JP4768496B2 - 固定化酵素の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、油脂(モノ、ジ又はトリグリセライド)の加水分解反応、脂肪酸とアルコールのエステル化反応又は油脂のエステル交換反応における触媒として使用される固定化酵素を製造する方法に関する。
油脂(モノ、ジ又はトリグリセライド)の加水分解、あるいは逆反応である脂肪酸とアルコールからのエステル化、及び油脂のアシル基交換による新しいグリセライドの製造に際し、触媒として油脂分解用酵素を利用するケースが増えている。特に機能性を持った油脂を製造する場合、反応位置特異性を有するリパーゼを利用することが多い。この酵素を回収再利用する方法として固定化酵素の利用がある(特許文献1参照)。
固定化酵素については、従来から酵素活性を高める技術が提案されており、例えば、脂質分解酵素及び担体の混合物に油脂を加えて反応させ、一部の油脂を加水分解させた後に油脂分を除去する方法(特許文献2参照)、予め固定化担体に脂溶性脂肪酸又はその誘導体を吸着させ、その後酵素を吸着させる方法(特許文献3参照)等が知られている。
また、現在入手可能な固定化酵素は、保存時の酵素失活の抑制やハンドリング性の良さを考慮して、いずれも乾燥物としての形態で提供されているが、乾燥工程により吸着した酵素の失活が起こり易く、実際の活性発現時に吸着時の最大活性を発現しない場合が多い。そこで、乾燥工程を脂肪酸誘導体の接触下に行う方法がある(特許文献4参照)。
特開平1-71495号公報 特開昭60-251884号公報 特開平1-153090号公報 特開昭62-134090号公報
固定化酵素の高活性化に関する従来技術は、通常の酵素反応の条件である比較的低い温度においてはそれなりの効果を発揮している。しかし、繰り返し反応を行った場合に酵素活性が低下してしまったり、反応速度を向上させようとして温度を上げた場合には、酵素が急激に失活してしまう等の問題点を有し、耐久性、耐熱性に優れた固定化酵素は得られていないのが現状である。
そこで、本発明は、油脂(モノ、ジ又はトリグリセライド)の加水分解反応、脂肪酸とアルコールのエステル化反応又は油脂のエステル交換反応における触媒として使用される、耐久性、耐熱性に優れた固定化酵素を製造する方法を提供することを目的とする。
本発明者は、酵素固定化用担体に吸着固定化した油脂分解用酵素の、耐久性、耐熱性を向上させる因子について検討した結果、酵素を吸着させる前の酵素固定化用担体に予め酵素の活性化剤として脂溶性脂肪酸又はその誘導体を吸着させるに際し、脂溶性脂肪酸又はその誘導体を有機溶剤等に溶解させて酵素固定化用担体に接触させて吸着させた後に、酵素固定化用担体を回収する際、濾過方法により効果が大きく異なり、気体を流通させてケーク濾過し、かつ脂溶性脂肪酸の吸着量を一定の範囲とすると、その後に固定化した酵素が高活性であり、耐久性、耐熱性に優れることを見出した。
すなわち本発明は、酵素固定化用担体に脂溶性脂肪酸又はその誘導体を吸着させた後、油脂分解用酵素を吸着固定化する固定化酵素の製造方法であって、酵素固定化用担体に脂溶性脂肪酸又はその誘導体を吸着させるに際し、脂溶性脂肪酸又はその誘導体及び有機溶剤又は水と有機溶剤の混合物を酵素固定化用担体に接触させ、酵素固定化用担体をケーク濾過により回収する際、酵素固定化用担体のケーク中に気体を流通させ、酵素固定化用担体100質量部に対し脂溶性脂肪酸又はその誘導体の吸着量を20〜100質量部とする固定化酵素の製造方法を提供するものである。
本発明方法により、油脂(モノ、ジ又はトリグリセライド)の加水分解反応、脂肪酸とアルコールのエステル化反応又は油脂のエステル交換反応における触媒として使用される、高活性で耐久性、耐熱性に優れた固定化酵素を製造することができる。
本発明で使用する酵素固定化用担体(以下、単に「固定化担体」と記載する)は、水、各種有機溶剤、油脂類に不溶性であり、リパーゼ活性に影響を与えず、操作上から物理的・化学的に安定なものであれば何れでも良く、セライト、ケイソウ土、カオリナイト、シリカゲル、モレキュラーシーブス、多孔質ガラス、活性炭、炭酸カルシウム、セラミックス等の無機担体、セルロースパウダー、セラミックスパウダー、ポリビニルアルコール、ポリプロピレン、キトサン、イオン交換樹脂、疎水吸着樹脂、キレート樹脂、合成吸着樹脂等の有機高分子等が挙げられるが、特にイオン交換樹脂が好ましい。
また、担体内に疎水性の部分を持つもの、例えば樹脂中にアルキレン残基を多く含むもの、又は官能基にアルキル基を有するものが、油脂分解用酵素の吸着性、基質としての脂質との相性の点から好ましい。更に、担体の疎水性が特に高い場合は、酵素固定化時にアンチカオトロピックイオンとなる塩(硫安等)を加えることが、固定化収率を良好に保つ点から好ましい。担体の形状としては、粒子状、粉末状、顆粒状、繊維状、スポンジ状等種々があるが、いずれでも使用することができる。
イオン交換樹脂としては、多孔質の陰イオン交換樹脂が好ましい。このような多孔質担体は、大きな表面積を有するため、より大きな酵素の吸着量を得ることができる。樹脂の粒子径は100〜1,000μmが好ましく、細孔径は10〜150nmが好ましい。材質としては、フェノールホルムアルデヒド系、ポリスチレン系、アクリルアミド系、ジビニルベンゼン系等が挙げられ、特にフェノールホルムアルデヒド系樹脂(例えば、Rohm and Haas社製Duolite A-568)が好ましい。ここで粒子径はレーザー散乱回折法粒度分布測定装置により、細孔径は水銀圧入法により測定できる。
本発明で使用する油脂分解用酵素としては、リパーゼ、ホスホリパーゼ、コレステロールエステラーゼ、スフィンゴミエリナーゼ及び各種のエステラーゼが挙げられる。リパーゼとしては、動物由来、植物由来のものはもとより、微生物由来の市販リパーゼを使用することもできる。微生物由来リパーゼとしては、リゾプス(Rizopus)属、アスペルギルス(Aspergillus)属、ムコール(Mucor)属、シュードモナス(Pseudomonas)属、ジオトリケム(Geotrichum)属、ペニシリウム(Penicillium)属、キャンディダ(Candida)属、クロモバクテリア(Chromobacterium)属等の起源のものが挙げられる。特に機能性油脂の製造を目的とする場合、グリセリンの1,3位に選択的に反応する位置選択性に優れたリパーゼであるリゾプス(Rizopus)属、アスペルギルス(Aspergillus)属、ムコール(Mucor)属、シュードモナス(Pseudomonas)属、ジオトリケム(Geotrichum)属、ペニシリウム(Penicillium)属を利用することが好ましい。また、合成活性の増加し易いリパーゼとして、中鎖以上のアルキル基に活性が強い点から、リゾプス属、ムコール属、クロモバクテリウム属起源のリパーゼが一層好ましい。
コレステロールエステラーゼの例としては、キャンディダ(Candida)属等の微生物起源のものが挙げられる。また、ホスホリパーゼの例としては、キャベツ、ピーナッツ、ニンジン等の植物やコケ植物由来のもの、及びストレプトマイセス属等の微生物起源のものが挙げられる。
本発明においては、固定化担体に酵素を吸着させる前に、予め固定化担体を脂溶性脂肪酸又はその誘導体(以下、特別に明示しない限り単に「脂溶性脂肪酸等」と表記する)で処理し、それを吸着させておくことが必要である。使用する脂溶性脂肪酸としては、炭素数8〜18の飽和又は不飽和の、直鎖又は分岐鎖の、水酸基が置換していてもよい脂肪酸が挙げられる。具体的には、カプリン酸、ラウリン酸、ミスチリン酸、オレイン酸、リノール酸、α-リノレン酸、リシノール酸等のヒドロキシ脂肪酸、イソステアリン酸等の分岐状の脂肪酸等が挙げられる。またその誘導体としては、これらの脂肪酸と一価又は多価アルコールとのエステル、リン脂質、及びこれらのエステルにエチレンオキサイドを付加した誘導体が挙げられる。具体的には、上記脂肪酸のメチルエステル、エチルエステル、モノグリセライド、ジグリセライド、それらのエチレンオキサイド付加体、ポリグリセリンエステル、ソルビタンエステル、ショ糖エステル等が挙げられる。これらの脂溶性脂肪酸等は、単独で用いても良く、2種以上を併用してもよい。なお、脂溶性脂肪酸等はいずれも常温で液状であることが操作上好ましいが、これに限定されるものではない。
本発明においては、脂溶性脂肪酸等を固定化担体に吸着させる方法は、脂溶性脂肪酸等を有機溶剤又は水と有機溶剤の混合物(以下、特別に明示しない限り単に「有機溶剤等」と表記する)に分散、溶解させた混合物とし、これに固定化担体を接触させる方法が挙げられるが、分散性を良くする点から、有機溶剤に脂溶性脂肪酸等を一旦分散、溶解させた後、これを水に分散させた固定化担体に加えてもよい。使用する有機溶剤としては、クロロホルム、ヘキサン、アセトン、イソプロパノール、エタノール、メタノール等が挙げられるが、固定化酵素の活性向上の点からエタノール、ヘキサンが好ましい。
使用する有機溶剤等の量は、固定化担体に脂溶性脂肪酸等を吸着させる際の脂溶性脂肪酸等/有機溶剤等の質量比を1/0.1〜1/20の範囲となる量とすることが固定化酵素の活性向上の点から好ましく、更に1/0.3〜1/10、特に1/0.5〜1/6とすることが好ましい。また、有機溶剤/水の質量比を1/0.01〜1/1とすることが酵素活性向上の点から好ましく、更に1/0.02〜1/0.5、特に1/0.03〜1/0.2とすることが好ましい。
固定化担体に吸着させる際の脂溶性脂肪酸等の使用量は、固定化担体/脂溶性脂肪酸等の質量比が1/0.1〜1/20の範囲となる量とすることが、固定化酵素の耐久性、耐熱性の向上の点から好ましく、更に1/0.2〜1/10、特に1/0.3〜1/5とすることが好ましい。
脂溶性脂肪酸等と有機溶剤等の混合物を固定化担体に接触させる温度は0〜100℃、更に20〜60℃、特に20〜40℃とすることが酵素失活抑制の点から好ましく、接触時間は1分〜20時間、更に5分〜5時間、特に30分〜3時間とすることが酵素失活抑制の点から好ましい。
本発明においては、脂溶性脂肪酸等と有機溶剤等の混合物を固定化担体に接触させた後は、脂溶性脂肪酸等と有機溶剤等の混合物を含む固定化担体をケーク濾過により回収することが必要である。また、ケーク濾過の際に当該固定化担体のケーク中に気体を流通させることが必要である。なおこの際、固定化担体を水又は緩衝液により洗浄する工程を行っても良い。濾過装置としては、金網、濾布、ガラスフィルター、化学繊維フィルター等の濾材を備えた回分式濾過装置、例えばヌッチェ濾過装置を使用するのが好ましい。また、固定化担体のケーク中に気体を効果的に流通させ、固定化担体上に脂溶性脂肪酸等を均一に吸着させる点から、ヌッチェに濾布を組み合わせ、吸引又は窒素や空気の吹き込みを行うことができる装置とすることが好ましい。
固定化担体のケーク中に流通させる気体の量は、固定化担体100体積部に対し300〜1,700,000体積部であることが、脂溶性脂肪酸等を固定化担体上に均一に吸着させ、その後固定化した酵素の耐久性、耐熱性が向上する点から好ましく、更に500〜1,500,000体積部、特に700〜1,200,000体積部とすることが好ましい。また、同様の点から、固定化担体のケーク中に流通させる気体の線速度は、50〜5,300mm/minとすることが好ましく、更に70〜4,500mm/min、特に100〜4,000mm/minとすることが好ましい。
本発明においては、固定化担体のケーク中に気体を流通させることが必要であるが、濾過を吸引で行う場合には、上記のように気体の量や線速度で測るのではなく、上記範囲と同等の気体の量や線速度となるように、その減圧度、吸引の時間等でコントロールすることが、操作の簡便性の点から好ましい。この場合、減圧度は0.02〜100kPa(絶対圧をいう。以下、特に記載しない限り絶対圧を意味する。)、更に0.2〜90kPa、特に1〜80kPaとすることが好ましく、濾過時間は0.1〜60min、更に1〜30min、特に2〜20minとすることが好ましい。また、気体の流通は加圧で行っても良い。圧力は0.0001〜0.1MPa(ゲージ圧)とすることが好ましく、更に0.001〜0.08MPa(ゲージ圧)、特に0.01〜0.06MPa(ゲージ圧)とすることが好ましい。加圧時間は0.1〜60min、更に1〜30min、特に2〜20minとすることが好ましい。
本発明においては、固定化担体のケーク中に気体を流通させた後に固定化担体に吸着されている脂溶性脂肪酸等の量は、固定化担体100質量部に対して20〜100質量部であることが、固定化酵素の耐久性、耐熱性の点から必要であるが、更に20〜70質量部、特に20〜50質量部であることが好ましい。また、固定化担体のケーク中の有機溶剤は、固定化担体100質量部に対して40質量部以下であることが、固定化酵素の耐久性、耐熱性の点から好ましいが、更に0.1〜30質量部、特に0.2〜20質量部であることが好ましい。
濾別後の固定化担体中には、脂溶性脂肪酸等、有機溶剤及び水が含まれている。これらの含量を測定することにより、固定化担体に吸着された脂溶性脂肪酸等の量、有機溶剤等の量を求めることができる。固定化担体中の水分量は、固定化担体をカールフィッシャー(平沼産業株式会社製)等により測定することができる(測定値をW%とする)。その後、固定化担体を減圧乾燥等により乾燥することにより、その質量減少量を測定し(X質量部とする)、次いでヘキサン等の有機溶剤にて脂溶性脂肪酸等を抽出し、固定化担体及び抽出液を減圧乾燥等により乾燥し、固定化担体の質量(Y質量部とする)及び脂溶性脂肪酸の質量(Z質量部とする)を測定する。以上から次の式により、固定化担体に対する脂溶性脂肪酸等の量、及び有機溶剤の量を算出することが可能である。
・固定化担体100質量部に対する脂溶性脂肪酸等質量部=Z×100/Y
・固定化担体100質量部に対する有機溶剤質量部={X−W(X+Y+Z)}×100/Y
本発明の方法により固定化担体に脂溶性脂肪酸等を吸着させた後は、酵素を吸着させ、固定化酵素とする。
酵素の固定化を行う温度は、酵素の特性によって決定することができるが、酵素の失活が起きない0〜60℃、更に5〜40℃、特に20〜40℃が好ましい。また固定化時に使用する酵素溶液のpHは、酵素の変性が起きない範囲であればよく、温度同様酵素の特性によって決定することができるが、pH3〜9が好ましい。また、アルカリ性に至適pHを有する酵素を吸着させる場合には、pH7〜9とすることが好ましい。これらのpHを維持するためには緩衝液を使用するが、緩衝液としては、酢酸緩衝液、リン酸緩衝液、トリス塩酸緩衝液等が挙げられる。
上記酵素溶液中の酵素濃度は、酵素の種類によっても異なるが、固定化効率の点から酵素の飽和溶解度以下で、かつ十分な濃度であることが好ましく、例えば、0.1〜20質量%とすることが好ましい。また酵素溶液は、必要に応じて不溶部を遠心分離で除去した上澄や、限外濾過等によって精製したものを使用することもできる。また用いる酵素量は、固定化担体100質量部に対して5〜1,000質量部、特に10〜500質量部が好ましい。
本発明においては、油脂分解用酵素を固定化担体に吸着固定化した後、乾燥せずに、(A)脂肪酸トリグリセライド若しくは脂肪酸部分グリセライドに接触させることにより、又は(B)脂溶性脂肪酸、脂肪酸トリグリセライド若しくは脂肪酸部分グリセライドに接触させながら脱水することにより、残存水分量を調整することが好ましい。ここで「乾燥せずに」とは、「減圧、真空又は加熱による乾燥に付することなく」という意味である。
残存水分量は、処理(A)による場合は固定化担体100質量部に対して5〜200質量部、更には15〜100質量部、特に25〜50質量部に調整されることが好ましい。また、処理(B)による場合は固定化担体100質量部に対して1〜50質量部、特に1〜30質量部に調整されることが好ましい。
上記水分調整処理(A)における固定化酵素と接触させる脂肪酸トリグリセライド又は脂肪酸部分グリセライドとしては、菜種油、大豆油、ひまわり油等の植物性の液状油脂、イワシ油、マグロ油、カツオ油等の魚油、鯨油等の海獣油、これらから誘導されるモノグリセライド又はジグリセライド、更にはこれらの混合物、またこれらの油脂から得られるエステル交換油脂等も使用できる。これらは、2種以上併用してもよい。また水分調整処理(B)においては、上記の脂肪酸トリグリセライド又は脂肪酸部分グリセライドはもとより、これらの化合物から生成された脂溶性脂肪酸を利用することもできる。処理(B)において使用される固定化酵素と接触させる脂溶性脂肪酸としては、菜種油、大豆油、ひまわり油等の植物性の液状油脂若しくはイワシ油、マグロ油、カツオ油等の魚油から生成された脂肪酸が好ましい。なお、これらの処理(A)又は(B)で使用する脂肪酸、脂肪酸トリグリセライド又は脂肪酸部分グリセライドは、本発明方法により調製された固定化酵素を用いた実際の加水分解反応、エステル化反応又はエステル交換反応において、油相基質とするものを選択することが好ましい。
処理(A)で使用される脂肪酸グリセライドの量は、固定化酵素との接触を十分なものとし、かつ過剰量の使用による無駄を回避する観点から、固定化担体100質量部に対して100〜5,000質量部が好ましく、更に200〜4,000質量部、特に400〜3,000質量部が好ましい。また、処理(B)で使用される脂肪酸又は脂肪酸グリセライドの量は、上記と同様の観点、及び流動性を高め脱水効率を向上させる観点から、固定化担体100質量部に対して20〜3,000質量部、更に100〜1,000質量部が好ましい。
処理(A)における固定化酵素と脂肪酸グリセライドとの接触方法は、浸漬、攪拌、固定化酵素を充填したカラムにポンプ等で通液する等、いずれの方法でもよい。接触温度は、接触中に油相が凝固しない温度であればよく、使用する脂肪酸グリセライドの特性と酵素の特性に応じて適宜決定することができるが、5〜60℃、特に室温〜40℃が好ましい。接触時間は、0.1〜72時間が適当であるが、この時間以上接触させてもよいし、脂肪酸グリセライドと接触したままで保存することもできる。また処理(B)において脂肪酸又は脂肪酸グリセライドと接触させながら脱水する場合、脱水する際の温度は、処理(A)の場合と同様であり、脱水時間は、0.5〜24時間が適当であるが、処理(B)の場合は急激な脱水が可能であり、1時間当たりの水分低下率を50%以上、好ましくは60%以上、特に70%以上とすることにより、脱水工程を短時間で完了することができる。脱水方法としては、モレキュラーシーブス等の脱水剤を使用する方法、減圧系で処理する方法等の公知の方法が採られるが、脱水剤を使用すると処理後に脱水剤の除去等の操作が必要となることを考慮すれば、減圧系で処理することが好ましい。
酵素を担体に吸着固定化した際における固定化酵素の水分は、通常固定化担体100質量部に対して120〜300質量部の範囲にあるが、(A)脂肪酸グリセライドと接触することで、固定化担体100質量部に対して5〜200質量部まで残存水分を低減させることができる。また(B)脂肪酸又は脂肪酸グリセライドと接触させながら脱水した場合では、固定化担体100質量部に対して1〜50質量部まで残存水分を低減させることができる。このような処理(A)又は(B)によって、通常行われる乾燥処理のような強制的な水分の除去時に発生する酵素に対するダメージを、極力軽減して、高い活性発現を有する固定化酵素を調製することができる。
この接触処理若しくは脱水処理が終わった段階で、必要に応じて濾過を行った後、固定化酵素を回収し、有機溶剤処理に付することが好ましい。これにより、固定化酵素に付着した脂肪酸又は脂肪酸グリセライドの量を、好ましいハンドリング性が得られる程度まで低減することができる。ここで使用される有機溶剤としては、ヘキサン、アセトン、エタノール、更にはこれらの混合物等が挙げられるが、なかでもヘキサン、あるいはヘキサンと他の有機溶剤の混合物が好ましい。有機溶剤による処理は、浸漬、分散あるいは固定化酵素を充填したカラムにポンプ等で通液する等の手段により有機溶剤と接触させて、脂溶性脂肪酸、脂肪酸トリグリセライド又は脂肪酸部分グリセライドを溶剤中へ溶出させた後、ろ過、乾燥などの手段により固定化酵素の回収を行えばよい。
かかる有機溶剤での処理を行う場合には、その程度は、固定化酵素同士が凝集せず、流動性が生じる状態まで処理することが好ましく、例えば、固定化酵素をカラム等に充填する際に、容易に充填できることが好ましい。そのため固定化酵素に付着した脂肪酸又は脂肪酸グリセライドの量が、固定化担体100質量部に対して5質量部以下、特に1質量部以下となる程度が好ましい。
処理に使用される有機溶剤の量は、固定化酵素との接触が均一となるようにし、かつ酵素失活を防止する点から、処理(A)又は(B)を経て回収された固定化酵素中の固定化担体100質量部に対して100〜3000質量部が好ましく、更には200〜2000質量部、特に400〜1000質量部が好ましい。また処理時の温度は、0〜40℃、特に5〜30℃が、処理時間は、1〜30分、特に3〜10分が好ましい。また必要に応じ、複数回処理することも可能である。
本発明の態様においては、更に、有機溶剤による処理を経て固定化酵素に付着した脂肪酸又は脂肪酸グリセライドの量を調整した固定化酵素を塩水溶液に接触させる処理を行うことが、有機溶剤処理による酵素失活を回復させる点から好ましい。塩水溶液による接触処理のタイミングは、ハンドリング性を保つため実際に固定化酵素を使用する直前が好ましいが、特に限定されるものではなく、場合によっては、油脂の加水分解反応、脂肪酸とアルコールのエステル化反応又は油脂のエステル交換反応の反応系中に塩を共存させることで接触処理を行っても良い。塩水溶液による接触処理の方法は、特に限定されるものではなく、例えば塩水溶液中に固定化酵素を添加して撹拌する方法、固定化酵素を円筒カラムに充填し塩水溶液を循環させる方法等が挙げられる。
固定化酵素に接触処理させる塩水溶液の種類としては、塩化ナトリウム水溶液、塩化カリウム水溶液、酢酸ナトリウム水溶液、さらにはこれらの混合水溶液が挙げられるが、なかでも塩化ナトリウム水溶液を用いることが、有機溶剤処理による酵素失活を回復させる点、コストの点等から好ましい。
固定化酵素に接触処理させる塩水溶液の濃度は0.05〜3Mが好ましく、更に0.1〜1.5Mとすることが、有機溶剤処理による酵素失活を回復させる点から好ましい。処理量は、固定化酵素との接触が均一となればよく、固定化担体100質量部に対して50〜5000質量部が好ましく、更に100〜3,000質量部、特に100〜1,000質量部が好ましい。また処理時の温度は0〜40℃、更に5〜30℃とすることが好ましく、処理時間は0.1〜30時間、更に0.5〜10時間、特に1〜3時間とすることが、それぞれ有機溶剤処理による酵素失活を回復させる点から好ましい。また必要に応じ、複数回処理することも可能である。複数回処理に際しては、各回の処理濃度、時間等を適宜変更することも可能である。
実施例1
固定化担体としてDuolite A-568(Rohm and Haas社製)100gを用い、0.1NのNaOH溶液1L中で1時間攪拌した。濾過後、1Lの蒸留水で洗浄し、500mMの酢酸緩衝液(pH6)1LでpHを平衡化した。その後50mMの酢酸緩衝液(pH6)1Lで2時間ずつ2回、pH平衡化を行った。濾過して固定化担体を回収した後、エタノール500mLで置換を30分行った。濾過後、リシノール酸を100g含むエタノール溶液500mLと固定化担体を30分間接触させた。その後、陶器製ヌッチェに濾紙(No.2、東洋濾紙社製)を乗せ、吸引濾過により固定化担体を溶液から濾別した。この際、固定化担体のケーク中に5分間空気を流通させ、その量は固定化担体100体積部に対し8,000体積部、線速度は530mm/min、減圧度50kPa、濾過時間5minであった。その後、固定化担体をサンプリングし、水分量、エタノール量、リシノール酸量を測定した。結果を表1に示した。
次いで、固定化担体を、50mMの酢酸緩衝液(pH6)500mLで0.5時間ずつ4回緩衝液置換した。濾過後、3%濃度のリパーゼF-AP15(アマノエンザイム社製)溶液1000mLと室温で2時間接触させ、酵素の吸着を行った。吸着後、濾過を行い、50mMのリン酸緩衝液(pH6)500mLで0.5時間洗浄した。洗浄後濾過によって固定化酵素を回収した。
この固定化酵素に1000gの菜種油を添加し、40℃、2時間攪拌した後、濾過して固定化酵素を回収した。この時、固定化酵素に付着した油脂量(脂肪酸又は脂肪酸グリセライド量)は、固定化担体100質量部に対して32質量部であり、残存水分量は30質量部であった。
〔酵素相対活性値の測定法〕
固定化酵素を乾燥重量として4g計量し、200mL容の四つ口フラスコに仕込んだ。そこへオレイン酸とグリセリンの混合物80g(モル比でオレイン酸/グリセリン=2.0)を添加し、50℃、400Paの減圧下でエステル化反応を行った。反応液を経時的にサンプリングし、グリセライド組成の経時変化を追跡した。なお、各反応液のグリセライド組成は、反応液をトリメチルシリル化した後、ガスクロマトグラフィーにて分析を行った。酵素活性の評価は、実施例1により製造した固定化酵素を使用し、前記反応条件でジグリセライド(DG)+トリグリセライド(TG)の合計が70質量%になるまでの時間をT0とし、各反応においてDG+TGの合計が70質量%になるまでの時間をTとし、下記の(1)式により酵素相対活性値として算出した。なお、DG+TGの合計が70質量%に達しなかったものについては「×」とした。結果を表1に示した。
酵素相対活性値=T0/T×100 (1)
〔固定化担体の体積の測定法〕
濾過に供した固定化担体の体積は、乾燥固定化担体10gを50mLメスシリンダーに入れて体積を測定し、グラム当りの体積を求めて使用担体重量から固定化担体の体積を算出した。
〔流通させる気体の量の測定法〕
吸引に用いたポンプの排気出口に気体流量計を取り付けて流通した気体の体積〔L〕を測定し、固定化担体100体積部に対する流通した気体の体積部を求めた。
〔流通させる気体の線速度の測定法〕
気体量と濾過面積と気体流通時間から次式で算出した。
気体の線速度〔mm/min〕=(気体量〔L〕/(濾過面積〔cm2〕*気体流通時間〔min〕))*10
実施例2
実施例1において固定化担体をヌッチェ濾過する際、固定化担体のケーク中に空気を5分間流通させる替わりに、乾燥窒素を2分間流通させた以外は実施例1と同じ方法で固定化酵素を製造した。この時、流通させた乾燥窒素の量は、固定化担体100体積部に対し3,200体積部、線速度は530mm/min、減圧度50kPa、濾過時間0.5minであった。
実施例3
実施例1において固定化担体をヌッチェ濾過する際に、固定化担体のケーク中に空気を流通させる時間を2分間とした以外は実施例1と同様の方法で固定化リパーゼを製造した。この時、流通させた空気の量は、固定化担体100体積部に対し3,200体積部、線速度は530mm/min、減圧度50kPa、濾過時間2minであった。
比較例1
固定化担体を濾別する際に、実施例1におけるヌッチェ濾過の替わりに、筒の先に金網のストレーナーを装着して吸引し、溶液のみ濾別した以外は実施例1と同様の方法で固定化リパーゼを製造した。減圧度70kPa、濾過時間0.5min
比較例2
実施例1において、固定化担体をヌッチェ濾過の際、固定化担体のケーク中に空気を流通させず、それ以外は実施例1と同様の方法で固定化リパーゼを製造した。減圧度50kPa、濾過時間0.5min
比較例3
実施例1において、リシノール酸を5g含むエタノール溶液500mLと固定化担体を30分間接触させた以外は実施例1と同様の方法で固定化リパーゼを製造した。
比較例4
実施例1において、固定化担体をヌッチェ濾過した後、固定化担体のケークにエタノール1000mLを通液した以外は実施例1と同様の方法で固定化リパーゼを製造した。
比較例5
実施例1において、リシノール酸を1000g含むエタノール溶液1500mLと固定化担体を30分間接触させた以外は実施例1と同様の方法で固定化リパーゼを製造した。
比較例6
実施例2において、固定化担体をヌッチェ濾過した後、固定化担体のケークにエタノール1000mLを通液した以外は実施例2と同様の方法で固定化リパーゼを製造した。
比較例7
実施例2において、リシノール酸を1000g含むエタノール溶液1500mLと固定化担体を30分間接触させた以外は実施例2と同様の方法で固定化リパーゼを製造した。
比較例8
実施例3において、固定化担体をヌッチェ濾過した後、固定化担体のケークにエタノール1000mLを通液した以外は実施例3と同様の方法で固定化リパーゼを製造した。
比較例9
実施例3において、リシノール酸を1000g含むエタノール溶液1500mLと固定化担体を30分間接触させた以外は実施例3と同様の方法で固定化リパーゼを製造した。
Figure 0004768496
表1の結果から、固定化担体を濾過により回収する際、固定化担体のケーク中に気体を流通させ、固定化担体に吸着したリシノール酸量を固定化担体100質量部に対して20〜100質量部とすることにより、酵素活性が高く、耐熱性も有する固定化酵素とすることができることが分かった(実施例1〜3)。一方、固定化担体を濾過により回収する際、固定化担体のケーク中に気体を流通させない場合には、固定化担体に吸着したリシノール酸量を固定化担体100質量部に対して20〜100質量部としても、酵素活性を高める効果が低かった(比較例1)。また、これに加えて有機溶剤の量を40質量部以下の範囲としても同様であった(比較例2)。
一方、固定化担体を濾過により回収する際、固定化担体のケーク中に気体を流通させても、固定化担体に吸着したリシノール酸量が固定化担体100質量部に対して20質量部未満、又は100質量部超とした場合には、酵素活性及び耐熱性のいずれも高める効果は低かった。

Claims (6)

  1. 酵素固定化用担体に脂溶性脂肪酸又はその誘導体を吸着させた後、油脂分解用酵素を吸着固定化する固定化酵素の製造方法であって、酵素固定化用担体に脂溶性脂肪酸又はその誘導体を吸着させるに際し、脂溶性脂肪酸又はその誘導体及び有機溶剤又は水と有機溶剤の混合物を酵素固定化用担体に接触させ、酵素固定化用担体をケーク濾過により回収する際、酵素固定化用担体のケーク中に気体を流通させ、酵素固定化用担体100質量部に対し脂溶性脂肪酸又はその誘導体の吸着量を20〜100質量部とする固定化酵素の製造方法。
  2. 酵素固定化用担体のケーク中に流通させる気体の量が、酵素固定化用担体100体積部に対し300〜1,700,000体積部である請求項1記載の固定化酵素の製造方法。
  3. 酵素固定化用担体のケーク中に流通させる気体の線速度が50〜5,300mm/minである請求項1又は2に記載の固定化酵素の製造方法。
  4. 酵素固定化用担体に脂溶性脂肪酸又はその誘導体を吸着させる際の酵素固定化用担体/脂溶性脂肪酸又はその誘導体の質量比が1/0.1〜1/20である請求項1〜3のいずれか1項に記載の固定化酵素の製造方法。
  5. 酵素固定化用担体に脂溶性脂肪酸又はその誘導体を吸着させる際の脂溶性脂肪酸又はその誘導体/有機溶剤又は水と有機溶剤の質量比が1/0.1〜1/20である請求項1〜4のいずれか1項に記載の固定化酵素の製造方法。
  6. 酵素固定化用担体のケーク中に気体を流通させた後の酵素固定化用担体のケーク中の有機溶剤の量が、酵素固定化用担体100質量部に対し40質量部以下である請求項1〜5のいずれか1項に記載の固定化酵素の製造方法。
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