JP2000246055A - 亜酸化窒素ガスの生物学的処理方法及び装置 - Google Patents

亜酸化窒素ガスの生物学的処理方法及び装置

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    • Y02C20/00Capture or disposal of greenhouse gases
    • Y02C20/10Capture or disposal of greenhouse gases of nitrous oxide (N2O)

Abstract

(57)【要約】 【課題】亜酸化窒素ガスの分解性能を向上させることが
できると共に、装置構成のシンプル化を図ることができ
る。 【解決手段】硝化槽12で発生する亜酸化窒素ガスの含
有ガスを、嫌気性の脱窒槽10に導入して還元処理する
前に、脱窒槽10の脱窒菌の反応を阻害する酸素を酸素
除去装置24で除去するようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、亜酸化窒素ガスの
生物学的処理方法及び装置に係り、特に、硝化槽での硝
化処理で発生する亜酸化窒素ガスを効率良く生物学的に
処理するための亜酸化窒素ガスの生物学的処理方法及び
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】有機性又は無機性の廃水中の窒素成分を
生物学的に処理する廃水処理装置では、窒素成分の硝化
処理における反応副産物として亜酸化窒素ガスが発生す
ることが知られている。しかし、発生した亜酸化窒素ガ
スの除去処理は行われておらず、大気中に放出している
のが実情である。
【0003】ところで、亜酸化窒素ガスは、二酸化炭素
ガスの数百倍の温室効果を有しており、世界的な地球温
暖化防止の高まりにともない、二酸化炭素ガスやメタン
ガスとともに排出削減対象物質となっている。亜酸化窒
素ガスを生物学的に処理する従来の装置としては、特開
平6─190241号公報にみられるように、亜酸化窒
素ガスを含有するガスを、吸着工程で吸着剤に亜酸化窒
素ガスを吸着させた後、該吸着剤又は該吸着剤から脱着
した亜酸化窒素ガス、又は亜酸化窒素ガスを吸収させた
吸収液を嫌気性条件下にある生物学的な亜酸化窒素ガス
の分解工程で分解するものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
亜酸化窒素ガスの生物学的処理装置は、運転しずらいと
いう欠点がある。更に、従来の亜酸化窒素ガスの生物学
的処理方法は、吸着という物理的手段と微生物という生
物学的手段のように、性質の全く異なる2つの手段を組
み合わせているので、運転操作が複雑になると共に運転
管理の面でも煩雑になるという欠点がある。このような
背景から、生物学的な処理のみで亜酸化窒素ガスを分解
除去する方法が要望されている。
【0005】本発明は、このような事情に鑑みてなされ
たもので、亜酸化窒素ガスの分解性能を向上させること
ができると共に、装置構成のシンプル化を図ることがで
きる亜酸化窒素ガスの生物学的処理方法及び装置を提供
することを目的とする。
【0006】
【発明を解決するための手段】本発明は、前記目的を達
成するために、亜酸化窒素ガスを含有する含有ガスを、
嫌気性の生物反応槽に導入して微生物による還元処理を
行う前に、前記含有ガスに混在する酸素を予め除去して
おくことを特徴とする。また、本発明は、前記目的を達
成するために、亜酸化窒素ガスを含有する含有ガスから
混在する酸素を除去する酸素除去装置と、前記酸素除去
装置で酸素を予め除去した脱酸素ガスを導入して、該脱
酸素ガス中の亜酸化窒素ガスを嫌気性条件下で微生物に
より還元処理を行う嫌気性の生物反応槽と、を備えたこ
とを特徴とする。
【0007】本発明によれば、亜酸化窒素ガスを含有す
る含有ガスを、嫌気性の生物反応槽に導入して還元処理
する前に、生物学的処理を阻害する直接物質である酸素
を除去したので、嫌気性の生物反応槽において亜酸化窒
素ガスを効率的に除去することができる。更に、本発明
は、前記目的を達成するために、亜酸化窒素ガスを含有
する含有ガスを、微好気性の生物学反応槽に直接導入し
て微生物による還元処理を行うことを特徴とする。
【0008】また、本発明は、前記目的を達成するため
に、亜酸化窒素ガスを含有する含有ガスを直接導入し
て、微好気性条件下で微生物による還元処理を行う微好
気性の生物学反応槽を設けたことを特徴とする。本発明
によれば、生物反応槽のみで亜酸化窒素ガスを処理でき
るので、装置構成を極めてシンプル化することができる
と共に、運転操作や運転管理が容易になる。
【0009】更にまた、本発明は、前記目的を達成する
ために、アンモニア性窒素を含有する廃水を複数の硝化
槽で多段式に硝化処理する際に各硝化槽で発生する亜酸
化窒素ガスを含有する含有ガスのうち、少なくとも1段
目の硝化槽で発生する前記含有ガスを請求項3又は請求
項4の生物学的処理装置に導く含有ガス送気経路を設け
たことを特徴とする。
【0010】本発明は、多段式硝化処理の場合、複数の
硝化槽で発生する亜酸化窒素ガスの含有ガスのうち、1
段目の硝化槽で全体の約70%発生することに着目して
成されたもので、本発明によれば、少なくとも1段目の
硝化槽で発生する含有ガスを請求項3又は請求項4の生
物学的処理装置に導く含有ガス送気経路を設けたので、
少ない設備改造で亜酸化窒素ガスを効率的に処理するこ
とができる。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、添付図面により本発明の亜
酸化窒素ガスの生物学的処理方法及び装置の好ましい実
施の形態について詳説する。図1は、本発明の亜酸化窒
素ガスの生物学的処理装置の第1の実施の形態であり、
本発明を活性汚泥循環変法式の廃水処理装置に組み込ん
だ構成図である。
【0012】図1に示すように、アンモニア性窒素を含
有する有機性廃水又は無機性廃水の原水は、嫌気性の脱
窒槽10に流入してから好気性の硝化槽12に送られ、
硝化槽12で処理された処理水の一部が循環路14を介
して脱窒槽10に戻されると共に、残りが固液分離槽1
6に送られる。固液分離槽16では、処理水に同伴され
る活性汚泥を固液分離し、汚泥返送経路18を介して脱
窒槽10に返送して脱窒槽10内の生物量を維持する。
また、一部の汚泥は余剰汚泥として排出管20を介して
装置外に排出される。
【0013】そして、硝化槽12では、散気装置22に
よりブロア30から供給されたエアが散気され、好気性
条件下で活性汚泥中の好気性微生物である硝化菌により
廃水中のアンモニア性窒素が亜硝酸性窒素や硝酸性窒素
に硝化処理される。また、脱窒槽10で処理しきれなか
った廃水中の有機物が水と二酸化炭素に分解される。硝
化槽12から液が循環される脱窒槽10では、硝化槽1
2で生成された亜硝酸性窒素や硝酸性窒素が、廃水中の
有機物或いはメタノール等の電子供与体を還元剤とし
て、嫌気性微生物である脱窒菌により脱窒処理されて窒
素ガスに還元する。これにより廃水中のアンモニア性窒
素が除去される。この廃水の流れにおいて、硝化槽12
での硝化処理の反応副産物として亜酸化窒素ガスが生成
する。
【0014】硝化槽12で発生した亜酸化窒素ガスの含
有ガスを、脱窒槽10の廃水中に直接導入して活性汚泥
中の脱窒菌により生物学的に還元処理すると、含有ガス
中に多く混在する酸素が嫌気性微生物である脱窒菌の還
元反応を阻害する。そこで、本発明では、硝化槽12で
発生した亜酸化窒素ガスを酸素除去装置24に送気し、
含有ガスに混在する酸素を予め除去した脱酸素ガスを脱
窒槽10の廃水中に導入するようにした。
【0015】酸素除去装置24としては、分子ふるい活
性炭、ガス分離膜を用いた装置を使用することが好まし
い。図2(a)は、分子ふるい活性炭を用いた酸素除去
装置24の一例を示したもので、分子ふるい活性炭の吸
着塔を2基並列に設けて2基で交互運転を行う場合であ
る。この酸素除去装置24は、酸素(O2 )の分子径
(3.9×2.8Å)が、亜酸化窒素ガス(N2 O)の
分子径(5.67×3.0Å)よりも小さく、小さいも
のほど速く吸着することを利用したものである。図2
(b)に、酸素除去装置24の吸着塔I側を運転する際
のバルブ切替要領を示した。
【0016】酸素除去装置24は、均圧→加圧(吸着)
→減圧(脱着)を1サイクル(通常2分)とする酸素除
去サイクルを繰り返す。これにより、亜酸化窒素ガスの
含有ガスから酸素を除いた脱酸素ガスと、酸素を富有に
含む酸素富有ガスとに分離される。この結果、脱酸素ガ
ス中の酸素濃度を0.5%以下にすることができる。ま
た、図示しないが、ガス分離膜を用いた酸素除去装置で
は、ガス分離膜として分子径の小さな酸素の透過速度が
大きく、分子径の大きな亜酸化窒素ガスの透過速度が小
さなシリコーン系ポリマー膜を用いることができる。し
かし、酸素と亜酸化窒素ガスとの膜分離ができるもので
あればシリコーン系ポリマー膜に限定するものではな
い。
【0017】図3は、本発明の第1の実施の形態の効果
を説明するものであり、脱窒槽10の活性汚泥による亜
酸化窒素ガスの分解性能を示したものである。尚、脱窒
槽10の廃水中の活性汚泥濃度は1000mg/L、分
解開始前の亜酸化窒素ガス濃度は5mg/Lの場合であ
る。曲線Aは、硝化槽12で発生する亜酸化窒素ガスの
含有ガスを分子ふるい活性炭を用いた酸素除去装置24
で酸素を除去してから脱窒槽10に導入した場合の脱窒
槽10における亜酸化窒素ガスの分解性能を示したもの
である。
【0018】曲線Bは、硝化槽12で発生した前記含有
ガスを酸素除去装置24を通さずに脱窒槽10に直接導
入した場合の脱窒槽10での分解性能を示したものであ
る。尚、曲線Cと曲線Dについては、本発明の第2の実
施の形態の効果で説明する。図3の曲線Aから分かるよ
うに、酸素除去装置24を通した場合には、約1時間1
5分程度で5mg/L濃度の亜酸化窒素ガスがほぼ0m
g/Lになったのに対し、酸素除去装置24を通さない
場合には、4時間経過しても4mg/L程度までしか低
下しなかった。このように、本発明の亜酸化窒素ガスの
生物学的処理装置によれば、亜酸化窒素ガスを含有する
含有ガスを、嫌気性の脱窒槽10に導入して還元処理す
る前に、脱窒菌の還元処理を阻害する酸素を除去したの
で、亜酸化窒素ガスを短時間で効率的に除去することが
できる。
【0019】この場合、従来技術のように、含有ガスか
ら亜酸化窒素ガスのみを取り出して脱窒槽10に導入す
ることも考えられる。しかしながら、硝化槽12で発生
する含有ガスの中には亜酸化窒素ガス以外にも、廃水中
への散気により廃水中から揮散されるアンモニアガスが
ある。従って、従来技術のように含有ガスから亜酸化窒
素ガスのみを取り出して脱窒槽に導入すると、分離され
た他方のガス側(亜酸化窒素ガスが除去されたガス側)
にアンモニアガスが混入することになり好ましくない。
【0020】これに対し、本発明の場合には、酸素除去
装置24で酸素が除去された脱酸素ガス側に、前記揮散
されたアンモニアガスが含有されるので、揮散されたア
ンモニアガスは再び生物学的な処理系統に戻されること
になる。また、亜酸化窒素ガスや酸素等が混在する含有
ガス中の酸素濃度を測定することは、含有ガス中の亜酸
化窒素ガスを測定することよりも容易である。従って、
亜酸化窒素ガスを濃縮する装置を運転管理するよりも酸
素を除去する装置を運転管理する方が容易である。即
ち、酸素除去装置24の入口と脱酸素ガス側の出口のう
ちの少なくとも入口側に酸素濃度測定手段を設けて、除
去すべき酸素量を把握することにより、脱酸素ガス中の
酸素レベルが高くならないような酸素除去装置24の運
転を容易かつ確実に行うことができる。
【0021】図4は、分子ふるい活性炭を用いた酸素除
去装置24で含有ガスの酸素除去処理を行った場合の酸
素富有ガスの発生量と酸素濃度を、前述した1サイクル
(120秒)の経時変化として表したものである。この
結果、酸素富有ガスの酸素濃度は平均24%(19%〜
57%)であり、エア中の酸素濃度21%よりも大きく
なった。
【0022】図5は、図4の知見に基づいて成された本
発明の第1の実施の形態の変形例であり、酸素除去装置
24で得られた酸素富有ガスを硝化槽12の散気装置2
2に供給するための配管26と送気ファン28を設けた
ものである。硝化槽12では、常時、ブロア30からエ
アを散気装置22に送気して硝化槽12内を好気性にし
ているが、酸素除去装置24で得られる酸素濃度の高い
酸素富有ガスを利用することにより、エアよりも廃水中
の酸素効率が良くなる。これにより、廃水中の有機物の
分解除去率を向上させることができる。また、酸素除去
装置24から発生する酸素富有ガスの発生量が多い場合
には、ブロア30を設置しないか、設置しても小さなブ
ロア能力のもので足りるので、装置コストの低減にな
る。
【0023】図6は、本発明の亜酸化窒素ガスの生物学
的処理装置の第2の実施の形態であり、第1の実施の形
態と同じ装置及び部材には同符号を付して説明する。脱
窒槽10、硝化槽12、固液分離槽16、硝化槽12か
ら脱窒槽10への循環路14については、第1の実施の
形態と同様である。そして、第2の実施の形態では、脱
窒槽10の前段に微好気性の生物反応槽である微好気槽
32を設け、硝化槽12で発生する亜酸化窒素ガスの含
有ガスを、ガス経路34を介して微好気槽32に直接導
入するようにした。また、固液分離槽16からの汚泥返
送経路18を微好気槽32に繋いで微好気槽32での生
物量を維持するようにした。また、微好気槽32内に低
部に配設した微好気用散気装置36には、ブロア30か
らのエアが流量調整バルブ38で制御され、微好気槽の
溶存酸素濃度が0.1〜3ppmになるように散気され
るようにした。
【0024】図3の曲線Cは、硝化槽12で発生する亜
酸化窒素ガスの含有ガスを、微好気槽32に直接導入し
た場合の微好気槽32における亜酸化窒素ガスの分解性
能を示したものである。曲線Cから分かるように、含有
ガスを微好気槽32に直接導入した場合には、5mg/
L濃度の亜酸化窒素ガスを0.5mg/Lまで低下する
のに2.5時間を要した。この結果は、第1の実施の形
態のように酸素除去装置24を通した場合よりも亜酸化
窒素ガスの低減に時間がかかる。しかし、亜酸化窒素ガ
スを含む含有ガスを嫌気性の脱窒槽10に直接導入する
場合に比べて格段に分解性能が良かった。この理由は、
脱窒槽10中の微生物は、嫌気性状態に慣らされている
ために、含有ガスに同伴される酸素が脱窒槽10に混入
すると、微生物の活性が極端に低下するものと考察され
る。これに対し、微好気槽32の微生物は、溶存酸素濃
度が、微好気性状態に慣らされているために、含有ガス
に同伴される酸素が微好気槽32に混入しても酸素に対
する耐性があるものと考察される。また、微好気槽32
における亜酸化窒素ガスの窒素ガスへの還元反応を調べ
たところ、活性汚泥がブロック化したブロック内部、活
性汚泥を厚膜状にした生物膜の内部のように、微好気槽
32内でも嫌気性に近い条件に生息する脱窒菌が反応を
支配することが分かった。
【0025】図3の曲線Dは、上記知見に基づいて成さ
れたもので、脱窒菌を高分子ゲルに包括固定化した微生
物担体を投入した脱窒槽10に、硝化槽12で発生した
亜酸化窒素ガスの含有ガスを直接導入した場合である。
図3の曲線Dから分かるように、酸素除去装置24を通
した場合よりも亜酸化窒素ガスの分解性能がやや劣るも
のの、活性汚泥のみの微好気槽32の場合よりも分解性
能を向上させることができた。この理由としては、微生
物担体の内部が嫌気性に近い状態になるために、亜酸化
窒素ガスの分解を促進するものと考察される。
【0026】上記の如く構成した本発明の第2の実施の
形態によれば、生物学的な処理を行う微好気槽のみで亜
酸化窒素ガスを処理でき、物理的手段を必要としないの
で、装置構成を極めてシンプル化することができる。ま
た、生物学的手段のみの運転でよいので、装置の運転操
作や運転管理が容易になる。また、一般的な廃水処理方
法である活性汚泥循環変法式の廃水処理装置の前段に微
好気槽32を配設するだけでよいので、増設コストも安
価ですむ。また、微好気槽32の後段に循環嫌気性の脱
窒槽が配設される構成になるので、微好気槽で残存した
亜酸化窒素ガスを脱窒槽で確実に除去することができ
る。尚、図6では、微好気槽32での亜酸化窒素ガスの
処理負荷を考慮して、硝化槽12で処理した液を循環路
14で脱窒槽10に循環させるようにしたが、微好気槽
32に循環させてもよい。
【0027】また、図示しなかったが、硝化槽12から
微好気槽32に送気される含有ガス中の酸素濃度を計測
する酸素測定装置を設けると共に、微好気槽32内の廃
水中のDO濃度を測定するDO濃度計を設けるとよい。
これにより、含有ガスに同伴される酸素量を見込んで微
好気用散気装置36からの散気量を制御することができ
るので、微好気槽32の脱窒菌の活性が低下することが
ないと共に、散気量の削減にも寄与する。
【0028】図7及び図8は、本発明の亜酸化窒素ガス
の生物学的処理装置の第3の実施の形態であり、第1及
び第2の実施の形態と同じ装置及び部材には同符号を付
して説明する。本発明の第3の実施の形態は、アンモニ
ア性窒素含有の廃水を多段式に硝化処理する場合、複数
の硝化槽12で発生する亜酸化窒素ガスの含有ガスのう
ち、1段目の硝化槽12Aで全体の約70%の亜酸化窒
素ガスが発生することに着目して成されたものである。
そして、複数の硝化槽12で発生する亜酸化窒素ガスの
含有ガスのうち、少なくとも1段目の硝化槽12Aで発
生する含有ガスを、亜酸化窒素ガスの生物学的処理装置
に導いて還元処理するようにした。
【0029】図7は、第1硝化槽12A、第2硝化槽1
2B、第3硝化槽12Cの3槽から成る多段式の硝化処
理装置のうち、第1硝化槽12Aに蓋40をして、ヘッ
ドスペース42に溜まった亜酸化窒素ガスの含有ガス
を、送気ファン44により含有ガス送気経路46を介し
て亜酸化窒素ガスの生物学的処理装置に送気するように
ようにしたものである。これにより、亜酸化窒素ガスの
大気放出を低減できると共に、1槽のみの設備改造で亜
酸化窒素ガスを効率的に処理することができる。
【0030】また、図8は、前記3槽12A、12B、
12Cの硝化槽12の全てに蓋40をして、各硝化槽1
2A、12B、12Cで発生する亜酸化窒素ガスの含有
ガスを、送気ファン44により含有ガス送気経路46を
介して亜酸化窒素ガスの生物学的処理装置に送気するよ
うにしたものである。第3の実施の形態における亜酸化
窒素ガスの生物学的処理装置は、酸素除去装置24と脱
窒槽10を組み合わせたもの、微好気槽32のみのも
の、或いは微好気槽32と脱窒槽10を組み合わせたも
のを使用するとよい。
【0031】尚、本発明の実施の形態では、本発明の亜
酸化窒素ガスの生物学的処理装置を、硝化槽から発生す
る亜酸化窒素ガスを処理する例で説明したが、これに限
定されるものではなく、例えば、ゴミ処理場で発生する
亜酸化窒素ガスを処理する場合にも適用することができ
る。また、亜酸化窒素ガス(N2 O)にNOが混在する
場合にも本発明を適用することができる。
【0032】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の亜酸化窒
素ガスの生物学的処理方法及び装置によれば、亜酸化窒
素ガスの分解性能を向上させることができると共に、装
置構成のシンプル化を図ることができる。また、アンモ
ニア性窒素を含有する廃水を多段式硝化処理の場合に発
生する亜酸化窒素ガスを効率的に処理することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の亜酸化窒素ガスの生物学的処理装置の
第1の実施の形態を説明する構成図
【図2】酸素除去装置を説明する説明図
【図3】亜酸化窒素ガスの含有ガスを、脱窒槽に直接導
入した場合、酸素除去装置を通してから脱窒槽に導入し
た場合、微好気槽に直接導入した場合、微好気槽に脱窒
菌の包括固定化担体を投入した場合におけるそれぞれの
亜酸化窒素ガスの分解性能を説明する説明図
【図4】酸素除去装置で得られる酸素富有ガスの発生量
と酸素濃度を説明する説明図
【図5】本発明の亜酸化窒素ガスの生物学的処理装置の
第1の実施の形態の変形例を説明する構成図
【図6】本発明の第2の実施の形態の変形例を説明する
構成図
【図7】本発明の亜酸化窒素ガスの生物学的処理装置の
第3の実施の形態を説明する構成図
【図8】本発明の第3の実施の形態の変形例を説明する
構成図
【符号の説明】
10…脱窒槽、12…硝化槽、14…循環路、16…固
液分離槽、18…汚泥返送経路、22…散気装置、24
…酸素除去装置、26…配管、28…送気ファン、30
…ブロア、32…微好気槽、34…ガス経路、36…微
好気用散気装置、38…流量調整バルブ、40…蓋、4
4…送気ファン、46…含有ガス送気経路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 橋本 信子 東京都千代田区内神田1丁目1番14号 日 立プラント建設株式会社内 (72)発明者 能登 一彦 東京都千代田区内神田1丁目1番14号 日 立プラント建設株式会社内 (72)発明者 小笠原 多佳子 東京都千代田区内神田1丁目1番14号 日 立プラント建設株式会社内 Fターム(参考) 4D002 AA12 AA40 BA17 DA41 DA59 EA01 GA02 GA03 GB02 GB04 4D040 AA12 AA42 AA60 BB02 BB05 BB12 BB52 BB57 BB65

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】亜酸化窒素ガスを含有する含有ガスを、嫌
    気性の生物反応槽に導入して微生物による還元処理を行
    う前に、前記含有ガスに混在する酸素を予め除去してお
    くことを特徴とする亜酸化窒素ガスの生物学的処理方
    法。
  2. 【請求項2】亜酸化窒素ガスを含有する含有ガスを、微
    好気性の生物学反応槽に直接導入して微生物による還元
    処理を行うことを特徴とする亜酸化窒素ガスの生物学的
    処理方法。
  3. 【請求項3】亜酸化窒素ガスを含有する含有ガスから混
    在する酸素を除去する酸素除去装置と、 前記酸素除去装置で酸素を予め除去した脱酸素ガスを導
    入して、該脱酸素ガス中の亜酸化窒素ガスを嫌気性条件
    下で微生物により還元処理を行う嫌気性の生物反応槽
    と、 を備えたことを特徴とする亜酸化窒素ガスの生物学的処
    理装置。
  4. 【請求項4】亜酸化窒素ガスを含有する含有ガスを直接
    導入して、微好気性条件下で微生物による還元処理を行
    う微好気性の生物学反応槽を設けたことを特徴とする亜
    酸化窒素ガスの生物学的処理装置。
  5. 【請求項5】アンモニア性窒素を含有する廃水を複数の
    硝化槽で多段式に硝化処理する際に各硝化槽で発生する
    亜酸化窒素ガスを含有する含有ガスのうち、少なくとも
    1段目の硝化槽で発生する前記含有ガスを請求項3又は
    請求項4の生物学的処理装置に導く含有ガス送気経路を
    設けたことを特徴とする亜酸化窒素ガスの生物学的処理
    装置。
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