JP2000246074A - 複合半透膜および造水装置 - Google Patents

複合半透膜および造水装置

Info

Publication number
JP2000246074A
JP2000246074A JP11049777A JP4977799A JP2000246074A JP 2000246074 A JP2000246074 A JP 2000246074A JP 11049777 A JP11049777 A JP 11049777A JP 4977799 A JP4977799 A JP 4977799A JP 2000246074 A JP2000246074 A JP 2000246074A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
water
composite semipermeable
semipermeable membrane
raw water
oxidizing agent
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP11049777A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2000246074A5 (ja
Inventor
Yasushi Tateishi
康 立石
Mutsuo Murakami
睦夫 村上
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toray Industries Inc filed Critical Toray Industries Inc
Priority to JP11049777A priority Critical patent/JP2000246074A/ja
Publication of JP2000246074A publication Critical patent/JP2000246074A/ja
Publication of JP2000246074A5 publication Critical patent/JP2000246074A5/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Separation Using Semi-Permeable Membranes (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】低圧操作下でも高い溶質排除性と高い水透過性
を有し、高回収率運転が可能な複合半透膜および造水装
置を提供する。 【解決手段】多孔性支持膜上に架橋ポリアミドを含む分
離機能層を設けた複合半透膜であって、この複合半透膜
の透過水のトリハロメタン生成能を原水のトリハロメタ
ン生成能の1/10以下とし、この複合半透膜と原水に
酸化剤を添加する手段とを用いて造水装置を構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液状混合物中の各
成分の選択透過分離に好適に使用できる複合半透膜およ
び造水装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、省エネルギーや省資源の観点か
ら、液状混合物の分離に関して膜分離法が注目されてお
り、精密ろ過膜や限外ろ過膜、ルースRO膜(NF膜:
Nanofiltration membrane)、
逆浸透膜などの分離膜が、海水淡水化や飲料水製造、工
業用超純水の製造、排水処理、有価物の回収などに用い
られている。
【0003】これら分離膜の大部分は、多孔性支持膜上
にゲル層とポリマーを架橋した活性層とを有するもの
や、多孔性支持膜上でモノマーを重縮合した活性層を有
するものであり、特に後者については、活性層として多
官能アミンと多官能酸ハロゲン化物との重縮合により得
られる架橋ポリアミドを用いたものが、透過性や選択分
離性の高い逆浸透膜として広く用いられている。
【0004】しかし、上記の分離膜であっても実用性能
としては未だ不十分であり、より低圧での運転において
も水透過性が高い分離膜が求められていた。
【0005】また、高回収率運転を行うと、たとえばシ
リカ排除率の高い分離膜であれば、分離されたシリカの
濃度が上昇して膜面に析出し、膜性能や水質の低下、さ
らには安定運転が困難になるなどの問題があった。
【0006】一方、河川水や湖沼水を原水とする浄水場
では、原水に泥炭地や山間部から流入するフミン酸など
の溶解性有機物(トリハロメタン前駆物質)が含まれる
ために、塩素殺菌処理によって、発癌性を有するハロゲ
ン含有有機物(トリハロメタン類)が生成し、飲料水中
にそれらが含まれてしまうという問題がある。そこで、
この塩素殺菌処理にかえて、オゾン−活性炭による処理
の導入が始まっているが、活性炭の細孔内での吸着力が
飽和しやすく、活性炭の煩雑な交換が必要になるなどの
課題があった。また、接触酸化法や生物膜法なども検討
されているが、除去すべき溶解性有機物がもともと生物
代謝の末に生成したものであり、除去効果が低いという
問題があった。さらに、膜分離法を用いた場合、精密ろ
過膜や限外ろ過膜では細孔径が小さくフミン酸の除去が
十分に行えず、逆浸透膜ではフミン酸の除去率は向上す
るが、同時にシリカ除去率も上昇するため、上述したシ
リカの析出が起こり、高回収率運転が困難であるという
問題があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
のような問題点に鑑み、飲料水などに含まれるトリハロ
メタン類を低減し、低圧操作下でも高い溶質排除性と高
い水透過性を有し、高回収率運転が可能な複合半透膜お
よび造水装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の本発明は、多孔性支持膜上に架橋ポリアミドを含む分
離機能層を設けてなり、透過水のトリハロメタン生成能
が、原水のトリハロメタン生成能の1/10以下である
複合半透膜を特徴とするものである。
【0009】ここで、温度が25℃、pHが6.5、グ
ルコース濃度が1,000ppmの水溶液を圧力0.3
MPaで3時間透過させた時における透過水量が0.6
〜3.0m3/m2・dの範囲にあり、かつ、グルコース
除去率が80%以上であることも好ましい。
【0010】また、温度が25℃、pHが6.5、シリ
カ濃度が30ppmの水溶液を圧力0.3MPaで3時
間透過させた時における回収率が80%以上であること
も好ましい。
【0011】さらに、分離機能層がピペラジンポリアミ
ドを含んでいることも好ましく、複合半透膜の形状がス
パイラル形であることも好ましい。
【0012】また、上記の複合半透膜と、原水に酸化剤
を含ませる手段とを備えている造水装置も好ましい。こ
の場合、酸化剤が塩素を含んでいることも好ましい。
【0013】さらに、上記の造水装置を用いて、酸化剤
を含む原水を複合半透膜に循環接触させることも好まし
く、この場合、酸化剤を含む原水の接触を、酸化剤濃度
(ppm)×接触時間(h)=10〜2,000ppm
・h/年の範囲となるように間欠的に行うことも好まし
い。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明の複合半透膜は、多孔性支
持膜上に架橋ポリアミドを含む分離機能層を設けてな
り、透過水のトリハロメタン生成能が、原水のトリハロ
メタン生成能の1/10以下である。ここで、トリハロ
メタン生成能とは、上水試験法に記載されているトリハ
ロメタン生成能のことをいい、トリハロメタン前駆物質
が塩素と接触してトリハロメタンを生成したときの生成
量を示す。すなわち、このトリハロメタン生成能が高い
ほど、その原水のトリハロメタンの潜在的な生成能力が
高いことを示している。本発明の複合半透膜を用いるこ
とにより、透過水のトリハロメタン生成能を原水のトリ
ハロメタン生成能の1/10以下とすることができ、飲
料水などに含まれうるトリハロメタン類を従来に比べて
低減することができる。
【0015】ここで、温度が25℃、pHが6.5、グ
ルコース濃度が1,000ppmの水溶液を圧力0.3
MPaで3時間透過させた時における透過水量が0.6
〜3.0m3/m2・dの範囲にあり、かつ、グルコース
除去率が80%以上であると好ましい。さらに、上記に
おいて、透過水量が0.6〜2.5m3/m2・dの範囲
にあり、かつ、グルコース除去率が90%以上であると
好ましい。透過水量が0.6m3/m2・dを下回ると透
過水の生成効率が下がる傾向にあり、またフミン酸の除
去能力の指標であるグルコース除去率が80%を下回る
と、透過水のトリハロメタン生成能が上昇しやすくな
る。
【0016】ここで、透過水量とは、単位時間(日
(d))あたりに換算した、単位面積(m2)を透過す
る水量(m3/m2・d)をいい、グルコース除去率とは
下記式(1)において溶質をグルコースとしたときの除
去率のことをいう。
【0017】 除去率(%)={1−(透過液中の溶質濃度)/(供給液中の溶質濃度)}× 100 ・・・ (1) また、温度が25℃、pHが6.5、シリカ濃度が30
ppmの水溶液を圧力0.3MPaで3時間透過させた
時における回収率が80%以上であると好ましく、さら
に好ましくは90%以上である。ここで、回収率とは、
原水量に対する透過水量すなわち得られる上水の割合の
ことをいい、具体的には、式(1)において溶質をシリ
カとしたときの除去率(シリカ除去率)を用いて下記式
(2)〜(5)を連立して解くことにより得られる値を
いう。
【0018】 F=B+P ・・・ (2) F×Cf=B×Cb+P×Cp ・・・ (3) シリカ除去率=(1−Cp/Cf)×100 ・・・ (4) 回収率=P/F×100 ・・・ (5) ここで、F:供給液流量 B:濃縮液流量 P:透過液流量 Cf:供給液中の溶質(シリカ)濃度 Cb:濃縮液中の溶質(シリカ)濃度(120ppm:
シリカのpH=6.5、25℃での飽和溶液濃度) Cp:透過液中の溶質(シリカ)濃度 である。
【0019】本発明の複合半透膜において、架橋ポリア
ミドの分離機能層は、脂肪族多官能アミンと芳香族多官
能アミンとの混合アミンに、多官能酸ハロゲン化物と多
官能酸無水物ハロゲン化物とを反応させて得られるもの
が好ましい。
【0020】ここで、脂肪族多官能アミンとして、たと
えば下記式で示されるピペラジン系アミンを挙げること
ができ、中でも、ピペラジンや2,5−ジメチルピペラ
ジンを用いて、分離機能層にピペラジンポリアミドを含
ませると、複合半透膜の耐酸化剤性が向上し好ましい。
【0021】
【化1】
【0022】R1〜R8:H、OH、COOH、SO3
H、NH2または炭化水素基 芳香族多官能アミンとしては、一分子中に2個以上のア
ミノ基を有していればよく、たとえばメタフェニレンジ
アミンや1,3,5−トリアミノベンゼンを用いると好
ましい。
【0023】上記の、脂肪族多官能アミンと芳香族多官
能アミンとのモル比は、40/60〜95/5の範囲に
あることが好ましく、より好ましくは70/30〜90
/10の範囲である。脂肪族多官能アミンが40モル%
を下回ると複合半透膜の透過水量が低下する傾向にあ
り、また95モル%を超えると選択分離性が低下しやす
くなる。
【0024】多官能酸ハロゲン化物としては、一分子中
に2個以上のハロゲン化カルボニル基を有する酸ハロゲ
ン化物であって、上記多官能アミンとの反応によりポリ
アミドを生成するものであればよく、たとえば1,3,
5−ベンゼントリカルボン酸の酸ハロゲン化物であるト
リメシン酸クロライドを用いると好ましい。
【0025】また、多官能酸無水物ハロゲン化物として
は、一分子中に酸無水物部分とハロゲン化カルボニル基
とを有するものが好ましく、たとえば無水安息香酸や無
水フタル酸のカルボニルハロゲン化物を挙げることがで
きるが、特に好ましくは下記式で示されるトリメリット
酸無水物ハロゲン化物である。
【0026】
【化2】
【0027】X1、X2:炭素数が1〜6の範囲の脂肪
族基、H、OH、COOH、SO3H、COF、COC
l、COBr、COIまたはこれらが結合したジカルボ
ン酸無水物基 X3:炭素数が1〜6の範囲の脂肪族基、H、OH、C
OOH、SO3H、COF、COCl、COBrまたは
COI Y:F、Cl、BrまたはI 上記の、多官能酸ハロゲン化物と多官能酸無水物ハロゲ
ン化物とのモル比は、80/20〜10/90の範囲に
あることが好ましく、より好ましくは60/40〜30
/70の範囲である。多官能酸ハロゲン化物が80モル
%を超えると複合半透膜の透過水量が低下する傾向にあ
り、また10モル%を下回ると選択分離性が低下しやす
くなる。
【0028】本発明の複合半透膜において、多孔性支持
膜としては、布帛などにより機械的な強度が強化された
ポリスルホン支持膜を挙げることができる。この支持膜
は、たとえば、微細な孔を有し、その孔径が一方の面に
向けて徐々に大きくなっていると好ましく、片面の表面
の孔径が100nm以下であるとさらに好ましい。
【0029】次に、本発明の複合半透膜の製法について
述べる。
【0030】本発明の複合半透膜は、多孔性支持膜上に
おいて、前述の多官能アミンを含有する水溶液と、前述
の多官能酸ハロゲン化物と多官能酸無水物ハロゲン化物
を含む、水と非混和性の有機溶媒溶液とを反応させ、架
橋ポリアミドを含む分離機能層を設けることにより得る
ことができる。
【0031】多官能アミンを含有する水溶液は、アミン
化合物の濃度として0.1〜20重量%、好ましくは
0.5〜15重量%とすることが好ましい。また、この
水溶液には必要に応じて、アシル化触媒や極性溶媒、酸
捕捉剤、界面活性剤、酸化防止剤などを添加することが
できる。
【0032】手順としては、まず、上記の水溶液を多孔
性支持膜表面に被覆し、次いで、過剰な水溶液を除去し
たのち、膜面を乾燥させる。水溶液の被覆は、均一にか
つ連続的に行われることが好ましく、たとえば、水溶液
を支持膜にコーティングする方法や、支持膜を水溶液に
浸漬する方法を用いることができる。また、過剰な水溶
液の除去は、たとえば、膜面を垂直方向に保持して自然
流下させる方法を挙げることができる。
【0033】次いで、上記の多官能酸ハロゲン化物と多
官能酸無水物ハロゲン化物とを含む有機溶媒溶液を塗布
して反応させ、架橋ポリアミドを含む分離機能層を形成
する。有機溶媒溶液における多官能酸ハロゲン化物の濃
度は、0.01〜1.0重量%の範囲であると好まし
い。0.01重量%を下回ると架橋ポリアミドの形成が
不十分となりがちであり、1.0重量%を超えるとコス
ト的に不利となりやすい。過剰な有機溶媒溶液の除去に
ついては、たとえば、特開平5−76740号公報に記
載の方法を用いることができる。
【0034】上記の有機溶媒溶液は、水と非混和性であ
り、多官能酸ハロゲン化物を溶解し、かつ、多孔性支持
膜を破壊しないことが好ましい。具体的には、デカンや
シクロオクタンなどの液状炭化水素や、トリクロロフル
オロエタンなどのハロゲン化炭化水素を用いると好まし
い。
【0035】本発明の複合半透膜は、中空糸形や平膜形
として用いることができる。また、エレメント形態とし
て、スパイラル形やチューブラー形やプレートアンドフ
レーム形などを用いることができるが、特に、スパイラ
ル形であれば、膜上に捕捉された異物などを容易に除去
することができるので好ましい。
【0036】次に、本発明の複合半透膜を備えた造水装
置およびこの造水装置を用いた造水方法について説明す
る。
【0037】図1は、本発明の一実施態様に係る造水装
置の概略フロー図である。
【0038】通常運転時において、原水は、原水路1を
通って原水槽3に蓄えられたのち、ポンプ4にて複合半
透膜5へ送られる。原水は、一部は複合半透膜5を透過
し、透過水バルブ7を通って透過水路から流出し、一部
は循環水バルブ11、循環水路9を通って原水槽3へ循
環されるとともに、濃縮水バルブ10、濃縮水路8を通
って造水装置12の外へ排出される。
【0039】洗浄時においては、酸化剤添加手段2によ
って、原水に酸化剤が添加される。このとき、透過水バ
ルブ7と濃縮水バルブ10を全閉し、循環水バルブ11
を開放して運転を行う。これにより、酸化剤を含む原水
が複合半透膜5に循環接触し、膜面上のろ過物を効率的
に酸化分解することができる。循環接触処理が終われ
ば、濃縮水バルブ10を開けて、酸化剤を含んだ原水を
造水装置の外へ排出する。
【0040】酸化剤としては、過酸化水素やオゾンなど
を用いることができるが、塩素を含んでいる酸化剤であ
れば、酸化分解力が強く好ましい。たとえば、次亜塩素
酸塩などを水に溶解して生じる遊離塩素や、その遊離塩
素が塩化アンモニウムなどと接触して生じる結合塩素、
あるいは塩素ガスを用いることができる。また、上記の
酸化剤とともに、銅などの重金属を併用することもでき
る。
【0041】循環接触とは、原水に酸化剤を添加し、濃
縮水バルブおよび透過水バルブを閉じた状態で運転を行
うことをいう。これにより、酸化剤は複合半透膜面に効
率的に接触し、酸化剤が無駄なく消費されるとともに、
透過水側に酸化分解された分解物などが流出するのを防
ぐことができる。
【0042】酸化剤濃度(ppm)×接触時間(h)で
表される酸化剤の接触量(1年あたり)は、10〜2,
000ppm・h/年の範囲にあると好ましく、より好
ましくは10〜1,000ppm・h/年の範囲であ
る。上記の接触量が10ppm・h/年を下回ると、膜
面の洗浄が十分には行われにくく、造水量の低下が起こ
りやすい。また、2,000ppm・h/年を超える
と、複合半透膜が酸化剤により劣化し、複合半透膜の性
能低下を引き起こしやすい。
【0043】
【実施例】運転安定期間(日)は、温度が25℃、pH
が6.5、グルコース濃度が1,000ppmの水溶液
を圧力0.3MPaで透過させた時における透過水量
が、上記の水溶液を圧力0.3MPaで3時間透過させ
た時における透過水量の80〜120%の範囲内にある
運転期間を示した。
【0044】また、比較例、実施例においては、以下に
述べる繊維補強ポリスルホン支持膜を多孔性支持膜とし
て用いた。
【0045】縦30cm、横20cmの大きさのポリエ
ステル繊維からなるタフタ(縦糸、横糸とも150デニ
ールのマルチフィラメント糸を使用した。織密度は縦9
0本/インチ、横67本/インチ、膜厚160μm)を
ガラス板上に固定し、その上にポリスルホン(Udel
−P3500、ユニオンカーバイド社製)の15重量%
ジメチルホルムアミド(DMF)溶液を200μmの膜
厚で室温(20℃)にてキャストし、ただちに純水中に
浸漬して5分間放置し、繊維補強ポリスルホン支持膜
(以下、FR−PS支持膜という)を得た。 (比較例)上記のFR−PS支持膜をそのまま用いたと
ころ、pH6.5に調整した2ppmのフミン酸を原水
とし、0.3MPa、25℃の条件下で透過テストを行
ったときの、透過水のトリハロメタン生成能が、原水の
トリハロメタン生成能の2/5であった。
【0046】また、このFR−PS支持膜に、温度が2
5℃、pHが6.5、グルコース濃度が1,000pp
mの水溶液を圧力0.3MPaで3時間透過させた時に
おける透過水量は6.2m3/m2・d、グルコース除去
率は2.1%、回収率は98%であった。
【0047】さらに、上記のFR−PS支持膜をスパイ
ラル形にして用いた、図1に示すような造水装置を用
い、酸化剤として、次亜塩素酸ナトリウムを遊離塩素濃
度0.5ppmとなるように原水に添加し、FR−PS
支持膜に接触量183ppm・h/年となるように間欠
的に循環接触させたところ、運転安定期間は5日であっ
た。 (実施例1)上記のFR−PS支持膜を、m−フェニレ
ンジアミン3重量%を含む水溶液中に1分間浸漬し、膜
表面を上記水溶液で被覆した。次いで、この支持膜を垂
直方向にゆっくり引き上げ、表面から過剰な水溶液を除
去したのち、トリメシン酸クロライド0.06重量%を
含むデカン溶液を表面が完全に濡れるようにして塗布
し、1分間静置した。次にこの支持膜を垂直にし余分な
溶液を液切りして除去したのち、膜表面での風速が8m
/sec、温度30℃の空気を1分間吹き付け、膜面に
残った溶媒を蒸発させた。得られた膜を、炭酸ナトリウ
ムを1重量%およびドデシル硫酸ナトリウムを0.3重
量%含む水溶液に5分間浸漬したのち水洗し芳香族ポリ
アミド膜(逆浸透膜)を得た。
【0048】上記の芳香族ポリアミド膜を複合半透膜と
して用いた他は、比較例と同様にして評価を行った。結
果を表1に示す。 (実施例2)上記のFR−PS支持膜を、m−フェニレ
ンジアミンとピペラジンとのモル比が15/85となる
混合アミンを3重量%含む水溶液中に1分間浸漬し、膜
表面を上記水溶液で被覆した。次いで、この支持膜を垂
直方向にゆくり引き上げ、表面から過剰な水溶液を除去
したのち、トリメシン酸クロライド0.06重量%を含
むデカン溶液にトリメシン酸クロライドとトリメリット
酸無水物クロライドとのモル比が50/50となるよう
にトリメリット酸無水物クロライドを加えた溶液を表面
が完全に濡れるようにして塗布し、1分間静置した。次
にこの支持膜を垂直にし余分な溶液を液切りして除去し
たのち、膜表面での風速が8m/sec、温度30℃の
空気を1分間吹き付け、膜面に残った溶媒を蒸発させ
た。得られた膜を、炭酸ナトリウムを1重量%およびド
デシル硫酸ナトリウムを0.3重量%含む水溶液に5分
間浸漬したのち水洗しピペラジンポリアミド膜(ルース
RO膜)を得た。
【0049】上記のピペラジンポリアミド膜を複合半透
膜として用いた他は、比較例と同様にして評価を行っ
た。結果を表1に示す。 (実施例3)次亜塩素酸ナトリウムの接触量を800p
pm・h/年としたほかは、実施例2と同様にして評価
を行ったところ、120日経過後も透過水量は初期透過
水量の95%を維持しており、安定に運転を行うことが
できた。結果を表1に示す。 (実施例4)次亜塩素酸ナトリウムの接触量を2100
ppm・h/年としたほかは、実施例2と同様にして評
価を行った。結果を表1に示す。
【0050】
【表1】
【0051】
【発明の効果】本発明によれば、多孔性支持膜上に架橋
ポリアミドを含む分離機能層を設けてなり、透過水のト
リハロメタン生成能が、原水のトリハロメタン生成能の
1/10以下であるので、透過水中のトリハロメタン類
を低減することができる。
【0052】また、温度が25℃、pHが6.5、グル
コース濃度が1,000ppmの水溶液を圧力0.3M
Paで3時間透過させた時における透過水量が0.6〜
3.0m3/m2・dの範囲にあり、かつ、グルコース除
去率が80%以上である場合には、水透過性を高く保ち
つつ、透過水中のトリハロメタン類をより低減すること
ができる。
【0053】さらに、温度が25℃、pHが6.5、シ
リカ濃度が30ppmの水溶液を圧力0.3MPaで3
時間透過させた時における回収率が80%以上である場
合には、より低い運転圧力にて高回収率を達成できる複
合半透膜を提供することができる。
【0054】また、分離機能層がピペラジンポリアミド
を含んでいる場合には、耐酸化剤性に優れた複合半透膜
を得ることができる。
【0055】さらに、複合半透膜の形状がスパイラル形
である場合には、膜上に捕捉された異物などを容易に除
去することができる。
【0056】また、上記の複合半透膜と、原水に酸化剤
を含ませる手段とを備えた造水装置を構成した場合に
は、回収率に優れ、かつ、長期にわたって安定に運転で
きる造水装置を得ることができる。
【0057】さらに、上記の造水装置において酸化剤が
塩素を含んでいる場合には、複合半透膜上の異物を効果
的に分解することができるので、より長期にわたって安
定に運転できる造水装置を得ることができる。
【0058】また、上記の造水装置を用いて、酸化剤を
含む原水を複合半透膜に循環接触させる場合には、複合
半透膜の洗浄や異物の分解を効率的に行うことができる
ので、より長期にわたって造水装置を安定に運転するこ
とができる。
【0059】さらに、酸化剤を含む原水の接触を、酸化
剤濃度(ppm)×接触時間(h)=10〜2,000
ppm・h/年の範囲となるように間欠的に行う場合に
は、複合半透膜の洗浄をより効率的に行うことができる
ので、さらに長期にわたって造水装置を安定に運転する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施態様に係る造水装置の概略フロ
ー図である。
【符号の説明】
1:原水路 2:酸化剤添加手段 3:原水槽 4:ポンプ 5:複合半透膜 6:透過水路 7:透過水バルブ 8:濃縮水路 9:循環水路 10:濃縮水バルブ 11:循環水バルブ 12:造水装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C02F 1/44 C02F 1/44 A Fターム(参考) 4D006 GA03 GA04 HA61 KA33 KA63 KD01 KD23 KD24 KE05P KE11R KE12P KE13R KE16P KE28R KE30R MA01 MA03 MA06 MA22 MA31 MB02 MB06 MC48X MC56X MC57X MC62X NA05 NA41 NA46 NA54 PA01 PB02 PB04 PB70

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】多孔性支持膜上に架橋ポリアミドを含む分
    離機能層を設けてなり、透過水のトリハロメタン生成能
    が、原水のトリハロメタン生成能の1/10以下である
    ことを特徴とする複合半透膜。
  2. 【請求項2】温度が25℃、pHが6.5、グルコース
    濃度が1,000ppmの水溶液を圧力0.3MPaで
    3時間透過させた時における透過水量が0.6〜3.0
    3/m2・dの範囲にあり、かつ、グルコース除去率が
    80%以上である、請求項1に記載の複合半透膜。
  3. 【請求項3】温度が25℃、pHが6.5、シリカ濃度
    が30ppmの水溶液を圧力0.3MPaで3時間透過
    させた時における回収率が80%以上である、請求項1
    または2に記載の複合半透膜。
  4. 【請求項4】分離機能層がピペラジンポリアミドを含ん
    でいる、請求項1〜3のいずれかに記載の複合半透膜。
  5. 【請求項5】複合半透膜の形状がスパイラル形である、
    請求項1〜4のいずれかに記載の複合半透膜。
  6. 【請求項6】請求項1〜5のいずれかに記載の複合半透
    膜と、原水に酸化剤を含ませる手段とを備えていること
    を特徴とする造水装置。
  7. 【請求項7】酸化剤が塩素を含んでいる、請求項6に記
    載の造水装置。
  8. 【請求項8】請求項7に記載の造水装置を用いて、酸化
    剤を含む原水を複合半透膜に循環接触させることを特徴
    とする造水方法。
  9. 【請求項9】酸化剤を含む原水の接触を、酸化剤濃度
    (ppm)×接触時間(h)=10〜2,000ppm
    ・h/年の範囲となるように間欠的に行う、請求項8に
    記載の造水方法。
JP11049777A 1999-02-26 1999-02-26 複合半透膜および造水装置 Pending JP2000246074A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11049777A JP2000246074A (ja) 1999-02-26 1999-02-26 複合半透膜および造水装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11049777A JP2000246074A (ja) 1999-02-26 1999-02-26 複合半透膜および造水装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2000246074A true JP2000246074A (ja) 2000-09-12
JP2000246074A5 JP2000246074A5 (ja) 2005-05-12

Family

ID=12840615

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP11049777A Pending JP2000246074A (ja) 1999-02-26 1999-02-26 複合半透膜および造水装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2000246074A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008237972A (ja) * 2007-03-26 2008-10-09 Miura Co Ltd 膜濾過システム
KR101153140B1 (ko) 2007-06-28 2012-06-04 닛토덴코 가부시키가이샤 복합 반투막 및 그의 제조방법
US8672142B2 (en) 2007-07-12 2014-03-18 Nitto Denko Corporation Composite semipermeable membrane
JP2016093797A (ja) * 2014-11-17 2016-05-26 日東電工株式会社 複合分離膜とこれを用いた分離膜エレメント

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008237972A (ja) * 2007-03-26 2008-10-09 Miura Co Ltd 膜濾過システム
KR101153140B1 (ko) 2007-06-28 2012-06-04 닛토덴코 가부시키가이샤 복합 반투막 및 그의 제조방법
US8672142B2 (en) 2007-07-12 2014-03-18 Nitto Denko Corporation Composite semipermeable membrane
JP2016093797A (ja) * 2014-11-17 2016-05-26 日東電工株式会社 複合分離膜とこれを用いた分離膜エレメント

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP1157734B1 (en) Process for producing composite semipermeable membrane
WO2000041800A1 (fr) Membrane semi-permeable composite, procede de fabrication et procede de purification d'eau a l'aide de cette membrane
JP4289757B2 (ja) 複合逆浸透膜の製造方法
JPH0494726A (ja) 複合半透膜およびその製造方法および高純度水の製造方法
JP2011078980A (ja) 複合半透膜およびその製造方法
JP2010094641A (ja) 複合半透膜の処理方法
JP4618081B2 (ja) 複合半透膜の処理方法および製造方法
JP2008080187A (ja) 複合半透膜およびその用途
JP2005186059A (ja) 半透膜の処理方法ならびに改質半透膜およびその製造方法
WO2011105188A1 (ja) 分離膜の改質方法、及び分離膜の改質装置
JP2001327840A (ja) 複合半透膜およびその製造方法
JP2000246074A (ja) 複合半透膜および造水装置
JP2006021094A (ja) 複合半透膜及びその製造方法
JP3780734B2 (ja) 複合半透膜
JP4318237B2 (ja) 複合半透膜の製造方法
JP2000202257A (ja) 複合半透膜およびその製造方法
JP2010234284A (ja) 複合半透膜
JP4470472B2 (ja) 複合半透膜及びそれを用いた水の製造方法
JP3852211B2 (ja) 複合半透膜およびその製造方法
JP2001113274A (ja) 脱塩方法
JP2005144211A (ja) 複合半透膜及びその製造方法ならびに流体分離素子の処理方法
JP4400123B2 (ja) 液体分離膜および液体処理方法
WO2017110898A1 (ja) 複合半透膜
JP2003200027A (ja) 複合半透膜の製造方法
JP2000117076A (ja) 複合半透膜およびその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20040701

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20040701

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20051109

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20051220

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20060216

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20060704