JP2004010191A - フィラメント溶接機 - Google Patents
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Abstract
【課題】フィラメントが断線した際、可及的速やかに巻取部材の巻き取り方向の回転を停止させるフィラメント溶接機を提供する。
【解決手段】断線検出装置128は、電動機72の電気抵抗の変化に基づいてフィラメント66の断線を検出するものであり、電動機72がフィラメント66を巻き取る方向に回転を始めると、電動機72の電気抵抗はフィラメント66に張力を付与する為に機能していたときと比較して急激に上昇する為、電気抵抗が所定値を上回った際にフィラメント66が断線したものと判断するように予め設定しておくことにより、フィラメント66に断線が発生するのと略同時に断線を検出できる。フィラメント66の断線が検出された場合には電動機72の駆動回路126が開閉されて電動機72に回生制動がはたらく為、フィラメント66の断線が検出されるのと同時に上記電動機72の回転を停止させることができる。
【選択図】 図7
【解決手段】断線検出装置128は、電動機72の電気抵抗の変化に基づいてフィラメント66の断線を検出するものであり、電動機72がフィラメント66を巻き取る方向に回転を始めると、電動機72の電気抵抗はフィラメント66に張力を付与する為に機能していたときと比較して急激に上昇する為、電気抵抗が所定値を上回った際にフィラメント66が断線したものと判断するように予め設定しておくことにより、フィラメント66に断線が発生するのと略同時に断線を検出できる。フィラメント66の断線が検出された場合には電動機72の駆動回路126が開閉されて電動機72に回生制動がはたらく為、フィラメント66の断線が検出されるのと同時に上記電動機72の回転を停止させることができる。
【選択図】 図7
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、たとえば蛍光表示管の製造において、フィラメントを溶接する工程で用いられるフィラメント溶接機の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
基板の表示面に複数の蛍光体層を備え、真空空間内においてその蛍光体層の近傍に架設されたフィラメントから発生させられた電子を、上記蛍光体層とフィラメントとの間に設けられたグリッド電極で制御してかかる蛍光体層を選択的に発光させる形式の蛍光表示管(Vacuum Fluorescent Display:VFD)が知られている。このような蛍光表示管は、フィラメントから発生した電子が衝突させられる蛍光表示管の表面が表示側に位置する為に動作電圧が比較的低くて済み、鮮明な表示が成されることに加え、相互に発光色の異なる複数種類の蛍光体を用意することによりカラー表示が可能となるなどの特徴がある。その為、音響機器や自動車あるいは航空機の表示パネルなどの表示部品として多用されている。
【0003】
上記フィラメントは、たとえばタングステン(W)などから成る直径数〜数十μm程度の芯線の表面に、バリウム(Ba)、ストロンチウム(Sr)、およびカルシウム(Ca)の酸化物被膜[(Ba,Sr,Ca)O]が設けられたものである。フィラメントの電子放出機能は、この酸化物被膜によって付与されている。そのようなフィラメントは、たとえば基板上に立設されたアンカおよびサポートの端部にそれぞれ備えられる溶接面にそのフィラメントの両端部が溶接により固定されることで、所定の高さ位置に支持されている。上記アンカは板バネ構造を有してフィラメントに張力を付与するものであって、フィラメントが発熱により線膨張させられる駆動時においてもその線膨張によって弛みが生じることを抑制する。一般的に、フィラメントの一端はサポートによって非弾性的に支持されているが、必要に応じて両端がアンカで弾性的に支持される。
【0004】
ところで、かかるフィラメントは、前記蛍光表示管の製造において、巻取部材に巻かれた状態でフィラメント溶接機に備えられ、そのフィラメント溶接機に設けられたフィラメント引出装置により上記アンカおよびサポートの端部にそれぞれ備えられる溶接面の近傍に架け渡されてその溶接面に溶接される。ここで、供給されるフィラメントの弛みを防止する為、上記巻取部材には、フィラメントの供給方向(引き出し方向)と逆方向に、供給の妨げにならない程度のトルクすなわち所謂バックテンションがかけられた状態で供給・溶接がおこなわれるのが一般的である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、前述のように、蛍光表示管のフィラメントは、その直径が数〜数十μm程度の芯線の外周面に薄い酸化物被膜が設けられたものである為、フィラメント全体の直径でも十〜数十μm程度と極めて細いものである為、その供給・溶接に際してはしばしば断線あるいは把持不良による抜けなどが発生する。そのような場合、上記トルクにより巻取部材がフィラメントを巻き取る方向に回転し、引き出されていたフィラメントが絡まって復旧に長時間を要したり、フィラメント表面の酸化物被膜が剥がれ落ちて使用に適さなくなったりする可能性があった。
【0006】
そのような不具合を発生させない為には、上述のようにフィラメントが断線などした後、前記トルクを速やかに解放して巻取部材の回転を停止させる必要がある。そこで、フィラメントが断線などしたことを検出する手段が求められるが、前述のように極めて細いフィラメントの断線などを一般的なセンサにより検出することは困難であり、比較的高額なセンサあるいは計測器が要求される。一方、上記巻取部材の回転の様子からフィラメントの断線などを検出する手段も考えられるが、光学式あるいは機械式のエンコーダは比較的高額であり実用に適さない。また、巻取部材の側面すなわち回転軸に垂直な面に予め凹凸などを形成しておき、一般的な光電センサなどにより回転の様子を検出する方法が考えられるが、順方向すなわちフィラメントを引き出す方向の回転と、逆方向すなわちフィラメントを巻き取る方向の回転とを区別するのは技術的に難しいことに加え、回転が始まってから断線と判断できるまでに比較的長時間を要する為、回転の停止が遅れる可能性が高い。さらには、以上のような手段によりフィラメントの断線などを検出し、前記トルクを解放したとしても、慣性により巻取部材の回転が直ちには停止せず、上述の不具合を十分には防止できないことが考えられる。
【0007】
本発明は、以上の事情を背景として為されたものであり、その目的とするところは、フィラメントが断線などした際、可及的速やかに巻取部材の巻き取り方向の回転を停止させるフィラメント溶接機を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
かかる目的を達成する為に、本発明の要旨とするところは、フィラメントが巻かれた巻取部材と、そのフィラメントの溶接の為にそのフィラメントをその端部において把持してその巻取部材から引き出す引出装置と、前記巻取部材と引出装置との間に張られるフィラメントに所定の張力を付与するように、前記巻取部材に所定のトルクをかける為の電動機とを備えたフィラメント溶接機であって、その電動機の電気抵抗の変化に基づいて前記フィラメントの断線を検出する断線検出装置と、その断線検出装置によってそのフィラメントの断線が検出された場合には、前記電動機に回生制動を発生させるようにその電動機の駆動回路を開閉する開閉装置とを備えていることを特徴とするものである。
【0009】
【発明の効果】
このようにすれば、前記断線検出装置は、前記電動機の電気抵抗の変化に基づいて前記フィラメントの断線を検出するものであり、前記電動機がフィラメントを巻き取る方向に回転を始めると、その電動機の電気抵抗は前記フィラメントに張力を付与する為に機能していたときと比較して急激に上昇する為、その電気抵抗が所定値を上回った際に前記フィラメントが断線したものと判断するように予め設定しておくことにより、かかる簡単な断線検出装置によって前記フィラメントに断線が発生するのと略同時にその断線を検出できる。また、前記断線検出装置により前記フィラメントの断線が検出された場合には、前記開閉装置により前記電動機の駆動回路が開閉されて前記電動機に回生制動がはたらく為、前記フィラメントの断線が検出されるのと略同時に前記電動機の回転を停止させることができる。すなわち、フィラメントが断線した際、可及的速やかに巻取部材の巻き取り方向の回転を停止させるフィラメント溶接機を提供することができる。ここで、前記フィラメントの断線とは、フィラメントが不慮に切断されることのみならず、把持不良による前記引出装置からの抜けなど、前記電動機にフィラメントを巻き取る方向の回転を発生させる不具合を広く示す。
【0010】
【実施例】
以下、本発明の好適な実施例を図面に基づいて詳細に説明する。
【0011】
図1〜図3は、本発明の一実施例であるフィラメント溶接機(以下、単に溶接機と称する)10の全体構成を説明する正面図、右側面図、および平面図である。かかる溶接機10は、たとえば蛍光表示管(以下、VFDと称する)を製造するに際して、後述する図5に示すようにサポート100およびアンカ102が一体的に設けられたフレーム22に複数本(たとえば6本程度)のフィラメント66を張設する為に用いられるものであって、フレーム22を予め定められた溶接位置に配置する為のフレーム搬送装置12、その溶接位置に配置されたフレーム22上に複数本のフィラメント66を同時に引き出す為のフィラメント引出装置(以下、単に引出装置と称する)14、およびフレーム22のサポート100およびアンカ102にフィラメント66を溶接する為の溶接装置16とを備えている。
【0012】
また、上記溶接機10は、上下に配置されたそれぞれ直方体枠状の下部枠体18および上部枠体20とから成る全体として段付き箱形状の機枠を備えており、図1に示す正面図において略長方形状を成し、図2に示す側面図において階段状を成している。相対的に大きい寸法を備えて下側に位置する下部枠体18には、上記フレーム搬送装置12および引出装置14が取り付けられており、一方、相対的に小さい寸法を備えて下部枠体18上において図1における奥側に位置させられた上部枠体20には、上記溶接装置16が取り付けられている。
【0013】
前記フレーム搬送装置12は、フレーム22が固定された治具24を載置して図3に示される載替位置Aから溶接位置Bおよびゲッタ取付位置Cなどに順に搬送する為のターン・テーブル(以下、単にテーブルと称する)26を、下部枠体18の上端部近傍に備えたものである。かかるテーブル26は、薄板円盤状を成して図示しない回転駆動機構によって図3における紙面に垂直な鉛直方向に伸びる軸心まわりに回転させられるものであり、その回転によって上記治具24を上述のA、B、またはCなどの各位置に搬送する。また、テーブル26には、周方向に略沿った方向の開口幅寸法が上記治具24の幅寸法よりもわずかに短い切欠部28が、外周部の4箇所に略90°毎に備えられている。上記治具24は、この切欠部28に載せられており、その両端部だけが上記テーブル26上に支持された状態にある。なお、上記治具24のテーブル26上における位置は、たとえばそれぞれに設けられている図示しない嵌合穴と位置決めピンとの嵌め合いによって固定されている。
【0014】
また、前述の溶接位置Bおよびゲッタ取付位置Cには、図1に示すように、前記テーブル26の下側に治具昇降装置30、32がそれぞれ設けられている。かかる治具昇降装置30は、前記下部枠体18の上端部から吊り下げられた固定枠34に固定されたシリンダ36と、その固定枠34の内側に配置されてそのシリンダ36によって上下移動させられる昇降枠38とを備えたものである。かかる昇降枠38の上端部には、前記溶接位置Bに位置させられた切欠部28の開口内に位置させられるように昇降テーブル40が固定されている。そのため、その溶接位置Bにおいては、上記治具昇降装置30の昇降枠38がシリンダ36によって上昇させられることにより、上記昇降テーブル40に治具24が下側から押し上げられてテーブル26から離隔させられ、予め定められた溶接高さ位置に位置させられる。図1において治具24cは、このようにして前記溶接位置Bにおいて溶接高さ位置まで上昇させられた状態にある。
【0015】
また、前記ゲッタ取付位置Cに設けられている治具昇降装置32は、同様に前記下部枠体18から吊り下げられた固定枠42にシリンダ44が固定されるとともに、そのシリンダ44によって上下移動させられる昇降枠46をその固定枠42の内側に備えたものであり、かかる昇降枠46の上端部には、前記ゲッタ取付位置Cに位置させられた切欠部28の開口内に位置させられるように昇降テーブル48が固定されている。図1において実線で示される治具24dは前記テーブル26上に位置させられた状態を示しており、破線は上記昇降テーブル48に押し上げられて予め定められたゲッタ取付高さ位置に位置させられた状態を示している。
【0016】
このように、前記治具24は、前記溶接位置Bおよびゲッタ取付位置Cでは所定の高さ位置まで上昇させられるようになっているが、常には前記テーブル26上に位置させられる。こうして、前記テーブル26がその軸心回りに回転させられることにより前記治具24が搬送される際には、その治具24は溶接高さ位置などよりも低い位置にあり、これによって後述する引出装置14の構成部材との干渉が防止されている。なお、図2に示されるように、前記載替位置Aにおけるテーブル26の下側にもシリンダ50が備えられているが、これは前記テーブル26上に載置された治具24を突き上げてそこから容易に取り外し得るようにするために設けられたものである。したがって、前記フレーム22は、本実施例の溶接機10においてフィラメント66を溶接する際には、治具24に固定された状態で取り扱われることとなる。
【0017】
また、前記引出装置14は、前記下部枠体18上の上部枠体20に覆われた範囲に、一対のフィラメント把持部材52a、52b(以下、特に区別しないときは単に把持部材52と称する)と、その把持部材52のブラケット54に螺合されて図3における左右方向に伸びる一対のボールねじ56と、そのボールねじ56の一端側に配置されてこれを軸心回りに回転させることにより把持部材52を図1および図3における左右方向に移動させるための一対の把持部材移動サーボモータ58とを備えている。
【0018】
上記一対の把持部材52a、52bには、水平方向に沿って伸びる一対の上側挟持部60および下側挟持部62が他方に向かって突き出してそれぞれ備えられており、それらは各別に設けられた開閉シリンダ64の作動に従って上下に移動させられる。そのため、かかる上側挟持部60が上側に移動させられると共に下側挟持部62が下側に移動させられるとそれらの間が開いて間隔が広がった状態になる一方、上側挟持部60が下側に移動させられると共に下側挟持部62が上側に移動させられた場合にはそれらの間が閉じて互いに押圧する状態となる。図2において左側に位置する把持部材52aは上記上側挟持部60および下側挟持部62が閉じた状態にあり、右側に位置する把持部材52bはそれらが開いた状態にある。なお、かかる上側挟持部60および下側挟持部62の相互の押圧面の図3における左端部には、それぞれ図示しない上刃および下刃が備えられている。これら上刃および下刃は、上記把持部材52によってフィラメント66を順次引き出すに際して、挟んで保持する同時に切断するためのものである。
【0019】
また、前記下部枠体18の側部には、フィラメント66がそれぞれ巻かれた複数個の巻取部材68が備えられており、そのフィラメント66は前記下部枠体18の上端部側方に設けられたピッチ・ローラ70を経由して前記テーブル26上に向かわせられるようになっている。上記フィラメント66は、たとえばタングステン(W)などから成る直径数〜数十μm程度の芯線の表面に、バリウム(Ba)、ストロンチウム(Sr)、およびカルシウム(Ca)の酸化物被膜[(Ba,Sr,Ca)O]が設けられたものであって、全体の直径は十〜数十μm程度である。また、上記ピッチ・ローラ70は、かかるフィラメント66を掛ける複数本の周溝が軸心方向に所定間隔をもってその外周面に設けられたものであり、そのピッチ・ローラ70を経由することにより、前記テーブル26上で複数本のフィラメント66が予め定められた相互間隔に保たれる。
【0020】
そのため、前記溶接位置Bに位置させられたフレーム22上にフィラメント66を引き出すに際しては、そのフレーム22よりもピッチ・ローラ70側に前記一対の把持部材52a、52bの一方を位置させ、その上側挟持部60および下側挟持部62を閉じることにより複数本のフィラメント66を挟持する。そして、挟持したまま把持部材52をそのピッチ・ローラ70から離隔する図3における左方に移動させることにより、上記フィラメント66がフレーム22上にその長手方向に沿って引き出されることとなる。図3は、図において上側に位置する把持部材52bによって上記フィラメント66を引き出した状態を示しており、他方の把持部材52aは、前記フレーム22よりも右側すなわち巻取部材68側に位置して、その上側挟持部60および下側挟持部62が開いた状態にある。なお、図2と図3とでは、時間的な「ずれ」があり(後述するように図2は図3の状態から所定時間経過した状態となる)、把持部材52a、52bの開閉状態が反対になっている。
【0021】
また、前記複数個の巻取部材68は、図1に示されるように、複数個の電動機72にそれぞれ取り付けられたものであり、それら複数個の電動機72が前記下部枠体18の側部に固設されることにより、前記巻取部材68それぞれの位置が固定されている。かかる電動機72は、それぞれ後述する駆動回路126を備え、その駆動回路126に含まれる直流電源138により駆動させられて前記巻取部材68にフィラメント66を巻き取る方向のトルクを発生させる直流電動機であって、前記巻取部材68にそのようなトルクがかけられることで、溶接に際して前記フィラメント66の弛緩が防止され、所定の張力を備えた状態で溶接される。
【0022】
また、前述の溶接装置16は、図1に示されるように、前記溶接位置Bにある治具24aの長手方向における両端部の上方にそれぞれ位置させられた一対の溶接ヘッド74a、74bを備えたものである。かかる溶接ヘッド74aは、z方向移動部材76、y方向移動部材78、およびx方向移動部材80を介して前記上部枠体20に吊設されており、溶接ヘッド74bは、z方向移動部材76およびy方向移動部材78を介して前記上部枠体20に吊設されている。また、それら溶接ヘッド74a、74bには、後述する丸線チップ・カッタ112および上側電極124がそれぞれ設けられている。
【0023】
前記上部枠体20の図1における右上部には、図の左右方向すなわち水平方向に伸びて一端(図1における右端)に備えられたサーボモータ82によって回転させられるボールねじ84がその両端部において軸支されると共に、ガイドロッド86がその上側にそれに平行に設けられている。そのボールねじ84は上記のx方向移動部材80に螺合されており、ガイドロッド86はそのx方向移動部材80に設けられた図示しない貫通穴に挿し通されている。そのため、x方向移動部材80は、そのボールねじ84の回転に従って、上記ガイドロッド86に案内されつつ前記溶接位置Bに位置させられたフレーム22の長手方向すなわち図の左右方向の何れかに移動させられる。これにより、上記溶接ヘッド74aがそのフレーム22の長手方向寸法に応じた位置に位置させられることとなる。なお、上記溶接ヘッド74b側にはx方向移動部材80が設けられておらず、そのx方向位置が固定されているため、前記フレーム22の長手方向寸法に応じた溶接ヘッド74a、74bの相互間隔は上記溶接ヘッド74aの移動だけで調節される。図1においては、その相互間隔が最も広げられている。
【0024】
また、前記x方向移動部材80には下方に向かって伸びる支持板88が一体的に備えられており、その下端の一面には、図2に示すようにサーボモータ90を一端に備えたボールねじ機構92が水平方向に沿って固定されている。このボールねじ機構92は、前記溶接ヘッド74b側においても同様に上記支持板88に固定された状態で備えられているが、それらの取付位置は相対向する支持板88の対向面である。前記y方向移動部材78は、溶接ヘッド74a、74bの何れにおいても、その上端部においてそのボールねじ機構92のボールねじ94に螺合された状態で支持されている。そのため、前記y方向移動部材78は、そのボールねじ94の回転に従って図2における左右方向に移動させられ、これにより、前記溶接ヘッド72が前記フレーム22の長手方向に垂直な幅方向に送られる。
【0025】
また、前記y方向移動部材78のボールねじ機構92とは反対側の一面には、前記溶接ヘッド74a、74bの何れにおいても、上端部にサーボモータ96を備えたボールねじ機構98が鉛直方向に沿って備えられている。前記z方向移動部材76は、その上端部をこのボールねじ機構98内に備えられる図示しないボールねじに螺合されている。そのため、前記z方向移動部材76は、そのボールねじの回転に従って鉛直方向すなわち図1および図2における上下方向に移動させられ、これにより、VFDの品番毎に定められる適切な高さ位置に前記溶接ヘッド72が位置させられる。なお、両図はかかるz方向移動部材76が最上部に位置させられている状態を示している。
【0026】
以上のように構成された溶接機10を用いて、前記フレーム22にフィラメント66を溶接する方法を図4の工程図に従って説明する。先ず、テーブル回転工程S1においては、前記テーブル26を図3における左回りに回転させることにより、その上に載置されてフレーム22が固定されている前記治具24を、そのフレーム22にフィラメント66を溶接するための溶接位置Bまで送る。なお、フレーム22は、前記溶接機10への搬入に先立って治具24に固定され、その状態でテーブル26上の載替位置Aに置かれる。そして、テーブル26は90°単位で周方向に駆動されることから、載替位置Aに載せた後の2回のテーブル26の回動で治具24が溶接位置Bまで移動させられる。なお、前記フレーム22は、たとえば図5にその全体構成が示されるように、複数個のサポート100および複数個のアンカ102の一方および他方をそれぞれ有する一対のフィラメント支持フレーム104a、104bを両端部に備えると共に、それらを連結する長手状の連結部106の一方に、VFDの基板の表示面に設けられる電極に通電するための複数本のリード・ピン(電極端子)108を備えたものである。前記フレーム22のうち上記フィラメント支持フレーム104や連結部106などはたとえば426合金で構成されており、上記サポート100およびアンカ102はたとえばステンレス鋼で構成されて、上記フィラメント支持フレーム104にスポット溶接等で固定されている。
【0027】
上述のように前記フレーム22を溶接位置Bに配置した後、フィラメント引出工程S2において、複数本のフィラメント66を互いに平行な状態で挟んで保持した前記把持部材52を、図3において把持部材52aとして示される位置から同図における左方に、図の左右方向において把持部材52bとして示される位置まで移動させる。これにより、前記把持部材52(以下、この時点でフィラメント66を挟んで同図における左方に移動するものを把持部材52aとして説明する)に挟まれた複数本のフィラメント66が相互の間隔を保持されたままフレーム22上に引き出される。
【0028】
このとき、他方の把持部材52bは、把持部材52aが移動させられる際には左方に位置しており、その移動と同時に右方に、図の左右方向においてその把持部材52aが存在していた位置まで移動させられる。この移動時には把持部材52bの上側挟持部60および下側挟持部62間が図2に示されるように開いた状態にあり、把持部材52aとその進路上で相互に干渉することはない。すなわち、図2は図3の後の把持部材52a、52bの移動時の状態を示しているのである。上述の移動(すなわちフィラメント66の引き出し)の終了後、把持部材52aはフィラメント66を挟持した状態に、把持部材52bは開いた状態にそれぞれ保持される。なお、テーブル26の回転とフィラメント66の引き出しとは、反対の順序で実施されても、あるいは同時に実施されても差し支えない。
【0029】
次いで、治具上昇工程S3において、前記溶接位置Bに位置させられている治具24が所定の溶接高さ位置まで上昇させられる。この溶接高さ位置は、その治具24に固定されているフレーム22のサポート100およびアンカ102の上面(後述する図6に示される溶接面)110に、引き出されたフィラメント66が接触しあるいはその溶接面110により僅かに押し上げられる位置に設定されている。図5は、そのようにフレーム22が上昇させられることにより、フィラメント66とサポート100およびアンカ102とが接触させられている状態を表す。なお、図5においては、アンカ102が真直な状態に描かれているが、通常アンカ102は、フィラメント66に一定の張力を付与する目的で、治具24に固定されている状態においてその先端がサポート100に接近するように各々が弾性的に曲げられている。また、把持部材52a側にサポート100が位置するようにフレーム22が配置されているが、サポート100とアンカ102の位置は治具24への取付状態などで決定されるものであり、反対となるように構成されていても差し支えない。さらには、両側にアンカ102が設けられたものであっても構わない。
【0030】
続く溶接ヘッド下降工程S4においては、前記溶接ヘッド74a、74bがフィラメント66をサポート100およびアンカ102にそれぞれ溶接するための高さ位置まで、共に下降させられる。この高さ位置は、たとえば、図6に示されるように、前記溶接ヘッド72に備えられるカッタ112の先端部の固定刃114および可動刃116が、サポート100およびアンカ102から僅かに上方に離隔した位置である。以下の各工程は、溶接ヘッド上昇工程S10までの間、一対の溶接ヘッド74a、74bが同時に動くこととなるため、一方だけについて説明する。
【0031】
上述のように各部材および各装置を配置した後、溶接チップ送出工程S5において、図示しない巻取部材から丸線チップ118を引き出す。すなわち、本実施例の溶接機10においては、溶接チップとしてたとえば軟鉄などから成る丸線チップ118を用いるものである。そのように、上記固定刃114の先端面120の貫通穴122から、丸線チップ118を予め定められた一回の溶接に必要な長さだけ、フィラメント66上すなわちサポート100あるいはアンカ102の溶接面110上に送り出す。図6は、このように溶接面110上に位置させられたフィラメント66をその溶接面110との間で挟む位置に丸線チップ118が供給された状態を表す。
【0032】
続く上側電極下降工程S6においては、前記z方向移動部材76を下降させることにより、カッタ112の高さ位置を固定したまま、上側電極124を下降させる。さらに続く通電工程S7においては、その上側電極124と前記治具24との間に電圧を印加して、丸線チップ118、フィラメント66、およびサポート100(あるいはアンカ102)を通る経路で溶接電流を予め定められた時間だけ流す。前記治具24は、少なくともサポート100などを下側から支持する部分が銅等の導電性材料で構成されたものであり、軟鉄などから成る丸線チップ118、その芯線がタングステンなどから成るフィラメント66、ステンレス鋼などから成るサポート100およびアンカ102は何れも導電性を有していることから、それらを通る経路で上側電極124と治具24との間に溶接電流が流れるのである。これにより、その溶接電流で抵抗発熱させられた丸線チップ118が溶け、上側電極124に押し潰されることによりフィラメント66に密着してこれを覆った状態で、溶接面110に抵抗溶接によって固着される。すなわち、フィラメント66がサポート100あるいはアンカ102の溶接面110に固着される。
【0033】
前記フィラメント66が溶接面110に固着された後、上側電極上昇工程S8においては、前記z方向移動部材76を上昇させることにより、前記上側電極124を上昇させて溶接面110から離隔させ、図6に示される位置に復帰させる。そして、続く溶接チップ切断工程S9において、前記カッタ112に備えられた固定刃114および可動刃116により上記丸線チップ118を切断する。
【0034】
そのようにして、一本のフィラメント66の溶接(固着)が終了した後、溶接ヘッド上昇工程S10において前記溶接ヘッド72が元の高さ位置まで上昇して溶接面110から離隔させられる。複数本のフィラメント66をフレーム22に備えられている複数個のサポート100あるいはアンカ102の溶接面110に固着する場合には、前記溶接ヘッド72が上昇した後、溶接ヘッド水平移動工程S11において前記y方向移動部材78を移動することにより、かかる溶接ヘッド72が次の溶接面110の上方まで移動させられる。その後、前述した溶接ヘッド下降工程S4〜溶接ヘッド上昇工程S10が同様にして繰り返される。なお、サポート100およびアンカ102は、フレーム22に同数備えられており、フィラメント66の両端がそれらに同時に固着されることから、上述の各工程の繰り返しにおいても溶接ヘッド74a、74bが同時に動かされる。
【0035】
以上の工程を経て、複数本のフィラメント66の溶接が全て終了した後、フィラメント切断工程S12においては、図3における右側位置に位置させられていた把持部材52(図において把持部材52aが配置されている位置)の開閉シリンダ64が作動させられることにより、それに備えられている上側挟持部60および下側挟持部62間が閉じる。これにより、複数本のフィラメント66がその右側に位置する把持部材52によって挟持されると同時に、その挟持位置とフレーム22の巻取部材68側の端部との間で切断される。
【0036】
その結果、前記フレーム22上まで引き出されていたフィラメント66のうち、そのフレーム22上に固着された部分が切り離され、前記巻取部材68側の部分はその把持部材52によって挟持された状態になる。すなわち、フィラメント66の切断と次にフィラメント66をフレーム22上まで引き出すための挟持処理は把持部材52の一回の動作により同時に為されるようになっている。その後、治具下降工程S13において、前記治具24がテーブル26上に降ろされることにより、一個のフレーム22に複数本のフィラメント66を固着するための一連の処理が終了し、続いて溶接機10に搬入される複数個のフレーム22を順次処理すべく、テーブル回転工程S1以下が繰り返される。
【0037】
以上、図4に示す一連の工程において、前記巻取部材68には、前記電動機72によりフィラメント66を巻き取る方向のトルクが常時かけられることで、前記把持部材52とその巻取部材68との間に張られたフィラメント66の弛緩が防止されている。すなわち、引き出された複数本のフィラメント66は、常に把持部材52a、52bの何れか一方によってその端部が把持されて張られた状態にある。しかし、前述のように、フィラメント66は、その直径が数〜数十μm程度の芯線の外周面に薄い酸化物被膜が設けられたものであり、フィラメント全体の直径でも十〜数十μm程度と極めて細いものである為、その供給・溶接に際しては断線あるいは把持不良による抜けなどが発生する可能性がある。そのような場合、前記電動機72によりかけられるトルクにより前記巻取部材68がフィラメント66を巻き取る方向に回転し、引き出されていたフィラメント66が絡まって復旧に長時間を要したり、フィラメント66表面の酸化物被膜が剥がれ落ちて使用に適さなくなったりする不具合が発生する。
【0038】
図7は、前記電動機72の駆動回路126の一例を説明する回路図である。この図に示されるように、かかる駆動回路126において、前記電動機72から延ばされた駆動配線132は、たとえば10Ω程度の電気抵抗を備えた抵抗器134および開閉器136を介して直流電源138に接続されている。その開閉器136は、図に示されるオン位置において、前記電動機72を駆動配線132を介して直流電源138に接続する一方、そのオフ位置において、制動用短絡配線142に接続する。また、上記抵抗器134には、npn形トランジスタ(以下、単にトランジスタと称する)144のベースが接続されている。かかる抵抗器134は、電気抵抗が5Ω程度の可変抵抗器として機能している。また、上記トランジスタ144のエミッタは接地され、コレクタはプログラマブル調節器(以下、PLCと称する)146に接続されている。そのPLC146は、上記開閉器136を開閉させる為のコイル148に接続されており、たとえば上記トランジスタ144がオフ状態において上記開閉器136をオン位置とし、オン状態において上記開閉器136をオフ位置とするように予め設定されている。
【0039】
前記フィラメント66が、たとえば不慮に切断されたり、あるいは把持不良により前記把持部材52から抜けるなどの不具合すなわち断線が発生した際、前記電動機72がフィラメント66を巻き取る方向に回転を始めると、その電動機72の電気抵抗が前記フィラメント66に張力を付与する為に機能していたときと比較して急激に上昇する。それに伴い、上記トランジスタ144のベースの電位が相対的に上昇すると、そのトランジスタ144がそれまでのオフ状態からオン状態に切り換えられる。すなわち、上記抵抗器134、トランジスタ144、およびPLC146は、前記電動機72の電気抵抗が所定値を上回った際に前記フィラメント66が断線したものと判断する断線検出装置128を構成するものである。上述のように、トランジスタ144がオン状態となった際には、上記PLC146によって上記開閉器136がオフ位置とされ、前記電動機72の一対の端子が制動用短絡配線142を介して短絡されることにより、かかる電動機72に回生制動がはたらき、前記トランジスタ144によりフィラメント66の断線が検出されるのと略同時に前記電動機72の回転を停止させることができる。すなわち、上記開閉器136、PLC146、およびコイル148は、上記断線検出装置128によってそのフィラメント66の断線が検出された場合に、前記電動機72に回生制動を発生させるようにその電動機72の駆動回路126をフィラメント66に張力を付与するトルクを出力する状態と、巻取部材68すなわち電動機72に制動力を付与する状態とを択一的に切り換える開閉装置130を構成するものである。
【0040】
このように、本実施例によれば、前記断線検出装置128は、前記電動機72の電気抵抗の変化に基づいて前記フィラメント66の断線を検出するものであり、前記電動機72がフィラメント66を巻き取る方向に回転を始めると、その電動機72の電気抵抗は前記フィラメント66に張力を付与する為に機能していたときと比較して急激に上昇する為、その電気抵抗が所定値を上回った際に前記フィラメント66が断線したものと判断するように前記抵抗器134およびPLC146を予め設定しておくことにより、かかる簡単な断線検出装置128によって前記フィラメント66に断線が発生するのと略同時にその断線を検出できる。また、前記断線検出装置128により前記フィラメント66の断線が検出された場合には、前記開閉装置130により前記電動機72の駆動回路126が開閉されて前記電動機72に回生制動がはたらく為、前記フィラメント66の断線が検出されるのと略同時に前記電動機72の回転を停止させることができる。すなわち、フィラメント66が断線した際、可及的速やかに巻取部材68の巻き取り方向の回転を停止させるフィラメント溶接機10を提供することができる。
【0041】
以上、本発明の好適な実施例を図面に基づいて詳細に説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、さらに別の態様においても実施される。
【0042】
図8は、前述の実施例において、前記把持部材52と巻取部材68との間に張られるフィラメント66に所定の張力を付与する為の電動機が交流誘導電動機である場合の駆動回路150を説明する回路図である。この図に示すように、かかる駆動回路150は、交流電源152によって誘導電動機154のロータ156を回転させる為の回路であり、その電動機154から延ばされた駆動配線158は、抵抗器160および開閉器162を介して上記交流電源152に接続されている。その開閉器162は、図に示されるオン位置において、上記電動機154を駆動配線158を介して交流電源152に接続する一方、そのオフ位置において、上記電動機154を直流電源164を有する制動用直流励磁配線166に接続する。また、かかる駆動回路150には、上記抵抗器160の両端に生じる電圧を検出するPLC168が設けられている。そのPLC168は、上記開閉器162を開閉させる為のコイル170に接続されており、たとえば上記抵抗器160にかかる電圧が所定値を上回る場合には上記開閉器162をオン位置とし、下回る場合には上記開閉器162をオフ位置とするように予め設定されている。以上のように構成された駆動回路150においては、上記抵抗器160およびPLC168が断線検出装置172を、上記開閉器162、PLC168、およびコイル170が開閉装置174をそれぞれ構成する。そのような構成によっても、前記フィラメント66が断線した際、可及的速やかに巻取部材68の巻き取り方向の回転を停止させるフィラメント溶接機10を提供することができる。すなわち、本発明の効果を奏するものであれば電動機およびその駆動回路の種類は問わない。
【0043】
また、前述の実施例においては、抵抗器134およびトランジスタ144が断線検出装置128を構成していたが、たとえば図7において、トランジスタ144が除かれ、抵抗器134にかかる電圧が所定値を下回った場合に前記開閉器136をオフ位置とするPLCが設けられ、かかるPLCおよび抵抗器134が断線検出装置を構成するものであっても構わない。すなわち、電動機の電気抵抗の変化に基づいてフィラメントの断線を検出する断線検出装置であればその態様は問わない。
【0044】
また、前述の駆動回路126において、前記開閉器136がオフ位置とされた際に前記電動機72が接続される制動配線142は電源を有さないものであったが、たとえば起電力の十分に小さな直流電源が設けられたものであっても構わない。すなわち、断線検出装置により断線が検出された際、前記電動機72に回生制動を発生させる駆動回路であればその態様は問わない。
【0045】
また、前述の実施例においては、溶接機10に備えられている把持部材52が複数本のフィラメント66を同時に引き出すように構成されていたが、把持部材52は、フィラメント66を一本ずつ溶接面110まで引き出すものであっても構わない。すなわち、前記溶接機10は、あくまで本発明の好適な実施例に過ぎず、本発明は、一般に用いられるフィラメント溶接機に広く適用されるものである。
【0046】
その他一々例示はしないが、本発明はその趣旨を逸脱しない範囲内において、種々の変更が加えられて実施されるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例であるフィラメント溶接機の構成を示す正面図である。
【図2】図1における右側面を示す図である。
【図3】図1における上面を示す図である。
【図4】図1のフィラメント溶接機を用いたフィラメントの溶接方法を説明する工程図である。
【図5】図1のフィラメント溶接機の引出装置によりフィラメントをフレーム上に引き出した様子を示す斜視図である。
【図6】図1のフィラメント溶接装置を用いてフィラメントを溶接する様子を説明する斜視図である。
【図7】図1のフィラメント溶接機に備えられた直流電動機の駆動回路の一例を説明する回路図である。
【図8】図1のフィラメント溶接機に備えられた交流電動機の駆動回路の一例を説明する回路図である。
【符号の説明】
10:フィラメント溶接機
14:引出装置
66:フィラメント
68:巻取部材
72、154:電動機
126、150:駆動回路
128、172:断線検出装置
130、174:開閉装置
【発明の属する技術分野】
本発明は、たとえば蛍光表示管の製造において、フィラメントを溶接する工程で用いられるフィラメント溶接機の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
基板の表示面に複数の蛍光体層を備え、真空空間内においてその蛍光体層の近傍に架設されたフィラメントから発生させられた電子を、上記蛍光体層とフィラメントとの間に設けられたグリッド電極で制御してかかる蛍光体層を選択的に発光させる形式の蛍光表示管(Vacuum Fluorescent Display:VFD)が知られている。このような蛍光表示管は、フィラメントから発生した電子が衝突させられる蛍光表示管の表面が表示側に位置する為に動作電圧が比較的低くて済み、鮮明な表示が成されることに加え、相互に発光色の異なる複数種類の蛍光体を用意することによりカラー表示が可能となるなどの特徴がある。その為、音響機器や自動車あるいは航空機の表示パネルなどの表示部品として多用されている。
【0003】
上記フィラメントは、たとえばタングステン(W)などから成る直径数〜数十μm程度の芯線の表面に、バリウム(Ba)、ストロンチウム(Sr)、およびカルシウム(Ca)の酸化物被膜[(Ba,Sr,Ca)O]が設けられたものである。フィラメントの電子放出機能は、この酸化物被膜によって付与されている。そのようなフィラメントは、たとえば基板上に立設されたアンカおよびサポートの端部にそれぞれ備えられる溶接面にそのフィラメントの両端部が溶接により固定されることで、所定の高さ位置に支持されている。上記アンカは板バネ構造を有してフィラメントに張力を付与するものであって、フィラメントが発熱により線膨張させられる駆動時においてもその線膨張によって弛みが生じることを抑制する。一般的に、フィラメントの一端はサポートによって非弾性的に支持されているが、必要に応じて両端がアンカで弾性的に支持される。
【0004】
ところで、かかるフィラメントは、前記蛍光表示管の製造において、巻取部材に巻かれた状態でフィラメント溶接機に備えられ、そのフィラメント溶接機に設けられたフィラメント引出装置により上記アンカおよびサポートの端部にそれぞれ備えられる溶接面の近傍に架け渡されてその溶接面に溶接される。ここで、供給されるフィラメントの弛みを防止する為、上記巻取部材には、フィラメントの供給方向(引き出し方向)と逆方向に、供給の妨げにならない程度のトルクすなわち所謂バックテンションがかけられた状態で供給・溶接がおこなわれるのが一般的である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、前述のように、蛍光表示管のフィラメントは、その直径が数〜数十μm程度の芯線の外周面に薄い酸化物被膜が設けられたものである為、フィラメント全体の直径でも十〜数十μm程度と極めて細いものである為、その供給・溶接に際してはしばしば断線あるいは把持不良による抜けなどが発生する。そのような場合、上記トルクにより巻取部材がフィラメントを巻き取る方向に回転し、引き出されていたフィラメントが絡まって復旧に長時間を要したり、フィラメント表面の酸化物被膜が剥がれ落ちて使用に適さなくなったりする可能性があった。
【0006】
そのような不具合を発生させない為には、上述のようにフィラメントが断線などした後、前記トルクを速やかに解放して巻取部材の回転を停止させる必要がある。そこで、フィラメントが断線などしたことを検出する手段が求められるが、前述のように極めて細いフィラメントの断線などを一般的なセンサにより検出することは困難であり、比較的高額なセンサあるいは計測器が要求される。一方、上記巻取部材の回転の様子からフィラメントの断線などを検出する手段も考えられるが、光学式あるいは機械式のエンコーダは比較的高額であり実用に適さない。また、巻取部材の側面すなわち回転軸に垂直な面に予め凹凸などを形成しておき、一般的な光電センサなどにより回転の様子を検出する方法が考えられるが、順方向すなわちフィラメントを引き出す方向の回転と、逆方向すなわちフィラメントを巻き取る方向の回転とを区別するのは技術的に難しいことに加え、回転が始まってから断線と判断できるまでに比較的長時間を要する為、回転の停止が遅れる可能性が高い。さらには、以上のような手段によりフィラメントの断線などを検出し、前記トルクを解放したとしても、慣性により巻取部材の回転が直ちには停止せず、上述の不具合を十分には防止できないことが考えられる。
【0007】
本発明は、以上の事情を背景として為されたものであり、その目的とするところは、フィラメントが断線などした際、可及的速やかに巻取部材の巻き取り方向の回転を停止させるフィラメント溶接機を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
かかる目的を達成する為に、本発明の要旨とするところは、フィラメントが巻かれた巻取部材と、そのフィラメントの溶接の為にそのフィラメントをその端部において把持してその巻取部材から引き出す引出装置と、前記巻取部材と引出装置との間に張られるフィラメントに所定の張力を付与するように、前記巻取部材に所定のトルクをかける為の電動機とを備えたフィラメント溶接機であって、その電動機の電気抵抗の変化に基づいて前記フィラメントの断線を検出する断線検出装置と、その断線検出装置によってそのフィラメントの断線が検出された場合には、前記電動機に回生制動を発生させるようにその電動機の駆動回路を開閉する開閉装置とを備えていることを特徴とするものである。
【0009】
【発明の効果】
このようにすれば、前記断線検出装置は、前記電動機の電気抵抗の変化に基づいて前記フィラメントの断線を検出するものであり、前記電動機がフィラメントを巻き取る方向に回転を始めると、その電動機の電気抵抗は前記フィラメントに張力を付与する為に機能していたときと比較して急激に上昇する為、その電気抵抗が所定値を上回った際に前記フィラメントが断線したものと判断するように予め設定しておくことにより、かかる簡単な断線検出装置によって前記フィラメントに断線が発生するのと略同時にその断線を検出できる。また、前記断線検出装置により前記フィラメントの断線が検出された場合には、前記開閉装置により前記電動機の駆動回路が開閉されて前記電動機に回生制動がはたらく為、前記フィラメントの断線が検出されるのと略同時に前記電動機の回転を停止させることができる。すなわち、フィラメントが断線した際、可及的速やかに巻取部材の巻き取り方向の回転を停止させるフィラメント溶接機を提供することができる。ここで、前記フィラメントの断線とは、フィラメントが不慮に切断されることのみならず、把持不良による前記引出装置からの抜けなど、前記電動機にフィラメントを巻き取る方向の回転を発生させる不具合を広く示す。
【0010】
【実施例】
以下、本発明の好適な実施例を図面に基づいて詳細に説明する。
【0011】
図1〜図3は、本発明の一実施例であるフィラメント溶接機(以下、単に溶接機と称する)10の全体構成を説明する正面図、右側面図、および平面図である。かかる溶接機10は、たとえば蛍光表示管(以下、VFDと称する)を製造するに際して、後述する図5に示すようにサポート100およびアンカ102が一体的に設けられたフレーム22に複数本(たとえば6本程度)のフィラメント66を張設する為に用いられるものであって、フレーム22を予め定められた溶接位置に配置する為のフレーム搬送装置12、その溶接位置に配置されたフレーム22上に複数本のフィラメント66を同時に引き出す為のフィラメント引出装置(以下、単に引出装置と称する)14、およびフレーム22のサポート100およびアンカ102にフィラメント66を溶接する為の溶接装置16とを備えている。
【0012】
また、上記溶接機10は、上下に配置されたそれぞれ直方体枠状の下部枠体18および上部枠体20とから成る全体として段付き箱形状の機枠を備えており、図1に示す正面図において略長方形状を成し、図2に示す側面図において階段状を成している。相対的に大きい寸法を備えて下側に位置する下部枠体18には、上記フレーム搬送装置12および引出装置14が取り付けられており、一方、相対的に小さい寸法を備えて下部枠体18上において図1における奥側に位置させられた上部枠体20には、上記溶接装置16が取り付けられている。
【0013】
前記フレーム搬送装置12は、フレーム22が固定された治具24を載置して図3に示される載替位置Aから溶接位置Bおよびゲッタ取付位置Cなどに順に搬送する為のターン・テーブル(以下、単にテーブルと称する)26を、下部枠体18の上端部近傍に備えたものである。かかるテーブル26は、薄板円盤状を成して図示しない回転駆動機構によって図3における紙面に垂直な鉛直方向に伸びる軸心まわりに回転させられるものであり、その回転によって上記治具24を上述のA、B、またはCなどの各位置に搬送する。また、テーブル26には、周方向に略沿った方向の開口幅寸法が上記治具24の幅寸法よりもわずかに短い切欠部28が、外周部の4箇所に略90°毎に備えられている。上記治具24は、この切欠部28に載せられており、その両端部だけが上記テーブル26上に支持された状態にある。なお、上記治具24のテーブル26上における位置は、たとえばそれぞれに設けられている図示しない嵌合穴と位置決めピンとの嵌め合いによって固定されている。
【0014】
また、前述の溶接位置Bおよびゲッタ取付位置Cには、図1に示すように、前記テーブル26の下側に治具昇降装置30、32がそれぞれ設けられている。かかる治具昇降装置30は、前記下部枠体18の上端部から吊り下げられた固定枠34に固定されたシリンダ36と、その固定枠34の内側に配置されてそのシリンダ36によって上下移動させられる昇降枠38とを備えたものである。かかる昇降枠38の上端部には、前記溶接位置Bに位置させられた切欠部28の開口内に位置させられるように昇降テーブル40が固定されている。そのため、その溶接位置Bにおいては、上記治具昇降装置30の昇降枠38がシリンダ36によって上昇させられることにより、上記昇降テーブル40に治具24が下側から押し上げられてテーブル26から離隔させられ、予め定められた溶接高さ位置に位置させられる。図1において治具24cは、このようにして前記溶接位置Bにおいて溶接高さ位置まで上昇させられた状態にある。
【0015】
また、前記ゲッタ取付位置Cに設けられている治具昇降装置32は、同様に前記下部枠体18から吊り下げられた固定枠42にシリンダ44が固定されるとともに、そのシリンダ44によって上下移動させられる昇降枠46をその固定枠42の内側に備えたものであり、かかる昇降枠46の上端部には、前記ゲッタ取付位置Cに位置させられた切欠部28の開口内に位置させられるように昇降テーブル48が固定されている。図1において実線で示される治具24dは前記テーブル26上に位置させられた状態を示しており、破線は上記昇降テーブル48に押し上げられて予め定められたゲッタ取付高さ位置に位置させられた状態を示している。
【0016】
このように、前記治具24は、前記溶接位置Bおよびゲッタ取付位置Cでは所定の高さ位置まで上昇させられるようになっているが、常には前記テーブル26上に位置させられる。こうして、前記テーブル26がその軸心回りに回転させられることにより前記治具24が搬送される際には、その治具24は溶接高さ位置などよりも低い位置にあり、これによって後述する引出装置14の構成部材との干渉が防止されている。なお、図2に示されるように、前記載替位置Aにおけるテーブル26の下側にもシリンダ50が備えられているが、これは前記テーブル26上に載置された治具24を突き上げてそこから容易に取り外し得るようにするために設けられたものである。したがって、前記フレーム22は、本実施例の溶接機10においてフィラメント66を溶接する際には、治具24に固定された状態で取り扱われることとなる。
【0017】
また、前記引出装置14は、前記下部枠体18上の上部枠体20に覆われた範囲に、一対のフィラメント把持部材52a、52b(以下、特に区別しないときは単に把持部材52と称する)と、その把持部材52のブラケット54に螺合されて図3における左右方向に伸びる一対のボールねじ56と、そのボールねじ56の一端側に配置されてこれを軸心回りに回転させることにより把持部材52を図1および図3における左右方向に移動させるための一対の把持部材移動サーボモータ58とを備えている。
【0018】
上記一対の把持部材52a、52bには、水平方向に沿って伸びる一対の上側挟持部60および下側挟持部62が他方に向かって突き出してそれぞれ備えられており、それらは各別に設けられた開閉シリンダ64の作動に従って上下に移動させられる。そのため、かかる上側挟持部60が上側に移動させられると共に下側挟持部62が下側に移動させられるとそれらの間が開いて間隔が広がった状態になる一方、上側挟持部60が下側に移動させられると共に下側挟持部62が上側に移動させられた場合にはそれらの間が閉じて互いに押圧する状態となる。図2において左側に位置する把持部材52aは上記上側挟持部60および下側挟持部62が閉じた状態にあり、右側に位置する把持部材52bはそれらが開いた状態にある。なお、かかる上側挟持部60および下側挟持部62の相互の押圧面の図3における左端部には、それぞれ図示しない上刃および下刃が備えられている。これら上刃および下刃は、上記把持部材52によってフィラメント66を順次引き出すに際して、挟んで保持する同時に切断するためのものである。
【0019】
また、前記下部枠体18の側部には、フィラメント66がそれぞれ巻かれた複数個の巻取部材68が備えられており、そのフィラメント66は前記下部枠体18の上端部側方に設けられたピッチ・ローラ70を経由して前記テーブル26上に向かわせられるようになっている。上記フィラメント66は、たとえばタングステン(W)などから成る直径数〜数十μm程度の芯線の表面に、バリウム(Ba)、ストロンチウム(Sr)、およびカルシウム(Ca)の酸化物被膜[(Ba,Sr,Ca)O]が設けられたものであって、全体の直径は十〜数十μm程度である。また、上記ピッチ・ローラ70は、かかるフィラメント66を掛ける複数本の周溝が軸心方向に所定間隔をもってその外周面に設けられたものであり、そのピッチ・ローラ70を経由することにより、前記テーブル26上で複数本のフィラメント66が予め定められた相互間隔に保たれる。
【0020】
そのため、前記溶接位置Bに位置させられたフレーム22上にフィラメント66を引き出すに際しては、そのフレーム22よりもピッチ・ローラ70側に前記一対の把持部材52a、52bの一方を位置させ、その上側挟持部60および下側挟持部62を閉じることにより複数本のフィラメント66を挟持する。そして、挟持したまま把持部材52をそのピッチ・ローラ70から離隔する図3における左方に移動させることにより、上記フィラメント66がフレーム22上にその長手方向に沿って引き出されることとなる。図3は、図において上側に位置する把持部材52bによって上記フィラメント66を引き出した状態を示しており、他方の把持部材52aは、前記フレーム22よりも右側すなわち巻取部材68側に位置して、その上側挟持部60および下側挟持部62が開いた状態にある。なお、図2と図3とでは、時間的な「ずれ」があり(後述するように図2は図3の状態から所定時間経過した状態となる)、把持部材52a、52bの開閉状態が反対になっている。
【0021】
また、前記複数個の巻取部材68は、図1に示されるように、複数個の電動機72にそれぞれ取り付けられたものであり、それら複数個の電動機72が前記下部枠体18の側部に固設されることにより、前記巻取部材68それぞれの位置が固定されている。かかる電動機72は、それぞれ後述する駆動回路126を備え、その駆動回路126に含まれる直流電源138により駆動させられて前記巻取部材68にフィラメント66を巻き取る方向のトルクを発生させる直流電動機であって、前記巻取部材68にそのようなトルクがかけられることで、溶接に際して前記フィラメント66の弛緩が防止され、所定の張力を備えた状態で溶接される。
【0022】
また、前述の溶接装置16は、図1に示されるように、前記溶接位置Bにある治具24aの長手方向における両端部の上方にそれぞれ位置させられた一対の溶接ヘッド74a、74bを備えたものである。かかる溶接ヘッド74aは、z方向移動部材76、y方向移動部材78、およびx方向移動部材80を介して前記上部枠体20に吊設されており、溶接ヘッド74bは、z方向移動部材76およびy方向移動部材78を介して前記上部枠体20に吊設されている。また、それら溶接ヘッド74a、74bには、後述する丸線チップ・カッタ112および上側電極124がそれぞれ設けられている。
【0023】
前記上部枠体20の図1における右上部には、図の左右方向すなわち水平方向に伸びて一端(図1における右端)に備えられたサーボモータ82によって回転させられるボールねじ84がその両端部において軸支されると共に、ガイドロッド86がその上側にそれに平行に設けられている。そのボールねじ84は上記のx方向移動部材80に螺合されており、ガイドロッド86はそのx方向移動部材80に設けられた図示しない貫通穴に挿し通されている。そのため、x方向移動部材80は、そのボールねじ84の回転に従って、上記ガイドロッド86に案内されつつ前記溶接位置Bに位置させられたフレーム22の長手方向すなわち図の左右方向の何れかに移動させられる。これにより、上記溶接ヘッド74aがそのフレーム22の長手方向寸法に応じた位置に位置させられることとなる。なお、上記溶接ヘッド74b側にはx方向移動部材80が設けられておらず、そのx方向位置が固定されているため、前記フレーム22の長手方向寸法に応じた溶接ヘッド74a、74bの相互間隔は上記溶接ヘッド74aの移動だけで調節される。図1においては、その相互間隔が最も広げられている。
【0024】
また、前記x方向移動部材80には下方に向かって伸びる支持板88が一体的に備えられており、その下端の一面には、図2に示すようにサーボモータ90を一端に備えたボールねじ機構92が水平方向に沿って固定されている。このボールねじ機構92は、前記溶接ヘッド74b側においても同様に上記支持板88に固定された状態で備えられているが、それらの取付位置は相対向する支持板88の対向面である。前記y方向移動部材78は、溶接ヘッド74a、74bの何れにおいても、その上端部においてそのボールねじ機構92のボールねじ94に螺合された状態で支持されている。そのため、前記y方向移動部材78は、そのボールねじ94の回転に従って図2における左右方向に移動させられ、これにより、前記溶接ヘッド72が前記フレーム22の長手方向に垂直な幅方向に送られる。
【0025】
また、前記y方向移動部材78のボールねじ機構92とは反対側の一面には、前記溶接ヘッド74a、74bの何れにおいても、上端部にサーボモータ96を備えたボールねじ機構98が鉛直方向に沿って備えられている。前記z方向移動部材76は、その上端部をこのボールねじ機構98内に備えられる図示しないボールねじに螺合されている。そのため、前記z方向移動部材76は、そのボールねじの回転に従って鉛直方向すなわち図1および図2における上下方向に移動させられ、これにより、VFDの品番毎に定められる適切な高さ位置に前記溶接ヘッド72が位置させられる。なお、両図はかかるz方向移動部材76が最上部に位置させられている状態を示している。
【0026】
以上のように構成された溶接機10を用いて、前記フレーム22にフィラメント66を溶接する方法を図4の工程図に従って説明する。先ず、テーブル回転工程S1においては、前記テーブル26を図3における左回りに回転させることにより、その上に載置されてフレーム22が固定されている前記治具24を、そのフレーム22にフィラメント66を溶接するための溶接位置Bまで送る。なお、フレーム22は、前記溶接機10への搬入に先立って治具24に固定され、その状態でテーブル26上の載替位置Aに置かれる。そして、テーブル26は90°単位で周方向に駆動されることから、載替位置Aに載せた後の2回のテーブル26の回動で治具24が溶接位置Bまで移動させられる。なお、前記フレーム22は、たとえば図5にその全体構成が示されるように、複数個のサポート100および複数個のアンカ102の一方および他方をそれぞれ有する一対のフィラメント支持フレーム104a、104bを両端部に備えると共に、それらを連結する長手状の連結部106の一方に、VFDの基板の表示面に設けられる電極に通電するための複数本のリード・ピン(電極端子)108を備えたものである。前記フレーム22のうち上記フィラメント支持フレーム104や連結部106などはたとえば426合金で構成されており、上記サポート100およびアンカ102はたとえばステンレス鋼で構成されて、上記フィラメント支持フレーム104にスポット溶接等で固定されている。
【0027】
上述のように前記フレーム22を溶接位置Bに配置した後、フィラメント引出工程S2において、複数本のフィラメント66を互いに平行な状態で挟んで保持した前記把持部材52を、図3において把持部材52aとして示される位置から同図における左方に、図の左右方向において把持部材52bとして示される位置まで移動させる。これにより、前記把持部材52(以下、この時点でフィラメント66を挟んで同図における左方に移動するものを把持部材52aとして説明する)に挟まれた複数本のフィラメント66が相互の間隔を保持されたままフレーム22上に引き出される。
【0028】
このとき、他方の把持部材52bは、把持部材52aが移動させられる際には左方に位置しており、その移動と同時に右方に、図の左右方向においてその把持部材52aが存在していた位置まで移動させられる。この移動時には把持部材52bの上側挟持部60および下側挟持部62間が図2に示されるように開いた状態にあり、把持部材52aとその進路上で相互に干渉することはない。すなわち、図2は図3の後の把持部材52a、52bの移動時の状態を示しているのである。上述の移動(すなわちフィラメント66の引き出し)の終了後、把持部材52aはフィラメント66を挟持した状態に、把持部材52bは開いた状態にそれぞれ保持される。なお、テーブル26の回転とフィラメント66の引き出しとは、反対の順序で実施されても、あるいは同時に実施されても差し支えない。
【0029】
次いで、治具上昇工程S3において、前記溶接位置Bに位置させられている治具24が所定の溶接高さ位置まで上昇させられる。この溶接高さ位置は、その治具24に固定されているフレーム22のサポート100およびアンカ102の上面(後述する図6に示される溶接面)110に、引き出されたフィラメント66が接触しあるいはその溶接面110により僅かに押し上げられる位置に設定されている。図5は、そのようにフレーム22が上昇させられることにより、フィラメント66とサポート100およびアンカ102とが接触させられている状態を表す。なお、図5においては、アンカ102が真直な状態に描かれているが、通常アンカ102は、フィラメント66に一定の張力を付与する目的で、治具24に固定されている状態においてその先端がサポート100に接近するように各々が弾性的に曲げられている。また、把持部材52a側にサポート100が位置するようにフレーム22が配置されているが、サポート100とアンカ102の位置は治具24への取付状態などで決定されるものであり、反対となるように構成されていても差し支えない。さらには、両側にアンカ102が設けられたものであっても構わない。
【0030】
続く溶接ヘッド下降工程S4においては、前記溶接ヘッド74a、74bがフィラメント66をサポート100およびアンカ102にそれぞれ溶接するための高さ位置まで、共に下降させられる。この高さ位置は、たとえば、図6に示されるように、前記溶接ヘッド72に備えられるカッタ112の先端部の固定刃114および可動刃116が、サポート100およびアンカ102から僅かに上方に離隔した位置である。以下の各工程は、溶接ヘッド上昇工程S10までの間、一対の溶接ヘッド74a、74bが同時に動くこととなるため、一方だけについて説明する。
【0031】
上述のように各部材および各装置を配置した後、溶接チップ送出工程S5において、図示しない巻取部材から丸線チップ118を引き出す。すなわち、本実施例の溶接機10においては、溶接チップとしてたとえば軟鉄などから成る丸線チップ118を用いるものである。そのように、上記固定刃114の先端面120の貫通穴122から、丸線チップ118を予め定められた一回の溶接に必要な長さだけ、フィラメント66上すなわちサポート100あるいはアンカ102の溶接面110上に送り出す。図6は、このように溶接面110上に位置させられたフィラメント66をその溶接面110との間で挟む位置に丸線チップ118が供給された状態を表す。
【0032】
続く上側電極下降工程S6においては、前記z方向移動部材76を下降させることにより、カッタ112の高さ位置を固定したまま、上側電極124を下降させる。さらに続く通電工程S7においては、その上側電極124と前記治具24との間に電圧を印加して、丸線チップ118、フィラメント66、およびサポート100(あるいはアンカ102)を通る経路で溶接電流を予め定められた時間だけ流す。前記治具24は、少なくともサポート100などを下側から支持する部分が銅等の導電性材料で構成されたものであり、軟鉄などから成る丸線チップ118、その芯線がタングステンなどから成るフィラメント66、ステンレス鋼などから成るサポート100およびアンカ102は何れも導電性を有していることから、それらを通る経路で上側電極124と治具24との間に溶接電流が流れるのである。これにより、その溶接電流で抵抗発熱させられた丸線チップ118が溶け、上側電極124に押し潰されることによりフィラメント66に密着してこれを覆った状態で、溶接面110に抵抗溶接によって固着される。すなわち、フィラメント66がサポート100あるいはアンカ102の溶接面110に固着される。
【0033】
前記フィラメント66が溶接面110に固着された後、上側電極上昇工程S8においては、前記z方向移動部材76を上昇させることにより、前記上側電極124を上昇させて溶接面110から離隔させ、図6に示される位置に復帰させる。そして、続く溶接チップ切断工程S9において、前記カッタ112に備えられた固定刃114および可動刃116により上記丸線チップ118を切断する。
【0034】
そのようにして、一本のフィラメント66の溶接(固着)が終了した後、溶接ヘッド上昇工程S10において前記溶接ヘッド72が元の高さ位置まで上昇して溶接面110から離隔させられる。複数本のフィラメント66をフレーム22に備えられている複数個のサポート100あるいはアンカ102の溶接面110に固着する場合には、前記溶接ヘッド72が上昇した後、溶接ヘッド水平移動工程S11において前記y方向移動部材78を移動することにより、かかる溶接ヘッド72が次の溶接面110の上方まで移動させられる。その後、前述した溶接ヘッド下降工程S4〜溶接ヘッド上昇工程S10が同様にして繰り返される。なお、サポート100およびアンカ102は、フレーム22に同数備えられており、フィラメント66の両端がそれらに同時に固着されることから、上述の各工程の繰り返しにおいても溶接ヘッド74a、74bが同時に動かされる。
【0035】
以上の工程を経て、複数本のフィラメント66の溶接が全て終了した後、フィラメント切断工程S12においては、図3における右側位置に位置させられていた把持部材52(図において把持部材52aが配置されている位置)の開閉シリンダ64が作動させられることにより、それに備えられている上側挟持部60および下側挟持部62間が閉じる。これにより、複数本のフィラメント66がその右側に位置する把持部材52によって挟持されると同時に、その挟持位置とフレーム22の巻取部材68側の端部との間で切断される。
【0036】
その結果、前記フレーム22上まで引き出されていたフィラメント66のうち、そのフレーム22上に固着された部分が切り離され、前記巻取部材68側の部分はその把持部材52によって挟持された状態になる。すなわち、フィラメント66の切断と次にフィラメント66をフレーム22上まで引き出すための挟持処理は把持部材52の一回の動作により同時に為されるようになっている。その後、治具下降工程S13において、前記治具24がテーブル26上に降ろされることにより、一個のフレーム22に複数本のフィラメント66を固着するための一連の処理が終了し、続いて溶接機10に搬入される複数個のフレーム22を順次処理すべく、テーブル回転工程S1以下が繰り返される。
【0037】
以上、図4に示す一連の工程において、前記巻取部材68には、前記電動機72によりフィラメント66を巻き取る方向のトルクが常時かけられることで、前記把持部材52とその巻取部材68との間に張られたフィラメント66の弛緩が防止されている。すなわち、引き出された複数本のフィラメント66は、常に把持部材52a、52bの何れか一方によってその端部が把持されて張られた状態にある。しかし、前述のように、フィラメント66は、その直径が数〜数十μm程度の芯線の外周面に薄い酸化物被膜が設けられたものであり、フィラメント全体の直径でも十〜数十μm程度と極めて細いものである為、その供給・溶接に際しては断線あるいは把持不良による抜けなどが発生する可能性がある。そのような場合、前記電動機72によりかけられるトルクにより前記巻取部材68がフィラメント66を巻き取る方向に回転し、引き出されていたフィラメント66が絡まって復旧に長時間を要したり、フィラメント66表面の酸化物被膜が剥がれ落ちて使用に適さなくなったりする不具合が発生する。
【0038】
図7は、前記電動機72の駆動回路126の一例を説明する回路図である。この図に示されるように、かかる駆動回路126において、前記電動機72から延ばされた駆動配線132は、たとえば10Ω程度の電気抵抗を備えた抵抗器134および開閉器136を介して直流電源138に接続されている。その開閉器136は、図に示されるオン位置において、前記電動機72を駆動配線132を介して直流電源138に接続する一方、そのオフ位置において、制動用短絡配線142に接続する。また、上記抵抗器134には、npn形トランジスタ(以下、単にトランジスタと称する)144のベースが接続されている。かかる抵抗器134は、電気抵抗が5Ω程度の可変抵抗器として機能している。また、上記トランジスタ144のエミッタは接地され、コレクタはプログラマブル調節器(以下、PLCと称する)146に接続されている。そのPLC146は、上記開閉器136を開閉させる為のコイル148に接続されており、たとえば上記トランジスタ144がオフ状態において上記開閉器136をオン位置とし、オン状態において上記開閉器136をオフ位置とするように予め設定されている。
【0039】
前記フィラメント66が、たとえば不慮に切断されたり、あるいは把持不良により前記把持部材52から抜けるなどの不具合すなわち断線が発生した際、前記電動機72がフィラメント66を巻き取る方向に回転を始めると、その電動機72の電気抵抗が前記フィラメント66に張力を付与する為に機能していたときと比較して急激に上昇する。それに伴い、上記トランジスタ144のベースの電位が相対的に上昇すると、そのトランジスタ144がそれまでのオフ状態からオン状態に切り換えられる。すなわち、上記抵抗器134、トランジスタ144、およびPLC146は、前記電動機72の電気抵抗が所定値を上回った際に前記フィラメント66が断線したものと判断する断線検出装置128を構成するものである。上述のように、トランジスタ144がオン状態となった際には、上記PLC146によって上記開閉器136がオフ位置とされ、前記電動機72の一対の端子が制動用短絡配線142を介して短絡されることにより、かかる電動機72に回生制動がはたらき、前記トランジスタ144によりフィラメント66の断線が検出されるのと略同時に前記電動機72の回転を停止させることができる。すなわち、上記開閉器136、PLC146、およびコイル148は、上記断線検出装置128によってそのフィラメント66の断線が検出された場合に、前記電動機72に回生制動を発生させるようにその電動機72の駆動回路126をフィラメント66に張力を付与するトルクを出力する状態と、巻取部材68すなわち電動機72に制動力を付与する状態とを択一的に切り換える開閉装置130を構成するものである。
【0040】
このように、本実施例によれば、前記断線検出装置128は、前記電動機72の電気抵抗の変化に基づいて前記フィラメント66の断線を検出するものであり、前記電動機72がフィラメント66を巻き取る方向に回転を始めると、その電動機72の電気抵抗は前記フィラメント66に張力を付与する為に機能していたときと比較して急激に上昇する為、その電気抵抗が所定値を上回った際に前記フィラメント66が断線したものと判断するように前記抵抗器134およびPLC146を予め設定しておくことにより、かかる簡単な断線検出装置128によって前記フィラメント66に断線が発生するのと略同時にその断線を検出できる。また、前記断線検出装置128により前記フィラメント66の断線が検出された場合には、前記開閉装置130により前記電動機72の駆動回路126が開閉されて前記電動機72に回生制動がはたらく為、前記フィラメント66の断線が検出されるのと略同時に前記電動機72の回転を停止させることができる。すなわち、フィラメント66が断線した際、可及的速やかに巻取部材68の巻き取り方向の回転を停止させるフィラメント溶接機10を提供することができる。
【0041】
以上、本発明の好適な実施例を図面に基づいて詳細に説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、さらに別の態様においても実施される。
【0042】
図8は、前述の実施例において、前記把持部材52と巻取部材68との間に張られるフィラメント66に所定の張力を付与する為の電動機が交流誘導電動機である場合の駆動回路150を説明する回路図である。この図に示すように、かかる駆動回路150は、交流電源152によって誘導電動機154のロータ156を回転させる為の回路であり、その電動機154から延ばされた駆動配線158は、抵抗器160および開閉器162を介して上記交流電源152に接続されている。その開閉器162は、図に示されるオン位置において、上記電動機154を駆動配線158を介して交流電源152に接続する一方、そのオフ位置において、上記電動機154を直流電源164を有する制動用直流励磁配線166に接続する。また、かかる駆動回路150には、上記抵抗器160の両端に生じる電圧を検出するPLC168が設けられている。そのPLC168は、上記開閉器162を開閉させる為のコイル170に接続されており、たとえば上記抵抗器160にかかる電圧が所定値を上回る場合には上記開閉器162をオン位置とし、下回る場合には上記開閉器162をオフ位置とするように予め設定されている。以上のように構成された駆動回路150においては、上記抵抗器160およびPLC168が断線検出装置172を、上記開閉器162、PLC168、およびコイル170が開閉装置174をそれぞれ構成する。そのような構成によっても、前記フィラメント66が断線した際、可及的速やかに巻取部材68の巻き取り方向の回転を停止させるフィラメント溶接機10を提供することができる。すなわち、本発明の効果を奏するものであれば電動機およびその駆動回路の種類は問わない。
【0043】
また、前述の実施例においては、抵抗器134およびトランジスタ144が断線検出装置128を構成していたが、たとえば図7において、トランジスタ144が除かれ、抵抗器134にかかる電圧が所定値を下回った場合に前記開閉器136をオフ位置とするPLCが設けられ、かかるPLCおよび抵抗器134が断線検出装置を構成するものであっても構わない。すなわち、電動機の電気抵抗の変化に基づいてフィラメントの断線を検出する断線検出装置であればその態様は問わない。
【0044】
また、前述の駆動回路126において、前記開閉器136がオフ位置とされた際に前記電動機72が接続される制動配線142は電源を有さないものであったが、たとえば起電力の十分に小さな直流電源が設けられたものであっても構わない。すなわち、断線検出装置により断線が検出された際、前記電動機72に回生制動を発生させる駆動回路であればその態様は問わない。
【0045】
また、前述の実施例においては、溶接機10に備えられている把持部材52が複数本のフィラメント66を同時に引き出すように構成されていたが、把持部材52は、フィラメント66を一本ずつ溶接面110まで引き出すものであっても構わない。すなわち、前記溶接機10は、あくまで本発明の好適な実施例に過ぎず、本発明は、一般に用いられるフィラメント溶接機に広く適用されるものである。
【0046】
その他一々例示はしないが、本発明はその趣旨を逸脱しない範囲内において、種々の変更が加えられて実施されるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例であるフィラメント溶接機の構成を示す正面図である。
【図2】図1における右側面を示す図である。
【図3】図1における上面を示す図である。
【図4】図1のフィラメント溶接機を用いたフィラメントの溶接方法を説明する工程図である。
【図5】図1のフィラメント溶接機の引出装置によりフィラメントをフレーム上に引き出した様子を示す斜視図である。
【図6】図1のフィラメント溶接装置を用いてフィラメントを溶接する様子を説明する斜視図である。
【図7】図1のフィラメント溶接機に備えられた直流電動機の駆動回路の一例を説明する回路図である。
【図8】図1のフィラメント溶接機に備えられた交流電動機の駆動回路の一例を説明する回路図である。
【符号の説明】
10:フィラメント溶接機
14:引出装置
66:フィラメント
68:巻取部材
72、154:電動機
126、150:駆動回路
128、172:断線検出装置
130、174:開閉装置
Claims (1)
- フィラメントが巻かれた巻取部材と、該フィラメントの溶接の為に該フィラメントをその端部において把持して該巻取部材から引き出す引出装置と、前記巻取部材と引出装置との間に張られるフィラメントに所定の張力を付与するように、前記巻取部材に所定のトルクをかける為の電動機とを備えたフィラメント溶接機であって、
該電動機の電気抵抗の変化に基づいて前記フィラメントの断線を検出する断線検出装置と、該断線検出装置によって該フィラメントの断線が検出された場合には、前記電動機に回生制動を発生させるように該電動機の駆動回路を開閉する開閉装置とを備えていることを特徴とするフィラメント溶接機。
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