JP2000250199A - パターン板の製造方法およびパターン板 - Google Patents

パターン板の製造方法およびパターン板

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JP2000250199A
JP2000250199A JP4937999A JP4937999A JP2000250199A JP 2000250199 A JP2000250199 A JP 2000250199A JP 4937999 A JP4937999 A JP 4937999A JP 4937999 A JP4937999 A JP 4937999A JP 2000250199 A JP2000250199 A JP 2000250199A
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dry
emulsion layer
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Kouji Sawada
宏慈 沢田
Kotaro Segawa
浩太郎 瀬川
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Dainippon Screen Manufacturing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】パターンに欠陥が生じることがないパターン板
を製造するパターン板の製造方法およびパターン板を提
供する。 【解決手段】そこで本発明では、ガラス板11にパター
ン層12が形成されたマスターパターン板(MP板)1
と、ガラス板21に乳剤層22および透水性を有する第
1保護膜23が積層された乾板2とを真空密着させて、
MP板1の上方から光3を照射してMP板1のパターン
を乾板2に転写する。そして、乾板2を現像処理した
後、乾板2の第1保護膜23上に、第1保護膜23より
硬い第2保護膜24を形成してワーキングパターン板4
を製造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、金属薄板の主面に形成
されたフォトレジスト膜に所定のパターンを焼き付ける
ためのパターン板の製造方法およびパターン板に関し、
特にカラー受像管用のシャドウマスク、トリニトロン
(登録商標)管用等のアパーチャグリル、半導体素子用
のリードフレームなどをフォトエッチング法を用いて製
造する場合に用いられるパターン板の製造方法およびパ
ターン板に関する。
【0002】
【従来の技術】一般にシャドウマスクは、その長手方向
に搬送される長尺の金属薄板に、洗浄処理、フォトレジ
ストの塗布処理、焼付処理(露光処理)、現像処理、エ
ッチング処理などを施して金属薄板に多数の透孔を形成
した後、枚葉形態に切断されて製造される。
【0003】上記の焼付処理は、金属薄板の両主面に形
成されたフォトレジスト膜に、シャドウマスクに形成す
べき多数の透孔などに対応する所定のパターンを有する
ワーキングパターン板(以下、WP板と称す)をそれぞ
れ真空密着させるとともに、それぞれのWP板を介して
光を照射することにより、フォトレジスト膜に所定のパ
ターンを焼き付けるものである。
【0004】上記のWP板は、フォトプロッターなどに
より描画されたマスターパターン板(以下、MP板と称
す)の所定のパターンを真空密着焼付装置などを用いて
乾板に転写することにより製造される。
【0005】一般にWP板用の乾板は、ガラス板とガラ
ス板の表面上に形成されたゼラチンなどの感光性乳剤か
らなる乳剤層とから構成されている。また、MP板はガ
ラス板とガラス板の表面上に形成されたパターン層とか
ら構成されている。そして、MP板から乾板へのパター
ン転写時には、真空密着焼付装置などを用いて、MP板
のパターン層と乾板の乳剤層とが当接するようにMP板
と乾板とが真空密着された状態で、MP板を介して乾板
の乳剤層に光を照射することによって、乳剤層に所定の
パターンが転写される。この転写処理の後、乾板は現像
液により現像処理されて乾板の乳剤層に遮光部および透
光部を有する所定のパターンが形成されてWP板が完成
する。
【0006】しかしながら、乾板の乳剤層は比較的軟ら
かく、次のような問題が発生する。すなわち、乳剤層の
表面に付着した汚れや異物を拭いて取り除くときに乳剤
層に傷が付いたり、MP板と乾板とを真空密着させると
きにMP板と乳剤層との間に異物が挟まっていると乳剤
層に傷が付いて、転写されたパターンに欠陥が生じる。
【0007】また、金属薄板に形成されたフォトレジス
ト膜は乳剤層よりも硬く、このフォトレジスト膜に対し
てWP板の乳剤層の真空密着動作が数千回にわたり繰り
返されるので、乳剤層のパターンに欠陥が生じる。さら
に、フォトレジスト膜と乳剤層との間に異物が挟まって
いると真空密着時に乳剤層のパターンに欠陥が生じる。
【0008】上述のような乳剤層のパターンに欠陥が生
じるのを防止するために、パターンが転写される前の乾
板の乳剤層上に保護膜を形成する方法が考えられる。こ
の方法によって、MP板から乾板へのパターン転写時に
おけるパターン欠陥の発生を防止することができる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、乾板の
乳剤層上に形成される保護膜は、乾板の現像処理時に現
像液などの各種の処理液が乳剤層まで達するように透水
性を有する必要がある。このように透水性を有する保護
膜は、金属薄板に形成されたフォトレジスト膜よりも軟
らかいので、WP板と金属薄板とを密着させるときにW
P板の乳剤層に形成されたパターンに欠陥が生じるとい
う上述の問題を解決することができない。
【0010】本発明は、上述のような点に鑑み、MP板
からのパターン転写時およびフォトレジスト膜へのパタ
ーン焼付時において、パターンに欠陥が生じることがな
いパターン板(WP板)を製造する方法を提供すること
にある。
【0011】また、本発明の別の目的は、欠陥のないパ
ターンを有し、フォトレジスト膜へのパターン焼付動作
を繰り返してもそのパターンに欠陥が生じることがない
パターン板(WP板)を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】かかる課題を解決するた
めに、請求項1に係る発明は、金属薄板の主面に形成さ
れたフォトレジスト膜に真空密着して所定のパターンを
焼き付けるためのパターン板を製造する方法において、
透明な板体の上に所定のパターンを有するパターン層が
形成されたマスターパターン板を準備するマスターパタ
ーン板準備工程と、透明な板体の上に感光性を有する乳
剤層が形成され、当該乳剤層の上に透水性を有する第1
保護膜が形成された前記パターン板用の乾板を準備する
乾板準備工程と、マスターパターン板のパターン層と乾
板の第1保護膜とが対向するようにマスターパターン板
と乾板とを真空密着させるとともに、マスターパターン
板を介して乾板に光を照射してマスターパターン板が有
する所定のパターンを乾板の乳剤層に転写する転写工程
と、転写工程で所定のパターンが転写された乾板を現像
液により現像して、転写されたパターンに基づく遮光部
および透光部を乾板の乳剤層に形成する現像工程と、現
像された乾板の第1保護膜上に、第1保護膜より硬い第
2保護膜を形成する第2保護膜形成工程と、を含むこと
を特徴とする。
【0013】また、請求項2に係る発明は、上記の第2
保護膜形成工程で形成された第2保護膜の硬さが、鉛筆
硬度でFから9Hの範囲内であることを特徴とする。
【0014】さらに、請求項3に係る発明は、上記の第
2保護膜形成工程で形成された第2保護膜の硬さが、金
属薄板の主面に形成されたフォトレジスト膜の硬さと同
等またはそれ以上の硬さであることを特徴とする。
【0015】またさらに、請求項4に係る発明は、第2
保護膜形成工程において、マット剤が混入された第2保
護膜を第1保護膜上に形成することを特徴とする。
【0016】また、請求項5に係る発明は、上記のマス
ターパターン板準備工程が、パターン層の上に保護膜が
形成されるとともに、パターン層および保護膜の少なく
ともいずれか一方にマット剤が混入されたマスターパタ
ーン板を準備する工程であることを特徴とする。
【0017】さらに、請求項6に係る発明は、上記の乾
板準備工程が、乳剤層および第1保護膜の少なくともい
ずれか一方にマット剤が混入された乾板を準備する工程
であることを特徴とする。
【0018】またさらに、請求項7に係る発明は、上記
の転写工程において、真空密着するマスターパターン板
と乾板との一方の当接面が所定の粗さを有し、他方の当
接面が平滑であることを特徴とする。
【0019】請求項8に係る発明は、金属薄板の主面に
形成されたフォトレジスト膜に密着して所定のパターン
を焼き付けるためのパターン板において、透明な板体の
上に、所定の遮光部および透光部を有する乳剤層と、透
水性を有する第1保護膜と、該第1保護膜より硬い第2
保護膜とが積層されていることを特徴とする。
【0020】また、請求項9に係る発明は、上記の第2
保護膜の硬さが鉛筆硬度でFから9Hの範囲内であるこ
とを特徴とする。
【0021】さらに請求項10に係る発明は、上記の第
2保護膜の硬さが、金属薄板の主面に形成されたフォト
レジスト膜の硬さと同等またはそれ以上の硬さであるこ
とを特徴とする。
【0022】またさらに、請求項11に係る発明は、上
記の乳剤層、第1保護膜および第2保護膜の少なくとも
いずれか一つにマット剤が混入されていることを特徴と
する。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、この発明の好適な実施形態
について図面を参照しながら説明する。図1はこの発明
の第1実施形態を示し、シャドウマスクの製造における
焼付工程において金属薄板(シャドウマスク材)の主面
に形成されたフォトレジスト膜と真空密着するワーキン
グパターン板(WP板)の製造方法を示す模式図であ
る。
【0024】まず、図1の(c)に示すWP板4を製造
するためにマスターパターン板(MP板)1とWP板4
用の乾板2とを準備する。準備されるMP板1は図1の
(a)に示すように透明なガラス板11を有し、このガ
ラス板11の表面上(図1においては下方)にパターン
層12および保護膜13が積層されている。また、パタ
ーン層12にはMP板1に照射される光3を遮光する遮
光部12aと光3を透過する透光部12bとにより、シ
ャドウマスクに形成すべき多数の透孔に対応する所定の
パターンが形成されている。このパターンは図示しない
フォトプロッターにより直接描画されて形成されるか、
または、フォトプロッターにより他のパターン板に描画
されたパターンが転写されて形成されたものである。さ
らに、パターン層12には粒状の多数のマット剤14が
混入されている。このマット剤の混入によりパターン層
12の表面を粗くして、パターン層12の表面上に形成
される保護膜13の表面粗さを、例えば粗度単位(R
a)で0.05μmから0.15μmの範囲内とする。
【0025】上記のマット剤14や後述する各種のマッ
ト剤15,25,26,27の材料としては、二酸化珪
素、酸化マグネシウム、二酸化チタン、炭酸カルシウム
等の無機物質、あるいは、ポリメチルメタクリレート、
セルロースアセテート、シリコーン樹脂等の有機物質が
使用される。
【0026】また準備される乾板2は、図1の(a)に
示すように透明なガラス板21の表面上にハロゲン化銀
乳剤などの感光性を有する乳剤層22と透水性を有する
第1保護膜23が積層されている。第1保護膜23の表
面粗さは、例えば粗度単位(Ra)で約0.01μmで
あり、MP板1の保護膜13の表面よりも平滑である。
また、第1保護膜の硬さは例えば鉛筆硬度でBからHの
範囲内である。
【0027】次に、MP板1のパターン層12に形成さ
れたパターンを乾板2の乳剤層22に転写する方法につ
いて説明する。まず、図示しない真空密着焼付装置のテ
ーブル上にその第1保護膜23が上を向くように乾板2
を載置する。そして、乾板2の第1保護膜23とMP板
1のパターン層12とが対向するように、換言すれば第
1保護膜23と保護膜13とが当接するように、乾板2
上にMP板1を載置する(図1の(a)の状態)。次に
真空密着焼付装置の排気機構により、乾板2とMP板1
との間の空間から空気を排気して、乾板2とMP板1と
を真空密着させる。そして、MP板1の上方に配置され
た図示しない光源からMP板1に向けて光3を照射し
て、MP板1を介して乾板2に光3を照射する。MP板
1に照射された光3はMP板1の透光部12bを透過し
て乾板2の乳剤層22に達し、MP板1のパターン層1
2に形成されたパターンが乾板2の乳剤層22に転写さ
れる。最後にMP板1と乾板2との密着状態が解除さ
れ、乾板2は現像工程へと搬出される。上述の転写動作
を繰り返して、1枚のMP板1のパターンが複数の乾板
2に転写される。
【0028】上述の転写処理を終えた乾板2は、所定の
現像液などにより現像処理された後、水洗、乾燥され
て、図1の(b)に示すように乾板2の乳剤層22に遮
光部22aと透光部22bとが形成される。このとき乾
板2の第1保護膜23が透水性であるので、現像処理時
に使用される現像液、現像停止液、定着液などや水洗処
理時に使用される洗浄水などの各種の処理液が第1保護
膜23を透過し、現像液等の処理液を乳剤層22に十分
に供給することができて、正確な現像処理が可能とな
る。
【0029】そして、現像処理された乾板2の第1保護
膜23上に多数のマット剤25が混入されたコーチング
剤が塗布されて第2保護膜24が形成されWP板4が完
成する(図2の(c))。第2保護膜24の材料として
は、透明なシリコーン樹脂、アクリル樹脂、アミノアル
キド樹脂などや、金属アルコラートより形成されたアモ
ルファスの透明なガラス質などが使用される。
【0030】上記の第2保護膜24は第1保護膜23よ
り硬く、その硬さは例えば鉛筆硬度でFから9Hの範囲
内である。また、第2保護膜23の硬さは、金属薄板5
(図2)に形成されたフォトレジスト膜6の硬さと同等
またはそれ以上とするのが好ましい。さらに、マット剤
25の混入により第2保護膜23の表面粗さを、例えば
粗度単位(Ra)で約0.1μmとする。
【0031】上述のように製造されたWP板4は、図示
しないシャドウマスク製造ラインに設けられた両面密着
焼付装置に装填される。そして、図2に示すように2枚
のWP板4は金属薄板5の両主面に形成されたフォトレ
ジスト膜6とそれぞれのWP板4の第2保護膜24とが
当接させられた後、フォトレジスト膜6とWP板4の第
2保護膜との間の空間から空気が排気されて、金属薄板
5の両主面にそれぞれ真空密着される。次に、それぞれ
のWP板4を介して光7がフォトレジスト膜6に照射さ
れてWP板4のパターンがフォトレジスト膜6に焼き付
けられる。
【0032】上述の第1実施形態においては、図1の
(a)に示すようにMP板1のパターン層12にマット
剤14が混入されているが、その変形例として図3に示
すようにMP板1aの保護膜13にマット剤15を混入
させても良い。また、MP板1(1a)のパターン層1
2および保護膜13の両方にマット剤14,15を混入
させても良い。
【0033】次にこの発明の第2実施形態について図4
から図7を用いて説明する。第2実施形態において、M
P板ではなく乾板(WP板)にマット剤が混入されてい
る点が上述の第1実施形態と異なり、第1実施形態と同
じ符号を付したものは、第1実施形態と同じ部材を示し
ている。
【0034】具体的には、図4の(a)に示すように乾
板2bの乳剤層22にマット剤26が混入されて、第1
保護膜23の表面粗さは例えば粗度単位(Ra)で0.
05μmから0.15μmの範囲内とされる。一方、M
P板1bの保護膜13の表面粗さは、例えば粗度単位
(Ra)で約0.01μmであり、乾板2の第1保護膜
23の表面よりも平滑である。
【0035】そして、第1実施形態と同様に、MP板1
と乾板2とを真空密着させた状態で、MP板1bを介し
て光3が乾板2bに照射されて、MP板1bのパターン
が乾板2bに転写される(図4の(a))。次に、乾板
2bを現像処理して乾板2bの乳剤層22に遮光部22
aと透光部22bとを形成する(図4の(b))。最後
に乾板2bの第1保護膜23の表面にコーチング剤が塗
布されて第2保護膜24が形成され、WP板4bが完成
する(図4の(c))。図5に示すWP板4cのように
第2保護膜24にマット剤25を混入させても良い 。
【0036】また、図6に示すように第1保護膜23に
マット剤27を混入させても良い。この場合において
も、図4に示す第2実施形態と同様に乾板2dの第1保
護膜23の表面粗さは例えば粗度単位(Ra)で0.0
5μmから0.15μmの範囲内とされる。一方、MP
板1bの保護膜13の表面粗さは、例えば粗度単位(R
a)で約0.01μmであり、乾板2dの第1保護膜2
3の表面よりも平滑である。
【0037】そして、上述の各実施形態と同様に転写処
理(図6の(a))、現像処理(図6の(b))、第2
保護膜24の形成処理(図6の(c))が実行されてW
P板4dが完成する。図7に示すWP板4eのように第
2保護膜24にマット剤25を混入させても良い。
【0038】上述の各実施形態により製造されたWP板
4(4b,4c,4d,4e)の第2保護膜24は第1
保護膜23より硬い(例えば鉛筆硬度でFから9Hの範
囲内)ので、WP板4が金属薄板5に対して数千回にわ
たり繰り返されても、WP板4に形成されたパターン
(乳剤層22)に欠陥が発生しない。特に、第2保護膜
24の硬さが金属薄板5(シャドウマスク材)に形成さ
れたフォトレジスト膜6の硬さと同等またはそれ以上の
場合は、パターン欠陥の発生をより確実に防止できる。
【0039】また、上述の各実施形態によるWP板4
(図1の(c))、WP板4b(図4の(c))および
WP板4d(図6の(c))は、第2保護膜24、乳剤
層22および第1保護膜23のいずれか一つにのみ、マ
ット剤25,26,27が混入されている。このマット
剤の混入によりWP板4,4b,4dの表面粗さは、例
えば粗度単位(Ra)で約0.1μmとなる。このよう
にWP板4(4b、4d)の表面に所定の粗さ(凹凸)
が形成されているので、WP板4を金属薄板5に当接さ
せたときに、この当接面において所定の空間を確保する
ことができる。この空間を介してWP板4とフォトレジ
スト膜6との間の空気を迅速かつ均一に排気できるの
で、WP板4と金属薄板5とを真空密着させるために要
する時間を短縮することができる。
【0040】上述の各実施形態による粗度単位(Ra)
で約0.1μmの表面粗さを有するWP板4,4b,4
dと、比較例である粗度単位(Ra)で約0.01μm
の表面が平滑なWP板とについて、金属薄板に対して真
空密着するまでの時間を測定した。その結果は、WP板
4,4b,4dにおいてはそれぞれ約120秒であった
ので対し、比較例においては約300秒であった。ま
た、各実施形態によるマット剤が混入されたWP板は、
その全面にわたり均一な表面粗さが形成されているの
で、金属薄板に対してWP板を均一に真空密着すること
ができた。なお、WP板のサイズは、いずれもサイズ3
2インチ×40インチであった。
【0041】また、上述の各実施形態によるWP板4c
(図5)は、乳剤層22および第2保護膜24にマット
剤26,25がそれぞれ混入され、WP板4e(図7)
は、第1保護膜23および第2保護膜24にマット剤2
7,25がそれぞれ混入されている。これらのマット剤
の混入によりWP板4c,4eの表面粗さは粗度単位
(Ra)で例えば約0.13μmとなる。上述と同様に
WP板4c,4eを金属薄板に真空密着させるために要
する時間を測定したところそれぞれ約70秒であり、W
P板4,4b,4dよりも良好な結果が得られた。
【0042】上述のようにこの発明によるWP板は、マ
ット剤の混入によりその当接面が所定の表面粗さを有し
ているので、金属薄板に対して真空密着するまでの時間
を短縮することができて、生産性を向上できる。
【0043】マット剤を混入させる個所は上述の実施形
態に限定されず、例えばWP板の乳剤層22および第2
保護膜23の両方に混入させても良いし、乳剤層22、
第1保護膜23および第2保護膜24の全てに混入させ
ても良い。マット剤の混入個所等は、金属薄板に対して
WP板が真空密着するまでに要する時間と、フォトレジ
スト膜へのパターン焼付時におけるパターン(画像)の
劣化具合などに基づいて設定すれば良い。
【0044】また、図1の(a)、図3、図4の(a)
および図6の(a)に示すように、MP板1,1bおよ
び乾板2,2b,2dのいずれか一方にのみマット剤が
混入されている。その結果、MP板1と乾板2とが当接
する当接面の一方に所定の粗さ(凹凸)が形成され、他
方の当接面は平滑とされる。一方の当接面に形成された
粗さにより、MP板1と乾板2との当接面において所定
の空間を確保することができ、この空間を介してMP板
1と乾板2との間の空気を迅速かつ均一に排気できる。
その結果、MP板1と乾板2とを真空密着させるために
要する時間を短縮することができるとともに、乾板2へ
のパターンの転写が正確に行える。
【0045】上述の各実施形態のようにMP板および乾
板のいずれか一方にのみマット剤を混入させて、一方の
当接面の粗さを粗度単位(Ra)で0.05μmから
0.15μmの範囲内とし、他方は平滑(Raで0.0
1μm)なMP板および乾板と、比較例としてマット剤
が混入されていない平滑(Raで0.01μm)なMP
板および乾板について、MP板と乾板とを真空密着させ
るために要する時間をそれぞれ測定した。その結果は、
比較例の場合は約10分であったのに対し、各実施形態
による場合は1分から3分の範囲内であり比較例よりも
短時間で真空密着させることができた。また、各実施形
態によるマット剤が混入されたMP板または乾板の当接
面は、その全面にわたり均一な表面粗さが形成されてい
るので、MP板と乾板との真空密着状態を均一にするこ
とができた。なお、MP板および乾板のサイズは、いず
れもサイズ32×40インチであった。
【0046】上述のように各実施形態によるMP板から
乾板へのパターンの転写処理は、MP板および乾板のい
ずれか一方の当接面が所定の表面粗さを有しているの
で、MP板および乾板が真空密着するまでの時間を短縮
することができて、生産性を向上できる。
【0047】上述の時間短縮は、MP板1および乾板2
の両方の当接面に粗さを形成しても可能であるが、この
場合、一方の当接面にのみ粗さを形成する場合と比べて
乾板2に転写されるパターン(画像)の劣化が大きくな
るという問題が発生する。
【0048】
【発明の効果】以上詳細に説明した如く、請求項1に係
る発明によれば、転写工程で使用される乾板に第1保護
膜が形成されているので、マスターパターン板に対する
乾板の真空密着時に乾板の乳剤層が第1保護膜に保護さ
れて、乳剤層に転写されたパターンに欠陥が生じること
を防止できる。また、第1保護膜は透水性を有するので
現像工程で乾板の乳剤層に現像液などの各種の処理液を
十分に供給することができて、乳剤層を正確に現像処理
できる。さらに、パターン板(WP板)の表面(当接
面)には、上記の第1保護膜より硬い第2保護膜が形成
されている。その結果、金属薄板に対してパターン板を
真空密着させたときに、乾板の乳剤層が第2保護膜によ
り保護されて、パターンに欠陥が生じることを防止でき
る。
【0049】また請求項2または請求項9に係る発明に
よれば、第2保護膜の硬さが、鉛筆硬度でFから9Hの
範囲内であるので、上記のパターン欠陥の発生をより確
実に防止することができる。
【0050】さらに請求項3または請求項10に係る発
明によれば、第2保護膜の硬さが、金属薄板の主面に形
成されたフォトレジスト膜の硬さと同等またはそれ以上
の硬さであるので、上記のパターン欠陥の発生をより確
実に防止することができる。
【0051】またさらに、請求項4に係る発明によれ
ば、マット剤が混入された第2保護膜が第1保護膜上に
形成されるので、金属薄板に対するパターン板の当接面
に所定の表面粗さが形成できる。その結果、金属薄板に
対するパターン板の真空吸着を迅速かつ均一に実行する
ことができ、シャドウマスク等の製品の生産性を向上で
きる。
【0052】さらに請求項5に係る発明によれば、マス
ターパターン板のパターン層の上に保護膜が形成されて
いるので、転写工程でパターン層が保護膜に保護されて
パターン層のパターンに欠陥が発生することを防止でき
る。また、パターン層および保護膜の少なくともいずれ
か一方にマット剤が混入されているので、転写工程での
乾板に対するマスターパターン板の真空密着を迅速かつ
均一に実行することができ、パターン板(WP板)の生
産性が向上する。
【0053】また、請求項6に係る発明によれば、乾板
の乳剤層および第1保護膜の少なくともいずれか一方に
マット剤が混入されているので、転写工程でのマスター
パターン板に対する乾板の真空密着や、焼付工程での金
属薄板に対するWP板の真空密着を迅速かつ均一に実行
することができ、パターン板(WP板)やシャドウマス
ク等の製品の生産性が向上する。
【0054】さらに、請求項7に係る発明によれば、マ
スターパターン板および乾板の一方の当接面が所定の粗
さを有し、他方の当接面が平滑であるので、転写工程で
のマスターパターン板および乾板の真空密着を迅速かつ
均一に実行することができるとともに、乾板にパターン
を転写するときのパターン(画像)の劣化を少なくする
ことができる。
【0055】請求項8に係る発明によれば、金属薄板の
主面に形成されたフォトレジスト膜に密着して所定のパ
ターンを焼き付けるためのパターン板が、透明な板体の
上に、所定の遮光部および透光部を有する乳剤層と、透
水性を有する第1保護膜と、該第1保護膜より硬い第2
保護膜とが積層されて構成されている。その結果、マス
ターパターン板のパターンをパターン板(WP板)用の
乾板に転写するときに、乾板の乳剤層が第1保護膜に保
護されて、パターンの欠陥がないパターン板を得ること
ができる。また、金属薄板に対するパターン板の真空密
着時にパターン板の乳剤層が第2保護膜に保護されて、
乳剤層に形成されたパターンに欠陥が生じることを防止
できる。
【0056】さらに、請求項11に係る発明によれば、
パターン板の乳剤層、第1保護膜および第2保護膜の少
なくともいずれか一つにマット剤が混入されているの
で、パターン板の表面(当接面)に所定の粗さを形成で
きる。その結果、金属薄板に対するパターン板の真空吸
着を迅速かつ均一に実行することができ、シャドウマス
ク等の製品の生産性を向上できる。また、パターン板の
乳剤層および第1保護膜の少なくともいずれか一方にマ
ット剤が混入されている場合は、マスターパターン板と
パターン板(WP板)用の乾板とを真空密着させてマス
ターパターン板のパターンを乾板に転写するときに、上
記の真空密着を均一かつ短時間で行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1実施形態を示し、ワーキングパ
ターン(WP)板の製造方法を示す模式図である。
【図2】金属薄板に対してWP板を真空密着させて焼付
処理している状態を示す模式図である。
【図3】第1実施形態の変形例を示す模式図である。
【図4】この発明の第2実施形態を示す模式図である。
【図5】第2実施形態において、WP板の変形例を示す
模式図である。
【図6】第2実施形態の変形例を示す模式図である。
【図7】第2実施形態の変形例において、WP板の変形
例を示す模式図である。
【符号の説明】
1,1a,1b マスターパターン板(MP板) 2,2b,2d 乾板 3,7 光 4,4b,4c,4d,4e ワーキングパターン板
(WP板) 11,21 ガラス板 12 パターン層 12a,22a 遮光部 12b,22b 透光部 13 保護膜 14,15,25,26,27 マット剤 22 乳剤層 23 第1保護膜 24 第2保護膜

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】金属薄板の主面に形成されたフォトレジス
    ト膜に真空密着して所定のパターンを焼き付けるための
    パターン板を製造する方法において、 透明な板体の上に所定のパターンを有するパターン層が
    形成されたマスターパターン板を準備するマスターパタ
    ーン板準備工程と、 透明な板体の上に感光性を有する乳剤層が形成され、当
    該乳剤層の上に透水性を有する第1保護膜が形成された
    前記パターン板用の乾板を準備する乾板準備工程と、 マスターパターン板のパターン層と乾板の第1保護膜と
    が対向するようにマスターパターン板と乾板とを真空密
    着させるとともに、マスターパターン板を介して乾板に
    光を照射してマスターパターン板が有する所定のパター
    ンを乾板の乳剤層に転写する転写工程と、 転写工程で所定のパターンが転写された乾板を現像液に
    より現像して、転写された所定のパターンに基づく遮光
    部および透光部を乾板の乳剤層に形成する現像工程と、 現像された乾板の第1保護膜上に、第1保護膜より硬い
    第2保護膜を形成する第2保護膜形成工程と、を含むこ
    とを特徴とするパターン板の製造方法。
  2. 【請求項2】第2保護膜形成工程で形成された第2保護
    膜の硬さが、鉛筆硬度でFから9Hの範囲内であること
    を特徴とする請求項1に記載のパターン板の製造方法。
  3. 【請求項3】第2保護膜形成工程で形成された第2保護
    膜の硬さが、金属薄板の主面に形成されたフォトレジス
    ト膜の硬さと同等またはそれ以上の硬さであることを特
    徴とする請求項1または請求項2に記載のパターン板の
    製造方法。
  4. 【請求項4】第2保護膜形成工程において、マット剤が
    混入された第2保護膜を第1保護膜上に形成することを
    特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載のパ
    ターン板の製造方法。
  5. 【請求項5】マスターパターン板準備工程は、パターン
    層の上に保護膜が形成されるとともに、パターン層およ
    び保護膜の少なくともいずれか一方にマット剤が混入さ
    れたマスターパターン板を準備する工程であることを特
    徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載のパタ
    ーン板の製造方法。
  6. 【請求項6】乾板準備工程は、乳剤層および第1保護膜
    の少なくともいずれか一方にマット剤が混入された乾板
    を準備する工程であることを特徴とする請求項1から請
    求項5のいずれかに記載のパターン板の製造方法。
  7. 【請求項7】転写工程において、真空密着するマスター
    パターン板と乾板との一方の当接面が所定の粗さを有
    し、他方の当接面が平滑であることを特徴とする請求項
    1から請求項6のいずれかに記載のパターン板の製造方
    法。
  8. 【請求項8】金属薄板の主面に形成されたフォトレジス
    ト膜に真空密着して所定のパターンを焼き付けるための
    パターン板において、透明な板体の上に、所定の遮光部
    および透光部を有する乳剤層と、透水性を有する第1保
    護膜と、該第1保護膜より硬い第2保護膜とが積層され
    ていることを特徴とするパターン板。
  9. 【請求項9】第2保護膜の硬さが鉛筆硬度でFから9H
    の範囲内であることを特徴とする請求項8に記載のパタ
    ーン板。
  10. 【請求項10】第2保護膜の硬さが、金属薄板の主面に
    形成されたフォトレジスト膜の硬さと同等またはそれ以
    上の硬さであることを特徴とする請求項8または請求項
    9に記載のパターン板。
  11. 【請求項11】乳剤層、第1保護膜および第2保護膜の
    少なくともいずれか一つにマット剤が混入されているこ
    とを特徴とする請求項8から請求項10のいずれかに記
    載のパターン板。
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