JPH0361423B2 - - Google Patents

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JPH0361423B2
JPH0361423B2 JP58088167A JP8816783A JPH0361423B2 JP H0361423 B2 JPH0361423 B2 JP H0361423B2 JP 58088167 A JP58088167 A JP 58088167A JP 8816783 A JP8816783 A JP 8816783A JP H0361423 B2 JPH0361423 B2 JP H0361423B2
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chitosan
enzyme
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reaction
immobilized
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Shoshi Maruzeni
Wataru Matsumoto
Nozomi Yasuda
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Asahi Denka Kogyo KK
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  • Immobilizing And Processing Of Enzymes And Microorganisms (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
本発明は、固定化酵素、さらに詳しくは、加水
分解反応、エステル化反応、エステル基交換反応
等の油脂工業における主要な反応に有効な固定化
酵素及びその製造方法、並びに該固定化酵素を用
いる上記の反応方法に関する。 酵素の固定化で重要なことは、酵素の安定的な
活性出現の維持は勿論であるが、反応生成物の分
離精製が容易であること、再使用により形態の変
化がなく、回収が容易であること等である。 油脂工業に於ける主要な反応としては、加水分
解反応、エステル化反応、及びエステル基交換反
応等があげられるが、これらの反応の触媒となる
酵素の実用に耐える固定化の開発は未だ行われて
おらず、従つて、固定化酵素による工業的反応は
未だ実施されていない。 酵素による油脂類の加水分解反応の場合、通常
基質つまり油脂と水及び酵素あるいは固定化酵素
からなる不均一な基質に於ける反応である。この
ような反応系では、しばしば界面にエマルジヨン
が生成し、分解生成物の分離が困難となり、製品
の回収率が低下してしまう。 また、酵素によるエステル化反応及びエステル
基交換反応の場合、非水反応系になる場合が多い
が、非水系の場合には、通常の水溶液酵素反応系
と異なる問題がある。つまり、非水系の場合、酵
素活性の見かけの低減は、必ずしも、酵素の失活
とは対応せず、反応の場の水分の減少による酵素
活性の一時的停止による見かけの低減が大きく寄
与してくるという問題があり、この問題を解決す
るためには、反応の場である酵素あるいは固定化
酵素内部に酵素活性の安定的な出現維持のために
必要な充分な水分を保持すること、あるいは水分
をコントロールすることが非常に重要となる。 本発者等は、これらの諸問題は解決すべく主に
油脂工業に於ける主要な反応である、加水分解反
応、エステル化反応及びエステル基交換反応等に
有用な固定化酵素について種々検討し、酵素の安
定的な活性の出現の維持、反応生成物の分離精製
の容易さ、再使用による形態の変化がなく、回収
の容易なこと等の観点からみて有用な固定化酵素
を発明するに至つた。 即ち、本発明は、キトサン誘導体のゲルに多孔
質固体を分散させた分散体を乾燥させて得られた
担体に、酵素を保持させてなることを特徴とする
固定化酵素を提供するものである。 本発明における担体を構成する多孔質固定とし
ては、フロリジル、ケイソウ土、セライト、シリ
カゲル、白土、コーンコブ、及びオガクズからな
る群より選ばれた一種あるいは二種以上のものが
好ましく用いられる。 本発明における担体を構成するキトサン誘導体
としては、キトサン、N−アシルキトサン、N−
混合アシルキトサン、N,O−アシルキトサン、
N−アリリデンキトサン、N−アルキリデンキト
サン、キトサン塩及びこれらの部分反応物からな
る群より選ばれた一種あるいは二種以上からなる
化合物が好ましく用いられる。これらの部分反応
物とは、キトサンの官能基、つまりアノミ基ある
いは水酸基の一部が反応してできた化合物をい
う。キトサン誘導体としては、さらに、キチンの
均一反応系に於ける脱アセチル化物であつて、脱
アセチル化率が40〜60%のものも有効に使用し得
る。 また本発明の固定化酵素における担体は更に高
吸水性樹脂を含むことができ、この高吸水性樹脂
としては、吸水性ポリウレタン図示、ポリヒドロ
キシエチルメタクリレート、ポリアクリル酸系樹
脂、澱粉−アクリル酸グラフト重合物(澱粉にア
クリル酸をグラフト重合させ、中和し、少量の架
橋剤で架橋したもの)、澱粉−アクリロニトリル
グラフト重合物(第二セリウム塩放射線により澱
粉にアクリロニトリルにグラフト重合させ、加水
分解し、精製、乾燥したもの)、澱粉をモノクロ
ル酢酸でカルボキシメチル化し、ホルマリンで架
橋したもの、あるいはセルロース−アクリロニト
リルグラフト重合物、セルロースをモノクロル酢
酸でカルボキシメチル化し、ホルマリンで架橋し
たもの、あるいは、ビニルアルコールとアクリル
酸共重合物あるいは酢酸ビニルとメタクリル酸メ
チルの共重合物を加水分解して自己架橋させたも
の、ジアルデヒドあるいは放射線により分子間架
橋したポリビニルアルコール、架橋ポリエチレン
オキサイド等が挙げられる。これらの高吸水性樹
脂は単独に用いられてもよいし、二種以上併用し
てもよい。これらの高吸水性樹脂のなかで澱粉−
アクリル酸グラフト重合物及びビニルアルコール
とアクリル酸共重合物あるいは酢酸ビニルとメタ
クリル酸メチルの共重合物を加水分解して自己架
橋させたものが好ましく使用し得る。前者として
は、三洋化成工業株式会社製商品明細書、サンウ
エツトIM−300、後者としては、住友化学工業株
式会社製、商品明細書スミカゲルS−50が市販品
として入手できる。 本発明において上記担体に固定化される酵素と
しては、特にリパーゼが効果的に固定化されるも
のとして挙げられるが、この他、ホスホリパー
ゼ、グルコースイソメラーゼ、インベルターゼ、
エステラーゼ、乳酸ラセマーゼ、キモトリプシ
ン、パパイン、ブロメライン、ペクチターゼ、ア
ミノ酸オキシダーゼ等も挙げられる。 リパーゼとしては、リゾプス系、アスペルギル
ス系、カンデイダ系、ムコール系、すい臓リパー
ゼ等が使用でき、これらの多くは市販されてい
る。また、グリセリドの1,3位の脂肪酸を特異
的にエステル交換する場合には、この目的に合致
した特性を有するリゾプスデレマー、リゾプスヤ
ポニカス、ムコールヤポニカスを用いればよい。 多孔質固体とキトサン誘導体の使用割合(重量
比)は、多孔質固体1部に対して、キトサン誘導
体が0.05部から1部が望ましく、より望ましく
は、0.1から0.5部である。高吸水性樹脂を用いる
場合は、多孔質固体1部に対して、高吸水性樹脂
0.05部から1部が望ましく、より望ましくは、
0.1部から0.5部である。 本発明の固定化酵素は、キトサン誘導体のゲル
を形成し、このゲルに多孔質固定を分散させた
後、この分散体を乾燥させて担体を得、該担体に
酵素を保持させることを特徴とする本発明の固定
化酵素の製造方法により製造される。 担体に酵素を保持させるには、特に上記分散体
を乾燥、粉砕して担体を得、これに、酵素水溶液
あるいは酵素のバツフアー溶液を混合させること
により効果的に酵素を固定化できる。また、該乾
燥、粉砕物と酵素粉末をよく混合したのち、水あ
るいはバツフアー溶液を充分添加混合することに
より効果的に固定化できる。キトサン誘導体から
なるゲルに多孔質固体を分散後、乾燥する方法と
しては、アセトン中に該分散体を添加撹拌する方
法、あるいは、薄膜状にして風乾する方法、ある
いは、スプレードライによる方法、凍結乾燥によ
る方法等々が挙げられる。 また、キトサン誘導体及び多孔質固体からなる
分散体の乾燥物に高吸水性樹脂を添加混合した
後、上記と同様方法で酵素を吸着させることによ
つても本発明の固定化酵素を製造することができ
る。 本発明の固定化酵素の構造は、多孔質固体表面
をキトサン誘導体からなるゲルが被覆し、さら
に、該キトサン誘導体ゲルに酵素が吸着あるいは
包括あるいはイオン結合等の仕方で固定化されて
いると想定される。また、高吸水性樹脂が含まれ
てなる系では、多孔質固体表面をキトサン誘導体
及び高吸水性樹脂からなるゲルが被覆し、さら
に、該ゲルに酵素が吸着あるいは包括あるいはイ
オン結合等の仕方で固定化されている構造をとつ
ていると思われる。本発明の固定化酵素は、この
ような構造のゆえに、固定化酵素の表面積が大き
く、高活性の固定化酵素となる。また、多孔質固
体の粒径を選定することにより、分離、回収の容
易な固定化酵素にしうる特徴を有する。また、本
発明の固定化酵素の表面部分及び細孔内部とはキ
トサン誘導体ゲルあるいはキトサン誘導体と高吸
水性樹脂ゲルからなつており、反応の場である固
定化酵素表面及び内部の水分含量を自由にコント
ロールすることが出来るという特徴を有する。つ
まり本発明の固定化酵素では、酵素活性出現に必
要充分な水も勿論のこと反応に必要充分な水をも
保持出来るという特徴を有する。 本発明の固定化酵素を用いることにより、油脂
類の加水分解反応、エステル化反応、及び油脂類
のエステル基交換反応等を効果的に行うことが出
来る。 油脂類の加水分解反応の場合、通常、系は基質
と水からなる不均一な基質反応系であるが、この
ような反応系でしばしば界面にエマルジヨンが生
成し、分解生成物の分離が困難となり、作業性が
困難となるばかりか、製品の回収率の低下をきた
し、工程コストをより高いものにしてしまう。然
し本発明の固定化酵素を用いる油脂類の加水分解
反応の場合、固定化酵素内部に加水分解反応に必
要充分な水分を保持させることができ、基質と固
定化酵素からなり、遊離の水が実質的に含まれな
い系で反応を行うことができ、エマルジヨンの発
生が殆どなく、分解生成物の分離が容易となり、
製品の回収率も高くなる。また、酵素によるエス
テル化反応及びエステル基交換反応の場合、非水
系になる場合が多いが、非水系の場合には、酵素
活性の見かけの低減がしばしば反応の場の水分の
減少による酵素の一時的活性停止により、必ずし
も本質的な酵素の失活と対応しない。然し本発明
の固定化酵素は固定化酵素内部に酵素活性出現に
必要充分な水分を補充することが容易にできるの
で、安定的な酵素活性の出現維持ができるという
特徴を有する。 加水分解反応の場合、本発明の固定化酵素の使
用量は、基質に対して3〜40%使用することが望
ましく、より望ましくは6〜20%である。また酵
素量は、基質に対して5〜2000U/gが望まし
く、より望ましくは、50〜500U/gである。エ
ステル化反応あるいはエステル基交換反応の場
合、本発明の固定化酵素の使用量は、基質に対し
て、0.5〜10%が望ましく、より望ましくは、1.0
〜5.0%である。また酵素量は、基質に対して20
〜10000U/gが望ましく、より望ましくは、100
〜1000U/gである。但し、酵素の活性単位
(U)は、オリーブ油乳化液5mlと0.1Mリン酸塩
緩衝液4mlに酵素を加え、37℃で30min反応した
ときに、0.05N水酸化ナトリウム水溶液0.06mlに
相当する脂肪酸を生成する毎に1活性単位(U)
とした。以下に示す実施例中に酵素の活性単位も
同様である。 本発明の固定化酵素を用いる反応方法の基質と
しては、油脂、脂肪酸、脂肪酸エステル、ポリオ
ール、アルコール等を適宜用いることができる。 上記油脂としては一般の植物性、動物性の油脂
もしくは加工油脂あるいは、これらの混合油脂が
あげられ、例えば、大豆油、綿実油、ナタネ油、
オリーブ油、コーン油、ヤシ油、サフラワー油、
牛脂、ラード、魚油等である。さらにカカオバタ
ー代用脂の原料となる特定組成のグリセリド、す
なわち、1,3−ジステアロ−2−オレオグリセ
リド、1−パルミト−2オレオ−3−ステアログ
リセリド、1,3−パルミト−2−オレオグリセ
リドをエステル交換反応の目的物とする場合に
は、グリセリドの2位にオレイン酸を多量に含有
する油脂、例えばオリーブ油、椿油、山茶花油、
パーム脂、サル脂、イリツペ脂、コクム脂、シア
脂、マウア脂、フルワラ脂、ボルネオタロー脂又
はこれらの分別油脂を挙げることができる。 また、脂肪酸としては、炭素数2〜22の直鎖の
飽和又は不飽和の脂肪酸が利用できる。例えば、
パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸等を利
用することができる。 また、脂肪酸のアルコールエステルとしては、
上記脂肪酸酸と炭素数1〜6の直鎖飽和一価アル
コールのエステル化物があり、例えば、パルミチ
ン酸メチル、パルミチン酸エチル、ステアリン酸
メチル、ステアリン酸エチルを挙げることができ
る。 このように、本発明の固定化酵素は、安定な酵
素活性出現の維持、反応生成物の分離精製の容易
性、再使用による形態の変化がなく回収が容易等
の特徴を有し、油脂類を基質とする種々の反応に
極めて有用なものである。 以下、さらに実施例により本発明を詳しく説明
する。 実施例 1 キトサン(共和油脂工業株式社製、商品名フロ
ーナツクN)8gを10%酢酸水溶液60g中に添加
混合しキトサン酢酸塩ゲルを形成し、さらにこれ
に水440g及びセライト32gを添加して均一混合
物としたのち、これを2000gのアセトン中に滴
下、混合して、不溶物を遠心分離により回収し、
さらにこの不溶物を1000gのアセトン中に添加、
混合した後、濾別し、風乾後、真空下で脱アセト
ン乾燥し、キトサン酢酸塩−セライトからなる担
体を得た。 該担体10gとサンウエツトIM−300(三洋化成
工業株式会社製の高吸水性樹脂)の粉砕物2gを
よく混合したのち、水10gを添加混合してから充
分風乾し、さらに真空下で乾燥し固定化酵素用の
担体を得た。この担体とリパーゼOF(名糖産業株
式会社製リパーゼ)6000Uをよく混合し、0.1M
リン酸バツフアー25gをさらに添加混合し、固定
化酵素を得た。 上記の如くして得た固定化酵素をオリーブ油
(ケン化価196.2)30g及びn−ヘキサン30gの基
質混合物に添加し、反応温度37℃、300rpmの撹
拌速度で加水分解反応を行つた。少量の反応混合
物を経時的に分取し、溶剤n−ヘキサンを除去
し、中和価を測定し、反応の進行程度を調べた。
一定程度反応が進行した後、反応混合物よりデカ
ンテーシヨンによつて、固定化酵素を回収し、同
様の新たな基質混合物にて繰り返し反応を行つ
た。再使用により該固定化酵素の形態はほとんど
変化がなく、デカンテーシヨンにより容易に分離
回収できた。これらの結果を第1表に示した。
【表】 実施例 2 キトサン(フローナツクN)8gと0.5%酢酸
水溶液1000gを混合した後フロリジル32gを添加
し撹拌しながら25%グルタルアルデヒド溶液を
徐々に添加してゲル化物をあらくほぐし、イオン
交換水で充分すすぎ、風乾した。風乾物はさらに
真空下で乾燥し固定化酵素用の担体を得た。リゾ
プスデルマ(Rhizopus delemar)由来のリパー
ゼ(98000U/g)0.171gを水1.2gに溶解し、上
記担体2.0gに徐々に添加混合し、一昼夜放置し、
固定化酵素を調製した。 上記の固定化酵素全量を、オレイン酸20g及び
1−オクタール20g、n−ヘキサン40gからなる
基質混合物に添加し、反応温度37℃、300rpmで
エステル化反応を行つた。少量の反応混合物を経
時的に分取し、溶剤n−ヘキサンを除去し、中和
価を測定し、反応の進行程度を調べた。一定程度
反応が進行した後、反応混合物よりデカンテーシ
ヨンによつて、固定化酵素を回収し、同様の新た
な基質混合物にて繰り返し反応を行ない、第2表
の如き結果を得た。再使用により該固定化酵素の
形態はほとんど変化がなく、デカンテーシヨンに
より容易に分離回収できた。
【表】 実施例 3 キチン(東京化成工業株式会社製)をT.
Sannanら(Makromol Chem.177,3589(1976)
及びMakromol Chem 178,3197(1977)の方
法により均一系で脱アセチル化して、脱アセチル
化率48%のランダム脱アセチル化物を得た。該脱
アセチル化物2gを5%リンゴ酸溶液200gに溶
解し、コーンコブ粉砕物8gを添加混合した後、
ガラス板上に流し、風乾し、さらに風乾物をガラ
ス板より離脱して粉砕し、真空下で完全に脱水し
固定化酵素用の担体を得た。リゾプスデルマ
(Rhizopus delemar)由来のリパーゼ
(98000U/g)0.171gを水1.2gに溶解し、これ
を上記担体2.0gに徐々に添加混合し、一昼夜放
置し、固定化リパーゼ(固定化酵素)を調製し
た。 上記固定化リパーゼ全量を、オレイン酸20g及
び1−オクタール20g、n−ヘキサン40gからな
る基質混合物に添加し、反応温度37℃、300rpm
でエステル化反応を行つた。少量の反応混合物を
経時的に分取し、溶剤を除去し、酸価を測定し、
反応の進行程度を調べた。一定程度反応が進行し
た後、反応混合物よりデカンテーシヨンによつ
て、固定化酵素を回収し、同様の新たな基質混合
物にて繰り返し反応を行ない、第3表の如き結果
を得た。再使用により該固定化酵素の形態はほと
んど変化がなく、デカンテーシヨンにより容易に
分離回収できた。
【表】 実施例 4 キトサン(フローナツクN)8gを0.5%酢酸
水溶液60g中に添加混合しキトサン酢酸塩ゲルを
形成し、さらに、水440g及びセライト32gを添
加してこれらを均一混合物としたのち、これを
2000gのアセトン中に滴下、混合して、不溶物を
遠心分離により回収し、さらにこの不溶物を1000
gのアセトン中に添加、混合した後、濾別し、風
乾後、真空下で脱アセトン乾燥し、キトサン酢酸
塩−セライトからなる固定化酵素用の担体を得
た。リゾプスデレマ(Rhizopus delemar)由来
のリパーゼ0.171gを水1.8gに溶解し、該リパー
ゼ水溶液を上記のキトサン酢酸塩−セライトから
なる担体1.7gに徐々に添加混合し、固定化リパ
ーゼを調製した。 上記固定化リパーゼ全量をパーム軟部油31.6
g、ステアリン酸28.4g及びn−ヘキサン100g
からなる基質溶液に添加し、40℃で8時間エステ
ル基交換反応を行つた。8時間反応させた後、反
応系から固定化酵素を回収し、同様の反応条件で
繰り返し反応を行つた。反応時間8時間目の反応
混合物のガスクロマトグラフイーによるトリグリ
セリド組成を調べ、炭素数50の変化量(ΔC50
と炭素数54のトリグリセリドの変化量(ΔC54
の和(ΔC50+ΔC54)を調べ、この和と繰り返し
反応回数との関係を第1図上に実線(−)で表し
た。 比較例 1 リゾプスデレマ(Rhizopus delemar)由来の
リパーゼ(98000U/g)0.171gを水1.8gに溶解
し、セライト1.7gに徐々に添加混合した。セラ
イト吸着リパーゼを実施例4と同様のエステル基
交換反応系に供し、同様の分析を行つた。得られ
た結果を第1図上に点線(…)で表した。比較例
1の結果は、実施例4に比較して、反応速度が非
常に遅くなつている。該セライト吸着リパーゼは
系内に細かく分散しデカンテーシヨンではきれい
に分離せず、回収が非常に困難であつた。 実施例 5 キトサン(フローナツクN)8gを10%酢酸水
溶液60gの中に添加混合しキトサン酢酸塩ゲルを
形成し、さらに、水440g及び白土32gを添加し
てこれらを均一混合物としたのち、これを2000g
のアセトン中に滴下、混合して、不溶物を遠心分
離により回収し、さらにこの不溶物を1000gのア
セトン中に添加、混合した後、濾別し、風乾後、
真空下で脱アセトン乾燥し、キトサン酢酸塩−セ
ライトからなる固定化酵素用の担体を得た。リゾ
プスデレマ(Rhizopus delemar)由来のリパー
ゼ(98000U/g)1.258gを水1.2gに溶解し、該
リパーゼ水溶液を上記のキトサン酢酸塩−セライ
トからなる担体1.7gに徐々に添加混合し、一昼
夜風乾し、固定化リパーゼを調製した。 上記固定化リパーゼ全量を、パーム中部油34.3
g及びステアリン酸2.57g及びn−ヘキサン100
gからなる基質溶液に分散添加し、反応温度37
℃、撹拌速度300rpmでエステル基交換反応を行
つた。一定程度反応が進行した後、反応混合物よ
りデカンテーシヨンによつて固定化酵素を回収
し、n−ヘキサンでよく洗浄したご、同様の基質
混合溶液に添加して、同一条件下で反応を行うこ
とを繰り返した。少量の反応混合物を経時的に分
取し、昇温ガスクロマトグラフイーにより炭素数
別のトリグリセリド組成を測定し反応を示した。
4回目の反応で回収した固定化酵素は風乾により
ヘキサンを除いた後、水1.2gを添加混合した、
一昼夜風乾後再使用を繰り返した。再使用により
該固定化酵素の形態はほとんど変化がなく、デカ
ンテーシヨンにより容易に分離回収できた。
【表】 * 4回目の反応で回収した固定化酵素に水
1.2gを添加混合、風乾した後、再使用した。
比較例 2 キトサン(フローナツクN)0.43gを0.5%酢
酸水溶液3.2g中に添加混合し、キトサン酢酸塩
ゲルを形成した。このキトサン酢酸塩ゲル中に、
水23.4g、セライト32g、及び水1.8gに溶解し
た0.171gのリゾプスデレマー由来のリパーゼを
添加し、均一混合物として、造粒、乾燥を行い、
固定化リパーゼを調製した。この固定化リパーゼ
を実施例4と同様にエステル基交換反応に供し、
同様の分析を行い、得られた結果を第1図に示し
た。第1図に示す結果から、本比較例2の固定化
リパーゼを用いた場合、ほとんど反応が進んでい
ないことが判る。
【図面の簡単な説明】
第1図は、繰り返し反応による反応混合物のト
リグリセリドの変化量の推移を示すグラフであ
る。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 キトサン誘導体のゲルに多孔質固体を分散さ
    せた分散体を乾燥させて得られた担体に、酵素を
    保持させてなることを特徴とする固定化酵素。 2 担体が高吸水性樹脂を含んでいることを特徴
    とする特許請求の範囲第1項記載の固定化酵素。 3 多孔質固体がフロリジル、ケイソウ土、セラ
    イト、シリカゲル、白土、コーンコブ、及びオガ
    クズからなる群より選ばれた一種あるいは二種以
    上であることを特徴とする特許請求の範囲第1項
    又は2項記載の固定化酵素。 4 キトサン誘導体がキトサン、N−アシルキト
    サン、N−混合アシルキトサン、N,O−アシル
    キトサン、N−アリリデンキトサン、N−アルキ
    リデンキトサン、キトサン塩及びこれらの部分反
    応物からなる群より得られた一種あるいは二種以
    上であることを特徴とする特許請求の範囲第1項
    又は第2項記載の固定化酵素。 5 酵素がリパーゼであることを特徴とする特許
    請求の範囲第1項又は第2項記載の固定化酵素。 6 キトサン誘導体のゲルを形成し、このゲルに
    多孔質固体を分散させた後、この分散体を乾燥さ
    せて担体を得、該担体に酵素を保持させることを
    特徴とする固定化酵素の製造方法。 7 分散体の乾燥物に高吸水性樹脂を添加混合し
    て担体を得ることを特徴とする特許請求の範囲第
    6項記載の固定化酵素の製造方法。
JP8816783A 1983-05-19 1983-05-19 固定化酵素及びその製造方法 Granted JPS59213390A (ja)

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JP8816783A JPS59213390A (ja) 1983-05-19 1983-05-19 固定化酵素及びその製造方法
EP84105522A EP0126416B1 (en) 1983-05-19 1984-05-15 Reaction method for transesterifying fats and oils
DE8484105522T DE3468433D1 (en) 1983-05-19 1984-05-15 Reaction method for transesterifying fats and oils
US06/898,513 US4874699A (en) 1983-05-19 1986-08-21 Reaction method for transesterifying fats and oils

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