JP2000254479A - 圧力容器への固形物投入方法および投入装置 - Google Patents

圧力容器への固形物投入方法および投入装置

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JP2000254479A
JP2000254479A JP11061196A JP6119699A JP2000254479A JP 2000254479 A JP2000254479 A JP 2000254479A JP 11061196 A JP11061196 A JP 11061196A JP 6119699 A JP6119699 A JP 6119699A JP 2000254479 A JP2000254479 A JP 2000254479A
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pressure
solid
liquid
pressure vessel
reactor
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JP11061196A
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English (en)
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Shinichi Ueda
進一 上田
Nobuyuki Matsumoto
信行 松本
Michio Futagawa
道夫 二川
Suekazu Yamada
末和 山田
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Osaka Gas Co Ltd
Original Assignee
Osaka Gas Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】圧力容器内において液体の存在下に固形分を高
温高圧処理するに適した技術を提供することを主な目的
とする。さらに、有機固形廃棄物を湿式酸化分解するに
際し、高い分解効率でかつ低コストで処理しうる新たな
技術を提供することをも、目的とする。 【解決手段】外部と圧力および/または温度が異なる圧
力容器内に固形物を投入する方法において、固形物投入
装置の入口側バルブを開きかつ出口側バルブを閉じた常
圧状態で投入装置内に固形物と液体とを導入し、次いで
入口側バルブを閉じて、装置内圧力を圧力容器内圧力と
同等以上となるまで高めた後、出口側バルブを開いて、
液体により流動化された固形物を加圧下に圧力容器に供
給することを特徴とする固形物投入方法;および加圧下
に固形物を圧力容器に供給する固形物投入装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、加圧容器内で固形
物を反応処理する方法およびそのための装置に関する。
【0002】本発明による方法および装置は、有機固形
廃棄物(厨芥、紙、プラスチック、木片、竹片、草、
藁、繊維、ゴム、皮、汚泥など)を処理する方法および
装置として有用であり、さらには、有機固形廃棄物の湿
式酸化処理に特に好適である。
【0003】従って、以下においては、特に必要でない
限り、有機固形廃棄物の処理技術を代表例として、説明
を行う。
【0004】
【従来技術とその問題点】液状廃棄物、或いは液状廃棄
物と有機固形廃棄物とを高い分解効率で処理しうる方法
として、湿式酸化方法が知られている(例えば、特開平9
-201590号公報などを参照)。この様な方法において、固
形廃棄物を処理するためには、予め固形廃棄物を微粉砕
し、スラリー化し、昇圧した後、ポンプにより湿式酸化
装置に供給していた。しかしながら、有機固形廃棄物中
でも、紙、プラスチック、木片、竹片、草片、藁、繊
維、ゴム、皮などは、微粉砕することが非常に困難であ
るため、微粉砕の容易な厨芥、野菜片、脱水汚泥などの
易粉砕性廃棄物とそれ以外の難粉砕性廃棄物とをあらか
じめ分別し、それぞれの特性に応じて別個に粉砕(例え
ば、粗粉砕と微粉砕の二段階粉砕など)を行う必要があ
った。
【0005】また、難粉砕性廃棄物の粉砕には、多量の
エネルギーを必要とするので、湿式酸化方法における全
体としての処理コストが高価となるという問題点があ
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明は、圧
力容器内において液体の存在下に固形分を高温高圧処理
するに適した技術を提供することを主な目的とする。
【0007】本発明は、さらに湿式酸化分解法により有
機固形廃棄物を処理するに際し、高い分解効率でかつ低
コストで処理しうる新たな技術を提供することをも、目
的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記の様な
技術の現状に鑑みて、有機固形廃棄物を代表とする固形
物を処理する技術について研究を重ねた結果、難粉砕性
廃棄物を微粉砕することなく、またポンプを使用するこ
となく、液体とともに湿式酸化処理装置に導入する新た
な技術を開発することに成功した。
【0009】すなわち、本発明は、以下に示す「圧力容
器への固形物投入方法および投入装置」を提供するもの
である; I.外部と圧力および/または温度が異なる圧力容器内
に固形物を投入する方法において、固形物投入装置の入
口側バルブを開きかつ出口側バルブを閉じた常圧状態で
投入装置内に固形物と液体とを導入し、次いで入口側バ
ルブを閉じて、装置内圧力を圧力容器内圧力と同等以上
となるまで高めた後、出口側バルブを開いて、液体によ
り流動化された固形物を加圧下に圧力容器に供給するこ
とを特徴とする固形物投入方法。 2.圧力容器が湿式酸化処理装置であり、固形物が有機
廃棄物である上記項1に記載の固形物投入方法。 3.圧力容器において生成する液体成分を加圧液体とし
て圧力容器に循環供給する上記項1〜2のいずれかに記
載の固形物投入方法。 4.固形物の投入操作後に投入装置内に残存する高圧の
ガスを常温の液体で装置外に押し出し、引き続いて解圧
した後、この液体を常温常圧のガスにより、装置外に排
出する上記項1〜3のいずれかに記載の固形物投入方
法。 5.外部と圧力および/または温度が異なる圧力容器内
に固形物を投入するための装置であって、下方円錐状の
装置本体、固形物導入口側バルブ、固形物出口側バル
ブ、固形物流動化用液体供給経路、および加圧液体供給
機構を備えてなり、導入されてくる固形物を螺旋状の液
体旋回流に混入させて流動化物を形成させ、これを加圧
下に圧力容器に供給する固形物投入装置。 6.圧力容器が湿式酸化処理装置であり、固形物が有機
廃棄物である上記項5に記載の固形物投入装置。 7.圧力容器において発生する加圧液体成分を固形物投
入装置に循環供給する機構を備えた上記項5または6に
記載の固形物投入装置。 8.上記項6または7に記載の固形物投入装置を備えた
有機固形廃棄物の湿式酸化処理装置。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明による湿式酸化処理技術が
処理対象とする有機固形廃棄物としては、厨芥、紙、プ
ラスチック、木片、竹片、草、藁、繊維、ゴム、皮、汚
泥などが例示される。また、有機固形廃棄物のスラリー
化を阻害しない範囲において、液状廃棄物を混合し、ス
ラリーを形成させても良い。液状廃棄物としては、特に
限定されず、好気性処理汚泥、嫌気性処理汚泥、下水汚
泥などの汚泥類;厨芥、紙、プラスチックなどを含む生
活廃水、し尿、メッキ廃水、食品工場廃水、製紙工場廃
水、製薬工場廃水、写真廃水、印刷廃水、農薬関連廃
水、染色廃水、半導体製造工場廃水、石炭の液化或いは
ガス化に伴い発生する廃水、都市ゴミの熱分解に伴い発
生する廃水などの有機物を含有する廃水などが例示され
る。これらの有機固形廃棄物および液状廃棄物は、必要
に応じて、それぞれの2種以上を混合して、処理しても
良い。
【0011】以下図面に示す実施態様を参照しつつ、本
発明をより一層詳細に説明する。
【0012】図1は、本発明有機固形廃棄物投入装置
(以下単に「投入装置」ということがある)を備えた湿式
酸化反応器(以下単に「反応器」ということがある)を使
用する湿式酸化反応方法の概要を示す模式図である。反
応器内部は、反応器外部に比して、温度および圧力が通
常かなり高いので、反応器に有機固形廃棄物(以下単に
「固形廃棄物」ということある)を直接導入すること
は、できない。従って、本発明においては、投入装置の
入口側バルブV-1を開き、かつ出口側バルブV-2を閉じた
常圧状態で、粗粉砕された固形廃棄物を投入装置に供給
した後、バルブV-1を閉じて、投入装置内部の圧力を十
分に高める。次いで、投入装置に加圧流体を導入し、内
部の固形廃棄物を流動化させた後、バルブV-2を開い
て、流動化物を反応器に導入する。粗粉砕後の破砕物の
寸法は、固形廃棄物の種類などにより異なり、特に限定
されるものではないが、10mm以下程度とすることが好ま
しい。投入装置内部の昇圧は、圧力調整用のバルブV-3
を設けた管路を介して、湿式酸化反応器で発生する高温
/高圧のガス(水蒸気を主成分とする)を投入装置に導入
することにより行うことができる。投入装置には、セー
フティーバルブ(図示せず)を設けて、高圧ガスを装置外
に放出することができる。
【0013】固形廃棄物の流動化は、例えば、図2に示
す様に、投入装置内部に螺旋状旋回流を形成させて、固
形廃棄物に衝撃を与えることにより、行うことができ
る。図示の態様において、螺旋状旋回流は、例えば、上
方を円筒形とし、下方を円錐形とした投入装置の円錐形
部分に水平方向の水流を供給することにより、発生させ
ることができる。この場合には、水平方向の水流は、円
錐形部分の水平断面において、接線方向から中心点に向
けて25〜35度程度傾いた方向に供給することが好まし
い。この際、投入装置の円筒形部分に下降水流を併せて
供給することにより、破砕物の堆積とそれに伴うスラリ
ーの流動阻害を生じることなく、スラリーを反応器に円
滑に供給することができる。なお、本発明による投入装
置における固形物と水流との接触/混合は、固形廃棄物
に衝撃を与えることにより流動化が可能である限り、特
に限定されるものではない。
【0014】湿式酸化反応器内に残存する高圧ガス(水
蒸気を主成分とする)は、図1に示す様に、常温の液体
(通常は水)により、装置外に押し出す。また、この液体
は、常温のガス(通常は雰囲気空気)を用いて、装置外に
排出する。
【0015】参考までに、本発明による投入装置を使用
する有機固形廃棄物の湿式酸化方法の一例をフローシー
トとして図3に示す。この図3に示す湿式酸化方法は、
基本的に特開平9-201590号公報に開示されたものと同様
であり、有機固形廃棄物と液状廃棄物(原水)とを併せて
処理している。しかしながら、本発明による投入装置
は、有機固形廃棄物に由来するスラリーのみを湿式酸化
処理する場合にも、有用であることはいうまでもない。
【0016】図3に示す湿式酸化方法においては、有機
固形廃棄物と液状廃棄物(原水)とを併せて処理してい
る。原水は、昇圧ポンプにより所定の圧力まで昇圧さ
れ、さらに圧縮機により予め昇圧された空気などの酸素
含有ガスを混合され、次いで熱交換器により100℃以上
の温度に加熱された後、後述の循環液相とともに第一の
反応器(以下においては、後記の触媒を充填した第二の
反応器と区別するために、空塔反応器という)に供給さ
れる。
【0017】一方、有機固形廃棄物は、図1および図2
に示す様にして、空塔反応器に供給される。すなわち、
有機固形廃棄物の投入操作開始前には、投入装置のバル
ブV-1、V-2およびV-3は、閉じられており、空塔反応器
内は高圧で、投入装置内は常圧である。バルブV-1を開
け、V-2を閉じた状態で、固形廃棄物を投入装置に投入
した後、バルブV-2を閉じ、バルブV-3を開けて、湿式酸
化処理により発生した高圧ガス(水蒸気)を導入して投入
装置内を空塔反応器と同圧となるまで昇圧する。次い
で、上述の手法により固形廃棄物を流動化させ、バルブ
V-2を開けて、スラリーを空塔反応器内に投入した後、
バルブV-2を閉じる。この際、固形廃棄物の寸法が大き
すぎる場合には、投入装置への供給に先立って予め粉砕
乃至破砕しておく。
【0018】熱交換器の熱源としては、第二の触媒充填
反応器(以下においては、第一の空塔反応器と区別する
ために、触媒反応器という)からの高温の処理液を循環
させて使用しても良く、或いは他の加熱手段を使用して
も良い。汚濁物の濃度が低く、冬季などにおいて反応時
に所定の反応温度を維持できない場合或いは所定の温度
までの昇温を必要とする場合などには、さらに加熱器
(図示せず)により加熱したり、或いは蒸気発生器(図
示せず)から空塔反応器に蒸気を供給することもでき
る。また、スタートアップに際して空塔反応器内温度を
所定温度とするためにも、空塔反応器内に直接蒸気を送
入して昇温したり、或いは熱交換器と空塔反応器との間
に加熱器(図示せず)を設けて昇温することもできる。
【0019】空塔反応器での反応(第一次反応)におけ
る温度は、通常100℃程度以上、より好ましくは150〜37
0℃程度である。反応時の温度が高い程、有機物などの
分解率が高まり、また空塔反応器内での被処理物(原水
+有機固形廃棄物スラリー+循環液相)の滞留時間も短
縮されるが、反面において設備費が増大するので、第一
次反応温度は、被処理物中の汚濁物質濃度、要求される
処理の程度、運転費、建設費などを総合的に考慮して、
定めれば良い。反応時の圧力は、所定温度において被処
理物が液相を保持し得る圧力以上であれば良い。
【0020】被処理物(原水+有機固形廃棄物スラリー)
に添加される酸素量は、有機性物質、無機性物質、窒素
化合物などを無害の生成物にまで分解するに必要な理論
酸素量以上、より好ましくは理論酸素量の1.05から1.5
倍量程度である。
【0021】酸素源として空気を使用する実施態様を挙
げたが、酸素源としては、特に限定されず、その他に酸
素富化空気、酸素、不純物としてシアン化水素、硫化水
素、アンモニア、硫黄酸化物、有機硫黄化合物、窒素酸
化物、炭化水素などの1種または2種以上を含有する酸
素含有廃ガスなどが例示される。
【0022】本発明において、理論酸素量とは、「被処
理物中の有機性物質、無機性物質、窒素化合物など(被
処理成分)をCO2、H2OおよびN2などにまで分解するに必
要な酸素量」を意味する。理論酸素量は、処理対象とす
る混合物(液状廃棄物+有機固形廃棄物スラリー+循環液
相)中の被処理成分を分析し、それらの分解に必要な理
論酸素量を算出することにより、容易に決定しうる。実
用的には、経験と若干の実験とに基づいて、いくつかの
パラメーターを用いて、高い精度で理論酸素量を近似的
に算出できる関係式を見出すことができる。この様な関
係式は、例えば、特公昭58-27999号公報に開示されてい
る。
【0023】空塔反応器内では、有機物が可溶化し、液
状化して、相対的に無機物の濃度が増大するので、これ
をスラッジとして空塔反応器外に排出する。すなわち、
空塔反応器と同圧まで昇圧されたスラッジ排出装置(以
下単に「排出装置」ということがある)との間のバルブV
-4を開き、スラッジを空塔反応器から排出装置に沈降さ
せる。スラッジが十分に沈降した時点で、バルブV-4を
閉じ、自然降温よび降圧させた後、バルブV-5を開き、
スラッジ液を系外に排出する。スラッジ排出装置には、
液状廃棄物の種類に応じて、(例えば、液状廃棄物がメ
ッキ廃水であって、シアンが生成される場合などに
は)、蒸気を供給し、スラッジ中のシアンを完全に分解
することが出来る。
【0024】スラッジ液は、公知の固液分離処理に供
し、分離液は液状廃棄物とともに、再度空塔反応器に循
環し、処理することができる。空塔反応器内で生成した
スラッジは、この様なロックホッパ方式により、半連続
的に抜き出し、排出することが出来る。このスラッジお
よび/または金属成分の除去により、後続の触媒反応器
における触媒への付着を抑制し、長期にわたり高い触媒
活性を維持することができる。
【0025】なお、図1に示すスラッジ排出装置は、図
3の空塔反応器においても使用可能であることは、いう
までもない。
【0026】空塔反応器で形成された第一次処理液は、
液相と気相とに分離される。
【0027】固液分離装置は、空塔反応器内で沈殿除去
されなかった固形物を分離するために使用するものであ
り、セラミックフィルター、金属フィルター、サイクロ
ン装置などを単独で或いは適宜組み合わせて使用する。
図示はしないが、固液分離装置は、2系列設置し、バル
ブを切り替えて、交互に使用することが好ましい。2系
列の固液分離装置を設置する場合に、不使用状態の1系
列を常圧下或いは加圧下に、化学的に(例えば、5〜10
%硝酸、5〜10%水酸化ナトリウムなどの薬剤を使用し
て)洗浄したり、或いは物理的に(蒸気或いは高圧蒸気
を使用して、或いはセラミックボール、金属ボールなど
を移動させて)洗浄することにより、スラッジを系外に
除去することが出来る。固液分離装置を使用することに
より、空塔反応器からの液相中の固形分を効果的に除去
することが出来るので、触媒反応器内に充填された触媒
の活性を長期にわたり安定して持続させ、その寿命を延
長させることが出来る。
【0028】液相は、固液分離装置に供給され、ここで
固形物を除去された後、一部は、液状廃棄物とともに空
塔反応器に循環され、残部は、気相と併せて第二の触媒
反応器に供給され、第二次反応に供される。
【0029】固液分離装置から空塔反応器へ循環される
液相の量は、固液分離装置から触媒反応器へ送給される
液相の量の3倍以上程度(より好ましくは、5〜10倍程
度;以下において、この循環量/送給量の比を循環比と
いう)である。未だ少量の未分解の固形分を含むこの液
相の循環により、空塔反応器内での可溶化反応を促進し
て、触媒反応器内に充填された触媒の活性をより長期に
わたり持続させ、その寿命をさらに一層延長させること
が出来る。
【0030】固液分離装置から触媒反応器に送給される
液相中に液状廃棄物および/または有機固形廃棄物に由
来する多量のアルカリ金属化合物が含まれている場合に
は、液相中のアルカリ金属合計量1モル当り0.25〜0.55
倍量程度の硫酸を添加することにより、そのpH調整を行
なうことが好ましい。この硫酸添加により、触媒反応器
における窒素化合物(特にNO2態窒素およびNO3態窒素)
の生成を抑制することもできる。なお、硫酸に代えて或
いは硫酸とともに、触媒反応器における反応条件下に硫
酸を生成し得る物質(例えば、硫黄、チオ硫酸アンモニ
ウムなどの硫黄化合物)を添加しても良い。本発明にお
いては、“硫酸”という用語は、これらの「硫酸形成物
質」をも包含するものとする。
【0031】第二次反応に際しても、汚濁物質濃度が低
く、冬季などにおいて反応時に所定の反応温度を維持で
きない場合には、加熱器(図示せず)により加熱を行っ
たり或いは蒸気発生器(図示せず)から触媒反応器に蒸
気を供給することもできる。また、スタートアップに際
して触媒反応器の内部を所定温度とするために、空塔反
応器からの高温の第一次処理液を循環して昇温を行った
り、触媒反応器に蒸気を直接送入して昇温を行ったり、
或いは加熱器(図示せず)により昇温を行うこともでき
る。
【0032】空塔反応器と触媒反応器との相違は、後者
においては担体に担持された触媒が充填されている点お
よび後者における液線速度が0.1cm/sec以上である点に
存在する。
【0033】触媒活性成分としては、鉄、コバルト、ニ
ッケル、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、イリジウ
ム、白金、銅、金およびタングステン、ならびにこれら
金属の水不溶性乃至水難溶性の化合物が挙げられる。こ
の様な化合物のより具体的な例としては、酸化物(酸化
コバルト、酸化鉄など)、塩化物(二塩化ルテニウム、
二塩化白金など)、硫化物(硫化ルテニウム、硫化ロジ
ウムなど)などが挙げられる。これら金属およびその化
合物は、単独で使用しても良く或いは2種以上を併用し
ても良い。これらの触媒活性成分は、常法に従って、公
知の金属酸化物担体および金属担体に担持した状態で使
用される。金属酸化物担体および金属担体としては、特
に限定されず、公知の触媒担体として使用されているも
のを使用することができる。金属酸化物担体としては、
アルミナ、シリカ、ジルコニア、チタニア、これら金属
酸化物を含む複合金属酸化物(アルミナ−シリカ、アル
ミナ−シリカ−ジルコニア、チタニア−ジルコニアな
ど)、これら金属酸化物または複合金属酸化物を主成分
とする金属酸化物系担体などが挙げられ、金属担体とし
ては、鉄、アルミニウムなどが挙げれる。これらの担体
中では、耐久性に優れたジルコニア、チタニアおよびチ
タニア−ジルコニアがより好ましい。
【0034】担持触媒の形状も、特に限定されず、球
状、ペレット状、円柱状、破砕片状、粉末状、ハニカム
状などが挙げられる。この様な担持触媒を充填使用する
場合の反応器容積は、固定床の場合には、液の空間速度
が0.5〜10hr-1程度、より好ましくは1〜5hr-1程度とな
る様にするのが良い。固定床で使用する担持触媒の大き
さは、球状、ペレット状、円柱状、破砕片状、粉末状な
どの場合には、通常3〜50mm程度、より好ましくは5〜25
mm程度である。また、触媒をハニカム状担体に担持して
使用する場合のハニカム構造体としては、開口部が四角
形、六角形、円形などの任意の形状のものが使用され
る。単位容積当たりの面積、開口率なども特に限定され
るものではないが、通常単位容積当りの面積として200
〜800m2/m3 、開口率40〜80%程度のものを使用する。
ハニカム構造体の材質としても、上記と同様の金属酸化
物および金属が例示され、耐久性に優れたジルコニア、
チタニアおよびチタニア−ジルコニアがより好ましい。
【0035】触媒反応器内で流動床を形成させる場合に
は、反応器内で担持触媒が流動床を形成し得る量、即ち
通常液相の重量を基準として、0.01〜20%程度、より好
ましくは0.05〜10%程度を液相にスラリー状に懸濁さ
せ、使用する。流動床を採用する場合には、担持触媒を
液相中にスラリー状に懸濁させた状態で触媒反応器に供
給し、反応終了後に塔外に排出された第二次処理液から
触媒を沈降、遠心分離などの適当な方法により分離回収
し、再使用する。従って、第二次処理液からの触媒の分
離回収の容易さを考慮すれば、流動床において使用する
担持触媒の粒径は、0.15〜0.5mm程度とすることがより
好ましい。触媒活性金属の担持量は、特に限定されるも
のではないが、通常担体重量の0.01〜25%程度、より好
ましくは0.1〜3%程度の範囲内にある。
【0036】触媒反応器における反応温度は、100℃以
上である。空塔反応器における第一次処理により、被処
理物中の有機物が可溶化され、反応性が高まっているの
で、触媒反応器における反応温度は、空塔反応器におけ
る反応温度よりも10℃以上低くすることができる。ま
た、空塔反応器において、被処理物中に含まれていたス
ラッジおよび/または金属成分が効率的に除去されてお
り、さらに固液分離装置においても固形分の除去が行わ
れているので、触媒反応器に充填された触媒の活性が阻
害されることも防止される。
【0037】触媒反応器からの処理液(第二次処理液)
は、気液分離前の気液混相状態あるいは気液分離後の気
相および/または液相の状態で原水の加熱源として利用
することができる。また、加熱源として利用した後の余
剰のエネルギーを動力、蒸気、温水などとして回収し、
利用することもできる。さらに、空塔反応器と触媒反応
器との間において、一次処理液からエネルギー回収を行
うこともできる。
【0038】図示はしないが、第二次処理液から得られ
た液相は、必要ならば、常法に従って、さらに固液分離
器に送られ、液相中に含まれる金属および/またはスラ
ッジ成分を除去された後、最終処理液となる。固液分離
器における分離方法としては、重力沈降による分離、磁
石による分離、フィルタープレスによる分離、凝集沈殿
による分離などの公知の方法を採用することが出来る。
【0039】気相(排ガス)は、アンモニア、窒素酸化
物、硫黄酸化物、ダイオキシンなどを実質的に含まない
ので、そのまま大気に放散することができる。
【0040】
【発明の効果】本発明方法によれば、有機固形廃棄物を
高い分解効率でかつ安価に処理することができる。
【0041】また、液状廃棄物を同時に処理する場合に
は、その中の有機性物質、無機性物質、窒素化合物など
も、実質的に完全に分解されるので、安定した処理効果
が達成される。
【0042】さらに、最終的な気液分離後の気相および
液相(最終処理液)のいずれにも、有害成分の存在は実
質的に認められない。
【0043】酸素源として酸素含有廃ガスを使用する場
合にも、気相および液相のいずれにも、廃ガスに由来す
る有害成分の存在は実質的に認められない。
【0044】また、湿式酸化処理により形成されるスラ
ッジは、沈降性に優れており、取扱が容易である。
【0045】本発明方法によれば、各工程が連続的に実
施され、処理フローが極めて簡単なので、処理コスト
(設備費、運転費など)が著しく低下するとともに、工
程管理が容易となる。
【0046】また、前述の様に、本発明による固形物投
入装置および固形物投入方法は、固形廃棄物処理装置だ
けではなく、他の高温高圧容器への固形材料投入(例え
ば、高温高圧調理器への食品材料の投入、高温高圧反応
器への固体原料の送入など)に際しても、幅広く利用す
ることができる。
【0047】
【実施例】以下に実施例および比較例を示し、本発明の
特徴とするところをより一層明確にする。 実施例1 表1に示す構成成分の固形廃棄物混合物を図3に示す湿
式酸化処理装置を用いて処理した。このとき使用した廃
棄物投入装置は、図1および図2に示す構造を有してお
り、固形廃棄物は、空塔反応器で得られた可溶化液を用
いて流動化させた。
【0048】
【表1】
【0049】すなわち、まず、バルブV-1を開け、バル
ブV-2およびV-3を閉じた状態で、常圧の投入装置に固形
廃棄物を投入した。次いで、バルブV-1を閉じ、空気に
より、投入装置内圧力を空塔反応器と同圧力(7.0MPa)ま
で昇圧した後、V-3を開き、固形廃棄物2500重量部に対
し毎秒330重量部の水平流水と同量の下降流水とを供給
することにより、固形廃棄物を流動化させた。次いで,2
0秒後にバルブV-2を開いて、スラリー状の固形廃棄物を
温度250℃、圧力7.0MPaの空塔反応器に供給した。
【0050】空塔反応器内では、固形廃棄物に対して、
圧縮機から理論酸素量(0.75Nm3/kg・dry)の1.1倍量に
相当する空気を供給した。
【0051】反応に際しては、空気を熱交換器の入口側
に導入するとともに、熱交換器の出口側(空塔反応器の
入口側)での空気の温度が230℃となる様に、触媒反応
器からの第二次処理液を熱交換器に送り、空気と熱交換
させて、温度調節を行なった。空塔反応器内は、スラリ
ー中の有機物の湿式酸化分解により、温度250℃、圧力
7.0MPaに保持した。
【0052】空塔反応器内で形成されるスラッジの除去
は、反応器の下部に設けた第一のバルブを開き、空塔反
応器内のスラッジ液をスラッジ排出装置に移送した後、
第一のバルブを閉じ、冷却し、スラッジ排出装置の下部
に設けた第二のバルブを開いてスラッジ液を排出するこ
とにより、行った。
【0053】次いで、得られた第一次処理液を気液分離
した後、液相(液相-1)を固液分離器に導いて固形分を
除去した。
【0054】次いで、上記の固液分離により得られた液
相-2の大部分(循環比=5倍)を空塔反応器に循環する
とともに、その残余(1m3/m2/hr)を気液分離により得
られた気相と併せて液空間速度0.50hr-1(空塔基準)で
触媒反応器に供給し、触媒湿式酸化した。なお、触媒反
応器内には、チタニア担体に担体重量の2%のルテニウ
ムを担持させた球形触媒(直径4〜6mm)を充填すると
ともに、その内部の温度および圧力を空塔反応器とほぼ
同一に保持した。触媒反応器内での液線速度は、0.1cm/
secであった。
【0055】液相-1、液相-2および触媒反応器からの第
二次処理液の組成などを表2に示す。
【0056】
【表2】
【0057】第二次処理液からは、カドミウム、クロ
ム、鉛、水銀およびこれらの化合物などは検出されなか
った。また、排ガスは、アンモニア、NOx、SOx、ダイオ
キシンなどを含まず、実質的にO2、N2およびCO2からな
っていた。
【図面の簡単な説明】
【図1】有機固形廃棄物の湿式酸化において使用される
本発明投入装置の概要を示すフローシートである。
【図2】本発明投入装置内での有機固形廃棄物のスラリ
ー形成状況を示す模式図である。
【図3】本発明による投入装置を使用する湿式酸化処理
の概要を示すフローシートである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 二川 道夫 大阪府大阪市中央区平野町四丁目1番2号 大阪瓦斯株式会社内 (72)発明者 山田 末和 大阪府大阪市中央区平野町四丁目1番2号 大阪瓦斯株式会社内 Fターム(参考) 4D004 AA02 AA07 AA12 CA36 CA39 CB42 CB44 CC03 4D059 AA03 AA07 BC01 CB01 CB09 EB06 EB08

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】外部と圧力および/または温度が異なる圧
    力容器内に固形物を投入する方法において、固形物投入
    装置の入口側バルブを開きかつ出口側バルブを閉じた常
    圧状態で投入装置内に固形物と液体とを導入し、次いで
    入口側バルブを閉じて、装置内圧力を圧力容器内圧力と
    同等以上となるまで高めた後、出口側バルブを開いて、
    液体により流動化された固形物を加圧下に圧力容器に投
    入することを特徴とする固形物投入方法。
  2. 【請求項2】圧力容器が湿式酸化処理装置であり、固形
    物が有機廃棄物である請求項1に記載の固形物投入方
    法。
  3. 【請求項3】圧力容器において生成する液体成分を加圧
    液体として圧力容器に循環供給する請求項1〜2のいず
    れかに記載の固形物投入方法。
  4. 【請求項4】固形物の投入操作後に投入装置内に残存す
    る高圧のガスを常温の液体で装置外に押し出し、引き続
    いて解圧した後、この液体を常温常圧のガスにより、装
    置外に排出する請求項1〜3のいずれかに記載の固形物
    投入方法。
  5. 【請求項5】外部と圧力および/または温度が異なる圧
    力容器内に固形物を投入するための装置であって、下方
    円錐状の装置本体、固形物導入口側バルブ、固形物出口
    側バルブ、固形物流動化用液体供給経路、および加圧液
    体供給機構を備えてなり、導入された固形物を螺旋状の
    液体旋回流に混入させて流動化物を形成させ、これを加
    圧下に圧力容器に供給する固形物投入装置。
  6. 【請求項6】圧力容器が湿式酸化処理装置であり、固形
    物が有機廃棄物である請求項5に記載の固形物投入装
    置。
  7. 【請求項7】圧力容器において発生する加圧液体成分を
    固形物投入装置に循環供給する機構を備えた請求項5ま
    たは6に記載の固形物投入装置。
  8. 【請求項8】請求項6または7に記載の固形物投入装置
    を備えた有機固形廃棄物の湿式酸化処理装置。
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