JPH0316117B2 - - Google Patents

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JPH0316117B2
JPH0316117B2 JP56210263A JP21026381A JPH0316117B2 JP H0316117 B2 JPH0316117 B2 JP H0316117B2 JP 56210263 A JP56210263 A JP 56210263A JP 21026381 A JP21026381 A JP 21026381A JP H0316117 B2 JPH0316117 B2 JP H0316117B2
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Japan
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reaction
lipase
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fats
substrate
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JP56210263A
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Kazuo Itagaki
Juji Hayasaka
Shoshi Maruzeni
Nozomi Yasuda
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Adeka Corp
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Asahi Denka Kogyo KK
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Description

【発明の詳細な説明】
本発明は、リパーゼによる油脂類のエステル基
交換反応方法、詳しくは、多糖類および/あるい
は単・少糖類の存在下で反応を行なう効率的なリ
パーゼによる油脂類のエステル基交換反応方法に
関する。 リパーゼを用いる油脂類はエステル基交換反応
に関する従来公知の方法は、比較的多量の水の存
在下で起る加水分解をさけるために、極度に水分
を低下させた条件下で行なわれている。たとえ
ば、特開昭55−71797号公報(不二製油)には、
反応系に存在する水分が基質に対して0.18重量%
以下の方法が記載されている。また、特開昭52−
104506号公報(ユニリーバー・ナームローゼ・ベ
ンノートシヤープ)には、少量の水の存在下、あ
るいは基質に対して0.2〜1%の水の存在下で行
なう方法が記載されている。公知の方法に於い
て、このように系中の水分を低下させなければな
らない理由は、望ましくない副反応である加水分
解をさけるためであるが、水の極度に少ない系で
は、酵素は睡眠状態あるいは死んだ状態にあり、
生きた状態では存在しえない。したがつて、公知
の方法のように、少量の水あるいは微量の水の存
在下では、添加された酵素リパーゼが充分に活性
化されず、したがつて充分な反応速度を得ること
ができないかあるいは全く反応が進まない。特に
酵素量の多い反応系において、少量の水あるいは
微量の水では酵素活性を充分発揮させることがで
きず、さらに、酵素の不活性化も大となり工業的
になりたたない。リパーゼを用いる油脂類のエス
テル基交換反応の工業的利用のためには、これら
の難点を技術的に解決する必要がある。 本発明の目的は、リパーゼを用いる油脂類のエ
ステル基交換反応の工業的利用を達成すべく、望
ましくない副反応である加水分解を併発させるこ
となく、反応系内のリパーゼを充分に活性化し、
工業化可能な程度にまで反応速度を高めることに
ある。 本発明者らは、リパーゼによる油脂類のエステ
ル基交換反応においてリパーゼ活性を有効に発揮
させる該酵素反応条件を種々検討した結果、リパ
ーゼ水溶液に多糖類および/あるいは単・少糖類
を混合し、基質溶液に分散添加することにより、
副反応を抑え、かつ速かに反応を進行させうるこ
とを見い出し、上記目的を達成することができ
た。 即ち、本発明は、糖類の存在下に、リパーゼに
よる油脂類のエステル基交換を行なうに当たり、
系中の水分量が基質に対して3〜20重量%、より
望ましくは10〜15重量%、系中の糖類の量が系中
の水分量(単位量)に対して0.8〜5g/g、よ
り望ましくは1〜3g/g、系中のリパーゼ酵素
量が基質(単位量)に対して20〜500活性単位
U/g、より望ましくは50〜200U/gの条件下
で反応を行なうことを特徴とするリパーゼによる
油脂類のエステル基交換反応方法である。さらに
より有効な本発明の方法は、該諸条件に加え、基
質に対して0.05〜5.0重量%の界面活性剤の存在
下で反応を行なうことである。 なお、上記基質とは油脂又は油脂及び脂肪酸を
いい、グリセリン、モノグリセリド、ジグリセリ
ドあるいは、脂肪酸のアルコールエステル等が系
中に存在する場合にはこれらの物質も含まれる。 本発明で用いられるリパーゼとしては、リゾプ
ス系、アスペルギルス系、カンデイダ系、ムコー
ル系、すい臓リパーゼ等が使用でき、これらのリ
パーゼの多くは市販品として入手できる。またグ
リセリドの1、3位の脂肪酸基を特異的にエステ
ル交換を行なう場合には、該目的に合致した特性
を有するリパーゼ、例えばリゾブスデレマー、リ
ゾプスヤポニカス、ムコールヤポニカス等を用い
ればよい。 本発明に用いられる上記油脂としては、一般の
植物性、動物性の油脂もしくは加工油脂あるい
は、これらの混合油脂があげられ、例えば、大豆
油、綿実油、ナタネ油、オリーブ油、コーン油、
ヤシ油、サフラワー油、牛脂、ラード、魚油等で
ある。さらにカカオバター代用脂の原料となる特
定組成のグリセリド、すなわち、1,3−ジステ
アロ−2−オレオグリセリド、1−パルミト−2
オレオ−3−ステアログリセリド、1,3−ジパ
ルミト−2−オレオグルセリドをエステル交換反
応の目的物とする場合には、グリセリドの2位に
オレイン酸を多量に含有する油脂、例えばオリー
ブ油、椿油、山茶花油、パーム油、サル脂、イリ
ツペ脂、コクム脂、シア脂、マウア脂、フルワラ
脂、ボルネオタロー脂又はこれらの分別油脂を使
用することができる。また、脂肪酸としては、炭
素数2〜22の直鎖の飽和又は不飽和の脂肪酸が利
用でき、例えば、パルミチン酸、ステアリン酸、
オレイン酸等をあげることができる。また、脂肪
酸のアルコールエステルとしては上記脂肪酸と炭
素数1〜6の直鎖飽和一価アルコールのエステル
化物があり、例えば、パルミチン酸メチル、パル
ミチン酸エチル、ステアリン酸メチル、ステアリ
ン酸エチルをあげることができる。 本発明で用いる糖類としては、単糖類、少糖
類、多糖類があげられる。 本発明で用いる単糖類としては、例えばグリセ
ロース、トレオロース、エリトロース、リボー
ス、キシロース、アラビノース、リキソース、グ
ルコース、マンノース、アロース、アルトロー
ス、ギユロース、インドース、ガラクトース、タ
ロース、ジオキシアセトン、ケトトレオース、エ
リスロケトペントース、フラクトース、タガトー
ス、プシコース、ソルボース、ピシコース等が挙
げられるが、このなかで特に、アラビノース、リ
ボース、ガラクトース、グルコースが好ましい。
少糖類としては、例えばマルトース、セロビオー
ス、トレハロース、ゲンチオビオース、イソマル
トース、ラクトース、シユークロース、メリビオ
ース、ラフイノース、ゲンチアノース、スタキオ
ース等が挙げられるが、このなかで特に、トレハ
ロース、ラフイノース、ラクトース、シユークロ
ースが好ましい。また、多糖類としては、例えば
キシラン、アラバン、デンプン、デキストリン、
セルロース、グリコーゲン、デキストラン、イヌ
リン、レバン、ガラクタン、サイクロデキストリ
ンが挙げられるが、このなかで特に、デキストリ
ン、セルロース、グリコーゲン、デキストラン、
サイクロデキストリンが好ましい。 これらの糖類は単独に用いてもよいし、二種以
上併用してもよい。特に、多糖類と、単糖類およ
び/あるいは少糖類の併用が好ましく、例えば、
デキストリンとリボース、デキストリンとトレハ
ロース、デキストリンとラクトース、セルロース
とガラクトース、セルロースとラクトース、セル
ロースとトレハロース、グリコーゲンとリボー
ス、グリコーゲンとガラクトース、グリコーゲン
とトレハロース、ウリコーゲンとラクトース、サ
イクロデキストリンとグルコース、サイクロデキ
ストリンとラクトース等の併用が好ましい。 リパーゼ酵素、糖類、水を基質溶液に加えるに
当つては、これらをまず十分均一に混合してか
ら、添加するのがよい。そのような混合方法とし
ては先ずリパーゼと水を充分接触させておき、そ
のなかに多糖類および/あるいは単・少糖類を添
加し、よく混合してから基質溶液に分散添加する
方法がよい。また、リパーゼと多糖類および/あ
るいは単・少糖類を混合してから水を添加し、充
分混合してから基質存在下に分散しても同様の効
果がある。 このような方法で添加される望ましい水分量
は、基質に対して3〜20重量%、より望ましくは
10〜15重量%である。基質に対する水分量が3重
量%未満では、充分な反応速度を得ることができ
ず、また基質に対して20重量%以上の水分量で
は、さらに水分を増加しても、より速かな反応速
度を得ることができない。 また、このような方法で添加される望ましい多
糖類および/又は単・少糖類の添加量は、反応系
中の水分量(単位量)に対して0.8〜5g/g、
より望ましくは1〜3g/gである。多糖類およ
び/又は単・少糖類の添加量が反応系中の水分量
(単位量)に対して0.8g/g未満では反応速度が
おそくなるばかりか加水分解反応を抑えることが
困難となり、また、5g/g以上では反応速度が
おそくなる。 さらにまた、このような方法により添加される
酵素の望ましい添加量つまりリパーゼ活性単位U
の量は、基質(単位量)に対して20〜500U/g、
より望ましくは50〜200U/gである。20U/g
未満では充分な反応速度を得ることが困難であ
り、また500U/g以上では酵素量の増加に対し
て反応速度の増加が少なくなり、工業的プロセス
としては不経済である。ただし、酵素の活性単位
Uは、オリブ油乳化液5mlと0.1Mリン酸塩緩衝
液4mlに酵素を加え、37℃で30分間反応させたと
きに、0.05水酸化ナトリウム水溶液0.06mlに相当
する脂肪酸を生成する毎に1活性単位Uとした。 本発明においては、酵素の安定化、分散性をよ
くするために担体を共存させることができる。こ
のような担体としてはセライト、漂白土、活性
炭、多孔性ガラス、イオン交換樹脂等がある。こ
れらは反応系中に不溶であり、かつリパーゼの酵
素活性を保持することができる。 また、反応系内の基質に対して0.05〜5.0%の
界面活性剤をさらに加えることにより反応速度を
速くすることができる。上記界面活性剤として
は、シヨ等脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エ
ステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、
ポリグリセリン脂肪酸エステル、レシチン、モノ
グリセリドよりなる群から選ばれた一種あるいは
二種以上が有効に使用し得る。特にHLB1〜8程
度のシヨ糖脂肪酸エステルが効果的である。 エステル交換反応は反応温度20〜50℃で行なわ
れるのがよく、反応時間は系によつて異なるが4
〜24時間程度で目的の組成物を得ることができ
る。 反応基質の中で、例えば高融点の油脂、油脂と
脂肪酸の混合物等を用いた場合、反応温度で不均
一な系となることがあるが、そのような場合に
は、リパーゼに対して不活性な有機溶剤に反応基
質を溶解し、均一系として反応を行なうことがで
きる。この種の有機溶剤としてはn−ヘキサン、
工業用ヘキサン、石油エーテルなどがあり、基質
に対して0.1〜5倍量(重量)で用いることがで
きる。 エステル交換反応の終了後、有機溶剤を使用し
た場合は蒸留により有機溶剤の除去を行ない反応
油を得る。反応油中の脂肪酸、モノグリセリド、
ジグリセリド、また添加された界面活性剤等は、
通常のアルカリ中和等の化学的精製方法、水蒸気
蒸留、真空蒸留およびクロマトグラフイー等の物
理的精製方法により除去することができる。 本発明によれば、望ましくない副反応である加
水分解を抑え、かつ従来公知の方法に比較して約
10〜20倍あるいはそれ以上の反応速度を得ること
ができ、リパーゼによる油脂類の効率的なエステ
ル基交換反応が可能となつた。また、本発明によ
る油脂類のエステル基交換反応方法によれば、位
置選択的リパーゼを用いることにより廉価原料か
ら効率的にカカオバター代用脂を製造することが
できる。さらに特定条件下ではカカオ脂に類似の
トリグリセリド組成物を得ることができ、工業的
に非常に有用な方法である。 次に実施例により本発明をさらに具体的に説明
するが、本発明はこれらの実施例に限定されるも
のではない。 実施例 1 リゾプスデレマ(Rhizopus delemar)由来の
リパーゼ(1g当りのリパーゼ活性3500U)
0.286gとイオン交換水1.36gをよく混合均一化
した後、トレハロース0.62gを添加して充分混合
した後さらにセルロースパウダー1.01gを添加し
充分混合した。次に、トリオレイン5g、パルミ
チン酸5gおよびn−ヘキサン8gからなる基質
混合溶液を4つ口フラスコに仕込み、40℃湯浴に
保持し、先に調製した糖類含有リパーゼ混合物を
この基質混合溶液によく分散添加し、反応系をガ
ラスストツパーにより密閉し、反応温度40℃、撹
拌速度200rpmで反応を行なつた。少量の反応混
合物を経時的に分取し、アセトンに溶解し、上澄
液部分を昇温ガスクロマトグラフイーにかけ、炭
素数別のトリグリセリド組成を測定した。また、
反応停止後、反応混合物を過し、酵素、糖類等
を不溶成分を除去し、さらに溶剤を留去して油分
を回収し、その酸価の測定を行ない、次表に示す
結果を得た。
【表】 この反応系の場合、C50は2−オレオ−1,3
−ジパルミチンであり、C52は、1−パルミト−
2、3−ジオレインおよび3−パルミト−1,2
−ジオレインであり、C54は、トリオレインであ
る。 なお、トリオレインは、先ず、つばき油脂肪酸
より尿素付加法で高純度オレイン酸を分取し、メ
チルエステル化によりオレイン酸メチルにし、次
に、トリアセチンとオレイン酸メチルをエステル
交換することにより調製したものを用いた。ま
た、パルミチン酸は市販の試薬一級品を用いた。 実施例 2 リゾプスデレマリパーゼ0.57gとイオン交換水
1.2mlをよく混合した後、デキストリン0.6gおよ
びラクトース0.6gを添加して充分混合した。次
に、トリオレイン5g、パルミチン酸5gおよび
n−ヘキサン10gからなる基質混合溶液を4つ口
フラスコに仕込み、38℃の湯浴に保持し、先に調
製した糖類含有リパーゼ混合物をこの基質混合溶
液によく分散添加し、反応系を密閉し、反応温度
38℃、撹拌速度200rpmで反応を行ない、次表に
示す結果を得た。
【表】 実施例 3 リゾプスデレマリパーゼ0.86g、イオン交換水
0.53mlおよびセルロース1.6gの混合物を、トリ
オレイン5g、パルミチン酸5gおよびn−ヘキ
サン10gからなる基質混合溶液に分散添加し、反
応温度38℃、撹拌速度200rpmで反応を行ない、
次表に示す結果を得た。
【表】 実施例 4 リゾプスデレマリパーゼ0.136g、イオン交換
水1.68mlおよびβ−サイクロデキストリン6.7g
をよく混合した後、トリオレイン5g、パルミチ
ン酸4.5gおよびn−ヘキサン10gからなる基質
混合溶液に分散添加し、反応温度40℃、撹拌速度
300rpmで反応を行ない、次表に示す結果を得た。
【表】 実施例 5 リゾプスヤポニカス(Rhizopus japonicus)
由来のリパーゼ(1g当りのリパーゼ活性
4200U)0.114g、イオン交換水1.1ml、およびラ
クトース2.2gの混合物をトリオレイン5g、パ
ルミチン酸4.5gおよびn−ヘキサン10gからな
る基質混合溶液に分散添加し、反応温度40℃、撹
拌速度300rpmで反応を行ない、次表に示す結果
を得た。
【表】 実施例 6 リゾプスデレマリパーゼ0.20g、イオン交換水
0.42ml、β−サイクロデキストリン0.42gの混合
物をトリオレイン5g、パルミチン酸3gおよび
n−ヘキサン10gからなる基質混合溶液に分散添
加し、反応温度37℃、撹拌速度300rpmで反応を
行ない、次表に示す結果を得た。
【表】 実施例 7 リゾプスデレマリパーゼ0.286g、イオン交換
水1.36ml、トレハロース0.62gおよびセルロース
パウダー1.01gの混合物を実施例1と同様に調製
し、トリオレイン5g、パルミチン酸5g、シユ
ガーエステル(第一工業製薬株式会社製、DKエ
ステルF−10、HLB1〜2)0.05gおよびn−ヘ
キサン8gからなる基質混合溶液に分散添加し、
実施例1と同一の条件で反応を行ない、次表に示
す結果を得た。
【表】 実施例7は実施例1に比較して、シユガーエス
テルを使用する点でのみ異なるが、この結果から
明らかなように、シユガーエステルを使用するこ
とにより反応速度をより速くすることができる。 実施例 8 リゾプスデレマー(Rhizopus delemar)リパ
ーゼ(3500U/g)1.9g、イオン交換水10g、
セルロース11.3g及びラクトース15gの混合液
を、パーム中部油50g、ステアリン酸45g、シユ
ガーエステル(第一工業製薬株式会社製、DKエ
ステルF−10)0.4gおよびn−ヘキサン100gの
混合溶液に添加し、反応温度40℃、撹拌速度
200rpmで反応を行ない、次表に示す結果を得た。
【表】 次に、12時間反応させた反応混合物を過し
た。液部を、溶出溶媒としてヘキサンを用い、
フロリジル担体によるカラムクロマトグラフイー
を常法に従がつて行ない、中性油部分のみを溶出
回収した。回収n−ヘキサン溶液のミセラ濃度を
30重量%に調製し、8℃に放置し、析出した結晶
を別した。得られた液部をさらに−7℃に放
置し、析出した結晶を別した。この結晶部を脱
溶剤し、常法に従がつて漂白、脱臭し各種の物性
を測定したところカカオバター代用脂として非常
に優れたものであることが判明した。 実施例 9 リゾプスデレマー(Rhizopus delemar)リパ
ーゼ(3500U/g)2.71g、イオン交換水10g、
セルロース15g及びラクトース1gをよく混合
し、サル脂軟部油50g、パルミチン酸45g、シユ
ガーエステル(第一工業製薬株式会社製、DKエ
ステルF−10)0.2gおよびn−ヘキサン100gの
混合溶液に添加し、反応温度40℃、撹拌速度
200rpmで反応を行ない、次表に示す結果を得た。
【表】 次に、8時間反応させた反応混合物を過し、
液部を実施例8と同様にカラムクロマトグラフ
イーで処理し、さらに溶剤分別を行ない中部油を
得、常法に従がつて漂白、脱臭し、各種の物性を
測定したところ、カカオバター代用脂として非常
に優れたものであることが判明した。 比較例 1 リゾプスデレマリパーゼ0.286gとイオン交換
水1.36gをよく混合均一化した後、トリオレイン
5g、パルミチン酸5gおよびn−ヘキサン8g
からなる基質混合溶液に添加し、反応温度40℃、
撹拌速度200rpmで反応を行ない、次表に示す結
果を得た。
【表】 酵素量および水分量は、実施例1と同一である
が、糖類が添加されていない系である。上表から
明らかなように、この系では、反応速度もおそく
かつ加水分解の割合も大となり、望ましい反応組
成物を得ることができなかつた。 比較例 2 脱水処理したトリオレイン5g、パルミチン酸
5gおよびn−ヘキサン10gからなる基質混合溶
液(カールフイツシヤ−水分計による水分量0.07
重量%)に、リゾプスデレマリパーゼ0.286g、
セライト0.3gおよびセルロースパウダー0.3g混
合物を徐々に真空乾燥した後分散添加し、反応温
度40℃、撹拌速度200rpmで反応を行ない、次表
に示す結果を得た。
【表】 この反応系の基質当りの水分量は、約0.14重量
%程度であるが、このような微量の水分量では、
大部分の酵素が睡眠状態かあるいは死んだ状態で
あり、上表から明らかなように、反応速度が非常
におそくなり、工業的条件とはなり得ないと判断
される。 比較例 8 脱水処理したトリオレイン5g、パルミチン酸
5g、およびn−ヘキサン10gからなる基質混合
溶液(カールフイツシヤー水分計による水分量
0.07重量%)に、リゾプスデレマリパーゼ0.286
gおよびセライト0.3gおよびセルロースパウダ
ー0.3g混合物を徐々に真空乾燥した後分散添加
し、さらに、イオン交換水0.05mlを添加し、反応
温度40℃、撹拌速度200rpmで反応を行ない、次
表に示す結果を得た。
【表】 この反応系の基質当りの水分量は、約0.64重量
%程度であるが、上表から明らかなように、この
ように微量の水分量では、反応速度が非常におそ
くなり、工業的条件とはなり得ないと判断され
る。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 糖類の存在下にリパーゼによる油脂類のエス
    テル基交換を行なうに当たり、系中の水分量が基
    質に対して3〜20重量%、系中の糖類の量が系中
    の水分量(単位量)に対して0.8〜5g/g、系
    中のリパーゼ酵素量が基質(単位量)に対して20
    〜500活性単位U/gの条件下で反応を行なうこ
    とを特徴とするリパーゼによる油脂類のエステル
    基交換反応方法。 2 反応系中の糖類が系中の水分量(単位量)に
    対して1〜3g/gで反応を行なうことを特徴と
    する特許請求の範囲第1項記載のリパーゼによる
    油脂類のエステル基交換反応方法。 3 反応系中の水分量が、基質に対して10〜15重
    量%で反応を行なうことを特徴とする特許請求の
    範囲第1項又は第2項記載のリパーゼによる油脂
    類のエステル基交換反応方法。 4 リパーゼ酵素量が基質(単位量)に対して50
    〜200活性単位U/gで反応を行なうことを特徴
    とする特許請求の範囲第1〜3項何れかに記載の
    リパーゼによる油脂類のエステル基交換反応方
    法。 5 反応系内の基質に対してさらに0.05〜5.0重
    量%の界面活性剤の存在下で反応を行なうことを
    特徴とする特許請求の範囲第1〜4項何れかに記
    載のリパーゼによる油脂類のエステル基交換反応
    方法。 6 糖類がデキストリン、サイクロデキストリ
    ン、グリコーゲン、およびセルロースからなる群
    から選ばれた一種あるいは二種以上の多糖類であ
    る特許請求の範囲第1〜5項何れかに記載のリパ
    ーゼによる油脂類のエステル基交換反応方法。 7 糖類がリポース、ガラクトース、アラビノー
    ス、グルコース、トレハロース、ラフイノース、
    ラクトース及びシユークロースからなる群から選
    ばれた一種あるいは二種以上の単糖類又は少糖類
    である特許請求の範囲第1〜5項何れかに記載の
    リパーゼによる油脂類のエステル基交換反応方
    法。 8 糖類が、デキストリン、サイクロデキストリ
    ン、グリコーゲン及びセルロースからなる群から
    選ばれた一種又は、二種以上の多糖類と、 リボース、ガラクトース、アラビノース、グル
    コース、トレハロース、ラフイノース、ラクトー
    ス及びシユークロースからなる群から選ばれた一
    種又は二種以上の単糖類又は少糖類との混合物で
    ある特許請求の範囲第1〜5項何れかに記載のリ
    パーゼによる油脂類のエステル基交換反応方法。
JP56210263A 1981-12-28 1981-12-28 油脂類のエステル基交換反応方法 Granted JPS58116688A (ja)

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