JP2000246451A - 酸化物被覆フィラメントの溶接機 - Google Patents

酸化物被覆フィラメントの溶接機

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JP2000246451A
JP2000246451A JP11056473A JP5647399A JP2000246451A JP 2000246451 A JP2000246451 A JP 2000246451A JP 11056473 A JP11056473 A JP 11056473A JP 5647399 A JP5647399 A JP 5647399A JP 2000246451 A JP2000246451 A JP 2000246451A
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JP
Japan
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welding
filament
round wire
cutter
wire tip
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English (en)
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Yasuhiro Asahi
康博 朝日
Tetsuo Nakamura
哲郎 中村
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Noritake Co Ltd
Noritake Electronics Ltd
Original Assignee
Noritake Co Ltd
Noritake Electronics Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】酸化物で被覆されたフィラメントを溶接面に効
率よく溶接し得る溶接機を提供する。 【解決手段】丸線チップ送出装置およびカッタ108に
よって溶接面236上でフィラメント66と交差するよ
うに円形断面の丸線チップ116が供給されると共に、
その丸線チップ116がそのフィラメント66との交点
において上側電極216と溶接治具24の受け面との間
で溶接面236に向かって押圧され且つ通電されること
で抵抗溶接によりフィラメント66が溶接面236に固
着される。カッタ108は、丸線チップ116を溶接面
236の近傍で切断するものであるため、その先端面1
38から丸線チップ116を順次送り出し且つ溶接後に
切断することが可能である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】本発明は、外周面が酸化物で被覆されたフ
ィラメントを溶接面に効率よく溶接するための溶接機に
関する。
【0002】
【従来の技術】基板の表示面に複数個の蛍光体層を備
え、真空空間内においてその上方に架設されたフィラメ
ントから発生させられた電子を、それら蛍光体層とフィ
ラメントとの間に設けられたグリッド電極で制御して蛍
光体層を選択的に発光させる形式の蛍光表示管(Vacuum
Fluorescent Display:VFD)が知られている。この
ような蛍光表示管は、フィラメントから発生した電子が
衝突させられる蛍光体層の表面が表示側に位置するため
に動作電圧が低く鮮明に表示されると共に、相互に発光
色の異なる複数種類の蛍光体を用意することによりカラ
ー表示が可能となる等の特徴がある。そのため、音響機
器や自動車或いは航空機の表示パネル等の表示部品とし
て多用されている。
【0003】上記のフィラメントは、例えばタングステ
ン(W )等で構成される直径数 (μm)〜数十 (μm)程度
の芯線の表面に、バリウム(Ba)、ストロンチウム(S
r)、およびカルシウム(Ca)の酸化物被膜[(Ba,Sr,C
a)O ]を設けたものである。フィラメントの電子放出機
能は、この酸化物被膜によって付与されている。このよ
うなフィラメントは、例えば、基板上に立設されたアン
カおよびサポートの上端部にそれぞれ備えられる溶接面
にその両端部が溶接により固定されることで所定の高さ
位置に支持されている。アンカは板バネ構造を有してフ
ィラメントに張力を付与するものであって、フィラメン
トが発熱により線膨張させられる駆動時においてもその
膨張によって弛みが生じることを抑制する。通常、フィ
ラメントの一端はサポートによって非弾性的に支持され
ているが、必要に応じて両端がアンカで弾性的に支持さ
れる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、VFDを製
造するに際してアンカやサポートの溶接面へのフィラメ
ントの固着は、フィラメント溶接機を用いて例えば以下
のようにして行われる。先ず、アンカやサポートを備え
たフレーム部品を治具に載せて溶接機の所定位置に配置
する。フレーム部品は、アンカやサポートを備えたフィ
ラメント支持フレームと、VFDの表示面に備えられる
複数個の電極に電圧を印加するための電極端子等とが一
体的に構成されたものである。また、上記の治具は溶接
時に下側電極(第2電極)として機能するものであっ
て、溶接面は裏面側からこの治具によって支持される。
次いで、フィラメント・チャックがフィラメントをその
溶接面上まで引張り、チップ供給装置が所定の大きさの
「平チップ」と称される金属薄板をフィラメントの上に
載せる。この平チップは予め溶接面の大きさに合わせて
矩形に切断加工されている。そして、このように溶接面
と平チップとの間でフィラメントを挟んだ状態で、溶接
ヘッドに備えられる上側電極(第1電極)によって平チ
ップを溶接面に向かって押圧すると共に、その上側電極
と治具との間に平チップおよびフィラメントを通る経路
で溶接電流が流される。これにより、平チップが熔融さ
せられ、抵抗溶接によりフィラメントが溶接面に固着さ
れることとなる。
【0005】しかしながら、上記の溶接機を用いて複数
本のフィラメントを順次溶接する場合には、フィラメン
トを一本を溶接する毎に、複数枚の平チップが用意され
たステージと溶接面との間をチップ供給装置が往復し
て、そのステージから溶接面まで平チップが搬送され
る。そのため、平チップを一枚ずつ搬送するその往復移
動が必要であることに起因して溶接ヘッドの待ち時間が
長くなって、溶接機の作動が非効率的になるという問題
があった。しかも、前述のようにフィラメントには酸化
物被膜が施されているため、その外周面は電気絶縁性を
有している。したがって、溶接電流の通電経路がその酸
化物被膜で遮断されることから、フィラメントを溶接面
上まで引張った後に、溶接に先立って酸化物被膜を剥が
す処理が必要となるため、溶接効率は一層低下させられ
ていた。
【0006】本発明は、以上の事情を背景として為され
たものであって、その目的は、酸化物で被覆されたフィ
ラメントを溶接面に効率よく溶接し得る溶接機を提供す
ることにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】斯かる目的を達成するた
め、本発明の要旨とするところは、外周面が酸化物で被
覆されたフィラメントを所定の溶接面に溶接によって固
定するための溶接機であって、(a) 下面が凸形状の横断
面を有する金属線を先端から所定量ずつ順次送り出して
前記溶接面上において前記フィラメントと交差するよう
にそのフィラメント上に供給するための金属線供給装置
と、(b) 前記金属線を前記フィラメントとの交点で前記
溶接面に向かって押圧する第1電極と、(c) 前記溶接面
を下側から支持すると共に、前記金属線、前記フィラメ
ント、およびその溶接面を通る経路で前記第1電極との
間に溶接電流を流すための第2電極として機能する受け
部材と、(d) 前記金属線を前記溶接面の近傍において切
断するための切断装置とを、含むことにある。
【0008】
【発明の効果】このようにすれば、下面が凸形状断面の
金属線が溶接面上でフィラメントと交差するように金属
線供給装置によって供給されると共に、その金属線はそ
のフィラメントとの交点において第1電極と溶接面を受
ける受け部材との間でその溶接面に向かって押圧され
る。そのため、その凸断面の金属線とフィラメントとは
略点接触させられ、第1電極によって押圧された際には
フィラメントに局部的に大きな押圧力が作用することか
ら、そのフィラメントの外周面を覆う酸化物被膜は単に
第1電極で押圧するだけで、その点接触させられている
部分が破壊され剥離する。したがって、酸化物被膜の除
去処理を行わなくとも、第1電極と受け部材との間には
金属線、フィラメント、および溶接面を通る経路で通電
経路が確保されるため、それら第1電極と受け部材との
間に溶接電流を流すことによって金属線を熔融させてフ
ィラメントを抵抗溶接により溶接面に固着できる。ま
た、溶接機には金属線を溶接面の近傍で切断するための
切断装置が備えられているため、金属線供給装置の先端
から金属線を順次送り出し且つ溶接後に切断することが
可能である。そのため、従来のように予め所定の大きさ
に切断した平チップを一つずつ溶接面まで搬送する必要
がないため、その搬送のための待ち時間がなくなる。上
記により、フィラメントを溶接面上に位置させれば直ち
に溶接処理を施すことが可能となるため、酸化物で被覆
されたフィラメントの溶接効率が高められる。
【0009】
【発明の他の態様】ここで、好適には、前記の溶接機
は、複数箇所に前記溶接面を備えるワークに対して、前
記金属線供給装置、前記第1電極、および前記切断装置
をそれら複数箇所の溶接面の各々にフィラメントを溶接
により固定するための位置に順次相対移動させる溶接位
置移動装置を備えたものである。このようにすれば、溶
接位置移動装置によって金属線供給装置や第1電極等が
ワークに対して順次相対移動させられて複数の溶接面に
フィラメントが順次固定され、且つ固定するための金属
線が切断機によって順次切断されることから、その固定
するための金属線が溶接面毎に独立した状態で、フィラ
メントを個々の溶接面に一層効率よく固定することがで
きる。このため、複数個の溶接面が金属線で連結される
ことなく相互に独立した状態に保たれるため、例えばフ
ィラメントに適切な張力を付与するために適切な大きさ
だけ各々弾性変形させられる必要があるVFDのアンカ
等の溶接面へフィラメントを固定する場合にも、本発明
の溶接機を好適に適用し得る。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施例を図面を
参照して詳細に説明する。図1乃至図3は、本発明のフ
ィラメント溶接機(以下、単に溶接機という)10の全
体構成を説明する正面図、右側面図、および平面図であ
る。溶接機10は、例えばVFDを製造するに際して、
後述する図9に示されるようにアンカ228およびサポ
ート226が一体的に設けられたフレーム22に複数本
(例えば6本程度)のフィラメント66を張設するため
に用いられるものであって、フレーム22を予め定めら
れた溶接位置に配置するためのフレーム搬送装置12、
その溶接位置に配置されたフレーム22上に複数本のフ
ィラメント66を同時に引き出すためのフィラメント引
出装置14、およびフレーム22のアンカ228および
サポート226にフィラメント66を溶接するための溶
接装置16とを備えている。
【0011】また、溶接機10は、上下に配置されたそ
れぞれ直方体枠状の下部枠体18および上部枠体20と
から成る全体として段付き箱形状の機枠を備えており、
図1に示す正面図において略長方形状を成し、図2に示
す側面図において階段状を成している。相対的に大きい
寸法を備えて下側に位置する下部枠体18には、前記の
フレーム搬送装置12およびフィラメント引出装置14
が取り付けられており、一方、相対的に小さい寸法を備
えて下部枠体18上において図1における奥側に位置さ
せられた上部枠体20には、溶接装置16が取り付けら
れている。
【0012】上記のフレーム搬送装置12は、フレーム
22が固定された溶接治具24を載置して図3に示され
る載替位置Aから溶接位置Bおよびゲッタ取付位置C等
に順に搬送するためのターン・テーブル26(以下、単
にテーブル26という)を、下部枠体18の上端部近傍
に備えたものである。テーブル26は、薄板円盤状を成
して図示しない回転駆動機構によって図3における紙面
に垂直な鉛直方向に伸びる軸心回りに回転させられるも
のであり、その回転によって治具24を上記各位置に搬
送する。また、テーブル26には、周方向に略沿った方
向の開口幅寸法が治具24の幅寸法よりも僅かに短い切
欠部28が外周部の4箇所に略90°毎に備えられてい
る。治具24は、この切欠部28部分に載せられてお
り、その両端部だけがテーブル26に支持された状態に
ある。なお、治具24のテーブル26上における位置
は、例えばそれぞれに設けられている図示しない嵌合穴
と位置決めピンとの嵌め合いによって固定されている。
【0013】また、上記の溶接位置Bおよびゲッタ取付
位置Cには、図1に示すように、テーブル26の下側に
治具昇降装置30、32がそれぞれ設けられている。治
具昇降装置30は、下部枠体18の上端部から吊り下げ
られた固定枠34に固定されたシリンダ36と、その固
定枠34の内側に配置されてそのシリンダ36によって
上下移動させられる昇降枠38とを備えたものである。
昇降枠38の上端部には、溶接位置Bに位置させられた
切欠部28の開口内に位置させられるように昇降テーブ
ル40が固定されている。そのため、その溶接位置Bに
おいては、治具昇降装置30の昇降枠38がシリンダ3
6によって上昇させられることにより、昇降テーブル4
0に治具24が下側から押し上げられてテーブル26か
ら離隔させられ、予め定められた溶接高さ位置に位置さ
せられる。図1において治具24cは、このようにして
溶接位置Bにおいて溶接高さ位置まで上昇させられた状
態にある。
【0014】また、ゲッタ取付位置Cに設けられている
治具昇降装置32は、同様に下部枠体18から吊り下げ
られた固定枠42にシリンダ44が固定されると共に、
そのシリンダ44によって上下移動させられる昇降枠4
6をその固定枠42の内側に備えたものであり、昇降枠
46の上端部には、ゲッタ取付位置Cに位置させられた
切欠部28の開口内に位置させられるように昇降テーブ
ル48が固定されている。図1において実線で示される
治具24dはテーブル26上に位置させられた状態を示
しており、破線は昇降テーブル48に押し上げられて予
め定められたゲッタ取付高さ位置に位置させられた状態
を示している。
【0015】このように治具24は、溶接位置Bおよび
ゲッタ取付位置Cでは所定の高さ位置まで上昇させられ
るようになっているが、常にはテーブル26上に位置さ
せられる。こうして、テーブル26がその軸心回りに回
転させられることにより治具24が搬送される際には、
その治具24は溶接高さ位置等よりも低い位置にあり、
これによって後述するフィラメント引出装置14の構成
部材との干渉が防止されている。なお、図1において4
7は、昇降枠38、46をそれぞれ鉛直方向に案内する
ためのガイドロッドであり、治具昇降装置32にも治具
昇降装置30と同様な位置に設けられている。また、4
9は昇降枠38、46の下限位置を設定するストッパで
ある。なお、図2に示されるように、載替位置Aにもテ
ーブル26の下側にシリンダ50が備えられているが、
これはテーブル26上に載置された治具24を突き上げ
てそこから容易に取り外し得るようにするために設けら
れたものである。したがって、フレーム22は、溶接機
10においてフィラメント66を溶接する際には、治具
24に固定された状態で取り扱われることとなる。
【0016】また、前記のフィラメント引出装置14
は、下部枠体18上の上部枠体20に覆われた範囲に、
一対のフィラメント・チャック52a、52b(以下、
特に区別しないときは単にチャック52という)と、そ
のチャック52のブラケット54に螺合されて図3にお
ける左右方向に伸びる一対のボールねじ56、56と、
そのボールねじ56の一端側に配置されてこれを軸心回
りに回転させることによりチャック52を図1および図
3における左右方向に移動させるための一対のチャック
移動サーボモータ58、58とを備えている。
【0017】一対のチャック52a、52bには、水平
方向に沿って伸びる一対の上側挟持部60および下側挟
持部62が他方に向かって突き出してそれぞれ備えられ
ており、それらは各別に設けられた開閉シリンダ64の
作動に従って上下に移動させられる。そのため、上側挟
持部60が上側に移動させられると共に下側挟持部62
が下側に移動させられるとそれらの間が開いて間隔が広
がった状態になる一方、上側挟持部60が下側に移動さ
せられると共に下側挟持部62が上側に移動させられた
場合にはそれらの間が閉じて互いに押圧する状態とな
る。図2において左側に位置するチャック52aは上側
挟持部60および下側挟持部62が閉じた状態にあり、
右側に位置するチャック52bはそれらが開いた状態に
ある。なお、これら上側挟持部60および下側挟持部6
2の相互の押圧面の図3における左端部には、それぞれ
後述する図14に示されるように上刃248および下刃
256が備えられている。これら上刃248および下刃
256は、後述するように、チャック52によってフィ
ラメント66を順次引き出すに際して、挟んで保持する
同時に切断するためのものである。
【0018】また、下部枠体18の側部には、フィラメ
ント66がそれぞれ巻かれた複数個のリール68が備え
られており、そのフィラメント66は下部枠体18の上
端部側方に設けられたピッチ・ローラ70を経由してテ
ーブル26上に向かわせられるようになっている。フィ
ラメント66は、後述する図12(b) に示されるように
タングステン等から成る直径が数 (μm)〜数十 (μm)程
度の芯線65の外周面に薄い酸化物被膜67が設けられ
たものであって、全体の直径は十〜数十 (μm)程度であ
る。また、ピッチ・ローラ70は、このフィラメント6
6を掛ける複数本の周溝が軸心方向に所定間隔を以てそ
の外周面に設けられたものであり、このピッチ・ローラ
70を経由することにより、テーブル26上で複数本の
フィラメント66が予め定められた相互間隔に保たれ
る。
【0019】そのため、溶接位置Bに位置させられたフ
レーム22上にフィラメント66を引き出すに際して
は、そのフレーム22よりもピッチ・ローラ70側に一
対のチャック52a、52bの一方を位置させ、その上
側挟持部60および下側挟持部62を閉じることにより
複数本のフィラメント66を挟持する。そして、挟持し
たままチャック52をそのピッチ・ローラ70から離隔
する図3における左方に移動させることにより、フィラ
メント66がフレーム22上にその長手方向に沿って引
き出されることとなる。図3は、図における上側に位置
するチャック52bによってフィラメント66を引き出
した状態を示しており、他方のチャック52aはフレー
ム22よりも右側すなわちリール68側に位置して、そ
の上側挟持部60および下側挟持部62が開いた状態に
ある。なお、図2と図3とでは、時間的な「ずれ」があ
り(後述するように図2は図3の状態から所定時間経過
した状態となる)、チャック52a、52bの開閉状態
が反対になっている。
【0020】また、前記の溶接装置16は、図1に示さ
れるように溶接位置Bにある治具24aの長手方向にお
ける両端部の上方にそれぞれ位置させられた一対の溶接
ヘッド72a、72bを備えたものである。溶接ヘッド
72aは、z方向移動部材74、y方向移動部材76、
およびx方向移動部材78を介して上部枠体20に吊設
されており、溶接ヘッド72bは、z方向移動部材74
およびy方向移動部材76を介して上部枠体20に吊設
されている。
【0021】上部枠体20の図における右上部には、図
の左右方向すなわち水平方向に伸びて一端(図における
右端)に備えられたサーボモータ80によって回転させ
られるボールねじ82がその両端部において軸支される
と共に、ガイドロッド84がその上側にそれに平行に設
けられている。そのボールねじ82は上記のx方向移動
部材78に螺合されており、ガイドロッド84はそのx
方向移動部材78に備えられる図示しない貫通穴に挿し
通されている。そのため、x方向移動部材78は、その
ボールねじ82の回転に従って、ガイドロッド84に案
内されつつ溶接位置Bに位置させられたフレーム22の
長手方向すなわち図の左右方向の何れかに移動させられ
る。これにより、溶接ヘッド72aがそのフレーム22
の長手方向寸法に応じた位置に位置させられることとな
る。なお、溶接ヘッド72b側にはx方向移動部材78
が設けられておらず、そのx方向位置が固定されている
ため、フレーム22の長手方向寸法に応じた溶接ヘッド
72a、72bの相互間隔は溶接ヘッド72aの移動だ
けで調節される。図1においては、その相互間隔が最も
広げられている。
【0022】また、上記のx方向移動部材78には下方
に向かって伸びる支持板86が一体的に備えられてお
り、その下端の一面には、図2に示すようにサーボモー
タ88を一端に備えたボールねじ機構90が水平方向に
沿って固定されている。このボールねじ機構90は、溶
接ヘッド72b側においても同様に支持板86に固定さ
れた状態で備えられているが、それらの取付位置は支持
板86、86の対向面である。前記のy方向移動部材7
6は、溶接ヘッド72a、72bの何れにおいても、そ
の上端部においてそのボールねじ機構90のボールねじ
92に螺合された状態で支持されている。そのため、y
方向移動部材76は、そのボールねじ92の回転に従っ
て図2における左右方向に移動させられ、これにより、
溶接ヘッド72がフレーム22の長手方向に垂直な幅方
向に送られる。
【0023】また、y方向移動部材76のボールねじ機
構90とは反対側の一面には、溶接ヘッド72a、72
bの何れにおいても、上端部にサーボモータ94を備え
たボールねじ機構96が鉛直方向に沿って備えられてい
る。前記のz方向移動部材74は、その上端部をこのボ
ールねじ機構96内に備えられる図示しないボールねじ
に螺合されている。そのため、z方向移動部材74は、
そのボールねじの回転に従って鉛直方向すなわち図1、
2における上下方向に移動させられ、これにより、VF
Dの品番毎に定められる適切な高さ位置に溶接ヘッド7
2が位置させられる。なお、両図はz方向移動部材74
が最上部に位置させられている状態を示している。
【0024】図4は、上記の溶接ヘッド72aを拡大し
て構成を説明する図であり、図5はその左側面図であ
る。なお、溶接ヘッド72bは溶接ヘッド72aと対称
的に構成されているため、その詳細は省略する。z方向
移動部材74のy方向移動部材76の反対側の面(図4
における左側面)には、鉛直方向に沿って伸びるレール
98が固定されており、そのレール98にはカッタ固定
板100の裏面に設けられた滑動部材(ガイド)102
がその長手方向の移動可能に嵌め合わされている。その
ため、カッタ固定板100は、そのレール98に案内さ
れることによって鉛直方向の移動可能な状態でz方向移
動部材74に取り付けられている。
【0025】また、カッタ固定板100の裏面には鉛直
方向の上端部および下端部に、ボールねじ96機構に向
かって突起104、105が滑動部材102と干渉しな
い位置に突設されている。上側に位置する突起104
は、その下端面がy方向移動部材76の下端部に取り付
けられているストッパ106に当接させられるものであ
り、下側に位置する突起105は、その下端面がz方向
移動部材74の下端部に取り付けられているストッパ1
07に当接させられるものである。なお、z方向移動部
材74には鉛直方向に延びる図示しない長穴が備えられ
ており、突起104、105はその長穴内を移動させら
れる。このため、z方向移動部材74がボールねじ機構
96の作動によって図に示される位置よりも上方に移動
させられる際には、ストッパ107によって突起105
が上方に押されることからカッタ固定板100がz方向
移動部材74と共に上昇させられる。一方、z方向移動
部材74が図に示される位置よりも下方に移動させられ
る際には、ストッパ106によって突起104が上方に
押されるため、カッタ固定板100は図の位置に留めら
れて下降しない。すなわち、突起104およびストッパ
106はy方向移動部材76に対するカッタ固定板10
0の下限位置を設定するためのものであり、突起105
およびストッパ107は、y方向移動部材76に対して
z方向移動部材74が一定以上の高さ位置にあるときに
カッタ固定板100をこれと共に上下に移動させるため
のものである。これにより、フィラメント66の溶接時
において、ストッパ106によってカッタ固定板100
に取り付けられている後述する丸線チップ・カッタ10
8を適正な高さ位置に固定した状態で、上側電極216
を下降させて溶接処理を実施することができる。
【0026】また、上記のカッタ固定板100には、上
記のレール98とは反対側の一面において、図5に示す
ように、丸線チップ・カッタ108が下端部に、丸線チ
ップ送出装置110が右端部に、およびカッタ開閉装置
112が上端部にそれぞれ取り付けられている。これら
各装置は、カッタ固定板100が上述したようにレール
98に対して移動させられる際に一体となって移動す
る。なお、図4においては、丸線チップ送出装置110
を省略して示している。
【0027】上記のカッタ108は、下端部が鉤状に曲
がった取付金具114を介して取り付けられてその全体
がカッタ固定板100の下側よりも左方に位置させられ
たものであり、丸線チップ116を切断するための固定
刃132および可動刃152をそれぞれ先端部に有する
固定カッタ部材118および可動カッタ部材120と、
固定刃132および可動刃152まで丸線チップ116
を案内するためにそれらの間に配置された案内部材12
2とを備えている。z方向移動部材74の上端部右方に
は、その丸線チップ116が幾重にも巻き取られたリー
ル124を取り付けるための取付軸126を先端部に備
えたアーム128が固定されており、そのリール124
は、その軸心回りの回転可能な状態でアーム128に支
持されている。カッタ108は、後述するように、丸線
チップ送出装置110によってこのリール124から引
き出され且つカッタ108に送られた丸線チップ116
を、溶接位置の近傍に供給し且つそこで切断するための
ものである。なお、丸線チップ送出装置110とカッタ
108との間には、ステンレス鋼等から成る案内管13
0が備えられており、丸線チップ116はこの案内管1
30内を通ってカッタ108に供給される。また、丸線
チップ116は、フィラメント66を溶接するための溶
接材料として溶接面236(後述する図10(a) 等を参
照)に供給されるものであって、例えば軟鉄、ステンレ
ス鋼、或いはニッケル鋼等から成り、その直径は0.3 〜
0.5(mm) 程度である。
【0028】図6は、上記のカッタ108を拡大して図
5における裏面側から見た状態で示す図である。固定カ
ッタ部材118は、工具鋼等から成る本体部132の高
さの低くなった先端部132aに例えば超硬(超硬合
金)製の固定刃134がロウ付け等によって固着されて
成るものであり、その本体部132の固定刃134とは
反対側に位置する薄板部132bにおいて、案内部材1
22の側面にねじ止めにより固定されている。先端部1
32aと薄板部132bとの間には先端に向かうに従っ
て高さが低く且つ幅が狭くなる幅広部132cが設けら
れており、その幅広部132cの薄板部132b側の端
面136から固定刃134の先端面138との間には、
図7に断面を示すようにそれらを貫通する貫通穴14
0、142が同軸的に備えられる。これら貫通穴14
0、142は、前記の丸線チップ116を挿し通すため
のものであって、カッタ108に供給された丸線チップ
116は、その固定刃134の先端面138から突き出
させられる。なお、図7は貫通穴140、142の軸心
を通る断面であって、これらは先端面138においてそ
の丸線チップ116の直径に略一致するように、何れも
先細りになっている。
【0029】また、案内部材122は、その上部を構成
して前記の取付金具114にねじ止めにより固定するた
めの取付部122aと、その下部を構成して上記の貫通
穴140、142に軸心が一致する貫通穴144を備え
た案内部122bとから構成される。取付部122aに
は、前記の取付金具114にねじ止めにより取り付ける
ためのねじ穴146、146がその上端面から形成され
ている。すなわち、カッタ108は、案内部材122を
ねじ止めすることによってその取付金具114に固定さ
れる。そのため、その案内部材122およびそれにねじ
止めにより固定された固定カッタ部材118は、何れも
取付金具114延いてはカッタ固定板100に対して相
対位置が固定されている。また、案内部122bは、丸
線チップ116の案内方向において取付部122aより
も長い寸法に構成されており、案内部材122は全体と
して段付き形状を成す。その段付き部に形成される案内
部122bの上端面148は、固定カッタ部材118の
幅広部132cの上端面よりも僅かに上側に位置させら
れている。
【0030】なお、案内部122bに備えられている貫
通穴144は、端面136側の略半分が貫通穴140よ
りも直径の小さい小径部144aに構成される一方、そ
の反対側の端面150側の略半分がそれよりも直径の大
きい大径部144bに構成され、それらの間に端面13
6側ほど直径が小さくなるテーパ部144cが設けられ
たものとなっている。この大径部144bは、前記の案
内管130を差し込む目的で大きくされたものであり、
案内管130を差し込んだ状態における内径は、案内部
122b全体で略一様となる。
【0031】図6に戻って、前記の可動カッタ部材12
0は、例えば超硬製の可動刃152と、それを保持する
保持部154aを備えた例えば燐青銅等の銅合金製の本
体部154とから成るものである。可動刃152は、先
端が固定刃134側に曲がった鉤状を成すものであっ
て、その基端側の一面156が、固定刃134の先端面
138に密着するように配置されている(図7参照)。
また、本体部154のうち保持部154aの上部後方
(可動刃152とは反対側)に備えられた取付部154
bには、鉛直方向に貫通する嵌合穴158が設けられて
おり、そこにリニア・シャフト160がブシュ162を
介して嵌め込み固定されている。前記の図4、図5に示
される取付金具114の先端部には可動部取付ブロック
164が固着されており、上記のシャフト160はこの
ブロック164に備えられたものである。そのため、可
動カッタ部材120は、鉛直方向に沿った軸心回りの回
動可能な状態で取付金具114に取り付けられている。
【0032】また、取付部154bには、固定カッタ部
材118とは反対側に位置する面に回動板166が固着
されており、取付部154aから離隔した位置において
上方に伸びて設けられた押圧部166aの上端部には、
固定カッタ部材118側の一面に略半球状の突起168
が備えられている。この回動板166は、可動カッタ部
材120と一体となってリニア・シャフト160の軸心
回りに回動させられるものである。固定カッタ部材11
8の薄板部132bには、ばね固定板169が固定刃1
34とは反対側に突き出して取り付けられており、その
ばね固定板169の先端部に設けられた穴171と回動
板166に設けられた穴173との間にはコイルばね1
70が掛け渡されている。回動板166は、コイルばね
170の引張力によって常にはその押圧部166aがば
ね固定板169に接近するR方向に最も回動させられた
位置にある。そのため、可動刃152は、図に示される
ように固定刃134の先端面138を略覆う位置からリ
ニア・シャフト160の軸心回りのR方向に回動させら
れることにより、常にはその先端面138に備えられる
貫通穴142の開口を開放している(後述する図10
(a) 等を参照)。そして、前記突起168或いは押圧部
166aが矢印P方向に押圧されることにより、コイル
ばね170の引張力に抗して回動板166が矢印Rとは
反対方向に回動させられると、可動刃152も図に示さ
れる位置まで回動して貫通穴142の開口を塞ぐのであ
る。
【0033】図4および図5に戻って、カッタ108の
上方においてカッタ固定板100に取り付けられている
カッタ開閉装置112は、そのカッタ固定板100に固
定された楔駆動シリンダ172と、そのシリンダ172
の下方に突き出した出力ロッド174に固定された移動
板176と、その移動板176に下方に突き出すように
取り付けられた楔178と、シリンダ172の取付位置
の下方において長手方向が鉛直方向に沿った向きでカッ
タ固定板100に固定されたレール180とを備えたも
のである。移動板176のカッタ固定板100側の裏面
には、レール180に嵌め合わされた滑動部材182が
備えられている。そのため、移動板176は、シリンダ
172出力ロッド174の上下動に従って、レール18
0に案内されつつ鉛直方向に上下させられる。
【0034】上記の楔178は、図4に示されるように
カッタ108の押圧部166aの近傍にその先端部18
4が位置させられており、その先端部184は、カッタ
取付板100とは反対側に位置するその押圧部166a
側の一面が、先端に向かうに従って厚みの薄くなるテー
パ状に形成されたテーパ部となっている。そのため、楔
178が下降させられるとそのテーパ部184で押圧部
166aに設けられた突起168が押圧されることか
ら、前記の図6に示される押圧力Pが作用することとな
って、矢印Rの反対方向に回動板166が回動させられ
る。カッタ開閉装置112は、このようにして楔178
で回動板166を回動させることにより、それに一体と
なっている可動刃152を回動させ、固定刃134の先
端面138を開放状態からその可動刃152によって覆
われた状態に変化させる。
【0035】また、カッタ開閉装置112の右方に配置
されている丸線チップ送出装置110は、カッタ固定板
100に取付板186によって取り付けられており、リ
ール124側に備えられている引込口188から丸線チ
ップ116が引き込まれ、前記の案内管130が接続さ
れている送出口190からその丸線チップ116をカッ
タ108に向かって送る。これら引込口188および送
出口190間には、丸線チップ116の送り方向Tに沿
って並んだ3つのワンウェイ・クラッチ192、19
4、196が備えられている。これらクラッチ192、
194、196は、それぞれに一方向だけへの回転が許
容されたローラ198が一対ずつ備えられたものであ
る。そのため、送り方向Tに丸線チップ116を送る際
にはそれとの間の摩擦により回転させられるが、リール
124および丸線チップ送出装置110間のテンション
等によって丸線チップ116が送り方向Tの反対方向に
引っ張られても、その方向に丸線チップ116が戻され
ることはない。なお、ローラ198の各対のうちカッタ
開閉装置112側に位置する一方には引張バネ200が
掛けられており、その引張力に従って他方のローラ19
8に押しつけられることでクラッチとしての機能が与え
られている。
【0036】上記の3つのクラッチ192、194、1
96のうち、中央に位置するクラッチ194は、取付板
186上に移動板202を介して取り付けられている。
取付板186の図5における右端上部には、クラッチ駆
動シリンダ204が設けられており、その出力ロッド2
06に上記の移動板202が固定されている。この出力
ロッド206は丸線チップ116の送り方向Tに沿って
突き出され或いは引き込まれるものであり、移動板20
2がその動作に従ってレール208に案内されつつ移動
させられることにより、クラッチ194がその送り方向
Tの前後に移動させられる。
【0037】このため、出力ロッド206が突き出され
る際には、ローラ198と丸線チップ116との摩擦力
がクラッチ194のローラ198には非回転方向に作用
する一方、クラッチ192および196のローラ198
には回転方向に作用するため、丸線チップ116は、ク
ラッチ194に保持された状態で、クラッチ192およ
び196のローラ198を回転させつつリール124か
ら引き出されてカッタ108に送られる。これに対し
て、その突き出した出力ロッド206が引き込まれる際
には、上記のローラ198と丸線チップ116との間の
摩擦力が、クラッチ194においては回転方向に作用す
る一方、クラッチ192および196においては非回転
方向に作用するため、クラッチ194はローラ198が
回転させられつつリール124側の原位置まで復帰す
る。したがって、丸線チップ116は、シリンダ204
の出力ロッド206の突き出し量だけカッタ108に送
られ、その貫通穴142の開口から、一回の送り動作毎
に予め定められた微小量だけ突き出させられることとな
る。すなわち、丸線チップ116の送り量(送り長さ)
は、出力ロッド206の突き出し量を変更することで調
節される。
【0038】また、図5において、z方向移動部材74
上には、カッタ開閉装置112の左方の位置に加圧装置
210が固定されている。加圧装置210は、z方向移
動部材74に固定された固定部212と、その上側に設
けられた加圧力調節部214と、その固定部212の下
側に設けられて上側電極216を保持する電極ホルダ2
18とを備えたものである。ホルダ218は、固定部2
12内に上端部が収容された加圧棒220の先端部に取
り付けられており、その加圧棒220は、その固定部2
12内に備えられた圧縮バネ222によって下方に向か
って押圧されている。この圧縮バネ222は上端部が加
圧力調節部214内に位置しており、そこに備えられて
いる加圧力調節ねじ224のねじ込み量を変更すること
によって加圧棒220の押圧力を調節できる。なお、上
側電極216は、例えば先端部の直径が1(mm) 程度と小
さく、基端部(上端部)の直径が5(mm) 程度に大きく構
成された段付き丸棒であり、その大径部分のうち小径部
側の一部は、軸心方向に垂直な断面が略半円板状を成す
形状となっている。
【0039】以上のように構成された溶接機10を用い
て、フレーム22にフィラメント66を架設する方法を
図8の工程図に従って説明する。先ず、テーブル回転工
程S1においては、テーブル26を図3における左回り
に回転させることにより、その上に載置されてフレーム
22が固定されている治具24を、そのフレーム22に
フィラメント66を架設するための溶接位置Bまで送
る。なお、フレーム22は、溶接機10への搬入に先立
って治具24に固定され、その状態でテーブル26上の
載替位置Aに置かれる。そして、テーブル26は90°単
位で周方向に駆動されることから、載替位置Aに載せた
後の2回のテーブル26の回動で治具24が溶接位置B
まで移動させられる。なお、フレーム22は、例えば図
9にその全体構成が示されるように、複数個のサポート
226および複数個のアンカ228の一方および他方を
それぞれ有する一対のフィラメント支持フレーム230
a、230bを両端部に備えると共に、それらを連結す
る長手状の連結部232の一方に、VFDの基板の表示
面に設けられる電極に通電するための複数本のリード・
ピン(電極端子)234を備えたものである。フレーム
22のうちフィラメント支持フレーム230や連結部2
32などは例えば426合金で構成されており、サポー
ト226およびアンカ228は例えばステンレス鋼で構
成されて、フィラメント支持フレーム230にスポット
溶接等で固定されている。
【0040】上記のようにフレーム22を溶接位置Bに
配置した後、フィラメント引出工程S2において、複数
本のフィラメント66を互いに平行な状態で挟んで保持
したチャック52を、図3においてチャック52aとし
て示される位置から同図における左方に、図の左右方向
においてチャック52bとして示される位置まで移動さ
せる。これにより、チャック52(以下、この時点でフ
ィラメント66を挟んで同図における左方に移動するも
のをチャック52aとして説明する)に挟まれた複数本
のフィラメント66が相互の間隔を保持されたままフレ
ーム22上に引き出される。なお、リール68には適度
な回転抵抗が与えられており、引き出されたフィラメン
ト66がテーブル26上で弛むことはない。
【0041】このとき、他方のチャック52bは、チャ
ック52aが移動させられる際には左方に位置してお
り、その移動と同時に右方に、図の左右方向においてそ
のチャック52aが存在していた位置まで移動させられ
る。この移動時にはチャック52bの上側挟持部60お
よび下側挟持部62間が図2に示されるように開いた状
態にあり、チャック52aとその進路上で相互に干渉す
ることはない。すなわち、図2は図3の後のチャック5
2a、52bの移動時の状態を示しているのである。上
記の移動(すなわちフィラメント66の引出し)の終了
後、チャック52aはフィラメント66を挟持した状態
に、チャック52bは開いた状態にそれぞれ保持され
る。なお、テーブル26の回転とフィラメント66の引
出しとは、反対の順序で実施されても、或いは同時に実
施されても差し支えない。
【0042】次いで、治具上昇工程S3において、溶接
位置Bに位置させられている治具24が所定の溶接高さ
位置まで上昇させられる。この溶接高さ位置は、その治
具24に固定されているフレーム22のサポート226
およびアンカ228の上面(後述する図10(a) 以下に
示される溶接面)236に、引き出されたフィラメント
66が接触し或いはその溶接面236により僅かに押し
上げられる位置に設定されている。図9は、このように
フレーム22が上昇させられることにより、フィラメン
ト66とサポート226およびアンカ228とが接触さ
せられている状態を表す。なお、図においては、アンカ
228が真直な状態に描かれているが、通常アンカ22
8は、フィラメント66に一定の張力を付与する目的
で、治具24に固定されている状態においてその先端が
サポート226に接近するように各々が弾性的に曲げら
れている。また、図においてはチャック52a側にサポ
ート226が位置するようにフレーム22が配置されて
いるが、サポート226とアンカ228の位置は治具2
4への取付状態等で決定されるものであり、反対となる
ように構成されていても差し支えない。
【0043】続く溶接ヘッド下降工程S4においては、
溶接ヘッド72a、72bがフィラメント66をサポー
ト226およびアンカ228にそれぞれ溶接するための
高さ位置まで、共に下降させられる。この高さ位置は、
例えば、図10(a) に示されるように、溶接ヘッド72
に備えられるカッタ108の先端部の固定刃134およ
び可動刃152が、サポート226およびアンカ228
から僅かに上方に離隔した位置であって、前記の突起1
04がストッパ106に当接するまでz方向移動部材7
4が下降させられた位置である。すなわち、この段階ま
では、カッタ108等と上側電極216等とは同様に下
降させられる。以下の各工程は、溶接ヘッド上昇工程S
10までの間、一対の溶接ヘッド72a、72bが同時
に動くこととなるため、一方だけについて説明する。
【0044】上記のように各部材および各装置を配置し
た後、金属線供給工程に対応する丸線チップ送出工程S
5において、丸線チップ送出装置110を作動させるこ
とにより、リール124から丸線チップ116を引き出
す。これにより、固定刃134の先端面138の貫通穴
142から、丸線チップ116を例えば2(mm) 程度の予
め定められた一回の溶接に必要な長さだけ、フィラメン
ト66上すなわちサポート226或いはアンカ228の
溶接面236上に送り出される。図10(a) は、このよ
うに溶接面236上に位置させられたフィラメント66
をその溶接面236との間で挟む位置に丸線チップ11
6が供給された状態を表す。すなわち、シリンダ204
の一回の作動による丸線チップ116の送出量は、一つ
の溶接面236に対して必要な量に設定されている。し
たがって、本実施例においては、丸線チップ送出装置1
10、カッタ108の案内部材122、および固定カッ
タ部材118によって金属線供給装置が構成されてい
る。
【0045】なお、溶接ヘッド72が下降させられる際
には、楔178が上端位置にあって図10(b) に実線で
示されるようにその先端部184が突起168と非接触
状態にあることから、前記のバネ170の引張力に基づ
いて、図10(a) に示されるように可動刃152が固定
刃134の先端面138を露出させる位置に後退させら
れている。そのため、丸線チップ送出工程S5において
は、丸線チップ116が可動刃152に妨げられること
なく先端面138から突き出させられる。この段階で
は、丸線チップ116はリール124に巻き取られてい
る部分に連続した一本の金属線の状態に保たれており、
本実施例においては、溶接材料である丸線チップ116
が連続線のまま溶接面236上に供給される。なお、フ
ィラメント66の直径は前述したように十〜数十 (μm)
程度であって、その太さは丸線チップ116の1/10程度
の以下に過ぎないが、図においてはフィラメント66の
直径が誇張して描かれている。また、この丸線チップ1
16の送出量は、後述する溶接段階においてフィラメン
ト66の固定を確実に行い得る範囲で可及的に短い長さ
に設定される。
【0046】そして、上側電極下降工程S6において
は、z方向移動部材74を更に下降させることにより、
カッタ108の高さ位置を固定したまま、上側電極21
6を下降させる。なお、前記の溶接ヘッド下降工程S4
とこの上側電極下降工程S6とは何れもz方向移動部材
74を下降させる工程Sであり、例えば、丸線チップ送
出工程S5を適宜のタイミングで実施することにより、
上記2工程を連続的に行ってもよい。図11(a) に図1
0において溶接面236を上方から見た状態を示すよう
に、溶接ヘッド72は、上側電極216の軸心およびそ
の先端面238がフィラメント66と丸線チップ116
との交点上に位置するように、上側電極216とカッタ
108との相対位置や溶接ヘッド72とフィラメント6
6および溶接面236との相対位置等が設定されてい
る。そのため、溶接面236に向かって上側電極216
を下降させると、その上側電極216は、丸線チップ1
16をフィラメント66との交点上で溶接面236に垂
直な方向に押圧することとなる。図12(a) は、上側電
極216が丸線チップ116に接触する位置まで下降さ
せられた状態、或いは丸線チップ116の押圧を開始し
た状態を表しており、フレーム22のサポート226或
いはアンカ228の溶接面236が備えられている部分
は、治具24の受け面244上に位置させられている。
そのため、フィラメント66および丸線チップ116
は、それらの交点位置においてそれら受け面244と先
端面238との間で押圧されることとなる。すなわち、
治具24は、溶接処理の際に溶接面236を下側から支
持する受け部材として機能するものであって、上側電極
下降工程S6は、丸線チップ116を溶接面236に向
かって押圧する押圧工程でもある。
【0047】このとき、交差して重ねられている丸線チ
ップ116およびフィラメント66は、何れも円形断面
を有することから、それらは略点接触させられるため、
上記の上側電極216による押圧力はその接触点に局所
的に作用する。そのため、この圧力によって、図12
(b) に示されるように、フィラメント66の外周面に設
けられている酸化物被膜67にクラック240が発生
し、延いてはその酸化物被膜67が剥離することによ
り、破線で示す丸線チップ116との接触部242にお
いて芯線65が露出させられる。このような押圧力の集
中延いてはそれに基づく酸化物被膜67の剥離作用は、
フィラメント66と溶接面236との間でも得られる。
フィラメント66と溶接面236とは線接触させられて
押圧力はその接触範囲に分散することとなるが、フィラ
メント66の周方向における上記点接触させられている
位置の反対側の位置では、押圧されたフィラメント66
の僅かな変形により高い押圧力が発生するのである。こ
の結果、丸線チップ116と溶接面236との間には、
芯線65を通る通電経路が形成される。換言すれば、上
側電極下降工程S6における上側電極216による丸線
チップ116の押圧力は、フィラメント66の酸化物被
膜67が部分的に破壊されて剥離するように設定されて
いる。したがって、本実施例においては、通電経路を確
保するためにフィラメント66の酸化物被膜67を剥離
する工程を特に設けることなく、フィラメント66およ
び丸線チップ116を所定位置に配置した後、単に上側
電極216を下降させるだけで、その酸化物被膜67を
剥離して溶接のための通電経路を確保することができ
る。
【0048】このようにして通電経路を確保した後、通
電工程S7においては、図12(a)に示されるように上
側電極216と治具24との間に電圧を印加して、丸線
チップ116、フィラメント66(芯線65)、および
サポート226(或いはアンカ228)を通る経路で溶
接電流を予め定められた時間だけ流す。治具24は、少
なくともサポート226等を下側から支持する部分が銅
等の導電性材料で構成されたものであり、軟鉄等から成
る丸線チップ116、タングステン等から成る芯線6
5、ステンレス鋼等から成るサポート226およびアン
カ228は何れも導電性を有していることから、それら
を通る経路で上側電極216と治具24との間に溶接電
流が流れるのである。これにより、その溶接電流で抵抗
発熱させられた丸線チップ116が溶け、図13に示さ
れるように、上側電極216に押し潰されることにより
フィラメント66に密着してこれを覆った状態で、溶接
面236に抵抗溶接によって固着される。すなわち、フ
ィラメント66がサポート226或いはアンカ228の
溶接面236に固着される。したがって、本実施例にお
いては、フィラメント66が抵抗溶接によって溶接面2
36に固着され、上側電極216および治具24は、そ
の抵抗溶接を実施するための第1電極および第2電極と
してそれぞれ機能する。
【0049】フィラメント66が溶接面236に固着さ
れた後、上側電極上昇工程S8においては、z方向移動
部材74を上昇させることにより、上側電極216を上
昇させて溶接面236から離隔させ、図10(a) に示さ
れる位置に復帰させる。この高さ位置はストッパ107
が突起105に当接させられる高さ位置であり、この段
階ではカッタ108の位置は変化しない。すなわち、上
側電極上昇工程S8では、カッタ108の位置を固定し
たまま上側電極216だけを上昇させる。そして、金属
線切断工程に対応する丸線チップ切断工程S9におい
て、カッタ108で丸線チップ116を切断する。この
丸線チップ116の切断は以下のようにして実施され
る。
【0050】上側電極216が上昇した時点では、図1
1(a) に示されるように、カッタ108の可動刃152
が、固定刃134の先端面138の一部を貫通穴142
の開口を含む範囲で露出させる位置にある。なお、その
先端面138および可動刃152の摺接面156は何れ
も同様な曲率半径の円筒面に形成されているが、その円
筒面の軸心はリニア・シャフト160の軸心に一致させ
られている。そのため、上側電極216が上昇した後に
図10(b) に破線で示されるように楔178を下降させ
てそのテーパ面184で突起168を押圧することによ
り、押圧部166aをP方向に押し、延いては回動板1
66を矢印C方向に回動させると、そのリニア・シャフ
ト160の回動に従って、可動刃152は摺接面156
が先端面138に密着したまま、そこに備えられている
貫通穴142の開口を覆う位置まで、図11(a) に示さ
れる矢印B方向に回動させられる。これにより、固定刃
134と可動刃152との間で丸線チップ116に剪断
力が作用し、その先端面138から突き出した部分が切
断される。すなわち、丸線チップ116の切断は、それ
が貫通穴142から突き出した状態でその開口を含む範
囲で可動刃152の摺接面156と固定刃134の先端
面138とを摺動させることによって為される。要する
に、本実施例においては、丸線チップ116の送出口
(貫通穴142の開口)とそれを切断するための固定刃
134とが兼用されており、その貫通穴142の開口稜
線と、可動刃152の摺接面156先端稜線とが刃先を
構成している。図11(b) は、このようにして丸線チッ
プ116を切断した状態を表す。このとき、切断された
丸線チップ116のフィラメント66上に位置する溶接
部分よりも固定刃134側の部分は、切断された端部近
傍が可動刃152によって図における下方に押し曲げら
れる。そのため、図に示されるように、溶接された丸線
チップ116の一端は曲がっている。
【0051】そして、一本のフィラメント66の溶接
(固着)が終了した後、溶接ヘッド上昇工程S10にお
いて溶接ヘッド72が元の高さ位置まで上昇して溶接面
236から離隔させられる。複数本のフィラメント66
をフレーム22に備えられている複数個のサポート22
6或いはアンカ228の溶接面236に固着する場合に
は、溶接ヘッド72が上昇した後、溶接ヘッド水平移動
工程S11においてy方向移動部材76を移動すること
により、溶接ヘッド72が次の溶接面236の上方まで
移動させられる。すなわち、本実施例においてはy方向
移動部材76が溶接位置移動装置に相当する。この後、
前述した溶接ヘッド下降工程S4乃至溶接ヘッド上昇工
程S10が同様にして繰り返される。すなわち、丸線チ
ップ116の先端面138からの突き出し量は一個の溶
接面236へのフィラメント66の溶接に必要な分だけ
であり、溶接ヘッド72は一回の溶接毎に移動させられ
るのである。なお、サポート226およびアンカ228
は、フレーム22に同数備えられており、フィラメント
66の両端がそれらに同時に固着されることから、上記
の各工程の繰り返しにおいても溶接ヘッド72a、72
bが同時に動かされる。
【0052】このようにして複数本のフィラメント66
の溶接が全て終了した後、フィラメント切断工程S12
においては、図3における右側位置に位置させられてい
たチャック52(図においてチャック52aが配置され
ている位置)の開閉シリンダ64が作動させられること
により、それに備えられている上側挟持部60および下
側挟持部62間が閉じる。これにより、複数本のフィラ
メント66がその右側に位置するチャック52によって
挟持されると同時に、その挟持位置とフレーム22のリ
ール68側の端部(図9のように配置される場合にはア
ンカ228)との間で切断される。
【0053】図14(a) 、(b) は、この工程におけるフ
ィラメント66の切断および挟持の前後をそれぞれ説明
する図である。上側挟持部60には、アンカ228側の
側面246に上刃248が取り付けられると共に、下端
面250にはゴム252が固着されている。上刃248
の先端位置は、ゴム252の下端位置よりもやや上側に
設定されている。一方、下側挟持部62には、上端面2
54のアンカ228側稜部に下刃256が形成されてい
る。(a) の状態から上側挟持部60が下降させられると
同時に下側挟持部62が上昇させられると、ゴム252
と下側挟持部62の上端面254との間でフィラメント
66が挟まれ、更に、そのゴム252が押し潰されつつ
そのフィラメント66が強固に挟持される。このとき、
ゴム252が押し潰されるとその下端位置と下端面25
0との間隔が(a) に示される初期の状態よりも小さくな
る。そのため、(b) に示されるように上刃248の先端
と下刃256とが重なり合い、剪断力によってフィラメ
ント66が切断されるのである。
【0054】この結果、フレーム22上まで引き出され
ていたフィラメント66のうち、フレーム22上に固着
された部分が切り離され、リール68側の部分はそのチ
ャック52によって挟持された状態になる。すなわち、
フィラメント66の切断と次にフィラメント66をフレ
ーム22上まで引き出すための挟持処理はチャック52
の一回の動作により同時に為されるようになっている。
その後、治具下降工程S13において、治具24がテー
ブル26上に降ろされることにより、一個のフレーム2
2に複数本のフィラメント66を固着するための一連の
処理が終了し、続いて溶接機10に搬入される複数個の
フレーム22を順次処理すべく、テーブル回転工程S1
以下が繰り返される。
【0055】以上説明したように、本実施例において
は、丸線チップ送出装置110およびカッタ108によ
って溶接面236上でフィラメント66と交差するよう
に円形断面の丸線チップ116が供給されると共に、そ
の丸線チップ116はそのフィラメント66との交点に
おいて上側電極216と溶接面236を受ける治具24
の受け面244との間でその溶接面236に向かって押
圧される。そのため、その円形断面の丸線チップ116
とフィラメント66とは略点接触させられ、上側電極2
16によって押圧された際にはフィラメント66に局部
的に大きな押圧力が作用することから、そのフィラメン
ト66の外周面を覆う酸化物被膜67は単に上側電極2
16で押圧するだけで破壊される。したがって、酸化物
被膜67の除去処理を行わなくとも、上側電極216と
治具24との間には丸線チップ116、フィラメント6
6、および溶接面236を通る経路で通電経路が確保さ
れるため、それら上側電極216と治具24との間に溶
接電流を流すことによって丸線チップ116を熔融させ
てフィラメント66を抵抗溶接により溶接面236に固
着できる。また、溶接機10に備えられているカッタ1
08は、丸線チップ116を溶接面236の近傍で切断
するものであるため、その先端面138から丸線チップ
116を順次送り出し且つ溶接後に切断することが可能
である。そのため、従来のように予め所定の大きさに切
断した平チップを一つずつ溶接面236まで搬送する必
要がないため、その搬送のための待ち時間がなくなる。
上記により、前述したようにフィラメント66を溶接面
236上に位置させれば直ちに溶接処理を施すことが可
能となるため、酸化物で被覆されたフィラメント66の
溶接効率が高められる。
【0056】しかも、本実施例においては、平チップの
搬送装置が不要であると共にそれに代わって備えられた
カッタ108および丸線チップ送出装置110等が溶接
ヘッド72に一体的に備えられているため、溶接機10
が小型化されるという利点もある。
【0057】また、本実施例においては、溶接機10に
溶接位置移動装置として機能するy方向移動部材76が
備えられていることから、一個の溶接面236にフィラ
メント66を溶接する毎にワークであるフレーム22に
対して溶接ヘッド72を移動させることで、そのフレー
ム22の複数箇所に備えられている複数の溶接面236
に順次フィラメント66が溶接される。したがって、複
数個の溶接面236を備えているフレーム22のような
ワークにフィラメント66を溶接する場合にも、効率よ
く作業が為されるという利点がある。
【0058】以上、本発明の一実施例を図面を参照して
詳細に説明したが、本発明は、更に別の態様でも実施さ
れる。
【0059】例えば、実施例においては、フィラメント
66を溶接面236に固着するための金属線として円形
断面の丸線チップ116が用いられていたが、金属線
は、下面が凸形状であれば、楕円形状、多角形状や角部
をR面に形成された矩形等の横断面を有する種々の断面
形状のものを用い得る。
【0060】また、実施例においては、溶接機10は、
一対の溶接ヘッド72a、72bがサポート226側お
よびアンカ228側にそれぞれ備えられていたが、フレ
ーム22の両端間で移動可能な溶接ヘッド72が一つだ
け備えられて、それによって全てのフィラメント溶接が
為されるものであっても差し支えない。
【0061】また、実施例においては、溶接機10に備
えられているチャック52が複数本のフィラメント66
を同時に引き出すように構成されていたが、チャック5
2は、フィラメント66を一本ずつ溶接面236上まで
引出すものであっても差し支えない。
【0062】また、実施例においては、一個のワーク
(フレーム22)に備えられている複数の溶接面236
に連続的にフィラメント66を溶接する処理に溶接機1
0が用いられた場合について説明したが、溶接機10
は、複数のワークにフィラメント66を一本ずつ順次固
着する場合にも用いられる。その場合においても、フィ
ラメント66を溶接面236上まで引き出した後に酸化
物被膜67を剥がす処理が不要であると共に平チップを
搬送する待ち時間を要しないことに基づき、ワーク一個
当たりの処理時間が短くなって、フィラメント66の溶
接処理効率が高められる効果を同様に享受できる。
【0063】また、実施例においては、カッタ108の
可動カッタ部材120の回動駆動が楔178で回動板1
66を押圧することで為されていたが、例えば、リニア
・シャフト160をモータ等で直接的に回転駆動等する
ことによって可動カッタ部材120を回動させ、丸線チ
ップ116を切断するように構成してもよい。
【0064】また、実施例においては、サポート226
側およびアンカ228側の何れにおいても溶接後に丸線
チップ116を切断して、複数個のサポート226およ
びアンカ228にそれぞれ独立して丸線チップ116が
固着されていた。しかしながら、アンカ228は、フィ
ラメント66の張力を予め定められた値に維持するため
のものであるため、複数個が各々独立させられる必要が
ある一方、サポート226側では丸線チップ116が複
数のサポート226上で連続したままであっても何ら支
障はない。したがって、溶接後の切断処理は少なくとも
アンカ228側だけで実施すればよい。
【0065】また、実施例においては、貫通穴142の
開口稜線が丸線チップ116を切断するための刃先を構
成していたが、その開口から離隔した位置に別途可動刃
152との間で摺接させられる固定刃或いは可動刃が設
けられていてもよい。
【0066】その他、一々例示はしないが、本発明は、
その主旨を逸脱しない範囲で種々変更を加え得るもので
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の溶接機の構成を示す正面図
である。
【図2】図1における右側面を示す図である。
【図3】図1における上面を示す図である。
【図4】図1の溶接機に備えられている溶接ヘッドの構
成を説明する図である。
【図5】図4の左側面を示す図である。
【図6】図4の溶接ヘッドに備えられている丸線チップ
・カッタの構成を説明する図である。
【図7】図6のカッタの貫通穴に沿った断面図である。
【図8】図1の溶接機を用いたフィラメントの溶接方法
を説明する工程図である。
【図9】図8のフィラメント引出工程においてフィラメ
ントをフレーム上に引き出した状態を説明する図であ
る。
【図10】(a) は、図8の丸線チップ送出工程において
溶接面上に丸線チップを供給した状態を説明する図であ
り、(b) は、(a) における楔と押圧板の作動を説明する
図である。
【図11】(a) 、(b) は、カッタによる丸線チップの切
断作動を説明する図である。
【図12】(a) は図8の上側電極下降工程乃至通電工程
の実施状態を説明する図であり、(b) は上側電極が下降
して丸線チップによってフィラメントが押圧されている
状態を説明する斜視図である。
【図13】抵抗溶接によりフィラメントの溶接面への固
着が終了した状態を説明する図である。
【図14】(a) 、(b) は、図8のフィラメント切断工程
におけるフィラメント・チャックの作動を説明する図で
ある。
【符号の説明】
10:溶接機 24:溶接治具(受け部材) 66:フィラメント 67:酸化物被膜 108:丸線チップ・カッタ(切断装置) {110:丸線チップ搬送装置、118:固定カッタ部
材、122:案内部材} (金属線供給装置) 116:丸線チップ(金属線) 216:上側電極 236:溶接面
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中村 哲郎 福岡県朝倉郡夜須町大字三並字八ツ並2160 番地九州ノリタケ株式会社内 Fターム(参考) 5C027 CC10 DD15

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 外周面が酸化物で被覆されたフィラメン
    トを所定の溶接面に溶接によって固定するための溶接機
    であって、 下面が凸形状の横断面を有する金属線を先端から所定量
    ずつ順次送り出して前記溶接面上において前記フィラメ
    ントと交差するようにそのフィラメント上に供給するた
    めの金属線供給装置と、 前記金属線を前記フィラメントとの交点で前記溶接面に
    向かって押圧する第1電極と、 前記溶接面を下側から支持すると共に、前記金属線、前
    記フィラメント、およびその溶接面を通る経路で前記第
    1電極との間に溶接電流を流すための第2電極として機
    能する受け部材と、 前記金属線を前記溶接面の近傍において切断するための
    切断装置とを、含むことを特徴とする酸化物被覆フィラ
    メントの溶接機。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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