JPH10128389A - 排水処理方法及び装置 - Google Patents

排水処理方法及び装置

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JPH10128389A
JPH10128389A JP29184596A JP29184596A JPH10128389A JP H10128389 A JPH10128389 A JP H10128389A JP 29184596 A JP29184596 A JP 29184596A JP 29184596 A JP29184596 A JP 29184596A JP H10128389 A JPH10128389 A JP H10128389A
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tank
nitrification
wastewater
nitrous oxide
denitrification
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JP29184596A
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Nobuko Hashimoto
信子 橋本
Tatsuo Sumino
立夫 角野
Takako Ogasawara
多佳子 小笠原
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Hitachi Plant Technologies Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】硝化処理の反応副生成物として生成される気体
亜酸化窒素を大気に放出することなく除去することので
きる排水処理方法及び装置を提供する。 【解決手段】硝化処理の反応副生成物として生成される
亜酸化窒素のうち気体として存在する気体亜酸化窒素を
回収して吸収液に溶解した後、吸収液を脱窒処理するこ
とにより硝化・脱窒処理の系内で処理することができ
る。これにより、温室効果ガス及びオゾン層破壊ガスと
して問題視されている亜酸化窒素を大気に放出すること
のない大気汚染防止型の排水処理方法及び装置を提供す
ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は排水処理方法及び装
置に係り、特に、排水処理時に生成される亜酸化窒素ガ
スを大気に放出することなく処理することのできる排水
処理方法並びに装置に関する。
【0002】
【従来の技術】下水、し尿、産業廃水等の排水中に含ま
れるアンモニア窒素は、放流先の湖沼、内湾などの閉鎖
性水域における溶存酸素の低下や富栄養化現象の原因と
されている。従来、これらの排水中から窒素成分を除去
する窒素除去技術としては、微生物を利用した生物学的
な硝化・脱窒処理が行われており、代表例としては活性
汚泥循環変法がある。この生物学的な硝化・脱窒処理
は、独立栄養菌である硝化細菌のアンモニア酸化能力を
利用して、排水中のアンモニア性窒素を先ず好気性状態
で亜硝酸や硝酸に酸化し、その後、従属栄養細菌である
脱窒細菌の働により、排水中の有機物等を電子供与体と
して亜硝酸や硝酸を嫌気性状態で窒素に還元することに
より排水から窒素を除去するものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、生物学的な
硝化・脱窒処理において、硝化反応は好気的に行われ、
通常NH4 −N→(NH2 OH)→NO2 −N→NO3
−Nの順に進行するが、微生物活動や運転条件の変化等
により、反応副生成物として亜酸化窒素(N2 O)が生
成される。
【0004】近年、この亜酸化窒素は、二酸化炭素に次
ぐ温室効果ガスとして、更にはフロンガスと同様に成層
圏オゾン層を破壊するオゾン層破壊ガスとして問題視さ
れており、亜酸化窒素の生成源の一つとして下水処理施
設が指摘されている。このような背景から、従来は亜酸
化窒素の生成を抑制するような排水処理装置の運転条件
を検討することがなされてきたが、亜酸化窒素の生成メ
カニズムの詳細は不明な点が多い。従って、どのような
運転条件を行えば良いのかが分からないのが実情であ
り、抜本的な解決とはなっていない。
【0005】本発明のこのような事情に鑑みてなされた
もので、硝化処理の反応副生成物として生成される気体
亜酸化窒素を大気に放出することなく除去することので
きる排水処理方法及び装置を提供することを目的とす
る。
【0006】
【課題を解決する為の手段】本発明は前記目的を達成す
る為に、アンモニア含有排水を微生物で生物学的に硝化
・脱窒処理して排水中のアンモニアを除去する排水処理
方法に於いて、前記硝化処理で発生する気体を回収して
吸収液に溶解すると共に前記溶解した吸収液を脱窒処理
することにより、硝化処理の反応副生成物として発生す
る亜酸化窒素を除去することを特徴とする。
【0007】また、本発明は前記目的を達成する為に、
アンモニア含有排水を微生物で生物学的に硝化・脱窒処
理して排水中のアンモニアを除去する排水処理装置に於
いて、硝化槽と脱窒槽を有し、少なくとも前記硝化槽を
密閉可能に形成した生物反応槽と、前記硝化槽で硝化処
理された硝化液を脱窒槽に循環する循環経路の途中に設
けられた回収槽と、前記硝化槽で発生する気体を前記回
収槽の硝化液中に送気する送気手段と、から成り、前記
硝化槽での硝化処理の反応副生成物として発生する亜酸
化窒素を除去することを特徴とする。
【0008】また、本発明は前記目的を達成する為に、
アンモニア含有排水を微生物で生物学的に硝化・脱窒処
理して排水中のアンモニアを除去する排水処理装置に於
いて、硝化槽と脱窒槽を有し、少なくとも前記硝化槽を
密閉可能に形成した生物反応槽と、前記生物反応槽に供
給されるアンモニア含有排水の原水を貯留する原水貯留
槽と、前記硝化槽で発生する気体を前記原水貯留槽内の
原水中に送気する送気手段と、から成り、前記硝化槽で
の硝化処理の反応副生成物として発生する亜酸化窒素を
除去することを特徴とする。
【0009】また、本発明は前記目的を達成する為に、
アンモニア含有排水を微生物で生物学的に硝化・脱窒処
理して排水中のアンモニアを除去する排水処理装置に於
いて、硝化槽と脱窒槽を有し、少なくとも前記硝化槽を
密閉可能に形成した生物反応槽と、有機溶剤を貯留する
有機溶剤貯留槽と、前記硝化槽で発生する気体を前記有
機溶剤貯留槽内の有機溶剤中に送気する送気手段と、前
記有機溶剤貯留槽の有機溶剤を前記脱窒槽に添加する添
加手段と、から成り、前記硝化槽での硝化処理の反応副
生成物として発生する亜酸化窒素を除去すると共に、前
記有機溶剤を脱窒処理を行う微生物の栄養源として利用
することを特徴とする。
【0010】本発明によれば、硝化処理の反応副生成物
として生成される亜酸化窒素のうち気体として発生する
気体亜酸化窒素を回収して吸収液に溶解した後、吸収液
を脱窒処理することにより硝化・脱窒処理の系内で亜酸
化窒素を除去する。
【0011】
【発明の実施の形態】以下添付図面に従って本発明に係
る排水処理方法及装置の実施の形態について詳説する。
先ず、本発明の排水処理方法及び装置の理論的根拠を説
明する。表1は、図1に示した実際の下水処理装置にお
ける亜酸化窒素(N2 O)の生成状況を調査した結果で
ある。
【0012】図1に示すように、活性汚泥循環変法によ
る下水処理装置10は、第1の脱窒槽12A及び第2の
脱窒槽12B2槽から成る脱窒槽12の後段に、第1の
硝化槽14A、第2の硝化槽14B及び第3の硝化槽1
4Cの3槽から成る硝化槽14が配設され、第3の硝化
槽14Cで処理された硝化液の一部は硝化液循環ライン
16を通って第1の脱窒槽12Aに循環される。また、
第3の硝化槽14Cで処理された残りの液は沈殿槽18
を経由して系外の排出され、沈殿槽18で沈殿した活性
汚泥は返送汚泥ライン20を通って第1の脱窒槽12A
に戻される。また、各硝化槽の底部には曝気装置(図示
せず)が配設されると共に、各脱窒槽の底部には攪拌機
(図示せず)が配設される。
【0013】下水処理施設の運転条件は、流入水量が2
60m3 /h、硝化循環水量400m3 /h、返送汚泥
量80m3 /h及び曝気量400m3 /hである。ま
た、亜酸化窒素のうち、液中に溶存する溶存亜酸化窒素
(溶存N2 O)はヘッドスペース法により測定し、気体
として発生する気体亜酸化窒素(気体N2 O)は気体採
取装置を用いてテドラーバッグに採取しガスクロマトグ
ラフィーで分析した。
【0014】
【表1】 尚、流入水の溶存N2 Oの生成量は、原水の亜酸化窒素
1.8(mg-N /h)、循環硝化液の亜酸化窒素1.6(mg
-N /h)、返送汚泥の亜酸化窒素0.5(mg-N /h)を合計
した値である。
【0015】表1から分かるように、下水処理装置で発
生する亜酸化窒素は、液中に溶存状態で存在する溶存亜
酸化窒素と、液中から放出されて気体で存在する気体亜
酸化窒素がある。溶存亜酸化窒素は脱窒槽での脱窒処理
により窒素ガスになるため問題ないが、気体亜酸化窒素
は、何らの処理も行わないと、下水処理施設から大気に
放出されて分解されることなく成層圏まで達することに
なる。
【0016】また、気体亜酸化窒素は全て硝化槽で検出
された。この理由は、硝化槽において微生物活動や運転
条件の変化等により生成される亜酸化窒素は反応副生成
物であるのに対し、脱窒槽内での亜酸化窒素は脱窒反応
〔NO3 - N→NO2 - N→(NO)→N2 O→N2
順で進行〕の途中の中間生成物であるためと推察され
る。
【0017】また、気体亜酸化窒素は、第1の硝化槽よ
りも第3の硝化槽で多く検出された。このことは、硝化
処理の進行度合いが大きいほど気体亜酸化窒素の生成が
多くなることが推察される。本発明は上記知見に基づい
て成されたものであり、図2は本発明の排水処理装置の
第1の実施の形態を説明する概略構成図である。
【0018】図2に示すように、本発明の排水処理装置
22は、主として生物反応槽24と、生物反応槽24で
発生する亜酸化窒素を含んだ気体を回収する回収装置2
6とから構成される。生物反応槽24は、密閉容器で形
成される硝化槽24Bと、密閉容器で形成される脱窒槽
24Aで構成され、硝化槽24B及び脱窒槽24Aには
活性汚泥が投入される。この場合、硝化槽24Bには硝
化細菌を包括固定化した担体を投入してもよい。硝化槽
24Bの底部には曝気装置28が設けられ、硝化槽24
B内に好気性条件が形成される。一方、脱窒槽24Aの
底部には攪拌機30が設けられ、攪拌機30で脱窒槽2
4A内の液をゆっくりと攪拌することにより脱窒槽24
A内に嫌気性条件が形成される。更に、硝化槽24Bと
脱窒槽24Aとの間には硝化液循環ライン32が設けら
れ、硝化槽24Bで硝化処理された硝化液の一部は硝化
液循環ライン32を通って脱窒槽24Aに循環される。
これにより、原水供給ライン34により脱窒槽24Aに
流入した排水原水中のアンモニアは、硝化槽24Bで硝
化処理された後、脱窒槽24Aで脱窒処理されることに
より窒素ガスとなり排水中から除去される。一方、硝化
槽24Bで処理された硝化液の残りの液は、処理水とし
て処理水ライン36を通って沈殿槽38に送られ、沈殿
槽38で処理水に同伴した活性汚泥が固液分離された
後、系外に排出される。沈殿槽38で沈殿した活性汚泥
は、返送汚泥ライン40を通って脱窒槽24Aに戻され
る。
【0019】ガス回収装置26は、主として、回収槽4
2と送気ライン44とから構成され、回収槽42は前記
した硝化液循環ライン32の途中に設けられる。また、
送気ライン44の一方端は、硝化槽24Bのヘッドスペ
ース部24Cに配設されると共に、他方端は回収槽42
の底部に配設された散気板46に接続される。更に、送
気ライン44の途中には送気ポンプ48が設けられる。
【0020】次に、上記の如く構成された排水処理装置
22の作用を説明する。原水供給ライン34により生物
反応槽24に流入した排水中のアンモニアは、硝化槽2
4Bでの硝化反応によりNH4 ─N→(NH2 OH)→
NO2 −N→NO3 −Nの順に進行するが、微生物活動
や運転条件の変化等により反応副生成物として亜酸化窒
素が生成される。生成された亜酸化窒素のうち、気体亜
酸化窒素は硝化槽24Bのヘッドスペース部24Cに空
気、或いは他の生成ガスと共に溜まる。ヘッドスペース
部24Cに溜まった気体亜酸化窒素を含む気体は、送気
ポンプに吸引されて送気ライン44を通って回収槽42
内の散気板44に送気され、硝化液循環ライン32で回
収槽42内に送水された硝化液中に散気される。これに
より、気体亜酸化窒素は硝化液中に溶解される。
【0021】次に、回収槽42で硝化液に溶解された亜
酸化窒素は、硝化液循環ライン32を通って脱窒槽24
Aに送水され、脱窒槽24Aでの脱窒処理により窒素ガ
スに還元される。このように、本発明の排水処理装置の
第1の実施の形態によれば、硝化槽24B内で発生した
気体亜酸化窒素は、回収されて回収槽42内の硝化液中
に溶解された後、硝化液を脱窒槽24Aで脱窒処理する
ことにより除去されるので、気体亜酸化窒素を硝化・脱
窒の処理系内で処理することができる。これにより、排
水処理装置22から発生する気体亜酸化窒素を無害化す
るための特別な装置を必要とすることなく、簡単な回収
装置を備えるだけで気体亜酸化窒素が大気に放出される
のを防止することができる。更には、硝化槽24Bと脱
窒槽24Aを結ぶ既存の硝化液循環ライン32に回収槽
42を設けて、硝化液を気体亜酸化窒素の吸収液として
使用することにより、回収装置26の装置コストを安価
にすることができる。
【0022】図3は、本発明の排水処理装置の第2の実
施の形態を説明する概略構成図であり、第1の実施の形
態で使用した装置や部材と同じものは同符号を付して説
明する。図3に示すように、排水処理装置50は、原水
供給ライン34の途中に排水の原水を貯留する密閉型の
原水貯留槽52を設けると共に、原水貯留槽52の底部
に配設した散気板46に送気ライン44の他方端を接続
するようにしたものである。
【0023】本発明の第2の実施の形態の場合も第1の
実施の形態と同様の効果を得るほこがきる。更に、第2
の実施の形態の場合には、亜酸化窒素濃度の低い原水
(表1参照)を吸収液として使用することにより、気体
亜酸化窒素の溶解量を大きくできるので、硝化槽で発生
する気体亜酸化窒素の量が多い場合に適している。図4
は、本発明の排水処理装置の第3の実施の形態を説明す
る概略構成図であり、第1の実施の形態で使用した装置
や部材と同じものは同符号を付して説明する。
【0024】図4に示すように、排水処理装置の第3の
実施の形態は、気体亜酸化窒素を吸収する吸収液として
亜酸化窒素の溶解度の大きな有機溶剤を使用すると共
に、吸収液を脱窒処理における脱窒細菌の栄養源として
使用するようにガス回収装置を構成したものである。こ
こで使用される有機溶剤としては、亜酸化窒素の溶解度
が大きく、且つ脱窒細菌の栄養源となるものであれば何
でもよいが、好ましくはエタノール、メタノール、プロ
パノール等のアルーコール類等が良く、特にエタノール
が良い。
【0025】尚、亜酸化窒素の溶解度の大きなものとし
て、有機溶剤以外では硫酸がある。従って、硫酸を気体
亜酸化窒素の吸収液として使用した場合には、硝化槽或
いは脱窒槽における酸性側のpH調整液として使用する
とよい。図4に示すように、第3の実施の形態における
排水処理装置60におけるガス回収装置61は、有機溶
剤を貯留する有機溶剤貯留槽62と、一方端が硝化槽2
4Bのヘッドスペース部24Cに配設されると共に他方
端が有機溶剤貯留槽62の底部に配設された散気板46
に接続された送気ライン44と、有機溶剤貯留槽62の
有機溶剤を脱窒槽24Aに添加する添加ライン64とで
構成される。
【0026】そして、硝化槽24Bで発生した気体亜酸
化窒素を含む気体は、送気ポンプ48により有機溶剤貯
留槽62の散気板46に送気され散気板46から有機溶
剤中に散気される。これにより、硝化槽24Bのヘッド
スペース部24Cに溜まった気体亜酸化窒素を含む気体
は有機溶剤中に溶解される。一方、有機溶剤貯留槽62
内の有機溶剤は脱窒細菌の栄養源として添加ライン64
を通って脱窒槽24A内に添加される。これにより、有
機溶剤に溶解した亜酸化窒素は脱窒処理により窒素ガス
に還元される一方、添加された有機溶剤が脱窒細菌の栄
養源として利用される。
【0027】このように、本発明の第3の実施の形態の
場合も第1の実施の形態と同様の効果を得ることができ
る。更に、第3の実施の形態の場合には、気体亜酸化窒
素を溶解度の大きな有機溶剤に溶解させることにより、
水に比べて気体亜酸化窒素の溶解量を大きくすることが
できるので、有機溶剤貯留槽62の容量を小さくするこ
とができる。また、有機溶剤貯留槽62に貯留した有機
溶剤を脱窒槽24Aにおいて脱窒細菌の栄養源として利
用することができるので、有機物添加のための特別な添
加設備を必要としない。更に、第3の実施の形態の場合
には、硝化槽24Bで処理された硝化液を脱窒槽24A
循環させない硝化・脱窒処理装置にも適用できるので、
気体亜酸化窒素が発生する装置の全てに適用することが
できる。
【0028】
【実施例1】実施例1は、図2の排水処理装置を用いて
本発明の排水処理方法を行った場合である。比較例とし
て、回収装置のない生物反応槽のみのものについて行っ
た。硝化槽には、標準活性汚泥法による下水処理装置の
返送汚泥を固定化種菌として包括固定したペレットをア
ンモニア濃度50mg/lを含有する排水で培養したも
のを充填率10%になるように投入し、硝化槽の底部に
配設した曝気装置から全面曝気方式で曝気した。
【0029】ペレットの固定化は、活性汚泥2重量%、
ポリエチレングリコールプレポリマー15%、N ,N ,N
′テトラメチルエチレンジアミン0.5重量%及び過
硫酸カリウム0.25重量%を水中に混合し、ゲル化さ
せることにより行った。得られたゲルは3mm角のペレ
ットに切断した。一方、脱窒槽には、活性汚泥を投入
し、接触効率を良くするために攪拌機で攪拌した。
【0030】原水は無機合成排水を使用し、NH4-N濃
度は実施例1も比較例も同じ20(mg/l)で行うと共
に、脱窒槽の滞留時間を5時間、硝化槽の滞留時間を3
時間で処理し、生物反応槽全体の滞留時間を8時間とし
た。気体亜酸化窒素と溶存亜酸化窒素の測定方法は、上
述したと同じ方法でおこなった。
【0031】表2は、実施例1の処理水の水質と、比較
例の処理水の水質を比較した結果である。
【0032】
【表2】 (表2) 表2に示すように、実施例1と比較例は、硝化槽におい
て気体亜酸化窒素が同等量生成されているが、処理水の
溶存亜酸化窒素の量はどちらの場合も1.0(mg-N /h)
で同じ結果であった。また、回収槽のヘッドスペースに
は気体亜酸化窒素は殆ど検出されなかった。この結果か
ら分かるように、回収装置を備えた本発明の実施例1の
場合、硝化槽で発生した気体亜酸化窒素は、回収槽の硝
化液に大部分溶解されて脱窒槽で脱窒処理されることが
実証された。
【0033】また、実施例1の処理水及び比較例の処理
水のNH4-N濃度、NO2 - N濃度NO3 - N濃度の比
較結果から分かるように、回収装置を設けて、回収した
気体亜酸化窒素を脱窒槽で処理しても硝化・脱窒処理に
よる反応効率、即ち窒素の除去効率には何ら悪影響を及
ぼさないことが分かった。一方、回収装置のない比較例
の場合、硝化槽で発生した気体亜酸化窒素は大気に放出
された。
【0034】
【実施例2】実施例2は、図3の排水処理装置を用いて
本発明の排水処理方法を行った場合である。比較例とし
ては実施例1で使用した比較例データをそのまま使用し
た。その他、原水、運転条件は実施例1と同様である。
表3は、実施例2の処理水の水質と、比較例の処理水の
水質を比較した結果である。
【0035】
【表3】 (表3) 表3に示すように、実施例2の場合も実施例1と同様に
硝化槽で発生した気体亜酸化窒素は、回収槽の硝化液に
大部分溶解されて脱窒槽で脱窒処理されることが実証さ
れた。また、実施例2の場合も実施例1と同様に硝化・
脱窒処理による反応効率、即ち窒素の除去効率には何ら
悪影響を及ぼさないことが分かった。
【0036】第2実施例の場合には、亜酸化窒素濃度の
小さな原水に気体亜酸化窒素を溶解させることから、気
体亜酸化窒素の生成が多い場合には実施例1の場合より
も適していると考えられる。
【0037】
【実施例3】実施例3は、図4の排水処理装置を用いて
本発明の排水処理方法を行った場合である。比較例は実
施例1での比較例データをそのまま使用した。また、回
収槽に貯留する吸収液としては、5%濃度のアルコール
水溶液を用いた。アルコールの濃度は濃い方が、亜酸化
窒素の溶解量を多くすることができるが、アルコールを
脱窒槽での栄養源として添加量を制御することを考慮す
ると5〜10%程度が制御しやすい。その他、原水のア
ンモニア濃度、生物反応槽の運転条件等は実施例1と同
様である。
【0038】表4は、実施例3の処理水の水質と、比較
例の処理水の水質を比較した結果である。
【0039】
【表4】 (表4) 表4に示すように、実施例3の場合も実施例1及び2と
同様に硝化槽で発生した気体亜酸化窒素は、回収槽の硝
化液に大部分溶解されて脱窒槽で脱窒処理されることが
実証された。回収槽内のエタノール中の亜酸化窒素濃度
は、運転開始時点で0であったものが、8時間後は13
mg/lと増加し、硝化槽で発生した気体亜酸化窒素が
確実にエタノールに吸収されていた。また、実施例3の
場合も実施例1及びと同様に硝化・脱窒処理による反応
効率、即ち窒素の除去効率には何ら悪影響を及ぼさない
ことが分かった。
【0040】更に、実施例3では、回収槽のエタノール
を脱窒槽に添加して脱窒細菌の栄養源とて利用したの
で、脱窒槽への有機物の添加を全く行わないでも正常に
脱窒処理を行うことができた。
【0041】
【発明の効果】本発明の排水処理方法及び装置によれ
ば、硝化処理の反応副生成物として生成される気体亜酸
化窒素を大気に放出することなく除去することができ
る。従って、温室効果ガス及びオゾン層破壊ガスとして
問題視されている亜酸化窒素を大気に放出することのな
い大気汚染防止型の排水処理方法及び装置を提供するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の理論的根拠を説明するのに使
用した生物反応槽の概略構成図
【図2】図2は、本発明の排水処理装置の第1の実施の
形態を説明する概略構成図
【図3】図3は、本発明の排水処理装置の第2の実施の
形態を説明する概略構成図
【図4】図4は、本発明の排水処理装置の第3の実施の
形態を説明する概略構成図
【符号の説明】
22、50、60…排水処理装置 26、51、61…回収装置 24A…脱窒槽 24B…硝化槽 26…回収装置 28…曝気装置 30…攪拌機 32…硝化液循環ライン 34…原水供給ライン 36…処理水 38…沈殿槽 40…返送汚泥ライン 42…回収槽 44…送気ライン 46…散気板 48…送気ポンプ 52…原水貯留槽 62…有機溶剤貯留槽 64…有機溶剤の添加ライン

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】アンモニア含有排水を微生物で生物学的に
    硝化・脱窒処理して排水中のアンモニアを除去する排水
    処理方法に於いて、 前記硝化処理で発生する気体を回収して吸収液に溶解す
    ると共に前記溶解した吸収液を脱窒処理することによ
    り、硝化処理の反応副生成物として発生する亜酸化窒素
    を除去することを特徴とする排水処理方法。
  2. 【請求項2】前記吸収液は、硝化処理されて脱窒処理に
    送水される硝化液であることを特徴とする請求項1の排
    水処理方法。
  3. 【請求項3】前記吸収液は、前記アンモニア含有排水の
    原水であることを特徴とする請求項1の排水処理方法。
  4. 【請求項4】前記吸収液は有機溶剤であることを特徴と
    する請求項1の排水処理方法。
  5. 【請求項5】アンモニア含有排水を微生物で生物学的に
    硝化・脱窒処理して排水中のアンモニアを除去する排水
    処理装置に於いて、 硝化槽と脱窒槽を有し、少なくとも前記硝化槽を密閉可
    能に形成した生物反応槽と、 前記硝化槽で硝化処理された硝化液を脱窒槽に循環する
    循環経路の途中に設けられた回収槽と、 前記硝化槽で発生する気体を前記回収槽の硝化液中に送
    気する送気手段と、から成り、 前記硝化槽での硝化処理の反応副生成物として発生する
    亜酸化窒素を除去することを特徴とする排水処理装置。
  6. 【請求項6】アンモニア含有排水を微生物で生物学的に
    硝化・脱窒処理して排水中のアンモニアを除去する排水
    処理装置に於いて、 硝化槽と脱窒槽を有し、少なくとも前記硝化槽を密閉可
    能に形成した生物反応槽と、 前記生物反応槽に供給されるアンモニア含有排水の原水
    を貯留する原水貯留槽と、 前記硝化槽で発生する気体を前記原水貯留槽内の原水中
    に送気する送気手段と、から成り、 前記硝化槽での硝化処理の反応副生成物として発生する
    亜酸化窒素を除去することを特徴とする排水処理装置。
  7. 【請求項7】アンモニア含有排水を微生物で生物学的に
    硝化・脱窒処理して排水中のアンモニアを除去する排水
    処理装置に於いて、 硝化槽と脱窒槽を有し、少なくとも前記硝化槽を密閉可
    能に形成した生物反応槽と、 有機溶剤を貯留する有機溶剤貯留槽と、 前記硝化槽で発生する気体を前記有機溶剤貯留槽内の有
    機溶剤中に送気する送気手段と、 前記有機溶剤貯留槽の有機溶剤を前記脱窒槽に添加する
    添加手段と、から成り、 前記硝化槽での硝化処理の反応副生成物として発生する
    亜酸化窒素を除去すると共に、前記有機溶剤を脱窒処理
    を行う微生物の栄養源として利用することを特徴とする
    排水処理装置。
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