JP2000241936A - ハロゲン化銀カラー写真感光材料 - Google Patents

ハロゲン化銀カラー写真感光材料

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JP2000241936A
JP2000241936A JP11358018A JP35801899A JP2000241936A JP 2000241936 A JP2000241936 A JP 2000241936A JP 11358018 A JP11358018 A JP 11358018A JP 35801899 A JP35801899 A JP 35801899A JP 2000241936 A JP2000241936 A JP 2000241936A
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silver halide
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dye
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JP11358018A
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Kiyoto Takada
清人 高田
Keizo Kimura
桂三 木村
Osamu Takahashi
修 高橋
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Fujifilm Holdings Corp
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Fuji Photo Film Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 高鮮鋭度であり、ラボでの感光材料の取扱い
性、すなわち感光材料の露光時の環境(温度)に対して
安定であり、また処理工程の簡易化が可能なハロゲン化
銀カラー写真感光材料を提供することである。 【解決手段】 透過型支持体を有するハロゲン化銀カラ
ー写真感光材料において、いずれかの層に少なくとも1
種の下記一般式(I)で表される化合物を含有し、該非
感光性親水性コロイド層の少なくとも1層に解離性水素
を有する染料の固体微粒子分散物を含み、かつ該ハロゲ
ン化銀カラー写真感光材料の皮膜pHが4.6〜6.4
である。 一般式(I)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はハロゲン化銀カラー
写真感光材料に関するものであり、特に高鮮鋭度であ
り、更にはラボでの感光材料の取扱い性、すなわち、感
光材料の露光時の環境(温度)に対して安定でありまた
処理工程の簡易化が可能なハロゲン化銀カラー写真感光
材料に関するものである。
【0002】
【従来の技術】色素画像の鑑賞、記録及び保存に用いら
れているハロゲン化銀カラー感光材料において、その高
画質化は常に望まれ、従来より数多くの研究がなされて
いる。ハロゲン化銀カラー写真感光材料を高画質化する
方法としては、イラジエーション防止染料の使用や着色
層の付与等によるハレーション防止及び支持体上に塗設
された親水性コロイド層自身の薄層化による鮮鋭度の向
上、感光性ハロゲン化銀粒子の微粒子化や形成される色
素雲の形状の制御による粒状性の改良、得られる発色色
素の分光吸収特性に優れた写真用カプラーの採用による
色再現性の向上、また、発色現像処理時の染料等の残色
による支持体やその上に塗設された親水性コロイド層の
不要な着色の防止等が挙げられる。しかも、これらの性
能が現像処理時の状況や保存状況によっても変化しない
ことが重要である。
【0003】中でも、鮮鋭度の向上は撮影用カラー写真
感光材料の様に鑑賞時あるいは鑑賞用の材料に転写する
際に拡大される可能性のあるハロゲン化銀カラー写真感
光材料や、映画用プリント材料の様に拡大して鑑賞され
る事を前提としたハロゲン化銀カラー写真感光材料にお
いては、画質向上のうえで非常に重要な性質である。
【0004】鮮鋭度を向上させる方法としては、先述し
たようにハレーションやイラジエーションの防止が有効
であり、ハレーション防止に用いられる着色層の付与に
ついても様々な方法が提案・実用されている。このよう
な目的で用いられる着色層は下記のような性能を満足す
ることが要求される。即ち、 (1)感光材料中のハロゲン化銀乳剤層に対し、化学的
に悪影響を与えない事、例えば感度変化やカブリ等を与
えない事。 (2)写真感光材料上に有害な着色を残さないために、
写真処理過程で完全に脱色されるか、あるいは写真感光
材料中から溶出しやすい事。 (3)使用目的に応じた適正な分光吸収を有する事。
【0005】ハレーション防止に関する着色手段の一例
として、特定の非感光性親水性コロイド層に微粒子のコ
ロイド銀を含有させる方法が知られているが、現像によ
り生成した銀で情報を記録する方式(例えば黒白写真感
光材料やサウンドトラックを有する映画用プリント材
料)には原理的に用いることは出来ない。カーボン微粒
子を分散した親水性樹脂(レジン)層を有する支持体を
用いる方法も知られているが、この方法では現像処理工
程でレジン層を除去するための専用浴を設ける必要があ
り、発色現像に必要な工程の数が増加するという今日の
写真処理の簡易化の流れに逆行する問題を有する。ま
た、カーボンで汚れた多量の水洗水が排水されるので、
節水、環境保全から好ましくない。
【0006】一方、この様な弊害を防止する目的で特定
の親水性コロイド層を選択的に着色するいくつかの方法
が提案されてきた。これらの方法の例としては、特開昭
50−65230号等に記載された親水性コロイド層に
染料イオンと反対の荷電を持つ部分を含む親水性ポリマ
ーを媒染剤として共存させ、染料の拡散を防止する方法
や、特開昭56−12639号、同55−155350
号、同55−155351号、同55−92716号、
同63−197943号、同63−27838号、同6
4−40827号、欧州特許第15,601B1号、同
第276,566A1号、国際公開特許88−0479
4号に記載された染料を特定の親水性コロイド層に固体
分散の状態で留める方法が挙げられる。
【0007】しかし、これらの方法も、鮮鋭度を向上さ
せるために必要な量の染料を添加する場合、写真処理時
における染料の溶出速度の低下が避けられず、画質上重
要な性質である鮮鋭度と白地着色の低減の両立が困難で
あった。その為、親水性コロイド層に固体分散の状態で
留まりやすく、処理時に脱色または溶出し易い染料の探
索が行われ、特開平2−282244号記載の染料等が
提案されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明者は透過型カラ
ー写真感光材料、特に映画用カラーフィルムの簡易迅速
化の課題に対して、従来のカーボン粒子入りレジンバッ
ク層を有する映画用フィルムの代わりに現像処理時の除
去適性と鮮鋭度に優れた、40℃以上の熱処理工程を経
た染料の固体微粒子分散物を使用したハロゲン化銀カラ
ー写真感光材料を作製した。
【0009】しかしながら、上記のハロゲン化銀カラー
写真感光材料を実用的な観点で詳細に検討した結果、重
大な問題があることが判明した。つまり、比較的塗布後
経時の長い試料において、実際のラボで朝、ニュートラ
ルなグレーになるように露光条件を合わせた後、昼間に
同様な条件で露光を行うとグレーの色味がずれてしまう
という問題が生じた。このことはラボの生産性向上およ
び安定した品質の維持にとって重大な問題である。そこ
で本発明者等はこの問題について更に鋭意検討した結
果、以下の事実を明らかにした。塗布後経時が長い試料
においては、露光時の温度依存性が大きく、特にイエロ
ーとシアンでの感度変動が大きいことが判った。つま
り、温度が低い、特に冬期の朝にニュートラルグレーを
合わせた後、温度の上昇した日中に同条件で露光すると
イエローとシアンが増感してしまい、結果的にグレーが
緑味にずれてしまう現象が起きていることを突き止め
た。上記の問題は前記の固体分散染料を用いない時には
起こらなかった。つまり、この問題は処理工程の簡易化
を付与した前記固体分散染料を用いる時に特異的に見ら
れる現象であることが判った。
【0010】従って、本発明の目的は、特に高鮮鋭度で
あり、更にはラボでの感光材料の取扱い性、すなわち感
光材料の露光時の環境(温度)に対して安定であり、ま
た処理工程の簡易化が可能なハロゲン化銀カラー写真感
光材料を提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者は上記の問題点
に対して鋭意検討した結果、以下に示す方法で本課題が
解決されることを見出した。 (1)透過型支持体上にイエロー、マゼンタまたはシア
ン色素形成カプラーのいずれかをそれぞれ含有し、かつ
互いに感色性の異なるハロゲン化銀乳剤粒子を含有する
少なくとも3種の感光性親水性コロイド層、および少な
くとも1種の非感光性親水性コロイド層を有するハロゲ
ン化銀カラー写真感光材料において、いずれかの層に少
なくとも1種の下記一般式(I)で表される化合物を含
有し、該非感光性親水性コロイド層の少なくとも1層に
下記一般式(II)で表される染料の固体微粒子分散物を
含み、かつ該ハロゲン化銀カラー写真感光材料の皮膜p
Hが4.6〜6.4であることを特徴とするハロゲン化
銀カラー写真感光材料。 一般式(I)
【0012】
【化3】
【0013】一般式(I)中、R1およびR4はそれぞれ
独立に水素原子、脂肪族基、芳香族基、複素環基、−N
78、−NR7CONR78、−NR8COR9または
−NR8SO29を表し、R2およびR5はそれぞれ独立
に水素原子、脂肪族基、芳香族基、複素環基、シアノ
基、スルホ基、−NR78、−NR8COR9、−NR8
29、−NR7CONR78、−CO27、−CON
78、−COR9、−SO29または−SO2NR78
を表し、R3およびR6はそれぞれ独立に−OR7、−C
27、−COR9、−CONR78、−NR78、−
NR8COR9、−NR8SO29、−NR7CONR
78、−SO29、−SO2NR78又はシアノ基を表
す。ここで、R7およびR8はそれぞれ独立に水素原子、
脂肪族基または芳香族基を表し、R9は脂肪族基または
芳香族基を表し、R7とR8またはR8とR9が互いに連結
して5または6員環を形成しても良い。L1、L2および
3は互いに独立してメチン基を表し、mは0、1また
は2を表し、Mn+はn価のカチオンを表し、nは1、2
または3を表す。
【0014】一般式(II) D−(X)y 一般式(II)中、Dは発色団を有する化合物残基を表
し、Xは解離性水素原子または解離性水素原子を有する
基を表し、yは1〜7の整数を表す。 (2)前記一般式(II)で表される染料の固体微粒子分
散物が40℃以上の熱処理工程を経て調整された分散物
であることを特徴とする(1)記載のハロゲン化銀カラ
ー写真感光材料。 (3)一般式(I)において、R1およびR4が少なくと
も1個のスルホ基もしくはカルボキシ基を有する基を表
すか、またはR2およびR5がスルホ基もしくはカルボキ
シ基を表すか、またはR2およびR5が少なくとも1個の
スルホ基もしくはカルボキシ基を有する基を表すか、ま
たはR3およびR6がカルボキシ基を表すか、またはR3
およびR6がスルホ基もしくはカルボキシ基を有する基
を表すことを特徴とする(1)または(2)記載のハロ
ゲン化銀カラー写真感光材料。 (4)シアン色素形成カプラーの少なくとも1種が下記
一般式(A)で表されることを特徴とする(3)記載の
ハロゲン化銀カラー写真感光材料。 一般式(A)
【0015】
【化4】
【0016】一般式(A)中、ZaおよびZbはそれぞれ
−C(R3)=または−N=を表す。ただし、ZaとZb
のいずれか一方は−N=であり、他方は−C(R3)=
である。R1およびR2は、それぞれ独立にハメットの置
換基定数σp値が0.20以上の電子吸引性基を表し、
かつR1とR2のσp値の和は0.65以上である。R3
水素原子または置換基を表す。Xは水素原子、または芳
香族第一級アミンカラー現像主薬の酸化体とのカップリ
ング反応において離脱しうる基を表す。R1、R2、R3
またはXの基が2価の基になり、2量体以上の多量体や
高分子鎖と結合して単量体もしくは共重合体を形成して
も良い。 (5)含有するすべてのハロゲン化銀乳剤粒子のハロゲ
ン組成が塩化銀含有率90モル%以上の塩臭化銀、塩沃
化銀、塩沃臭化銀または塩化銀であることを特徴とする
(4)記載のハロゲン化銀カラー写真感光材料。
【0017】
【発明の実施の形態】以下に、本発明を詳細に説明す
る。まず、一般式(I)で表される化合物について詳細
に説明する。R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8
またはR9で表される脂肪族基は各々無置換のアルキル
基(例えば、メチル、n−ブチル、イソプロピル、se
c−ブチル、n−ヘキシル)、置換アルキル基{置換基
としてはF、Cl、Br等のハロゲン原子(例えば、2
−クロロメチル、トリフルオロメチル、ジフルオロメチ
ル、1,1,2,2−テトラフルオロエチル)、フェニ
ル基(例えば、ベンジル、フェネチル、4−クロロベン
ジル、4−メトキシベンジル、2−スルホベンジル、4
−スルホベンジル、4−スルホフェネチル、4−スルホ
プロピルオキシベンジル、水酸基(例えば、2−ヒドロ
キシエチル、3−ヒドロキシプロピル)、シアノ基(例
えば、2−シアノエチル)、カルボキシル基(例えば、
カルボキシメチル、2−カルボキシエチル、4−カルボ
キシブチル)、スルホ基(例えば、スルホメチル、2−
スルホエチル、3−スルホプロピル、4−スルホブチ
ル、6−スルホヘキシル)、アルコキシ基(例えば、2
−メトキシエチル、2−(2−ヒドロキシエトキシ)エ
チル、2−エトキシエチル)、アミノ基(例えば、ジメ
チルアミノ、ジエチルアミノ)またはエステル基(例え
ば、エトキシカルボニルメチル、2−メトキシカルボニ
ルエチル)が好ましい。}またはシクロアルキル基(例
えば、シクロペンチル、シクロヘキシル)が好ましい。
【0018】R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8
またはR9で表される芳香族基は、各々無置換のアリー
ル基(例えば、フェニル、ナフチル)または置換アリー
ル基{置換基として、スルホ基(例えば、3−スルホフ
ェニル、4−スルホフェニル、2,5−ジスルホフェニ
ル、3,5−ジスルホフェニル、2,4−ジスルホフェ
ニル)、カルボキシ基(例えば、2−カルボキシフェニ
ル、4−カルボキシフェニル)、アルコキシ基(例え
ば、4−メトキシフェニル、4−(3−スルホプロピル
オキシ)フェニル、4−メトキシ−3−スルホフェニ
ル、アルキル基(例えば、p−トリル、2−メチル−4
−スルホフェニル)、水酸基(例えば、3−ヒドロキシ
フェニル、4−ヒドロキシフェニル)、アミノ基(例え
ば、4−ジメチルアミノフェニル、4−ジエチルアミノ
フェニル、3−〔N−メチル−N−(2−スルホエチ
ル)アミノ〕フェニル、シアノ基(例えば、4−シアノ
フェニル)またはエステル基(例えば、4−エトキシカ
ルボニルフェニル)が好ましい。}
【0019】R1、R2、R3、R4、R5またはR6で表さ
れる複素環基は、各々少なくとも1個の窒素原子を含む
5ないし6員環複素環基(例えば、2−ピリジル、5−
スルホベンゾイミダゾール−2−イル、5−カルボキシ
ベンゾチアゾール−2−イル、モルホリノ、ピペリジ
ノ)が好ましい。R7とR8またはR8とR9が連結して形
成される5または6員環として、例えばピペリジン環、
ピロリジン環、モルホリン環、ピロリドン環等を挙げる
ことができる。L1、L2またはL3で表されるメチン基
は好ましくは無置換のメチン基を表すが、置換基(例え
ば、メチル、エチル、スルホエチル、塩素原子、シアノ
等)を有していても良い。Mn+はn価(ここではnは
1、2または3を表す。)のカチオン(例えば、H +
Na+、K+、Ca2+、NH4 +、NH(C253 +、( n
494+、ピリジニウムカチオン、(C65
4+、(HOCH24+)を表す。一般式(I)で表
される化合物がスルホ基またはカルボキシ基を有すると
きは、これらの基は遊離の酸でも塩基(例えば、Na、
K、NH4等の無機またはトリエチルアンモニウム、ピ
リジニウム等の有機アミン塩を形成していても良い。
【0020】一般式(I)で表される化合物の中で好ま
しいものは、R1、R2、R3、R4、R5またはR6がスル
ホ基もしくはカルボキシル基を表すか、または少なくと
も1個のスルホ基もしくはカルボキシル基を有する基を
表すものであり、更に好ましくはR2およびR5がシアノ
基もしくは置換もしくは無置換のカルバモイル基を表
し、R1およびR4が少なくとも1個のスルホ基もしくは
カルボキシル基を有する基を有する基を表すものであ
り、また更に好ましくはR2およびR5がシアノ基または
置換もしくは無置換のカルバモイル基を表し、R1およ
びR4が少なくとも1個のスルホ基もしくはカルボキシ
ル基を有する基を有する脂肪族基または芳香族基を表
し、R3およびR6が脂肪族基または芳香族基を表すもの
である。
【0021】以下に一般式(I)で表される化合物の具
体例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではな
い。
【0022】
【化5】
【0023】
【化6】
【0024】
【化7】
【0025】
【化8】
【0026】
【化9】
【0027】
【化10】
【0028】
【化11】
【0029】
【化12】
【0030】
【化13】
【0031】
【化14】
【0032】
【化15】
【0033】
【化16】
【0034】一般式(I)で表される化合物は、米国特
許第1,278,621号、同1、512,863号、
同1,579,899号に記載の方法で合成することが
できる。また、一般式(I)で表される化合物を合成す
るのに用いるヒドロキシピリジン類はクリンスベルグ編
“複素環式化合物−ピリジンおよびその誘導体類−第3
部”(インターサイエンス出版、1962年)、ジャー
ナル・オブ・アメリカン・ケミカル・ソサエティー
(J.Am.Chem.Soc.)1943年、65
巻、449頁、ジャーナル・オブ・ザ・ケミカルテクノ
ロジー・アンド・バイオテクノロジー(J.Chem.
Tec.Biotechnol.)1986年、36
巻、410頁、テトラヘドロン(Tetrahedro
n)1966年、22巻、445頁、特公昭61−52
827号、西独特許第2,162,612号、同2,3
49,709号、同2,902,486号、米国特許第
3,763,170号等に記載の方法で合成することが
できる。
【0035】一般式(I)で表される化合物をフィルタ
ー染料、イラジェーション防止染料またはアンチハレー
ション染料として使用するときは、効果のある任意の量
を使用できるが、光学濃度が0.05〜3.0の範囲に
なるように使用するのが好ましい。添加時期は塗布され
る前のいかなる工程でも良い。本発明の一般式(I)で
表される化合物は、乳剤層、その他の親水性コロイド層
(中間層、保護層、アンチハレーション層、フィルター
層等)中に種々の知られた方法で分散することができ
る。
【0036】以下にこれらの公知の分散方法を記載す
る。 1)本発明の化合物を直接乳剤層や親水性コロイド層に
溶解もしくは分散させる方法または水性溶液または溶媒
に溶解もしくは分散させた後、乳剤層や親水性コロイド
層に用いる方法。適当な溶媒、例えば、メチルアルコー
ル、エチルアルコール、プロピルアルコール、メチルセ
ルソルブ、特開昭48−9715号、米国特許第3,7
56,830号に記載のハロゲン化アルコール、アセト
ン、水、ピリジン等、あるいはこれらの混合溶媒等の中
に溶解され、溶液の形で乳剤へ添加することもできる。 2)染料イオンと反対の電荷を持つ親水性ポリマーを媒
染剤として層に共存させ、これを染料分子との相互作用
によって、化合物を特定層中に局在させる方法。
【0037】ポリマー媒染剤とは、二級および三級アミ
ノ基を含むポリマー、含窒素複素環部分を持つポリマ
ー、これらの四級カチオン基を含むポリマー等で、分子
量が5000以上のものが好ましく、特に10000以
上のものが好ましい。例えば、米国特許第2,548,
564号の明細書に記載されているビニルピリジンポリ
マーおよびビニルピリジニウムカチオンポリマー;米国
特許第4,124,386号の明細書等に開示されてい
るビニルイミダゾリウムカチオンポリマー;米国特許第
3,625,694号等に開示されているゼラチン等と
架橋可能なポリマー媒染剤;米国特許第3,958,9
95号、特開昭54−1155228号の明細書に開示
されている水性ゾル型媒染型;米国特許第3,398,
088号の明細書に開示されている水不溶性媒染剤;米
国特許第4,168,976号の明細書等に開示されて
いる染料と共有結合を行うことのできる反応性媒染剤;
英国特許第685,475号に記載されているようなジ
アルキルアミノアルキルエステル残基を有するエチレン
性不飽和化合物から導かれたポリマー;英国特許第85
0,281号に記載されているようなポリビニルアルキ
ルケトンとアミノグアニジンの反応によって得られる生
成物;米国特許第3,445,231号に記載されてい
るような2−メチル−1−ビニルイミダゾールから導か
れたポリマー等を挙げることができる。
【0038】3)化合物を界面活性剤を用いて溶解する
方法。有用な界面活性剤としてはオリゴマーであって
も、ポリマーであっても良い。この重合体の詳細につい
ては、特開平60−158437号の明細書の第19頁
〜27頁に記載されている。また、上記で得た親水性コ
ロイド分散中に、例えば、特公昭51−39835号に
記載の親水性ポリマーのヒドロゾルを添加しても良い。
【0039】次に、一般式(II)で表される染料につい
て説明する。一般式(II)において、Dは発色団を有す
る化合物残基を表し、Xは解離性水素または解離性水素
を有する基を表し、yは1ないし7の整数を表す。本発
明の一般式(II)で表される染料は、分子構造中に解離
性水素等を有する点に特徴がある。Dにおける発色団を
有する化合物残基は、多くの周知の色素の中から選ぶこ
とができる。これらの化合物としては、オキソノール色
素、メロシアニン色素、シアニン色素、アリーリデン色
素、アゾメチン色素、トリフェニルメタン色素、アゾ色
素、アントラキノン色素、インドアニリン色素を挙げる
ことができる。
【0040】XはDに直接もしくは2価の連結基を介し
て結合した解離性水素又は解離性水素を有する基を表
す。XとDとの間の2価の連結基は、アルキレン基、ア
リーレン基、ヘテロ環残基、−CO−、−SOn −(n
=0,1,2)、−NR−(Rは水素原子、アルキル
基、アリール基を表す)、−O−、及びこれらの連結基
を組み合わせた2価の基であり、さらにそれらはアルキ
ル基、アリール基、アルコキシ基、アミノ基、アシルア
ミノ基、ハロゲン原子、水酸基、カルボキシ基、スルフ
ァモイル基、カルバモイル基、スルホンアミド基等の置
換基を有していてもよい。好ましい例として−(C
2 )n −(n=1,2,3)、−CH2 CH(CH3)
CH2 −、1,2−フェニレン、5−カルボキシ−1,
3−フェニレン、1,4−フェニレン、6−メトキシ−
1,3−フェニレン、−CONHC6 4 −等を挙げる
ことができる。
【0041】Xで表される解離性水素又は解離性水素を
有する基は、一般式(II)で表される染料が本発明のハ
ロゲン化銀写真感光材料中に添加された状態では、非解
離であって、一般式(II)の染料を実質的に水不溶性に
する特性を有し、該感光材料が現像処理される工程で
は、解離して一般式(II)の化合物を実質的に水可溶性
にする特性を有する。Xで表される解離性水素を有する
基の例としては、カルボン酸基、スルホンアミド基、ス
ルファモイル基、スルホニルカルバモイル基、アシルス
ルファモイル基、フェノール性水酸基などを有する基を
挙げることができる。Xで表される解離性水素はオキソ
ノール色素のエノール基の水素などを挙げることができ
る。
【0042】yの好ましい範囲は、1〜5、特に好まし
い範囲は、1〜3である。一般式(II)で表される化合
物のうち好ましいものは、Xにおける解離性水素を有す
る基がカルボン酸基を有する基であるものであり、特に
カルボキシル基で置換されたアリール基を有する化合物
が好ましい。また一般式(II)で表される化合物のう
ち、より好ましいものは下記の一般式(III)または一般
式(IV)で表される化合物である。 一般式(III) A1=L1−(L2=L3m−Q 一般式(III)中、A1 は酸性核を表し、Qはアリール基
または複素環基を表し、L1 、L2 、L3 は各々メチン
基を表し、mは0、1又は2を表す。但し、一般式(II
I)の化合物は分子内に水溶性基としてカルボン酸基、ス
ルホンアミド基、スルファモイル基、スルホニルカルバ
モイル基、アシルスルファモイル基、フェノール性水酸
基及びオキソノール色素のエノール基からなる群の中よ
り選ばれる基を1〜7個有する。
【0043】一般式(IV) A1=L1−(L2=L3n−A2 一般式(IV)中、A1 及びA2 は酸性核を表し、L1
2 、L3 は各々メチン基を表し、nは0、1、2又は
3を表す。但し、一般式(IV)の化合物は分子内に水溶
性基としてカルボン酸基、スルホンアミド基、スルファ
モイル基、スルホニルカルバモイル基、アシルスルファ
モイル基、フェノール性水酸基及びオキソノール色素の
エノール基からなる群の中より選ばれる基を1〜7個有
する。
【0044】以下、一般式(III)及び(IV)について詳
細に説明する。A1 及びA2 で表される酸性核は、環状
のケトメチレン化合物または電子吸引性基によって挟ま
れたメチレン基を有する化合物から誘導されるものが好
ましい。環状のケトメチレン化合物の例としては、2−
ピラゾリン−5−オン、ロダニン、ヒダントイン、チオ
ヒダントイン、2,4−オキサゾリジンジオン、イソオ
キサゾロン、バルビツール酸、チオバルビツール酸、イ
ンダンジオン、ジオキソピラゾロピリジン、ヒドロキシ
ピリドン、ピラゾリジンジオン、2,5−ジヒドロフラ
ンを挙げることができる。これらは置換基を有していて
もよい。
【0045】電子吸引性基によって挟まれたメチレン基
を有する化合物は、Z1 CH2 2と表すことができ
る。ここにZ1 およびZ2 はそれぞれ−CN、−SO2
11、−COR11、−COOR12、−CONHR12、−
SO2 NHR12又は−C〔=C(CN)2 〕R11を表
す。R11は、アルキル基、アリール基、又は複素環基を
表し、R12は水素原子又はR11で表される基を表し、そ
してこれらはそれぞれ置換基を有していてもよい。
【0046】Qで表されるアリール基の例としては、フ
ェニル基、ナフチル基を挙げることができる。これらは
それぞれ置換基を有していてもよい。Qで表される複素
環基の例としては、ピロール、インドール、フラン、チ
オフェン、イミダゾール、ピラゾール、インドリジン、
キノリン、カルバゾール、フェノチアジン、フェノキサ
ジン、インドリン、チアゾール、ピリジン、ピリダジ
ン、チアジアジン、ピラン、チオピラン、オキソジアゾ
ール、ベンゾキノリン、チアジアゾール、ピロロチアゾ
ール、ピロロピリダジン、テトラゾール、オキサゾー
ル、クマリン、およびクマロンを挙げることができる。
これらはそれぞれ置換基を有していてもよい。
【0047】L1 、L2 及びL3 で表されるメチン基
は、置換基を有していてもよく、その置換基同士が連結
して5又は6員環(例えば、シクロペンテン、シクロヘ
キセン)を形成していてもよい。
【0048】上述した各基が有していてもよい置換基
は、一般式(II)〜(IV)の化合物をpH5〜pH7の
水に実質的に溶解させるような置換基でなければ特に制
限はない。例えば、以下の置換基を挙げることができ
る。
【0049】カルボン酸基、炭素数1〜10のスルホン
アミド基(例えば、メタンスルホンアミド、ベンゼンス
ルホンアミド、ブタンスルホンアミド、n−オクタンス
ルホンアミド)、炭素数0〜10の無置換又はアルキル
もしくはアリール置換スルファモイル基(例えば、無置
換のスルファモイル、メチルスルファモイル、フェニル
スルファモイル、ナフチルスルファモイル、ブチルスル
ファモイル)、炭素数2〜10のスルホニルカルバモイ
ル基(例えば、メタンスルホニルカルバモイル、プロパ
ンスルホニルカルバモイル、ベンゼンスルホニルカルバ
モイル)、炭素数1〜l0のアシルスルファモイル基
(例えば、アセチルスルファモイル、プロピオニルスル
ファモイル、ピバロイルスルファモイル、ベンゾイルス
ルファモイル)、
【0050】炭素数1〜8の鎖状又は環状のアルキル基
(例えば、メチル、エチル、イソプロピル、ブチル、ヘ
キシル、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキ
シル、2−ヒドロキシエチル、4−カルボキシブチル、
2−メトキシエチル、ベンジル、フェニネチル、4−カ
ルボキシベンジル、2−ジエチルアミノエチル)、炭素
数2〜8のアルケニル基(例えば、ビニル、アリル)、
炭素数1〜8のアルコキシ基(例えば、メトキシ、エト
キシ、ブトキシ)、ハロゲン原子(例えば、F、Cl、
Br)、炭素数0〜10のアミノ基(例えば、無置換の
アミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、カルボキシ
エチルアミノ)、炭素数2〜10のエステル基(例え
ば、メトキシカルボニル)、炭素数1〜10のアミド基
(例えば、アセチルアミノ、ベンズアミド)、炭素数1
〜10のカルバモイル基(例えば、無置換のカルバモイ
ル、メチルカルバモイル、エチルカルバモイル)、炭素
数6〜10のアリール基(例えば、フェニル、ナフチ
ル、ヒドロキシフェニル、4−カルボキシフェニル、3
−カルボキシフェニル、3,5−ジカルボキシフェニ
ル、4−メタンスルホンアミドフェニル、4−ブタンス
ルホンアミドフェニル)、炭素数6〜10のアリーロキ
シ基(例えば、フェノキシ、4−カルボキシフェノキ
シ、3−メチルフェノキシ、ナフトキシ)、
【0051】炭素数1〜8のアルキルチオ基(例えば、
メチルチオ、エチルチオ、オクチルチオ)、炭素数6〜
10のアリールチオ基(例えば、フェニルチオ、ナフチ
ルチオ)、炭素数1〜10のアシル基(例えば、アセチ
ル、ベンゾイル、プロパノイル)、炭素数1〜10のス
ルホニル基(例えば、メタンスルホニル、ベンゼンスル
ホニル)、炭素数1〜10のウレイド基(例えば、ウレ
イド、メチルウレイド)、炭素数2〜10のウレタン基
(例えば、メトキシカルボニルアミノ、エトキシカルボ
ニルアミノ)、シアノ基、水酸基、ニトロ基、複素環基
(例えば、5−カルボキシベンゾオキサゾール環)、ピ
リジン環、スルホラン環、ピロール環、ピロリジン環、
モルホリン環、ピペラジン環、ピリミジン環、フラン
環)。
【0052】また一般式(IV)で表される化合物のうち
より好ましいものは、下記一般式(V)で表される化合
物である。この一般式(V)で表される化合物は解離性
水素としてエノール基の水素を有している。
【0053】
【化17】
【0054】一般式(V)中、R1 は水素原子、アルキ
ル基、アリール基または複素環基を表し、R2 は水素原
子、アルキル基、アリール基、複素環基、−COR4
たは−SO2 4 を表し、R3 は水素原子、シアノ基、
水酸基、カルボキシル基、アルキル基、アリール基、−
CO2 4 、−OR4 、−NR5 6 、−CONR5
6 、−NR5 COR4 、−NR5 SO2 4 、または−
NR5 CONR5 6(ここで、R4 はアルキル基、ま
たはアリール基を表し、R5 、R6 は各々水素原子、ア
ルキル基、またはアリール基を表す。)を表す。L1
2 、L3 は各々メチン基を表す。nは1又は2を表
す。
【0055】一般式(V)において、R1 のアルキル基
としては炭素数1〜4のアルキル基、2−シアノエチル
基、2−ヒドロキシエチル基、カルボキシベンジル基が
挙げられ、アリール基としてはフェニル基、2−メチル
フェニル基、2−カルボキシフェニル基、3−カルボキ
シフェニル基、4−カルボキシフェニル基、3,6−ジ
カルボキシフェニル基、2−ヒドロキシフェニル基、3
−ヒドロキシフェニル基、4−ヒドロキシフェニル基、
2−クロロ−4−カルボキシフェニル基、4−メチルス
ルファモイルフェニル基が挙げられ、複素環基として
は、5−カルボキシベンゾオキサゾール−2−イル基が
挙げられる。
【0056】R2 のアルキル基としては炭素数1〜4の
アルキル基、カルボキシメチル基、2−ヒドロキシエチ
ル基、2−メトキシエチル基が挙げられ、アリール基と
しては2−カルボキシフェニル基、3−カルボキシフェ
ニル基、4−カルボキシフェニル基、3,6−ジカルボ
キシフェニル基が挙げられ、複素環基としてはピリジル
基が挙げられ、−COR4 としてはアセチル基が挙げら
れ、−SO2 4 としてはメタンスルホニル基が挙げら
れる。
【0057】R3 、R4 、R5 、R6 のアルキル基とし
ては炭素数1〜4のアルキル基が挙げられる。R3 、R
4 、R5 、R6 のアリール基としてはフェニル基、メチ
ルフェニル基が挙げられる。本発明においては、R1
カルボキシル基置換のフェニル基(例えば、2−カルボ
キシフェニル、3−カルボキシフェニル、4−カルボキ
シフェニル、3,6−ジカルボキシフェニル)であるこ
とが好ましい。
【0058】以下に、本発明に用いられる一般式(II)
ないし(V)で表される化合物の具体例を記載するが、
これらに限定されるものではない。
【0059】
【化18】
【0060】
【化19】
【0061】
【化20】
【0062】
【化21】
【0063】
【化22】
【0064】
【化23】
【0065】
【化24】
【0066】
【化25】
【0067】
【化26】
【0068】
【化27】
【0069】
【化28】
【0070】
【化29】
【0071】
【化30】
【0072】
【表1】
【0073】
【表2】
【0074】
【表3】
【0075】
【表4】
【0076】
【表5】
【0077】
【表6】
【0078】
【表7】
【0079】本発明に用いられる染料は、国際特許WO
88/04794号、欧州公開特許第274,723A
1号、同第276,566号、同第299,435号、
特開昭52−92716号、同55−155350号、
同55−155351号、同61−205934号、同
48−68623号、米国特許第2,527,583
号、同第3,486,897号、同第3,746,53
9号、同第3,933,798号、同第4,130,4
29号、同第4,040,841号、特開平3−282
244号、同3−7931号、同3−167546号等
の明細書あるいは公報に記載されている方法又はその方
法に準じて合成できる。
【0080】本発明で用いられる、染料の固体微粒子分
散物は、公知の方法で調製できる。製造法の詳細は、機
能性顔料応用技術(シーエムシー刊、1991年)など
に記載されている。メディア分散は一般的な方法の一つ
である。この方法では染料粉末またはそのウエットケー
キと呼ばれる水や有機溶媒で湿った状態の染料を、水性
スラリーにし、公知の粉砕機(例えばボールミル、振動
ボールミル、遊星ボールミル、縦型サンドミル、ローラ
ーミル、ピンミル、コボールミル、キャディーミル、横
型サンドミル、アトライター等)を用いて、分散メディ
ア(スチールボール、セラミックボール、ガラスビー
ズ、アルミナビーズ、ジルコニアシリケートビーズ、ジ
ルコニアビーズ、オタワサンドなど)の存在下で機械力
によって粉砕する。これらのうち、ビーズの平均直径は
好ましくは2mmないし0.3mm、より好ましくは1mmな
いし0.3mm、さらに好ましくは0.5mmないし0.3
mmのものが用いられる。これらの他にジェットミル、ロ
ールミル、ホモジナイザー、コロイドミルやデゾルバー
によって粉砕する方法や、超音波分散機による粉砕方法
も用いることができる。
【0081】また米国特許第2,870,012号に開
示されているように、均一溶液に溶解した後、貧溶媒を
加えて固体微粒子を析出させたり、例えば特開平3−1
82743号に開示されているように、アルカリ溶液に
溶解した後pHを下げることで、固体微粒子を析出させ
る方法も用いることが出来る。
【0082】これらの固体微粒子分散物を調製するとき
は、分散助剤を存在させるのが好ましい。従来より開示
されてきた分散助剤としては、アルキルフェノキシエト
キシスルホン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、ア
ルキルナフタレンスルホン酸塩、アルキル硫酸エステル
塩、アルキルスルホコハク酸塩、ナトリウムオレイルメ
チルタウライド、ナフタレンスルホン酸のホルムアルデ
ヒド縮重物、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、マレ
イン酸アクリル酸共重合物、カルボキシメチルセルロー
ス、硫酸セルロース等のアニオン系分散剤、ポリオキシ
エチレンアルキルエーテル、ソルビタン脂肪酸エステ
ル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルなど
のノニオン系分散剤、カチオン系分散剤やベタイン系分
散剤があげられるが、下記一般式(I−a)又は(I−
b)で表されるポリアルキレンオキサイドを用いること
が特に好ましい。
【0083】
【化31】
【0084】一般式(I−a)及び(I−b)中、a及
びbはそれぞれ5ないし500の値を示す。好ましいa
とbの値はそれぞれ10〜200、より好ましいaとb
の値はそれぞれ50〜150である。aとbの値がこの
範囲であると塗布面の均一性良化の点で好ましい。
【0085】上記分散助剤において、ポリエチレンオキ
サイド部の比率は質量比で好ましくは0.3ないし0.
9、より好ましくは0.7ないし0.9、更に好ましく
は0.8ないし0.9であり、また、上記分散助剤の平
均分子量は好ましくは1,000ないし30,000、
より好ましくは5,000ないし40,000、更に好
ましくは8,000ないし20,000である。更に、
上記分散助剤のHLB(親水性親油性バランス)は好ま
しくは7ないし30、より好ましくは12ないし30、
更に好ましくは18ないし30である。数値がこの範囲
であると塗布面の均一性良化の点で好ましい。
【0086】これらの化合物は市販品として入手可能で
あり、たとえばBASF社のPluronic等があ
る。
【0087】以下に本発明に用いられる一般式(I−
a)又は(I−b)で表される化合物の具体例を記載す
る。
【0088】
【表8】
【0089】本発明において、本発明の染料に対する上
記分散助剤の使用量は質量比で好ましくは0.05ない
し0.5、より好ましくは0.1ないし0.3である。
分散助剤の使用量がこの範囲であると塗布面の均一性良
化の点で好ましい。また固体微粒子分散物の調製時に分
散物の安定化や低粘度化の目的でポリビニルアルコー
ル、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール、
多糖類、ゼラチンなどの親水性コロイドを共存させるこ
ともできる。本発明においては後記一般式(VI)の化合
物を共存させることが特に好ましい。
【0090】本発明の染料の固体微粒子分散物は、好ま
しくは、特開平5−216166号公報に開示されてい
るような方法で、分散前、分散中または分散後に加熱処
理される。
【0091】本発明による染料は感光材料中に組み込む
前に熱処理を行うことにより、本発明の効果を得るのに
好ましい。本発明において染料分散物に好ましく適用さ
れる熱処理としては、染料粉体を溶媒中で加熱するなど
固体状に微分散する工程の前に行う方法と、染料を分散
剤の存在下で水あるいは他の溶媒中に分散する際冷却せ
ず、あるいは温度をかけて分散を行う方法、および分散
後の液や塗布液を加熱処理する方法とがあるが、分散後
に行なうのが特に好ましい。
【0092】一般式(II)の染料を含有する固体微粒子
分散物が、特定の層に複数種用いられているときは少な
くとも1種が熱処理されていればよい。
【0093】分散時及び分散後熱処理中のpHは分散物
が安定に存在する条件であればよく、好ましくはpH
2.0以上8.0以下、より好ましくは2.0以上6.
5以下、更に好ましくは2.5以上4.5未満である。
熱処理中のpHがこの範囲であると塗布物の膜強度改良
の点で好ましい。分散物のpH調整は、例えば硫酸、塩
酸、酢酸、クエン酸、リン酸、しゅう酸、炭酸、炭酸水
素ナトリウム、炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、水
酸化カリウムやそれらからなる緩衝液を用いることがで
きる。
【0094】熱処理をする温度としては熱処理をする工
程、粉体ないし粒子の大きさ形状、熱処理条件、溶媒な
どによって異なるので一概には云えず40℃以上で染料
が分解しない範囲であれば何度でもよいが、粉体で熱処
理する場合には40℃ないし200℃が適当であり、好
ましくは50℃ないし150℃が適当であり、溶媒中で
熱処理する場合には40℃ないし150℃、好ましくは
50℃ないし150℃、分散中に熱処理する場合には4
0℃ないし90℃が適当であり、好ましくは50℃ない
し90℃、分散後の分散液を熱処理する場合には40℃
ないし100℃が適当であり、好ましくは50℃ないし
95℃である。熱処理の温度が40℃より低いと効果が
乏しく好ましくない。
【0095】熱処理が溶媒中で行われる場合、その溶媒
の種類としては、染料を実質的に溶解しないものであれ
ば制限はなく、例えば水、アルコール類(例えば、メタ
ノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ブタノ
ール、イソアミルアミルコール、オクタノール、エチレ
ングリコール、ジエチレングリコール、エチルセロソル
ブ)、ケトン類(例えば、アセトン、メチルエチルケト
ン)、エステル類(例えば、酢酸エチル、酢酸ブチ
ル)、アルキルカルボン酸類(例えば、酢酸、プロピオ
ン酸)、ニトリル類(例えば、アセトニトリル)、エー
テル類(例えば、ジメトキシエタン、ジオキサン、テト
ラヒドロフラン)、アミド類(例えば、ジメチルホルム
アミド)等を挙げることができる。
【0096】また、これらの溶媒単独では染料が溶解し
てしまう場合でも、水や他の溶媒と混合したり、pHを
調節することで染料が実質溶解しなければ使用すること
ができる。
【0097】熱処理する時間についても一概には云え
ず、温度が低ければ長時間を要し、高ければ短時間で済
む。製造工程上影響のない範囲内で熱処理が実現できる
ように任意に設定することができるが、通常1時間ない
し4日であることが好ましい。
【0098】写真感光材料に染料の微粒子を含有してな
る層を設けるには、このようにして得た微粒子を適当な
バインダー中に分散させることによってほぼ均一な粒子
の固体分散物として調製した後、これを所望の支持体上
に塗設することによって設けることが出来る。上記バイ
ンダーは感光性乳剤層や、非感光性層に用いることがで
きる親水性のコロイドであれば特に制限はないが、通常
ゼラチンまたはポリビニルアルコールやポリアクリルア
ミド等の合成ポリマーが用いられる。
【0099】固体分散物中の微粒子は、平均粒子径0.
005μm〜10μm、好ましくは0.01μm〜1μ
m、より好ましくは0.01μm〜0.7μmであるこ
とが好ましい。この範囲であると微粒子の非凝集性、光
の吸収効率の点で好ましい。本発明で用いる一般式(I
I)の染料の固体微粒子分散物は、単独又は複数の固体
微粒子分散物と併用して使用することができる。
【0100】さらに、固体微粒子を添加する親水性コロ
イド層はただ一層でも良いし、複数層であっても良い。
たとえば、単独の固体微粒子分散物をただ一層に添加す
る場合、複数層に分割して添加する場合、複数の固体微
粒子分散物をただ一層に同時に添加する場合、それぞれ
別層に添加する場合などが例として挙げられるが、上記
に限られるものではない。
【0101】さらに、固体微粒子分散物は、アンチハレ
ーション層として必要な量を組み込まれたうえ、イラジ
エーション防止用に感光性ハロゲン化銀乳剤層に必要量
を添加されることもできる。本発明で用いる一般式(I
I)の染料の固体微粒子分散物を含有する親水性コロイ
ド層は、支持体とこれに最も近いハロゲン化銀乳剤層の
間に設けられる。ここで、支持体とこれに最も近いハロ
ゲン化銀乳剤層の間には、固体微粒子分散物を含有する
親水性コロイド層以外の他の非感光性親水性コロイド層
を有していてもよい。
【0102】本発明で用いる染料の固体微粒子分散物
は、ハロゲン化銀写真感光材料において、染料の色相に
応じて非感光性親水性コロイド層に含有されるが、該非
感光性層が複数層設けられている態様の感光材科におい
ては、これらの複数層に含有させることもできる。本発
明の固体微粒子分散物中の染料濃度は0.1〜50質量
%が適当であり、好ましくは2〜30質量%である。染
料濃度がこの範囲であると分散物の粘度の点で好まし
い。また、固体微粒子染料の好ましい塗布量は、約0.
05〜0.5g/m2 である。
【0103】本発明においては、固体微粒子分散物とと
もに下記一般式(VI)で表わされる化合物を同一写真構
成層に含有することが好ましい。 一般式(VI) P−((S)m −R)n 一般式(VI)中、Rは水素原子、疎水性基または疎水性
重合体を表わし、Pは下記構層単位A、B及びCのうち
の少なくとも1つを含み、Pの重合度が10以上350
0以下の重合体を表わす。nは1又は2を表わす。mは
1又は0を表わす。
【0104】
【化32】
【0105】ここで、R1 は−H又は炭素数1〜6のア
ルキル基を表わし、R2 は−H又は炭素数1〜10のア
ルキル基を表わし、R3 は−H又は−CH3 を表わし、
4はH、−CH3 、−CH2 COOH(アンモニウム
基又は金属塩を含む)又は−CNを表わし、Xは−H、
−COOH(アンモニウム基又は金属塩を含む)又は−
CONH2 を表わし、Yは−COOH(アンモニウム基
又は金属塩を含む)、−SO3 H(アンモニウム基又は
金属塩を含む)、−OSO3 H(アンモニウム基又は金
属塩を含む)、−CH2 SO3 H(アンモニウム基又は
金属塩を含む)、−CONHC(CH3)2 CH2 SO3
H(アンモニウム基又は金属塩を含む)又は−CONH
CH2 CH2 CH2 + (CH3)3 Cl- を表わす。
【0106】上記一般式(VI)で表わされる化合物の代
表的な例として、ビニルアルコールとビニルエステルの
ランダム又はブロック共重合体あるいは更にカルボキシ
基等のアニオン性基を有する第3モノマー成分を含むビ
ニルアルコールとビニルエステルのランダム又はブロッ
ク共重合体の末端をアルキル基又は疎水性重合体で変性
したものが挙げられる。
【0107】ポリビニルアルコール(PVA)系重合体
は、従来から写真分野において、それ自身保護コロイド
として、又はフイルムの強度向上のためにゼラチン等の
水溶性蛋白質保護コロイドとブレンドして用いられてい
る(例えば、特開昭63−20349号公報)が、一般
式(VI)で表される化合物を染料の固体微粒子分散物と
組み合わせて用いることにより、染料とバンダー(ゼラ
チン等)の相互作用により、塗布が困難になったり、所
望の吸収を有する塗布層が得にくいといった問題が解決
でき好ましい。
【0108】本発明で好ましく用いられる一般式(VI)
で表される化合物は、写真分野で従来用いられていた界
面活性剤よりも比較的分子量が大きいことが好ましくい
(分子量1000以上)。更に従来の界面活性剤の親水
性基が、エチレンオキサイド等のノニオン性のアルキレ
ンオキサイド基、カルボキシル基、スルホン基、燐酸基
などのアニオン性基、四級アンモニウム基などのカチオ
ン性基を通常一つ有しているのに対して、一般式(VI)
で表される化合物の親水性基は、OH基を含むモノマー
単位の繰り返し構造、アニオン性基基の繰り返し構造及
びカチオン性基の繰り返し構造のうちのいずれか1つ以
上を有することが必要である。
【0109】一般式(VI)で表される化合物は、塗布助
剤、帯電防止剤、表面摩擦調節剤、表面疎水化剤として
も使用することができる。
【0110】一般式(VI)におけるRの疎水性基として
は、脂肪族基(例えばアルキル基、アルケニル基、アル
キニル基など)、芳香族基(例えばフェニル基、ナフチ
ル基など)及び脂環基があり、これらは置換されている
ものも含む。置換基としては、脂肪族基、芳香族基、脂
環基、複素環基、ハロゲン原子、水酸基、シアノ基、ニ
トロ基、N−置換スルファモイル基、カルバモイル基、
アシルアミノ基、アルキルスルホニルアミノ基、アリー
ルスルホニルアミノ基、アルコキシ基、アリールオキシ
基、アラルキル基、アシル基などが挙げられる。
【0111】一般式(VI)におけるRの疎水性基がアル
キル基の場合には、炭素数3〜70、好ましくは4〜5
0、特に8〜24が好ましい。更に、Rは、置換又は未
置換の、脂環基、芳香族炭化水素基又は疎水性重合体の
場合、分散安定性を高める効果がより大きい。
【0112】また、一般式(VI)におけるRが疎水性重
合体の場合、ポリスチレン及びその誘導体、ポリメタク
リル酸エステル(例えばポリメタクリル酸メチル)及び
その誘導体、ポリアクリル酸エステル及びその誘導体、
ポリブテン、ポリ酢酸ビニル、ポリバーサチック酸ビニ
ル等に代表される水に不溶性のビニル重合体やビニル共
重合体、ポリオキシプロピレンやポリオキシテトラメチ
レンの如き水に不溶性のポリオキシアルキレン類、更に
はポリアミド及びポリエステル等の水不溶性重合体等が
挙げられる。特にポリスチレン及びその誘導体、ポリメ
タクリル酸エステル及びその誘導体、ポリアクリル酸エ
ステル及びその誘導体並びにポリ塩化ビニルが好ましく
用いられる。また、疎水性重合体の重合度は2以上50
0以下、好ましくは2以上200以下、更に好ましくは
2以上100以下である。
【0113】一般式(VI)のRが疎水性基の場合の具体
例を以下に挙げるが、これらに限定されるものではな
い。
【0114】
【化33】
【0115】
【化34】
【0116】
【化35】
【0117】
【化36】
【0118】
【化37】
【0119】
【化38】
【0120】
【化39】
【0121】
【化40】
【0122】
【化41】
【0123】一般式(VI)で表される化合物に関し、P
は上記構造単位A、B及びCのうちの少なくとも1つを
含む重合体である。
【0124】構造単位Aとしては具体的には、ビニルア
ルコール、α−メチルビニルアルコール、α−プロピル
ビニルアルコール等が挙げられる。構造単位Bとしては
酢酸ビニル、蟻酸ビニル、プロピオン酸ビニル及びこれ
らのα置換体が挙げられる。
【0125】更に構造単位Cとしてはアクリル酸、メタ
クリル酸又はクロトン酸(それぞれアンモニウム塩、又
はNa、K等の金属塩を含む)、マレイン酸又はイタコ
ン酸(それぞれモノアルキルエステル、アンモニウム
塩、又はNa、K等の金属塩を含む)、ビニルホスホン
酸、ビニル硫酸、アクリルスルホン酸、メタクリルスル
ホン酸、2−アクリルアミド−3−メチルプロパンスル
ホン酸又は2−メタクリルアミド−3−メチルプロパン
スルホン酸(それぞれアンモニウム塩、又はNa、K等
の金属塩を含む)、アクリルアミドプロピルトリメチル
アンモニウムクロリド又はメタクリルアミドプロピルト
リメチルアンモニウムクロリド等の水中でイオン解離す
る単量体単位が挙げられる。
【0126】これらの中で構造単位Aとしては、ビニル
アルコール単位が、構造単位Bとしては酢酸ビニル単位
が、また構造単位Cとしてはカルボン酸(アンモニウム
塩、又はNa、K等の金属塩を含む)又はスルホン酸
(アンモニウム塩、又はNa、K等の金属塩を含む)が
より好ましい単位である。
【0127】上記構造単位A、B及びCの含量について
は特に制限はないが、構造単位Cの含量が1モル%以下
の場合、一般式(VI)で表される重合体が水溶性又は水
分散性であるためには、構造単位Aの含量は50モル%
〜100モル%であるのが好ましい。
【0128】本発明で好ましく用いられる一般式(VI)
で表される化合物は水溶性から水分散性まで広い範囲の
ものを含む。本発明で好ましく用いられる一般式(VI)
で表される化合物が水溶性又は水分散性である限りにお
いては、Pが上記構造単位A、B及びC以外の構造単位
を含むことも何ら差し支えなく、これらの構造単位とし
て、例えばエチレン、プロピレン、イソプテン、アクリ
ロニロリル、アクリルアミド、メタクリルアミド、N−
ビニルピロリドン、塩化ビニル又はフッ化ビニル単位が
挙げられる。
【0129】該Pの重合度は10〜3500、好ましく
は10〜2000、更に好ましくは10〜1000、特
に好ましくは10〜500である。
【0130】構造単位A及びBにおけるR2 の低級アル
キル基としては、炭素数1〜10のアルキル基が挙げら
れ、特にメチル基が好ましい。また、該アルキル基はヒ
ドロキシル基、アミド基、カルボキシル基、スルホン酸
基、スルフィン酸基、スルホンアミド基等により置換さ
れていてもよい。
【0131】親水性コロイド層のバインダーとして、写
真性、製造適性、物理性などの理由でゼラチンが最も一
般的に用いられる。一般式(VI)で表される化合物をゼ
ラチンに対して1質量%以上の割合で混合して用いる場
合、ゼラチンと相溶する組成の化合物が好ましい。その
ような化合物としては、構造単位Bが50モル%以下、
構造単位Cがカルボキシル基を含み且つ該カルボキシル
基が単位あたり1個の場合その含率が5モル%以上、好
ましくは10モル%以上、特に好ましくは15モル%以
上であり、該カルボキシル基が単位あたりn個の場合そ
の含率は上記の1/nが好ましい。ゼラチンとの相溶性
の観点より特に好ましい一般式(VI)で表される化合物
としては、構造単位Aがビニルアルコールで含率が50
モル%以上、構造単位Bが酢酸ビニルで40モル%以
下、構造単位Cがイタコン酸(アンモニウム塩、又はN
a、K等の金属塩を含む)で2モル%以上である重合体
である。
【0132】また写真要素は通常親水性バインダーの多
層構成よりなるが、層構成によってはある層のバインダ
ーとして、一般式(VI)で表される化合物を単独で用い
ることもでき、そのような場合にはゼラチンと相溶性が
十分でないものも用いることができる。
【0133】一般式(VI)で表される化合物は、本発明
の感材の用途により、これを構成するP及びRの最適化
学組成、分子量等は異なるが、どの目的においても、P
とRの質量比が0.001≦R/P≦2、より好ましく
は0.01≦R/P≦1の組成を有するものが特に好ま
しい。
【0134】本発明における一般式(VI)で表わされる
化合物の具体例を表−Aに挙げるが、これに限定される
ものではない。
【0135】
【表9】
【0136】
【表10】
【0137】
【表11】
【0138】
【表12】
【0139】本発明における一般式(VI)の化合物の使
用量は、使用する固体微粒子分散物の物性、量によって
異なるが、通常0.001g/m2〜10g/m2、好まし
くは0.002g/m2〜5g/m2である。この範囲であ
ると塗布面の均一性良化の点で好ましい。本発明におい
て一般式(VI)の化合物は、分散物を調製する際の分散
剤として用いても、分散後に共存させても、塗布直前に
共存させてもよい。
【0140】一般式(VI)で表される化合物は、例え
ば、特開昭62−288643号、同61−25423
7号、同61−254238号、同61−254239
号、同61−254240号等の公報に記載される方法
によって合成することができる。また、一般式(VI)の
重合体におけるRがアルキル基の場合は、市販品として
も入手可能である(例えば、株式会社クラレ製MP−1
03、MP−203、MP102など)。
【0141】本発明の一般式(A)で表されるシアンカ
プラーについて、詳細に説明する。ここで、本明細書中
で用いられるハメットの置換基定数σp値について若干
説明する。ハメット則はベンゼン誘導体の反応または平
衡に及ぼす置換基の影響を定量的に論ずるために193
5年 L.P. Hammett により提唱された経験則であるが、
これは今日広く妥当性が認められている。ハメット則に
求められた置換基定数にはσp値とσm値があり、これら
の値は多くの一般的な成書に見出すことができるが、例
えば、J.A.Dean編、「Lange s Handbook of Chemistry
」第12版、1979年(Mc Graw Hill) や「化学の
領域」増刊、122号、96〜103頁、1979年
(南光堂)に詳しい。なお、本発明において各置換基を
ハメットの置換基定数σpにより限定したり、説明した
りするが、これは上記の成書で見出せる、文献既知の値
がある置換基にのみ限定されるという意味ではなく、そ
の値が文献未知であってもハメット則に基づいて測定し
た場合にその範囲内に包まれるであろう置換基をも含む
ことはいうまでもない。本発明の一般式(A)で表され
る化合物はベンゼン誘導体ではないが、置換基の電子効
果を示す尺度として、置換位置に関係なくσp値を使用
する。本発明においては今後、σp値をこのような意味
で使用する。また、本発明でいう「親油性」とは室温下
での水に対する溶解度が10%以下のものである。
【0142】本明細書中、脂肪族とは、直鎖、分岐又は
環状で飽和であっても不飽和であってもよく、例えばア
ルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ま
たはシクロアルケニルを表し、これらはさらに置換基を
有していても良い。また、芳香族とはアリールを表し、
これはさらに置換基を有していても良く、複素環(ヘテ
ロ環)とは環内にヘテロ原子を持つものであり、芳香族
基であるものをも含み、さらに置換基を有してもかまわ
ない。本明細書中の置換基およびこれらの脂肪族、芳香
族及び複素環における有してもよい置換基としては、特
に規定のない限り置換可能な基であればよく、例えば脂
肪族基、芳香族基、複素環基、アシル基、アシルオキシ
基、アシルアミノ基、脂肪族オキシ基、芳香族オキシ
基、複素環オキシ基、脂肪族オキシカルボニル基、芳香
族オキシカルボニル基、複素環オキシカルボニル基、脂
肪族カルバモイル基、芳香族カルバモイル基、脂肪族ス
ルホニル基、芳香族スルホニル基、脂肪族フルファモイ
ル基、芳香族スルファモイル基、脂肪族スルホンアミド
基、芳香族スルホンアミド基、脂肪族アミノ基、芳香族
アミノ基、脂肪族スルフイニル基、芳香族スルフイニル
基、脂肪族チオ基、芳香族チオ基、メルカプト基、ヒド
ロキシ基、シアノ基、ニトロ基、ヒドロキシアミノ基、
ハロゲン原子等を挙げることができる。
【0143】以下に本発明の一般式(A)で表されるシ
アンカプラーについて詳しく述べる。Za 及びZb はそ
れぞれ−C(R3)=又は−N=を表す。但し、Za 及び
bの何れか一方は−N=であり、他方は−C(R3)=
である。
【0144】R3 は水素原子又は置換基を表し、置換基
としてはハロゲン原子、アルキル基、アリール基、ヘテ
ロ環基、シアノ基、ヒドロキシ基、ニトロ基、カルボキ
シ基、スルホ基、アミノ基、アルコキシ基、アリールオ
キシ基、アシルアミノ基、アルキルアミノ基、アニリノ
基、ウレイド基、スルファモイルアミノ基、アルキルチ
オ基、アリールチオ基、アルコキシカルボニルアミノ
基、スルホンアミド基、カルバモイル基、スルファモイ
ル基、スルホニル基、アルコキシカルボニル基、ヘテロ
環オキシ基、アゾ基、アシルオキシ基、カルバモイルオ
キシ基、シリルオキシ基、アリールオキシカルボニルア
ミノ基、イミド基、ヘテロ環チオ基、スルフィニル基、
ホスホニル基、アリールオキシカルボニル基、アシル基
等を挙げることができる。これらの基はR3 で例示した
ような置換基で更に置換されていてもよい。
【0145】さらに詳しくは、R3 は水素原子、ハロゲ
ン原子(例えば、塩素原子、臭素原子)、アルキル基
(例えば、炭素数1〜32の直鎖、または分岐鎖アルキ
ル基、アラルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シ
クロアルキル基、シクロアルケニル基で、詳しくは例え
ばメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、t−ブチ
ル、トリデシル、2−メタンスルホニルエチル、3−
(3−ペンタデシルフェノキシ)プロピル、3−{4−
{2−〔4−(4−ヒドロキシフェニルスルホニル)フ
ェノキシ〕ドデカンアミド}フェニル}プロピル、2−
エトキシトリデシル、トリフルオロメチル、シクロペン
チル、3−(2,4−ジ−t−アミルフェノキシ)プロ
ピル)、アリール基(例えば、フェニル、4−t−ブチ
ルフェニル、2,4−ジ−t−アミルフェニル、4−テ
トラデカンアミドフェニル)、ヘテロ環基(例えば、イ
ミダゾリル、ピラゾリル、トリアゾリル、2−フリル、
2−チエニル、2−ピリミジニル、2−ベンゾチアゾリ
ル)、シアノ基、ヒドロキシ基、ニトロ基、カルボキシ
基、アミノ基、アルコキシ基(例えば、メトキシ、エト
キシ、2−メトキシエトキシ、2−ドデシルエトキシ、
2−メタンスルホニルエトキシ)、アリールオキシ基
(例えば、フェノキシ、2−メチルフェノキシ、4−t
−ブチルフェノキシ、3−ニトロフェノキシ、3−t−
ブチルオキシカルバモイルフェノキシ、3−メトキシカ
ルバモイル)、アシルアミノ基(例えば、アセトアミ
ド、ベンズアミド、テトラデカンアミド、2−(2,4
−ジ−t−アミルフェノキシ)ブタンアミド、4−(3
−t−ブチル−4−ヒドロキシフェノキシ)ブタンアミ
ド、2−{4−(4−ヒドロキシフェニルスルホニル)
フェノキシ}デカンアミド)、アルキルアミノ基(例え
ば、メチルアミノ、ブチルアミノ、ドデシルアミノ、ジ
エチルアミノ、メチルブチルアミノ)、アニリノ基(例
えば、フェニルアミノ、2−クロロアニリノ、2−クロ
ロ−5−テトラデカンアミノアニリノ、2−クロロ−5
−ドデシルオキシカルボニルアニリノ、N−アセチルア
ニリノ、2−クロロ−5−{2−(3−t−ブチル−4
−ヒドロキシフェノキシ)ドデカンアミド}アニリ
ノ)、ウレイド基(例えば、フェニルウレイド、メチル
ウレイド、N,N−ジブチルウレイド)、スルファモイ
ルアミノ基(例えば、N,N−ジプロピルスルファモイ
ルアミノ、N−メチル−N−デシルスルファモイルアミ
ノ)、アルキルチオ基(例えば、メチルチオ、オクチル
チオ、テトラデシルチオ、2−フェノキシエチルチオ、
3−フェノキシプロピルチオ、3−(4−t−ブチルフ
ェノキシ)プロピルチオ)、アリールチオ基(例えば、
フェニルチオ、2−ブトキシ−5−t−オクチルフェニ
ルチオ、3−ペンタデシルフェニルチオ、2−カルボキ
シフェニルチオ、4−テトラデカンアミドフェニルチ
オ)、アルコキシカルボニルアミノ基 (例えば、メト
キシカルボニルアミノ、テトラデシルオキシカルボニル
アミノ)、スルホンアミド基(例えば、メタンスルホン
アミド、ヘキサデカンスルホンアミド、ベンゼンスルホ
ンアミド、p−トルエンスルホンアミド、オクタデカン
スルホンアミド、2−メトキシ−5−t−ブチルベンゼ
ンスルホンアミド)、カルバモイル基(例えば、N−エ
チルカルバモイル、N,N−ジブチルカルバモイル、N
−(2−ドデシルオキシエチル)カルバモイル、N−メ
チル−N−ドデシルカルバモイル、N−{3−(2,4
−ジ−t−アミルフェノキシ)プロピル}カルバモイ
ル)、スルファモイル基(例えば、N−エチルスルファ
モイル、N,N−ジプロピルスルファモイル、N−(2
−ドデシルオキシエチル)スルファモイル、N−エチル
−N−ドデシルスルファモイル、N,N−ジエチルスル
ファモイル)、スルホニル基(例えば、メタンスルホニ
ル、オクタンスルホニル、ベンゼンスルホニル、トルエ
ンスルホニル)、アルコキシカルボニル基(例えば、メ
トキシカルボニル、ブチルオキシカルボニル、ドデシル
オキシカルボニル、オクタデシルオキシカルボニル)、
ヘテロ環オキシ基(例えば、1−フェニルテトラゾール
−5−オキシ、2−テトラヒドロピラニルオキシ)、ア
ゾ基(例えば、フェニルアゾ、4−メトキシフェニルア
ゾ、4−ピバロイルアミノフェニルアゾ、2−ヒドロキ
シ−4−プロパノイルフェニルアゾ)、アシルオキシ基
(例えば、アセトキシ)、カルバモイルオキシ基(例え
ば、N−メチルカルバモイルオキシ、N−フェニルカル
バモイルオキシ)、シリルオキシ基(例えば、トリメチ
ルシリルオキシ、ジブチルメチルシリルオキシ)、アリ
ールオキシカルボニルアミノ基(例えば、フェノキシカ
ルボニルアミノ)、イミド基(例えば、N−スクシンイ
ミド、N−フタルイミド、3−オクタデセニルスクシン
イミド)、ヘテロ環チオ基(例えば、2−ベンゾチアゾ
リルチオ、2,4−ジ−フェノキシ−1,3,5−トリ
アゾール−6−チオ、2−ピリジルチオ)、スルフィニ
ル基(例えば、ドデカンスルフィニル、3−ペンタデシ
ルフェニルスルフィニル、3−フェノキシプロピルスル
フィニル)、ホスホニル基(例えば、フェノキシホスホ
ニル、オクチルオキシホスホニル、フェニルホスホニ
ル)、アリールオキシカルボニル基(例えば、フェノキ
シカルボニル)、アシル基(例えば、アセチル、3−フ
ェニルプロパノイル、ベンゾイル、4−ドデシルオキシ
ベンゾイル)を表す。
【0146】R3 として好ましくは、アルキル基、アリ
ール基、ヘテロ環基、シアノ基、ニトロ基、アシルアミ
ノ基、アニリノ基、ウレイド基、スルファモイルアミノ
基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルコキシカル
ボニルアミノ基、スルホンアミド基、カルバモイル基、
スルファモイル基、スルホニル基、アルコキシカルボニ
ル基、ヘテロ環オキシ基、アシルオキシ基、カルバモイ
ルオキシ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、イミ
ド基、ヘテロ環チオ基、スルフィニル基、ホスホニル
基、アリールオキシカルボニル基、アシル基を挙げるこ
とができる。
【0147】更に好ましくはアルキル基、アリール基で
あり、凝集性の点からより好ましくは、少なくとも一つ
の置換基を有するアルキル基、アリール基であり、更に
好ましくは、少なくとも一つのアルキル基、アルコキシ
基、スルホニル基、スルファモイル基、カルバモイル
基、アシルアミド基又はスルホンアミド基を置換基とし
て有するアルキル基若しくはアリール基である。特に好
ましくは、少なくとも一つのアルキル基、アシルアミド
基又はスルホンアミド基を置換基として有するアルキル
基若しくはアリール基である。アリール基においてこれ
らの置換基を有する際には少なくともオルト位又はパラ
位に有することがより好ましい。
【0148】本発明のシアンカプラーは、R1 とR2
いずれも0.20以上の電子吸引性基であり、且つR1
とR2 のσp値の和が0.65以上にすることでシアン
画像として発色するものである。R1 とR2 のσp 値の
和としては、好ましくは0.70以上であり、上限とし
ては2.0程度である。
【0149】R1 及びR2 はハメットの置換基定数σp
値が0.20以上の電子吸引性基である。好ましくは、
0.30以上の電子吸引性基である。上限としては1.
0以下の電子吸引性基である。
【0150】σp値が0.20以上の電子吸引性基であ
るR1 及びR2 の具体例としては、アシル基、アシルオ
キシ基、カルバモイル基、アルコキシカルボニル基、ア
リールオキシカルボニル基、シアノ基、ニトロ基、ジア
ルキルホスホノ基、ジアリールホスホノ基、ジアリール
ホスフィニル基、アルキルスルフィニル、アリールスル
フィニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニ
ル基、スルホニルオキシ基、アシルチオ基、スルファモ
イル基、チオシアネート基、チオカルボニル基、ハロゲ
ン化アルキル基、ハロゲン化アルコキシ基、ハロゲン化
アリールオキシ基、ハロゲン化アルキルアミノ基、ハロ
ゲン化アルキルチオ基、σp値が0.20以上の他の電
子吸引性基で置換されたアリール基、複素環基、ハロゲ
ン原子、アゾ基、又はセレノシアネート基が挙げられ
る。これらの置換基のうち更に置換基を有することが可
能な基は、R3 で挙げたような置換基を更に有してもよ
い。
【0151】R1 及びR2 を更に詳しく述べると、σp
値が0.20以上の電子吸引性基としては、アシル基
(例えば、アセチル、3−フェニルプロパノイル、ベン
ゾイル、4−ドデシルオキシベンゾイル)、アシルオキ
シ基(例えば、アセトキシ)、カルバモイル基(例え
ば、カルバモイル、N−エチルカルバモイル、N−フェ
ニルカルバモイル、N,N−ジブチルカルバモイル、N
−(2−ドデシルオキシエチル)カルバモイル、N−
(4−n−ペンタデカンアミド)フェニルカルバモイ
ル、N−メチル−N−ドデシルカルバモイル、N−{3
−(2,4−ジ−t−アミルフェノキシ)プロピル}カ
ルバモイル)、アルコキシカルボニル基(例えば、メト
キシカルボニル、エトキシカルボニル、iso プロピルオ
キシカルボニル、tert−ブチルオキシカルボニル、iso
ブチルオキシカルボニル、ブチルオキシカルボニル、ド
デシルオキシカルボニル、オクタデシルオキシカルボニ
ル)、アリールオキシカルボニル基(例えば、フェノキ
シカルボニル)、シアノ基、ニトロ基、ジアルキルホス
ホノ基(例えば、ジメチルホスホノ)、ジアリールホス
ホノ基(例えば、ジフェニルホスホノ)、ジアリールホ
スフイニル基(例えば、ジフェニルホスフイニル)、ア
ルキルスルフイニル基(例えば、3−フェノキシプロピ
ルスルフイニル)、アリールスルフイニル基(例えば、
3−ペンタデシルフェニルスルフイニル)、アルキルス
ルホニル基(例えば、メタンスルホニル、オクタンスル
ホニル)、アリールスルホニル基(例えば、ベンゼンス
ルホニル、トルエンスルホニル)、スルホニルオキシ基
(メタンスルホニルオキシ、トルエンスルホニルオキ
シ)、アシルチオ基(例えば、アセチルチオ、ベンゾイ
ルチオ)、スルファモイル基(例えば、N−エチルスル
ファモイル、N,N−ジプロピルスルファモイル、N−
(2−ドデシルオキシエチル)スルファモイル、N−エ
チル−N−ドデシルスルファモイル、N,N−ジエチル
スルファモイル)、チオシアネート基、チオカルボニル
基(例えば、メチルチオカルボニル、フェニルチオカル
ボニル)、ハロゲン化アルキル基(例えば、トリフロロ
メタン、ヘプタフロロプロパン)、ハロゲン化アルコキ
シ基 (例えば、トリフロロメチルオキシ)、ハロゲン
化アリールオキシ基(例えば、ペンタフロロフェニルオ
キシ)、ハロゲン化アルキルアミノ基(例えば、N,N
−ジ−(トリフロロメチル)アミノ)、ハロゲン化アル
キルチオ基(例えば、ジフロロメチルチオ、1,1,
2,2−テトラフロロエチルチオ)、σp 0.20以上
の他の電子吸引性基で置換されたアリール基(例えば、
2,4−ジニトロフェニル、2,4,6−トリクロロフ
ェニル、ペンタクロロフェニル)、複素環基(例えば、
2−ベンゾオキサゾリル、2−ベンゾチアゾリル、1−
フェニル−2−ベンズイミダゾリル、5−クロロ−1−
テトラゾリル、1−ピロリル)、ハロゲン原子(例え
ば、塩素原子、臭素原子)、アゾ基(例えば、フェニル
アゾ)またはセレノシアネート基を表す。これらの置換
基のうち更に置換基を有することが可能な基は、R3
挙げたような置換基を更に有してもよい。
【0152】R1 及びR2 の好ましいものとしては、ア
シル基、アシルオキシ基、カルバモイル基、アルコキシ
カルボニル基、アリールオキシカルボニル基、シアノ
基、ニトロ基、アルキルスルフイニル基、アリールスル
フイニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニ
ル基、スルファモイル基、ハロゲン化アルキル基、ハロ
ゲン化アルキルオキシ基、ハロゲン化アルキルチオ基、
ハロゲン化アリールオキシ基、2つ以上のσp0.20
以上の他の電子吸引性基で置換されたアリール基、及び
複素環基を挙げることができる。更に好ましくは、アル
コキシカルボニル基、ニトロ基、シアノ基、アリールス
ルホニル基、カルバモイル基及びハロゲン化アルキル基
である。R1 として最も好ましいものは、シアノ基であ
る。R2 として特に好ましいものは、アルコキシカルボ
ニル基であり、最も好ましいのは、分岐したアルコキシ
カルボニル基(特にシクロアルコキシカルボニル基)で
ある。
【0153】Xは水素原子または芳香族第一級アミンカ
ラー現像主薬の酸化体とのカップリング反応において離
脱しうる基を表すが、離脱しうる基を詳しく述べればハ
ロゲン原子、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシル
オキシ基、アルキルもしくはアリールスルホニルオキシ
基、アシルアミノ基、アルキルもしくはアリールスルホ
ンアミド基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリール
オキシカルボニルオキシ基、アルキル、アリールもしく
はヘテロ環チオ基、カルバモイルアミノ基、カルバモイ
ルオキシ基、ヘテロ環カルボニルオキシ基、5員もしく
は6員の含窒素ヘテロ環基、イミド基、アリールアゾ基
などがあり、これらの基は更にR3 の置換基として許容
された基で置換されていてもよい。
【0154】さらに詳しくはハロゲン原子(例えば、フ
ッ素原子、塩素原子、臭素原子)、アルコキシ基(例え
ば、エトキシ、ドデシルオキシ、メトキシエチルカルバ
モイルメトキシ、カルボキシプロピルオキシ、メタンス
ルホニルエトキシ、エトキシカルボニルメトキシ)、ア
リールオキシ基(例えば、4−メチルフェノキシ、4−
クロロフェノキシ、4−メトキシフェノキシ、4−カル
ボキシフェノキシ、3−エトキシカルボニルフェノキ
シ、3−アセチルアミノフェノキシ、2−カルボキシフ
ェノキシ)、アシルオキシ基(例えば、アセトキシ、テ
トラデカノイルオキシ、ベンゾイルオキシ)、アルキル
もしくはアリールスルホニルオキシ基(例えば、メタン
スルホニルオキシ、トルエンスルホニルオキシ)、アシ
ルアミノ基(例えば、ジクロルアセチルアミノ、ヘプタ
フルオロブチリルアミノ)、アルキルもしくはアリール
スルホンアミド基(例えば、メタンスルホニルアミノ、
トリフルオロメタンスルホニルアミノ、p−トルエンス
ルホニルアミノ)、アルコキシカルボニルオキシ基(例
えば、エトキシカルボニルオキシ、ベンジルオキシカル
ボニルオキシ)、アリールオキシカルボニルオキシ基
(例えば、フェノキシカルボニルオキシ)、アルキル、
アリールもしくはヘテロ環チオ基(例えば、ドデシルチ
オ、1−カルボキシドデシルチオ、フェニルチオ、2−
ブトキシ−5−t−オクチルフェニルチオ、テトラゾリ
ルチオ)、カルバモイルアミノ基(例えば、N−メチル
カルバモイルアミノ、N−フェニルカルバモイルアミ
ノ)、カルバモイルオキシ基(例えば、N,N−ジエチ
ルカルバモイルオキシ、N−エチルカルバモイルオキ
シ、N−エチル−N−フェニルカルバモイルオキシ)、
ヘテロ環カルボニルオキシ基(例えば、モルホリノカル
ボニルオキシ、ピペリジノカルボニルオキシ)、5員も
しくは6員の含窒素ヘテロ環基(例えば、イミダゾリ
ル、ピラゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、1,2
−ジヒドロ−2−オキソ−1−ピリジル)、イミド基
(例えば、スクシンイミド、ヒダントイニル)、アリー
ルアゾ基(例えば、フェニルアゾ、4−メトキシフェニ
ルアゾ)などである。Xはこれら以外に炭素原子を介し
て結合した離脱基としてアルデヒド類又はケトン類で4
当量カプラーを縮合して得られるビス型カプラーの形を
取る場合もある。又、Xは現像抑制剤、現像促進剤など
写真的有用基を含んでいてもよい。
【0155】好ましいXは、ハロゲン原子、アルコキシ
基、アリールオキシ基、アルキルもしくはアリールチオ
基、アルキルオキシカルボニルオキシ基、アリールオキ
シカルボニルオキシ基、カルバモイルオキシ基、ヘテロ
環カルボニルオキシ基、カップリング活性位に窒素原子
で結合する5員もしくは6員の含窒素ヘテロ環基であ
る。より好ましいXは、ハロゲン原子、アルキルもしく
はアリールチオ基、アルキルオキシカルボニルオキシ
基、アリールオキシカルボニルオキシ基、カルバモイル
オキシ基、ヘテロ環カルボニルオキシ基であり、特に好
ましいのはカルバモイルオキシ基、ヘテロ環カルボニル
オキシ基である。
【0156】一般式(A)で表されるシアンカプラー
は、R1 、R2 、R3 又はXの基が二価の基になり、二
量体以上の多量体や高分子鎖と結合して単重合体若しく
は共重合体を形成してもよい。高分子鎖と結合して単重
合体若しくは共重合体とは一般式(A)で表されるシア
ンカプラー残基を有する付加重合体エチレン型不飽和化
合物の単独もしくは共重合体が典型例である。この場
合、一般式(A)で表されるシアンカプラー残基を有す
るシアン発色繰り返し単位は重合体中に1種類以上含有
されていてもよく、共重合成分として非発色性のエチレ
ン型モノマーの1種または2種以上を含む共重合体であ
ってもよい。一般式(A)で表されるシアンカプラー残
基を有するシアン発色繰り返し単位は好ましくは下記一
般式(P)で表される。
【0157】
【化42】
【0158】一般式(P)中、Rは水素原子、炭素数1
〜4個のアルキル基または塩素原子を示し、Aは−CONH
−、−COO−または置換もしくは無置換のフェニレン基
を示し、Bは置換もしくは無置換のアルキレン基、フェ
ニレン基またはアラルキレン基を示し、Lは−CONH−、
−NHCONH−、−NHCOO−、−NHCO−、−OCONH−、−NH
−、−COO−、−OCO−、−CO−、−O−、−S−、−SO
2−、−NHSO2−または−SO2NH−を表す。a、b、cは
0または1を示す。Qは一般式(A)で表される化合物
のR1 、R2 、R3 又はXより水素原子が離脱したシ
アンカプラー残基を示す。重合体としては一般式(A)
のカプラーユニットで表されるシアン発色モノマーと芳
香族一級アミン現像薬の酸化生成物とカップリングしな
い非発色性エチレン様モノマーの共重合体が好ましい。
【0159】芳香族一級アミン現像薬の酸化生成物とカ
ップリングしない非発色性エチレン型単量体としては、
アクリル酸、α−クロロアクリル酸、α−アルキルアク
リル酸(例えばメタクリル酸など)これらのアクリル酸
類から誘導されるアミドもしくはエステル(例えば、ア
クリルアミド、メタクリルアミド、n−ブチルアクリル
アミド、t−ブチルアクリルアミド、ジアセトンアクリ
ルアミド、メチルアクリレート、エチルアクリレート、
n−プロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、
t−ブチルアクリレート、iso ブチルアクリレート、2
−エチルヘキシルアクリレート、n−オクチルアクリレ
ート、ラウリルアクリレート、メチルメタクリレート、
エチルメタクリレート、n−ブチルメタクリレートおよ
びβ−ヒドロキシメタクリレート)、ビニルエステル
(例えばビニルアセテート、ビニルプロピオネートおよ
びビニルラウレート)、アクリロニトリル、メタクリロ
ニトリル、芳香族ビニル化合物(例えばスチレンおよび
その誘導体、例えばビニルトルエン、ジビニルベンゼ
ン、ビニルアセトフェノンおよびスルホスチレン)、イ
タコン酸、シトラコン酸、クロトン酸、ビニリデンクロ
ライド、ビニルアルキルエーテル(例えばビニルエチル
エーテル)、マレイン酸エステル、N−ビニル−2−ピ
ロリドン、N−ビニリピリジンおよび2−および−4−
ビニルピリジン等がある。
【0160】特にアクリル酸エステル、メタクリル酸エ
ステル、マレイン酸エステル類が好ましい。ここで使用
する非発色性エチレン型モノマーは2種以上を一緒に使
用することもできる。例えばメチルアクリレートとブチ
ルアクリレート、ブチルアクリレートとスチレン、ブチ
ルメタクリレートとメタクリル酸、メチルアクリレート
とジアセトンアクリルアミドなどが使用できる。
【0161】ポリマーカプラー分野で周知の如く前記一
般式(A)に相当するビニル系単量体と共重合させるた
めのエチレン系不飽和単量体は形成される共重合体の物
理的性質および/または化学的性質、例えば溶解度、写
真コロイド組成物の結合剤、例えばゼラチンとの相溶
性、その可撓性、熱安定性等が好影響を受けるように選
択することができる。
【0162】本発明のシアンカプラーをハロゲン化銀感
光材料中、好ましくは赤感光性ハロゲン化銀乳剤層に含
有させるには、いわゆる内型カプラーにすることが好ま
しく、そのためには、R1 、R2 、R3 、Xの少なくと
も1つの基が所謂バラスト基(好ましくは、総炭素数1
0以上)であることが好ましく、総炭素数10〜50で
あることがより好ましい。特にR3 においてバラスト基
を有することが好ましい。一般式(A)で表されるシア
ンカプラーは、更に好ましくは下記一般式(A1)で表
される構造の化合物である。
【0163】
【化43】
【0164】一般式(A1)中、R11、R12、R13、R
14、R15は同一であっても異なっていてもよく、それぞ
れ水素原子または置換基を表す。置換基としては、置換
もしくは無置換の脂肪族基、または置換若しくは無置換
のアリール基が好ましく、更に好ましいものとしては以
下に述べるものである。R11、R12は、好ましくは脂肪
族基を表わし、例えば炭素数1〜36の、直鎖、分岐鎖
または環状のアルキル基、アラルキル基、アルケニル
基、アルキニル基、シクロアルケニル基で、詳しくは、
例えばメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、t−
ブチル、t−アミル、t−オクチル、トリデシル、シク
ロペンチル、シクロヘキシルを表わす。脂肪族基は、よ
り好ましくは、炭素数1〜12である。R13、R14、R
15は、水素原子又は、脂肪族基を表わす。脂肪族基とし
ては、先にR11、R12で挙げた基が挙げられる。R13
14、R15は特に好ましくは水素原子である。
【0165】Zは、5〜8員環を形成するのに必要な、
非金属原子群を表わし、この環は置換されていてもよい
し、飽和環であっても不飽和結合を有していてもよい。
好ましい非金属原子としては、窒素原子、酸素原子、イ
オウ原子又は炭素原子が挙げられ、更に好ましくは、炭
素原子である。Zで形成される環としては、例えばシク
ロペンタン環、シクロヘキサン環、シクロヘプタン環、
シクロオクタン環、シクロヘキセン環、ピペラジン環、
オキサン環、チアン環等が挙げられ、これらの環は、前
述したR3 で表わされるような置換基で置換されていて
もよい。Zで形成される環として好ましくは置換されて
もよいシクロヘキサン環であり、特に好ましくは、4位
が炭素数1〜24のアルキル基(前述のR3 で表わされ
るような置換基で置換されていてもよい)で置換された
シクロヘキサン環である。
【0166】一般式(A1)のR3 は、一般式(A)の
3 と同義であり、特に好ましくはアルキル基またはア
リール基であり、より好ましくは、置換したアリール基
である。炭素数の観点からは、アルキル基の場合は、好
ましくは、1〜36個であり、アリール基の場合は、好
ましくは、6〜36個である。アリール基の中でも、カ
プラー母核との結合位のオルト位にアルコキシ基が置換
しているものは、カプラー由来の色素の光堅牢性が低い
ので好ましくない。その点で、アリール基の置換基は、
置換又は、無置換のアルキル基が好ましく、中でも、無
置換のアルキル基が最も好ましい。特に、炭素数1〜3
0個の無置換アルキル基が好ましい。
【0167】X2 は、水素原子、または、置換基を表わ
す。置換基は、酸化カップリング反応時にX2 −C(=
O)O−基の離脱を促進する基が好ましい。X2 は、そ
の中でも、ヘテロ環、置換又は無置換のアミノ基、もし
くは、アリール基が好ましい。ヘテロ環としては、窒素
原子、酸素原子、またはイオウ原子を有する5〜8員環
で炭素数1〜36のものが好ましい。更に好ましくは、
窒素原子で結合した5員または6員環で、そのうち6員
環が特に好ましい。これらの環はベンゼン環またはヘテ
ロ環と縮合環を形成していてもよい。具体例として、イ
ミダゾール、ピラゾール、トリアゾール、ラクタム化合
物、ピペリジン、ピロリジン、ピロール、モルホリン、
ピラゾリジン、チアゾリジン、ピラゾリンなどが挙げら
れ、好ましくは、モルホリン、ピペリジンが挙げられ、
特にモルホリンが好ましい。置換アミノ基の置換基とし
ては、脂肪族基、アリール基若しくはヘテロ環基が挙げ
られる。脂肪族基としては、先に挙げたR3 の置換基が
挙げられ、更にこれらは、シアノ基、アルコキシ基(例
えばメトキシ)、アルコキシカルボニル基(例えばエト
キシカルボニル)、塩素原子、水酸基、カルボキシル基
などで置換されていても良い。置換アミノ基としては、
1置換よりも2置換の方が好ましい。置換基としてはア
ルキル基が好ましい。
【0168】アリール基としては、炭素数6〜36のも
のが好ましく、更に単環がより好ましい。具体例として
は、フェニル、4−t−ブチルフェニル、2−メチルフ
ェニル、2,4,6−トリメチルフェニル、2−メトキ
シフェニル、4−メトキシフェニル、2,6−ジクロロ
フェニル、2−クロロフェニル、2,4−ジクロロフェ
ニル等が挙げられる。本発明に用いられる一般式(A
1)で表されるシアンカプラーは、分子中に油溶化基を
もち、高沸点有機溶媒に溶けやすく、またこのカプラー
自身及びこのカプラーと発色用還元剤(現像剤)とが酸
化カップリングして形成された色素が親水性コロイド層
中で非拡散性であることが好ましい。一般式(A1)で
表わされるカプラーは、R3 が一般式(A1)で表わさ
れるカプラー残基を含有していて二量体以上の多量体を
形成していたり、R3 が高分子鎖を含有していて単重合
体若しくは共重合体を形成していてもよい。高分子鎖を
含有している単重合体若しくは共重合体とは一般式(A
1)で表わされるカプラー残基を有する付加重合体エチ
レン型不飽和化合物の単独もしくは共重合体が典型例で
ある。この場合、一般式(A1)で表わされるカプラー
残基を有するシアン発色繰り返し単位は重合体中に1種
類以上含有されていてもよく、共重合成分としてアクリ
ル酸エステル、メタクリル酸エステル、マレイン酸エス
テル類の如き芳香族一級アミン現像薬の酸化生成物とカ
ップリングしない非発色性のエチレン型モノマーの1種
または2種以上を含む共重合体であってもよい。以下に
本発明定義のシアンカプラーの具体例を示すが、これら
に限定されるものではない。
【0169】
【化44】
【0170】
【化45】
【0171】
【化46】
【0172】
【化47】
【0173】
【化48】
【0174】
【化49】
【0175】
【化50】
【0176】
【化51】
【0177】
【化52】
【0178】
【化53】
【0179】
【化54】
【0180】
【化55】
【0181】
【化56】
【0182】一般式(A)で表わされるシアンカプラー
は、公知の方法、例えば、特開平5−150423号、
同5−255333号、同5−202004号、同7−
48376号に記載の方法にて合成する事ができる。以
下に一般式(A)で表されるシアンカプラーの具体的合
成例を示す。 合成例1.例示化合物(1)の合成 下記ルートにより例示化合物(1)を合成した。
【0183】
【化57】
【0184】化合物(b)の合成 2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルシクロヘキサノー
ル、17g(75mmol)のアセトニトリル200m
l溶液に、0℃にて無水トリフルオロ酢酸、10.6m
l(75mmol)を滴下し引き続き、化合物(a)、
15.6g(60.4mmol)をゆっくり添加した。
反応液を室温にて2時間撹拌した後、水300ml、酢
酸エチル300mlを加え、抽出した。有機層を重曹
水、水、食塩水で洗浄した。有機層を硫酸マグネシウム
で乾燥後、溶媒を減圧留去し、アセトニトリルで再結晶
する事により、(b)を19.6g得た。 化合物(c)の合成 19.6gの(b)の酢酸エチル200ml溶液に、ピ
リジン5mlを加え、ブロミンを水冷下、滴下した。1
時間撹拌した後、水300ml、酢酸エチル300ml
を加え、抽出した。抽出後、酢酸エチル層を硫酸マグネ
シウムで乾燥後、溶媒を留去し、残査にアセトニトリル
を加え、再結晶した。(c)を18.0g得た。
【0185】化合物(e)の合成 シアノ酢酸メチル2.2gのジメチルアセトアミド20
ml溶液に、0℃にて水素化ナトリウム0.8gをゆっ
くり加え、室温にて30分撹拌した。(溶液S) ジメチルアセトアミド50mlに溶解した10.0gの
(c)を、氷冷下、(溶液S)にゆっくり滴下した。1
時間撹拌した後、反応液に、水20mlに溶解した水酸
化ナトリウム4g、メタノール20mlを添加し、反応
温度を50℃に保ち、1時間撹拌した。反応後、酢酸エ
チルを200ml加え、塩酸水にて、中和した。水洗浄
した後、酢酸エチル層を硫酸マグネシウムで乾燥後、減
圧下、溶媒を留去し、粗化合物(e)を得た。
【0186】例示化合物(1)の合成 得られた粗化合物(e)8.0gをジメチルアセトアミ
ド40ml、ピリジン6mlに溶解し、0℃にて、モル
ホリノカルバモイルクロリドを4.3g添加した。室温
にて2時間撹拌した後、希塩酸水200mlに注加し、
酢酸エチル200mlで抽出した。有機相を水洗し、硫
酸マグネシウムで乾燥した後、減圧下、溶媒を留去し、
残査にヘキサンを加え、晶析する事により、例示化合物
(1)を6.0g得た。融点は、256℃〜257℃。
【0187】合成例2.例示化合物(25)の合成 化合物(1)の合成において、モルホリノカルバモイル
クロリドの代わりにジアリルカルバモイルクロリドを
4.5g添加し、室温にて、2時間撹拌した。反応後、
希塩酸水200mlに注加し、酢酸エチル200mlで
抽出した。有機相を硫酸マグネシウムで乾燥した後、減
圧下、溶媒を留去し、残査にヘキサンを加え、晶析する
事により目的の例示化合物を5.5g得た。融点は、2
19℃〜220℃。他の化合物も同様に合成できる。
【0188】本発明のシアンカプラーの好ましい塗設量
はシアンカプラーのモル吸光係数により異なるが、0.
01〜1g/m2 の範囲で、好ましくは0.05〜0.
5g/m2 である。使用するシアンカプラーが一般式
(A1)で表されるカプラーである場合には、好ましい
使用量は0.01〜2.0g/m2 の範囲で、より好ま
しくは0.05〜1.0g/m2 、更に好ましくは0.
1〜0.8g/m2 の範囲である。シアンカプラーとハ
ロゲン化銀の使用量の比はカプラーの当量性により異な
り2当量カプラーではAg/カプラー比が1.5〜8、
4当量カプラーでは3〜16の範囲である。本発明にお
いてはpKaの低い2当量カプラーが好ましく、この場
合Ag/カプラー比は1.5〜8の範囲、好ましくは2
〜6、より好ましくは2.5〜5の範囲である。
【0189】本発明において、本発明のシアンカプラー
とともに下記一般式(B)で表される化合物を併用する
ことができる。
【0190】
【化58】
【0191】一般式(B)中、Ra1、Ra2は各々独立
に、水素原子、アルキル基またはアリール基を表す。R
a3、Ra4は水素原子、アルキル基またはアリール基を表
す。R a5はアリール基を表す。ただし、Ra1、Ra2、R
a3、Ra4およびRa5の炭素数の合計は13以下になるこ
とはない。一般式(B)で表される化合物は非感光性親
水性コロイド層中に高沸点有機溶媒、混色防止剤、紫外
線吸収剤、あるいはポリマー分散剤等の有機化合物と一
緒に界面活性剤等の分散助剤とともに分散して使用する
ことができる。その使用量は塗設されるシアンカプラー
に対して0.1モル%〜200モル%の範囲で、好まし
くは1〜100モル%、より好ましくは5〜50モル%
の範囲である。一般式(B)で表される化合物は非感光
性親水性コロイド層の他に、シアン発色層にも同時に使
用することが好ましい。この場合、シアン発色層での使
用量はシアンカプラーに対して1〜100モル%の範囲
で、好ましくは5〜50モル%の範囲である。上記以外
の層にも一般式(B)で表される化合物を併用すること
も好ましく行えるが、この場合のトータルの使用量はシ
アンカプラーに対して1〜200モル%の範囲で、より
好ましくは5〜100モル%、さらに好ましくは10〜
50モル%の範囲である。以下に、一般式(B)で表さ
れる化合物の具体例を示すが、本発明はこれらに限定さ
れるものではない。
【0192】
【化59】
【0193】
【化60】
【0194】
【化61】
【0195】
【化62】
【0196】
【化63】
【0197】
【化64】
【0198】
【化65】
【0199】本発明のシアンカプラーに対しては、上記
の化合物の他に、色相調節、発色促進の点で下記一般式
(C)、(D)、(E)および(F)で表される化合物
のいずれかを使用することができる。これらの化合物は
目的に応じて数種類を組合わせて使用することができ
る。
【0200】
【化66】
【0201】一般式(C)で置換基Rs はアルキル基、
アルコキシ基、アシル基、アルコキシカルボニル基、ア
シルオキシ基、アシルアミノ基、スルホンアミド基、カ
ルバモイル基、スルファモイル基またはスルホニル基を
表す。これらの置換基はさらに、ハロゲン原子、ヒドロ
キシル基、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、エ
ステル基等の置換基を有していてもよい。置換基Rs
しては好ましくはアルコキシ基またはアルコキシカルボ
ニル基で、アルコキシ基が最も好ましい。置換基Rs
置換位置はCOOH基に対してオルト、メタ、パラ−い
ずれでもよいが、色相調整能の点でオルト位であること
が好ましい。ベンゼン環上にはさらにハロゲン原子、ア
ルキル基等の置換基を有していてもよい。
【0202】一般式(D)で置換基Rt はアルキル基、
アルコキシ基、アシル基、アルコキシカルボニル基、ア
シルオキシ基、アシルアミノ基、スルホンアミド基、カ
ルバモイル基、スルファモイル基またはスルホニル基を
表す。これらの置換基はさらに、ハロゲン原子、ヒドロ
キシル基、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、エ
ステル基等の置換基を有していてもよい。置換基Rt
しては好ましくはアルコキシ基またはアルコキシカルボ
ニル基で、アルコキシ基が最も好ましい。置換基Rt
置換位置はCONH2 基に対してオルト、メタ、パラ−
いずれでもよいが、色相調整能の点でオルト位であるこ
とが好ましい。ベンゼン環上にはさらにハロゲン原子、
アルキル基等の置換基を有していてもよい。
【0203】一般式(E)で置換基Ru 、Rv 、Rw
よびRx は互いに同じでも異なっていても良くそれぞれ
水素原子、アルキル基、アリール基、アルコキシカルボ
ニル基またはアシル基を表す。これらの置換基はさら
に、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、アルキル基、アリ
ール基、アルコキシ基、エステル基等の置換基を有して
いてもよい。置換基Ru 、Rv 、Rw およびRx として
は好ましくは水素原子、アルキル基またはアリール基
で、分岐のアルキル基またはシクロアルキル基がより好
ましくシクロアルキル基が最も好ましい。二つのカルバ
モイル基の置換位置はオルト、メタ、パラ−いずれでも
よいが、色相調整能の点でメタ位であることが特に好ま
しい。ベンゼン環上にはさらにハロゲン原子、アルキル
基等の置換基を有していてもよい。
【0204】一般式(F)で置換基Qは>N−Ry 基ま
たは>C(Ry1)Ry2基を表す。置換基Ry 、Ry1およ
びRy2はそれぞれ水素原子、アルキル基、アリール基、
アルコキシカルボニル基またはアシル基を表す。また、
置換基Rz は水素原子、アルキル基、アルコキシ基、ア
リールオキシ基またはアシルオキシ基を表す。これらの
置換基はさらに、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、アル
キル基、アリール基、アルコキシ基、エステル基等の置
換基を有していてもよい。置換基Ry としては好ましく
はアルキル基またはアリール基で、直鎖または分岐のア
ルキル基またはアリール基で置換されたアルキル基がよ
り好ましい。置換基Rz は好ましくはアルキル基または
アルコキシ基で、より好ましくはアルコキシ基である。
y1およびRy2は、好ましくは水素原子またはアルキル
基である。
【0205】以下に、一般式(C)、(D)、(E)お
よび(F)で表される化合物の具体例を挙げるが、本発
明のカプラーで好ましく用いられる化合物は以下に限定
されるものではない。
【0206】
【化67】
【0207】
【化68】
【0208】
【化69】
【0209】
【化70】
【0210】前記のシアンカプラー等をハロゲン化銀感
光材料に導入するには、後述する高沸点有機溶媒を用い
る水中油滴分散方法やラテックス分散方法など公知の分
散方法を用いることが出来る。水中油滴分散方法におい
てはシアンカプラーやその他の写真有用化合物を高沸点
有機溶媒中に溶解させ、親水性コロイド中、好ましくは
ゼラチン水溶液中に、界面活性剤等の分散剤と共に超音
波、コロイドミル、ホモジナイザー、マントンゴーリ
ン、高速ディゾルバー等の公知の装置により微粒子状に
乳化分散することができる。また、カプラーを溶解する
際に更に補助溶媒を用いることが出来る。ここで言う補
助溶媒とは、乳化分散時に有効な有機溶媒で、塗布時の
乾燥工程後には実質上感光材料から除去されるものをい
い、例えば、酢酸エチル、酢酸ブチルのごとき低級アル
コールのアセテート、プロピオン酸エチル、2級ブチル
アルコール、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケ
トン、β−エトキシエチルアセテート、メチルセロソル
ブアセテート、メチルカルビトールアセテート、メチル
カルビトールプロピオネートやシクロヘキサノン等が挙
げられる。
【0211】更には必要に応じ、水と完全に混和する有
機溶媒、例えば、メチルアルコール、エチルアルコー
ル、アセトン、テトラヒドロフランやジメチルホルムア
ミド等を一部併用する事が出来る。またこれらの有機溶
媒は2種以上を組み合わせて用いることもできる。ま
た、乳化分散物状態での保存時の経時安定性改良、乳剤
と混合した塗布用最終組成物での写真性能変化抑制・経
時安定性改良等の観点から必要に応じて乳化分散物か
ら、減圧蒸留、ヌードル水洗あるいは限外ろ過などの方
法により補助溶媒の全て又は一部を除去することができ
る。この様にして得られる親油性微粒子分散物の平均粒
子サイズは、0.04〜0.50μmが好ましく、更に
好ましくは0.05〜0.30μmであり、最も好まし
くは0.08〜0.20μmである。平均粒子サイズ
は、コールターサブミクロン粒子アナライザーmode
lN4(コールターエレクトロニクス社)等を用いて測
定できる。
【0212】高沸点有機溶媒を用いる水中油滴分散方法
において、全使用シアンカプラー質量に対する高沸点有
機溶媒の質量比は任意にとり得るが、好ましくは0.1
以上10.0以下であり、更に好ましくは0.3以上
7.0以下、最も好ましくは0.5以上5.0以下であ
る。また、高沸点有機溶媒を全く使用しないで用いるこ
とも可能である。
【0213】本発明のシアンカプラーに対しては、従来
より使われてきた2−アシルアミノ−5−アルキルフェ
ノール型シアンカプラー、2,5−ジアシルアミノフェ
ノール型シアンカプラーおよび2−カルバモイル−1−
ナフトール型シアンカプラーを併用することができる。
なかでも2−アシルアミノ−5−アルキルフェノール型
シアンカプラーとの併用は特に好ましい。この場合、併
用するシアンカプラーは本発明のカプラーに対して1〜
90モル%の範囲で、好ましくは5〜80モル%の範囲
である。
【0214】本発明のシアンカプラーの画像堅牢性向上
のため、有機溶媒可溶水不溶のポリマーを油滴中に共分
散する方法も好ましく使われる。この場合ポリマーはス
チレン、アクリルアミド、メタクリルアミド、アクリレ
ート、メタクリレート系のポリマーもしくはそれらのコ
ポリマーが好ましく、数平均分子量は2万から20万の
範囲が好ましい。また、乳化物の安定性を向上させるた
め、分子量500〜5000程度のオリゴマー分子も好
ましく用いられ、スチレンオリゴマー、α−メチルスチ
レンオリゴマーなどが好ましい。特に、スチレンとα−
メチルスチレンのオリゴマーは溶解性の点で特に好まし
い。また、発色を促進するために塗布液中に両親媒性の
ポリマーを添加することも好ましく用いられる。この場
合、アクリル酸、メタクリル酸とこれらのエステル類と
のコポリマーがより好ましい。特にメタクリル酸とブチ
ルアクリレートのコポリマーは効果が大きく特に好まし
い化合物である。
【0215】次に本発明のハロゲン化銀写真感光材料の
写真層等について記載する。本発明のハロゲン化銀写真
感光材料は、カラーネガフィルム、反転フィルム、映画
用カラーネガフィルム、カラーポジフィルム、映画用ポ
ジフィルムなど一般用、映画用カラー感光材料に適用す
ることができる。
【0216】本発明のカラー感光材料は、典型的な例と
して、透明支持体上に、実質的に感色性の異なる複数の
ハロゲン化銀乳剤層から成る感光性層を少なくとも1つ
有するハロゲン化銀写真感光材料である。
【0217】撮影用感材において用いられる好ましいハ
ロゲン化銀は約0.5モル%から約30モル%のヨウ化銀を
含む、ヨウ臭化銀、ヨウ塩化銀、もしくはヨウ塩臭化銀
である。特に好ましいのは約2モル%から約10モル%ま
でのヨウ化銀を含むヨウ臭化銀もしくはヨウ塩臭化銀で
ある。また、映画用カラーポジフィルムに用いられる好
ましいハロゲン化銀は塩臭化銀や塩化銀であり、特に塩
化銀含有率が90モル%以上で残りが臭化銀(沃化銀)
であるものが好ましく、特に98モル%以上である場合
が好ましい。
【0218】写真乳剤中のハロゲン化銀粒子は、立方
体、八面体、十四面体のような規則的な結晶を有するも
の、球状、板状のような変則的な結晶形を有するもの、
双晶面などの結晶欠陥を有するもの、あるいはそれらの
複合形でもよい。ハロゲン化銀の粒径は、約0.2μm以
下の微粒子でも投影面積直径が約10μmに至るまでの大
サイズ粒子でもよく、多分散乳剤でも単分散乳剤でもよ
い。
【0219】本発明に使用できるハロゲン化銀写真乳剤
は、例えばリサーチ・ディスクロージャー(以下、RD
と略す)No.17643(1978年12月), 22〜23頁,“I.乳
剤製造(Emulsion preparation and types)”、および同
No.18716(1979年11月), 648頁、同No.307105(1989年11
月), 863〜865頁、およびグラフキデ著「写真の物理と
化学」,ポールモンテル社刊(P. Glafkides,Chemie e
t Phisique Photographique, Paul Montel, 1967)、ダ
フィン著「写真乳剤化学」,フォーカルプレス社刊(G.
F. Duffin, Photographic Emulsion Chemistry, Focal
Press, 1966)、ゼリクマンら著「写真乳剤の製造と塗
布」、フォーカルプレス社刊(V.L. Zelikman, et al.,
Making and Coating Photographic Emulsion, Focal P
ress, 1964)などに記載された方法を用いて調製するこ
とができる。
【0220】米国特許第3,574,628、同第3,655,394およ
び英国特許第1,413,748に記載された単分散乳剤も好ま
しい。また、アスペクト比が約3以上であるような平板
状粒子も本発明に使用できる。平板状粒子は、ガトフ
著、フォトグラフィック・サイエンス・アンド・エンジ
ニアリング(Gutoff, Photographic Science and Engine
ering)、第14巻248〜257頁(1970年);米国特許第4,434,
226、同第4,414,310、同第4,433,048、同第4,439,520お
よび英国特許第2,112,157 に記載の方法により簡単に調
製することができる。
【0221】結晶構造は一様なものでも、内部と外部と
が異質なハロゲン組成からなるものでもよく、層状構造
をなしていてもよい。エピタキシャル接合によって組成
の異なるハロゲン化銀が接合されていてもよく、例えば
ロダン銀、酸化鉛などのハロゲン化銀以外の化合物と接
合されていてもよい。また種々の結晶形の粒子の混合物
を用いてもよい。
【0222】上記の乳剤は潜像を主として表面に形成す
る表面潜像型でも、粒子内部に形成する内部潜像型でも
表面と内部のいずれにも潜像を有する型のいずれでもよ
いが、ネガ型の乳剤であることが必要である。内部潜像
型のうち、特開昭63-264740号公報に記載のコア/シェ
ル型内部潜像型乳剤であってもよく、この調製方法は特
開昭59-133542号公報に記載されている。この乳剤のシ
ェルの厚みは現像処理等によって異なるが、3〜40nmが
好ましく、5〜20nmが特に好ましい。
【0223】ハロゲン化銀乳剤は、通常、物理熟成、化
学熟成および分光増感を行ったものを使用する。このよ
うな工程で使用される添加剤はRDNo.17643、同No.187
16および同No.307105に記載されており、その該当箇所
を後掲の表にまとめた。本発明の感光材料には、感光性
ハロゲン化銀乳剤の粒子サイズ、粒子サイズ分布、ハロ
ゲン組成、粒子の形状、感度の少なくとも1つの特性の
異なる2種類以上の乳剤を、同一層中に混合して使用す
ることができる。
【0224】米国特許第4,082,553に記載の粒子表面を
かぶらせたハロゲン化銀粒子、米国特許第4,626,498、
特開昭59-214852に記載の粒子内部をかぶらせたハロゲ
ン化銀粒子、コロイド銀を感光性ハロゲン化銀乳剤層お
よび/または実質的に非感光性の親水性コロイド層に適
用することが好ましい。粒子内部または表面をかぶらせ
たハロゲン化銀粒子とは、感光材料の未露光部および露
光部を問わず、一様に(非像様に)現像が可能となるハ
ロゲン化銀粒子のことをいい、その調製法は、米国特許
第4,626,498、特開昭59-214852に記載されている。粒子
内部がかぶらされたコア/シェル型ハロゲン化銀粒子の
内部核を形成するハロゲン化銀は、ハロゲン組成が異な
っていてもよい。粒子内部または表面をかぶらせたハロ
ゲン化銀としては、塩化銀、塩臭化銀、沃臭化銀、塩沃
臭化銀のいずれをも用いることができる。これらのかぶ
らされたハロゲン化銀粒子の平均粒子サイズとしては0.
01〜0.75μm、特に0.05〜0.6μmが好ましい。また、
粒子形状は規則的な粒子でもよく、多分散乳剤でもよい
が、単分散性(ハロゲン化銀粒子の質量または粒子数の
少なくとも95%が平均粒子径の±40%以内の粒子径を有
するもの)であることが好ましい。
【0225】本発明の感光材料の塗布銀量は、6.0g/m
2以下が好ましく、4.5g/m2以下が最も好ましい。
【0226】支持体上に設けられた感光性ハロゲン化銀
乳剤層や非感光性親水性コロイド層(中間層や保護層な
ど)からなる写真構成層中のいずれかの層、好ましくは
ハロゲン化銀乳剤層に、1−アリール−5−メルカプト
テトラゾール化合物をハロゲン化銀1モル当たり1.0
×10-5〜5.0×10-2モル添加することが好まし
く、更には1.0×10-4〜1.0×10-2モル添加す
ることが好ましい。この範囲で添加することによって、
連続処理後の処理済みカラー写真表面への汚れをいっそ
う少なくすることができる。
【0227】このような1−アリール−5−メルカプト
テトラゾール化合物としては、1位のアリール基が無置
換または置換フェニル基であるものが好ましく、この置
換基の好ましい具体例としてはアシルアミノ基(例え
ば、アセチルアミノ、−NHCOC5 11(n) など)、
ウレイド基(例えば、メチルウレイドなど)、アルコキ
シ基(例えばメトキシなど)、カルボン酸基、アミノ
基、スルファモイル基などであって、これらの基はフェ
ニル基に複数個(2〜3個など)結合していてもよい。
また、これの置換基の位置はメタまたはパラ位が好まし
い。
【0228】これらの具体例としては、1−(m−メチ
ルウレイドフェニル)−5−メルカプトテトラゾールや
1−(m−アセチルアミノフェニル)−5−メルカプト
テトラゾールが挙げられる。
【0229】本発明に使用できる写真用添加剤は以下の
リサーチディスクロジャー誌(RD)に記載されてお
り、下記の表に関連する記載箇所を示した。 添加剤の種類 RD17643 RD18716 RD307105 1.化学増感剤 23頁 648頁右欄 866頁 2.感度上昇剤 648頁右欄 3.分光増感剤、 23〜24頁 648頁右欄 866〜868頁 強色増感剤 〜649頁右欄 4.増白剤 24頁 647頁右欄 868頁 5.光吸収剤、 25〜26頁 649頁右欄 873頁 フィルター染料、 〜650頁左欄 紫外線吸収剤 6.バインダー 26頁 651頁左欄 873〜874頁 7.可塑剤、潤滑剤 27頁 650頁右欄 876頁 8.塗布助剤、 26〜27頁 650頁右欄 875〜876頁 表面活性剤 9.スタチック防止剤 27頁 650頁右欄 876〜877頁 10.マット剤 878〜879頁
【0230】本発明の感光材料には種々の色素形成カプ
ラーを使用することができるが、以下のカプラーが特に
好ましい。 イエローカプラー:EP 502,424A の式(I),(II)で表わさ
れるカプラー;EP 513,496Aの式(1),(2)で表わされるカ
プラー(特に18頁のY-28);特開平5-307248号公報の請求
項1の一般式(I) で表わされるカプラー;US 5,066,576
のカラム1の45〜55行の一般式(I)で表わされるカプラ
ー;特開平4-274425号公報の段落0008の一般式(I)で表
わされるカプラー;EP 498,381A1の40頁のクレーム1に
記載のカプラー(特に18頁のD-35); EP 447,969A1の4
頁の式(Y)で表わされるカプラー(特にY-1(17頁),Y-54
(41頁)); US 4,476,219のカラム7の36〜58行の式(II)
〜(IV)で表わされるカプラー(特にII-17, 19(カラム1
7), II-24(カラム19))。
【0231】マゼンタカプラー;特開平3-39737(L-57
(11頁右下), L-68(12頁右下), L-77(13頁右下)); EP
456,257のA-4 -63(134頁), A-4 -73, -75(139頁); EP 4
86,965のM-4, -6(26頁), M-7(27頁);特開平6-43611の段
落0024のM-45, 特開平5-204106の段落0036のM-1;特開平
4-362631の段落0237のM-22。 シアンカプラー:特開平4-204843のCX-1, 3, 4, 5, 11,
12, 14, 15(14〜16頁);特開平4-43345のC-7, 10(35
頁), 34, 35(37頁), (I-1), (I-17)(42〜43頁);特開
平6-67385の請求項1の一般式(Ia)または(Ib)で表わさ
れるカプラー。 ポリマーカプラー:特開平2-44345のP-1, P-5(11頁)。
また、前記に示した一般式(A)で表されるカプラーは
好ましく用いられる。 サウンドトラック形成用赤外カプラー:特開平63−1
43546号および該特許に引用されている特許に記載
のカプラー。
【0232】発色色素が適度な拡散性を有するカプラー
としては、US 4,366,237、GB 2,125570、EP 96,873B、D
E 3,234,533に記載のものが好ましい。発色色素の不要
吸収を捕正するためのカプラーは、EP 456,257A1の5頁
に記載の式(CI), (CII), (CIII), (CIV)で表わされる
イエローカラードシアンカプラー(特に84頁のYC-86)、
該EPに記載のイエローカラードマゼンタカプラーExM-7
(202頁、EX-1(249頁)、EX-7(251頁)、US 4,833,069に記
載のマゼンタカラードシアンカプラーCC-9(カラム
8)、CC-13(カラム10)、US 4,837,136の(2)(カラム8)、
W092/11575のクレーム1の式(A) で表わされる無色のマ
スキングカプラー(特に36〜45頁の例示化合物)が好ま
しい。
【0233】現像主薬酸化体と反応して写真的に有用な
化合物残基を放出する化合物(カプラーを含む)として
は、以下のものが挙げられる。現像抑制剤放出化合物:
EP 378,236A1の11頁に記載の式(I),(II),(III),(IV)で
表わされる化合物(特にT-101(30頁), T-104(31頁), T-
113(36頁), T-131(45頁), T-144(51頁), T-158(58頁)),
EP 436,938A2の7頁に記載の式(I) で表わされる化合
物(特にD-49(51頁))、特開平5-307248の式(1)で表わさ
れる化合物(特に没落0027の(23))、EP 440,195A2の5
〜6頁に記載の式(I),(II),(III)で表わされる化合物
(特に29頁のI-(1)); 漂白促進剤放出化合物: EP 310,1
25A2の5頁の式(I),(I′)で表わされる化合物(特に61
頁の(60),(61))及び特開平6-59411の請求項1の式(I)で
表わされる化合物(特に段落0022の(7)); リガンド放出
化合物:US 4,555,478のクレーム1に記載のLIG-X で表
わされる化合物(特にカラム12の21〜41行目の化合物);
ロイコ色素放出化合物; US 4,749,641のカラム3〜8の
化合物1〜6;蛍光色素放出化合物:US 4,774,181のク
レーム1のCOUP-DYEで表わされる化合物(特にカラム7
〜10の化合物1〜11);現像促進剤又はカブラセ剤放出化
合物:US 4,656,123のカラム3の式(1)、(2)、(3)で表
わされる化合物(特にカラム25の(I-22))及びEP 450,63
7A2の75頁36〜38行目のExZK-2;離脱して初めて色素と
なる基を放出する化合物: US 4,857,447のクレーム1の
式(I) で表わされる化合物(特にカラム25〜36のY-1〜Y
-19)。
【0234】カプラー以外の添加剤としては、以下のも
のが好ましい。 油溶性有機化合物の分散媒:特開昭62-215272のP-3, 5,
16, 19, 25, 30, 42,49, 54, 55, 66, 81, 85, 86, 93
(140〜144頁);油溶性有機化合物の含浸用ラテックス:U
S 4,199,363に記載のラテックス;現像主薬酸化体スカ
ベンジャー:US4,978,606のカラム2の54〜62行の式(I)
で表わされる化合物(特にI-,(1),(2),(6),(12)(カラム
4〜5)、US 4,923,787のカラム2の5〜10行の式(特
に化合物1(カラム3);ステイン防止剤:EP 298321Aの
4頁30〜33行の式(I)〜(III),特にI-47, 72, III-1, 27
(24〜48頁);褪色防止剤:EP 298321AのA-6, 7, 20, 21,
23, 24, 25, 26, 30, 37, 40, 42, 48, 63, 90, 92, 9
4, 164(69〜118頁), US5,122,444のカラム25〜38のII-1
〜III-23, 特にIII-10, EP 471347Aの8〜12頁のI-1〜I
II-4,特にII-2, US 5,139,931のカラム32〜40のA-1〜4
8, 特にA-39, 42;発色増強剤または混色防止剤の使用
量を低減させる素材:EP 411324Aの5〜24頁のI-1〜II-
15,特にI-46;ホルマリンスカベンジャー:EP 477932A
の24〜29頁のSCV-1〜28, 特にSCV-8;
【0235】硬膜剤:特開平1-214845の17頁のH-1, 4,
6, 8, 14, US 4,618,573のカラム13〜23の式(VII)〜(XI
I)で表わされる化合物(H-1〜54),特開平2-214852の8頁
右下の式(6)で表わされる化合物(H-1〜76),特にH-14, U
S 3,325,287のクレーム1に記載の化合物;現像抑制剤
プレカーサー:特開昭62-168139のP-24, 37, 39(6〜
7頁); US 5,019,492のクレーム1に記載の化合物, 特
にカラム7の28〜29;防腐剤、防黴剤:US 4,923,790の
カラム3〜15のI-1〜III-43, 特にII-1, 9, 10,18, III
-25;安定剤、かぶり防止剤:US 4,923,793のカラム6
〜16のI-1〜(14),特にI-1, 60, (2),(13), US 4,952,48
3のカラム25〜32の化合物1〜65, 特に36:化学増感
剤:トリフェニルホスフィン セレニド, 特開平5-4032
4の化合物50;染料:特開平3-156450の15〜18頁のa-1〜
b-20, 特にa-1, 12, 18, 27, 35, 36, b-5, 27〜29頁の
V-1〜23, 特にV-1, EP 445627Aの33〜55頁のF-I-1〜F-I
I-43,特にF-I-11, F-II-8, EP 457153Aの17〜28頁のIII
-1〜36, 特にIII-1, 3, W088/04794の8〜26のDye-1〜1
24の微結晶分散体, EP 319999Aの6〜11頁の化合物1〜2
2, 特に化合物1, EP 519306Aの式(1)ないし(3)で表わさ
れる化合物D-1〜87(3〜28頁), US 4,268,622の式(I) で
表わされる化合物1〜22(カラム3〜10), US 4,923,78
8の式(I)で表わされる化合物(1)〜(31)(カラム2〜
9);UV吸収剤: 特開昭46-3335の式(1) で表わされる
化合物(18b)〜(18r), 101〜427(6〜9頁),EP520938Aの
式(I) で表わされる化合物(3)〜(66)(10〜44頁)及び式
(III)で表わされる化合物HBT-1〜HBT-10(14頁), EP 521
823Aの式(1)で表わされる化合物(1)〜(31)(カラム2〜
9)。
【0236】本発明の感光材料は、乳剤層を有する側の
全親水性コロイド層の膜厚の総和が28μm以下であるこ
とが好ましく、23μm以下がより好ましく、18μm以下
が更に好ましく、16μm以下が特に好ましい。また膜膨
潤速度T1/2 は30秒以下が好ましく、20秒以下がより好
ましい。T1/2 は、発色現像液で30℃、3分15秒処理し
た時に到達する最大膨潤膜厚の90%を飽和膜厚としたと
き、その膜厚が1/2に到達するまでの時間と定義する。
膜厚は、25℃相対湿度55%調湿下(2日)で測定した膜厚
を意味し、T1/2 は、エー・グリーン(A.Green)らのフ
ォトグラフィック・サイエンス・アンド・エンジニアリ
ング (Photogr. Sci. Eng), 19巻、2, 124〜129頁に記
載の型のスエロメーター(膨潤計)を使用することによ
り測定できる。T1/2 は、バインダーとしてのゼラチン
に硬膜剤を加えること、あるいは塗布後の経時条件を変
えることによって調整することができる。また、膨潤率
は150 〜400%が好ましい。膨潤率とは、先に述べた条
件下での最大膨潤膜厚から、式:(最大膨潤膜厚−膜
厚)/膜厚 により計算できる。
【0237】ここで膨潤率とは、本発明のハロゲン化銀
写真感光材料を35℃の蒸留水に浸し膨潤させたときの
平衡膨潤量を表す尺度であり、 膨潤率(単位:%)= 膨潤時の全膜厚/乾燥時の全膜
厚×100 と定義される。膨潤率は170%以上280%以下が好
ましく、190%以上250%以下がより好ましい。
【0238】膨潤率はゼラチン硬化剤の添加量を調節す
ることにより上記範囲とすることができる。
【0239】以下、支持体について説明する。プラスチ
ックフィルム支持体としては、例えばポリエチレンテレ
フタレート、ポリエチレンナフタレート、セルロースト
リアセテート、セルロースアセテートブチレート、セル
ロースアセテートプロピオネート、ポリカーボネート、
ポリスチレン、ポリエチレンのフィルムを挙げることが
できる。
【0240】中でも、ポリエチレンテレフタレートフィ
ルムが好ましく、特に2軸延伸、熱固定されたポリエチ
レンテレフタレートフィルムが、安定性、強靱さなどの
点からも特に好ましい。
【0241】支持体の厚さに特に制限はないが、15〜
500μmの範囲が一般的で、特に40〜200μmの
範囲のものが取扱易さ、汎用性などの点から有利なため
好ましく、100〜150μmが最も好ましい。透過型
支持体とは、好ましくは可視光が90%以上透過するも
のを意味し、光の透過を実質的に妨げない量であれば染
料化ケイ素、アルミナゾル、クロム塩、ジルコニウム塩
などを含有していても良い。
【0242】上記プラスチックフィルム支持体の表面
に、感光層を強固に接着させるために、一般に下記の表
面処理が行なわれる。帯電防止層(バック層)が形成さ
れる側の表面も、一般に同様な表面処理が行なわれる。 (1)薬品処理、機械的処理、コロナ放電処理、火焔処
理、紫外線処理、高周波処理、グロー放電処理、活性プ
ラズマ処理、レーザー処理、混酸処理、オゾン酸素処
理、などの表面活性処理したのち直接に写真乳剤(感光
層形成用塗布液)を塗布して接着力を得る方法と、 (2)一旦これらの表面処理した後、下塗層を設けこの
上に写真乳剤層を塗布する方法との二法がある。
【0243】これらのうち(2)の方法がより有効であ
り広く行われている。これらの表面処理はいずれも、本
来は疎水性であった支持体表面に、多少とも極性基を形
成させること、表面の接着に対してマイナスの要因にな
る薄層を除去すること、表面の架橋密度を増加させ接着
力を増加させるものと思われ、その結果として下塗層用
溶液中に含有される成分の極性基との親和力が増加する
ことや、接着表面の堅牢度が増加すること等により、下
塗層と支持体表面との接着性が向上すると考えられる。
【0244】上記プラスチックフィルム支持体上の感光
層が設けられない側の表面には、本発明の導電性金属酸
化物粒子を含有する非感光性層(本発明の帯電防止層)
が設けられる。本発明の非感光性層のバインダーとして
は、アクリル樹脂、ビニル樹脂、ポリウレタン樹脂及び
ポリエステル樹脂が好ましく使用される。本発明の非感
光性層は硬膜されているのが好ましく、硬膜剤として
は、アジリジン系、トリアジン系、ビニルスルホン系、
アルデヒド系、シアノアクリレート系、ペプチド系、エ
ポキシ系、メラミン系などが用いられるが、導電性金属
酸化物粒子を強固に固定する観点からは、メラミン系化
合物が特に好ましい。
【0245】導電性金属酸化物粒子の材料としては、Z
nO、TiO2 、SnO2 、Al23 、In2 3
MgO、BaO、MoO3 およびV2 5 及びこれらの
複合酸化物、そしてこれらの金属酸化物に更に異種原子
を含む金属酸化物を挙げることができる。
【0246】金属酸化物としては、SnO2 、ZnO、
Al2 3 、TiO2 、In2 3、MgO、およびV
2 5 が好ましく、さらにSnO2 、ZnO、In2
3 、TiO2 およびV2 5 が好ましく、SnO2 およ
びV2 5 が特に好ましい。異種原子を少量含む例とし
ては、ZnOに対してAlあるいはIn、TiO2 に対
してNbあるいはTa、In2 3 に対してSn、及び
SnO2 に対してSb、Nbあるいはハロゲン元素など
の異種元素を0.01〜30モル%(好ましくは0.1
〜10モル%)ドープしたものを挙げることができる。
異種元素の添加量が、0.01モル%未満の場合は酸化
物または複合酸化物に充分な導電性を付与することがで
きず、30モル%を超えると粒子の黒化度が増し、帯電
防止層が黒ずむため感材用としては適さない。従って、
導電性金属酸化物粒子の材料としては、金属酸化物また
は複合金属酸化物に対し異種元素を少量含むものが好ま
しい。また結晶構造中に酸素欠陥を含むものも好まし
い。
【0247】導電性金属酸化物粒子は、非感光性層全体
に対し、体積比率が50%以下である必要があるが、好
ましくは3〜30%である。塗設量としては1〜300
mg/m2が好ましく、2〜200mg/m2がより好ましく、
100〜250mg/m2が最も好ましい。体積比率が50
%を越えると処理済カラー写真の表面に汚れが付着しや
すく、また3%を下回ると帯電防止能が十分に機能しな
い。
【0248】導電性金属酸化物粒子の粒子径は、光散乱
をできるだけ小さくするために小さい程好ましいが、粒
子と結合剤の屈折率の比をパラメーターとして決定され
るべきものであり、ミー(Mie)の理論を用いて求め
ることができる。一般に、平均粒子径が0.001〜
0.5μmの範囲であり、0.003〜0.2μmの範
囲が好ましい。ここでいう、平均粒子径とは、導電性金
属酸化物粒子の一次粒子径だけでなく高次構造の粒子径
も含んだ値である。
【0249】上記金属酸化物の微粒子を帯電防止層形成
用塗布液へ添加する際は、そのまま添加して分散しても
良いが、水等の溶媒(必要に応じて分散剤、バインダー
を含む)に分散させた分散液の形で添加することが好ま
しい。
【0250】非感光性層は、導電性金属酸化物粒子を分
散、支持する結合剤として前記バインダーと硬膜剤との
硬化物を含んでいるのが好ましい。本発明では、良好な
作業環境の維持、及び大気汚染防止の観点から、バイン
ダーも硬膜剤も、水溶性のものを使用するか、あるいは
エマルジョン等の水分散状態で使用することが好まし
い。また、バインダーは、硬膜剤との架橋反応が可能な
ように、メチロール基、水酸基、カルボキシル基及びグ
リシジル基のいずれかの基を有するのが好ましい。水酸
基及びカルボキシル基が好ましく、特にカルボキシル基
が好ましい。バインダー中の水酸基又はカルボキシル基
の含有量は、0.0001〜1当量/1kgが好ましく、
特に0.001〜1当量/1kgが好ましい。
【0251】以下に前記のバインダーとして好ましく用
いられる樹脂について説明する。アクリル樹脂として
は、アクリル酸;アクリル酸アルキル等のアクリル酸エ
ステル類;アクリルアミド;アクリロニトリル;メタク
リル酸;メタクリル酸アルキル等のメタクリル酸エステ
ル類;メタクリルアミド及びメタクリロニトリルのいず
れかのモノマーの単独重合体又はこれらのモノマー2種
以上の重合により得られる共重合体を挙げることができ
る。これらの中では、アクリル酸アルキル等のアクリル
酸エステル類、及びメタクリル酸アルキル等のメタクリ
ル酸エステル類のいずれかのモノマーの単独重合体又は
これらのモノマー2種以上の重合により得られる共重合
体が好ましい。例えば、炭素原子数1〜6のアルキル基
を有するアクリル酸エステル類及びメタクリル酸エステ
ル類のいずれかのモノマーの単独重合体又はこれらのモ
ノマー2種以上の重合により得られる共重合体を挙げる
ことができる。
【0252】上記アクリル樹脂は、上記組成を主成分と
し、硬膜剤との架橋反応が可能なように、例えば、メチ
ロール基、水酸基、カルボキシル基及びグリシジル基の
いずれかの基を有するモノマーを一部使用して得られる
ポリマーであるのが好ましい。
【0253】上記ビニル樹脂としては、ポリビニルアル
コール、酸変性ポリビニルアルコール、ポリビニルホリ
マール、ポリビニルブチラール、ポリビニルメチルエー
テル、ポリオレフィン、エチレン/ブタジエン共重合
体、ポリ酢酸ビニル、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合
体、塩化ビニル/(メタ)アクリル酸エステル共重合体
及びエチレン/酢酸ビニル系共重合体(好ましくはエチ
レン/酢酸ビニル/(メタ)アクリル酸エステル共重合
体)を挙げることができる。これらの中で、ポリビニル
アルコール、酸変性ポリビニルアルコール、ポリビニル
ホリマール、ポリオレフィン、エチレン/ブタジエン共
重合体及びエチレン/酢酸ビニル系共重合体(好ましく
はエチレン/酢酸ビニル/アクリル酸エステル共重合
体)が好ましい。
【0254】上記ビニル樹脂は、硬膜剤との架橋反応が
可能なように、ポリビニルアルコール、酸変性ポリビニ
ルアルコール、ポリビニルホリマール、ポリビニルブチ
ラール、ポリビニルメチルエーテル及びポリ酢酸ビニル
では、例えば、ビニルアルコール単位をポリマー中に残
すことにより水酸基を有するポリマーとし、他のポリマ
ーについては、例えば、メチロール基、水酸基、カルボ
キシル基及びグリシジル基のいずれかの基を有するモノ
マーを一部使用することにより得られるポリマーとす
る。
【0255】上記ポリウレタン樹脂としては、ポリヒド
ロキシ化合物(例、エチレングリコール、プロピレング
リコール、グリセリン、トリメチロールプロパン)、ポ
リヒドロキシ化合物と多塩基酸との反応により得られる
脂肪族ポリエステル系ポリオール、ポリエーテルポリオ
ール(例、ポリ(オキシプロピレンエーテル)ポリオー
ル、ポリ(オキシエチレン−プロピレンエーテル)ポリ
オール)、ポリカーボネート系ポリオール、及びポリエ
チレンテレフタレートポリオールのいずれか一種、ある
いはこれらの混合物とポリイソシアネートから誘導され
るポリウレタンを挙げることができる。
【0256】上記ポリウレタン樹脂では、例えば、ポリ
オールとポリイソシアネートとの反応後、未反応として
残った水酸基を硬膜剤との架橋反応が可能な官能基とし
て利用することができる。
【0257】上記ポリエステル樹脂としては、一般にポ
リヒドロキシ化合物(例、エチレングリコール、プロピ
レングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパ
ン)と多塩基酸との反応により得られるポリマーが使用
される。上記ポリエステル樹脂では、例えば、ポリオー
ルと多塩基酸との反応終了後、未反応として残った水酸
基、カルボキシル基を硬膜剤との架橋反応が可能な官能
基として利用することができる。勿論、水酸基等の官能
基を有する第三成分を添加しても良い。
【0258】上記ポリマーの中で、アクリル樹脂及びポ
リウレタン樹脂が好ましく、特にアクリル樹脂が好まし
い。
【0259】硬膜剤として好ましく用いられるメラミン
化合物としては、メラミン分子内に二個以上(好ましく
は三個以上)のメチロール基および/またはアルコキシ
メチル基を含有する化合物およびそれらの縮重合体であ
るメラミン樹脂あるいはメラミン・ユリア樹脂などをあ
げることができる。メラミンとホルマリンの初期縮合物
の例としては、ジメチロールメラミン、トリメチロール
メラミン、テトラメチロールメラミン、ペンタメチロー
ルメラミン、ヘキサメチロールメラミンなどがあり、そ
の具体的な市販品としては、例えばスミテックス・レジ
ン(Sumitex Resin)M−3、同MW、同MK及び同MC
(住友化学(株)製)などを挙げることができるが、こ
れらに限定されるものではない。
【0260】上記縮重合体の例としては、ヘキサメチロ
ールメラミン樹脂、トリメチロールメラミン樹脂、トリ
メチロールトリメトキシメチルメラミン樹脂等をあげる
ことができる。市販品としては、MA−1及びMA−2
04(住友ベークライト(株製)、ベッカミン(BEC
KAMINE)MA−S、ベッカミンAPM及びベッカ
ミンJ−101(大日本インキ化学工業(株)製)、ユ
ーロイド344(三井東圧化学(株)製)、大鹿レジン
M31及び大鹿レジンPWP−8(大鹿振興(株)製)
等をあげることができるが、これらに限定されるもので
はない。
【0261】メラミン化合物としては、分子量を1分子
内の官能基数で割った値で示される官能基当量が50以
上300以下であることが好ましい。ここで官能とはメ
チロール基および/またはアルコキシメチル基を示す。
この値が300を超えると硬化密度が小さく高い強度が
得られず、メラミン化合物の量を増やすと塗布性が低下
する。硬化密度が小さいとスリ傷が発生しやすくなる。
また硬化する程度が低いと導電性金属酸化物を保持する
力も低下する。官能基当量が50未満では硬化密度は高
くなるが透明性が損なわれ、減量しても良化しない。
【0262】水性メラミン化合物の添加量は、上記ポリ
マーに対して0.1〜100質量%、好ましくは10〜
90質量%である。
【0263】帯電防止層には必要に応じて、マット剤、
界面活性剤、滑り剤などを併用して使用することができ
る。マット剤としては、0.001μm〜10μmの粒
径をもつ酸化珪素、酸化アルミニウム、酸化マグネシウ
ムなどの酸化物や、ポリメチルメタクリレート、ポリス
チレン等の重合体あるいは共重合体等があげられる。
【0264】界面活性剤としては公知のアニオン系界面
活性剤、カチオン系界面活性剤、両性系界面活性剤、非
イオン系界面活性剤等があげられる。滑り剤としては、
炭素数8〜22の高級アルコールのリン酸エステルもし
くはそのアミノ塩;パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘ
ン酸およびそのエステル類;及びシリコーン系化合物等
を挙げることができる。
【0265】帯電防止層の層厚は、0.01〜1μmの
範囲が好ましく、さらに0.01〜0.2μmの範囲が
好ましい。0.01μm未満では塗布剤を均一に塗布し
にくいため製品に塗布むらが生じやすく、1μmを超え
る場合は、帯電防止性能や耐傷性が劣る場合がある。帯
電防止層の上には、表面層を設けるのが好ましい。表面
層は、主として滑り性及び耐傷性を向上させるため、及
び帯電防止層の導電性金属酸化物粒子の脱離防止の機能
を補助するために設けられる。
【0266】表面層の材料としては、エチレン、プロ
ピレン、1−ブテン及び4−メチル−1−ペンテン等の
1−オレフィン系不飽和炭化水素の単独または共重合体
からなるワックス、樹脂及びゴム状物(例えば、ポリエ
チレン、ポリプロピレン、ポリ−1−ブテン、ポリ−4
−メチル−1−ペンテン、エチレン/プロピレン共重合
体、エチレン/1−ブテン共重合体及びプロピレン/1
−ブテン共重合体)、上記1−オレフィンの二種以上
と共役または非共役ジエンとのゴム状共重合体(例え
ば、エチレン/プロピレン/エチリデンノルボルネン共
重合体、エチレン/プロピレン/1,5−ヘキサジエン
共重合体及びイソブテン/イソプレン共重合体)、1
−オレフィンと共役または非共役ジエンとの共重合体、
(例えば、エチレン/ブタジエン共重合体及びエチレン
/エチリデンノルボルネン共重合体)、1−オレフィ
ン、特にエチレンと酢酸ビニルとの共重合体およびその
完全もしくは部分ケン化物、1−オレフィンの単独ま
たは共重合体に上記共役もしくは非共役ジエンまたは酢
酸ビニル等をグラフトさせたグラフト重合体およびその
完全もしくは部分ケン化物、などを挙げることができる
が、これに限定されるものではない。上記化合物は、特
公平5−41656号公報に記載されている。
【0267】上記のポリオレフィンであって、カルボキ
シル基及び/又はカルボン酸塩基を有するものが好まし
い。通常水溶液あるいは水分散液として使用する。
【0268】上記表面層には、メチル基置換度2.5以
下の水溶性メチルセルロースを添加しても良く、その添
加量は表面層を形成する全結合剤に対して0.1質量%
〜40質量%が好ましい。上記水溶性メチルセルロース
については、特開平1−210947号公報に記載され
ている。
【0269】上記表面層は、本発明の帯電防止層上に一
般によく知られた塗布方法、例えばディップコート法、
エアーナイフコート法、カーテンコート法、ワイヤーバ
ーコート法、グラビアコート法、エクストル−ジョンコ
ート法などにより上記バインダー等を含む塗布液(水分
散液又は水溶液)を塗布することにより形成することが
できる。
【0270】上記表面層の層厚は、0.01〜1μmの
範囲が好ましく、さらに0.01〜0.2μmの範囲が
好ましい。0.01μm未満では塗布剤を均一に塗布し
にくいため製品に塗布むらが生じやすく、1μmを超え
る場合は、帯電防止性能や耐傷性が劣る場合がある。
【0271】本発明の感光材料の被膜pHは、4.6〜
6.4であり、好ましくは5.5〜6.3の範囲であ
る。
【0272】本発明のハロゲン化銀カラー写真感光材料
の被膜pHとは、塗布液を支持体上に塗布することによ
って得られた全写真層のpHであり、塗布液のpHとは
必ずしも一致しない。その被膜pHは特開昭61−24
5153号に記載されているような以下の方法で測定で
きる。即ち、(1)ハロゲン化銀乳剤が塗布された側の
感材表面に純水を0.05ml滴下する。次に、(2)3
分間放置後、表面pH測定電極(東亜電波製GS−16
5F)にて被膜pHを測定する。被膜pHの調整は、必
要に応じて酸(例えば硫酸、クエン酸)またはアルカリ
(例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム)を用いて
行うことができる。
【0273】本発明に使用する非脱色性着色物は、現像
処理時に溶出あるいは消色することがなく、処理前後で
その膜中における光吸収特性が実用上変化しないもので
ある。その種類については特に制限はなく、公知の物質
を含む種々の染料、顔料を使用することができる。
【0274】公知の染料については、例えばオキソノー
ル染料、アゾメチン染料、アゾ染料、ベンゾキノン染
料、ナフトキノン染料、アントラキノン染料、アリーリ
デン染料、スチリル染料、ジフェニルメタン染料、トリ
フェニルメタン染料、キサンテン染料、アクリジン染
料、アジン染料、オキサジン染料、チアジン染料、ペリ
ノン染料、メロシアニン染料、シアニン染料、インドア
ニリン染料、フタロシアニン染料、インジゴ染料、チオ
インジゴ染料などを挙げることができる。
【0275】顔料については、例えばアゾ顔料(不溶性
モノアゾ顔料、不溶性ジスアゾ顔料、アゾレーキ顔料、
縮合アゾ顔料、金属錯塩アゾ顔料)、フタロシアニン顔
料、染付けレーキ顔料(酸性染料レーキ、塩基性染料レ
ーキ)、縮合多環顔料(キナクリドン顔料、チオインジ
ゴ顔料、ペリレン顔料、アントラキノン系顔料、ペリノ
ン顔料、ジオキサジン顔料、イソインドリノン顔料、ジ
ケトピロロピロール顔料)、その他(ニトロソ顔料、ア
リザリンレーキ顔料、アルカリブルー)などの有機顔料
を挙げることができる。
【0276】具体的な化合物については「新版染料便
覧」(有機合成化学協会編;丸善,1970) 、「カラーイ
ンデックス」(The Society of Dyers and colourists)
、「色材工学ハンドブック」(色材協会編;朝倉書
店、1989)、「改訂新版顔料便覧」などに記載されてい
る。以下に好ましい染料および顔料の具体例を示すが本
発明はそれらに限定されるものではない。
【0277】
【化71】
【0278】
【化72】
【0279】
【化73】
【0280】
【化74】
【0281】
【化75】
【0282】
【化76】
【0283】
【化77】
【0284】
【化78】
【0285】
【化79】
【0286】
【化80】
【0287】
【化81】
【0288】
【化82】
【0289】
【化83】
【0290】
【化84】
【0291】
【化85】
【0292】本発明の染料を写真材料に添加するときに
は以下の方法がある。 化合物をオイル、すなわち実質的に水不溶で沸点が
約160℃以上の高沸点溶媒に溶解した液を親水性コロ
イド溶液に加えて分散する方法。この高沸点溶媒として
は、米国特許第2,322,027号に記載されている
ような、例えばフタール酸アルキルエステル(ジブチル
フタレート、ジオクチルフタレートなど)、リン酸エス
テル(ジフェニルフォスフェート、トリフェニルフォス
フェート、トリクレジルフォスフェート、ジオクチルブ
チルフォスフェート)、クエン酸エステル(例えばアセ
チルクエン酸トリブチル)、安息香酸エステル(例えば
安息香酸オクチル)、アルキルアミド(例えばジエチル
ラウリルアミド)、脂肪酸エステル類(例えばジブトキ
シエチルサクシネート、ジエチルアゼレート)、トリメ
シン酸エステル類(例えばトリメシン酸トリブチル)な
どが使用できる。また、沸点約30℃ないし約150℃
の有機溶媒、例えば酢酸エチル、酢酸ブチルの如き低級
アルキルアセテート、プロピオン酸エチル、2級ブチル
アルコール、メチルイソブチルケトン、β−エトキシエ
チルアセテート、メチルセロソルブアセテートや水に溶
解しやすい溶媒、例えばメタノールやエタノール等のア
ルコールを用いることもできる。ここで染料と高沸点溶
媒の使用比率としては10〜1/10(質量比)が好ま
しい。
【0293】 上記で高沸点溶媒に代えて、又は高
沸点溶媒と併用してポリマーすなわち水不溶性かつ有機
溶剤可溶性の重合体を用いる方法。この方法に関しては
例えば特開平5−45794号、同5−45789号、
特開平5−158190号等に記載されている。
【0294】 本発明の化合物およびその他の添加物
を写真乳剤層その他の親水性コロイド層充填ポリマーラ
テックス組成物として含ませる方法。前記ポリマーラテ
ックスとしては例えば、ポリウレタンポリマー、ビニル
モノマーから重合されるポリマー〔適当なビニルモノマ
ーとしてはアクリル酸エステル(メチルアクリレート、
エチルアクリレート、ブチルアクリレート、ヘキシルア
クリレート、オクチルアクリレート、ドデシルアクリレ
ート、グリシジルアクリレート等)、α−置換アクリル
酸エステル(メチルメタクリレート、ブチルメタクリレ
ート、オクチルメタクリレート、グリシジルメタクリレ
ート等)、アクリルアミド(ブチルアクリルアミド、ヘ
キシルアクリルアミド等)、α−置換アクリルアミド
(ブチルメタクリルアミド、ジブチルメタクリルアミド
等)、ビニルエステル(酢酸ビニル、酪酸ビニル等)、
ハロゲン化ビニル(塩化ビニル等)、ハロゲン化ビニリ
デン(塩化ビニリデン等)、ビニルエーテル(ビニルメ
チルエーテル、ビニルオクチルエーテル等)、スチレ
ン、X−置換スチレン(α−メチルスチレン等)、核置
換スチレン(ヒドロキシスチレン、クロロスチレン、メ
チルスチレン等)、エチレン、プロピレン、ブチレン、
ブタジエン、アクリロニトリル等を挙げることができ
る。これらは単独でも2種以上を組合せてもよいし、他
のビニルモノマーをマイナー成分として混合してもよ
い。他のビニルモノマーとしては、イタコン酸、アクリ
ル酸、メタアクリル酸、ヒドロキシアルキルアクリレー
ト、ヒドロキシアルキルメタクリレート、スルホアルキ
ルアクリレート、スルホアルキルメタクリレート、スチ
レンスルホン酸等が挙げられる。〕等を用いることがで
きる。
【0295】これら充填ポリマーラテックスは、特公昭
51−39853号、特開昭51−59943号、同5
3−137131号、同54−32552号、同54−
107941号、同55−133465号、同56−1
9043号、同56−19047号、同56−1268
30号、同58−149038号に記載の方法に準じて
製造できる。ここで化合物とポリマーラテックスの使用
比率としては10〜1/10(質量比)が好ましい。
【0296】 上記で高沸点溶媒に代えて、又は高
沸点溶媒と併用して親水性ポリマーを用いる方法。この
方法に関しては例えば米国特許3,619,195号、
西独特許1,957,467号に記載されている。
【0297】 化合物を界面活性剤を用いて溶解する
方法。有用な界面活性剤としては、オリゴマーないしは
ポリマーがよい。この重合体の詳細については、特開昭
60−158437号の明細書第19頁〜27頁に記載
されている。さらに特開昭53−138726号に記載
の界面活性剤は特に好ましい。また、上記で得た親水性
コロイド分散中に、例えば特公昭51−39835号記
載の親水性ポリマーのヒドロゾルを添加してもよい。親
水性コロイドとしては、ゼラチンが代表的なものである
が、その他写真用に使用しうるものとして従来知られて
いるものはいずれも使用できる。
【0298】本技術に使用できる顔料は、上述の裸の顔
料であっても良いし、表面処理を施された顔料でも良
い。表面処理の方法には、樹脂やワックスを表面コート
する方法、界面活性剤を付着させる方法、反応性物質
(例えば、シランカップリング剤やエポキシ化合物、ポ
リイソシアネートなど)顔料表面に結合させる方法など
が考えられ、金属石鹸の性質と応用(幸書房)、印刷イ
ンキ技術(CMC出版、1984)、最新顔料応用技術(CMC出
版、1986) 等の文献に記載されている。
【0299】本技術に於いて顔料はバインダー中に分散
されて用いられる。分散剤は、用いるバインダーと顔料
に合わせて種々のもの、例えば界面活性剤型の低分子分
散剤や高分子型分散剤を用いることが出来るが、疎水性
バインダー中で用いる場合には分散安定性の観点から高
分子型分散剤を用いることがより好ましい。分散剤の例
としては特開平3−69949号、欧州特許54948
6号等に記載のものを挙げることができる。
【0300】本技術に使用できる顔料の粒径は、分散後
で0.01〜10μmの範囲であることが好ましく、
0.05〜1μmであることが更に好ましい。
【0301】顔料をバインダー中へ分散する方法として
は、インク製造やトナー製造時に用いられる公知の分散
技術が使用できる。分散機としては、サンドミル、アト
ライター、パールミル、スーパーミル、ボールミル、イ
ンペラー、デスパーサー、KDミル、コロイドミル、ダ
イナトロン、3本ロールミル、加圧ニーダー等が挙げら
れる。詳細は「最新顔料応用技術」(CMC出版、1986) に
記載がある。染料または顔料の塗布量はその吸光度等に
よって大きく異るが、一般的には1〜200mg/m2であ
り、好ましくは5〜100mg/m2、更に好ましくは10
〜50mg/m2である。
【0302】
【実施例】以下に、実施例により本発明を具体的に説明
するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0303】実施例1 (試料101の作製)下塗りを施したポリエチレンテレ
フタレートフィルム支持体(厚さ120μm、乳剤塗設
面の反対側にカーボン微粒子を含有したレジン層を透過
濃度1.0になるように塗設してある。)に、下記に示
すような組成の各層を重層塗布し、多層カラー感光材料
である試料101を作製した。各写真構成層の塗布液
は、以下のようにして調製した。 (第3層塗布液調製)シアンカプラー(ExC)116
g、添加物(Cpd−7)8.8g、添加物(Cpd−
8)9g、添加物(Cpd−10)4.8g、添加物
(Cpd−13)10gを溶媒(Solv−1)79
g、溶媒(Solv−2)44g、溶媒(Solv−
3)9g、溶媒(Solv−4)4g、及び酢酸エチル
150mlに溶解し、この溶液を10%ドデシルベンゼ
ンスルホン酸ナトリウム80mlを含む10%ゼラチン
水溶液1000gに乳化分散させて乳化分散物Cを調製
した。
【0304】一方、塩臭化銀乳剤R(立方体、平均粒子
サイズ0.17μmの大サイズ乳剤と0.135μmの
小サイズ乳剤との2:8混合物(銀モル比)。粒子サイ
ズ分布の変動係数は、それぞれ13と14。ハロゲン組
成は共にBr/Cl=25/75)を調製した。この乳
剤には下記に示す赤感性増感色素Dが、ハロゲン化銀1
モル当たり、大サイズ乳剤に対しては4.0×10-5
ル、小サイズ乳剤に対しては5.0×10-5モル、増感
色素Eを大サイズ乳剤に対して2.0×10-5モル、小
サイズ乳剤に対しては2.5×10-5モル、増感色素F
を大サイズ乳剤に対して1.0×10-5モル、小サイズ
乳剤に対しては1.2×10-5モル、増感色素Gを大サ
イズ乳剤に対して1.0×10-6モル、小サイズ乳剤に
対しては1.2×10-6モル添加されている。また、こ
の乳剤の化学熟成は硫黄増感剤と金増感剤が添加して最
適に行われた。前記乳化分散物Cとこの塩臭化銀乳剤R
とを混合溶解し、後記組成となるように第3層塗布液を
調製した。乳剤塗布量は銀換算塗布量を示す。第1層〜
第6層用の塗布液も第3層塗布液と同様な方法で調製し
た。各層のゼラチン硬膜剤としては、1−オキシ−3,
5−ジクロロ−s−トリアジンナトリウム塩を用いた。
【0305】各感光性乳剤層の塩臭化銀乳剤には以下の
分光増感色素をそれぞれ用いた。青感性乳剤層
【0306】
【化86】
【0307】(増感色素Aをハロゲン化銀1モル当た
り、大サイズ乳剤に対しては3.0×10-4モル、小サ
イズ乳剤に対しては4.0×10-4モル、また、増感色
素Bを大サイズ乳剤に対しては3.1×10-5モル、小
サイズ乳剤に対しては9.8×10-5モル、増感色素C
を大サイズ乳剤に対しては1.5×10-4モル、小サイ
ズ乳剤に対しては2.5×10-4モル使用した。) 赤感性乳剤層
【0308】
【化87】
【0309】(増感色素Dをハロゲン化銀1モル当た
り、大サイズ乳剤に対しては4.0×10-5モル、小サ
イズ乳剤に対しては5.0×10-5モル、増感色素Eを
大サイズ乳剤に対しては2.0×10-5モル、小サイズ
乳剤に対しては2.5×10-5モル、増感色素Fを大サ
イズ乳剤に対しては1.0×10-5モル、小サイズ乳剤
に対しては1.2×10-5モル、増感色素Gを大サイズ
乳剤に対しては1.0×10-6モル、小サイズ乳剤に対
しては1.2×10-6モル使用した。) 緑感性乳剤層
【0310】
【化88】
【0311】(増感色素Hをハロゲン化銀1モル当た
り、大サイズ乳剤に対しては2.0×10-4モル、小サ
イズ乳剤に対しては4.0×10-4モル、増感色素Iを
大サイズ乳剤に対しては1.5×10-4モル、小サイズ
乳剤に対しては2.7×10-4モル、増感色素Jを大サ
イズ乳剤に対しては1.0×10-5モル、小サイズ乳剤
に対しては1.8×10-5モル使用した。) さらに、以下の化合物を赤感性乳剤層にハロゲン化銀1
モル当たり9.0×10-4モル添加した。
【0312】
【化89】
【0313】また、イラジエーション防止のために、乳
剤層に以下の染料(カッコ内は塗布量を示す)を添加し
た。
【0314】
【化90】
【0315】(層構成)以下に各層の組成を示す。数字
は塗布量(g/m2)を表す。ハロゲン化銀乳剤は銀換算
塗布量を表す。
【0316】支持体 ポリエチレンテレフタレートフィルム (第1層側の反対側にカーボン微粒子を含有したレジン
層が塗設してある)
【0317】 第1層(青感性乳剤層) 塩臭化銀乳剤{立方体、平均ハロゲン化銀組成Br/Cl=0.7モル%:9 9.3モル%、平均粒子サイズ0.6μmの金硫黄増感乳剤B1と乳剤B2(平 均粒子サイズが0.4μmである他は乳剤B1と同じ)の1:3混合物(銀モル 比)。} 0.49 ゼラチン 2.10 イエローカプラー(ExY) 1.18 (Cpd−1) 0.0005 (Cpd−2) 0.03 (Cpd−3) 0.02 (Cpd−4) 0.006 (Cpd−5) 0.019 (Cpd−6) 0.002 溶媒(Solv−1) 0.27
【0318】 第2層(混色防止層) ゼラチン 0.31 (Cpd−9) 0.02 (Cpd−3) 0.04 溶媒(Solv−1) 0.05 溶媒(Solv−4) 0.04 溶媒(Solv−5) 0.01 溶媒(Solv−6) 0.002
【0319】 第3層(赤感性乳剤層) 前記塩臭化銀乳剤R 0.46 ゼラチン 2.44 シアンーカプラー(ExC) 0.69 (Cpd−7) 0.05 (Cpd−8) 0.05 (Cpd−10) 0.03 (Cpd−13) 0.06 溶媒(Solv−1) 0.47 溶媒(Solv−2) 0.26 溶媒(Solv−3) 0.05 溶媒(Solv−4) 0.02
【0320】 第4層(混色防止層) ゼラチン 0.31 (Cpd−9) 0.02 (Cpd−3) 0.03 溶媒(Solv−1) 0.05 溶媒(Solv−4) 0.04 溶媒(Solv−5) 0.01 溶媒(Solv−6) 0.002
【0321】 第5層(緑感性乳剤層) 塩臭化銀乳剤{立方体、平均ハロゲン化銀組成Br/Cl=25モル%:75 モル%、平均粒子サイズ0.18μmの金硫黄増感乳剤G1と乳剤G2(平均粒 子サイズが0.10μmである他は乳剤G1と同じ)の1:3混合物(銀モル比 )。} 0.55 ゼラチン 1.28 マゼンタカプラー(ExM) 0.68 (Cpd−9) 0.014 (Cpd−5) 0.001 溶媒(Solv−1) 0.12
【0322】 第6層(保護層) ゼラチン 0.96 ポリビニルアルコールのアクリル変性共重合体(変性度17%) 0.02 (Cpd−12) 0.04
【0323】
【化91】
【0324】
【化92】
【0325】
【化93】
【0326】
【化94】
【0327】
【化95】
【0328】
【化96】
【0329】
【化97】
【0330】
【化98】
【0331】
【化99】
【0332】
【化100】
【0333】
【化101】
【0334】(試料102〜127の作製)試料101
に対し、支持体を下塗りを施したポリエチレンテレフタ
レートフィルム支持体(厚さ120μm、乳剤塗設面の
反対側に下記の導電性ポリマー(0.05g/m2)と
酸化スズ微粒子(0.20g/m2)を含有する親水性
コロイド層が塗設してある。)に変更し、支持体と第1
層の間に染料固体微粒子分散物を含有する下記組成のハ
レーション防止層を組み込んだ試料102〜127を作
製した。
【0335】(ハレーション防止層の組成) ゼラチン 0.93 染料固体微粒子分散物 0.16
【0336】各試料で用いた染料固体微粒子分散物は、
以下のようにして調製した。 (染料固体微粒子分散物の調製)例示化合物(−1)
のメタノールウエットケーキを化合物の正味量が240
gになるように秤量し、分散助剤として例示化合物(Ia
−12)を48g秤量し、水を加えて4000gとし
た。“流通式サウンドグラインダーミル(UVM−
2)”(アイメックスK.K製)にジルコニアビーズ
(0.5mm径)を1.7リットル充填し、排出量0.
5リットル/min、周速10m/sで2時間粉砕し
た。その後、分散物を化合物濃度が3質量%となるよう
に希釈し、例示化合物VI−2を染料に対し、質量比で3
%添加した(分散物Aと称する)。この分散の平均粒子
サイズは0.45μmであった。上記と同様に、染料の
固体微粒子分散物の調製時に、表1に示すように染料、
分散助剤の種類の変更、分散物調製後の加熱処理の有無
を変更した分散物を調製した。なお、加熱処理を行う場
合、VI−2は加熱処理後に添加した。
【0337】
【表13】
【0338】(処理液の準備)映画用カラーポジフィル
ムの標準的な処理方法として、イーストマンコダック社
から公表されているECP−2プロセスに対し、第一定
着液とそれに続く水洗浴及びサウンド現像工程を除いた
処理プロセスを準備した。作製した全試料について、塗
布銀量の約30%が現像されるような画像を露光した。
露光の終了した試料は上記処理プロセスにて発色現像浴
の補充液量がタンク容量の2倍となるまで連続処理(ラ
ンニングテスト)を実施し、ランニング平衡にある現像
処理状態を作製した。
【0339】 ECP−2プロセス <工程> 工程名 処理温度 (℃) 処理時間 (秒) 補充量 (ml 35mm×30.48m当たり) 1. プレバス 27±1 10〜20 400 2. 水洗 27±1 ジェット水洗 ――― 3. 現像 36.7±0.1 180 690 4. 停止 27±1 40 770 5. 水洗 27±3 40 1200 6. 第一定着 27±1 40 200 7. 水洗 27±3 40 1200 8. 漂白促進 27±1 20 200 9. 漂白 27±1 40 200 10.水洗 27±3 40 1200 11.乾燥 12.サウンド現像 室温 10〜20 ――― (塗り付け) 13.水洗 27±3 1〜2 ――― (スプレー) 14.第二定着 27±1 40 200 15.水洗 27±3 60 1200 16.リンス 27±3 10 400 17.乾燥
【0340】 <処理液処方> 1リットル当たりの組成を示す 工程名 薬品名 タンク液 補充液 プレバス ボラックス 20g 20g 硫酸ナトリウム 100g 100g 水酸化ナトリウム 1.0g 1.5g 現像 コダック アンチカルシウムNo.4 1.0ml 1.4ml 亜硫酸ナトリウム 4.35g 4.50g D−3 2.95g 6.00g 炭酸ナトリウム 17.1g 18.0g 臭化ナトリウム 1.72g 1.60g 水酸化ナトリウム ――― 0.6g 硫酸(7N) 0.62ml ――― 停止 硫酸(7N) 50ml 50ml 定着 (第一 チオ硫酸アンモニウム(58%) 100ml 170ml 第二共通) 亜硫酸ナトリウム 2.5g 16.0g 亜硫酸水素ナトリウム 10.3g 5.8g よう化カリウム 0.5g 0.7g 漂白促進 メタ亜硫酸水素ナトリウム 3.3g 5.6g 酢酸 5.0ml 7.0ml PBA−1 3.3g 4.9g (Kodak Persulfate Bleach Accelerator) EDTA−4Na 0.5g 0.7g 漂白 ゼラチン 0.35g 0.50g 過硫酸ナトリウム 33g 52g 塩化ナトリウム 15g 20g リン酸二水素ナトリウム 7.0g 10.0g リン酸(85%) 2.5ml 2.5ml サウンド現像 Natrosal250HR 2.0g 水酸化ナトリウム 80g ヘキシルグリコール 2.0ml 亜硫酸ナトリウム 60g ヒドロキノン 60g エチレンジアミン(98%) 13ml リンス Kodak Stabilizer Additive 0.14ml 0.17ml Dearcide702 0.7ml 0.7ml
【0341】このようにして得られた感光材料101に
対して、下記に示したこと以外はまったく同様な試料1
02〜127を作製した。 a)支持体と第1層の間に表1に記載した調製方法で作
製された染料固体微粒子分散物を含有するハレーション
防止層を含有すること。 b)第2層塗布液と第4層塗布液にH2SO4とNaOH
を添加することにより、感光材料の皮膜pHを変えたこ
と。 c)第2層塗布液と第4層塗布液に前記記載の一般式
(I)で表される化合物を一律35mg/m2加えたこ
と d)シアンカプラー種を表2に記載のように変更したこ
と。 上記の試料について、塗布後長期に経時されたことをシ
ュミレートする目的で、塗布直後に40℃、相対湿度6
5%の状態で14日間保存した後、以下の評価を行っ
た。
【0342】(鮮鋭度)感光計(富士写真フイルム
(株)製FW型、光源の色温度3200K)を用い、鮮
鋭度測定用光学ウェッジ及びB,G又はRフィルターを
通して1/100秒の露光を与え、イーストマンコダッ
ク社から公表されているECP−2Bプロセスに従って
処理した。鮮鋭度はCTF0.8を与える空間周波数
(本/mm)をもって表した。値が大きいほど鮮鋭度が
高いことを示す。
【0343】(露光温度依存性)感光計(富士写真フイ
ルム(株)製FW型、光源の色温度3200K)を用
い、各3色(青、緑、赤)のフィルターを介して1/1
00秒、6万ルックスでセンシメトリー用の階調露光を
与え、イーストマンコダック社から公表されているEC
P−2Bプロセスに従って処理した。この時、露光時の
試料の温度を14℃と30℃になるような条件下に設定
し、それぞれのセンシトメトリー結果を比較した。各色
(青、緑、赤)ともに14℃での露光感度は30℃での
露光感度に対して低感度であったが、特に青色露光感度
(BL)が他の感度差に対して大きかったため、以下の
ようなBLの感度差ΔSを露光時の温度変化に対する安
定性として評価した。14℃で露光を行ったときのセン
シトメトリーの濃度=0.7におけるBL感度をS1、
30℃で露光を行ったときのセンシトメトリーの濃度=
0.7におけるBL感度をS2とし、露光時の温度変化
に対するグレーバランス変化の尺度としてΔS=(S2
−S1)を計算し、このΔSの値が小さいほど露光時の
温度変化に対する安定性が高いとして評価した。
【0344】(簡易処理適性)前述したECP−2プロ
セスからプレバス浴を除去した処理工程を作製し、この
処理工程を経た試料とECP−2処理工程を経た試料の
差を調べた。これらの結果をまとめて表2に記載した。
【0345】
【表14】
【0346】表2の結果より、本発明の効果は明らかで
ある。まず、レジンバック層を有する試料101はEC
P−2プロセスからプレバス浴を除去した処理工程では
黒色レジンバック除去が不完全であり、試料自体が黒の
ムラ状になり、さらに他の試料の発色現像を不完全にし
た。このように試料101は簡易処理適性の点で好まし
くない。一方、試料101以外の試料はこのようなこと
はなく、簡易処理適性の点で好ましかった。次に、ハレ
ーション防止層を有していない試料102、107〜1
09は鮮鋭度が不足しており、高画質が得られない。さ
らに、本発明の一般式(I)で表される化合物を有して
いないか、あるいは感光材料の皮膜pHが本発明の範囲
に属していない試料103〜106、110〜116は
高画質が得られないか、または露光温度依存性が著しく
悪く、実用に耐えない。この中でも試料106、11
2、113、115及び116は十分な鮮鋭度を有して
いるが、露光温度依存性が著しく悪化しており、また、
40℃以上の加熱処理工程を経て調製されていないハレ
−ション防止層を有した試料103〜105、110、
111及び114いずれも鮮鋭度不足で高画質が得られ
ない。
【0347】従って、本発明のハレーション防止層があ
り、本発明の一般式(I)で表される化合物を含有し、
かつ感光材料の皮膜pHが本発明の範囲に属している試
料117〜127で、初めて高鮮鋭度であり、更にラボ
での感光材料の取扱い性、すなわち、感光材料の露光時
の環境(温度)に対して安定であり、また処理工程の簡
易化が可能なハロゲン化銀カラー写真感光材料を得るこ
とができる。さらに、シアンカプラーの少なくとも1種
を本発明の一般式(A)で表されるカプラーにすること
で、上記の効果が強調されていることも明らかである。
【0348】実施例2 実施例1で作製した試料について、現像処理時に実施例
1で用いた簡易化したECP−2プロセスから、更にプ
レバス浴とそれに続く水洗浴を省略した処理工程にて現
像処理を行った。このとき、試料101は、黒色レジン
バックの除去が不完全、かつ発色現像浴をカーボンの粒
子で汚染し、他の試料の正常な発色現像処理を不可能に
した。一方、試料102〜127は、このより簡略化さ
れた処理工程でも、実施例1と同様に問題なく現像処理
が行え、実施例1と同様なテストにおいても同様の結果
を得た。また、試料123と125に対して、それぞれ
第3層と第5層中のハロゲン化銀乳剤粒子のハロゲン化
銀組成をBr/Cl=25/75から第3層中の乳剤粒
子はBr/Cl=0.9/99.1、第5層中の乳剤粒
子はBr/Cl=1.5/98.5に置き換えた試料1
28と129を作製し、同様な試験を行ったところ、試
料123と125に対して更に安定な露光温度依存性を
示すことがわかった。従って、本発明による試料は、簡
易化された処理工程においても、十分な性能を発揮でき
る。
【0349】実施例3 実施例1で作製した試料117〜127および実施例2
で作製した試料128、129に対して、それぞれ第1
層中の塗布量を2.1倍、第3層中の塗布量を1.6倍
および第5層中の塗布量を1.3倍にしたことのみ異な
る試料130〜142を作製し、実施例1と同様の試験
を行ったところ、実施例1と同様な結果が得られた。
【0350】
【発明の効果】本発明により、高鮮鋭度であって、更に
はラボでの感光材料の取扱い性、すなわち感光材料の露
光時の環境(温度)に対して安定であり、また処理工程
の簡易化が可能となった。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透過型支持体上にイエロー、マゼンタま
    たはシアン色素形成カプラーのいずれかをそれぞれ含有
    し、かつ互いに感色性の異なるハロゲン化銀乳剤粒子を
    含有する少なくとも3種の感光性親水性コロイド層、お
    よび少なくとも1種の非感光性親水性コロイド層を有す
    るハロゲン化銀カラー写真感光材料において、いずれか
    の層に少なくとも1種の下記一般式(I)で表される化
    合物を含有し、該非感光性親水性コロイド層の少なくと
    も1層に下記一般式(II)で表される染料の固体微粒子
    分散物を含み、かつ該ハロゲン化銀カラー写真感光材料
    の皮膜pHが4.6〜6.4であることを特徴とするハ
    ロゲン化銀カラー写真感光材料。 一般式(I) 【化1】 一般式(I)中、R1およびR4はそれぞれ独立に水素原
    子、脂肪族基、芳香族基、複素環基、−NR78、−N
    7CONR78、−NR8COR9または−NR8SO2
    9を表し、R2およびR5はそれぞれ独立に水素原子、
    脂肪族基、芳香族基、複素環基、シアノ基、スルホ基、
    −NR78、−NR8COR9、−NR8SO29、−NR
    7CONR78、−CO27、−CONR78、−CO
    9、−SO29または−SO2NR78を表し、R3
    よびR6はそれぞれ独立に−OR7、−CO27、−CO
    9、−CONR78、−NR78、−NR8COR9
    −NR8SO29、−NR7CONR78、−SO29
    −SO2NR78又はシアノ基を表す。ここで、R7およ
    びR8はそれぞれ独立に水素原子、脂肪族基または芳香
    族基を表し、R9は脂肪族基または芳香族基を表し、R7
    とR8またはR8とR9が互いに連結して5または6員環
    を形成しても良い。L1、L2およびL3は互いに独立し
    てメチン基を表し、mは0、1または2を表し、Mn+
    n価のカチオンを表し、nは1、2または3を表す。 一般式(II) D−(X)y 一般式(II)中、Dは発色団を有する化合物残基を表
    し、Xは解離性水素原子または解離性水素原子を有する
    基を表し、yは1〜7の整数を表す。
  2. 【請求項2】 前記一般式(II)で表される染料の固体
    微粒子分散物が40℃以上の熱処理工程を経て調整され
    た分散物であることを特徴とする請求項1記載のハロゲ
    ン化銀カラー写真感光材料。
  3. 【請求項3】 一般式(I)において、R1およびR4
    少なくとも1個のスルホ基もしくはカルボキシ基を有す
    る基を表すか、またはR2およびR5がスルホ基もしくは
    カルボキシ基を表すか、またはR2およびR5が少なくと
    も1個のスルホ基もしくはカルボキシ基を有する基を表
    すか、またはR3およびR6がカルボキシ基を表すか、ま
    たはR3およびR6がスルホ基もしくはカルボキシ基を有
    する基を表すことを特徴とする請求項1または2記載の
    ハロゲン化銀カラー写真感光材料。
  4. 【請求項4】 シアン色素形成カプラーの少なくとも1
    種が下記一般式(A)で表されることを特徴とする請求
    項3記載のハロゲン化銀カラー写真感光材料。 一般式(A) 【化2】 一般式(A)中、ZaおよびZbはそれぞれ−C(R3
    =または−N=を表す。ただし、ZaとZbのいずれか一
    方は−N=であり、他方は−C(R3)=である。R1
    よびR2は、それぞれ独立にハメットの置換基定数σp
    が0.20以上の電子吸引性基を表し、かつR1とR2
    σp値の和は0.65以上である。R3は水素原子または
    置換基を表す。Xは水素原子、または芳香族第一級アミ
    ンカラー現像主薬の酸化体とのカップリング反応におい
    て離脱しうる基を表す。R1、R2、R3またはXの基が
    2価の基になり、2量体以上の多量体や高分子鎖と結合
    して単量体もしくは共重合体を形成しても良い。
  5. 【請求項5】 含有するすべてのハロゲン化銀乳剤粒子
    のハロゲン組成が塩化銀含有率90モル%以上の塩臭化
    銀、塩沃化銀、塩沃臭化銀または塩化銀であることを特
    徴とする請求項4記載のハロゲン化銀カラー写真感光材
    料。
JP11358018A 1998-12-21 1999-12-16 ハロゲン化銀カラー写真感光材料 Pending JP2000241936A (ja)

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