JP2002005901A - ガスセンサ、ガス濃度及び流量測定方法 - Google Patents

ガスセンサ、ガス濃度及び流量測定方法

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JP2002005901A
JP2002005901A JP2000186380A JP2000186380A JP2002005901A JP 2002005901 A JP2002005901 A JP 2002005901A JP 2000186380 A JP2000186380 A JP 2000186380A JP 2000186380 A JP2000186380 A JP 2000186380A JP 2002005901 A JP2002005901 A JP 2002005901A
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gas
flow rate
concentration
measured
sensor
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JP2000186380A
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Keigo Tomono
圭吾 伴野
Yoshikuni Sato
美邦 佐藤
Hideki Ishikawa
秀樹 石川
Noboru Ishida
昇 石田
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Niterra Co Ltd
Original Assignee
NGK Spark Plug Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 単一のセンサにより、パージガス中の蒸発燃
料濃度とパージガス流量とを測定することができるガス
センサ及びそのセンサを利用する測定方法を提供するこ
と。 【解決手段】 ガス濃度測定は以下のように行う。超音
波素子35により送信し、受信した受信波は、整形さ
れ、積分回路67により積分され、ピークホールド回路
69にてピーク値を保持される。そのピーク値を基に抵
抗分圧回路71において判定値を設定し、比較器73に
て受信波の積分値がその設定値に達したと判定した時間
をを到達時間とする。そして発信時間から到達時間まで
の期間に基づき、ガス濃度を検出する。又、ガス流量測
定は、サーミスタ48を流量測定回路76により一定温
度に制御し、サーミスタ48にかかる電圧をガス流量を
示す信号値として検出することにより行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば、被測定ガ
ス中の特定成分の濃度及び被測定ガスの流量を測定する
ためのガスセンサ、及び被測定ガス中の特定成分の濃度
及び被測定ガスの流量測定方法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】従来よ
り、エンジンへ燃料を供給する系統としては、フューエ
ルポンプにより、燃料タンクから燃料配管を通してイン
ジェクタへ燃料を送るメインの系統とともに、燃料タン
ク内に発生する蒸発燃料を、キャニスタで一時的に吸着
させ、このキャニスタに溜まった蒸発燃料を、空気との
混合ガス(パージガス)として、キャニスタパージライ
ンを通して吸気管へ送り、吸入空気とともにエンジンに
導入する系統がある。
【0003】上記メインの系統によって、インジェクタ
から供給する燃料量は、エンジン内で燃焼に関与するガ
ス中での燃料と空気の比率が理論空燃比になるように制
御されているが、パージガスの一部として吸気管から導
入される蒸発燃料により、前記燃料と空気の比率が、理
論空燃比からずれることがある。その場合には、触媒に
よるCO、HC、NOxの浄化能力が激減し、排出ガス
中の前記成分が増加してしまう。
【0004】そこで、パージガスの流量及びその中の蒸
発燃料濃度を、キャニスタパージライン又は吸気管に設
置したガスセンサにより測定し、これらの測定値を基に
キャニスタパージラインから蒸発燃料として供給される
燃料の量を計算し、その分だけ、インジェクタから供給
する燃料供給量を減らすことが行われてきた。
【0005】しかし、パージガスの流量及びその中の蒸
発燃料濃度を測定するためには、蒸発燃料濃度測定用の
ガス濃度センサ、及びパージガス流量測定用のガス流量
センサがそれぞれ必要であるため、センサシステムが高
価になるという問題があった。
【0006】本発明は、前記問題点を解決するためにな
されたものであり、その目的は、単一のガスセンサによ
り、パージガス中の蒸発燃料濃度とパージガス流量とを
測定することができるガスセンサ、並びにそのセンサを
利用するガス濃度及び流量の測定方法を提供することで
ある。
【0007】
【課題を解決するための手段及び発明の効果】(1)請
求項1の発明は、超音波を超音波素子により送信し、そ
の送信波又はその送信波の反射波を別の超音波素子又は
同じ超音波素子によって受信し、前記超音波の送信から
受信までの伝播時間を計測し、前記伝播時間に基づいて
被測定ガス中の特定成分濃度を測定するガスセンサであ
って、前記被測定ガス中の特定成分濃度を測定する濃度
測定手段と、前記被測定ガスの流量を測定する流量測定
手段とを備えるとともに、前記濃度測定手段は、前記被
測定ガスの圧力又は前記受信波の強度に基づいて判定値
を設定する判定値設定手段と、前記伝播時間を計測する
場合には、前記受信波の強度が、前記判定値に達した時
間を前記受信波の到達時間とする時間計測手段と、を備
えることを特徴とするガスセンサを要旨とする。
【0008】本発明のガスセンサは、(a)超音波の受
信波の伝播時間から被測定ガス中の特定成分の濃度を測
定し、しかも、(b)被測定ガスの流量を測定する。以
下、(a),(b)の機能について説明する。 (a)本発明のガスセンサでは、超音波が送信された時
間から、受信された時間(到達時間)までの時間(伝播
時間)を測定し、その伝播時間を用いて、超音波の伝播
速度を算出する。そして、超音波の伝播速度が、被測定
ガス中の特定成分の濃度に依存する性質を利用し、前記
伝播速度を基に、被測定ガス中の特定成分の濃度を検出
する。
【0009】特に本発明では、到達時間を計測する場
合、受信波の強度(例えば、受信波の波形の積分値、又
は、受信波の波形における振幅の最大値)が判定値を越
えた時間を到達時間とする。又、本発明では、前記判定
値を、被測定ガスの圧力に応じて変化させることによ
り、被測定ガスの圧力が変動しても、超音波の到達時間
を正確に計測することができる。
【0010】つまり、被測定ガスの圧力が低い程、その
中を伝播する超音波の減衰は大きくなり、受信波の強度
は小さくなる。そのため、判定値が固定の値ならば、受
信波の強度が小さくなると、受信波の強度が判定値を越
える時間が遅くなり、結果として、伝播時間の計測値が
真の値よりも大きくなる。言い換えれば、被測定ガスの
圧力により、超音波の伝播時間の測定値が影響を受け、
特定成分の濃度測定が不正確になってしまう。
【0011】そこで本発明では、判定値を、被測定ガス
の圧力に応じて変化させることにより、被測定ガスの圧
力に依存しないで到達時間を計測することができる。例
えば、被測定ガスの圧力が低いときには、判定値を小さ
くすることにより、超音波の到達時間が実際より遅く計
測されることを防止する。
【0012】判定値を設定する具体的方法としては、例
えば、圧力センサ(例えばダイヤフラム式圧力センサ)
により被測定ガスの圧力を測定し、その圧力に基づいて
判定値を設定する方法がある。又、例えば、超音波の受
信波の強度が、被測定ガスの圧力に依存する性質を利用
し、受信波の強度(例えば、受信波の波形の積分値、又
は受信波の波形における振幅の最大値)に基づいて判定
値を設定する方法がある。その場合、例えば、上記強度
が小さいときは、判定値を小さく設定する。
【0013】(b)本発明のガスセンサでは、例えば、
熱線式流量測定方式により、被測定ガスの流量を測定す
ることができる。その場合、例えば、被測定ガスの流路
に、サーミスタを設置し、サーミスタを一定温度(即ち
一定の抵抗)に制御する。その時、被測定ガスの質量流
量(流量と単位体積あたりの質量の積)が大きいほど、
サーミスタから奪われる熱量が大きいため、サーミスタ
を一定温度に保つのに要する電圧が高くなる。このこと
を利用し、サーミスタにかかる電圧を、被測定ガスの質
量流量を示すセンサ信号として検出し、さらにそのセン
サ信号を、流量(体積流量)を示す信号に変換する。
【0014】又、被測定ガスの流量を測定する他の方法
として、例えば、圧力センサ(例えばダイヤフラム式圧
力センサ)により、被測定ガスの圧力を測定し、その圧
力値から被測定ガスの流量を算出する方法がある。例え
ば、配管を流れる被測定ガスの流量を測定する場合、ま
ず、配管内の差圧(例えば、配管の出入り口の差圧)
を、圧力センサにより測定する。この時、例えば、配管
の一端における圧力が常に一定であるならば、配管の他
端における圧力さえ測定すれば、差圧を算出することが
できる。
【0015】次に、配管内を流れる被測定ガスの流量
と、配管内の差圧とは一定の関係にある(差圧が大きい
ほど流量は大きい)ことを利用し、差圧から流量を算出
する。具体的には、例えば、差圧と流量との関係を示す
マップを作成しておき、そのマップと実際の差圧の測定
値とから、被測定ガスの流量を算出する。
【0016】つまり、被測定ガスの流量は、配管に生じ
ている差圧に依存する性質を利用して、実際に測定した
差圧を基に、被測定ガスの流量を算出する。本発明のガ
スセンサは、1個のセンサで被測定ガス中の特定成分濃
度と被測定ガスの流量との両方を測定できるため、ガス
濃度とガス流量とを別々のガスセンサで測定していた従
来の方式に比べ、ガスセンサに要する費用と、ガスセン
サを設置するスペースを低減することができる。
【0017】(2)請求項2の発明は、前記濃度測定手
段と前記流量測定手段とが、同一の筐体内に配置されて
いることを特徴とする前記請求項1に記載のガスセンサ
を要旨とする。本発明のガスセンサは、一つの筐体内に
濃度測定手段と前記流量測定手段とが収まっているの
で、ガスセンサを一層小型化することができ、又、ガス
センサの設置スペースを一層小さくすることができる。
【0018】(3)請求項3の発明は、前記被測定ガス
の流路のうち、前記濃度測定手段を行う流路と、前記流
量測定手段を行う流路とが、同一であることを特徴とす
る前記請求項2に記載のガスセンサを要旨とする。本発
明のガスセンサでは、特定成分の濃度測定を行う流路
と、被測定ガスの流量測定を行う流路とが共通であるた
め、ガスセンサの構造を単純にできるという利点があ
る。そのため、ガスセンサの一層の小型化及び製造コス
トの低減が可能になる。
【0019】本発明のガスセンサは、特定成分の濃度測
定手段と、被測定ガスの流量測定手段とが、互いに影響
を与えない場合(例えば、特定成分の濃度を、超音波の
伝播時間を用いて測定し、被測定ガスの流量を、被測定
ガスの圧力から算出する場合)に適している。
【0020】(4)請求項4の発明は、前記被測定ガス
の流路のうち、前記濃度測定手段を行う流路と、前記流
量測定手段を行う流路とが、同一でないことを特徴とす
る前記請求項2に記載のガスセンサを要旨とする。本発
明のガスセンサでは、特定成分の濃度測定を行う流路
と、被測定ガスの流量測定を行う流路とが別である(例
えば、分岐した流路である)ため、それぞれの測定が他
の測定に影響を与えることがないという利点を有する。
【0021】例えば、特定成分の濃度を、超音波の伝播
時間を用いて測定し、被測定ガスの流量を、熱線式流量
測定方式で測定する場合でも、それぞれの測定を行う流
路が別々であるため、例えば、熱線式流量測定方式に用
いるサーミスタによって、超音波の伝播を妨げることが
ない。
【0022】(5)請求項5の発明は、前記流量測定手
段が、熱線式流量測定手段であることを特徴とする前記
請求項1〜4のいずれかに記載のガスセンサを要旨とす
る。本発明は、被測定ガスの流量を測定する手段を例示
している。熱線式流量測定手段は、前述したように、サ
ーミスタの温度を一定に保つために要する電圧が、被測
定ガスの質量流量に依存することを利用して、まず質量
流量を検出し、更にその質量流量から、流量(体積流
量)を求める方法である。
【0023】そして、質量流量から流量(体積流量)を
求める方法としては、例えば、質量流量、被測定ガスの
組成、及び流量(体積流量)とが、互いに関連する値で
あることを利用し、被測定ガスの組成と質量流量とか
ら、流量(体積流量)を算出する方法がある。
【0024】具体的には、例えば、被測定ガスの組成、
質量流量、体積流量の関係を示すマップを作成してお
き、そのマップと、被測定ガスの組成、及び実際の質量
流量の測定値とから、体積流量を算出する。尚、例え
ば、被測定ガスの組成が特定成分濃度により決まる場合
には、上記算出に用いる被測定ガスの組成を、本発明の
ガスセンサを用いて測定した特定成分濃度を用いて決め
ることができる。
【0025】熱線式流量測定方式は、一旦ガス圧力を測
定し、そのガス圧力からガス流量を算出する方法ではな
く、直接ガス流量を測定する方法であるため、正確にガ
ス流量を測定することができるという長所を有する。 (6)請求項6の発明は、前記被測定ガスとは、内燃機
関における吸気管又はキャニスタパージライン内のガス
であり、前記特定成分とは、内燃機関用の燃料であるこ
とを特徴とする前記請求項1〜5のいずれかに記載のガ
スセンサを要旨とする。
【0026】本発明は、被測定ガスと特定成分を例示し
ている。本発明のガスセンサは、吸気管又はキャニスタ
パージライン内のガス流量と、そのガス中の蒸発燃料濃
度とを測定することができるため、例えば、内燃機関に
供給される燃料と空気の比率の適切な制御に利用するこ
とができる。
【0027】つまり、本発明のガスセンサにより測定し
た吸気管又はキャニスタパージライン内における蒸発燃
料濃度と、吸気管又はキャニスタパージライン内を流れ
るガスの流量とから、蒸発燃料として、吸気管から内燃
機関に供給される燃料量(以下蒸発燃料量)を算出でき
る。
【0028】従って、上記蒸発燃料量と、インジェクタ
から供給される既知量の燃料量とから、内燃機関に供給
される燃料の総量を正確に算出でき、その総量を基にし
て、内燃機関内で燃焼に関与するガスにおける燃料と空
気の比率を適切に制御できる。その結果、内燃機関から
出る排ガス中に含まれる有害成分を低減することができ
る。
【0029】(7)請求項7の発明は、前記請求項1〜
6のいずれかに記載のガスセンサを用いて、被測定ガス
中の特定成分濃度及び/又は被測定ガスの流量を測定す
るガス濃度及び流量測定方法を要旨とする。本発明の測
定方法を用いることにより、前記請求項1〜6のいずれ
かに記載の効果と同様の効果を奏する。
【0030】尚、本発明の測定方法では、被測定ガス中
の特定成分濃度及び被測定ガスの流量の両方を測定する
ことができ、又、それらのうち一方のみを測定すること
もできる。
【0031】
【発明の実施の形態】以下に本発明におけるガスセンサ
と、ガス濃度及び流量測定方法の実施の形態の例(実施
例)を説明する。 (実施例1)本実施例1のシステムは、自動車用エンジ
ンの燃料供給系統に関するものであり、超音波の伝播時
間を利用して雰囲気ガス(被測定ガス)中の蒸発燃料濃
度を測定するとともに、熱線式流量測定手段により雰囲
気ガスの流量を測定するガスセンサ(濃度及び流量セン
サ)を、吸気管及びキャニスタパージラインに備えてい
る。
【0032】a)まず本実施例1における自動車用エン
ジンの燃料供給系統の構成について、図1を用いて説明
する。本実施例1の自動車用エンジンの燃料供給系統
は、主として、エンジン11、エンジン11の運転条件
を制御するECU9、エンジン11に供給する燃料を貯
蔵するガソリンタンク12、エンジン11に供給される
燃料量を調整するインジェクタ13、エンジン11に空
気を供給する吸気管10、吸気管10を流れる空気流量
を測定し、その流量を調整するエアフローセンサ19、
ガソリンタンク12で蒸発した燃料を一時的にトラップ
するキャニスタ14、キャニスタ14に溜まった蒸発燃
料を吸気管10に送るキャニスタパージライン15、キ
ャニスタパージライン15を開閉するパージバルブ1
8、エンジン11から出される排気を送り出すための排
気管16、排気管16内のO2濃度を測定するO2センサ
17、蒸発燃料濃度及び雰囲気ガス流量を測定するため
のガス濃度及び流量センサ3(キャニスタパージライン
15に設置したものを3a、吸気管10に設置したもの
を3bとする)から構成される。
【0033】本実施例1の燃料供給系統において、ガソ
リンタンク12で発生した蒸発燃料は、キャニスタ14
で一時トラップされた後、吸気管10の負圧によって吸
引され、空気との混合ガス(パージガス)として、キャ
ニスタパージライン15を経て、吸気管10に至り、吸
入空気とともにエンジン11に送り込まれる。
【0034】又、ECU9は、ガス濃度及び流量センサ
3、O2センサ17、エンジン11から送られる信号の
基づいて判断し、インジェクタ13、エアフローセンサ
19、パージバルブ18の開閉を調整し、エンジン11
の運転状態を制御する。特に、ECU9は、ガス濃度及
び流量センサ3により検出される吸気管10及びキャニ
スタパージライン15内のガス流量、及び蒸発燃料濃度
に基づき、吸気管10から導入される燃料量を算出し、
その燃料量を用いて、エンジン11に導入される空気/
燃料比が最適になるように、インジェクタ13及びエア
フローセンサ19を制御している。
【0035】b)次に、本実施例1におけるガス濃度及
び流量センサ3の構成について図2を用いて説明する。
本実施例1のガス濃度及び流量センサ3は、超音波の伝
播速度を利用して蒸発燃料濃度を測定し、熱線式流量測
定手段を利用して雰囲気ガス流量を測定するガス濃度及
び流量検出用センサである。
【0036】具体的には、図2に示す様に、ガス濃度及
び流量センサ3は、蒸発燃料濃度及び雰囲気ガスの流量
の検出に必要な駆動・演算を行う駆動・演算回路33、
超音波の送受信を行う超音波素子35,蒸発燃料を含む
雰囲気ガスが導入され、蒸発燃料濃度が測定される濃度
測定室37,濃度測定室37内にて超音波を反射させる
ために、超音波素子35と対抗する側に所定距離離れて
設けられた反射面39、濃度測定室37内の温度を測定
するサーミスタ41、濃度測定室37と並列に設けら
れ、雰囲気ガスの流量を測定する流量測定路46、流量
測定路46内に設置され、雰囲気ガスの温度を計測する
ためのサーミスタ47、流量測定路46に設置され、雰
囲気ガス流量を測定するために用いられるサーミスタ4
8、雰囲気ガスが流入するガス流入孔43、雰囲気ガス
が流出するガス流出孔45より構成されている。
【0037】そして、上記構成要素の位置関係は、以下
のようになっている。濃度測定室37は、その一端にお
いてガス流入口43を通して外部と通じており、他の端
において、ガス流出口45を通して外部と通じている。
つまり、ガス流入口43、濃度測定室37、及びガス流
出口45が一つのガス流路となっている。
【0038】又、流量測定路46も同様に、ガス流入口
43とガス流出口45とを通して外部と通じており、ガ
ス流入口43、流量測定路46、及びガス流出口45が
一つのガス流路となっている。従って、ガス濃度及び流
量センサ3の内部には、2つの並行したガス流路(濃度
測定室37を通る流路と流量測定路46を通る流路)が
あり、それぞれの流路は、共通した入り口(ガス流入口
43)と、共通した出口(ガス流出口45)を持つ。
【0039】そして、ガス濃度測定に用いられる構成要
素(例えば、超音波素子35,反射面39、サーミスタ
41)は濃度測定室37内に設置され、ガス流量測定に
用いられる構成要素(例えば、サーミスタ47、サーミ
スタ48)は、流量測定路46内に設置されている。
【0040】上記のように、本実施例1は、ガス濃度測
定を行う流路と、ガス流量測定を行う流路とが、同一で
ない(分岐した)例である。尚、サーミスタ47、及び
サーミスタ48は、流量測定室46内において、図3に
示す様に設置されている。図3(a)に示す様に、雰囲
気ガスの流れ方向から見て、サーミスタ47とサーミス
タ48とをずらして設置しているのは、サーミスタ47
によって、サーミスタ48に対する雰囲気ガスの流れが
妨げられないようにするためである。又、図3(b)に
示す様に、サーミスタ48を、流量測定路46の壁に対
して斜めに設置しているのは、導線部48bを長くする
ことで、サーミスタ48の中心部にある金属接合部48
aから壁面に流れる熱量を少なくし、ガス流量測定の誤
差を減らすためである。
【0041】c)次に、ガス濃度及び流量センサ3の基
本原理について説明する。尚、図4では、説明のため
に、超音波素子35の送信部35aと35bとを別体に
示しているが、本実施例では、送信と受信の兼用素子を
用いる。 本実施例1のガス濃度及び圧力センサ3によって、蒸
発燃料濃度を測定する場合には、送信部35bから超音
波を送信し、その超音波を35aにより受信する。
【0042】このとき、送信波形と受信波形のとの間に
は、雰囲気ガス中での蒸発燃料濃度に応じて伝播時間の
ずれがある。例えば図4(a)に示す様に、蒸発燃料の
濃度が低い場合には、送信波形と受信波形のズレである
伝播時間T1は小さく、一方、図4(b)に示す様に、
蒸発燃料の濃度が高い場合には、伝播時間T2は大き
い。従って、この伝播時間に対応したセンサ出力を取り
出すことにより、蒸発燃料濃度を検出することができ
る。
【0043】本実施例のガス濃度及び圧力センサ3に
よって、雰囲気ガス流量を測定する場合には、サーミス
タ48を一定の抵抗値に制御する。この時、サーミスタ
48にかかる電圧は、雰囲気ガスの質量流量(流量と単
位体積あたりの質量との積)に応じて変化する。つま
り、雰囲気ガスの質量流量が多いと、サーミスタ48か
らの放熱量が多くなり、サーミスタ48を一定の抵抗値
に保つためにかかる電圧が高くなる。従って、サーミス
タ48にかかる電圧を、雰囲気ガスの質量流量を示すセ
ンサ信号として取り出し、更にその信号を体積流量に対
応する信号に変換することにより、雰囲気ガスの流量
(体積流量)を検出することが出来る。
【0044】d)次に、前記原理に基づいたガス濃度及
び流量センサ3の動作の概略を説明する。雰囲気ガス
は、ガス流入孔43から濃度測定室37及び流量測定路
46内に流入し、ガス排出口45から外部に流出するの
で、その間に、ガス濃度測定室37内で雰囲気ガス中の
蒸発燃料濃度を測定し、流量測定路46内で雰囲気ガス
の質量流量を測定する。
【0045】濃度測定室37内で超音波の伝播時間を
用いて蒸発燃料濃度を測定する際には、まず、超音波素
子35から超音波を送信する。送信された超音波は、雰
囲気ガス中を通過し、反射面39にて反射し、再度雰囲
気ガス中を通過して、同じ超音波素子35により受信す
る。
【0046】駆動・演算回路33では、後述する様に、
送信波のタイミング(送信時間)から受信波のタイミン
グ(到達時間)までの伝播時間を算出するとともに、サ
ーミスタ41からの信号に基づいて、濃度測定室37内
の温度を検出する。ここで、伝播時間は蒸発燃料濃度に
関連した値であり、また温度の影響を受けるので、駆動
・演算回路33は、後に詳述する手順にて、所定のマッ
プから蒸発燃料濃度を求める。
【0047】雰囲気ガスの質量流量を測定するため
に、流量測定路46内には、温度測定用のサーミスタ4
7と、流量測定用のサーミスタ48とが雰囲気ガス中に
露出して設置されている。駆動・演算回路33は、サー
ミスタ48を一定の抵抗値に保ちながら、サーミスタ4
8にかかる電圧を、センサ信号として取り出す。このセ
ンサ信号は、雰囲気ガスの質量流量に関連した値であ
り、また温度の影響を受ける。
【0048】尚、このセンサ信号は、上述したように、
質量流量に関連した値であるため、雰囲気ガス中の蒸発
燃料濃度によって、異なる値を示す。例えば、図5に示
す様に、雰囲気ガスの流量(体積流量)が同じでも、蒸
発燃料濃度によって、センサ信号(電圧)が異なる。
【0049】次に、駆動・演算回路33では、上記セン
サ信号に対し、後に詳述する手段にて、まず温度の影響
を除く補正を行い、次に所定のマップを用いて、体積流
量を示す信号に変換する。 図6は、温度の影響を補正
により除き、体積流量を示す信号に変換した後でのセン
サ信号(電圧)と、雰囲気ガス流量(体積流量)との関
係を示すグラフであり、このセンサ信号は、蒸発燃料濃
度に依存していない。
【0050】e)次に、上述したガス濃度及び流量セン
サ3による蒸発燃料濃度及び雰囲気ガス流量検出の手順
を、前記駆動・演算回路33における処理と共に、一層
詳細に説明する。尚、図7のマイクロプロセッサ51は
機能的に表現している。 まず、蒸発燃料濃度の検出手順を説明する。
【0051】図7のブロック図に示す様に、まず、マイ
クロプロセッサ51の送信タイミング部51aにより、
送信タイミングを示す信号が作られ、送信回路55に送
られる。送信回路55からは、送受信切替回路57を介
して超音波素子35に電気パルス信号が送信される。送
信された電気パルス信号は、超音波素子35により超音
波(送信波)とされて反射面39に送信される。
【0052】そして、反射面39で反射し超音波素子3
5によって受信されたパルスエネルギー(受信波)は、
超音波素子35にて電気信号に変えられる。ここで、送
受信切替回路57により、送信回路55から受信増幅回
路59に切り替えられるので、超音波素子35からの
(受信波を示す)電気信号は、比較器63によりパルス
波形に変換される。そのパルス波形は、積分回路67に
より積分され、その積分値を基にピークホールド回路6
9によりピーク値を保持される。そして、抵抗分圧回路
71によりピーク値の一定の割合(例えば1/2)を設
定し、比較器73の判定値に使用する。
【0053】ここまでの受信波の変化をまとめて図8
(a)に示すが、受信波は、受信増幅回路59により増
幅され(同図7参照)、比較器63により、受信波形a
−1のうち、所定のスレッショルドレベルより高いもの
のみに対応して、パルス波形a−2が作られる。そして
そのパルス波形を、積分回路67により積分し(同図7
参照)、その積分波形a−3を基に、ピークホールド回
路69にピーク値が保持され、更にピーク値を基にし
て、抵抗分圧回路71より、判定値が設定される。
【0054】尚、雰囲気ガス圧力が低い場合の受信波の
変化を図8(b)に示すが、この場合には、受信波形b
−1の振幅は小さくなり、スレッショルドレベルを越え
るピークは少なくなる。そのためパルス波形b−2のパ
ルス数は少なくなり、積分波形b−3は低くなるため、
ピーク値は小さくなる。つまり、図9に示す様に、雰囲
気ガスの圧力が低いほど、ピーク値は小さくなり、その
結果判定値も小さくなる。
【0055】図7に戻り、実際に蒸発燃料濃度を測定
するためには、受信波を受信増幅回路59にて増幅し、
全波整流回路61にて全波整流した後、比較器73に
て、その積分値が判定値に達したか否かを判定する。こ
こで、到達したと判定されると、このことを報知する信
号をマイクロプロセッサ51の濃度変換部51bに送信
する。
【0056】この信号を受信した時間が、受信タイミン
グ(到達時間)である。尚、送信タイミング(発信時
間)は、予め送信タイミング部51aから濃度変換部5
1bに送信され、そのデータは濃度変換部51bに記憶
されている。そして、マイクロプロセッサ51の濃度変
換部51bでは、前記伝播期間に温度条件を加味して、
蒸発燃料の濃度を求める。
【0057】具体的には、まず、伝播時間を用いて、下
記式(1)から音速Cを算出する。 音速C=(素子表面からの反射面の往復距離)/伝播時間・・・(1) 次に、この音速は温度により変化するので、測定された
温度から、基準温度における音速KCに換算し、この音
速KCと蒸発燃料濃度との関係(比例関係)を示すマッ
プ(例えば図10のマップ)から、蒸発燃料濃度を求め
る。
【0058】そして、この蒸発燃料濃度の値は、PWM
出力部51fによりPWM出力とされ、PWMアナログ
変換回路77によりアナログ値に変換されて、例えば、
表示装置に表示される。 次に、雰囲気ガス流量の検出手順を説明する。
【0059】流量測定回路76は、サーミスタ48の抵
抗値を一定に保持し、その時サーミスタ48にかかる電
圧に対し、温度による影響を除く補正をした後、雰囲気
ガスの質量流量を表すセンサ信号として取り出す。具体
的には、上記の機能は、流量測定回路76に備えられて
いる図11の回路により行う。
【0060】図11の回路のうち、11−1の部分は、
サーミスタ48の抵抗を常に一定に保つ機能を持つ。つ
まり、サーミスタ48の抵抗が変化し、サーミスタ48
と抵抗R7の抵抗値の比が、抵抗R6とR7の抵抗値の
比と等しくなくなった場合には、OPアンプU1Cのバ
ーチカルショートのバランスが崩れ、前記2組の抵抗値
の比が等しくなるまで、サーミスタ48にかかる電圧が
変化する。
【0061】図11の回路のうち、11−2の部分は、
バッファ回路であり、サーミスタ48にかかる電圧を抵
抗分圧し、ゲインを変えて(入力電圧を低くして)、次
に説明する11−3の部分に出力している。図11の回
路のうち、11−3の部分は、11−2で得られた電圧
を、温度測定用のサーミスタ47で補正制御する回路で
ある。つまり、雰囲気ガス温度による影響を除いてい
る。
【0062】図11の回路のうち、11−4の部分は、
作動増幅回路であり、11−3から送られた電圧のゲイ
ンとオフセットを決め、マイクロコンピュータ51へセ
ンサ信号として出力する回路である。図7に戻り、流量
測定回路76から送信された上記のセンサ信号(以下質
量流量信号)は、AD変換回路51eにて変換され、流
量変換回路51cに送信される。
【0063】流量変換回路51cでは、質量流量信号
を、蒸発燃料濃度に影響されない体積流量に関する信号
(以下体積流量信号)に変換する。具体的には、質量流
量信号、蒸発燃料濃度信号、及び体積流量信号の関係を
示すマップを用い、そのマップに質量流量信号及び蒸発
燃料濃度信号を入力することにより、体積流量信号を求
める。
【0064】尚、上記蒸発燃料濃度信号としては、前記
のプロセスにおいて、濃度変換部51bで求めた値を
使用する。そして、この体積流量信号は、PWM出力部
51fによりPWM出力とされ、PWMアナログ変換回
路77によりアナログ値に変換されて、例えば、表示装
置に表示される。
【0065】f)本実施例1におけるガス濃度及び流量
センサ3は以下の効果を奏する。 蒸発燃料の濃度と雰囲気ガスの流量とを、1つのセン
サで測定することができるため、蒸発燃料濃度と雰囲気
ガスの流量とを別々のガスセンサで検出していた従来の
方式に比べて、ガスセンサに要する費用と、ガスセンサ
を設置するスペースを低減することができる。
【0066】ガス濃度及び流量センサ3は、エンジン
に送り込む空気/燃料比を最適に制御し、排ガスに含ま
れる有害成分を低減するために利用できるつまり、ガス
濃度及び流量センサ3によって、吸気管10又はキャニ
スタパージライン15内を流れるガス流量と、そのガス
中の蒸発燃料濃度を測定し、そのガス流量と蒸発燃料濃
度とから、エンジンに蒸発燃料として導入される燃料量
(蒸発燃料量)を算出できる。そして蒸発燃料量と、イ
ンジェクタから供給される既知量の燃料量とから、エン
ジンに供給される燃料の総量が算出でき、その総量に基
づいて、エンジンに送り込む空気/燃料比を最適に制御
し、排ガスに含まれる有害成分を低減することができ
る。
【0067】本実施例における蒸発燃料濃度測定法で
は、判定値が、受信波の積分値に応じて変化するので、
例えば、雰囲気ガスの圧力が変化して受信波の強度が変
化しても、受信波の到達時間を正確に測定でき、正確な
蒸発燃料濃度を検出できる。つまり、従来の技術では、
受信波の到達時間を、受信波の積分値が固定の判定値に
到達した時間としていたため、例えば雰囲気ガスの圧力
変化により、受信波の積分値が変化すると、到達時間に
ずれが生じていた。
【0068】しかし、本実施例においては、判定値を常
に、受信波の積分値に合わせて設定するため、正確な到
達時間が計測でき、正確な蒸発燃料濃度を検出できる。 (実施例2)次に実施例2について説明する。
【0069】本実施例2の自動車用燃料供給系統の構成
は、前記実施例1の自動車用燃料供給系統と基本的には
同様であるが、ガス濃度及び流量センサ3の代わりに、
ガス濃度及び流量センサ103が設けられている(キャ
ニスタパージライン15に設置したものを103a、吸
気管に設置したものを103bとする。) a)次に、本実施例2におけるガス濃度及び流量センサ
103の構成について図12を用いて説明する。
【0070】本実施例2のガス濃度及び流量センサ10
3は、超音波の伝播速度を利用して雰囲気ガス中の蒸発
燃料濃度を測定し、ダイヤフラムを用いて雰囲気ガスの
圧力を測定し、その圧力値から、雰囲気ガスの流量を測
定するガス濃度及び流量センサである。
【0071】具体的には、図12に示す様に、ガス濃度
及び流量センサ103は、ガス濃度及び雰囲気ガスの流
量の検出に必要な駆動・演算を行う駆動・演算回路13
3、超音波の送受信を行う超音波素子135,蒸発燃料
を含む雰囲気ガスが導入され、蒸発燃料濃度が測定され
る濃度測定室137,濃度測定室137内にて超音波を
反射させるために、超音波素子135と対抗する側に所
定距離離れて設けられた反射面139、濃度測定室13
7内の温度を測定するサーミスタ141、濃度測定室1
37内の壁面に設けられた圧力センサ163、雰囲気ガ
スが流入するガス流入孔143、雰囲気ガスが流出する
ガス流出孔145より構成されている。
【0072】ガス濃度及び流量センサ103では、ガス
流入口143から濃度測定室137を経て、ガス流出口
145に至る経路が唯一のガス流路である。つまり、本
実施例2は、ガス濃度測定を行う流路と、ガス流量測定
を行う流路とが、同一である例である。
【0073】そして、ガス濃度測定に用いる構成要素
(例えば、超音波素子135,反射面139、サーミス
タ141、圧力センサ163)と、ガス流量測定に用い
る構成要素(例えば、圧力センサ163)は、共に、濃
度測定室137に設置されている。
【0074】b)次に、ガス濃度及び流量センサ103
の基本原理について説明する。 蒸発燃料濃度を測定する原理は前記実施例1のガス濃
度及び流量センサ3と基本的に同じである。ただし、本
実施例2では、超音波の受信波が到達した時間を特定す
るために用いる判定値を、圧力センサ163が検出した
圧力を用いて決定する。
【0075】つまり、前述したように、超音波の受信波
の到達時間を、雰囲気ガスの圧力に影響されず、常に正
確に計測するためには、雰囲気ガスの圧力に応じて、判
定値を設定する必要がある。そこで本実施例2では、圧
力センサ163で測定した雰囲気ガスの圧力に基づいて
判定値を設定する。
【0076】尚、圧力センサ163は、ダイヤフラム式
圧力センサであり、図13(a)に示す様に、主とし
て、ガス導入路163a、ダイヤフラム感圧部163
b、ブリッジ回路163c、出力端子163dから構成
されるものである。その測定原理を、図13(a)及び
(b)を用いて、以下に説明する。ガス導入路163a
から入ったガスの圧力に応じてダイヤフラム感圧部16
3bが変形し、それに伴って、ブリッジ回路163cも
変形し、その変形量に応じて、出力端子163d間に電
圧が発生する。この電圧は、ダイヤフラム感圧部163
bの変形量(つまり雰囲気ガスの圧力)に比例するた
め、雰囲気ガス圧力を示すセンサ信号として取り出すこ
とができる。
【0077】次に、雰囲気ガスの流量を検出する原理
を説明する。まず、ガス濃度及び流量センサ103の一
部である圧力センサ163を用いて雰囲気ガスの圧力を
測定する。次に、上記のようにして測定したガス圧力を
用いて、雰囲気ガスの流量を算出する。つまり、吸気管
10又はキャニスタパージライン15を流れる雰囲気ガ
スの流量は、それらの内部に生じている差圧により決ま
るが、吸気管10及び排気管15の入り口での圧力は常
に大気圧であるので、前記差圧は、吸気管10又は排気
管15の出口での圧力により決まる。例えば、図14
は、吸気管の負圧(つまり、キャニスタパージライン1
5の出口での圧力)と、キャニスタパージライン15の
流量(パージ流量)との関係を示す図であり、エンジン
11の状態(回転数)に依らず、常に吸気管負圧とキャ
ニスタパージライン15を流れる雰囲気ガス流量とは一
定の関係にあることを示している。
【0078】更に、圧力センサ163で測定した圧力
(つまり圧力センサ163の場所での圧力)と、吸気管
11又はキャニスタパージライン15の出口での圧力は
一定の関係にあるので、圧力センサ163で測定した圧
力と、雰囲気ガス流量とは、一定の関係にあり、圧力セ
ンサ163で測定した圧力を基に雰囲気ガス流量を算出
できる。
【0079】c)次に、上述した蒸発燃料濃度及び被測
定ガスの流量検出の手順を、前記駆動・演算回路133
における処理と共に、一層詳細に説明する。尚、図15
のマイクロプロセッサ151は機能的に表現している。 まず、蒸発燃料濃度の検出手順を説明する。
【0080】図15のブロック図に示す様に、まず、マ
イクロプロセッサ151の送信タイミング部151aに
より、送信タイミングを示す信号が作られ、送信回路1
55に送られる。送信回路155からは、送受信切替回
路157を介して超音波素子135に電気パルス信号が
送信される。送信された電気パルス信号は、超音波素子
135により超音波(送信波)とされて反射面139に
送信される。
【0081】そして、反射面139で反射し超音波素子
135によって受信されたパルスエネルギー(受信波)
は、超音波素子135にて電気信号に変えられ、送受信
切替回路157を介して、受信増幅回路159に送られ
る。受信波を受信増幅回路159にて増幅し、全波整流
回路161にて全波整流した後、比較器173にて、そ
の積分値が判定値に達したか否かを判定する。ここで、
到達したと判定されると、このことを報知する信号をマ
イクロプロセッサ151の濃度変換部151bに送信す
る。この信号を受信した時間が、受信タイミング(到達
時間)である。
【0082】尚、判定値は、圧力センサ163により測
定された雰囲気ガスの圧力に基づき、比較器173にて
決められる。つまり、雰囲気ガスの圧力が低い時には、
超音波の受信波の強度は弱いので、それに合わせて判定
値を低くする。逆に、圧力が高いときには、判定値を高
くする。このことにより、雰囲気ガスの圧力の変化によ
って、超音波の受信波の到達時間の計測にずれが生じる
ことを防止できる。
【0083】又、送信タイミング(発信時間)は、予め
送信タイミング部151aから濃度変換部151bに送
信され、そのデータは濃度変換部151bに記憶されて
いる。次に、マイクロプロセッサ151の濃度変換部1
51bでは、前記実施例1と同様にして、蒸発燃料の濃
度を求める。この時、サーミスタ141と温度測定回路
175を用いて測定された雰囲気ガス温度のセンサ信号
が、AD変換回路151cで変換された後、濃度変換部
151bに送られ、蒸発燃料濃度に対する温度補正をす
るために用いられる。
【0084】そして、この蒸発燃料濃度の値は、PWM
出力部151dによりPWM出力され、PWMアナログ
変換回路177によりアナログ値に変換されて、例え
ば、表示装置に表示される。 次に、雰囲気ガス流量の検出手順を説明する。
【0085】圧力センサ163が雰囲気ガスの圧力を測
定し、そのガス圧力を示すセンサ信号は、圧力測定回路
167から、一方では、AD変換回路151fで変換さ
れ、圧力変換+流量変換部151eに送られ、また、他
方では、比較器173にも送られる。
【0086】圧力変換+流量変換部151eでは、雰囲
気ガスの圧力を示すセンサ信号を基に、雰囲気ガスの流
量を算出する。この算出は、前述したように、雰囲気ガ
スの圧力と流量とが、一定の関係にあることを利用して
行う。具体的には、圧力と流量の関係を示すマップと、
雰囲気ガスの圧力を示すセンサ信号とを比較して、雰囲
気ガス流量を算出する。
【0087】この雰囲気ガスの流量値は、PWM出力部
151dによりPWM出力とされ、PWMアナログ変換
回路177によりアナログ値に変換されて、例えば、表
示装置に表示される。ところで、雰囲気ガスの圧力を示
すセンサ信号は、圧力測定回路167から、比較器17
3にも送られ、判定値を決めるために用いられる。
【0088】d)本実施例2のガス濃度及び圧力センサ
103も、前記実施例1のガス濃度及び圧力センサ3と
同様に、(1)蒸発燃料の濃度と雰囲気ガスの流量を、
1つのガスセンサで測定することができるので、ガスセ
ンサに要する費用とガスセンサを設置するスペースを低
減することができ、(2)測定した蒸発燃料の濃度と雰
囲気ガスの流量を用いて、エンジンに供給する空気/燃
料比を最適に制御し、排ガス中の有害成分を減少させる
ことが可能であり、(3)蒸発燃料濃度測定において
は、判定値を雰囲気ガスの圧力に応じて設定することに
より、常に正確な蒸発燃料濃度を測定できる。
【0089】特に本実施例2のガス濃度及び圧力センサ
103では、蒸発燃料濃度の測定と、雰囲気ガスの流量
の測定とを、共通の流路(濃度測定室137)で行うた
め、ガスセンサ103の構造を単純化できるという利点
を有する。そのため、一層の小型化、及び製造コストの
低減が可能になる。
【0090】尚、ダイヤフラム式圧力計163の設置場
所は、雰囲気ガスに曝されている場所ならば特に制限は
なく、例えば、ガス流入孔143、又はガス流出孔14
5に設置してもよい。 (実施例3)次に実施例3について説明する。
【0091】本実施例3の自動車用燃料供給系統の構成
は、前記実施例1の自動車用燃料供給系統と基本的には
同様であるが、ガス濃度及び流量センサ3の代わりに、
ガス濃度及び流量センサ203が設けられている(キャ
ニスタパージライン15に設置したものを203a、吸
気管に設置したものを203bとする。) a)次に、本実施例3におけるガス濃度及び流量センサ
203の構成について図16を用いて説明する。
【0092】ガス濃度及び流量センサ203の構成は、
基本的には、前記実施例1におけるガス濃度及び流量セ
ンサ3と同様であり、特に圧力センサ263を、濃度測
定室237に更に加えた構成となっている。つまり、ガ
ス濃度及び流量センサ203の内部には、2つの並行し
たガス流路(濃度測定室237を通る流路と流量測定路
246を通る流路)があり、それぞれの流路は、共通し
た入り口(ガス流入口243)と、共通した出口(ガス
流出口245)を持つ。
【0093】そして、ガス濃度測定に用いられる構成要
素(例えば、超音波素子235,反射面239、サーミ
スタ241、圧力センサ263)は濃度測定室237内
に設置され、ガス流量測定に用いられる構成要素(例え
ば、サーミスタ247、サーミスタ248)は、流量測
定路246内に設置されている。
【0094】上記のように、本実施例3は、ガス濃度測
定を行う流路と、ガス流量測定を行う流路とが、同一で
ない(分岐した)例である。 b)次に、ガス濃度及び流量センサ203の基本原理に
ついて説明する。蒸発燃料濃度を測定する原理は前記実
施例2のガス濃度及び流量センサ103と同じである。
つまり、超音波の伝播時間を利用して蒸発燃料濃度を測
定し、超音波の到達時間を特定するために用いる判定値
は、圧力センサ263の測定値を用いて設定する。
【0095】又、雰囲気ガスの流量を測定する原理は、
前記実施例1のガス濃度及び流量センサ3と同じであ
る。つまり、熱線式流量測定方法を用い、更に、蒸発燃
料濃度を用いて質量流量を体積流量に変換し、ガス流量
を測定する。 c)本実施例3における蒸発燃料濃度及び流量の測定の
手順を、図17を用いて説明する。
【0096】本実施例3のガス濃度及び流量センサ2
03における蒸発燃料濃度の検出手順は、前記実施例2
における蒸発燃料濃度の検出手順と同様である。つま
り、送受信素子235から送信され、同じ送受信素子2
35により受信された受信波は、超音波素子235にて
電気信号に変えられ、送受信切替回路257を介して、
受信増幅回路259に送られる。
【0097】受信増幅回路259では、この受信波を増
幅し、全波整流回路261にて全波整流した後、比較器
273にて、その積分値が判定値に達した時刻を到達時
間として、マイクロプロセッサ251の濃度変換部25
1bに送信する。濃度変換部251bでは、この受信時
間と、予め記憶しておいた送信時間とから、蒸発燃料濃
度を算出する。
【0098】尚、前記判定値は、圧力センサ263によ
り測定された雰囲気ガスの圧力に基づき、比較器273
にて決められる。 又、雰囲気ガスの流量検出の手順は、前記実施例1に
おける流量検出の手順と同様である。
【0099】つまり、流量測定回路276にて、サーミ
スタ248の抵抗を一定に保つために要する電圧を取り
出し、雰囲気ガス温度の影響を除く補正をした後、質量
流量を示すセンサ信号として、AD変換回路251eを
経て、流量変換部251cに送る。
【0100】流量変換部251cでは、前記質量流量を
示すセンサ信号と、濃度変換部251bにて算出した蒸
発燃料濃度とを用い、所定のマップから、雰囲気ガスの
流量(体積流量)を算出する。 d)本実施例3のガス濃度及び圧力センサ203も、前
記実施例1のガス濃度及び圧力センサ3と同様の効果を
奏し、更に、圧力依存性の少ないガス濃度測定が可能に
なるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例1の燃料供給系統を示す説明図であ
る。
【図2】 実施例1のガス濃度及び流量センサ3を示す
説明図である。
【図3】 実施例1のガス濃度及び流量センサ3におけ
るサーミスタの取り付け位置を示す説明図である。
【図4】 実施例1のガス濃度及び圧力センサ3の基本
原理を示す説明図である。
【図5】 熱線式流量測定方式による流量測定の特性を
示す説明図である。
【図6】 実施例1のガス濃度及び圧力センサ3による
流量測定の特性を示す説明図である。
【図7】 実施例1のガス濃度及び流量センサ3の電気
的構成を示すブロック図である。
【図8】 実施例1の受信波の処理を示す説明図であ
る。
【図9】 実施例1の雰囲気ガス圧力とピーク値との関
係を示す説明図である。
【図10】 実施例1のガス濃度を求めるためのマップ
を示す説明図である。
【図11】 実施例1の流量測定回路の構成を示す説明
図である。
【図12】 実施例2のガス濃度及び流量センサ103
を示す説明図である。
【図13】 実施例2のダイヤフラム式圧力センサ16
3の構成を示す説明図である。
【図14】 実施例2の吸気管負圧とパージガス流量の
関係を示すグラフである。
【図15】 実施例2のガス濃度及び流量センサ103
の電気的構成を示すブロック図である。
【図16】 実施例3のガス濃度及び流量センサ203
を示す説明図である。
【図17】 実施例3のガス濃度及び流量センサ203
の電気的構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
3,103,203・・・ガス濃度/流量センサ 51、151、251・・・マイクロプロセッサ 10・・・吸気管 11・・・エンジン 12・・・ガソリンタンク 14・・・キャニスタ 15・・・キャニスタパージライン 33、133、233・・・駆動・演算回路 35、135、235・・・超音波素子 37、137、237・・・ガス濃度測定室 46・・・流量測定路、 48、148、248・・・サーミスタ 163,263・・・圧力センサ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 石川 秀樹 愛知県名古屋市瑞穂区高辻町14番18号 日 本特殊陶業株式会社内 (72)発明者 石田 昇 愛知県名古屋市瑞穂区高辻町14番18号 日 本特殊陶業株式会社内 Fターム(参考) 2F035 EA04 EA08 2G047 AA01 BC02 BC15 GA18 GG43

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 超音波を超音波素子により送信し、その
    送信波又はその送信波の反射波を別の超音波素子又は同
    じ超音波素子によって受信し、前記超音波の送信から受
    信までの伝播時間を計測し、前記伝播時間に基づいて被
    測定ガス中の特定成分濃度を測定するガスセンサであっ
    て、 前記被測定ガス中の特定成分濃度を測定する濃度測定手
    段と、 前記被測定ガスの流量を測定する流量測定手段と、 を備えるとともに、 前記濃度測定手段は、 前記被測定ガスの圧力又は前記受信波の強度に基づいて
    判定値を設定する判定値設定手段と、 前記伝播時間を計測する場合には、前記受信波の強度
    が、前記判定値に達した時間を前記受信波の到達時間と
    する時間計測手段と、 を備えることを特徴とするガスセンサ。
  2. 【請求項2】 前記濃度測定手段と前記流量測定手段と
    が、同一の筐体内に配置されていることを特徴とする前
    記請求項1に記載のガスセンサ。
  3. 【請求項3】 前記被測定ガスの流路のうち、前記濃度
    測定手段を行う流路と、前記流量測定手段を行う流路と
    が、同一であることを特徴とする前記請求項2に記載の
    ガスセンサ。
  4. 【請求項4】 前記被測定ガスの流路のうち、前記濃度
    測定手段を行う流路と、前記流量測定手段を行う流路と
    が、同一でないことを特徴とする前記請求項2に記載の
    ガスセンサ。
  5. 【請求項5】 前記流量測定手段が、熱線式流量測定手
    段であることを特徴とする前記請求項1〜4のいずれか
    に記載のガスセンサ。
  6. 【請求項6】 前記被測定ガスとは、内燃機関における
    吸気管又はキャニスタパージライン内のガスであり、前
    記特定成分とは、内燃機関用燃料であることを特徴とす
    る前記請求項1〜5のいずれかに記載のガスセンサ。
  7. 【請求項7】 前記請求項1〜6のいずれかに記載のガ
    スセンサを用いて、前記被測定ガスの特定成分濃度及び
    /又は被測定ガスの流量を測定するガス濃度及び流量測
    定方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004053385A (ja) * 2002-07-19 2004-02-19 National Institute Of Advanced Industrial & Technology 気体濃度計測装置および気体濃度計測方法
KR100583556B1 (ko) 2005-12-05 2006-05-26 웨스글로벌 주식회사 포락선 신호를 이용한 농도계측장치 및 방법
JP2016103365A (ja) * 2014-11-27 2016-06-02 アイシン精機株式会社 燃料電池システム
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