JP2000247900A - 抗菌剤 - Google Patents

抗菌剤

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JP2000247900A
JP2000247900A JP11053309A JP5330999A JP2000247900A JP 2000247900 A JP2000247900 A JP 2000247900A JP 11053309 A JP11053309 A JP 11053309A JP 5330999 A JP5330999 A JP 5330999A JP 2000247900 A JP2000247900 A JP 2000247900A
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Tamotsu Shigehisa
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進 丸山
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 消化管内菌叢の健全なバランスを崩すこ
となく、歯周病菌、虫歯菌、化膿連鎖球菌などの口腔有
害細菌の増殖を抑制する抗菌剤を提供する。 【解決手段】 維管束植物の木部より抽出されるリグニ
ン、フェルラ酸、クマル酸及び/又はシナピン酸により
化学合成されるリグニン、コニフェリルアルコール、
クマルアルコール、シナピルアルコール、フェルラ酸、
クマル酸及び/又はシナピンは、消化管内では食物繊維
的に働き、分解吸収されず、口腔内疾患や連鎖球菌感染
症を予防する抗菌性を有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、虫歯、歯周病や連
鎖球菌などの口腔有害細菌の増殖を抑制するリグニン及
びその関連物質からなる抗菌剤に関する。より詳細に
は、本発明はヒト、伴侶動物、及び/又は産業用動物の
口腔有害細菌の増殖を抑制するリグニン及びその関連物
質からなる抗菌剤に関し、医薬品に配合し、あるいは医
薬部外品、化粧品、食品、ペットフード、飼料などに添
加して使用される抗菌剤に関する。
【0002】
【従来の技術】虫歯及び歯周病は2大口腔内疾患であ
る。虫歯及び歯周病の原因はいずれも口腔内細菌が引き
金となって発生することが近年の研究により明らかにさ
れている。
【0003】虫歯の原因菌であるストレプトコッカス・
ミュータンス(Streptococcusmutans)は飲食物中のス
クロースから粘着性のある多糖を合成する。その多糖中
では、ストレプトコッカス・ミュータンスをはじめ種々
の細菌(乳酸菌やグラム陰性菌)が繁殖し、遂に歯垢を
形成する。また、ストレプトコッカス・ミュータンスな
どの細菌は、種々の糖から乳酸などの有機酸を生成し、
歯垢中に滞留させるので、歯のエナメル質を侵し虫歯を
誘発する。従って、虫歯の発生を予防するためには、歯
垢形成の原因菌であるストレプトコッカス・ミュータン
スの増殖を抑制することが最も効果的な方法である。
【0004】歯周病は、口臭(悪臭)、歯肉の腫れ/痛
み/発熱、くしゃみ、鼻水を発生させ、更に悪化する
と、歯根膜疾患、歯肉のポケットの発生及び歯槽骨の減
損を生じ、歯の動揺/脱落を発生させる。歯周病は、歯
垢や歯石を放置しておくことにより発生する。歯石は、
歯垢にカルシウムやリンなどの無機質が沈着した石灰化
物で、歯の表面に極めて強固に付着している。また、歯
石は歯垢の増加因子と考えられており、歯垢の付着を増
進すると共に、歯垢の除去を困難にする。このように、
歯垢と歯石が大量に沈着し、その中でポルフィロモナス
・ジンジバリス(Porphyromonas gingivalis) やプレ
ボテラ・インターメディア(Prevotellaintermedia)な
どの歯周病菌が慢性的に増殖する時、歯周病が発生す
る。従って、歯周病の発生を予防するためには、歯周病
菌の増殖を抑制することが最も効果的な方法である。
【0005】連鎖球菌感染症は化膿連鎖球菌(Streptoc
occus pyrogenes)が咽頭に侵入し発育することにより
発症する真皮の瀰慢性炎症であり、乳幼児、高齢者、又
は抵抗力の低下した人に多くみられる疾患である。 特
定のバクテリオファージを持つ株は発赤毒素を生成し、
この毒素に感受性の人では皮膚に発疹が現れ猩紅熱(sc
arlet fever)と呼ばれる。菌がさらに広がると乳様突
起炎、腹膜炎、産褥熱、皮膚の蜂巣炎又は丹毒を引き起
こす疾患である。
【0006】犬、猫のような伴侶動物や、種豚、種牛、
種馬、農耕馬、使役用又は乗馬用の馬、競争馬などの役
畜として飼育される産業動物においても、虫歯、歯周病
などの口腔内疾患や連鎖球菌感染症は人と同様に問題と
なっており、特に伴侶動物の歯周病については、成犬、
成猫の約8割が歯周病に罹患しているといわれており
(獣医畜産新報48 (9), 734-739, 1995)、最悪の場合
には伴侶動物を致死させる。
【0007】ここで、上記のような口腔内疾患及び連鎖
球菌感染症に対する従来の治療法について、以下説明す
る。虫歯、歯周病などの口腔内疾患に対する治療用薬剤
としては、従来、人においては、クロールヘキシジンの
ような殺菌剤あるいは、各種の抗生物質が検討されてき
た(浜田茂幸「虫歯はどうしてできるか」125-133, 198
2)。また、伴侶動物に対する経口治療薬としては、塩
酸クリンダマイシンなどの抗生物質が用いられてきた。
【0008】しかし、これらでは必ずしも満足すべき結
果は得られなかった。即ち、クロールヘキシジンなどの
殺菌剤は毒性が強く、不快な苦味があり、かつ歯や口腔
粘膜が着色するという欠点があった。また、抗生物質や
殺菌剤の長期連用には不都合が多く、口腔内細菌を無差
別に死滅させて常在細菌の均衡を崩すために菌交代症な
どを引き起こした。また、薬剤が腸に到達した場合に
は、時に、腸内細菌叢の健全なバランスを崩すので、下
痢、食欲不振、不消化などの好ましからぬ影響を生じ
た。
【0009】一方、食品又は天然物由来の成分でかつ虫
歯及び歯周病などの口腔内疾患に効果を有する物として
カテキン類が知られている(特開平1-265010号
公報、特開平4-77424号公報など参照)。
【0010】しかし、緑茶由来カテキン類は高価なの
で、虫歯菌、歯周病菌の増殖阻害有効量のカテキン類を
食品、ペットフード、又は飼料に添加して安価に供給す
るのは困難であった。またカテキン類は特有の不快な苦
味を有し、人、伴侶動物、産業動物の嗜好性を低下させ
るので、虫歯菌、歯周病菌の増殖阻害有効量のカテキン
類を添加して嗜好性に優れる食品、ペットフード、飼料
を供給するのは困難であった。
【0011】さらに、カテキン類は食品中の蛋白質との
結合性が強いので、虫歯菌、歯周病菌の増殖阻害有効量
を添加した蛋白質性の食品、ペットフード、飼料を与え
ても、人、伴侶動物、産業動物の口腔内にカテキン類を
残留させ、抗菌活性を発揮させるのは困難であるという
問題もあった。又、カテキン類は水溶性なので、飲用水
に添加して与えても、飲み込まれてしまうので、人、伴
侶動物、産業動物の口腔内に残留させ、抗菌活性を持続
的に発揮させることは困難であった。
【0012】次に、連鎖球菌感染症の治療法としては、
ペニシリンの全身投与、局部への抗生物質の外用及び冷
湿布などが施されている。また、予防を目的とした医薬
品としては、殺菌剤であるポビドンヨードを含有したう
がい薬などがある。
【0013】しかし、これらの抗生物質や殺菌剤の使用
は、口腔内での菌交代症や腸内菌叢の健全なバランスを
崩すなどの不都合が生じる。特に、ペニシリン系抗生物
質の人への長期連用では、副作用として急性腎不全、間
質系腎炎などの重篤な腎障害が現れる場合があることが
知られており、ペニシリン投与については医療従事者に
慎重な取り扱いが求められている。又、伴侶動物又は産
業動物へのペニシリン系抗生物質の投与では、眼瞼浮
腫、陰部浮腫、葦麻疹、結膜充血などの副作用が現れる
場合もあることが知られている。
【0014】そして、うがいは連鎖球菌感染症の予防や
症状の軽減を図るために有効であるが、乳幼児、老人、
伴侶動物、産業動物などに首尾よくうがいさせることは
不可能又は困難である。さらに、ポビドンヨードの使用
では、アレルギー体質者などで、発赤、痒感、皮膚潰瘍
などの副作用が現れる場合もあることも知られており、
まれにアナフィラキシー(呼吸困難、潮紅)、ヨード疹
が現れることもある。
【0015】また、食品又は天然物由来の成分を有しか
つ連鎖球菌の増殖を有効に抑制する抗菌剤、あるいはこ
のような抗菌剤の添加された又は抗菌作用のある食品、
ペットフード、飼料などは従来知られていなかった。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、口腔内疾患
及び連鎖球菌感染症に対する従来の治療法における上記
のような問題点を解決することを目的とするものであ
り、人、伴侶動物、産業動物の虫歯、歯周病などの口腔
内疾患や連鎖球菌感染症の予防に有効な医薬品、医薬部
外品、化粧品、食品、ペットフード、飼料などに配合又
は添加されて使用される抗菌剤を安価に提供することを
目的とする。
【0017】その課題は、次のような特性を備えた抗菌
剤を実現する点である。 (1)虫歯、歯周病及び/又は連鎖球菌などの口腔有害
細菌の増殖を抑制し、感染防止、発症遅延、症状の軽減
化を可能とする、食品又は天然物由来の成分、同成分か
ら想定して合成可能な物質からなる。 (2)消化管内においては生理作用を全く発現しない
か、正常な腸内菌叢のバランスを崩さずかつ消化管内の
機能を促進し得る。 (3)口腔内で抗菌活性を持続的に発揮する。即ち、食
品、飼料などに抗菌剤が添加され、その食品、飼料など
及び/又はその残滓が口腔又は食道に滞留する間に、原
因菌の増殖を抑え、死滅させる。
【0018】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するための抗菌剤を長年鋭意探索してきた。その
結果、虫歯菌(Streptococcus mutans)、歯周病菌(Por
phyromonasgingivalis及び/又はPrevotella intermedi
a)、及び/又は化膿連鎖球菌(Streptococcus pyrogen
es)の増殖を抑制するものとして、次の抗菌剤を想到す
るに至った。 維管束植物の木部、子嚢菌類及び/又は担子菌類より
抽出されるリグニン。 フェルラ酸、クマル酸及びシナピン酸から選ばれた一
つ以上の物質から化学合成されるリグニン。 コニフェリルアルコール、 クマルアルコール、シナ
ピルアルコール、フェルラ酸、クマル酸及びシナピン酸
から選ばれる一つ以上のリグニン関連物質。
【0019】本発明の抗菌剤は、次の特徴を有してい
る。 (1)食品又は天然物由来の成分、及び/又は同成分の
関連化合物である。 (2)口腔有害細菌の増殖を抑制する物質である。 (3)消化管内では食物繊維的に働き分解吸収されな
い。 (4)分子内に疎水性骨格と親水基を同時に有する界面
活性剤的構造を持ち分散性にも優れている。
【0020】ここで、本発明の抗菌剤について、上記特
徴に沿って説明する。(1)についてみると、本発明に
係るリグニンは、維管束植物(シダ類及び種子植物な
ど)の木部、子嚢菌類及び/又は担子菌類に特に多量に
含有され、ヒドロキシフェニルプロパン単位(C6-C3)
を基本単位として重合した高分子物質である。細胞の成
熟に伴って細胞壁にリグニンが沈着し(木化、lignific
ationと呼ぶ)、木部組織が堅固になり、植物体を支持
することが可能となる。
【0021】リグニンの構成単位であるC6-C3化合物の
前駆体であるフェルラ酸、 クマル酸及びシナピン酸
は、フェニルアラニン及びチロシンより脱アミノ化、ヒ
ドロキシ化、O-メチル化を受け生じる。そして、これら
の前駆体は、例えば、フェルラ酸: CoAリガーゼ、NADPH
などによってコニフェリルアルコール、クマルアルコー
ル、シナピルアルコールに還元される。最終的な重合反
応は、いまだ解明されていないが、ペルオキシダーゼの
関与が考えられている。
【0022】針葉樹リグニンは主としてコニフェリルア
ルコールの重合体であり、広葉樹はこれにシナピルアル
コールが加わった共重合体である。リグニンの前駆体の
フェルラ酸、クマル酸及びシナピン酸はフェニルプロパ
ノイドに分類される。
【0023】このようなリグニンは、セルロース、ヘミ
セルロースとともに、木材の主要成分として、自然界に
最も豊富に存在する物質の一つである。しかし、パルプ
生産時に副生される蒸解溶出液を原料として生産される
リグニンスルホン酸が、主に工業用分散剤として利用さ
れているにすぎない未利用の天然資源である。本発明の
リグニンは維管束植物(シダ類及び種子植物など)の木
部(穀類のフスマ及び木質など)、子嚢菌類、担子菌類
から抽出することが可能である。
【0024】さらに、本発明のリグニンは、フェルラ
酸、クマル酸、シナピン酸より化学合成することが可能
である。また、本発明のコニフェリルアルコール、クマ
ルアルコール、シナピルアルコールはフェルラ酸、クマ
ル酸、シナピン酸より化学合成することが可能である。
【0025】次に(2)についてみると、本発明のリグ
ニンは、口腔有害細菌の増殖を抑制した。一方、本発明
のリグニンはエンテロバクター属細菌、大腸菌、プロテ
ウス属細菌、サルモネラ属細菌などの腸内細菌科細菌の
増殖には無作用であったので、腸内菌叢の健全なバラン
スの維持には特段の影響は及ぼさないと類推された。
【0026】次に、(3)についてみると、リグニンは
ヒドロキシフェニルプロパン単位(C6-C3)を基本単位
として重合した高分子物質であり、消化管内では食物繊
維的に働き、分解吸収されない。
【0027】次に、(4)についてみると、リグニンは
水溶液中で解離する高分子電解質であり、さらにヒドロ
キシフェニルプロパン単位(C6-C3)という大きな疎水
性骨格とカルボキシル基、フェノール性水酸基などの親
水基を同時に有する界面活性剤的構造から分散性にも優
れている。従って、うがい薬や、食品、ペットフードな
どを製造する際にも、加工特性に優れている。
【0028】
【発明の実施の形態】本発明に係る抗菌剤の実施の形態
を説明する。本発明の抗菌剤は、次のいずれの成分から
成るものでもよい。 維管束植物(シダ類及び種子植物など)の木部(穀類
のフスマ及び木質など)、子嚢菌類及び/又は担子菌類
より抽出されるリグニン クマル酸、フェルラ酸及びシナピン酸から選ばれた一
つ以上の物質から化学合成される物質 コニフェリルアルコール、クマルアルコール、シナピ
ルアルコール、クマル酸、フェルラ酸から選ばれた一つ
以上の物質
【0029】本発明に係るリグニンを維管束植物の木部
から抽出する場合について説明する。原料として使用さ
れる維管束植物とは、古生マツバラン類、ヒゲノカズラ
類、イワヒバ類、マツバラン類、トクサ類、シダ類、ソ
テツ類、イチョウ類、針葉樹類、マオウ類、被子植物類
を指し、それらの木部であればすべて用いることが出来
る。
【0030】子嚢菌類とは、子嚢を生ずる菌類の総称
で、チャワンタケ、アミガサタケなどがあり、また担子
菌類とは、担子器を生じる菌類であり、クロボキン、サ
ビキンなどの原生担子菌類、キクラゲ、シロキクラゲな
どの異型担子菌類、シイタケ、マツタケなどの真正担子
菌類がある。
【0031】被子植物類の中では、イネ、ライムギ、オ
オムギ、コムギ、エンバク、アワ、キビ、ヒエ、モロコ
シ、トウモロコシ、ハトムギなどの単子葉類イネ科の植
物の木部、即ちフスマは比較的多量に得ることが出来る
ので、これらを使用するのが好ましい。このフスマは収
穫直後のものを使用するのが好ましいが、冷凍及び常温
保存されたものを使用しても良い。また、土又はその他
の汚物が付着しているような場合には、水洗などにより
洗浄したのちに使用するのが好ましい。
【0032】本発明に係るリグニンを抽出するには、ま
ず、上記のフスマは脱脂処理に付される。脱脂処理の方
法、条件としては、脱脂できる方法、条件であれば特に
限定されないが、例えばアセトンを用いてフスマを浸
漬、撹拌した後、濾過してアセトンを除くことにより行
う。そして、前記の方法で脱脂されたフスマは、減圧乾
燥などにより乾燥処理される。
【0033】この脱脂フスマは、糖分解処理に付され
る。この処理は糖を分解除去するために行われる。処理
方法、条件としては、糖を分解できる条件であれば特に
限定されないが、例えば、Ca2+及びα-アミラーゼを添
加したリン酸緩衝液中に脱脂フスマを加え、30〜100℃
で30分以上処理することにより行う。好ましくは、70〜
90℃で1時間以上処理することにより行う。
【0034】この糖分解処理フスマは蛋白分解処理に付
される。この処理は蛋白を分解除去するために行われ
る。処理方法、条件としては、蛋白を分解できる条件で
あれば特に限定されないが、例えば、プロテアーゼを添
加した酢酸ナトリウム緩衝液に糖分解処理フスマを加
え、30〜90℃で1時間以上処理することにより行う。好
ましくは、40〜60℃で5時間以上処理することにより行
う。
【0035】このようにして酵素処理したフスマは、定
法によりアルカリ抽出処理に付される。この処理はリグ
ニンを抽出するために行われる。抽出条件としてはリグ
ニンが抽出される条件であれば特に限定されないが、例
えば、水酸化ナトリウム溶液に酵素処理フスマを加え、
20〜50℃で30分以上抽出処理することにより行う。好ま
しくは、30〜40℃で1時間以上処理することにより行
う。抽出されたリグニンは、酸沈殿させ、遠心により回
収される。かくして本発明の抗菌剤が得られる。また、
子嚢菌類や担子菌類のリグニンも上述の方法に準じて抽
出することができる。
【0036】被子植物類以外の維管束植物の中では、ス
ギ、マツなどの針葉樹類が木材として多量に生産されて
いるため、これらを用いるのが好ましい。本発明におい
ては、上記針葉樹類の木材チップは蒸煮処理に付され
る。この蒸煮処理は、リグニン抽出を主目的として行わ
れる。抽出条件としては、抽出できる条件であれば特に
限定されないが、一般に高温高圧下に蒸煮液で煮沸され
る。亜硫酸法の場合には、遊離の亜硫酸を含んだ重亜硫
酸カルシウム塩(又はマグネシウム塩)の溶液を蒸煮液
として用いる。
【0037】この蒸煮処理によって、木材中間層の主成
分であるリグニンはスルホン化され、水溶性のリグニン
スルホン酸塩となって溶出し、繊維細胞間の結合がくず
れ、主としてセルロースから成る繊維細胞がバラバラに
なってパルプ(サルファイトパルプ)として溶出され
る。この亜硫酸パルプ溶出液をアルカリ性高温加圧下で
反応させることにより、リグニンスルホン酸塩が得られ
る。かくして本発明の抗菌剤が得られる。
【0038】次に、本発明におけるフェルラ酸を化学合
成してフェルラ酸重合体としてリグニンを得る場合につ
いて説明する。重合体は下記の操作により得られる。ま
ず、フェルラ酸はペルオキシダーゼ処理に付される。こ
の処理はフェルラ酸を重合させるために行われる。重合
条件としてはフェルラ酸が重合される条件であれば特に
限定されないが、例えば、リン酸緩衝液中にフェルラ酸
及びペルオキシダーゼを添加し20〜60℃で30分以上反応
させることにより行う。好ましくは、20〜40℃で1時間
以上反応させることにより行う。ペルオキシダーゼ処理
されたフェルラ酸は、定法による脱塩処理、減圧乾燥に
付され、フェルラ酸重合体が得られる。かくして本発明
の抗菌剤が得られる。
【0039】
【実施例】以下、本発明に係る抗菌剤の実施例、及び食
品などに配合又は添加される抗菌剤の利用に係る実施例
を説明する。ただし、本発明は、このような実施例に限
定されるものでなく、特許請求の範囲の技術的事項の範
囲内でさらにいろいろな実施例があることは言うまでも
ない。
【0040】実施例1(小麦フスマからのリグニンの抽
出) P.B.Schwarz ら(Cereal Chem. 66巻、 289-295頁、198
9年)の方法に準じて、小麦フスマからアルカリリグニ
ンを抽出、精製した。即ち、小麦フスマ30gにアセトン
250mlを加え脱脂した。この操作を更に2回繰り返し、
減圧下でフスマを乾燥させた。この脱脂小麦フスマを、
フラスコに入れ、燐酸緩衝液(50mM、pH7.5)700ml 、C
a2+(50ppm)、α-アミラーゼ(Bacillus licheniformi
s由来、シグマ社製)300mgを添加し、攪拌しながら徐々
に加熱し温度を90℃まで上昇させた。そして燐酸緩衝液
(50mM、pH7.5)150mlを加え、85±5℃で1時間攪拌し
た。
【0041】その後、45℃の水浴に移し、プロテア−ゼ
(Streptomyces griseus由来、シグマ社製)62mgを添加
し、45℃で18時間攪拌した。反応後、8,000rpmにて遠心
分離し沈殿物を回収した。再度、沈殿物を水中に分散さ
せ、8,000rpmにて遠心分離し沈殿物を回収した。この洗
浄操作を更に2回繰り返した。洗浄された沈殿物に酢酸
ナトリウム緩衝液(50mM、pH4.5)900mlを加え、更にア
ミログルコシダーゼ(Rhizopus由来、シグマ社製)120m
gを添加し、45℃で20時間攪拌した。反応後、前記と同
様に洗浄し、沈殿物を得て減圧乾固した。
【0042】このように酵素処理した小麦フスマの全量
に1N水酸化ナトリウム450mlを加え、窒素ガス気流下
で、30℃、2時間攪拌した。そして、8,000rpmにて遠心
分離して不溶物を除去した。上澄液にpH1.0になるまで
濃塩酸を徐々に加えリグニンを沈殿させ、遠心分離して
リグニンを回収した。このリグニンにジオキサン70mlを
加え、2日間攪拌することによりジオキサン中にリグニ
ンを溶解させた。12,000rpmの遠心分離により不溶物を
除去し、上澄液をロータリーエバポレーターにより10ml
に濃縮した。この液を1M酢酸120mlに滴下し沈殿物を得
た。沈殿物を減圧下で乾燥させ、酢酸及び水を除去し
た。得られた精製リグニンはおよそ100mgの褐色粉末で
あった。この粉末はフーリエ変換赤外分光法による測定
の結果からリグニンの構造を有していることが確認され
た。
【0043】実施例2(シイタケからのリグニンの抽
出) 乾燥シイタケ30gから、実施例1と同様に操作して約100
mgの精製リグニン粉末を得た。この粉末は、フーリエ変
換赤外分光法による測定の結果からリグニンの構造を有
していることが確認された。
【0044】実施例3(スギからのリグニンの抽出) 針葉樹類であるスギの木部から、リグニンを下記のよう
に抽出した。スギ木材のチップを120℃、2〜5時間、1.2
気圧にて、重亜硫酸カルシウム塩(又はマグネシウム
塩)溶液中で煮沸した。この亜硫酸パルプ溶出液をpH8
〜10に調整し、120℃、2〜5時間、1.2気圧で反応させ
た。沈殿物を回収し、減圧下で乾燥させリグニンスルホ
ン酸塩を得た。この粉末はフーリエ変換赤外分光法によ
る測定の結果からリグニンの構造を有していることが確
認された。
【0045】実施例4(フェルラ酸重合体の合成法) 以下のA、B、Cの3種類の溶液を調製した。 A液:フェルラ酸1g/50mMリン酸緩衝液(pH8.0)200ml B液:西洋ワサビペルオキシダーゼ10mg/50mMリン酸緩
衝液(pH8.0)200ml C液:0.1%H2O2、50mMリン酸緩衝液(pH8.0)175ml
【0046】A、B両液を混合し、撹拌しつつ25℃に保
った。これにC液を2時間かけて滴下した。C液全量の
滴下終了後、さらに25℃で1時間撹拌を続けた。これ
に、pH3になるまで酢酸を加え、氷浴中で1時間冷却し
た。これを4℃、8,000g、20分間遠心分離して沈殿を回
収し、希塩酸(pH2)に懸濁し、再度遠心分離した。同様
の操作を繰り返した後沈殿を回収し、メタノール80mlに
溶解した。溶液を濾過し、濾液を希塩酸(pH2)1,000ml中
に滴下し、氷浴中で1時間冷却した。これを4℃、8,000
gにて20分間遠心分離し、得られた沈殿を水に溶解し、p
Hを7付近に合わせた。これを限外濾過(分画分子量1
万)して脱塩し、減圧乾燥した。以上により褐色の粉末
130mgを得た。この粉末はフーリエ変換赤外分光法及び
核磁気共鳴分光法による測定の結果からリグニン様の構
造を有する重合体であることを確認した。
【0047】実施例5(クマル酸重合体の合成法) 下記溶液を供した以外は実施例4と同様に操作して、褐
色の粉末130mgを得た。 A液:クマル酸1g/50mMリン酸緩衝液(pH8.0)200ml C液:0.1%H2O2、50mMリン酸緩衝液(pH8.0) 207ml この粉末はフーリエ変換赤外分光法及び核磁気共鳴分光
法による測定の結果からリグニン様の構造を有する重合
体であることを確認した。
【0048】実施例6(シナピン酸重合体の合成法) 下記溶液を供した以外は実施例4と同様に操作して、褐
色の粉末130mgを得た。 A液:シナピン酸1g/50mMリン酸緩衝液(pH8.0)200ml C液:0.1%H2O2、50mMリン酸緩衝液(pH8.0)207ml この粉末はフーリエ変換赤外分光法及び核磁気共鳴分光
法による測定の結果からリグニン様の構造を有する重合
体であることを確認した。
【0049】実施例7(チューインガムへの利用) 植物性樹脂(20.2部)、酢酸ビニル樹脂(29.3部)、エ
ステルガム(40.5部)をニーダーにより充分に練り合わ
せガムベースを作製し、さらに、砂糖(3.0部)、ブド
ウ糖(2.5部)、コーンシロップ(2.5部)、香料(1.0
部)を添加した。更に実施例1で製造した本発明の抗菌
剤を1.0%の割合で配合し、ミキサーで均一に混練し
た。エクストルーダーにより更に良く混練し、板状に押
し出した。クーリングトンネルにより冷却し、圧延ロー
ルにより圧延、切断ロールにより切断し、チューインガ
ムを製造した。
【0050】実施例8(うがい薬への利用) 水(94.0部)に、湿潤剤として濃グリセリン(2.0
部)、プロピレングリコール(1.0部)、可溶化剤とし
てモノラウリン酸ポリオキシエチレンソルビタン(1.0
部)、pH調製剤としてクエン酸(0.5部)、保存料・香
料(0.5部)を加え、更に、実施例2で調製した本発明
の抗菌剤を1.0%の割合で配合し、うがい薬を製造し
た。
【0051】実施例9(練りハミガキへの利用) 水(33.29部)に、湿潤剤としてグリセリン(20.0
部)、粘結剤としてカルボキシメチルセルロースナトリ
ウム(0.5部)香味剤としてペパーミント油(1.0部)、
甘味剤としてサッカリン(1.0部)、保存料としてパラ
オキシ安息香酸ブチル(0.01部)及び実施例3で調整し
た本発明の抗菌剤を1.0%の割合で配合し、混合撹拌機に
より混練し予備液を作製した。この予備液に研磨剤とし
てピロリン酸カルシウム(42.0部)、発泡剤としてラウ
リル硫酸ナトリウム(1.2部)を加え、粗ペーストを調
整した。この粗ペーストをスピードラインミルにより混
合し、脱泡後、テユーブ充填し、練りハミガキを製造し
た。
【0052】実施例10(犬用ペットフードへの利用) 食肉原料(豚肉、鶏肉、牛肉よりなる群の1種類又は2
種類以上の組み合わせ;練り上がり原料混合物100重量
部当り40.2部)と豚背脂肪(2.5部)を合わせ、肉挽き
機又はサイレントカッターにより、直径10mm以下程度の
肉塊に細砕し、これに氷(19.0部)、植物蛋白質(32.3
部)、骨粉(2.7部)、食塩(0.4部)、重合リン酸塩
(0.2部)及び糖類・調味料(2.2部)を加え、更に実施
例4で調製した本発明の抗菌剤0.5%の割合で配合した練
り肉を調製した。次いで、これを充填成形機によりステ
ィック状に成形し、加熱乾燥後、約3cmにカットし、犬
用ペットフードを製造した。
【0053】実施例11(猫用ペットフードへの利用) 食肉原料(豚肉、鶏肉、牛肉よりなる群の1種類又は2
種類以上の組み合わせ;練り上がり原料混合物100重量
部当り38.2部)と豚背脂肪(2.0部)を合わせ、肉挽き
機又はサイレントカッターにより、直径10mm以下程度の
肉塊に細砕し、これに氷(17.3部)、植物蛋白質(32.3
部)、骨粉(2.2部)、食塩(0.4部)、重合リン酸塩
(0.2部)及び糖類・調味料(6.9部)を加え、更に実施
例5で調製した本発明品の抗菌剤を0.5%の割合で配合し
た練り肉を調製した。次いで、これを充填成形機により
スティック状に成形し、加熱乾燥後、約3cmにカット
し、猫用ペットフードを製造した。
【0054】実施例12(養豚用飼料への利用) トウモロコシ(52.1部)、こうりゃん(16.9部)、小麦
(0.6部)、大裸麦(0.7部)、小麦粉(1.0部)、ライ
麦(2.2部)、ふすま(1.1部)、米ぬか(0.4部)、米
ぬか油かす(0.7部)、アルファルファミール(0.5
部)、大豆油かす(14.1部)、菜種油かす(3.6部)、
魚粉(1.3部)、脱脂粉乳(0.4部)、肉骨粉(1.5
部)、油脂(1.3部)、糖みつ(0.6部)をミキサーによ
り混合し、更に実施例6で調製した本発明品を1.0%の割
合で配合した養豚用飼料を製造した。
【0055】 試験例本発明の抗菌剤の虫歯菌、歯周病菌、化膿連鎖球
菌などに対する増殖抑制効果を調べるために、次に示す
試験方法(供試試料、供試菌株、使用培地、試験法)に
より試験を行った。 (1)供試試料 実施例1、2、3、4、5、6で作製した小麦から抽出
した小麦フスマ由来リグニン、シイタケから抽出したシ
イタケ由来リグニン、スギから抽出した木質系リグニ
ン、フェルラ酸重合体、クマル酸重合体、シナピン酸重
合体、コニフェリルアルコール、クマルアルコール、シ
ナピルアルコール、フェルラ酸、クマル酸、及びシナピ
ン酸。 (2)供試菌株 虫歯菌(Streptococcus mutans, JCM5705)、歯周病菌
(Porphyromonasgingivalis, JCM8525; Prevotella int
ermedia, JCM6322)、化膿連鎖球菌(Streptococcus py
rogenes, A群β溶連菌, ATCC19615)、霊菌(Serratiam
arcescens, ATCC8100)、表皮ブドウ球菌(Staphylococ
cus epidermidis, ATCC12228)、エンテロバクター属細
菌(Enterobacter cloacae, ATCC23355 )、大腸菌(Es
cherichia coli, ATCC25922; Klebsiella pneumoniae,
ATCC13883)、プロテウス属細菌(Proteus vulgaris, A
TCC13315)、サルモネラ属細菌(Salmonella typhimuri
um, ATCC14028)。 (3)使用培地 前記虫歯菌、歯周病菌、化膿連鎖球菌の3菌株について
は、菌株復元用培地として変法GAMブイヨン(日水製薬
(株))、試験用培地としてGM加GAM寒天培地(日水製
薬(株))を使用した。その他の菌株については、菌株
復元用培地としてBHIブイヨン(BBL)、試験用培地とし
てBHI寒天培地(BBL)を使用した。 (4)試験法 各供試菌を復元用培地にて前培養し、それぞれの培養液
100μlを試験用培地に塗布した。各供試試料を含浸さ
せたペーパーディスクを静置し、緑茶由来カテキン又は
塩酸クリンダマイシン(犬用歯周病経口治療薬)を対照
薬剤として、虫歯菌、歯周病菌については嫌気的に、化
膿連鎖球菌、霊菌、表皮ブドウ球菌、エンテロバクター
属細菌、大腸菌群細菌、プロテウス属細菌、サルモネラ
属細菌については好気的に、35℃、3日間培養した。ペ
ーパーディスク周辺の阻止円により抗菌活性を評価し
た。
【0056】試験結果 上記結果を表1に示す。
【0057】
【表1】
【0058】表1の結果から下記のことが明らかとなっ
た。 (1)小麦フスマ由来、木質系リグニン、フェルラ酸重
合体、クマル酸重合体、シナピン酸重合体、コニフェリ
ルアルコール、クマルアルコール、シナピルアルコー
ル、フェルラ酸、クマル酸、及びシナピン酸は、虫歯菌
(Streptococcusmutans)、歯周病菌(Porphyromonas g
ingivalis, Prevotella intermedia)、化膿連鎖球菌
(Streptococcus pyrogenes, A群β溶連菌)、霊菌(Se
rratiamarcescens)、表皮ブドウ球菌( Staphylococcu
s epidermidis )の増殖を抑制した。 (2)エンテロバクター属細菌(Enterobacter cloaca
e)、大腸菌(Escherichia coli, Klebsiella pneumoni
ae)、プロテウス属細菌(Proteusvulgaris)、サルモ
ネラ属細菌(Salmonella typhimurium)などの腸内細菌
科細菌に対しては顕著な抑制は認められなかったが、増
殖の促進も認められず、無作用であると判定された。
【0059】上記物質の細菌への抗菌活性メカニズムは
明らかではないが、本発明の抗菌剤は、これらがヒドロ
キシフェニルプロパン単位(C6-C3)という大きな疎水
性骨格を持ちながら、フェノール性水酸基などの親水基
を同時に多数有するという特徴的な構造により、強力に
細菌に吸着し、それらの増殖を抑制するものと考えられ
る。また、水溶液中で解離する高分子電解質であり分散
性にも優れるため、生体内でより効果的であると考えら
れる。
【0060】
【発明の効果】本発明の抗菌剤は下記の効果を奏する。 (1)本発明の抗菌剤は、消化管内菌叢の健全なバラン
スを崩すことなく、有害菌、例えば、歯周病菌(Porphy
romonas gingivalis, Prevotella intermedia)、虫歯
菌(Streptococcus mutans)、化膿連鎖球菌(Streptoc
occus pyrogenes,A群β溶連菌)などに対して、特異的
に増殖抑制効果を有し、人や、犬、猫などの伴侶動物、
牛、豚、馬などの産業動物における虫歯、歯周病などの
口腔内疾患や連鎖球菌感染症を予防することができる。
【0061】(2)本発明の抗菌剤は、ヒドロキシフェ
ニルプロパン単位(C6-C3)を基本単位として重合した
高分子物質であり、消化管内では食物繊維的に働き、分
解吸収されない。さらに本発明の抗菌剤は、水溶液中で
解離する高分子電解質であり、ヒドロキシフェニルプロ
パン単位(C6-C3)という大きな疎水性骨格とカルボキ
シル基、フェノール性水酸基などの親水基を同時に有す
る界面活性剤的構造から分散性にも優れ、うがい薬や、
食品、ペットフードなどを製造する際に、加工特性に優
れる。
【0062】(3)本発明の抗菌剤は、自然界に豊富に
存在する維管束植物の木部より安価に生産することが可
能である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A23L 1/28 A23L 1/28 Z 4C088 1/30 1/30 B 4C206 Z 4H055 A61K 7/16 A61K 7/16 7/26 7/26 31/00 601 31/00 601B 631 631C 31/05 31/05 31/19 602 31/19 602 31/765 31/765 35/84 35/84 A // A23G 3/30 A23G 3/30 C07G 1/00 C07G 1/00 (72)発明者 高畑 能久 茨城県つくば市緑ヶ原3丁目3番 日本ハ ム株式会社中央研究所内 (72)発明者 重久 保 茨城県つくば市緑ヶ原3丁目3番 日本ハ ム株式会社中央研究所内 (72)発明者 丸山 進 茨城県つくば市東1丁目1番3 工業技術 院生命工学工業技術研究所内 (72)発明者 市村 年昭 茨城県つくば市東1丁目1番3 工業技術 院生命工学工業技術研究所内 Fターム(参考) 2B150 AA01 AA03 AA06 AB10 DA06 DA32 DD11 DD21 DD31 DD57 4B014 GB13 GK12 GL03 4B018 LB00 LB01 MD07 MD48 MD82 ME09 MF01 MF10 4C083 AA111 AA112 AA122 AB292 AC122 AC482 AC782 AC862 AD091 AD272 CC41 DD22 EE32 EE33 4C086 AA01 AA02 FA02 MA01 MA04 MA57 NA14 ZA67 ZB35 4C088 AA01 AA02 AA18 AB01 AB11 BA19 MA57 NA14 ZA67 ZB35 4C206 AA01 AA02 CA20 DB20 MA01 MA04 MA77 NA14 ZA67 ZB35 4H055 AA03 AB29 AC50 AC60 AD15 AD21 AD50 BA01 CA40 CA45 CA60

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 虫歯菌(Streptococcus mutans)、歯周
    病菌(Porphyromonasgingivalis及び/又はPrevotella
    intermedia)、及び/又は化膿連鎖球菌(Streptococcu
    s pyrogenes)の増殖を抑制する抗菌剤であって、 維管束植物の木部、子嚢菌類及び/又は担子菌類より抽
    出されるリグニンから成ることを特徴とする抗菌剤。
  2. 【請求項2】 虫歯菌(Streptococcus mutans)、歯周
    病菌(Porphyromonasgingivalis及び/又はPrevotella
    intermedia)、及び/又は化膿連鎖球菌(Streptococcu
    s pyrogenes)の増殖を抑制する抗菌剤であって、 フェルラ酸、クマル酸及びシナピン酸から選ばれた一つ
    以上の物質により化学合成されるリグニンから成ること
    を特徴とする抗菌剤。
  3. 【請求項3】 虫歯菌(Streptococcus mutans)、歯周
    病菌(Porphyromonasgingivalis及び/又はPrevotella
    intermedia)、及び/又は化膿連鎖球菌(Streptococcu
    s pyrogenes)の増殖を抑制する抗菌剤であって、 コニフェリルアルコール、クマルアルコール、シナピル
    アルコール、フェルラ酸、クマル酸及びシナピン酸から
    選ばれた一つ以上の物質により成ることを特徴とする抗
    菌剤。
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