダー部11Aまで延ばすため、エンベロープ性の低下は避けられない。
【0005】
また、上述した他の対策として、図6に示すように、ベルト層17の最外側に破断伸び6%以上の伸長性スチールコードを配列したベルト層17Yをショルダー部11Aまで幅広に設けるようにした技術の提案がある。しかし、ベルト層17の外側にベルト層17Yを追加することにより、トレッド部の肉厚が増加して発熱量が増大するため、エッジ部にセパレーションが発生し易くなり、ベルト耐久性が低下する問題を必ずしも解決するものではなかった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、ベルト耐久性を低下させることなく、エンベロープ性とショルダー部の耐カット性とを両立させるようにした荒地走行用重荷重用空気入りラジアルタイヤを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成する本発明は、左右のビード部間にカーカス層を装架し、トレッド部のカーカス層外周に破断伸び4%以下のスチールコードをタイヤ周方向に対して傾斜配列した少なくとも2層のベルト層を配置し、該ベルト層を、前記カーカス層のタイヤ断面でのカーカス最大幅SWの0.6以下のベルト幅をもつ少なくとも1層の上部側ベルト層(A)と、両端部がそれぞれトレッドショルダー部まで延在するベルト幅をもつ少なくとも1層の下部側ベルト層(B)とから構成し、前記上部側ベルト層(A)のスチールコードのタイヤ周方向に対する傾斜角度αを18°〜22°にする一方、前記下部側ベルト層(B)のスチールコードのタイヤ周方向に対する傾斜角度βを25°〜37°にし、前記上部側ベルト層(A)のスチールコードを構成する各スチールフィラメントの直径を0.26 mm 〜0.38 mm にする一方、前記下部側ベルト層(B)のスチールコードを構成する各スチールフィラメントの直径を0.15 mm 〜0.22 mm にし、かつ前記下部側ベルト層(B)のスチールコード1本当たりの曲げ剛性Mb2 と該ベルト層(B)の単位当たりのスチールコードの本数N2 との積と、前記上部側ベルト層(A)のスチールコード1本当たりの曲げ剛性Mb1 と該ベルト層(A)の単位当たりのスチールコードの本数N1 との積との比r=(Mb2・N2 )/(Mb1・N1 )を0.2〜0.65の範囲にしたことを特徴とする。
【0008】
このようにショルダー部まで延びる下部側ベルト層(B)と幅狭の上部側ベルト層(A)におけるスチールコード1本当たりの曲げ剛性と単位幅当たりのスチールコード本数との積の比rを上記のような範囲にして、下部側ベルト層(B)の積の値を上部側ベルト層(A)のそれよりも小さくすることにより、下部側ベルト層(B)をテンションメンバーとして作用させながら、その曲げ剛性を小さくすることができるので、下部側ベルト層(B)をショルダー部側まで延在させても、ショルダー部側を変形し易くすることができる。従って、エンベロープ性の確保が可能になる。
【0009】
また、下部側ベルト層(B)の曲げ剛性が小さくなるので、従来の剛性が高いベルト層よりもエッジセパレーションを改善することができる。その上、幅広にした下部側ベルト層(B)のスチールコードの傾斜角度を従来よりも大きくすることにより、ベルトエッジに作用する接地時の主歪み成分と、非接地時の主歪み成分の方向差を小さくすることができる。その結果、下部側ベルト層(B)のエッジに集中する主歪み成分の方向差に起因するエッジセパレーションの発生を抑えることができる。従って、ベルト耐久性を維持しながら、従来のベルト層をショルダー部まで延ばしたものよりも、更にベルト層をショルダー部内深くまで延ばすことができる。そのため、ショルダー部の耐カット性を大きく向上することができる。更に、従来のように新たなベルト層を追加せずに済むので、トレッド部における発熱量の増加を招くことがなく、ベルト耐久性が低下することがない。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の構成について添付の図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は本発明の荒地走行用重荷重用空気入りラジアルタイヤの一例を示し、1はトレッド部、2はサイドウォール部、3はビード部、CLはタイヤセンターラインである。タイヤ内側には左右のビード部3間に1層のカーカス層4が装架され、その両端部4aがビードコア5の周りにビードフィラー6を挟み込むようにしてタイヤ内側から外側に折り返されている。トレッド部1のカーカス層外周側には、テンションメンバーとして作用する3層のベルト層7が埋設されている。トレッド面1aには、タイヤ周方向に延びる周方向溝8が設けられている。
【0011】
3層のベルト層7は、カーカス層4のタイヤ断面でのカーカス最大幅SWの0.6倍以下のベルト幅WA をもつ2層の上部側ベルト層(A)7Aと、両端部がそれぞれショルダー部1Aまで延在するベルト幅WB をもつ1層の下部側ベルト層(B)7Bとから構成されている。下部側ベルト層(B)7Bが1番ベルト層に、上部側ベルト層(A)7Aが2,3番ベルト層に配置されている。上部側ベルト層(A)7Aは、直径が0.26mm〜0.38mmの複数のスチールフィラメントを撚り合わせた非伸長性スチールコードを配列した構成になっている。下部側ベルト層(B)7Bは、それよりも素線径が小さい、直径が0.15mm〜0.22mmの複数のスチールフィラメントを撚り合わせた非伸長性スチールコードを配列して構成されている。なお、ここで言う非伸長性スチールコードとは、破断時の伸びが4%以下、好ましくは3%以下のスチールコードである。
【0012】
また、下部側ベルト層(B)7Bを構成するスチールコード1本当たりの曲げ剛性Mb2(kgf・mm2)とそのベルト層(B)の単位幅当たりのスチールコード本数N2 (本/50mm)との積Mb2・N2 と、上部側ベルト層(A)7Aを構成するスチールコード1本当たりの曲げ剛性Mb1(kgf・mm2)とそのベルト層(A)の単位幅当たりのスチールコード本数N1 (本/50mm)との積Mb1・N1 との比r=(Mb2・N2 )/(Mb1・N1 )が、0.2〜0.65の範囲になっている。ここで言う曲げ剛性Mb は、下記の式により求めることができる。
【0013】
【数1】
Figure 0003848777
【0014】
但し、di は1本のスチールコードを構成するスチールフィラメントの直径(mm)、nは1本のスチールコードを構成するスチールフィラメントの本数である。
各ベルト層7A,7A,7Bは、図2に示すように、層間でスチールコードfが互いにタイヤ周方向Tに対する傾きを逆向きにして交差するように配置されている。下部側ベルト層(B)7Bのスチールコードfのタイヤ周方向Tに対する傾斜角度βが、上部側ベルト層(A)7Aのスチールコードfのタイヤ周方向Tに対する傾斜角度αよりも大きくなっている。また、各ベルト層の単位幅当たりの破断強力(kgf/50mm)を略同じにしている。
【0015】
このように本発明では、ショルダー部1Aまで延在する下部側ベルト層(B)7Bと幅狭の上部側ベルト層(A)7Aにおいて、スチールコード1本当たりの曲げ剛性と単位幅当たりのスチールコード本数との積の比rを上記のような範囲にして、下部側ベルト層(B)7Bの積の値を上部側ベルト層(A)7Aのそれよりも小さくすることにより、下部側ベルト層(B)7Bの曲げ剛性を低くすることができるので、下部側ベルト層(B)をショルダー部1A側まで延ばしながら、そのショルダー部1A側が変形し易くなる。従って、エンベロープ性を確保することができる。しかも、積の比rの下限値を上記のようにすることで、下部側ベルト層(B)7Bがテンションメンバーとしての働きを損なうようなことがない。
【0016】
また、下部側ベルト層(B)7Bの曲げ剛性が小さくなるので、従来の剛性が高いベルト層よりもエッジセパレーションを改善することができる。しかも、下部側ベルト層(B)7Bのスチールコードfの傾斜角度を従来よりも大きくすることにより、ベルトエッジに作用する接地反力による主歪み成分と内圧による主歪み成分とからなる接地歪み成分と、非接地時に加わる内圧による主歪み成分(非接地歪み成分)の方向差を小さくすることができる。即ち、ベルト層のスチールコードfのエッジには、接地時にその反力によりベルト層を幅方向に拡げようとするベルト幅方向の主歪み成分Εc と、タイヤ内圧によりスチールコードfの軸方向と直交する方向に主歪み成分Εi が生じる。また、非接地時には内圧のみによる主歪み成分Εi がスチールコードfのエッジに生じる。図3(a)に示すように、従来の20°前後の低い傾斜角度を採用したベルト層のスチールコードfのエッジには、接地歪み成分Eと非接地歪み成分Εi とが逆方向となる。それに対して、傾斜角度を大きくしたベルト層のスチールコードfのエッジには、図3(b)に示すように、接地歪み成分Eと非接地歪み成分Εi との方向差を小さく(角度θが小さくなる)した歪みが作用する。そのエッジには、上記のような歪みが繰り返し作用するため、方向差を小さくする方向に向かわせることで、下部側ベルト層(B)7Bのエッジセパレーションの抑制効果を得ることができる。その結果、図5の従来タイヤと同じレベルのベルト耐久性を維持しながら、下部側ベルト層(B)7Bを図5のベルト層17Xよりもショルダー部1A内深くまで延ばすことができる。従って、ショルダー部1Aの耐カット性を大きく改善することが可能になる。また、従来のように新たなベルト層を追加するのではなく、テンションメンバーとして作用するベルト層のスチールコード構造を変更するだけでよいため、トレッド部における発熱量の増加を招くことがなく、ベルト耐久性の低下を招くことがない。
【0017】
比(Mb2・N2 )/(Mb1・N1 )が0.2未満であると、曲げ剛性が低くなり過ぎて、テンションメンバーとして作用することが難しくなる。逆に0.65を越えると、曲げ剛性が高くなり過ぎるため、ショルダー部側が変形し難くなり、エンベロープ性が悪化し、かつベルト耐久性が低下する。上限値は、好ましくは0.6にするのがよい。
【0018】
本発明において、各上部側ベルト層(A)7Aのベルト幅WA は、上述したようにカーカスライン最大幅SWの0.6倍以下にすることができるが、下限値としては0.4SWにするのがよい(0.4≦WA /SW≦0.6)。WA /SWが0.4より小さく、ベルト実効幅が狭い状態では、内圧が加えられた状態においてタイヤ形状を維持することが難しくなる。逆に0.6より大きいとエンベロープ性が低下する。
【0019】
下部側ベルト層(B)7Bのベルト幅WB とカーカスライン最大幅SWとの比WB /SWとしては、上記比WA /SWよりも0.2以上大きくするのがよい。ベルト幅WB の上限としては、カーカスライン最大幅SWに対し、その比WB /SWを0.9(カーカス最大幅SWに対し、タイヤセンターラインCLからタイヤ幅方向に0.45SWの位置)にすることができる。
【0020】
下部側ベルト層(B)7Bのスチールコードfのタイヤ周方向に対する傾斜角度βとしては、25°〜37°に設定される。傾斜角度βが25°未満では、接地歪み成分Eの方向と非接地歪み成分Ei の方向差を効果的に小さくすることができないため、幅広にしたベルト層(B)にエッジセパレーションが発生し易くなる。逆に37°を越えると、ベルト層のタガ効果の低下、及びトレッド縦断面方向のタイヤ曲げ剛性増加によるベルト耐久性低下の問題が生じる。また、接地歪み成分Eの方向がスチールコードfの軸線方向に近づくため、そのエッジを開口させる作用が働き、エッジセパレーションの原因になる。上部側ベルト層(A)のスチールコードfのタイヤ周方向に対する傾斜角度αは、従来と同様であり、18°〜22°に設定される
【0021】
本発明では、上記実施形態において、ベルト層7を3層設けた例を示したが、それに限定されず、少なくとも2層設けたものであればよい。即ち、少なくとも1層の上部側ベルト層(A)とその内側に配置される少なくとも1層の下部側ベルト層(B)を有するものであればよい。この幅広にする下部側ベルト層(B)は、上述した実施形態のように最内層の1番ベルト層に1層配置するのが好ましいが、ベルト層の層数に応じて1層〜3層設けることができる。また、カーカス層4については、上述した実施形態では1層設けた例を示したが、それ以上設けたものであってもよく、少なくとも1層あればよい。
【0022】
本発明は、特にリム径サイズが24インチ以上の荒地を走行する建設車両、例えばローダー等に用いられる重荷重用空気入りラジアルタイヤに好適に使用することができる。
【0023】
【実施例】
ベルト最内層に下部側べルト層(B)、2,3番ベルト層に上部側ベルト層(A)を配置し、下部側べルト層(B)のスチールコードの傾斜角度βを上部側ベルト層(A)のそれよりも大きくした図1に示す構成の荒地走行用重荷重用空気入りラジアルタイヤにおいて、比rを表1のように変えた本発明タイヤ1〜3と比較タイヤ1,2、本発明タイヤ2において、下部側べルト層(B)のスチールコードの傾斜角度βを上部側ベルト層(A)のそれと同じにした比較タイヤ3、3層のベルト層を共に上部側ベルト層(A)にすると共にベルト最内層を幅広にした図5に示す構成の従来タイヤ1、及び3層のベルト層を共に上部側ベルト層(A)にし、かつ伸長性スチールコードを配列した幅広の保護用ベルト層を最外層に配置した図6に示す構成の従来タイヤ2とをそれぞれ作製した。タイヤサイズは共に20.5R25である。
【0024】
各試験タイヤにおける最内層のベルト層の構成、及び従来タイヤ2で使用した保護用ベルト層の構成は以下の通りである。また、各試験タイヤ共に、2,3番ベルト層に配置した上部側ベルト層の構造は共通であり、その構成は以下の通りである。
【0025】
本発明タイヤ1
スチールコード構造:(3+9+15)×0.22
スチールコード破断強力:205kgf/コード
スチールコード曲げ剛性:29 kgf・mm2
スチールコード破断伸び:2.5%
スチールコード傾斜角度:31°
スチールコード埋設本数:33本/50mm
ベルト幅:395mm
【0026】
本発明タイヤ2
スチールコード構造:(3+9+15)×0.22+0.15
スチールコード破断強力:270kgf/コード
スチールコード曲げ剛性:65 kgf・mm2
スチールコード破断伸び:2.5%
スチールコード傾斜角度:31°
スチールコード埋設本数:25本/50mm
ベルト幅:395mm
【0027】
本発明タイヤ3
スチールコード構造:(3+9)×0.27
スチールコード破断強力:205kgf/コード
スチールコード曲げ剛性:66 kgf・mm2
スチールコード破断伸び:2.5%
スチールコード傾斜角度:31°
スチールコード埋設本数:33本/50mm
ベルト幅:395mm
【0028】
比較タイヤ1
スチールコード構造:(2+7)×0.30
スチールコード破断強力:190kgf/コード
スチールコード曲げ剛性:75 kgf・mm2
スチールコード破断伸び:2.5%
スチールコード傾斜角度:31°
スチールコード埋設本数:35.5本/50mm
ベルト幅:395mm
【0029】
比較タイヤ2
スチールコード構造:(2+7)×0.30
スチールコード破断強力:210kgf/コード
スチールコード曲げ剛性:97 kgf・mm2
スチールコード破断伸び:2.5%
スチールコード傾斜角度:31°
スチールコード埋設本数:32本/50mm
ベルト幅:395mm
【0030】
比較タイヤ3
スチールコード傾斜角度:22°
他の構成は上記本発明タイヤ2と同じである。
【0031】
従来タイヤ1
スチールコード構造:3×0.32+8×0.35
スチールコード破断強力:283kgf/コード
スチールコード曲げ剛性:156 kgf・mm2
スチールコード破断伸び:2.7%
スチールコード傾斜角度:22°
スチールコード埋設本数:24本/50mm
ベルト幅:320mm
【0032】
従来タイヤ2
ベルト幅:270mm
ベルト最内層の他の構成は上記従来タイヤ1と同じである。
【0033】
保護用ベルト層
スチールコード構造:4×2×0.32
スチールコード破断強力:127kgf/コード
スチールコード曲げ剛性:76 kgf・mm2
スチールコード破断伸び:6.1%
スチールコード傾斜角度:22°
スチールコード埋設本数:19本/50mm
ベルト幅:360mm
【0034】
2,3番ベルト層
スチールコード構造:3×0.32+8×0.35
スチールコード破断強力:283kgf/コード
スチールコード曲げ剛性:156 kgf・mm2
スチールコード破断伸び:2.7%
スチールコード埋設本数:24本/50mm
なお、2番ベルト層のスチールコード傾斜角度:22°
ベルト幅:240mm
3番ベルト層のスチールコード傾斜角度:20°
ベルト幅:195mm
【0035】
これら各試験タイヤをリムサイズ25×17.00(2.0)のリムに装着し、空気圧を500kPa にして、以下に示す測定条件により、耐カット性、エンベロープ性、発熱性及びベルト耐久性の評価試験を行ったところ、表1に示す結果を得た。また、本発明タイヤ1〜3と比較タイヤ1,2のエンベロープ性とベルト耐久性について、それらの結果をプロットした表を図4(a),(b)に示す。なお、比(Mb2・N2 )/(Mb1・N1 )を0.2未満(0.15)にしてタイヤを作製したところ、テンションメンバーとして作用する下部側ベルト層の作製が不可能であった。
【0036】
耐カット性
各試験タイヤをショベルローダーのフロント側に装着し、砕石場においてトレッド部(ショルダー部)に貫通傷が発生するまでの走行時間を測定し、その結果を従来タイヤ1を100とする指数値で評価した。この値が大きい程、耐カット性が優れている。
【0037】
エンベロープ性
各試験タイヤをドラム表面の一部に半径80mmの半円状突起を有する回転ドラム試験機に取付け、速度10km/h、荷重9500kgf の条件下で走行させ、ショルダー部が半円状突起に乗り上げた時の衝撃加速度を測定し、その結果を従来タイヤ1を100とする指数値で評価した。この値が小さい程、エンベロープ性が優れている。
【0038】
発熱性
各試験タイヤを回転ドラム試験機に取付け、荷重8100kgの条件下で速度を5km/h、10km/h、15km/hと増加させ、その時の温度上昇を測定し、その結果を従来タイヤ1を100とする指数値で評価した。この値が大きい程、温度上昇を小さく、発熱量が低いことを示す。
【0039】
ベルト耐久性
各試験タイヤを80×80mmの角型鉄棒を周上の数カ所に固定した回転ドラム試験機の回転ドラムに取付け、荷重9500kg、速度8km/hの条件下で、ベルト故障が発生するまでの走行時間を測定し、その結果を従来タイヤ1を100とする指数値で評価した。この値が大きい程、ベルト耐久性が優れている。
【0040】
【表1】
Figure 0003848777
【0041】
表1から、本発明タイヤは、従来タイヤ1と同レベルのベルト耐久性と低発熱性を維持しながら、エンベロープ性とショルダー部の耐カット性を両立できることが判る。なお、ベルト耐久性は90以上あれば問題ない。また、エンベロープ性は85以下であれば良好であると言える。
【0042】
【発明の効果】
上述したように本発明は、下部側ベルト層(B)をショルダー部まで延在させると共に、その幅広の下部側ベルト層(B)と幅狭の上部側ベルト層(A)におけるスチールコード1本当たりの曲げ剛性と単位幅当たりのスチールコード本数との積の比を上記のような範囲にすることで、エンベロープ性とショルダー部の耐カット性とを両立させることができる。また、下部側ベルト層(B)の曲げ剛性が小さくなるので、従来の剛性が高いベルト層よりもエッジセパレーションを向上したベルト層にすることができ、更に下部側ベルト層(B)のスチールコードの傾斜角度を大きくすることにより、下部側ベルト層(B)のエッジに集中する応力の方向差に起因するエッジセパレーションの発生を抑えることができる。また、従来のように新たなベルト層を追加せずに済むので、トレッド部における発熱量の増加を招くことがない。そのため、ベルト層をショルダー部内まで深く延ばすして耐カット性を大きく向上してもベルト耐久性の低下を招くことがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の荒地走行用重荷重用空気入りラジアルタイヤの一例を示すタイヤ子午線半断面図である。
【図2】図1のベルト層の要部切欠き平面図である。
【図3】(a)はスチールコードが従来の傾斜角度をもち、ショルダー部まで延びるベルト層において、スチールコードのエッジに作用する主歪み成分の説明図、(b)はショルダー部まで延び、スチールコードの傾斜角度を従来よりも高くしたベルト層において、スチールコードのエッジに作用する主歪み成分の説明図である。
【図4】(a)は比(Mb2・N2 )/(Mb1・N1 )を変えてエンベロープ性を測定した結果を示すグラフ図、(b)は比(Mb2・N2 )/(Mb1・N1 )を変えてベルト耐久性を測定した結果を示すグラフ図である。
【図5】従来の荒地走行用重荷重用空気入りラジアルタイヤの一例を示すタイヤ子午線要部断面図である。
【図6】従来の荒地走行用重荷重用空気入りラジアルタイヤの他の例を示すタイヤ子午線要部断面図である。
【符号の説明】
1 トレッド部 1A ショルダー部
2 サイドウォール部 3 ビード部
4 カーカス層 4a 端部
5 ビードコア 6 ビードフィラー
7 ベルト層 7A 上部側ベルト層(A)
7B 下部側ベルト層(B) T タイヤ周方向
f スチールコード α,β 傾斜角度

Claims (5)

  1. 左右のビード部間にカーカス層を装架し、トレッド部のカーカス層外周に破断伸び4%以下のスチールコードをタイヤ周方向に対して傾斜配列した少なくとも2層のベルト層を配置し、該ベルト層を、前記カーカス層のタイヤ断面でのカーカス最大幅SWの0.6以下のベルト幅をもつ少なくとも1層の上部側ベルト層(A)と、両端部がそれぞれトレッドショルダー部まで延在するベルト幅をもつ少なくとも1層の下部側ベルト層(B)とから構成し、前記上部側ベルト層(A)のスチールコードのタイヤ周方向に対する傾斜角度αを18°〜22°にする一方、前記下部側ベルト層(B)のスチールコードのタイヤ周方向に対する傾斜角度βを25°〜37°にし、前記上部側ベルト層(A)のスチールコードを構成する各スチールフィラメントの直径を0.26 mm 〜0.38 mm にする一方、前記下部側ベルト層(B)のスチールコードを構成する各スチールフィラメントの直径を0.15 mm 〜0.22 mm にし、かつ前記下部側ベルト層(B)のスチールコード1本当たりの曲げ剛性Mb2 と該ベルト層(B)の単位当たりのスチールコードの本数N2 との積と、前記上部側ベルト層(A)のスチールコード1本当たりの曲げ剛性Mb1 と該ベルト層(A)の単位当たりのスチールコードの本数N1 との積との比r=(Mb2・N2 )/(Mb1・N1 )を0.2〜0.65の範囲にした荒地走行用重荷重用空気入りラジアルタイヤ。
  2. 前記少なくとも2層のベルト層が3層のベルト層からなり、該3層のベルト層が2層の上部側ベルト層(A)と1層の下部側ベルト層(B)からなり、前記3層のベルト層が、各隣接するベルト層のスチールコードのタイヤ周方向に対する傾斜方向を逆向きにして交差するように構成される請求項1に記載の荒地走行用重荷重用空気入りラジアルタイヤ。
  3. 前記上部側ベルト層(A)のベルト幅WA と前記カーカスライン最大幅SWとの比WA /SWを0.4〜0.6、前記下部側ベルト層(B)のベルト幅WB と該カーカスライン最大幅SWとの比WB /SWを前記比WA /SWよりも0.2以上大きくする請求項1または2に記載の荒地走行用重荷重用空気入りラジアルタイヤ。
  4. 前記比WB /SWが、WA /SW+0.2≦WB /SW≦0.9である請求項3に記載の荒地走行用重荷重用空気入りラジアルタイヤ。
  5. 前記上部側ベルト層(A)と下部側ベルト層(B)の単位幅当たりの破断強力が略同じである請求項1,2,3または4に記載の荒地走行用重荷重用空気入りラジアルタイヤ。
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