JP2000253874A - 固定化リパーゼの製造方法 - Google Patents

固定化リパーゼの製造方法

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JP2000253874A
JP2000253874A JP11061999A JP6199999A JP2000253874A JP 2000253874 A JP2000253874 A JP 2000253874A JP 11061999 A JP11061999 A JP 11061999A JP 6199999 A JP6199999 A JP 6199999A JP 2000253874 A JP2000253874 A JP 2000253874A
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lipase
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surfactant
carrier
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Kyoko Ishikawa
京子 石川
Wataru Matsumoto
渉 松本
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Adeka Corp
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Asahi Denka Kogyo KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 製品の物性、例えばホイップ性や特に食用と
しての利用の可否並びにエステル交換反応の収率に悪影
響を与えることなく、酵素の固定化に際して酵素活性の
低下を押さえつつ、長寿命で活性も高い固定化リパーゼ
の製造方法を提供する。 【解決手段】 (1)固定化リパーゼをアセトン又は含
水アセトンに接触せしめ、(2)アセトン又はアセトン
と水を略完全に除去することを特徴とする固定化リパー
ゼの製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、油脂の改質反応等
における固定化リパーゼを高活性化した固定リパーゼの
製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】油脂の
エステル交換はトリアシルグリセロ一ル内の脂肪酸構成
を触媒の存在下で再編成し、油脂の物理的性質を改良す
る技術として用いられている。エステル交換には化学法
と酵素法があり、化学法では―般にナトリウムメチラー
ト等の金属アルコラートが触媒として使用されている。
ナトリウムメチラートは安価で、比較的低温(50〜9
0℃) でも活性があり、少量添加(0.2〜2重量%)
で反応が可能である。しかしながら、触媒は水分に敏感
であり、極少量の水であっても触媒活性を著しく低下さ
せること、エステル交換する油脂の脂肪酸の位置に対す
る選択性が低いこと、反応後の水洗が必要なこと等が欠
点とされている。
【0003】これに対して、リパ一ゼを触媒とする油脂
のエステル交換は、酵素の基質選択性を生かし、ランダ
ムと位置選択的、脂肪酸選択的反応操作設計が可能であ
り、穏やかな反応条件と、天然物を使用することによる
安全性の高さ等から、反応触媒として注目されている。
【0004】しかし、工業的にリパーゼを利用する際、
リパーゼの酵素価格が極めて高いため、実用化のネック
になっている。そのため反応速度の向上、酵素寿命延
長、酵素の活性化、再利用等の検討が盛んに行われてい
る。
【0005】具体的には、糖類、界面活性剤、低級アル
コール、水等をエステル交換反応系に添加する方法(特
開昭58−116688号公報、特開昭57−1987
98号公報、特開平1−165389号公報)、界面活
性剤や脂質誘導体の共存下で固定化(特開昭64−25
88号公報、特開平1−174384号公報、特開昭6
2−134090号公報)、修飾リパ一ゼ(特開昭62
−151190号公報)、使用済み酵素の再製造方法
(特開昭61−149097号公報)等が挙げられる。
【0006】酵素の活性化方法として、エステル交換反
応前の油に界面活性剤等を加える方法は、得られた油脂
から界面活性剤を除去することが極めて困難であるた
め、界面活性剤が高濃度で残留する結果、食品に適用す
る場合には応用が限られ、物性(例えばホイップ性)に
影響を与えることも多い。また、水の過剰な添加はトリ
グリセリドの加水分解反応が進行し易くなり、ジグリセ
リド等の副生成物が多くなる原因となるが、その添加量
の制御に技術的難点が多いという欠点がある。
【0007】一方、酵素の固定化の際に界面活性剤等を
活性化剤として添加する方法は、酵素粉末がこれらの物
質によって凝集し、担体表面に均等に分散吸着するのを
妨げる場合が多い。このため固定化の前後で酵素の活性
収率が著しく低下する等の問題があり、実用化されてい
るケースは少ない。
【0008】さらに、リパーゼの各種有機溶媒中での酵
素反応活性に関わる研究はよくなされているが、酵素の
有機溶媒との接触履歴が酵素反応活性に与える影響に関
しては例を見ない。
【0009】従って、本発明の目的は、製品の物性、例
えばホイップ性や特に食用としての利用の可否並びにエ
ステル交換反応の収率に悪影響を与えることなく、酵素
の固定化に際して酵素活性の低下を抑えつつ、長寿命で
活性も高い固定化リパーゼの製造方法を提供することに
ある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは検討の結
果、固定化リパーゼを少なくともアセトン又は含水アセ
トンと接触せしめ、その後アセトン又はアセトンと水を
略完全に除去することによって、上記目的が達成し得る
ことを知見した。
【0011】本発明は、上記知見に基づきなされたもの
で、(1)固定化リパーゼをアセトン又は含水アセトン
に接触せしめ、(2)アセトン又はアセトンと水を略完
全に除去することを特徴とする固定化リパーゼの製造方
法を提供するものである。
【0012】また、本発明は、(1)固定化リパーゼを
アセトン又は含水アセトンと界面活性剤に接触せしめ、
(2)アセトン又はアセトンと水を略完全に除去するこ
とを特徴とする固定化リパーゼの製造方法を提供するも
のである。
【0013】さらに、本発明は、(1)リパーゼ及び少
なくとも界面活性剤を担持した固定化リパーゼをアセト
ン又は含水アセトンに接触せしめ、(2)アセトン又は
アセトンと水を略完全に除去することを特徴とする固定
化リパーゼの製造方法を提供するものである。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明では、固定化リパーゼをア
セトン又は含水アセトン(以下、場合によりアセトンと
総称する)に接触させる。具体的には、a)固定化リパ
ーゼをアセトンに接触させることができ、またb)未固
定リパーゼをアセトン沈殿により固定化した後、再度ア
セトンに接触させることができる。
【0015】上記固定化リパーゼ又は未固定リパーゼ
は、油脂や脂肪酸グリセリンエステルのエステル結合を
攻撃し、加水分解やエステル交換等できるものであれば
特に限定されず、任意の公知のものを用いることができ
る。その起源は特に限定されず、例えば、Alcali
genes属、Rhizopus属、Mucor属、C
andida属、Penicillium属、Pseu
domonas属起源のものを用いることができる。ま
た、その基質位置特異性、至適温度範囲、至適pH範
囲、化学修飾の有無等の理化学的性質もいずれも特に限
定されない。但し、予め固定化されている方が活性化の
効果が高い。
【0016】以降、まずa)固定化リパーゼをアセトン
に接触させる場合について説明する。固定化リパーゼの
固定化担体については特に限定されず、ケイソウ土、合
成繊維、多孔質ポリマー、多孔質セラミック等であるこ
とができる。
【0017】固定化リパーゼをアセトン又は含水アセト
ンに接触させる方法は、特に限定されないが、直接アセ
トン又は含水アセトンに浸漬、分散等することが好まし
い。
【0018】接触させるアセトンは、純度等特に限定さ
れない。また10重量%以下であれば、水を含む所謂含
水アセトンであることができる。
【0019】上記アセトンの量は、リパーゼ重量(担体
を含む)の2重量倍量以上10重量倍量以下が好まし
い。これよりも多いと後述のアセトンを除去する工程で
時間がかかるようになり、これよりも少ないとアセトン
との接触が均一に行なわれないことがある。
【0020】上記接触の温度は特に限定されないが、リ
パーゼの失活を考慮し、常温(10〜30℃)で行うの
が特に好ましい
【0021】本発明の一形態では固定化リパーゼをアセ
トンに接触せしめる他、界面活性剤に接触させることが
できる。界面活性剤との接触は、アセトンとの接触の前
でも後でも同時でもあることもできる。但し、アセトン
との接触と同時に行なう、すなわち固定化リパーゼを界
面活性剤のアセトン又は含水アセトン溶液に接触させる
のが好ましい。
【0022】上記界面活性剤はそのイオン性、HLB
等、特に限定されないが、アセトンに可溶である界面活
性剤が特に好ましい。例えば、ポリグリセリン脂肪酸エ
ステル、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エス
テル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、モノグリ
セリド等の食品用界面活性剤;アルキルエーテル硫酸
塩、アルキルエーテルリン酸塩、アルキルエーテルスル
ホン酸塩、アルキルエーテルカルボン酸塩、アルキルベ
ンゼン硫酸塩、アルキルアリルエーテルリン酸塩、アル
キルアリルエーテル硫酸塩、アルキルベンゼンスルホン
酸塩、アシル化ペプチド、脂肪族アミン、脂肪族4級ア
ンモニウム塩、ベンザルコニウム塩、イミダゾリニウム
塩、カルボキシベタイン、アミノカルボン酸、イミダゾ
リニウムベタインアルキルアミンオキシド、ポリオキシ
エチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキ
ルフェニルエーテル、ポリオキシエチレングリセリン脂
肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エ
ステル等を用いることができる。レシチン等アセトンに
不溶であっても使用は可能であるが、本発明でアセトン
に接触させた時の作業性が劣る場合がある。なお、これ
らの界面活性剤は単独でも2種類以上の組み合わせであ
っても支障なく実施可能である。
【0023】また、接触の際の界面活性剤の使用量は、
リパーゼ重量(担体を含む)に対して0.01〜20重
量%が好ましく、1〜5重量%が特に好ましいが、使用
するリパーゼによって適宜選択できる。
【0024】界面活性剤は、上記量の界面活性剤を含有
してなる溶液(溶媒は任意の公知の溶媒とすることがで
きる)として、酵素と接触させる。また、このときの界
面活性剤の濃度は0.05〜2重量%であることが好ま
しい。
【0025】上記溶媒は水等あることもできるが、上述
のようにアセトン又は含水アセトン(水分10重量%以
下)が特に好ましく用いることができる。アセトンは沸
点が低く水と任意に配合できること、揮発性が高く乾燥
操作が容易であること、取り扱い簡便性の点で優れてい
る。
【0026】界面活性剤をアセトンに混合した際、アセ
トンに十分に溶解しない場合、又は、白濁するような場
合は、始めに少量の水に界面活性剤を溶解させこれを添
加していく形で溶解させるのが好ましい。または少量の
水を少しずつ界面活性剤アセトン混合物に添加して界面
活性剤を溶解させることができる。いずれにしろ、水を
多く含ませないのが好ましい。
【0027】アセトン等に浸漬、分散の後、緩やかに撹
拌し、次いでアセトン等の溶媒を略完全に除去し、本発
明における活性化した固定化リパーゼを得る。または、
緩やかに撹拌しながらアセトン等の溶媒を略完全に除去
することもできる。
【0028】アセトン等の除去の方法は特に限定され
ず、凍結乾燥、窒素還流下での静置、減圧乾燥等により
行なうことができる。
【0029】次にb)未固定リパーゼをアセトンに接触
させ固定化する場合について説明する。この場合は、リ
パーゼの水溶液に固定化担体を分散させ、さらに、必要
に応じてアセトンとして60〜90重量%となるよう
に、アセトン又は含水アセトンを加えて沈殿させ固液分
離した後、水、アセトンを略完全に除去して固定化リパ
ーゼを得、これにアセトンを接触させることができる。
【0030】リパーゼの種類等は上述したa)の場合と
全く同一のものを使用できる。また、接触させるアセト
ンも、上述したa)の場合と全く同一のものを使用でき
る。
【0031】上記アセトンの量は、リパーゼ重量(後に
用いる担体の重量を含む)の2重量倍量以上10重量倍
量以下が好ましい。これよりも多いと後述のアセトンを
除去する工程で時間がかかるようになり、これよりも少
ないとアセトンとの接触が均一に行なわれないことがあ
る。
【0032】このようにして得られたリパーゼのアセト
ン又は含水アセトンの溶液又は分散液に固定化担体を加
える。固定化担体については特に限定されず、ケイソウ
土、合成繊維、多孔質ポリマー、多孔質セラミック等で
あることができる。
【0033】本発明の一形態ではリパーゼをアセトンに
接触せしめる他、界面活性剤に接触させることができ
る。界面活性剤との接触は、アセトンとの接触の後でも
同時でもあることもできる。但し、リパーゼのアセトン
接触と同時に行なうのが好ましい。すなわち、リパーゼ
及び界面活性剤の水溶液に固定化担体を分散し、これに
アセトン又は含水アセトン溶液を加えるのが好ましい。
【0034】上記界面活性剤も、a)の場合と全く同一
のものを同一の手順で使用できる。接触の際の界面活性
剤の使用量は、リパーゼと担体の合計重量に対して0.
01〜20重量%が好ましく、1〜5重量%が特に好ま
しいが、使用するリパーゼによって適宜選択できる。
【0035】アセトン等の除去の方法は特に限定され
ず、凍結乾燥、窒素還流下での静置、減圧乾燥等により
行なうことができる。
【0036】このように、a)、b)で得られた固定化
リパーゼは1〜2日間、乾燥した環境下に保管してから
用いるとさらに好ましい。なお、除去した溶媒は回収し
て再利用することも可能である。
【0037】本発明ではアセトンに酵素(リパーゼ)を
接触せしめることにより、酵素の活性向上を達成してい
るが、これは酵素の固定化工程の際に含まれる界面活性
様物質がアセトン添加により可溶化し、酵素が固定化さ
れた担体表面に均等に分散、吸着されるか、もしくは酵
素との相互作用により、反応に都合の良い状態を形成す
るものと考えられる。
【0038】本発明の製造方法により活性化したリパー
ゼは、リパーゼを用いる任意の反応に従来の場合と同一
の手順により、これを用いることができる。従来の反応
としては、例えば、脂質のエステル交換、エステル合
成、加水分解等を挙げることができる。また、従来活性
があまりに低かったために使用が不向きできあった例え
ば選択的エステル交換技術にも利用できる。
【0039】反応の基質はエステル類―般であることが
できるが、特に植物油脂、動物油脂及びこれらを原料と
して改質された加工油脂等であることが好ましく、例え
ば炭素数6〜24からなる脂肪酸から構成されたグリセ
ロールエステルであることができる。具体的には、オリ
ーブ油、なたね油、大豆油、パーム油、米油、綿実油、
サフラワー油、アマニ油、ひまわり油、ゴマ油、ヤシ
油、カカオ脂、イリッぺ脂、牛脂、ラード、乳脂、魚油
等、これらの分別油、硬化油ならびにミリスチン酸、パ
ルミチン酸、オレイン酸、リノ一ル酸、べヘン酸、γ―
リノレン酸等の脂肪酸、単独及びそれらのメチル、エチ
ル等のアルコールエステル、部分グリセロールエステル
等であることができる。また、反応後のこれらの油脂
は、従来の一般の油脂と全く同一の用途に用いることが
でき、クリーム、マーガリン、ショートニング、ドレッ
シング、チョコレート等の油脂加工品原料として用いる
ことができる。
【0040】
【実施例】以下、実施例等により本発明を更に詳細に説
明するが、本発明は以下に限定されるものではない。な
お、リパーゼの評価は以下の操作により、回分反応にお
けるエステル交換初期活性を測定して行なった。また、
■%”は全て重量基準である。
【0041】<リパーゼの評価>精製オリーブ油にトリ
ミリスチンを10%を混合した油脂2gを50ml容フ
タ付三角フラスコに入れ水分量を100ppmに調整
し、各実施例、比較例の処理済の固定化リパーゼ10m
gを添加し、60℃、振とう数120rpmでインキュ
ベートし、1〜4時間までのエステル交換率(原料油か
らのトリミリスチンの減少率)より求めた反応速度係数
から対照(コントロール)に対する初期活性の比を求め
た。
【0042】[実施例1〜4]Alcaligenes
sp.由来のリパーゼ(リパーゼQL、名糖産業社
製)500mgを50mlの蒸留水に溶解させ、担体
(ケイソウ土)5gを加えて撹拌後、80重量%となる
ようにアセトンを加えて、沈澱を集め、凍結乾燥して固
定化リパーゼを得た(対照(コントロール))。
【0043】この固定化リパーゼ5gに、さらに、固定
化リパーゼ重量の0.5%に相当する重量(25mg)
の界面活性剤(ヘキサグリセリンぺンタオレエート)を
含有する界面活性剤アセトン混合溶液(PO−500、
坂本薬品工業社製)10mlを加え、窒素気流下で撹拌
しながら乾燥させ、デシケーター中で完全に乾燥させて
アセトン・活性剤処理リパーゼ(e1−0.5)を得
た。別にリパーゼ重量に対する界面活性剤量を2、1
0、20%に各々変更した他は同様の操作を行い、アセ
トン・活性剤処理リパーゼ(e1−2、e1−10、e
1−20)をそれぞれ得た。
【0044】 係数 活性比 対照 0.091 100 実施例1(e1−0.5) 0.433 476 実施例2(e1−2) 0.446 490 実施例3(e1−10) 0.470 517 実施例4(e1−20) 0.475 522
【0045】このようにアセトン及び界面活性剤に接触
させたものは、接触させていないものに比して活性が向
上している。
【0046】[実施例5〜6及び比較例1〜2]Alc
aligenes sp.由来のリパーゼ(リパーゼQ
L、名糖産業社製)500mgを50mlの蒸留水に溶
解させ、担体(ケイソウ土)5gと(リパーゼ+担体)
重量の0.5%に相当する重量(25mg)の界面活性
剤デカグリセリンモノラウレート(ML−750、坂本
薬品工業社製)を加え撹拌後、濾過により沈澱を集め、
凍結乾燥し、界面活性剤処理リパーゼ(m2−0.5)
を得た。別にリパーゼ重量に対する界面活性剤量を2%
に変更した他は同様の操作を行い、界面活性剤処理リパ
ーゼ(m2−2)を得た。
【0047】この界面活性剤処理リパーゼ(m2−0.
5)(m2−2)を2重量倍量のアセトン中に分散さ
せ、窒素気流下で撹拌しながら乾燥させ、デシケーター
中で完全に乾燥させてアセトン・界面活性剤処理リパー
ゼ(e2−0.5)(e2−2)を得た。
【0048】 係数 活性比 対照 0.091 100 比較例1(m2−0.5) 0.260 29 比較例2(m2−2) 0.029 32 実施例5(e2−0.5) 0.397 436 実施例6(e2−2) 0.422 463
【0049】このように界面活性剤に接触させた後、ア
セトンに接触させたものは、アセトンに接触させていな
いものに比して活性が向上している。
【0050】[実施例7及び比較例3〜5]実施例1で
用いたの同様の固定化リパーゼ(対照)1gに、固定化
リパーゼ重量の0.5%に相当する重量の界面活性剤デ
カグリセリンモノラウレート(ML−750、坂本薬品
工業社製)を含有する界面活性剤含水アセトン(水分1
0%以下)溶液2mlを加え、窒素気流下で撹拌しなが
ら乾燥させ、デシケーター中で完全に乾燥させて、界面
活性剤・アセトン処理リパーゼ(e3−A)を得た。
【0051】別に、溶媒を含水アセトンからアセトンと
水の1:1混合物、エタノール、水に変更した他は同様
の操作を行ない、界面活性剤・アセトン処理リパーゼ
(c3−B)と界面活性剤処理リパーゼ(順に、c3−
C、c3−D)を得た。
【0052】 係数 活性比 対照 0.091 100 実施例7(e3−A) 0.109 118 比較例3(c3−B) 0.077 84 比較例4(c3−C) 0.090 98 比較例5(c3−D) 0.085 98
【0053】このように、界面活性剤に接触させている
ものでも、アセトン中の水分量が多かったり、アセトン
に接触させていないものは活性が劣る。
【0054】[実施例8〜10]実施例1で用いたのと
同様の固定化リパーゼ(対照)1gに、固定化リパーゼ
重量の0.5%に相当する重量の界面活性剤ラウリン酸
モノグリセリドを含有する界面活性剤アセトン混合溶液
2mlを加え、窒素気流下で撹拌しながら乾燥させ、デ
シケーター中で完全に乾燥させて、界面活性剤・アセト
ン処理リパーゼ(e4−A)を得た。
【0055】別に界面活性剤をラウリン酸モノグリセリ
ドからソルビタンエステル、ショ糖パルミチン酸エステ
ル(リョートーシュガーエステルS−1570)に各々
変更した他は同様の操作を行ない、界面活性剤・アセト
ン処理リパーゼ(順に、e4−B〜C)を得た。
【0056】 係数 活性比 対照 0.091 100 実施例8(e4−A) 0.231 218 実施例9(e4−B) 0.199 188 実施例10(e4−C) 0.175 165
【0057】このようにアセトン及び界面活性剤に接触
させたものは、接触させていないものに比して活性が向
上している。
【0058】[実施例11]Mucor meihei
由来の固定化リパーゼ(LIPOZYMEIM Nov
oNordisk)1gに、固定化リパーゼ重量の2%
に相当する重量(40mg)の界面活性剤PO.−50
0(ヘキサングリセリンぺンタオレエート、坂本薬品工
業社製)を含有する界面活性剤アセトン混合溶液4ml
を加え、撹拌後、窒素気流下で完全に乾燥させて、アセ
トン・活性剤処理リパーゼ(e5−A)を得た。
【0059】 係数 活性比 対象 0.091 100 実施例11(e5−A) 0.103 114
【0060】このようにアセトン及び界面活性剤に接触
させたものは、接触させていないものに比して活性が向
上している。
【0061】[比較例6]Alcaligenes s
p.由来のリパーゼ(リパーゼQL、名糖産業社製)5
00mgに、リパーゼ重量の2%に相当する重量の界面
活性剤PO.500(ヘキサングリセリンぺンタオレエ
ート、坂本薬品工業社製)を含有する界面活性剤アセト
ン溶液2mlを加え、撹拌後、窒素気流下で完全に乾燥
させて、界面活性剤アセトン処理リパーゼ(e6−A)
を得た。
【0062】 係数 活性比 対照 0.696 100 比較例6(e6−A) 0.498 72
【0063】このように固定化されていないものでは、
アセトン及び界面活性剤に接触させても活性は向上しな
い。
【0064】
【発明の効果】本発明によれば、簡便で確実かつ安定に
酵素(リパーゼ)が活性化されるため、寿命延長、使用
量が削減される結果、大幅なコストダウンが期待でき
る。
【0065】また、本来エステル交換用途には適さない
固定化リバーゼであっても充分に活性を向上させること
ができる。このため、固定化リパ一ゼの応用範囲が広が
り、有用なトリグリセリド、ジグリセリドの製造等、脂
質改質一般において安価に製造することが可能となる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4B033 NA27 NB01 NB12 NB24 NB62 NC04 NC18 ND08 ND09 ND20 NF04 NF10 4B050 GG10 HH01 HH02 KK20 LL05 4H059 BC03 BC13 CA35 CA38 CA48 EA17

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (1)固定化リパーゼをアセトン又は含
    水アセトンに接触せしめ、(2)アセトン又はアセトン
    と水を略完全に除去することを特徴とする固定化リパー
    ゼの製造方法。
  2. 【請求項2】 (1)固定化リパーゼをアセトン又は含
    水アセトンと界面活性剤に接触せしめ、(2)アセトン
    又はアセトンと水を略完全に除去することを特徴とする
    固定化リパーゼの製造方法。
  3. 【請求項3】 (1)リパーゼ及び少なくとも界面活性
    剤を担持した固定化リパーゼをアセトン又は含水アセト
    ンに接触せしめ、(2)アセトン又はアセトンと水を略
    完全に除去することを特徴とする固定化リパーゼの製造
    方法。
  4. 【請求項4】 上記固定化リパーゼが、(1)リパーゼ
    を溶解した水溶液に固定化担体を分散し、(2)得られ
    た分散液にアセトン又は含水アセトンを混合し、(3)
    リパーゼを該固定化担体に担持せしめ、(4)該リパー
    ゼを担持した固定化担体からアセトン及び水を略除去し
    て得られた固定化リパーゼである、請求項1又は2記載
    の固定化リパーゼの製造方法。
  5. 【請求項5】 上記固定化リパーゼが、(1)リパーゼ
    及び界面活性剤を溶解した水溶液に固定化担体を分散
    し、(2)得られた分散液にアセトン又は含水アセトン
    を混合し、(3)リパーゼ及び界面活性剤を該固定化担
    持に担持せしめ、(4)該リパーゼを担持した固定化担
    体からアセトン及び水を略除去して得られた固定化リパ
    ーゼである、請求項3記載の固定化リパーゼの製造方
    法。
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