JP7089498B2 - 焼却灰からの忌避成分除去方法及び焼却灰からの忌避成分除去システム - Google Patents

焼却灰からの忌避成分除去方法及び焼却灰からの忌避成分除去システム Download PDF

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Description

本発明は、クロム及びその他重金属、及び塩素等を含有する焼却灰、特に加湿して得られる湿灰や埋め立て地に埋められていた既成灰から、それら忌避成分を除去して、セメント原料として利用するための焼却灰からの忌避成分除去方法、及び焼却灰からの忌避成分除去システムに関する。
通常、ごみ焼却灰等のセメント原料化によるリサイクル処理においては、塩素等の除去のために焼却灰の水洗が行われるが、この灰水洗で発生する洗浄排水に焼却灰中のクロムが溶出してしまうと、当該排水の六価クロム濃度を管理するために多量の薬剤が必要になるといった経済的な問題が発生する。このため、灰水洗では排水中にクロムを溶出させない技術が開発されてきた。
しかしながら、そのような排水中にクロムを溶出させない技術によってクロムを含有したままの焼却灰をセメント原料とする傾向が増加するに伴い、現状においては、セメント中のクロム含有量が増加して、セメント品質の許容レベルの上限に達しつつある。そのために、焼却灰をセメント原料化する際は、その他の忌避成分と同時に当該廃棄物からクロムを除去しつつ、当該除去処理で発生した処理排水中から効率的にクロムを回収する排水処理技術が必要となっている。
焼却灰等からのクロム除去処理と排水処理に関しては、例えば、特許文献1には、焼却灰等の重金属類を含有する灰に、水、及び塩酸または硝酸を加え、得られた混合物をボールミル等の粉砕機を用いて機械的に粉砕しつつ重金属の抽出を行い、クロム等の重金属類を含有する抽出液を得、この重金属類含有抽出液を濾過した後、濾液をイオン交換樹脂またはキレート樹脂に接触させることにより重金属類を回収する方法が開示されている。特許文献2には、カルシウム及び重金属を含む物質をスラリーにして塩酸を加えてカルシウムを溶出させて、アルカリ化剤、硫化剤を順次加えた後、固液分離して重金属の硫化物を含む固形分とカルシウムを含む液分とを得、このカルシウムを含む液分に第1鉄化合物の添加とpH調整を行って、その後固液分離してクロムを含む固形分を得る方法が開示されている。
特開2003-245625号公報 特開2003-326228号公報
しかしながら、特許文献1の方法では排水処理にイオン交換樹脂またはキレート樹脂を用いるために処理コストが大きく、また、特許文献2の方法は、カルシウムを含む物質に関する処理方法であり、焼却灰への適用には改善の余地があった。
本発明は以上の点に鑑みてなされたものであり、湿灰や既成灰などの焼却灰から、セメント原料化における忌避成分であるクロム及びその他重金属、及び塩素等を水洗により溶出させて除去すると共に、かかる溶出によりクロム等が溶解している洗浄排水から効率的にクロムを回収することができる、焼却灰からの忌避成分除去方法、及び焼却灰からの忌避成分除去システムを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の焼却灰からの忌避成分除去方法は、焼却灰を所定の粒径に粉砕する粉砕工程と、前記粉砕工程により粉砕した前記焼却灰に水を加えてpHが酸性から中性のスラリーにして該焼却灰を水洗する灰水洗工程と、前記灰水洗工程から生じる排水の酸化還元電位を調整した後、高分子凝集剤を添加して、クロムを液相に残留させつつ、該排水中のクロム以外の重金属を第1凝集フロックに回収する重金属回収工程と、前記重金属回収工程から生じる排水に、無機凝集剤を添加した後、高分子凝集剤を添加して、該排水中の残留クロムを第2凝集フロックに回収するクロム回収工程を備えていることを特徴とする。
本発明の焼却灰からの忌避成分除去方法によれば、焼却灰を所定の粒径に粉砕したうえ、pHが酸性から中性のスラリーにして水洗するので、セメント原料化における忌避成分であるクロム及びその他重金属、及び塩素等(以下、単にそれらを「忌避成分」という場合がある。)を効率的に溶出させて除去することができる。そして、生じた排水に酸化還元電位調整剤を添加して酸化還元電位(以下、「酸化還元電位」を「ORP」と称する場合がある。)を調整した後、高分子凝集剤を添加して、クロムを液相に残留させつつクロム以外の重金属を第1凝集フロックに回収し、更に残留クロムを含む排水には無機凝集剤を添加したうえ、高分子凝集剤を添加してクロムを第2凝集フロックに回収するので、クロムを他の重金属と分けて回収することができる。これにより、第1凝集フロックに回収した重金属はセメント原料の許容範囲内でセメント原料化して処理することができると共に、クロムは第2凝集フロックとして別個に回収し、リサイクル処理することができる。酸化還元電位の調整のためのORP調整剤としては、例えば硫化水素ナトリウム等を用いればよい。
本発明の焼却灰からの忌避成分除去方法においては、前記粉砕工程は、前記焼却灰を粒径0.7mm以下に粉砕する工程であることが好ましい。これによれば、焼却灰から忌避成分をより効率的に溶出させることができる。
本発明の焼却灰からの忌避成分除去方法においては、前記スラリーのpHは3~7の範囲であることが好ましい。これによれば、焼却灰から忌避成分をより効率的に溶出させることができる。
本発明の焼却灰からの忌避成分除去方法においては、前記重金属回収工程における該排水にORP調整剤を加えて酸化還元電位を-400mV以下に調整することが好ましい。これによれば、排水からより効果的にクロム以外の重金属を選別して回収することができる。
本発明の焼却灰からの忌避成分除去方法においては、前記重金属回収工程に、更に、前記灰水洗工程から生じる排水のORPを測定するORP測定工程を備え、前記ORP測定工程による測定値が-400mV以下を満足しない場合に、前記重金属回収工程における該排水にORP調整剤を加えてORPを-400mV以下に調整することが好ましい。これによれば、排水からより効果的にクロム以外の重金属を選別して回収することができる。
本発明の焼却灰からの忌避成分除去方法においては、前記灰水洗工程及び/又は前記重金属回収工程において回収した固相を、セメントクリンカの原料にすることが好ましい。これによれば、セメント中のクロムの含有量が許容範囲内となる適当な化学組成を有するセメント原料を提供することができる。
一方、本発明の別の観点からは、焼却灰からの忌避成分除去システムが提供され、このシステムは、収容された焼却灰を所定の粒径に粉砕するための粉砕装置と、前記粉砕後の焼却灰をスラリーにしつつ水洗するための灰水洗槽と、前記水洗後のスラリーを固液分離するための固液分離装置と、前記固液分離装置から排出される排水中のクロムを液相に残留させつつクロム以外の重金属を第1凝集フロックに回収するための第1排水反応槽と、前記排水反応槽から排出される排水中の残留クロムを第2凝集フロックに回収するための第2排水反応槽と、を備えていることを特徴とする。
本発明の焼却灰からの忌避成分除去システムによれば、上記した焼却灰からの忌避成分除去方法を実行するシステムとして、好適に用いられる。
本発明の焼却灰からの忌避成分除去システムにおいては、更に、前記固液分離装置から排出される排水のORPを測定するORP測定装置と、前記第1排水反応槽にORP調整剤を供給するためのORP調整剤供給装置と、前記ORP測定装置の測定結果に基づいて前記ORP調整剤供給装置を自動的に制御する制御装置と、を備えていることが好ましい。これによれば、ORPを調整することにより、排水からより効果的にクロム以外の重金属を選別して回収することができる。また、そのORPの測定及び管理を自動的に行うようにして、焼却灰が含有する重金属の種類や含有量が変動しても、その処理を、より安定して行うことができる。
本発明によれば、焼却灰から、セメント原料化における忌避成分であるクロム及びその他重金属、及び塩素等を水洗により溶出させて除去すると共に、かかるクロム等が溶解している洗浄排水から効率的にクロムを回収することができる。
本発明に係る焼却灰からの忌避成分除去システムの一実施形態を示す概略構成説明図である。
以下、図面を参照して、本発明について具体的に説明する。
図1には、本発明に係る焼却灰からの忌避成分除去システムの一実施形態が示される。この実施形態の焼却灰からの忌避成分除去システム1は、収容された焼却灰P1を粉砕するための粉砕装置2と、粉砕後の焼却灰P2をスラリーS1にしつつ、忌避成分をスラリーS1の液相部に溶出させるための灰水洗槽3と、スラリーS1を固液分離して液相(排水)W1と固相(脱水ケーキ)M1に分離するための固液分離装置4と、固液分離装置4から排出された排水W1中のクロム以外の重金属を凝集体(凝集フロック)に変えて回収するための第1排水反応槽5と、第1排水反応槽5にORP調整剤A2を供給するORP調整剤供給装置6と、排水反応槽5から排出されたスラリーS2を固液分離して液相(排水)W2と固相(脱水ケーキ)M2に分離するための固液分離装置7と、固液分離装置7から排出された排水W2中のクロムを凝集体に変えて回収するための第2排水反応槽8と、第2排水反応槽8から排出されたスラリーS3を固液分離して液相(排水)W3と固相(脱水ケーキ)M3に分離するための固液分離装置9と、固液分離装置4及び固液分離装置7から排出された固相(脱水ケーキ)M1及び/又は固相(脱水ケーキ)M2をセメント製造設備Kに搬送するための脱水ケーキ搬送装置10と、灰水洗槽3、第1排水反応槽5、及び第2排水反応槽8に付設された各種装置及びORP調整剤供給装置6を制御するための制御装置11を備えている。
粉砕装置2では、収容された焼却灰P1を、後段の灰水洗工程において効率的に忌避成分が液相部に溶出できる大きさまで粉砕する。
前記粉砕工程においては、受け入れた全ての焼却灰P1を、前記の好ましい大きさにまで粉砕するために、篩い(図中、符号「2a」で示される。)などを用いた分級処理で得られる粗粒分を、当該粉砕工程に返送して再度粉砕する、閉回路粉砕システムを構築してもよい。
一方、収容時において前記の好ましい大きさを満足する焼却灰P1については、粉砕工程を省略することができる。
灰水洗槽3では、その内部で、焼却灰P2、水w1、及び必要に応じて任意にpH調整剤A1を添加してpHが酸性から中性、より具体的にはpHが3~7のスラリーS1を生成する処理、並びに、そのスラリーS1中の焼却灰P2から忌避成分を液相に溶出させる処理が行われる。
また、灰水洗槽3は、その内部に、焼却灰P2、水w1、及び必要に応じて添加されるpH調整剤A1を混合し、並びに、その混合によって生成されたスラリーS1の攪拌をするためのスラリー攪拌装置として、攪拌翼31が付設されている。攪拌翼31としては、例えば、一般的な、プロペラ型やスクリュー型のもの等を用いればよい。
また、図1に示すように、灰水洗槽3には、その内部で生成されたスラリーS1の温度を測定するための温度計32、スラリーS1のpHを連続的に測定するpH計33(pH測定装置)が付設されていてもよい。そして、温度計32及びpH計33の測定結果は、制御装置11に随時送信されるようにしてもよい。
温度計32としては、例えば、公知の温度計を用いればよい。pH計33としては、公知のpH測定装置を用いればよく、特に、高濃度懸濁液用の測定装置を用いることが好ましい。
図1に示す忌避成分除去システム1では、スラリーS1のpHを酸性から中性、より具体的にはpHを3~7に維持するために、灰水洗槽3にpH調整剤A1を添加するためのpH調整剤添加装置34を付設している。そして、pH計33の測定結果を基に制御装置11がpH調整剤添加装置34を介してpH調整剤A1を添加することによって、スラリーS1のpHを調整するようにしている。この灰水洗工程において用いられるpH調整剤A1としては、例えば、希硫酸等を用いればよい。
また、スラリーS1のpHの調整のためには、上記pH調整剤に代えて、又は上記pH調整剤と共に、灰水洗槽3に、セメント製造設備Kからの高温排ガスである炭酸ガスG1を導入してもよい。セメント製造設備Kから排出される炭酸ガスG1を用いることで、スラリーS1のpHを酸性側に変化させると共に、スラリーS1中の液相部に溶出しているカルシウムイオン等を炭酸塩に変化させてスケールの生成を抑制することができる。
さらに、セメント製造設備Kからの炭酸ガスG1は、温度が100℃前後の高温ガスであるため、スラリーS1を加熱することができる。スラリーS1を加熱することによって、効率的に忌避成分を焼却灰P2から液相部に溶出させることができる。
また、図1に示すように、灰水洗槽3には、その底部に加熱装置35が付設されていてもよい。この加熱装置35によって、温度計32で測定されるスラリーS1の温度を制御できるようにしている。加熱装置35としては、例えば、散気装置を使用して炭酸ガスG1等の高温ガスをスラリーS1中に供給するものや、一般的な低周波誘導加熱装置等を使用すればよい。
固液分離装置4には、スラリー用渦巻きポンプ、ピストンポンプ、又はモーノポンプ等の通常のスラリー液用輸送装置(不図示)によって、灰水洗槽3から排出されたスラリーS1が搬送される。固液分離装置4としては、フィルタープレス、加圧葉状ろ過装置、スクリュープレス、ベルトプレス等の通常のろ過装置を用いればよい。
固液分離装置4は、搬送されたスラリーS1を、焼却灰P2から溶出した忌避成分を含む排水W1(液相)と、忌避成分を溶出させた焼却灰P2からなる脱水ケーキM1(固相)とに分離する。なお、図1に示す忌避成分除去システム1では、溶出成分の回収を確実にするために、固液分離装置4に脱水ケーキM1の水洗浄装置41を設けている。しかし、この水洗浄装置41は、省略してもよい。
脱水ケーキM1は、後述する脱水ケーキM2と共に、セメント製造設備Kに搬送して、セメントクリンカ用原料として使用してもよい。脱水ケーキM1及び/又は脱水ケーキM2を搬送する脱水ケーキ搬送装置10には、ベルトコンベア、スクリューコンベア、パイプコンベア等の一般的なケーキ輸送装置を用いればよい。
排水W1は、第1排水反応槽5に搬送される。排水W1の搬送には、遠心ポンプ、斜流ポンプ、軸流ポンプ、容積式ポンプ等の一般的な液体ポンプ(不図示)を用いればよい。
第1排水反応槽5では、その内部で、排水W1のORPを好ましくは-400mV以下にした後、高分子凝集剤を添加して、排水W1中のクロム以外の重金属を凝集体にする処理が行われる。
第1排水反応槽5は、その内部に、排水W1、及びORP調整剤A2の混合と攪拌、並びに、その混合によって生成されたスラリーS2内の固相を凝集させるための高分子凝集剤C1の混合と攪拌をするためのスラリー攪拌装置として、攪拌翼51が付設されている。攪拌翼51としては、上記した攪拌翼31と同様に、例えば、一般的な、プロペラ型やスクリュー型のもの等を用いればよい。
また、図1に示すように、第1排水反応槽5には、その内部で生成されたスラリーS2のORPを連続的に測定するためのORP計52(ORP測定装置)が付設されていてもよい。そして、ORP計52の測定結果が、制御装置11に随時送信されるようにしてもよい。ORP計52としては、公知の測定装置を用いればよい。
図1に示す忌避成分除去システム1では、スラリーS2のORPを調整するため、より好ましくは-400mV以下に維持するために、第1排水反応槽5にはORP調整剤A2を添加するためのORP調整剤供給装置6が付設されている。そして、ORP計52の測定結果を基に制御装置11がORP調整剤供給装置6を介してORP調整剤A2を添加することによって、スラリーS2のORPを調整できるようにしている。ORP調整剤A2としては、硫化水素ナトリウム(NaSH)が好ましい。
また、忌避成分除去システム1では、ORPが調整され、より好ましくは-400mV以下となったスラリーS2に高分子凝集剤C1を添加するために、第1排水反応槽5には高分子凝集剤C1を添加するための凝集剤添加装置53が付設されている。高分子凝集剤C1としては、中性から酸性領域で用いることができれば特に制限はなく、ポリアクリルアミドを主成分とするアニオン系凝集剤等の汎用の高分子凝集剤を用いることができる。
ORP調整剤A2によるORPの調整と、その後の高分子凝集剤C1によるクロム以外の重金属の凝集体の形成は、一槽の第1排水反応槽5で行うことができるが、重金属回収工程における反応を効果的且つ効率的に生じさせるために、第1排水反応槽5として二槽が直列的に連接された反応槽を用いるのがより好ましい。この場合、上流側の槽では排水W1にORP調整剤A2が添加されてORPの調整が行われ、排水W1から生じたスラリーS2中の固相分の凝集は、下流側の槽で高分子凝集剤C1を添加して行えばよい。
固液分離装置7には、スラリー用渦巻きポンプ、ピストンポンプ、及び、モーノポンプ等の通常のスラリー液用輸送装置(不図示)によって、第1排水反応槽5から排出されたスラリーS2が搬送される。固液分離装置7としては、固液分離装置4同様に、フィルタープレス、加圧葉状ろ過装置、スクリュープレス、ベルトプレス等の通常のろ過装置等を用いればよく、上記した固液分離装置4を固液分離装置7として用いることもできる。
固液分離装置7は、搬送されたスラリーS2を、焼却灰P2から除去された忌避成分のうち塩素とクロムが液相に残留して含まれる排水W2(液相)と、クロム以外の重金属等が不溶化して含まれる凝集体(第1凝集フロック)からなる脱水ケーキM2(固相)とに分離する。なお、図1に示す忌避成分除去システム1では、排水W2中への塩素とクロムの回収を確実にするために、固液分離装置7に脱水ケーキM2の水洗浄装置71を設けている。しかし、この水洗浄装置71は、省略してもよい。
脱水ケーキM2は、上述したように、脱水ケーキM1と共にセメント製造設備Kに搬送して、セメントクリンカ用原料として使用してもよい。脱水ケーキM2を搬送する脱水ケーキ搬送装置10には、上記したように、ベルトコンベア、スクリューコンベア、パイプコンベア等の一般的なケーキ輸送装置を用いればよい。
排水W2は、第2排水反応槽8に搬送される。排水W2の搬送には、遠心ポンプ、斜流ポンプ、軸流ポンプ、容積式ポンプ等の一般的な液体ポンプ(不図示)を用いればよい。
第2排水反応槽8では、その内部で、排水W2に無機凝集剤を添加した後、高分子凝集剤を添加して、排水W2中のクロムを凝集体にする処理が行われる。
第2排水反応槽8は、その内部に、排水W2、及び無機凝集剤C2の混合と攪拌、並びに、その混合によって生成されたスラリーS3内のクロム化合物を凝集させるための高分子凝集剤C3の混合と攪拌をするためのスラリー攪拌装置として、攪拌翼81が付設されている。攪拌翼81としては前記の攪拌翼31及び攪拌翼51と同様に、例えば、一般的な、プロペラ型やスクリュー型のもの等を用いればよい。
第2排水反応槽8におけるクロム回収工程において用いられる無機凝集剤C2としては、塩化第二鉄(FeCl)やポリ塩化アルミニウム(PAC)を好適に用いることができる。これらは、2種以上を併用してもよい。無機凝集剤C2としてこれらの塩化鉄やポリ塩化アルミニウムを用いることによって、排水W2が塩素を高濃度に含んでいても、微小に不溶化させたクロムを効率的にフロック状に凝集させることができる。
第2排水反応槽8で用いる高分子凝集剤C3は、前記第1排水反応槽5で用いた高分子凝集剤C1と同様に、ポリアクリルアミドを主成分とするアニオン系凝集剤等の、中性から酸性域に使用可能な汎用の高分子凝集剤を用いることができる。
クロム回収工程における、無機凝集剤C2の添加と、その後の高分子凝集剤C3の添加によるクロムの凝集体の形成は、一槽の第2排水反応槽8で行うことができるが、クロム回収工程における反応を効果的且つ効率的に生じさせるために、第2排水反応槽8としては二槽が直列的に連接された反応槽を用いるのがより好ましい。この場合、上流側の槽では排水W2への無機凝集剤の添加、混合が行われ、それによって生じたクロム化合物を含むスラリーに、下流側の槽において高分子凝集剤を添加して当該クロム化合物を凝集体にすればよい。
固液分離装置9には、スラリー用渦巻きポンプ、ピストンポンプ、及び、モーノポンプ等の通常のスラリー液用輸送装置(不図示)によって、第2排水反応槽8から排出されたスラリーS3が搬送される。固液分離装置9としては、固液分離装置4及び固液分離装置7と同様に、フィルタープレス、加圧葉状ろ過装置、スクリュープレス、ベルトプレス等の通常のろ過装置等を用いればよく、上記した固液分離装置4又は固液分離装置7を固液分離装置9として用いてもよい。
固液分離装置9は、搬送されたスラリーS3を、焼却灰P2から除去された忌避成分のうち塩素が液相に残留して含まれる排水W3(液相)と、クロムが不溶化して含まれる凝集体(第2凝集フロック)からなる脱水ケーキM3(固相)とに分離する。なお、図1に示す忌避成分除去システム1では、排水W3中への塩素の回収を確実にするために、固液分離装置9に脱水ケーキM3の水洗浄装置91を設けている。しかし、この水洗浄装置91は、省略してもよい。
固液分離装置9で分離された排水W3(液相)は、排水管理が必要な重金属を含有しないので系外排出が可能であり、クロムを含む凝集体からなる脱水ケーキM3はクロム源として活用することが可能である。
次に、図1に示す忌避成分除去システム1を参照しつつ、当該システムにおいて実行可能な、本発明に係る焼却灰からの忌避成分除去方法の一実施形態について説明する。
まず、本発明の忌避成分除去方法における粉砕工程について説明すると、粉砕装置2において、焼却灰P1を好ましい大きさに粉砕して焼却灰P2をつくる。かかる焼却灰P2の粒径は、好ましくは粒径が0.7mm以下、より好ましくは0.6mm以下、特に好ましくは0.5mm以下である。粉砕後の焼却灰P2の粒径の下限値に特に制限はないが、後段の灰水洗工程において、スラリーS1の粘性が過大とならないようにする観点からは、0.1mm以上である。なお、本発明において粒径とは、対象物が通過する篩い目の大きさを指す。
次に、本発明の忌避成分除去方法における灰水洗工程について説明すると、焼却灰P2は、灰水洗槽3に搬送され、灰水洗槽3内で水w1と攪拌して、pHが酸性から中性のスラリーS1をつくる。かかるスラリーS1における焼却灰P2と水w1との混合割合は、焼却灰P2の種類によって適宜設定してよい。ただし、焼却灰P2:水w1=1:4~1:20、好ましくは、焼却灰P2:水w1=1:5~1:10とすると、水w1の使用量を抑制しつつ、クロム及びその他重金属、及び塩素等の忌避成分を充分に溶出させて、除去することができる。
図1に示す忌避成分除去システム1では、pH計33がスラリーS1のpHを測定し、その測定結果を制御装置11に送信し、その測定結果を受信した制御装置11が、スラリーS1のpHが酸性から中性、好ましくは3~7であるか否かを判定するようにしている。なお、スラリーS1のpHに関するpH計33による測定と測定結果の制御装置11への送信は、連続的に行ってもよいが、通常、スラリーS1のpHには大きな変動が生じないため、スラリーS1が均質化した直後の測定値を、制御装置11に少なくとも1回入力するようにしてもよい。
スラリーS1のpHが酸性から中性、好ましくはpH3~7の範囲を満足しない場合には、制御装置11が、pH調整剤添加装置34を介してpH調整剤A1を添加することによって、又はセメント製造設備Kからの炭酸ガスG1をスラリーS1へ導入することによって、スラリーS1のpHを調整することができる。灰水洗工程において用いられるpH調整剤A1としては、例えば、希硫酸等の汎用の酸性薬剤を用いればよい。
なお、一般的な焼却灰P2に水を加えてスラリーS1を生成した場合、そのpHは12であるため、通常はpH調整剤A1の添加、又は炭酸ガスG1の導入が必要である。
スラリーS1のpHが3~7の範囲を満足する場合、スラリーS1の攪拌を、所定の攪拌時間に到達するまで継続して忌避成分を液相に溶出させる。
この忌避成分の溶出に要する攪拌時間は、焼却灰P2からの忌避成分の溶出を十分に行わせるために、30分間以上とすることが好ましく、45分間以上であると特に好ましい。
図1に示す忌避成分除去システム1では、さらにこの灰水洗工程において、制御装置11は温度計32からの信号に基づいて、加熱装置35を制御することによって、スラリーS1の温度を所定の温度に維持するようにしている。これは、焼却灰P2からの忌避成分の溶出をさらに促進するためである。その温度は、5℃~50℃とすることが好ましく、25℃~50℃であると特に好ましい。なお、上述したように、セメント製造設備Kからの炭酸ガスG1を用いて所定の温度範囲としてもよい。
次に、固液分離装置4が、灰水洗槽3から排出されたスラリーS1を、クロム及びその他重金属、及び塩素等が溶出した焼却灰P2からなる脱水ケーキM1(固相)と、忌避成分が含まれた排水W1(液相)とに分離する。
脱水工程で分離された脱水ケーキM1の含水率は、脱水ケーキM1に液相に溶出した上記忌避成分がその液相とともに残留することを防止するために、30質量%~70質量%とすることが好ましい。
固液分離装置4を経て、液相として回収された排水W1が、図示しない送液装置によって、第1排水反応槽5へ送られる。送液装置としては、遠心ポンプ、プロペラポンプ、ロータリーポンプ等の一般的な送液ポンプを使用すればよい。
また、脱水ケーキ運搬装置10が、脱水ケーキM1をセメント製造設備Kに搬送する。
以下では、本発明の忌避成分除去方法における重金属回収工程について説明する。
図1に示す忌避成分除去システム1では、第1排水反応槽5へ送られた排水W1について、第1排水反応槽5に付設されるORP計52が、排水W1のORPを測定し、その測定結果を制御装置11に送信し、その測定結果を受信した制御装置11は、排水W1のORPが所定閾値、例えば-400mV以下であるか否かを判定するようにしている。排水W1のORPが所定閾値よりも大きい場合には、制御装置11からの信号に基づく制御により、ORP調整剤供給装置6を介してORP調整剤A2を添加することによって、排水W1のORPを調整することができる。ORP調整剤A2としては、例えば、硫化水素ナトリウム(NaSH)等を用いればよい。
排水W1のORPが所定閾値以下を満足するようであれば、排水W1から、液相にクロムを残留させつつ、クロム以外の重金属を選択的に不溶化させるのに好都合であるが、ORP調整剤A2の使用量の観点から、排水W1のORPは、過剰に下げないことが好ましい。
排水W1のORPが所定閾値、例えば-400mV以下を維持するように、排水W1のORPの測定と調整を、排水W1の所定の攪拌時間に到達するまで連続的に繰り返し行いながら、排水W1の攪拌を継続して、液相にクロムを残留させつつ、クロム以外の重金属を不溶化させる。
クロム以外の重金属の不溶化に要する攪拌時間は、化学反応を十分に完了させるためには、30分間以上とすることが好ましく、45分間以上であると特に好ましい。
次いで、十分に重金属が不溶化した排水W1に、高分子凝集剤C1を添加して、不溶化した重金属を凝集体に変えて、回収を容易にする。用いる高分子凝集剤C1としては、pHが3~7の範囲で使用可能であるポリアクリルアミドを主成分とするアニオン系凝集剤等の汎用の高分子凝集剤を用いることができる。
排水W1への高分子凝集剤C1の添加量は、排水W1での事前評価による最適添加量を把握することが望ましいが、事前評価等が困難である場合は、上記ORP調整剤A2の添加量と同程度のモル当量相当量であればよい。
第1排水反応槽5における、ORP調整剤A2を含む排水W1と、高分子凝集剤C1との撹拌時間は、好ましくは5分間~20分間、より好ましくは10分間~20分間、更に好ましくは15分間~20分間である。この撹拌時間が5分間よりも短い場合、クロム以外の重金属の凝集が不充分となる場合がある。また、撹拌時間が20分間よりも長い場合、単位時間における焼却灰P1の処理量が少なくなる。
次に、固液分離装置7が、第1排水反応槽5から排出されたスラリーS2を、焼却灰P2から除去された忌避成分のうち塩素とクロムが液相に残留して含まれる排水W2(液相)と、クロム以外の重金属等が不溶化して含まれる凝集体からなる脱水ケーキM2(固相)とに分離する。
脱水されて分離された脱水ケーキM2の含水率は、脱水ケーキM2の液相に溶出したクロム及び塩素がその液相とともに残留することを防止するために、30質量%~70質量%とすることが好ましい。
固液分離装置7を経て、液相として回収された排水W2が、図示しない送液装置によって、第2排水反応槽8へ送られる。送液装置としては、遠心ポンプ、プロペラポンプ、ロータリーポンプ等の一般的な送液ポンプを使用すればよい。
また、脱水ケーキ運搬装置10が、脱水ケーキM2をセメント製造設備Kに搬送する。
以下では、本発明の忌避成分除去方法におけるクロム回収工程について説明する。
第2排水反応槽8へ送られた排水W2について、凝集剤添加装置82を介して無機凝集剤C2を添加することによって、排水W2中に溶解しているクロムは不溶化される。用いられる無機凝集剤C2としては、例えば、塩化第二鉄(FeCl)やポリ塩化アルミニウム(PAC)を用いればよい。
排水W2への無機凝集剤C2の添加量は、排水W2での事前評価による最適添加量を把握することが望ましいが、事前評価等が困難である場合は、重金属回収工程における上記ORP調整剤A2の添加量と同程度のモル当量相当量であればよい。
クロムの不溶化に要する攪拌時間は、化学反応を十分に完了させるためには、30分間以上とすることが好ましく、45分間以上であると特に好ましい。
次いで、十分にクロムが不溶化した排水W2に、凝集剤添加装置83を介して高分子凝集剤C3を添加して、不溶化したクロムを凝集体に変えて、回収を容易にする。高分子凝集剤C3には、高分子凝集剤C1同様に、pHが3~7の範囲で使用可能であるポリアクリルアミドを主成分とするアニオン系凝集剤等の汎用の高分子凝集剤を用いることができる。
排水W2への高分子凝集剤C3の添加量は、排水W3での事前評価による最適添加量を把握することが望ましいが、事前評価等が困難である場合は、重金属回収工程における上記高分子凝集剤C1の添加量と同程度のモル当量相当量であればよい。
第2排水反応槽8における、無機凝集剤C2を含む排水W2と、高分子凝集剤C3との撹拌時間は、好ましくは5分間~20分間、より好ましくは10分間~20分間、更に好ましくは15分間~20分間である。この撹拌時間が5分間よりも短い場合、クロムの凝集が不充分となる場合がある。また、撹拌時間が20分間よりも長い場合、単位時間における焼却灰P1の処理量が少なくなる。
次に、固液分離装置9が、第2排水反応槽8から排出されたスラリーS3を、焼却灰から除去された忌避成分のうち塩素が液相に残留して含まれる排水W3(液相)と、クロムが不溶化して含まれる凝集体(第2凝集フロック)からなる脱水ケーキM3(固相)に分離する。
脱水されて分離された脱水ケーキM3の含水率は、脱水ケーキM3に液相に溶出した塩素がその液相とともに残留することを防止するために、30質量%~70質量%とすることが好ましい。
固液分離装置9を経て、液相として回収された排水W3は、排水管理が必要となる重金属は回収されているため、系外排出が可能である。
また、脱水ケーキM3は、例えば、セメント原料化以外の用途についてのクロム源として使用することができる。
以上説明したように、本発明によれば、焼却灰P1からクロムを回収する際に、焼却灰から除去した忌避成分のうちクロム以外の重金属とクロムを別個に回収することができる。これにより、回収したクロム以外の重金属はセメント原料の許容範囲内でセメント原料化して処理することができると共に、クロムを選択的に除去・処理し、あるいは回収してクロム源として再利用することができる。
最後に、上記忌避成分除去システム1で行われた処理に係る試験結果について説明する。
焼却灰P1として試験に用いたごみ焼却飛灰(湿灰)の重金属含有量を表1に示す。
Figure 0007089498000001
焼却灰P1をボールミルで粉砕して焼却灰P2とするに際し、焼却灰P2の粒径と、クロムの溶出割合との関係を評価した。具体的には、粉砕した焼却灰P1を網ふるいで分級し、それぞれの粒径の焼却灰P2を用いてpH7のスラリーS1(焼却灰P2:水w1=1:4)を作製した場合の、液相へのクロムの溶出量を測定した。なお、クロムの溶出量の測定は、スラリーS1を30分間攪拌後に行った。
なお、クロムを含む、以下に示す液相中の重金属濃度の測定は、ICP質量分析法(使用装置:Agilent Technologies製Agilent 7900 ICP-MS(商品名))を用いた。
表2には、未粉砕の焼却灰P1の脱クロム率を1としたときの脱クロム率に関する相対比率を示す。なお、表2の粒径は、分級に用いた篩い目の大きさを指す。
Figure 0007089498000002
表2から、焼却灰P2の粒径が0.7mm以下の場合、未粉砕の焼却灰P1に比べて脱クロム率が4倍以上になっていることが分かる。したがって、焼却灰P2の粒径は、0.7mm以下が好ましく、粒径が小さいほどより好ましいことが分かる。
次に、焼却灰P2として、粒径を0.3mm~0.7mmに分級したものを用いた場合の、スラリーS1(焼却灰P2:水w1=1:4)の液相へのクロムの溶出量と、スラリーS1のpHとの関係を評価した。スラリーS1のpHの調整には希硫酸(富士フイルム和光純薬株式会社製10%硫酸)を用いた。なお、pH調整しない場合のスラリーS1のpHは12であった。クロムの溶出量の測定は、上記粒径を変えた試験と同様に、スラリーS1を30分間攪拌後に行った。スラリーS1のpHが12での脱クロム率を1としたときの脱クロム率に関する相対比率を表3に示す。
Figure 0007089498000003
表3から、スラリーS1のpHが7以下の場合、脱クロム率が、pH未調整のpH12の場合の14倍以上となっていることが分かる。したがって、スラリーS1のpHは、7以下が好ましいことが分かる。
以上で確認された処理条件を基に、焼却灰P2として、粒径を0.3mm~0.7mmに分級したものを用いた、pH6のスラリーS1(焼却灰P2:水w1=1:4)を準備した後、フィルタープレスで固液分離して排水W1を得た。
排水W1におけるクロム以外の重金属の不溶化に対する、ORPの効果を確認するため、ORP調整剤A2(硫化水素ナトリウムの25質量%水溶液)の添加量を変えることでORPの異なる排水W1を作製した後、高分子凝集剤としてダイヤフロック(三菱ケミカル株式会社製)を添加して混合し、上記重金属回収工程を行った。得られた排水W2中の重金属濃度を評価した結果を表4に示す。
Figure 0007089498000004
表4から、高分子凝集剤の添加により、排水W1中のクロム以外の重金属を、液相にクロムを残留させつつ、不溶化できることが分かる。また、排水W1のORPは、-400mV以下であれば、排水W1からより効果的にクロム以外の重金属を選別して不溶化できることが分かる。
次に、表4の示すORPが-400mVの排水W1から得られた排水W2に、無機凝集剤として塩化第二鉄(FeCl)を添加して混合し、これに更に高分子凝集剤としてダイヤフロック(同上)を添加して混合し、クロムを不溶化して、上記クロム回収工程を行った。このクロム回収工程で得られた排水W3中のクロム濃度を評価したところ、検出下限値以下(<0.01ppm)であった。
以上のとおり、ごみ焼却飛灰(湿灰)からセメント原料化における忌避成分であるクロムを溶出させ、他の重金属と分けて回収することができた。
1…焼却灰からの忌避成分除去システム、2…粉砕装置、3…灰水洗槽、4、7、9…固液分離装置、5…第1排水反応槽、6…ORP調整剤供給装置、8…第2排水反応槽、10…脱水ケーキ搬送装置、11…制御装置、31、51、81…攪拌翼、32…温度計、33…pH計(pH測定装置)、34…pH調整剤添加装置、35…加熱装置、41、71、91…水洗浄装置、52…ORP計(ORP測定装置)、53、82、83…凝集剤添加装置、A1…pH調整剤、A2…ORP調整剤、C1、C3…高分子凝集剤、C2…無機凝集剤、G1…炭酸ガス、K…セメント製造設備、M1、M2、M3…脱水ケーキ、P1、P2…焼却灰、S1、S2、S3…スラリー、w1…水、W1、W2、W3…排水。

Claims (9)

  1. 焼却灰を所定の粒径に粉砕する粉砕工程と、
    前記粉砕工程により粉砕した前記焼却灰に水を加えてpHが酸性から中性のスラリーにして該焼却灰を水洗する灰水洗工程と、
    前記灰水洗工程から生じる排水の酸化還元電位を調整した後、高分子凝集剤を添加して、クロムを液相に残留させつつ、該排水中のクロム以外の重金属を第1凝集フロックに回収する重金属回収工程と、
    前記重金属回収工程から生じる排水に、無機凝集剤を添加した後、高分子凝集剤を添加して、該排水中の残留クロムを第2凝集フロックに回収するクロム回収工程を備えていることを特徴とする焼却灰からの忌避成分除去方法。
  2. 請求項1に記載の焼却灰からの忌避成分除去方法において、
    前記粉砕工程は、前記焼却灰を粒径0.7mm以下に粉砕する工程であることを特徴とする焼却灰からの忌避成分除去方法。
  3. 請求項1又は2に記載の焼却灰からの忌避成分除去方法において、
    前記スラリーのpHは3~7の範囲であることを特徴とする焼却灰からの忌避成分除去方法。
  4. 請求項1~3のいずれか1項に記載の焼却灰からの忌避成分除去方法において、
    前記重金属回収工程における該排水にORP調整剤を加えて酸化還元電位を-400mV以下に調整することを特徴とする焼却灰からの忌避成分除去方法。
  5. 請求項1~3のいずれか1項に記載の焼却灰からの忌避成分除去方法において、
    前記重金属回収工程に、更に、前記灰水洗工程から生じる排水の酸化還元電位を測定するORP測定工程を備え、
    前記ORP測定工程による測定値が-400mV以下を満足しない場合に、前記重金属回収工程における該排水にORP調整剤を加えて酸化還元電位を-400mV以下に調整することを特徴とする焼却灰からの忌避成分除去方法。
  6. 請求項4又は5に記載の焼却灰からの忌避成分除去方法において、
    前記ORP調整剤が、硫化水素ナトリウムであることを特徴とする焼却灰からの忌避成分除去方法。
  7. 請求項1~請求項6のいずれか1項に記載の焼却灰からの忌避成分除去方法において、
    前記灰水洗工程及び/又は前記重金属回収工程において回収した固相を、セメントクリンカの原料にすることを特徴とする焼却灰からの忌避成分除去方法。
  8. 収容された焼却灰を所定の粒径に粉砕するための粉砕装置と、
    前記粉砕後の焼却灰をスラリーにしつつ水洗するための灰水洗槽と、
    前記水洗後のスラリーを固液分離するための固液分離装置と、
    前記固液分離装置から排出される排水中のクロムを液相に残留させつつクロム以外の重金属を第1凝集フロックに回収するための第1排水反応槽と、
    前記排水反応槽から排出される排水中の残留クロムを第2凝集フロックに回収するための第2排水反応槽と、を備えていることを特徴とする焼却灰からの忌避成分除去システム。
  9. 請求項8に記載の焼却灰からの忌避成分除去システムにおいて、更に、
    前記固液分離装置から排出される排水の酸化還元電位を測定するORP測定装置と、
    前記第1排水反応槽にORP調整剤を供給するためのORP調整剤供給装置と、
    前記ORP測定装置の測定結果に基づいて前記ORP調整剤供給装置を自動的に制御する制御装置と、を備えていることを特徴とする焼却灰からの忌避成分除去システム。
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