JPH07241584A - 複合活性汚泥担体による排水の処理方法及び処理装置 - Google Patents

複合活性汚泥担体による排水の処理方法及び処理装置

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JPH07241584A
JPH07241584A JP3556294A JP3556294A JPH07241584A JP H07241584 A JPH07241584 A JP H07241584A JP 3556294 A JP3556294 A JP 3556294A JP 3556294 A JP3556294 A JP 3556294A JP H07241584 A JPH07241584 A JP H07241584A
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JP
Japan
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activated sludge
wastewater
treatment
composite
particles
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JP3556294A
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Michiyo Nitsuta
三知代 新田
Kenji Baba
研二 馬場
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】窒素,リンの効率的な同時除去ができる排水処
理方法および排水処理装置を提供する。 【構成】排水処理槽1に複合活性汚泥担体6を充填し、
好気処理と嫌気処理を適宜組み合わせて排水を処理す
る。複合活性汚泥担体6は2段構造で、包括活性汚泥粒
子6aと該粒子表面に分散付着させた多孔質性の微小粒
子6bとからなる。該多孔質性の微小粒子6bには、処
理する排水に適した微生物群,酵素,吸着剤等が吸着,
固定化されている。 【効果】窒素≦5mg/ml,リン≦1.0mg/ml レベルま
で同時除去でき、二次処理が不要,処理フローが単純,
運転コストの安い排水処理装置を提供を提供できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、生活排水及び産業排水
等の排水の活性汚泥による処理方法及び処理装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】包括固定活性汚泥粒子により廃液排水を
ろ過処理する排水の処理装置について、特公平2−10716
号に記載されている。また、他の活性汚泥担体の作製法
として、活性汚泥を多孔質性の無機質材料で作製した担
体に保持して排水処理に用いる方法が特開昭61−287495
号に、活性汚泥を繊維材料や多孔質性材料と共に分散さ
せて排水処理担体とする方法が特開昭61−242580号に記
載されている。さらに、カラム内に粒状の担体を充填し
て、該粒状の担体の間隙を多孔質性の材料で満たし、さ
らに、多孔質性材料の空隙にアンモニア酸化菌を吸着さ
せて、カラム全体で複合担体を形成し、該複合担体で排
水を処理する装置に関して、特開平4− 59096 号に記
載されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】近年、水源地である河
川湖沼の汚染が深刻な問題となっている。これを解決す
るための一つの手段として、現在、未処理のまま放水さ
れている生活排水を処理することが挙げられる。生活排
水の処理には、排水中のBOD,COD成分のみなら
ず、窒素,リン成分をも除去でき、経済的で、コンパク
トな排水処理装置が必要である。しかし、窒素,リンの
同時除去法である嫌気−好気−嫌気法による現状の排水
処理装置は、装置が大規模であり、運転条件の設定が難
しく、また、窒素,リンの除去率は排水の水質変化によ
って変動するため、安定な除去率がえられないといった
問題がある。
【0004】一方、他の排水処理方法として、活性汚泥
を包括固定化する方法や、多孔質材料に担持して粒子化
し、該粒子を処理槽に充填して固定床とし、これにより
排水をろ過処理する方法がある。この方法では、装置を
小型化することが可能であるが、目詰りにより処理能力
が低下する等の問題がある。これらの問題の解決を目的
として、活性汚泥の固定化/担持方法について様々な改
良がなされ、特開平4−59096号,特開平1−207193号等
の公知例がある。
【0005】よって、本発明の目的は、かかる従来技術
のをさらに発展させ、種々の排水の性質に適合した処理
効率の高い、高機能な排水処理担体の作製及びそれを用
いた経済的で、コンパクトであり、かつ、処理効率の高
い排水処理装置を提供することにある。
【0006】本発明の更なる目的は、特に有機性排水中
の窒素,リンの同時除去を効率よく実施することのでき
る、排水処理担体の作製を及びそれを用いた排水処理装
置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】従来技術の問題点を解決
するために、本発明では、以下に記載の手段を用いてい
る。
【0008】まず、本発明において排水処理に用いる複
合活性汚泥担体は、次のような構成になっている。ま
ず、活性汚泥を固定化剤を用いて包括固定し、包括活性
汚泥粒子を作製する。さらに、該粒子表面に固定化剤を
コーティングして、固定化剤の被膜をつくる。該被膜が
固化せず、粘着性のあるうちに、別の多孔質性の微粒子
を、分散して付着させ、大小2種類の粒子からなる2段
構造の活性汚泥複合担体とする。多孔質性の微粒子に
は、予め、微生物,酵素,吸着剤及びそれらの混合物を
固定化または吸着させておく。微小粒子に固定/吸着さ
れる微生物,酵素,吸着剤及びそれらの混合物は、処理
する排水の成分や処理目的に適したものを選択する。例
えば、油脂成分を含む排水の場合は、油分解酵素活性を
持つ微生物群、または、油分解酵素自体を固定化する。
本発明になる複合担体、包括固定された活性汚泥粒子本
体と、該本体粒子表面に分散/付着させた微小粒子の2
段構成となっていることを特徴とする。包括活性汚泥粒
子本体が、生物的酸化による排水中の主たる有機成分を
分解し、外側の多孔質性の微小粒子が、生物的酸化によ
り生じた分解物や、特定の成分を処理する。
【0009】従来の活性汚泥複合担体は、活性汚泥とそ
の他の材料を混合して一緒に包括固定した、いわば一段
構造の複合担体であった。このような従来の複合担体で
は、混合して用いる、微生物や吸着剤等の複数の材料の
分散状態を最適化するのが困難である。つまり、担体の
中心部の領域に分布しているのが好ましい材料と、表層
に分布する方が好ましいもの、又は均一分散しているの
が良いものがあるが、従来法では、それら材料の担体内
での存在分布が十分に考慮されていない。よって、担体
内部に、排水処理に寄与しない部分や、効率の悪い部分
が形成されてしまい、その結果、全体の処理効率が低く
押さえられたり、初期の処理能力を長期維持できないと
いった問題が生じる。
【0010】また、他の複合担体としては、包括固定し
た活性汚泥粒子と、該粒子の間隙を満たすように他の多
孔質材料をカラムにパックし、さらに該多孔質材料にア
ンモニア酸化菌を吸着させるという公知例がある。この
場合、カラム全体がひとつの複合担体となっているとみ
なすのが適当であると考える。このようにカラム内にパ
ックして固定床とすると、非常に小型の装置を除いて、
カラム内の担体に均一に送液するのが難しく、装置の形
状,容積が限定される。本発明のような粒子状態の複合
担体の場合、装置形状,スケールアップ性においても、
適応できる範囲が広い。
【0011】本発明になる2段構造の複合担体では、従
来の複合担体には見られなかった次のような優れた特徴
がある。本発明になる複合活性汚泥担体と排水が接触し
た場合、包括固定された活性汚泥本体の部分において、
生物的酸化作用により有機成分が分解され種々の分解物
が生成する反応を第一反応とする。これらの分解物が、
外側の多孔質性粒子に固定された微生物等により、さら
に分解,資化される反応を第二反応とする。この時、本
発明になる複合担体では、多孔質性の微小粒子が本体の
表面に分散して付着しているため、第一反応で生じた種
々の分解物、すなわち第二反応の基質が拡散により希釈
されないうちに反応するので、反応速度、つまり、処理
速度が高く保たれる。他の優れた特徴は、特定の機能を
有する微生物等は、多孔質性の粒子の細孔内に吸着/固
定されているので、脱離しにくい。また、排水の性質が
変化しても、多孔質粒子内部に存在する微生物は、淘汰
されて脱離してしまわずに、排水の性質変化に馴化する
ことができ、当初の目的の機能を失わず、処理能力を維
持できる。
【0012】さらに、本発明になる複合活性汚泥担体
が、上記のような優れた特性を保持するには、包括活性
汚泥本体の粒径が0.5〜4.0ミリの範囲にあり、該本
体と、表面に付着させる多孔質性微小粒子との粒径の比
は、10:1〜20:1の範囲にあるのが望ましい。加
えて、該多孔質性微小粒子の本体表面に対する付着割合
は、本体の表面積の50〜70%を占めるのが望まし
い。該多孔質性粒子の包括活性汚泥粒子本体に対する付
着深度は、多孔質粒子の粒径の1/2程度であるのがよ
り望ましい。活性汚泥を包括固定するのに用いる固定化
剤としては、有機性の高分子材料が適しており、特に限
定するものではないが、ポリビニルアルコール(以下P
VAと略記する)及びポリエチレングリコール(以下P
EGと略記する)を主成分とするのがより望ましい。こ
れらの固定化剤により本発明になる複合活性汚泥担体を
作製する際には、活性汚泥を包括固定する際の濃度より
も、多孔質性の微粒子を付着させる被膜を形成する際に
使用する濃度を高くするのがより望ましい。多孔質性の
微小粒子の構成材料は、セルロースを主成分とするもの
が良く、特に空隙率90%以上の発泡セルロースである
のがより望ましい。
【0013】本発明になる複合活性汚泥担体は、有機性
排水中の窒素,リン成分の同時除去を実施するのが、特
に有効な使用方法である。多孔質性の微小粒子に、窒素
成分の処理に必要な硝化菌,脱窒菌、及び/またはそれ
らの微生物群を吸着/固定する。別に、リン成分の処理
に必要な脱リン機能を保持する微生物群を吸着/固定し
た多孔質性微小粒子を作製する。これらの多孔質性の微
小粒子を、包括固定活性汚泥粒子にそれぞれ付着させ
て、窒素処理用複合活性汚泥担体とリン処理用複合活性
汚泥担体を作製する。通常の生活排水を処理する場合
は、作製した2種類の複合活性汚泥担体を、窒素処理用
とリン処理用を20:1〜20:3の比率で混合して使
用するのがより望ましい。さらにより望ましくは、吸着
剤として活性炭を多孔質性の微小粒子に担持させる。活
性炭は単独ではなく、微生物等と混合して担持させるの
がよい。
【0014】本発明になる排水の処理方法は、以上述べ
てきた複合活性汚泥担体と排水を接触させて処理する。
具体的には、処理槽に複合活性汚泥担体と排水を注入し
て、酸素含有ガスを通気し、複合活性汚泥担体と排水を
流動/接触させ、排水を好気処理する。所定時間経過
後、通気を止めて、嫌気処理する。ついで、酸素含有ガ
スを通気して、再び好気処理するのが望ましい。本好気
−嫌気−好気処理は、特に、排水中の窒素、リンの除去
に効果的な方法である。また、複合活性汚泥担体の処理
槽内への充填率は、40〜60(V/V)%の範囲にあ
るのがより望ましい。
【0015】本発明になる排水の処理装置は、排水を一
時的に貯留する調整槽と、複合活性汚泥担体が充填さ
れ、ガス通気ノズルが設置された処理槽,排水を調整槽
から処理槽に注入する手段,処理槽内にガスを通気する
手段、及び、処理槽内の液を処理槽外に抜き出す手段か
らなる。調整槽から処理槽に注入された排水は、好気−
嫌気−好気処理され、処理水として槽外に出される。本
発明になる排水処理装置では、より望ましくは、処理槽
を2つ、またはそれ以上設置することにより、排水の連
続処理が可能である。
【0016】
【作用】本発明になる複合活性汚泥担体は、包括固定さ
れた活性汚泥粒子本体と、その表面に分散/付着させた
多孔質性の微粒子との2段構造となっている。多孔質性
の微粒子には、予め、微生物,酵素,吸着剤及びそれら
の混合物を固定化または吸着させておく。この多孔質性
の微小粒子に固定/吸着させる微生物,酵素,吸着剤及
びそれらの混合物の選択/組み合わせにより、種々の性
質の排水の処理に使用することが可能である。本複合担
体では、本体部分の活性汚泥の生物的酸化作用により、
排水中の主たる有機成分を分解し、さらに、外側の多孔
質性の微小粒子に吸着/固定された微生物等により、生
物的酸化により生じた分解物や、処理目的とする特定の
成分が処理される。本発明になる複合活性汚泥担体は、
このような複数の処理能力を保持しているので、排水中
の複数の成分を一括処理できる高機能な担体となってい
る。包括活性汚泥本体の大きさを粒径0.5〜4.0ミ
リ、該本体と表面に付着させる多孔質性微小粒子との粒
径の比を10:1〜20:1、加えて、該多孔質性微小
粒子の本体表面に対する付着量を、本体の表面積の50
〜70%とする。これにより、上記の複数の処理反応に
おいて、反応基質の拡散により希釈の影響を受けずに、
種々の反応速度、つまり、処理速度を高く保つことがで
きる。また、特定の処理機能を有する微生物等を、多孔
質性の微小粒子の細孔内に吸着/固定していることか
ら、物理的な作用による脱離が起こりにくく、また、排
水の性質変化に馴化することができ、当初の目的の機能
を失わず、処理能力を維持できる。
【0017】固定化剤は、有機系の高分子材料が適して
おり、特にPVA,PEGを使用するのが望ましい。P
VA及びPEGは、包括する微生物の生物活性に与える
影響が小さく、固定化によって形成される粒子内に、高
濃度の微生物を担持できるので、排水の処理能力が高い
処理担体を作製することができ、ひいては、排水の処理
時間を短縮することができる。さらに、包括活性汚泥粒
子本体の表面に、多孔質性の微小粒子を付着させる際、
固定化する際に使用した濃度よりも高濃度の固定化剤を
用いることで、多孔質性の微小粒子の包括活性汚泥本体
に対する付着性,複合活性汚泥担体自体の物理的強度、
および寿命を向上させることができる。本発明になる複
合活性汚泥担体は、包括活性汚泥本体の表面に付着させ
る多孔質性の微小粒子に、窒素成分の処理に必要な硝化
菌,脱窒菌、及び/またはそれらの微生物群と、リン成
分の処理に必要な高いリン処理能を保持する微生物群を
吸着/固定させることにより、有機性排水中の窒素,リ
ンを効率よく同時除去することができる。処理槽に本複
合活性汚泥担体と排水を注入して、酸素含有ガスを通気
し、複合活性汚泥担体と排水を流動/接触させ、排水を
好気処理する。この好気処理により、包括活性汚泥粒子
本体の部分で排水中の有機物が生物的酸化処理され、つ
いで、多孔質性の微粒子内の微生物により、硝化及び好
気的脱窒反応、及び、リンの取り込みが進行する。所定
時間後、通気を止めると処理槽内は嫌気状態となり、微
生物体内からリンが排水中に放出される。再び、酸素含
有ガスを通気して好気状態とすると、嫌気状態で一度放
出したリンを、放出量よりも過剰に摂取する。これらの
一連の反応により、有機性の排水中の窒素,リンを同時
除去することができる。従来の窒素,リンの生物的同時
除去法においては、好気槽,嫌気槽等複数の処理槽が必
要であり、また、硝化液の循環など複雑な処理フローを
必要とする場合があった。このように、本発明において
は処理槽は1つですむので設備コストが低減され、処理
フローが単純なので装置の運転制御も容易である。さら
に、窒素処理用とリン処理用の担体の使用量の比率を変
えることで、幅広いリン処理能力が得られる。通常の生
活排水に含有されるリン濃度では、窒素処理用とリン処
理用の複合活性汚泥担体を、20:1〜20:3の比率
で用いるのがよい。リンの含有率が非常に高い排水の場
合は、リン処理用の担体の割合を増加させる。さらに、
活性炭も一緒に多孔質性の微小粒子に担持させると、同
時に、排水の色度を低減させることができる。
【0018】本発明になる排水の処理装置は、排水を一
時的に貯留する調整槽と、複合活性汚泥担体が充填さ
れ、ガス通気ノズルが設置された処理槽,排水を調整槽
から処理槽に注入する手段,処理槽内にガスを通気する
手段、及び、処理槽内の液を処理槽外に抜き出す手段か
らなる。調整槽では、必要に応じて、非常に大きな固体
ゴミの除去,排水のpHの調整等の前処理を行う。この
前処理は、工場,化学プラントから発生する特殊な排水
を処理する際に重要である。排水を調整槽から処理槽に
ポンプ等で注入する。処理槽内では、好気処理及び/又
は嫌気−好気処理及び/又は好気−嫌気−好気処理等、
排水の性質と処理目的に応じて、好気処理と嫌気処理を
組み合わせて処理する。処理槽内に設置された通気ノズ
ルから、酸素を含有するガスを通気することで、処理槽
内は好気状態に保たれると同時に、通気によって発生す
る気泡の撹拌効果により、複合担体及び排水が流動し、
接触して好気処理が進行する。好気処理反応を効率よく
行うには、通気による撹拌効果が大きい方がよいので、
通気量は大きい方がよいが、通気量の増大は運転コスト
を上昇させる。好気処理反応の効率と運転コストを考慮
すると、複合担体の比重は1.03〜1.20、処理槽内
への充填率は40〜60(V/V)%とするのがよい。
酸素含有ガスの通気を停止すると、処理槽内は嫌気状態
に移行する。嫌気状態下において、処理槽内を混合する
必要がある場合は、パルス的にガスを通気する。所定の
処理が終了したら、処理水を処理槽外に抜き出す。本発
明になる複合活性汚泥担体は比重が1より大きくなるよ
うに作製されているので、静置すると速やかに沈降する
ので、沈降分離により、液成分すなわち処理水のみを容
易に抜き出すことができる。処理水のみを槽外に抜き出
す方法は、この沈降分離に限るものではなく、公知の固
液分離法を使用することができるが、沈降分離が最も簡
単で経済的な方法である。
【0019】
【実施例】以下実施例に基づき本発明をより詳細に説明
する。
【0020】実施例1 図1は本発明になる排水の処理装置の1実施例を示す図
である。
【0021】本排水の処理装置は、通気ノズル7が設置
され、複合活性汚泥担体6が充填されている、容積20
3の処理槽1と、排水を一時的に貯留する容積20m3
の調整槽2と、酸素含有ガス通気用のブロワ3、及び、
液配管系と液輸送用のポンプ4,5、ガス配管系で構成
されている。
【0022】図2に複合活性汚泥担体6の構造の概略図
を示す。複合活性汚泥担体6は、包括活性汚泥粒子6a
と、包括活性汚泥粒子6aの表面に分散/付着している
多孔質性微小粒子6bとで構成された2段構造の担体で
ある。本実施例の排水の処理装置は、生活排水の処理、
特に窒素,リンを同時除去する複合活性汚泥担体を作製
/使用した。固定剤としてPVAを用い、粒径2mmの包
括活性汚泥粒子を作製した。PVAを固定化剤に用いる
ことで、活性汚泥の生物活性に悪影響をおよぼすことな
く、高濃度の活性汚泥を保持することができる。よっ
て、BOD負荷の大きい排水にも対応でき、排水の処理
効率がよい。また、活性汚泥はPVAの網目構造に保護
されているので、撹拌剪断力等の物理的作用にも強く、
長期の使用に耐える。多孔質性微小粒子6bは、粒径
0.02mm 、空隙率≧95%の発泡セルロース性の粒子
を用い、窒素処理能力の高い微生物群と活性炭を固定化
したものと、高いリン処理能力を有する微生物群と活性
炭を固定化したものを、それぞれ、包括活性汚泥粒子6
aの表面に分散/付着させて、2種類の複合活性汚泥担
体を作製した。発泡性のセルロースは微生物への適合性
や液の拡散性に優れており、また、物理的強度も高い材
料であるので、微生物の目的とする機能を高いレベルで
長期間維持することができる。多孔質性微小粒子6b
は、2種類ともに、包括活性汚泥粒子6aの表面積の5
0%を占める量を付着させた。この付着量は、複合活性
汚泥担体の物質拡散を考慮したものである。多孔質性微
小粒子6bの付着量を50〜70%に調整することで、
包括活性汚泥粒子6aへの物質拡散を妨げることがな
く、包括活性汚泥粒子6aが担う、主たるBOD,CO
D成分の生物処理酸化反応と多孔質性微小粒子6bが担
う、生成した分解物や窒素,リンの処理反応がバランス
し、効率の良い排水処理を実施できる。窒素処理用複合
担体とリン処理用複合担体の混合比は、20:1(V/
V)とした。本実施例では、複合活性汚泥担体6の処理
槽1への充填率は、2種類の複合担体をあわせて40%
(V/V)とした。充填率40%(V/V)では、処理
槽1内への通気により、複合活性汚泥担体は高密度で浮
遊撹拌されている状態であり、充填率を60%(V/
V)までたかめると、浮遊撹拌状態から半流動床状態に
移行する。このように充填率を40%(V/V)〜60
%(V/V)とすることで、目詰りやデッドスペースが
生じることなく、排水と複合活性汚泥担体の接触が良好
に起こり、排水処理効率を高く保つことができる。
【0023】本実施での排水の処理方法を説明する。排
水は、まず、一時的に調整槽2に貯留され、適時、ポン
プ5により処理槽1に注入される。次に、通気用ブロワ
3を稼働させて、通気ノズル7から空気を通気する。空
気の通気により、処理槽1内の排水と複合活性汚泥担体
6が流動/撹拌されると同時に、酸素が供給され複合活
性汚泥担体による好気処理が進行する。本好気処理によ
り、排水中のBOD,COD成分が分解されるととも
に、リンが微生物に摂取され、好気的な硝化,脱窒反応
により窒素が除去される。所定時間後、通気を止めて処
理槽内を嫌気状態とし、リンを放出させると同時に、S
S成分の分解が進行する。再び、通気して好気状態と
し、嫌気状態で放出させたリンを過剰摂取させることに
より、リン成分が除去される。好気−嫌気−好気処理
後、通気を止めて複合活性汚泥担体6を沈降させ、ポン
プ4を稼働させて、処理水のみを処理槽から抜き出す。
【0024】本実施例の複合活性汚泥担体6と排水処理
装置による実際の排水処理条件及び結果を以下に示す。
処理に用いた生排水は、BOD45〜170mg/ml,C
OD40〜85mg/ml,T−N30〜70mg/ml,T−
P1.2〜8mg/ml であった。装置の運転条件は、処理
排水量50m3/d 、好気処理4時間−嫌気処理3時間
−好気処理1時間であった。本運転により得られた処理
水の成分は、BOD2〜6mg/ml,COD5〜9mg/m
l,T−N≦5mg/ml,T−P≦1.0mg/ml 、ほぼ無
色透明で、効率よく窒素,リンの同時除去を行うことが
できた。このように、本実施例によれば、排水の処理時
間を従来の1/2程度に短縮でき、排水の性質の変動に
影響されずに効率良い排水処理を実施することができ
る。また、従来特に問題となっていたリンの効率良い除
去を容易に実施できる。
【0025】実施例2 図3は本発明になる排水処理装置の他の実施例を示す図
である。本実施例では処理槽1を2つ設けたことを特徴
とする。基本的な処理フローは実施例1と同様である
が、処理槽1を交互に使用することにより、排水の連続
処理が可能である。
【0026】
【発明の効果】本発明では、排水の性質に適合した処理
効率の高い複合活性汚泥担体を作製し、本複合活性汚泥
担体を用いて、1つの処理槽での排水の一括処理ができ
ることから、処理フローが単純で、運転制御が容易な、
コンパクトな排水処理装置を提供することができる。特
に、生活排水の処理において、窒素≦5mg/ml,リン≦
1.0mg/ml レベルまでの同時除去ができるので、凝集
剤処理等の2次処理が不要であり、処理フローが単純
で、経済的な排水処理を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明になる排水の処理装置の実施例を示す図
である。
【図2】本発明になる複合活性汚泥担体の構造の概略図
を示す図である。
【図3】本発明になる排水の処理装置の他の実施例を示
す図である。
【符号の説明】
1…処理槽、2…調整槽、3…通気用ブロワ、4,5…
液輸送ポンプ、6…複合活性汚泥担体、6a…包括活性
汚泥粒子、6b…多孔質性微小粒子、7…通気ノズル。

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】活性汚泥による排水処理方法において、活
    性汚泥を固定化剤による包括固定化により包括活性汚泥
    粒子を作製し、該粒子の表面に、微生物及び/又は酵素
    及び/又は吸着剤を固定化及び/又は吸着させた少なく
    とも一種類の多孔質性の微小粒子を付着させて複合活性
    汚泥担体を作製し、該複合活性汚泥担体を用いて排水を
    処理することを特徴とする排水の処理方法。
  2. 【請求項2】上記包括固定化された活性汚泥粒子の粒子
    径と、表面に付着させる多孔質性の微小粒子の粒子径の
    比が、10:1〜20:1の範囲にあることを特徴とす
    る請求項1に記載の複合活性汚泥担体。
  3. 【請求項3】上記多孔質性の微小粒子を付着させること
    によって覆われる、上記包括固定化された活性汚泥粒子
    の表面が、該活性汚泥粒子の表面積の50〜70%の範
    囲にあることを特徴とする請求項1または2に記載の複
    合活性汚泥担体。
  4. 【請求項4】有機物を含む排水中のリンを摂取する能力
    のある微生物群を吸着させた上記多孔質性の微小粒子
    と、前記排水中の窒素成分の硝化,脱窒する能力のある
    微生物を吸着させた上記多孔質性の微小粒子、及び、活
    性炭を担持させた上記多孔質性の微小粒子を、上記包括
    活性汚泥粒子表面に付着させたことを特徴とする請求項
    1〜3のいずれか1つに記載の複合活性汚泥担体。
  5. 【請求項5】固定化剤により活性汚泥を包括固定して活
    性汚泥粒子とし、さらに、該粒子表面に固定化剤を用い
    て粘着性のある被膜を形成させ、次いで、該粘着性被膜
    に、微生物及び/又は酵素及び/又は吸着剤を固定化及
    び又は吸着させた少なくとも一種類の多孔質性の微小粒
    子を付着させることにより、前記包括固定活性汚泥粒子
    と前記多孔質性の微小粒子を一体化させることにより、
    請求項1〜4のいずれか1つに記載の複合活性汚泥担体
    を作製する方法。
  6. 【請求項6】請求項5において、固定化剤がポリビニル
    アルコール及び/又はポリビニルアルコールであること
    を特徴とする複合活性汚泥担体。
  7. 【請求項7】請求項5において、活性汚泥の包括固定粒
    子の作製に使用する固定化剤の濃度よりも、より高濃度
    の固定化剤を用いて、さらに固定化剤の被膜を形成する
    ことを特徴とする複合活性汚泥担体の作製方法。
  8. 【請求項8】請求項5において、多孔質性の微小粒子
    が、空隙率90%以上の発泡セルロースからなる微小粒
    子であることを特徴とする複合活性汚泥担体。
  9. 【請求項9】上記複合活性汚泥担体を処理槽内に充填
    し、該処理槽内に排水を注入して滞留させ、該処理槽内
    にガスを通気して、前記複合活性汚泥担体及び前記排水
    を流動させ、更に、該処理槽内を最初好気状態に保ち、
    次に嫌気状態とし、再び好気状態に戻すことにより排水
    を処理する請求項1に記載の排水処理方法。
  10. 【請求項10】請求項5に記載の複合活性汚泥担体を処
    理槽内に充填し、該処理槽内に排水を注入して滞留さ
    せ、該処理槽内にガスを通気して、前記複合活性汚泥担
    体及び前記排水を流動させ、更に、該処理槽内を最初好
    気状態に保ち、次に嫌気状態とし、再び好気状態に戻す
    ことにより、前記排水中の窒素及びリンが同時除去され
    た処理水が得られることを特徴とする請求項1又は9に
    記載の排水処理方法。
  11. 【請求項11】上記複合活性汚泥担体の処理槽内充填率
    が、40〜60%の範囲にあることを特徴とする請求項
    9又は10に記載の排水処理方法。
  12. 【請求項12】排水を一時的に貯留する調整槽と、上記
    複合活性汚泥担体が充填された少なくとも一つのガス通
    気用ノズルを具備した処理槽と、前記処理槽にガスを通
    気する手段と、前記排水を前記調整槽から前記処理槽に
    注入する手段と、前記処理槽から該処理槽内の液体のみ
    を抜き出す手段を有する排水処理装置。
  13. 【請求項13】請求項12において、2つ以上の処理槽
    を設置したことを特徴とする排水処理装置。
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