JP2000251547A - 酸化物超電導線材及び超電導装置 - Google Patents

酸化物超電導線材及び超電導装置

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JP2000251547A JP11050930A JP5093099A JP2000251547A JP 2000251547 A JP2000251547 A JP 2000251547A JP 11050930 A JP11050930 A JP 11050930A JP 5093099 A JP5093099 A JP 5093099A JP 2000251547 A JP2000251547 A JP 2000251547A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 芯材と銀との接合強度が強く、実用に供しう
る十分な引っ張り強度と超電導特性を兼ね備えた酸化物
超電導線材、及び超電導装置を提供する。 【解決手段】 銅、アンチモン、錫、ゲルマニウム、ガ
リウム、インジウム、亜鉛、白金、パラジウムのうち少
なくとも1種を含む銀合金から選択される第1の金属層
12と、第1の金属層に固着され、銀より引っ張り強度
の大きい第2の金属層11と、第1の金属層12上に形
成された酸化物超電導体層13とからなる事を特徴とす
る酸化物超電導線材。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、酸化物超電導体を
使用した酸化物超電導線材および超電導装置に関する。
【0002】
【従来の技術】Y −Ba−Cu−O 系、Bi−Sr−Ca−Cu−O
系、Tl−Ba−Ca−Cu−O 系等の酸化物超電導体は、液体
窒素の沸点以上の高い臨界温度を有する為、冷媒とし
て、高価な液体ヘリウムを用いず安価な液体窒素が利用
できること、あるいは小型の冷凍機を用いて容易に超電
導状態まで冷却できることから、工業的に重要な価値を
有している。
【0003】このような酸化物超電導体を実際にエネル
ギー分野に応用するには、まず用いやすい様に線材にす
ることが必要である。線材に加工する有力な手段とし
て、金属テープ上に上記の様な超電導体を塗布する方
法、気相成長させる方法、液相成長させる方法等で成膜
し、テープ状超電導線材を作製する方法が知られてい
る。
【0004】例えば金属テープとしては、耐熱性に優れ
たハステロイ合金、あるいは酸化物超電導体と反応が少
ない銀を用いた線材が知られている。これらの材料を用
いて高い臨界電流密度を得るには酸化物超電導体の結晶
をそろえることが重要で種々の工夫がなされている。
【0005】例えばハステロイ合金の場合は、成膜時に
酸化物超電導体との反応を起こさず、更に結晶のそろっ
た超電導膜を成長させる為に、結晶のそろったイットリ
ウムスタビライズドジルコニア(YSZ) 、MgO 等のバッフ
ァ層を特殊な方法で作製するという方法が検討され、実
用レベルの臨界電流密度が得られている。しかしながら
この方法は製造工程が複雑になるという問題があり、長
尺線材を作製するのに必ずしも最適な方法ではない。
【0006】一方、銀を金属テープとして用いた場合
は、酸化物超電導体との反応が少なく、酸化物超電導体
を直接成膜できるため製造工程が簡単で長尺線材を得る
有望な方法として期待されている。最近では銀を加工熱
処理して作製した( 100) 面、あるいは( 110) 面
の集合組織テープを用いることにより実用レベルの臨界
電流密度が得られるようになってきている(例えば特許
第2813287号)。また、ここでは銀と固溶しにく
い鉄、ニッケル、クロムを芯材として用い、その上に銀
を形成した金属テープも開示されている。このような構
成の金属テープを用いると、銀だけの場合に比較し引っ
張り強度が大きくなり、また成膜後の線材の取り扱いも
容易で、かつ金属テープの厚さを薄くできるため実効的
な臨界電流密度を大きく取れるという可能性がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記複
合合金を酸化物超電導膜形成用金属テープとして用いた
場合、テープ厚を薄く加工し、かつ高温での成膜を行っ
た場合、銀層と芯材との接合強度が必ずしも十分でなく
銀層が剥離する等の問題があった。
【0008】
【課題を解決するための手段】そこで本発明は、銅、ア
ンチモン、錫、ゲルマニウム、ガリウム、インジウム、
亜鉛、白金、パラジウムのうち少なくとも1種を含む銀
合金から選択される第1の金属層と、第1の金属層に固
着され、銀より引っ張り強度の大きい第2の金属層と、
第1の金属層上に形成された酸化物超電導体層とからな
る事を特徴とする酸化物超電導線材を提供する。
【0009】第2の金属層はニッケル、鉄、クロムから
選択される金属から成っても良く、ニッケルを主成分と
しアルミニウム、銅、クロム、マンガン、シリコン、ア
ンチモン、亜鉛のうち少なくとも1種類の元素を含む合
金から成っても良い。
【0010】また本発明は、銅、アンチモン、錫、ゲル
マニウム、ガリウム、インジウム、亜鉛、白金、パラジ
ウムのうち少なくとも1種を含む銀合金及び銀から選択
される第1の金属層と、第1の金属層に固着され、銀よ
り引っ張り強度の大きい第2の金属層と、第1の金属層
上に形成された酸化物超電導体層とを具備し、第2の金
属層はニッケル、鉄、クロム、及びニッケルを主成分と
してアルミニウム、銅、クロム、マンガン、シリコン、
アンチモン、亜鉛のうち少なくとも1種を含む合金から
選ばれる少なくとも1種の粉末と銀粉末とから成る粉末
合金である事を特徴とする酸化物超電導線材を提供し、
第1の金属層の酸化物超電導体層の配向は、( 110)
面、または( 100) 面、または( 420) 面であって
も良い。
【0011】さらに本発明は、銀から成る第1の金属層
と、第1の金属層に固着され、銀より引っ張り強度の大
きい第2の金属層と、第1の金属層上に形成された酸化
物超電導体層とを具備し、第1の金属層の酸化物超電導
体層は( 420) 面が配向している事を特徴とする酸化
物超電導線材を提供する。
【0012】上記全てにおいて第1の金属層は第2の金
属層表面を被覆していても良い。また、上記いずれかの
酸化物超電導線材をらせん状に形成して成り、酸化物超
電導体層がらせんの内側に配され、且つ少なくとも酸化
物超電導体層の表面が絶縁膜で被覆されている事を特徴
とする超電導装置を提供する。ここで、絶縁膜は酸化物
超電導線材全体を覆っていても良い。
【0013】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施例を詳細に
説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるもの
ではない。本発明の第1の実施例について説明する。こ
の第1の実施例の構成を図1に示す。
【0014】本実施例の酸化物超電導線材は、図1の様
に第2の金属11としての高強度金属と、第2の金属1
1を被覆する第1の金属12としての銀合金、そして第
1の金属12に固着した酸化物超電導膜13とからな
る。
【0015】以下に具体的な製造方法を述べる。銀合金
として、Agと約0. 1%Cuの合金を通常の溶解法により
作製し、内径約4mm、外形約6mmのチューブ状に加工す
る。この中に高強度金属として外形約4mmのニッケル棒
を挿入し両端を閉じて真空密封する。次にこの試料を室
温で圧延加工を繰り返し、板厚約0. 1mmのものと約
0. 05mmのものの2種類のテープ状に加工し、銀合金
の表面の配向を( 110) 面とする。この後、得られた
金属テープ14を約650℃に保持し、レーザーアブレ
ーション法で酸化物超電導膜13としてYBa 2Cu3O 7-
膜を約500nmの厚さに成膜する。ここで、δは酸素欠
陥を表し、通常1以下の数を示す。
【0016】上述の様な方法で得られた酸化物超電導線
材の金属テープ14を計測したところ、ニッケル部の厚
さがそれぞれ、約0. 08mmと約0. 04mmで、銀合金
層と良好な接合を有していた。加工後の引っ張り強度は
両者ともほぼ同じで約50kg/mm 2であった。またX線
回折で銀合金の結晶の方位を測定したところ( 110)
面が配向していた。そして、この金属テープ14に酸化
物超電導膜13を成膜して得られた試料は銀合金層の剥
離もなく、X線回折で結晶の方位を測定したところいず
れも良好なc軸配向を示した。また極点図を求めた結
果、半値幅約20度で4回対称性が得られテープ面内で
も配向していることが分かった。また77K における臨
界電流密度は約1. 5×105A /cm2であった。超電
導線材の引っ張り強度はいずれも約30kg/mm 2で、ば
ね性があり変形による超電導特性の劣化は認められなか
った。
【0017】本実施例との比較の為に、銀板のみを室温
で圧延加工を繰り返し、板厚約0.1mmのテープ状に加
工し、得られた金属テープを約650℃に保持し、レー
ザーアブレーション法でYBa 2Cu3O 7- 膜を約500nm
の厚さ成膜して実験を行った。得られた銀テープの圧延
加工後の引っ張り強度は約25kg/mm 2であった。また
X線回折で結晶の方位を測定したところ( 110) 面が
配向していた。得られた試料をX線回折で結晶の方位を
測定したところいずれも良好なc軸配向を示し、また極
点図を求めた結果、半値幅約20度で4回対象性が得ら
れテープ面内でも配向していることが分かった。また7
7K における臨界電流密度は約2×105A /cm2であっ
た。しかしながら超電導線材の引っ張り強度は約3kg/m
m 2で極めて弱く、簡単に塑性変形し超電導特性が大き
く劣化した。
【0018】次に本発明の第2の実施例について説明す
る。本実施例の構成は図1と同様である。本実施例で
は、第1の金属12としてAgと約0. 1%Cu の合金を通
常の溶解法によって作製し内径約4mm、外形約6mmのチ
ューブ状に加工する。第2の金属11としてNiと約10
%Cu 、約3%Al 、約5%Mn 、約2%Si 、約3%Sb 、約1
0%Zn の合金も同様に作製し外径約4mmの棒状に加工す
る。これを銀合金のチューブの中に挿入し両端を閉じて
真空密封する。次に実施例1と同様の方法で、厚さ約
0. 05m m の金属テープ14を作製し、酸化物超電導
膜13としてYBa 2Cu3O7- 膜を成膜する。
【0019】本実施例の方法により得られた金属テープ
14の引っ張り強度を測定した結果、合金化により引っ
張り強度が向上し約60〜70kg/mm 2の高い値が得ら
れた。またX線回折で銀合金の結晶の方位を測定したと
ころ( 110) 面が配向していた。金属テープ14に酸
化物超電導膜13を成膜して得られた試料は銀層の剥離
もなく、またX線回折で結晶の方位を測定したところい
ずれも良好なc軸配向を示した。また極点図を求めた結
果、半値幅約20度で4回対称性が得られテープ面内で
も配向していることが分かった。また77K における臨
界電流密度は約1〜2×105A /cm2であった。超電導
線材の引っ張り強度は約40〜50kg/mm 2で、ばね性
があり変形による超電導特性の劣化は認められなかっ
た。また超電導線材の断面を分析したところニッケル中
に添加した元素が若干銀中へ拡散しており冶金的にも強
固な接合が得られていることが確認できた。
【0020】次に本発明の第3の実施例について説明す
る。本実施例の構成は図1と同様である。本実施例で
は、第1の金属12としてAgと約1%Sb 、Agと約1%Sn
、Agと約1%Ge 、Agと約1%Ga 、Agと約1%In 、Agと
約1%Zn 、Agと約1%Pt 、Agと約1%Pd の合金を、それ
ぞれ通常の溶解法によって作製して厚さ約2mmの板状に
加工する。また、第2の金属11として鉄を用い、板厚
約5mmの鉄板を形成する。更に第2の金属11の周囲を
第1の金属12で覆い、圧延加工を行い、第1の金属1
2表面を( 110) 面とする。この後、実施例1と同様
の方法で厚さ約0. 05mmの金属テープ14を作製しYB
a 2Cu3O 7- 膜を成膜する。
【0021】本実施例により得られた金属テープ14の
引っ張り強度を測定した結果、いずれの金属テープ14
も約50〜60kg/mm 2の高い値が得られた。またX線
回折でそれぞれの銀合金の結晶の方位を測定したところ
いずれも( 110) 面が配向していた。本実施例の金属
テープ14に酸化物超電導膜13を成膜して得られた試
料は全て、銀層の剥離もなく、またX線回折で結晶の方
位を測定したところ良好なc軸配向を示し、極点図を求
めた結果、半値幅約20度で4回対称性が得られテープ
面内でも配向していることが分かった。また77K にお
ける臨界電流密度はいずれの金属テープ14も約1〜2
×105A /cm2の範囲であった。超電導線材の引っ張り
強度もいずれの金属テープ14も約30〜35kg/mm 2
の範囲で、ばね性があり変形による超電導特性の劣化は
認められなかった。
【0022】本実施例との比較の為に、銀性チューブお
よび鉄棒を用い、実施例3と同様の金属テープを作製
し、酸化物超電導膜を形成した。その結果、銀層が鉄製
の芯材から局部的に剥離し表面が平滑な超電導線材が得
られなかった。
【0023】次に本発明の第4の実施例について説明す
る。本実施例の構成は図1と同様である。本実施例で
は、粉末合金を用いる。粉末合金とは、固溶し難い複数
の金属粉末を混合、焼結して作製した合金の事を言う。
粉末合金は、固溶合金のように原子レベルでは混合され
ていない。本実施例のように銀粉末とニッケル粉末で粉
末合金を作製する場合は、銀の中に1μm 程度の大きさ
のニッケルが析出している。
【0024】第2の金属11として銀粉末にニッケル粉
末約10% を混合した材料を焼結し、加工により外形約
4mmの丸棒を作製する。この丸棒を第1の金属12とし
て銀製チューブに封入し線引き圧延加工して約0. 1mm
の金属テープ14を作製し、酸化物超電導膜13として
実施例1と同様の方法でYBa 2Cu3O 7- 膜を成膜する。
【0025】上述の方法により得られた金属テープ14
の加工後の引っ張り強度は約20kg/mm 2であった。X
線回折で銀の結晶の方位を測定したところ( 110) 面
が配向していた。この金属テープ14を約700℃に1
時間保持してアニールし、銀の表面に( 420) 面を配
向させる。この時の引っ張り強度は約10kg/mm 2であ
った。得られた試料は銀層の剥離もなくX線回折で結晶
の方位を測定したところいずれも良好なc軸配向を示し
た。また極点図を求めた結果、半値幅が約20度で4回
対称性が得られテープ面内でも配向していることが分か
った。また77K における臨界電流密度は約2×105A
/cm2であった。またばね性があり変形による超電導特
性の劣化は認められなかった。
【0026】次に第5の実施例を示す。本実施例では、
実施例1で得られた超電導線材を用い、表面を有機絶縁
物で被覆し絶縁した後、この線材を直径約50mmの円筒
状に巻いてコイルを作製する。図2は本実施例のコイル
の断面図である。コイルを作製する際は、図2の様に酸
化物超電導膜13を形成されている面がコイルの内側と
なるように配置する。
【0027】得られたコイルについて臨界電流密度を測
定したところ、1. 5×105A /cm2の値を示し、素材
の値と殆ど変化がなかった。また、コイルを液体窒素温
度と室温との間で繰り返し冷却・昇温を繰り返したが、
特性の変化は認められなかった。
【0028】比較の為に、実施例5と同様に超電導線材
を作製、被覆し、酸化物超電導膜を形成されている面が
コイルの外側となるように配置した。得られたコイルに
ついて臨界電流密度を測定したところ、酸化物超電導膜
を形成されている面がコイルの外側となるように配置さ
れた為に、酸化物超電導膜が引っ張られ、約1×104A
/cm2の値を示し、素材の値に比較し約1桁低下した。
またコイルを液体窒素温度と室温との間で繰り返し冷却
・昇温を繰り返したところ、臨界電流密度のさらなる低
下が認められた。
【0029】本発明における酸化物超電導体としては、
希土類元素含有のペロブスカイト型酸化物超電導体や、
Bi−Sr−Ca―Cu―O 系酸化物超電導体、Ti―Ba―Ca―Cu
―O系酸化物超電導体等を用いる事も出来る。希土類元
素含有のペロブスカイト型酸化物超電導体は例えばREM
2Cu3O 7- (REは、Y 、La、Nd、Sm、Eu、Gd、Dy、Ho、E
r、Tm、Yb等の希土類元素から選ばれた少なくとも1種
の元素を、M はBa、Sr、Caから選ばれた少なくとも1種
の元素をそれぞれ示す)の酸化物があげられる。またBi
−Sr−Ca−Cu−O 系酸化物超電導体は、Bi2Sr2Ca2Cu3O
x 、Bi2(Sr,Ca)3Cu2O x (Biの一部はPbで置換可能)等
で表されるものであり、 Tl −Ba−Ca−Cu−O 系酸化物
超電導体はTl2Ba2Ca2Cu3O x 、Tl2(Ba,Ca) 3Cu2O x
で表されるものである。
【0030】本発明において使用される金属テープにお
いて、銀は酸化物超電導体を成膜する際に酸化物超電導
体との反応を抑制し良好な酸化物超電導膜を形成するの
に必要である。さらに、酸化物超電導体を成膜する際銅
が銀中へ若干拡散し、酸化物超電導体中の銅が減少する
事から、銅の拡散を防ぐ為に、銀に少量の銅を添加した
銀合金を用いることが好ましい。
【0031】また交流での応用を想定した場合は、第1
の金属として、銅、アンチモン、錫、ゲルマニウム、ガ
リウム、インジウム、亜鉛、白金、パラジウムのうち少
なくとも1種を含んだ銀合金を用いるのが好ましい。こ
れらの添加合金は銀の電気抵抗率を増加させ、交流損失
を低減するのに効果的で、かつ合金テープ上に酸化物超
電導膜を形成した場合の超電導特性の低下に及ぼす影響
が小さい。その際の添加量は約5原子%以下が望まし
い。
【0032】銀、銀合金の結晶方位は圧延加工、熱処理
により特定の方位にそろえるのが望ましく、中でも( 1
10) 面、( 100) 面、( 420) 面にそろえた集合
組織が望ましい。このような結晶面を用いることによ
り、酸化物超電導膜の結晶配向性が向上し臨界電流密度
の向上が図れるからである。
【0033】また、金属テープ製作時の圧延加工のロー
ル表面は出来るだけ鏡面に近い方が好ましく、鏡面にす
る事により、臨界電流密度の高い酸化物超電導膜が形成
されやすい。
【0034】銀より引っ張り強度の高い金属としてはニ
ッケル、鉄、クロムの少なくとも1種の金属およびこれ
らの合金を用いるのが好ましい。これらの金属は銀と合
金化しにくいため、酸化物超電導体を成膜する際に合金
テープを加熱しても、銀との反応が少なく銀の作用を損
なわずかつ引っ張り強度向上の効果が大きい。またニッ
ケルの場合はアルミニウム、銅、クロム、マンガン、シ
リコン、アンチモン、亜鉛のうち少なくとも1種を添加
すると銀との接合強度が向上する。さらには、これらの
物質の添加により強磁性が低下し、強磁性に由来する交
流損失を低減するのにも有効である。
【0035】また、銀より引っ張り強度の高い金属とし
て、粉末合金を用いる事も出来る。これは銀より引っ張
り強度の高い金属を粉末とし、これと銀粉末を混合し加
圧、焼結、加工して棒状、或いは板状に成形したものと
する。粉末合金を用いた場合、粉末合金中に銀が含まれ
る為に、外部を被覆する銀、または銀合金とのなじみが
良く、より良好な接合強度が得られる。
【0036】このようにして得られた超電導線材は金属
テープと電気的に良好に接続されているため、クエンチ
等に対する安定性が優れている。また実際に超電導機器
を作製する場合は経時変化を低減するために酸化物超電
導線材の表面を金属あるいは有機材料で被覆し、また酸
化物超電導膜の形成されている面を内側にして巻線、コ
イル化すると安定した特性が得られる。
【0037】なお実施例では超電導膜の作製方法として
レーザーアブレーション法を例に上げて説明したが、他
のスパッタ法、蒸着法、CVD 法等の気相成膜法、液相エ
ピタキシャル法、一方向凝固法等の液相成膜法、ドクタ
ーブレード法、MOD 法等の固層成膜法等を用いても良
い。成膜は通常600℃以上の温度で行うが、必要に応
じて400〜500℃の低温で熱処理すると臨界電流密
度の向上に効果がある。
【0038】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の超電導線
材によれば、芯材と銀との接合強度が強く、実用に供し
うる十分な引っ張り強度と超電導特性を兼ね備えた酸化
物超電導線材が得られる。
【0039】さらに、本発明の超電導線材は金属基板上
に直接酸化物超電導体を成膜できるため生産性に優れた
超電導線材と言え、板厚が薄い為に、実効的な臨界電流
密度を大きく取る事も出来る。さらに、この線材をコイ
ルに巻く際超電導膜をコイルの内側に配置することによ
り、特性の低下や経時変化の少ない超電導装置が作製可
能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明における酸化物超電導線材の基本構成
を示す図
【図2】 本発明における酸化物超電導線材を用いた超
電導装置の基本構成を示す図
【符号の説明】
11・・・ 第2の金属 12・・・ 第1の金属 13・・・ 酸化物超電導膜 14・・・ 金属テープ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 5G321 AA01 AA05 AA07 BA03 CA04 CA18 CA21 CA24 CA27 CA28 CA48 DB12 DB33 DB38 DB39 DB41 DB47

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 銅、アンチモン、錫、ゲルマニウム、ガ
    リウム、インジウム、亜鉛、白金、パラジウムのうち少
    なくとも1種を含む銀合金から選択される第1の金属層
    と、前記第1の金属層に固着され、銀より引っ張り強度
    の大きい第2の金属層と、前記第1の金属層上に形成さ
    れた酸化物超電導体層とからなる事を特徴とする酸化物
    超電導線材。
  2. 【請求項2】 前記第2の金属層がニッケル、鉄、クロ
    ムから選択される金属から成る事を特徴とする請求項1
    記載の酸化物超電導線材。
  3. 【請求項3】 前記第2の金属層がニッケルを主成分と
    しアルミニウム、銅、クロム、マンガン、シリコン、ア
    ンチモン、亜鉛のうち少なくとも1種類の元素を含む合
    金から成る事を特徴とする請求項1記載の酸化物超電導
    線材。
  4. 【請求項4】 銅、アンチモン、錫、ゲルマニウム、ガ
    リウム、インジウム、亜鉛、白金、パラジウムのうち少
    なくとも1種を含む銀合金及び銀から選択される第1の
    金属層と、前記第1の金属層に固着され、銀より引っ張
    り強度の大きい第2の金属層と、前記第1の金属層上に
    形成された酸化物超電導体層とを具備し、前記第2の金
    属層はニッケル、鉄、クロム、及びニッケルを主成分と
    してアルミニウム、銅、クロム、マンガン、シリコン、
    アンチモン、亜鉛のうち少なくとも1種を含む合金から
    選ばれる少なくとも1種の粉末と銀粉末とから成る粉末
    合金である事を特徴とする酸化物超電導線材。
  5. 【請求項5】 前記第1の金属層の前記酸化物超電導体
    層は( 110) 面、または( 100) 面、または( 42
    0) 面が配向している事を特徴とする請求項1記載の酸
    化物超電導線材。
  6. 【請求項6】 銀から成る第1の金属層と、前記第1の
    金属層に固着され、銀より引っ張り強度の大きい第2の
    金属層と、前記第1の金属層上に形成された酸化物超電
    導体層とを具備し、前記第1の金属層の前記酸化物超電
    導体層は( 420) 面が配向している事を特徴とする酸
    化物超電導線材。
  7. 【請求項7】 前記第1の金属層は前記第2の金属層表
    面を被覆する事を特徴とする請求項1、2、3、4、
    5、または6記載の酸化物超電導線材。
  8. 【請求項8】 請求項1、2、3、4、5、6、または
    7記載の酸化物超電導線材をらせん状に形成して成り、
    前記酸化物超電導体層が前記らせんの内側に配され、且
    つ少なくとも前記酸化物超電導体層の表面が絶縁膜で被
    覆されている事を特徴とする超電導装置。
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