JP2000254665A - 6価クロム含有廃水の処理方法 - Google Patents
6価クロム含有廃水の処理方法Info
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Abstract
クロム含有廃水の還元処理法を、亜硫酸塩還元法を採用
している既設の設備に容易に適用すると共に使用薬剤種
を少なくして薬剤の管理作業を軽減する。 【解決手段】 6価クロムを含有する廃水に、pH4以
上の条件下で、第一鉄イオンを、溶存酸素が2mg/L
以下になるように添加して6価クロムを3価クロムに還
元処理した後、凝集処理する方法において、第二鉄イオ
ン溶液の一部に亜硫酸塩を添加して調製した第一鉄イオ
ン溶液を廃水に添加して還元処理し、還元処理後の廃水
に該第二鉄イオン溶液の他の一部を添加し、水酸化カル
シウムでpH調整して生成する金属水酸化物を凝集沈殿
処理する。
Description
水に第一鉄イオンを添加して還元処理した後、凝集処理
する方法に係り、特に、この還元、凝集処理のための薬
剤使用量を低減して低コストで効率的な処理を行う方法
に関する。
ムを除去する方法としては、6価クロムを3価クロムに
還元し、不溶性化合物として沈殿除去する方法が行われ
ている。
塩還元法が一般的である。この理由としては、pH2〜
2.5での還元当量の亜硫酸塩注入制御が可能なこと、
生成する汚泥量が少ないこと、亜硫酸塩が液体で入手で
き操作性が良いことなどが挙げられる。
価クロムを3価クロムに還元する方法もある。
であり、還元反応がpHの影響を受けず酸性〜アルカリ
性のいずれのpHでも還元処理が可能であるという特長
を有する。この第一鉄イオンによる還元、不溶化反応は
下記反応式で示される。
よる方法も、還元処理後の凝集処理に当っては、凝集剤
として塩化第二鉄(FeCl3)等の無機凝集剤と有機
高分子凝集剤を併用する。
を用いる6価クロム含有廃水の還元処理法において、薬
注制御を容易かつ効率的に行う方法として、6価クロム
含有廃水のpHを4以上に調整して、溶存酸素が2mg
/L以下になるように第一鉄イオンを添加する方法を提
案した(特開平3−254889号公報)。
溶存酸素(以下、「DO」と略す。)計を適用し、pH
4以上でDOが2mg/L以下となるような条件であれ
ば、6価クロムの3価クロムへの還元が終了した状態と
するものであるが、その原理は次の通りである。
で酸化され、下記反応式に従って第二鉄イオン(Fe
3+)に変化する。この反応はpH4付近より顕著とな
り、中性以上では瞬時の反応となる。pH3未満の酸性
では、の酸化反応は起き難い。
ンと瞬時に反応し、酸性、アルカリ性のいずれにおいて
も下記反応式に従って還元される。
るDOの測定により、即ち、DO計によるDO測定値が
所定値以下となったことを検知したときが、6価クロム
の還元反応が完結したときであるので、6価クロムの還
元反応終了を検知することができ、第一鉄イオンのDO
計による薬注制御が可能となる。
ば、の反応がの反応に優先し、DO計を薬注制御に
適用することが可能となることから、特開平3−254
889号公報記載の方法では、pH4以上の条件でDO
2mg/L以下となるように第一鉄イオンの薬注制御を
行う。
硫酸塩還元法では、 低pH条件に調整するための硫酸等の酸と、還元剤
としての亜硫酸塩を多量に必要とする。 低pH条件の反応であるために、装置腐食の問題が
ある。 低pH条件で還元した後、アルカリ性域で凝集処理
するためのアルカリを多量に必要とする上に、未反応
(残留分)の亜硫酸塩により無機凝集剤として添加した
FeCl3等から生成する第一鉄イオンや、被処理廃水
に共存する有機物による凝集阻害の問題がある。 ORP計、pH計に基く制御は信頼性、安定性が十
分とは言えない。といった欠点があった。
法によれば、このような亜硫酸塩還元法の欠点を解消
し、DO計による制御で、効率的な処理を行えるが、従
来の亜硫酸塩還元法を採用している処理系統にこの方法
を適用しようとした場合、設備を大幅に変更する必要が
あるという不具合がある。
法では、還元処理に用いる第一鉄塩溶液を用意し、この
第一鉄塩溶液とは別に凝集処理に用いる第二鉄塩溶液を
用意する必要があり、また亜硫酸塩の薬注設備は全く不
要となるため、新たに増設する薬注設備が必要となる一
方で、既設の設備の無駄を生じる。
じて第一鉄塩溶液の添加量も変動するため、薬剤管理が
煩雑であるという不具合もある。
ものであって、DO計による第一鉄塩の薬注制御により
6価クロム含有廃水を効率的に処理する方法であって、
亜硫酸塩還元法を採用している既設の設備にも容易に適
用することができ、また薬剤管理作業を軽減できる6価
クロム含有廃水の処理方法を提供することを目的とす
る。
廃水の処理方法は、6価クロムを含有する廃水に、pH
4以上の条件下で、第一鉄イオンを、溶存酸素が2mg
/L以下になるように添加して6価クロムを3価クロム
に還元処理した後、凝集処理する方法において、第二鉄
イオン溶液の一部に亜硫酸塩を添加して調製した第一鉄
イオン溶液を前記廃水に添加して還元処理し、還元処理
後の前記廃水に該第二鉄イオン溶液の他の一部を添加
し、水酸化カルシウムでpH調整するか、又は塩化カル
シウムと水酸化ナトリウムとを添加して生成する金属水
酸化物を凝集沈殿処理することを特徴とする。
ン溶液と水酸化カルシウムとを用いて、DO計による薬
注制御で少ない薬剤使用量のもとに効率的な処理を行え
る。
調整のためのアルカリとして水酸化カルシウム(Ca
(OH)2)を用いるが、これは、Ca(OH)2であれ
ば、低溶解度の塩を生成するため、NaOHを用いる場
合よりも凝集性が高められ、処理水の水質を良好なもの
とすることができるからである。なお、Ca(OH)2
の代りに塩化カルシウム(CaCl2)と水酸化ナトリ
ウム(NaOH)を併用添加しても良い。
施の形態を詳細に説明する。
方法の実施の形態を示す系統図である。
有廃水に硫酸(H2SO4)等の酸又はアルカリを添加し
てpH4以上、好ましくはpH8〜11、特にpH約
9.0に調整した後、還元処理槽1で還元処理する。こ
のpH調整は、pH計11と連動する薬注弁12の開閉
ないし開度の調整により行われる。
塩化第二鉄(FeCl3)等の第二鉄塩水溶液に亜硫酸
ナトリウム(NaHSO3)等の亜硫酸塩を添加して、
2Fe3++SO3 2-→2Fe2++SO4 2-の反応で得られ
た塩化第一鉄(FeCl2)水溶液を添加して、Cr6+
+3Fe2+→Cr3++3Fe3+の反応で6価クロムを3
価クロムに還元する。この還元処理は、DO計13に連
動する薬注弁14の開閉ないし開度の調整で行われ、本
発明においては、このDO計13による測定値が2mg
/L以下、好ましくは0.5〜1.5mg/Lとなるよ
うに薬注制御が行われる。
て、残留するFe2+イオンをFe3+イオンに酸化する。
この曝気処理は、DO計による制御で行うことができ
る。
は、pHの影響を受けるが、DOの測定はpHの影響を
受け難いことから、この曝気槽2ではFe2+→Fe3+と
なり易いpH条件、即ちpH7〜12を選定することに
より、酸化速度を速くすることができる。
Fe2+の小過剰量でCr3+とし、残るFe2+はDOで酸
化してFe3+とすることは、薬注量の安定化に有効であ
る。即ち、後段の凝集処理には多量のFe3+を必要とす
るが、このように、曝気により残留Fe2+をFe3+に酸
化することで、被処理廃水中のCr6+量が変動しても、
Fe2+の添加量のみ増減させ、凝集に必要なFe3+量ま
で変えることがないため、安定した処理が行えるように
なる。
(OH)2の添加によりpH9〜10程度に調整すると
共にFeCl3水溶液と高分子凝集剤を添加して、Cr
3++3Fe3++12OH-→Cr(OH)3+3Fe(O
H)3の反応で凝集処理し、凝集処理液を沈殿分離槽4
で固液分離して処理水を得る。
l3が一般的であるが、凝集処理にはその他Fe3+を含
むエッチング廃液を用いても良い。
他Na2SO4を用いることもできる。
ずれでも実施することができ、pH計及びDO計の検出
値に基いて適正な自動薬注制御を行える。DO計等の計
測は間欠的に行っても連続的に行っても良い。
をFeCl3水溶液の薬注配管にインライン注入して混
合しているが、別途混合槽を設けてFeCl3水溶液と
NaHSO3とを混合しても良い。また、この場合にお
いて、調製されたFe2+塩溶液をポンプの作動による流
量調整で添加量制御しても良い。
り具体的に説明する。
の6価クロム含有廃水の処理を行った。
pH8〜9に調整し、市販の38%FeCl3水溶液に
NaHSO3を添加してFe3+をFe2+に還元した水溶
液を添加した。このFe2+塩水溶液の注入制御はDO計
によるDO濃度の測定値が2ppmを超えると薬注弁を
開とし、2ppm以下で薬注弁を閉として行った。
をFe3+に酸化し、その後、Ca(OH)2を添加して
pH○○に調整すると共に、FeCl3水溶液と高分子
凝集剤(ポリアクリルアミドの部分加水分解物)を添加
して凝集沈殿処理した。
使用量及び発生したSV量(原水に対する割合(%))
と凝集沈殿処理で得られた処理水の水質、外観は表1に
示す通りであった。
質の廃水を処理した。
pH2〜3に調整すると共にNaHSO3を添加した。
このNaHSO3の薬注制御はpH計とORP計で行っ
た。
(OH)2と高分子凝集剤を添加して実施例1と同様に
して凝集沈殿処理を行った。
使用量及び発生したSV量と凝集沈殿処理で得られた処
理水の水質、外観は表1に示す通りであった。
用量を低減して効率的な処理を行えることがわかる。
含有廃水の処理方法によれば、従来の亜硫酸塩還元法に
よる設備に容易に第一鉄塩還元法を適用可能とすると共
に、使用薬剤種を少なくしてその管理作業を軽減した上
で、 薬剤使用量を大幅に削減することができる。 中性〜アルカリ性の反応であることから、装置腐食
の問題が殆どない。 亜硫酸塩の過剰注入もないため、還元後凝集処理を
容易に行える。 DO計による信頼性、安定性共に優れた薬注制御を
行える。 〜により、統合的に処理コストを低減できる。 といった優れた効果を得ることができる。
の形態を示す系統図である。
Claims (1)
- 【請求項1】 6価クロムを含有する廃水に、pH4以
上の条件下で、第一鉄イオンを、溶存酸素が2mg/L
以下になるように添加して6価クロムを3価クロムに還
元処理した後、凝集処理する方法において、 第二鉄イオン溶液の一部に亜硫酸塩を添加して調製した
第一鉄イオン溶液を前記廃水に添加して還元処理し、 還元処理後の前記廃水に該第二鉄イオン溶液の他の一部
を添加し、水酸化カルシウムでpH調整するか、又は塩
化カルシウムと水酸化ナトリウムとを添加して生成する
金属水酸化物を凝集沈殿処理することを特徴とする6価
クロム含有廃水の処理方法。
Priority Applications (1)
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CN110002499A (zh) * | 2019-04-29 | 2019-07-12 | 徐鑫磊 | 含铬废弃皮丝资源化再利用生产无害化处理工艺 |
RU2731269C1 (ru) * | 2019-12-16 | 2020-09-01 | Федеральное государственное бюджетное учреждение науки Институт химии Дальневосточного отделения Российской академии наук (ИХ ДВО РАН) | Способ переработки ингибитора коррозии, содержащего соединения шестивалентного хрома и морскую воду |
JP2021053530A (ja) * | 2019-09-26 | 2021-04-08 | 太平洋セメント株式会社 | 焼却灰からの忌避成分除去方法及び焼却灰からの忌避成分除去システム |
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1999
- 1999-03-11 JP JP06504399A patent/JP4103230B2/ja not_active Expired - Fee Related
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