JP2000241399A - ガス濃度センサ - Google Patents

ガス濃度センサ

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JP2000241399A
JP2000241399A JP11041716A JP4171699A JP2000241399A JP 2000241399 A JP2000241399 A JP 2000241399A JP 11041716 A JP11041716 A JP 11041716A JP 4171699 A JP4171699 A JP 4171699A JP 2000241399 A JP2000241399 A JP 2000241399A
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gas concentration
gas
sensor
concentration sensor
ultrasonic
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Yoshikuni Sato
美邦 佐藤
Hideki Ishikawa
秀樹 石川
Keigo Tomono
圭吾 伴野
Noboru Ishida
昇 石田
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NGK Spark Plug Co Ltd
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    • G01MEASURING; TESTING
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    • G01N2291/02Indexing codes associated with the analysed material
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 取り付け場所を取らず、吸気管に簡易に取り
付け可能なガス濃度センサを提供すること。 【解決手段】 ガス濃度センサ20を、センサ本体であ
るセンサケース21と、センサケース21の下部に突出
して設けられた差込部22と、から構成し、インテーク
マニフォールド4には、取付穴15を形成する。この場
合、取付時には、差込部22を取付穴15に差込み、セ
ンサケース21をインテークマニフォールド4に固定す
るだけで良く、簡単である上、取付時に要する部品点数
も少ない。また、インテークマニフォールド4において
は、取付穴15を形成するだけで良く、加工コストを低
減することができる。また、インテークマニフォールド
4を含んだ吸気管2に大幅な設計変更は必要ない上、取
付穴15さえ形成すれば、任意の箇所に取付可能である
ため、取付場所の省スペース化が図れる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば内燃機関用
エンジンの吸気管へ供給される例えば吸入空気中の蒸発
燃料等の可燃性ガスのガス濃度を測定するガス濃度セン
サに関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、燃料タンクからエンジンの吸
気管への燃料の供給系としては、燃料タンクからフュー
エルポンプにより汲み上げた燃料を、燃料配管を介して
インジェクタへ送る第1の供給系がある。
【0003】また、これとは別に、燃料タンク内に発生
する蒸発燃料をキャニスタで一時的に吸着し、このキャ
ニスタに溜まった燃料をパージして、パージガスとして
吸気管へ送る第2の供給系がある。さらに、エンジンの
吸気管には、排気ガス中のCO、HC、NOx等を低減
させるため、排気ガス再循環装置(EGR)を介して、
排気ガスの一部(以下、EGRガスと記す)が再循環さ
れている。
【0004】従って、エンジンでは、インジェクタから
の噴射燃料に、パージガス等の蒸発燃料(以下単にパー
ジガスと記す)とEGRガスとが加えられ、シリンダ内
で燃焼させるようになっている。そして、噴射燃料とは
別に、パージガスやEGRガスをエンジンの吸気管に供
給すると、エンジンに供給される燃料量が変化するの
で、通常は、インジェクタからの燃料噴射量だけでな
く、パージガスやEGRガスの量についても、排気管に
取り付けられた周知の酸素センサの出力をもとにして制
御するようにしている。
【0005】しかし、酸素センサは、排気ガス中の酸素
濃度を検出するので、吸気管中のパージガスやEGRガ
スの濃度を制御しようとすると、制御遅れが生じる。従
って、例えば燃焼用主燃料系としてパージガスを使用す
るためには、吸気管中でパージガスの濃度を高精度で測
定し、その測定結果に応じてパージガスの供給量を最適
に制御することが極めて重要である。
【0006】パージガスの濃度測定用センサとしては、
例えば超音波を利用したガス濃度センサ(超音波セン
サ)が考えられ、その開発が進められている。図14を
用いて、このガス濃度センサの基本原理及び構成につい
て説明する。ガス濃度センサ60は、図14に示すよう
に、超音波の送信部60b、受信部60a、及び送受信
部60b、60aを制御する駆動・演算用回路を有して
いる。通常、送信部60b及び受信部60aは、吸気管
の内壁の対向する位置に配置される。そして、駆動・演
算用回路の制御により送信部60bから送信された超音
波が、吸気管内を流れるパージガス等を含んだ吸入空気
中を伝播して、受信部60aで受信される仕組みとなっ
ている。
【0007】送信部60bから受信部60aまで伝播す
る超音波の伝播時間は、例えば超音波が伝播する吸入空
気中のパージガスのガス濃度に応じて、変化する。例え
ば、図14(a)に示す様に、パージガスのガス濃度が
低い場合には、送信波形と受信波形とのズレである伝播
時間T1は小さく、一方、図14(b)に示す様に、パ
ージガスのガス濃度が高い場合には、伝播時間T2は大
きい。従って、この伝播時間に対応したセンサ出力を取
り出すことにより、ガス濃度を検出することができる。
【0008】具体的には、送信部60bと受信部60a
との間の距離Lが既知なので、駆動・演算用回路にて、
下記式(1)により、送信部60bから受信部60aへ
伝播する超音波の音速Cを算出し、これをセンサ出力
(電圧)とする。 C=L(送信部と受信部との間の距離)/T(伝播時間)…(1) そして、ガス濃度センサ60において、例えば蒸発燃料
の主成分であるブタンを測定対象である特定ガスとした
場合には、前記式(1)から得られたセンサ出力を図7
に示す関係を用いて、ガス濃度(ブタン濃度)として出
力する。センサ出力とブタン濃度との間には、図7に示
すように、ほぼ比例関係があり、駆動・演算用回路を用
いて、センサ出力からブタン濃度に変換するのである。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】ところで、この様なガ
ス濃度センサ60は、図15の様に、吸気管に取り付け
られる。即ち、吸気管とは別に用意されたセンサ取付管
2aの内壁の対向する位置に送信部60bと受信部60
aとを取り付け、取付箇所で分割した吸気管に、センサ
取付管2aを直列に連結する。
【0010】従って、吸気管にガス濃度センサ60を取
り付ける場合は、センサ取付管2aの取付場所を確保す
るため、吸気管に大幅な設計変更が必要であった。ま
た、ガス濃度センサ60の各部品に加え、センサ取付管
2aを要し、部品点数が多くなるという問題があった。
【0011】一方、センサ取付管2aを設けず、既存の
吸気管の内壁面に送信部60bと受信部60aとを取り
付ける方法も考えられるが、多気筒型エンジンにおける
インテークマニフォールドの様に、樹脂による一体成形
化が進んでいる吸気管等に、この様な加工を施すことは
煩わしく、加工コストも上昇するという問題があった。
【0012】本発明は前記問題点を解決するためになさ
れたものであり、その目的は、取り付け場所を取らず、
吸気管に簡易に取り付け可能なガス濃度センサを提供す
ることである。
【0013】
【課題を解決するための手段及び効果】前記目的を達成
するための請求項1の発明は、被測定ガスを流入出させ
る流入孔及び流出孔を備えた測定室と、該測定室内で互
いに対向する2カ所の壁面の内の一方に設けられ、他方
の壁面に向けて超音波を送信すると共に、該壁面を反射
面として反射してくる超音波の反射波を受信可能な超音
波素子と、を備え、前記超音波素子に対して、超音波を
送信させると共に前記反射波を受信させ、前記超音波の
送信時から前記反射波の受信時までの伝播時間を計測
し、該伝播時間に基づいて、前記被測定ガス中の特定ガ
スのガス濃度を検出可能なガス濃度センサであって、前
記測定室と、前記超音波素子と、をセンサケース内に組
み込むとともに、該センサケースに、前記流入孔及び流
出孔に夫々連結された流入通路及び流出通路を有する差
込部を突設し、該差込部を、内燃機関用エンジンの吸気
管に穿設された取付穴に差込み、前記センサケースを前
記吸気管に固定することにより、前記流入通路及び流出
通路を介して、前記吸気管中を流れる吸入空気を前記被
測定ガスとして前記測定室に流入出させることができる
ようにしたことを特徴とするガス濃度センサを要旨とす
る。
【0014】この様に、測定室内で対向する2箇所の壁
面の一方にのみ超音波素子を設けた請求項1に記載のガ
ス濃度センサは、センサケースと差込部とから成り、吸
気管に形成された取付穴に差込部を差込み、センサケー
スを吸気管に固定できるよう構成されている。
【0015】従って、請求項1に記載のガス濃度センサ
を取り付ける場合は、吸気管(インテークマニフォール
ドを含む)においては、取付穴を形成するだけで良く、
加工コストを低減することができる。また、取付方法と
しては、差込部を取付穴に差込み、センサケースを吸気
管に固定するだけで良く、簡単である上、取付時に要す
る部品点数も少ない。
【0016】また、従来のガス濃度センサと比べ、セン
サ取付管が不要であるため、吸気管に大幅な設計変更は
必要ない上、取付穴さえ形成すれば、既存の吸気管の任
意の箇所に取付可能であるため、取付場所の省スペース
化が図れる。また、請求項2の発明は、被測定ガスを流
入出させる流入孔及び流出孔を備えた測定室と、該測定
室内で互いに対向する2カ所の壁面に夫々設けられ、超
音波を送受信可能な一対の超音波素子と、を備え、一方
の超音波素子に対しては、超音波を送信させると共に、
他方の超音波素子に対しては、該超音波を受信させ、前
記超音波の送信時から受信時までの伝播時間を計測し、
該伝播時間に基づいて、前記被測定ガス中の特定ガスの
ガス濃度を検出可能なガス濃度センサであって、前記測
定室と、前記超音波素子と、をセンサケース内に組み込
むとともに、該センサケースに、前記流入孔及び流出孔
に夫々連結された流入通路及び流出通路を有する差込部
を突設し、該差込部を、内燃機関用エンジンの吸気管に
穿設された取付穴に差込み、前記センサケースを前記吸
気管に固定することにより、前記流入通路及び流出通路
を介して、前記吸気管中を流れる吸入空気を前記被測定
ガスとして前記測定室に流入出させることができるよう
にしたことを特徴とするガス濃度センサを要旨とする。
【0017】この様に、測定室内で対向する2箇所の壁
面の両方に超音波素子を設けた請求項2に記載のガス濃
度センサは、請求項1に記載のガス濃度センサと同様
に、センサケースと差込部とから成り、吸気管に形成さ
れた取付穴に差込部を差込み、センサケースを吸気管に
固定できるよう構成されている。
【0018】つまり、請求項2に記載のガス濃度センサ
では、請求項1に記載のガス濃度センサと同様の効果が
得られる。即ち、請求項2に記載のガス濃度センサを取
り付ける場合は、吸気管(インテークマニフォールドを
含む)においては、取付穴を形成するだけで良く、加工
コストを低減することができる。
【0019】また、取付方法としては、差込部を取付穴
に差込み、センサケースを吸気管に固定するだけで良
く、簡単である上、取付時に要する部品点数も少ない。
また、従来のガス濃度センサと比べ、センサ取付管が不
要であるため、吸気管に大幅な設計変更は必要ない上、
取付穴さえ形成すれば、既存の吸気管の任意の箇所に取
付可能であるため、取付場所の省スペース化が図れる。
【0020】また、請求項3の発明は、前記差込部に対
し、前記吸入空気の前記流入通路への流入を促す吸入空
気導入手段を設けたことを特徴とする請求項1または2
に記載のガス濃度センサを要旨とする。この様に、請求
項3に記載のガス濃度センサでは、吸入空気導入手段を
設けている。
【0021】従って、吸気管(インテークマニフォール
ドを含む)中を流れる吸入空気を、スムースに、流入通
路及び流入孔を介して、測定室内に流入させ、流出孔及
び流出通路を介して、吸気管に流出させることができ
る。そして、この様な吸入空気導入手段の形態として
は、例えば、略平行に配置された流入通路及び流出通路
のセンサケースと反対側の端部間を連結する通路であっ
て、流入通路との連結部分では管径が大きく、流出通路
との連結部分では管径を小さくした連結通路を、差込部
の内部に形成するものであっても良い。この場合、吸気
管中を流れる吸入空気流に対して、流入通路及び流出通
路が略垂直になり、流入通路が、流出通路より前記吸入
空気流の上流側に位置するよう、差込部を吸気管内に配
置し、前記連結通路に吸入空気を流入させれば、連結通
路の上流側と下流側との間に差圧が生じる。従って、測
定室に対して、吸入空気をスムースに流入出させること
ができる。
【0022】また、吸入空気導入手段の形態としては、
吸気管中を流れる吸入空気流に対して略垂直になるよう
配置された流入通路のセンサケースと反対側の開口端に
おいて、前記吸入空気流の下流側に、流入通路と略平行
に設けられたガス導入壁であっても良い。
【0023】また、請求項4の発明は、前記特定ガス
が、内燃機関用エンジンの蒸発燃料であることを特徴と
する請求項1〜3いずれかに記載のガス濃度センサを要
旨とする。請求項4に記載のガス濃度センサは、ガス濃
度センサの測定対象の特定ガスの種類を例示したもので
ある。ここでは、特定ガスを、パージガス等の蒸発燃料
としている。これにより、燃料ガスのガス濃度を正確に
測定できるので、空燃比制御等を好適に行うことができ
る。
【0024】また、請求項5の発明は、前記特定ガス
が、水蒸気であることを特徴とする請求項1〜3いずれ
かに記載のガス濃度センサを要旨とする。請求項5に記
載のガス濃度センサは、ガス濃度センサの測定対象の特
定ガスの種類を例示したものである。ここでは、特定ガ
スを、水蒸気としている。これにより、例えば吸入空気
中の水蒸気濃度(湿度)を正確に測定することができ
る。
【0025】
【発明の実施の形態】以下、本発明のガス濃度センサの
一実施例を、図面を参照して説明する。本実施例におけ
るガス濃度センサは、一般的な直列6気筒エンジンに取
り付けられ使用されるものである。
【0026】まず、本実施例におけるシステム構成を説
明する。図1はガス濃度センサを含むシステム構成図で
ある。図1に示すように、本実施例では、直列6気筒エ
ンジン1の吸気管2の上流側に、吸入空気量を調節する
スロットルバルブ3が配置され、その後方に各気筒に吸
入空気を導入するインテークマニフォールド4が接続さ
れている。インテークマニフォールド4の後方には、エ
ンジン1を介して、排気管(エキゾーストマニフォール
ド)5が接続され、排気管5中には、排気ガス中の酸素
濃度を検出する酸素センサ(全領域空燃比センサ)6が
取り付けられている。また、排気管5の後方には、排気
ガスを浄化する3元触媒7が取り付けられている。
【0027】そして、エンジン1に燃料を供給する経路
としては、液体の燃料を供給する第1の供給系と、気体
(ガス)の燃料を供給する第2の供給系とを備えてい
る。前記第1の供給系では、ガソリンタンク(図示はし
ない)に接続された第1供給路(図示はしない)を介し
て、インジェクタ8に燃料を供給する。インジェクタ8
は、インテークマニフォールド4における各気筒に分岐
した部分に各々取り付けられており、前記第1供給路中
に配置された燃料ポンプ(図示はしない)によって、燃
料の供給を受ける。燃料は、インジェクタ8からインテ
ークマニフォールド4内部に噴射供給される。
【0028】一方、第2の供給系では、キャニスタ9に
接続された第2供給路10を介して、インテークマニフ
ォールド4内部に燃料を供給する。第2供給路10は、
インテークマニフォールド4における各気筒に分岐する
前の部分に接続されている。また、第2供給路10中に
は、パージバルブ11が取り付けられており、その開度
によって燃料の供給量が決まる。
【0029】キャニスタ9は、ガソリンタンクに対し第
3供給路(図示はしない)を介して、接続されている。
従って、ガソリンタンクから蒸発した燃料は、一旦キャ
ニスタ9にて吸着され保持される。パージバルブ11が
開けられると、キャニスタ9には外気が導入され、イン
テークマニフォールド4内部に、燃料のパージが行われ
る。つまり、パージにより発生した蒸発燃料(パージガ
ス)は、パージバルブ11にて供給量を調節され供給さ
れる。尚、蒸発燃料のうち、キャニスタ9からパージ
(蒸発による排出)されたものを、以下パージガスと称
する。
【0030】また、インテークマニフォールド4におけ
る各気筒に分岐する前の部分には、排気管5にその一端
が接続されたEGR用配管12が接続されている。EG
R用配管12中には、EGR制御用バルブ13が取り付
けられており、その開度により、排気ガスのインテーク
マニフォールド4への再循環量が制御される。尚、EG
R用配管12によって、インテークマニフォールド4へ
再循環される排気ガスを、以下EGRガスと称する。
【0031】本実施例におけるガス濃度センサ20は、
図1中に図示はしないが、インテークマニフォールド4
における各気筒に分岐する前の部分であって、第2供給
路10及びEGR用配管12の接続箇所の後方部分に取
り付けられている。従って、ガス濃度センサ20では、
パージガスやEGRガスが供給される吸入空気を被測定
ガスとしている。
【0032】また、このシステムでは、パージガス及び
EGRガスの供給量制御や空燃比制御などを、電子制御
装置(ECU)14で行なっている。このECU14に
は、ガス濃度センサ20、酸素センサ6、エアフロメー
タ15等の各種のセンサから信号が入力する。また、E
CU14から、パージバルブ11、EGR制御用バルブ
13、スロットルバルブ3、インジェクタ8等の各種の
アクチュエータに制御信号を出力する。尚、ECU14
は、ガス濃度センサ20に対しても、そのオン・オフ等
の制御信号を出力する。
【0033】次に、本実施例のガス濃度センサ20の基
本構成及び取り付け方法について説明する。図2に示す
ように、ガス濃度センサ20は、センサ本体であるセン
サケース21と、センサケース21の下部に突出して設
けられた差込部22と、から成る。インテークマニフォ
ールド4におけるガス濃度センサ20の取り付け箇所に
は、差込部22をインテークマニフォールド4内部に差
込むための取付穴15が形成されている。また、センサ
ケース21の下部には、センサケース21の周囲を取り
巻いて凹部23が形成されており、凹部23には、周知
のOリング24がはめ込まれている。
【0034】ガス濃度センサ20を取り付ける際は、ま
ず、差込部22を取付穴15に差込む。そして、取付穴
15の内壁面に、Oリング24を全周に渡って当接さ
せ、取付部分(差込部22と取付穴15との間)の気密
を保たせる。次に、センサケース21とインテークマニ
フォールド4の外壁部分との間をねじ等で固定すれば
(図示はしない)、取付完了である。
【0035】この様に、本実施例のガス濃度センサ20
を取り付ける場合、インテークマニフォールド4におい
ては、取付穴15を形成するだけで良く、加工コストを
低減することができる。さらに、取付方法も前記のよう
に簡単な上、取付時に要する部品点数も少ない。
【0036】また、図15に示した従来のガス濃度セン
サ60と比べ、センサ取付管2aが不要であるため、イ
ンテークマニフォールド4に大幅な設計変更は必要ない
上、取付場所の省スペース化が図れる。次に、図3を用
いて、ガス濃度センサ20の構造を説明する。
【0037】本実施例のガス濃度センサ20は、圧電素
子を利用して超音波を発生する超音波式のガス濃度セン
サであり、特に超音波の送信と受信とが兼用の超音波送
受信素子(素子ASSY)を用いる。具体的には、ガス
濃度センサ20は、図3に示す様な構造を有している。
【0038】ガス濃度センサ20の本体であるセンサケ
ース21は、金属あるいは樹脂による一体構造となって
いる。センサケース21の内部には、パージガスやEG
Rガスを含んだ吸入空気が導入される測定室31と、測
定室31内で対向する2箇所の壁面の一方に設けられた
超音波送受信素子(以下単に超音波素子とも記す)32
と、測定室31内における超音波素子32が設けられた
壁面に対向する他方の壁面であり、超音波素子32から
所定の距離Lだけ離れ、超音波素子32から送信される
超音波を反射させる反射面33と、吸入空気をセンサケ
ース21外から測定室31内に流入させる流入孔34
と、吸入空気を測定室31内からセンサケース21外に
流出させる流出孔35と、を有している。さらに、セン
サケース21には、図示はしないが、駆動・演算用回路
が備えられている。
【0039】また、センサケース21の下部には、差込
部22が突出して設けられており、差込部22は、前記
のようにインテークマニフォールド4内に差込まれ配置
されている。差込部22の内部には、流入通路36及び
流出通路37が形成されていて、各々流入孔34及び流
出孔35に連結されている。流入通路36及び流出通路
37は、差込部22内で略平行に配置され、図3におい
て、左から右に吸入空気を流すインテークマニフォール
ド4に対して、吸入空気を各々上方及び下方に流すよう
に構成されている。また、インテークマニフォールド4
内の吸入空気流に対して、上流側に流入通路36が配置
され、下流側に流出通路37が配置されている。
【0040】さらに、流入通路36及び流出通路37の
下端は、差込部22内で左右方向に形成された連結通路
38によって連結されている。連結通路38は、差込部
22の左右端に開口部を有しており、内部に、インテー
クマニフォールド4内を流れる吸入空気を導入する。ま
た、連結通路38は、内部で2段階の管内径を有してい
る。即ち、上流側の流入通路36との連結部分を含んだ
部分が、下流側の流出通路37との連結部分を含んだ部
分より、管内径が大きく形成されている。そのため、連
結通路38の上流側と下流側との間に差圧が生じる。従
って、連結通路38内に導入された吸入空気が、スムー
スに、流入通路36及び流入孔34を介して、測定室3
1内に流れ込み、流出孔35及び流出通路37を介し
て、インテークマニフォールド4内に流出されるように
なっている。
【0041】また、図4に示すように、超音波素子32
は、圧電素子41と、圧電素子41の測定室31側の端
面に接着された整合層42と、圧電素子41からのセン
サ出力を取り出すよう圧電素子41より引き出された出
力取り出しリード43と、圧電素子41、整合層42及
び出力取り出しリード43の圧電素子41側の端部をモ
ールド材44にて内部で固定する素子ケース45と、か
ら成る。尚、整合層42の測定室31側の端面は、素子
ケース45の測定室31側の端面とほぼ一致するよう配
置されている。また、前記整合層42及び素子ケース4
5の測定室31側の端面には、耐油性及び耐熱性に優れ
た樹脂薄膜が接着されている。尚、出力取り出しリード
43の圧電素子41と反対側の端部は、前記駆動・演算
用回路に連結されている。
【0042】次に、ガス濃度センサ20の駆動・演算用
回路の構成を説明する。図5のブロック図に示す様に、
ガス濃度センサ20の駆動及び演算には、CPU(マイ
コン)51を用いる。超音波の送信及び受信は、送受信
切り換えスイッチ(SW)52a,52bを用いて切り
換える。
【0043】そして、送信時には、ドライバーを用いて
超音波素子32へ電圧を印加し、超音波の送信を行な
う。一方、反射面33で反射した超音波の反射波を受信
する際には、超音波素子32にて得られた受信波形は、
アンプ(増幅AMP)53で所定の増幅が施され、コン
パレータ54を通して整形された波形の信号は、CPU
51内部に導入される。CPU51では、タイマーを用
いて伝播時間を測定し、この測定結果をマップに参照し
て濃度に換算し、その濃度を例えば図示しない表示装置
等に出力する。
【0044】次に、ガス濃度センサ20によって、実際
に蒸発燃料(パージガス)のガス濃度を測定する方法を
説明する。まず、超音波の伝播時間からガス濃度を算出
するための演算式の例について説明する。
【0045】本実施例では、図6に示す様に、超音波の
送信波に、F1とF2という2種類の周波数成分を含め
て送信を行う。即ち、送信周波数をF1からF2に変調
する。その場合には、受信波にも、その周波数変化が反
映されるので、受信波において変調点が出現する時間を
到達時間とする。つまり、周波数の切換点(例えば送信
波−反射波の各々の変調点)間の時間を測定すれば、そ
の伝播時間が判る。
【0046】そして、この様にして伝播時間を測定して
から、超音波の音速Cを、下記式(2)から算出する。
つまり、図3に示した様に、超音波素子32の外表面
(整合層42に樹脂薄膜を隔てた表面)と反射面33と
の距離Lが既知であることから、前記駆動・演算用回路
にて、その距離Lを1往復する時間である伝播時間Tを
測定し、前記距離L及び伝播時間Tを、下記式(2)に
当てはめて、音速Cを算出する。
【0047】 C=2L(素子表面から反射面の往復距離)/T(伝播時間)…(2) 従って、この音速Cに対応した値をセンサ出力(電圧)
として取り出すことにより、ガス濃度を求めることがで
きる。具体的には、ガス濃度センサ20において、例え
ば蒸発燃料を測定対象である特定ガスとし、蒸発燃料の
主成分であるブタンのガス濃度を測定した場合、上記式
(2)から得られたセンサ出力を図7に示す関係をマッ
プとして用いて、ガス濃度(ブタン濃度)として出力す
る。センサ出力とブタン濃度との間には、図7に示すよ
うに、ほぼ比例関係があり、前記駆動・演算用回路を用
いて、センサ出力からブタン濃度に変換するのである。
【0048】そして、実際の反射波の検出は、測定精度
を向上するため下記のように行われる。図8(b)は、
超音波素子32における送受信波形を示す図である。ま
ず、超音波素子32より周波数変調した送信波を送信す
ると、その送信波は、反射面33で反射して、超音波素
子32にて、反射波(第1反射波)として検出される。
この第1反射波は、超音波素子32の表面で反射して、
再度反射面33にて反射し、再度超音波素子32にて、
反射波の反射波(第2反射波)として検出される。以
下、同様な反射が繰り返されるが、伝播距離が長くなる
に従い、反射波は徐々に減衰してゆく。
【0049】その後、最初の送信波が出力されてから所
定時間経過すると、次の送信波を送信するために送受信
切り換えスイッチ52a,52bが切り替えられ、図8
(a)に示すように、次の送信波が送信され、以後、同
様な処理が繰り返される。このとき、マイコン入力波形
(即ちコンパレータ出力)は、図8(c)に示す状態と
なるので、その周波数の変調点間の時間を測定する。つ
まり、受信波を、コンパレータで所定のスレッショルド
レベルに基づいて、デジタル信号(ハイまたはローの2
値信号)に変換した後、マイコンに入力し、内部タイマ
等でデジタル信号の立ち上がり及び立ち下がり時間を測
定することにより、その変調点が判るので、各変調点間
の時間を求めることができる。
【0050】具体的には、まず、送信波の変調点から第
1反射波の変調点までの第1到達時間(従って第1伝播
時間)T1を測定するとともに、送信波の変調点から第
2反射波の変調点までの第2到達時間T3を測定する。
そして、第2到達時間T3から第1到達時間T1を差し
引いて、第2反射波の伝播時間(第2伝播時間T2)を
求める。
【0051】従って、本実施例では、前記の様にして求
めた第2伝播時間T2を用いて、ガス濃度を検出するの
であるが、これは、下記の理由による。例えば、超音波
素子32のモールド材44の経時劣化等により、第1伝
播時間T1は変動する。つまり、第1伝播時間T1のズ
レ発生要因としては、モールド材44が硬化したり、吸
水し重くなると圧電素子41の慣性が変化することによ
り、結果として受信波形の振幅(感度)に影響を与える
のみならず、変調点のズレを伴うことが考えられる。
【0052】つまり、例えば図9に示す様に、経時劣化
のあるセンサ(OLD)と新品のセンサ(NEW)とを
比べると、OLDのセンサでは、第1反射波において、
山数が増加したり振幅が減少するという変化がある。そ
れによりOLDの第1伝播時間T1’は、NEWのセン
サの第1伝播時間T1より長くなってしまう。ところ
が、第2反射波は、同様の傾向で単に素子32表面で反
射した反射波が反射面33で反射するだけであるので、
経時劣化の影響を受けず、よって、NEWのセンサの第
2伝播時間T2とOLDのセンサの第2伝播時間T2’
とは同じとなる。
【0053】従って、前記音速C(つまり、式(2)に
より得られる音速C)を算出する際に用いる伝播時間と
して、この第2伝播時間を用いれば、経時劣化の影響を
受けないので、常に正しい音速Cを測定することができ
る。これは、経時劣化がある場合でも、第2伝播時間を
測定すれば、第1反射波及び第2反射波の変調点も共に
ズレることにより、前記経時変化による変調点のズレは
キャンセルできることになり、経時変化にかかわらず正
しく伝播時間が測定できることになるからである。
【0054】よって、本実施例では、上述した第2伝播
時間を用いて音速Cを算出し、この音速Cに対応したセ
ンサ出力を求め、このセンサ出力を図7の様なマップに
当てはめて、ガス濃度を検出するのである。一方、図1
5に示す従来のガス濃度センサ60では、吸気管2(イ
ンテークマニフォールド4を含む、詳しくは、吸気管2
に直列に連結されたセンサ取付管2a)内を直接測定室
31として、パージガスの濃度を測定する構成を採って
いるが、本実施例のガス濃度センサ20では、インテー
クマニフォールド4内を流れる吸入空気を、流入通路3
6及び流入孔34を介して、測定室31に流入させた上
で、パージガスの濃度を測定する構成を採っている。
【0055】つまり、本実施例のガス濃度センサ20を
用いてパージガス供給量を制御しようとすると、従来の
ガス濃度センサ60に比べ、吸入空気を測定室31に流
入させる分だけ、制御遅れが生じることが懸念される。
図10は、従来のガス濃度センサ60及び本実施例のガ
ス濃度センサ20を用いた実験車両において、空気過剰
率λ(つまり、空燃比)を制御した場合の時間応答性を
比べたものである。
【0056】実験車両としては、直列6気筒2.0Lの
エンジン搭載車を用い、従来のガス濃度センサ60を搭
載した車両におけるガス濃度センサ60の取付位置は、
本実施例のガス濃度センサ20の取付位置と同じとし
た。また、この実験では、インジェクタ8の燃料噴射量
及びパージバルブ11の開度の制御を、ガス濃度センサ
20、60及び排気管5に取り付けられた酸素センサ6
の出力をもとに行った。また、図10中の空気過剰率λ
の値は、前記酸素センサ6にて得られたものである。
【0057】図10に示す様に、この実験では、ある決
められた時間(図10中、「キャニスタパージON」と
示された時間)に、一度パージバルブ11を人為的に開
いた。そして、その後の空気過剰率λ(空燃比)の制御
を、各々のガス濃度センサ20、60の出力をもとに行
った。
【0058】図10から明らかな様に、本実施例のガス
濃度センサ20を用いた場合も、パージバルブ11が開
かれてから、従来のガス濃度センサ60と同様の傾向を
辿って、空気過剰率λ(空燃比)が変化(応答)してい
る。つまり、本実施例のガス濃度センサ20を用いれ
ば、従来のガス濃度センサ60と同様に、空気過剰率λ
(空燃比)を制御することができる。
【0059】以上説明したように、本実施例のガス濃度
センサ20を取り付ける場合、インテークマニフォール
ド4においては、取付穴15を形成するだけで良く、加
工コストを低減することができる。また、ガス濃度セン
サ20の取付時には、差込部22を取付穴15に差込
み、センサケース21とインテークマニフォールド4の
外壁部分との間をねじ等で固定するだけで良く、簡単で
ある上、取付時に要する部品点数も少ない。
【0060】また、従来のガス濃度センサ60と比べ、
センサ取付管2aが不要であるため、インテークマニフ
ォールド4に大幅な設計変更は必要ない上、取付場所の
省スペース化が図れる。また、本実施例のガス濃度セン
サ20では、差込部22の内部に、2段階の管内径を有
する連結通路38を設けたので、吸入空気が、スムース
に、流入通路36及び流入孔34を介して、測定室31
内に流れ込み、流出孔35及び流出通路37を介して、
インテークマニフォールド4内に流出される。
【0061】また、音速Cを算出する際に、第2伝播時
間を用いているため、経時劣化の影響を受けないで、常
に正しい音速Cを測定することができる。以上、本発明
の一実施例について説明したが、本発明は、上記実施例
に限定されるものではなく、種々の態様を採ることがで
きる。
【0062】例えば、上記実施例では、蒸発燃料を測定
対象である特定ガスとしたが、水蒸気を特定ガスとする
こともできる。具体的には、パージバルブ11が閉じて
いる状態で、上記実施例におけるガス濃度センサ20
を、吸入空気中の水蒸気濃度(湿度)を測定するために
用いることができる。つまり、パージバルブ11が閉じ
ている場合、ガス濃度センサ20の測定室31に流入す
る吸入空気に、蒸発燃料は含まれておらず、ガス濃度セ
ンサ20のセンサ出力は、例えば吸入空気中の水蒸気濃
度(湿度)に応じて、変化する。
【0063】図11は、この場合のセンサ出力と水蒸気
濃度(図11中では、絶対湿度(vol%)で示されて
いる)との関係を示している。従って、パージバルブ1
1が閉じている場合は、図11の関係をマップとして用
い、前記駆動・演算用回路を用いて、センサ出力から水
蒸気濃度(湿度)に変換すれば、水蒸気濃度(湿度)が
得られる。
【0064】また、上記実施例では、ガス濃度センサ2
0をインテークマニフォールド4における各気筒に分岐
する前の部分に取り付けたが、この箇所に限らず、取付
穴15が形成された箇所であれば、任意の箇所に取り付
けることができる。例えば、上記実施例のガス濃度セン
サ20を、インテークマニフォールド4における各気筒
に分岐した部分に取り付けても良い。この場合、上記実
施例のガス濃度センサ20では、図15に示した従来の
ガス濃度センサ60に比べ、精度の高いガス濃度の測定
をすることできる。つまり、インテークマニフォールド
4における各気筒に分岐した部分では、管径が絞られて
いるため、この管径に合わせて取り付けられる従来のガ
ス濃度センサ60の場合は、超音波の伝播距離が短くな
ることになる。この場合、超音波の伝播時間が短くなる
ため、ガス濃度によって変化する伝播時間の時間変化も
非常に小さくなる。従って、取付箇所にかかわらず測定
室31内で十分な伝播距離が確保される上記実施例のガ
ス濃度センサ20では、分解能的に測定精度が悪くなる
従来のガス濃度センサ60に比べ、精度の高いガス濃度
の測定ができるのである。
【0065】また、上記実施例のガス濃度センサ20の
差込部22は、内部に流入通路36及び流出通路37の
両方を備えたものとしたが、例えば図12に示す様に、
流入通路36のみを備えた差込部22aと流出通路37
のみを備えた差込部22bとを、各々流入孔34と流出
孔35とに連結しても良い。この場合、ガス濃度センサ
20の取付箇所(例えば、インテークマニフォールド
4)に2つの差込部22a、22bに対応した2箇所の
取付穴15a、15bを形成し、この取付穴15a、1
5bに差込部22a、22bを差込んだ上、センサケー
ス21と取付箇所との間をねじ等で固定すれば(図示は
しない)、取付完了となる。
【0066】尚、この場合、差込部22a、22bの各
々の周囲を取り巻いて凹部(図示はしない)を形成し、
この凹部にOリング(図示はしない)をはめ込んだ上、
取付時にOリングを取付穴15a、15bの内壁面に全
周に渡って当接させれば、取付部分(差込部22a、2
2bと取付穴15a、15bとの間)の気密を保つこと
ができる。
【0067】また、例えば図12に示す様に、差込部2
2aのセンサケース21と反対側の端部における、ガス
濃度センサ20が取り付けられたインテークマニフォー
ルド4等の内部を流れる吸入空気の下流側の部分に、上
下に配置されるガス導入壁22cを設ければ、吸入空気
をスムースに流入通路36に流入させることができる。
【0068】また、上記実施例では、第2到達時間T3
から第1到達時間T1を差し引いて、第2反射波の伝播
時間(第2伝播時間T2)を求めることとして説明した
が、第n+1到達時間Tn+2から第n到達時間Tn+
1を差し引いて、第n+1反射波の伝播時間(第n+1
伝播時間Tn+1)を求めることとしても良い(nは2
以上の整数)。但し、伝播距離が長くなるに従い、反射
波は徐々に減衰してゆくので、反射回数が増すごとに、
測定精度は下がる。
【0069】また、ある変調点を検出してから次の変調
点を検出するまでの時間(例えば、第1反射波の変調点
から第2反射波の変調点までの時間)を伝播時間として
直接に計測しても良く、この場合も上記実施例と同様の
結果が得られる。また、変調点での波形は、コンパレー
タ54のスレッショルドレベルの設定によっては、再現
性が欠ける場合があるので、その変調点を基準に前何山
目かの波形を検出する等、変調点を目安として使用して
も良い。
【0070】また、上記実施例では、送信波の周波数を
F1からF2に1回だけ周波数変調したが、2回以上の
周波数変調を伴なった送信波としても良いのはいうまで
もない。また、上記実施例では、周波数変調を伴なった
超音波を送信したが、逆位相成分を入れた超音波を送信
してもよい。例えば、図13(a)に示す様に、逆位相
成分(180度)を導入した超音波を送信すれば、送信
波の逆位相ポイントには、信号波形が表れない。
【0071】そして、図13(b)に示す様に、受信波
である反射波にも、逆位相ポイントに対応して信号波形
がない箇所が表れる。従って、逆位相成分が導入された
点(変調点)を、上記実施例の周波数変調点と同様に、
測定基準とすることで、伝播時間を測定し、ガス濃度を
測定することができる。
【0072】具体的には、例えば、第2反射波の逆位相
ポイントが表れる時間から、第1反射波の逆位相ポイン
トが表れる時間を差し引いて、第2反射波の伝播時間
(第2伝播時間)を正確に求めることができるので、こ
の第2伝播時間に基づいて、ガス濃度を測定することが
できる。
【0073】また、一般的な位相変調による位相の切換
点を入れた超音波を送信しても良い。例えば、超音波素
子に送信させる超音波の波形に少なくとも1箇所の位相
切換点(例えば、位相をθ度から(θ+180)度に切
換えた点)を導入すれば、受信波である反射波にもこの
位相切換点が反映されて表れる。従って、この位相切換
点(変調点)を、上記実施例の周波数変調点と同様に、
測定基準とすることで、伝播時間を測定し、ガス濃度を
測定することができる。
【0074】具体的には、例えば、第2反射波の逆位相
ポイントが表れる時間から、第1反射波の逆位相ポイン
トが表れる時間を差し引いて、第2反射波の伝播時間
(第2伝播時間)を正確に求めることができるので、こ
の第2伝播時間に基づいて、ガス濃度を測定することが
できる。
【0075】また、上記実施例では、測定室31内で対
向する2箇所の壁面の一方にのみ、超音波素子32を設
けたが、測定室31内で対向する2箇所の壁面の両方
に、超音波素子32を設けても良い。なお、この場合、
一方の超音波素子32は超音波の送信用で、他方の超音
波素子32は超音波の受信用である。そして、2つの超
音波素子32は共に、図4に示す構造を有している。
【0076】尚、この場合のガス濃度センサ20は、以
下に述べる点で上記実施例のガス濃度センサ20と異な
っている。まず、このガス濃度センサ20の場合、図5
に示した駆動・演算用回路中に送受信切り換えスイッチ
52a、52bはなく、ドライバーは送信用の超音波素
子32にのみ連結され、受信用の超音波素子32のみが
アンプ(増幅AMP)53に連結されている。
【0077】また、2つの超音波素子32の外表面間の
距離をLとすれば、この場合の駆動・演算用回路は、音
速Cを次の様に算出する。まず、送信用の超音波素子3
2からドライバーを介して、例えば図6に示す様な周波
数変調を伴った超音波を送信すると、受信用の超音波素
子32にて受信される超音波にも、送信波と同様な周波
数変化が反映される。そして、送信用の超音波素子32
からの送信波の変調点と受信用の超音波素子32におけ
る最初の受信波の変調点との間の伝播時間t1から音速
Cを求める場合は、上記実施例の場合と異なり、伝播距
離がLとなるので、下記式(3)により、音速Cを算出
する。
【0078】 C=L(2つの素子表面間の距離)/t1(伝播時間)…(3) なお、この場合の超音波素子32の場合も、例えばモー
ルド材44の経時劣化等により、前記の最初の伝播時間
t1にズレが発生する。そこで、この場合は、送信波の
変調点から受信用の超音波素子32に最初に到達する受
信波の変調点までの第1到達時間t1(第1伝播時間t
1)を測定するとともに、送信波の変調点から受信用の
超音波素子32に2回目に到達する超音波(つまり、受
信用の超音波素子32に最初に到達した際、受信用の超
音波素子32の表面で反射し、送信用の超音波素子32
の表面でも反射して、再度受信用の超音波素子32にて
検出される超音波)の変調点までの第2到達時間t3を
測定する。そして、第2到達時間t3から第1到達時間
t1を差し引くことによって、受信用の超音波素子32
の表面で最初に反射してから、2つの超音波素子32間
を超音波が1往復するのに要した時間t2(第2伝播時
間t2)を求める。これは、受信用の超音波素子32に
最初に到達した超音波が、2箇所の超音波素子32間を
単に同様の傾向を伴って往復し、再度受信用の超音波素
子32に到達するので、第2伝播時間t2には、経時劣
化の影響が出ないためである。なお、この際、駆動・演
算用回路では、音速Cを下記式(4)によって算出す
る。
【0079】 C=2L(2つの素子表面間の往復距離)/t2(伝播時間)…(4) 即ち、この場合のガス濃度センサ20では、第1伝播時
間t1によって音速Cを求める場合のみ、式(3)を用
い、第n+1伝播時間tn+1(nは1以上の整数)に
よって音速Cを求める場合は式(4)を用いる(但し、
式(4)中、「t2(伝播時間)」とあるのを、「tn
+1(伝播時間)」として用いる)。
【0080】なお、第n+1伝播時間tn+1を求める
場合は、第n+1到達時間tn+2から第n到達時間t
n+1を差し引いて、求める。但し、伝播距離が長くな
るに従い、受信用の超音波素子32における受信波は徐
々に減衰してゆくので、nが増すごとに、測定精度は下
がる。
【0081】また、受信用の超音波素子32にてある変
調点を検出してから次の変調点を検出するまでの時間
(例えば、受信用の超音波素子32に最初に到達した超
音波の変調点から、前記のように受信用の超音波素子3
2に2回目に到達した超音波の変調点までの時間)を伝
播時間として直接に計測しても良く、この場合も同様の
結果が得られる。
【0082】尚、前記において、連結通路38及びガス
導入壁22cは、本発明の吸入空気導入手段に相当す
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例のガス濃度センサの制御装置を含むシ
ステム全体を示すシステム構成図である。
【図2】 ガス濃度センサの基本構成及び取り付け方法
を示す説明図である。
【図3】 ガス濃度センサ全体の断面構造を示す説明図
である。
【図4】 超音波送受信素子の構造を示す説明図であ
る。
【図5】 ガス濃度センサの電気的構成を示すブロック
図である。
【図6】 1回の周波数変調を伴った送信波形を示した
図である。
【図7】 センサ出力とブタン濃度との関係を示すグラ
フである。
【図8】 (a)は送受信切り替えスイッチによる信号
を示すタイミングチャート、(b)は送受信波形を示す
タイミングチャート、(c)はコンパレータ出力を示す
タイミングチャートである。
【図9】 センサの新品と劣化品における超音波の送受
信波形を示すタイミングチャートである。
【図10】 従来のガス濃度センサ及び実施例のガス濃
度センサを用いた車両において、空燃比を制御した場合
の時間応答性を表した実験結果である。
【図11】 センサ出力と水蒸気濃度(湿度)との関係
を示すグラフである。
【図12】 変形例としてのガス濃度センサを示す説明
図である。
【図13】 (a)は1点の逆位相成分を導入した送信
波形を示した図、(b)は送受信波形を示すタイミング
チャートである。
【図14】 ガス濃度センサの基本原理を示す説明図で
ある。
【図15】 従来のガス濃度センサを示す説明図であ
る。
【符号の説明】
1…エンジン、2…吸気管、4…インテークマニフォー
ルド、15、15a、15b…取付穴、20…ガス濃度
センサ、21…センサケース、22、22a、22b…
差込部、31…測定室、32…超音波素子、33…反射
面、34…流入孔、35…流出孔、36…流入通路、3
7…流出通路。
フロントページの続き (72)発明者 伴野 圭吾 愛知県名古屋市瑞穂区高辻町14番18号 日 本特殊陶業株式会社内 (72)発明者 石田 昇 愛知県名古屋市瑞穂区高辻町14番18号 日 本特殊陶業株式会社内 Fターム(参考) 2G047 AA01 BA03 BC02 BC15 BC16 GG33

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被測定ガスを流入出させる流入孔及び流
    出孔を備えた測定室と、 該測定室内で互いに対向する2カ所の壁面の内の一方に
    設けられ、他方の壁面に向けて超音波を送信すると共
    に、該壁面を反射面として反射してくる超音波の反射波
    を受信可能な超音波素子と、を備え、 前記超音波素子に対して、超音波を送信させると共に前
    記反射波を受信させ、前記超音波の送信時から前記反射
    波の受信時までの伝播時間を計測し、該伝播時間に基づ
    いて、前記被測定ガス中の特定ガスのガス濃度を検出可
    能なガス濃度センサであって、 前記測定室と、前記超音波素子と、をセンサケース内に
    組み込むとともに、 該センサケースに、前記流入孔及び流出孔に夫々連結さ
    れた流入通路及び流出通路を有する差込部を突設し、 該差込部を、内燃機関用エンジンの吸気管に穿設された
    取付穴に差込み、前記センサケースを前記吸気管に固定
    することにより、前記流入通路及び流出通路を介して、
    前記吸気管中を流れる吸入空気を前記被測定ガスとして
    前記測定室に流入出させることができるようにしたこと
    を特徴とするガス濃度センサ。
  2. 【請求項2】 被測定ガスを流入出させる流入孔及び流
    出孔を備えた測定室と、 該測定室内で互いに対向する2カ所の壁面に夫々設けら
    れ、超音波を送受信可能な一対の超音波素子と、を備
    え、 一方の超音波素子に対しては、超音波を送信させると共
    に、他方の超音波素子に対しては、該超音波を受信さ
    せ、前記超音波の送信時から受信時までの伝播時間を計
    測し、該伝播時間に基づいて、前記被測定ガス中の特定
    ガスのガス濃度を検出可能なガス濃度センサであって、 前記測定室と、前記超音波素子と、をセンサケース内に
    組み込むとともに、 該センサケースに、前記流入孔及び流出孔に夫々連結さ
    れた流入通路及び流出通路を有する差込部を突設し、 該差込部を、内燃機関用エンジンの吸気管に穿設された
    取付穴に差込み、前記センサケースを前記吸気管に固定
    することにより、前記流入通路及び流出通路を介して、
    前記吸気管中を流れる吸入空気を前記被測定ガスとして
    前記測定室に流入出させることができるようにしたこと
    を特徴とするガス濃度センサ。
  3. 【請求項3】 前記差込部に対し、前記吸入空気の前記
    流入通路への流入を促す吸入空気導入手段を設けたこと
    を特徴とする請求項1または2に記載のガス濃度セン
    サ。
  4. 【請求項4】 前記特定ガスが、内燃機関用エンジンの
    蒸発燃料であることを特徴とする請求項1〜3いずれか
    に記載のガス濃度センサ。
  5. 【請求項5】 前記特定ガスが、水蒸気であることを特
    徴とする請求項1〜3いずれかに記載のガス濃度セン
    サ。
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