JP2000249691A - ガス濃度センサ - Google Patents

ガス濃度センサ

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JP2000249691A
JP2000249691A JP11055766A JP5576699A JP2000249691A JP 2000249691 A JP2000249691 A JP 2000249691A JP 11055766 A JP11055766 A JP 11055766A JP 5576699 A JP5576699 A JP 5576699A JP 2000249691 A JP2000249691 A JP 2000249691A
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gas
gas concentration
temperature
ultrasonic
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JP11055766A
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English (en)
Inventor
Hideki Ishikawa
秀樹 石川
Yoshikuni Sato
美邦 佐藤
Keigo Tomono
圭吾 伴野
Noboru Ishida
昇 石田
Takafumi Oshima
崇文 大島
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Niterra Co Ltd
Original Assignee
NGK Spark Plug Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 被測定ガスの温度を正確に測定することがで
き、特定ガスのガス濃度を高精度に測定することができ
るガス濃度センサを提供すること。 【解決手段】 測定室34内における流入孔34aと流
出孔34bとの間の上側の側壁に、流入孔34aから流
出孔34bへの方向に長い小判状の形状を有する凹部4
1を設け、凹部41内における流出孔34bに近い側に
感温素子42を設ける。これにより、凹部41内の吸入
空気は十分に置換される上、凹部41内に流入する吸入
空気が感温素子42に当たりやすくなるので、測定室3
4内の吸入空気の温度を正確に測定することができる。
また、感温素子42が測定室34内の超音波の伝播を妨
げることはなく、超音波の伝播時間測定に誤差が生じる
ことはない。従って、吸入空気の温度が変化した場合で
も、蒸発燃料のガス濃度を高精度に測定することができ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば内燃機関用
エンジンの吸気管へ供給される例えば吸入空気中の蒸発
燃料等の可燃性ガスのガス濃度を測定するガス濃度セン
サに関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、燃料タンクからエンジンへの
燃料の供給系としては、燃料タンクからフューエルポン
プにより汲み上げた燃料を、燃料配管を介してインジェ
クタへ送る第1の供給系がある。
【0003】また、これとは別に、燃料タンク内に発生
する蒸発燃料をキャニスタで一時的に吸着し、このキャ
ニスタに溜まった燃料をパージして、パージガスとして
吸気管へ送る第2の供給系がある。従って、エンジンで
は、インジェクタからの噴射燃料に加えて、パージガス
等の蒸発燃料(以下単にパージガスと記す)を、シリン
ダ内で燃焼させるようになっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】この様に、噴射燃料と
は別にパージガスをエンジンに供給することにより、燃
焼制御において空燃比が理論空燃比からズレてしまう
と、触媒のCO,HC,NOxの浄化能力が激減するこ
とになり、その結果、排出ガス中のCO、HC、NOx
等が増加してしまう。
【0005】従って、例えばエンジンの始動時、特に触
媒不活性時において、燃焼用主燃料系としてパージガス
を使用するためには、パージガスの濃度を高精度で測定
し、且つその供給量を最適に制御することが極めて重要
である。パージガスの測定用センサとしては、例えば超
音波を利用したもの(超音波センサ)が考えられ、その
開発が進められているが、必ずしも十分ではない。
【0006】つまり、この種の超音波センサは、パージ
ガスを含んだ吸入空気中に送信した超音波の伝播時間を
計測し、この伝播時間を用いてパージガスの濃度を検出
するものであるが、超音波が伝播する吸入空気の温度が
変化すると、超音波の音速は変化してしまうので、測定
する超音波の伝播時間も変化し、結果として、パージガ
スの濃度を高精度に測定することは容易ではないという
問題があった。
【0007】この問題を解決する方法としては、サーミ
スタ等の感温素子を設置することにより、吸入空気温度
を測定し、この吸入空気温度と超音波の伝播時間とを用
いて、パージガスの濃度を測定することが考えられる。
しかし、感温素子を、超音波が伝播する箇所に単に配置
したのでは、感温素子が超音波伝播を妨げることとな
り、超音波の伝播時間の測定において、測定誤差が生じ
る原因となった。
【0008】また、感温素子を、超音波が伝播する箇所
と異なる箇所に配置することも考えられるが、この場合
は、超音波が伝播する箇所における実際の吸入空気の温
度と異なる温度が測定値として検出され、正確な吸入空
気の温度を得ることが困難であった。
【0009】本発明は前記問題点を解決するためになさ
れたものであり、その目的は、パージガス等の特定ガス
を含んだ被測定ガスの温度を正確に測定することがで
き、特定ガスのガス濃度を高精度に測定することができ
るガス濃度センサを提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段及び効果】前記目的を達成
するための請求項1の発明は、長尺状に形成され、長手
方向に沿った側壁に被測定ガスを流入出させる流入孔及
び流出孔を備えた測定室と、該測定室内で、該測定室の
長手方向に沿って互いに対向する2カ所の壁面の内の一
方に設けられ、他方の壁面に向けて超音波を送信すると
共に、該壁面を反射面として反射してくる超音波の反射
波を受信可能な超音波素子と、前記被測定ガスの温度を
測定するための感温素子と、該超音波素子に対して、超
音波を送信させると共に前記反射波を受信させ、前記超
音波の送信時から前記反射波の受信時までの伝播時間を
計測し、該伝播時間と前記感温素子にて得られた被測定
ガスの温度とに基づいて、前記被測定ガス中の特定ガス
のガス濃度を検出するガス濃度検出手段と、を備えるガ
ス濃度センサであって、前記測定室内における前記流入
孔と前記流出孔との間の側壁に凹部を形成し、該凹部内
に前記感温素子を設けたことを特徴とするガス濃度セン
サを要旨とする。
【0011】この様に、測定室内で対向する2箇所の壁
面の一方にのみ超音波素子を設けた請求項1に記載のガ
ス濃度センサでは、超音波の伝播時間と被測定ガスの温
度とに基づいて、被測定ガス中の特定ガスのガス濃度を
検出するので、被測定ガスの温度が変化した場合でも、
正確に特定ガスのガス濃度を検出することができる。
【0012】請求項1に記載のガス濃度センサでは、測
定室内と被測定ガスの温度が異なる流入通路及び流出通
路の内部や、被測定ガスがよどむ測定室内における超音
波素子及び反射面の近傍(換言すれば、測定室内におい
て、測定室の長手方向に沿って互いに対向する2カ所の
壁面の近傍)ではなく、被測定ガスの流速が十分確保さ
れ、被測定ガスが十分に置換される測定室内の流入孔と
流出孔との間の領域において、被測定ガスの温度を測定
するので、超音波が伝播する箇所における被測定ガスの
温度を正確に測定することができる。
【0013】また、感温素子を、測定室内の流入孔と流
出孔との間の側壁に設けられた凹部内に配置しているた
め、感温素子が、測定室内の超音波の伝播を妨げること
はなく、超音波の伝播時間の測定において、測定誤差が
生じることはない。従って、請求項1に記載のガス濃度
センサでは、前記の様に正確に測定された超音波の伝播
時間及び被測定ガスの温度に基づいて、被測定ガス中の
特定ガスのガス濃度を高精度に測定することができる。
【0014】そして、請求項1に記載のガス濃度センサ
を、例えば内燃機関用エンジンの吸気管へ供給される吸
入空気中の蒸発燃料のガス濃度を測定するために用いれ
ば、精度の高い蒸発燃料のガス濃度測定が可能となる。
従って、この高い精度の測定結果に基づいて、精密にガ
ス濃度を調節することにより、例えば、空燃比制御等を
好適に行うことができる。
【0015】また、請求項2の発明は、長尺状に形成さ
れ、長手方向に沿った側壁に被測定ガスを流入出させる
流入孔及び流出孔を備えた測定室と、該測定室内で、該
測定室の長手方向に沿って互いに対向する2カ所の壁面
に夫々設けられ、超音波を送受信可能な一対の超音波素
子と、前記被測定ガスの温度を測定するための感温素子
と、一方の超音波素子に対しては、超音波を送信させる
と共に、他方の超音波素子に対しては、該超音波を受信
させ、前記超音波の送信時から受信時までの伝播時間を
計測し、該伝播時間と前記感温素子にて得られた被測定
ガスの温度とに基づいて、前記被測定ガス中の特定ガス
のガス濃度を検出するガス濃度検出手段と、を備えるガ
ス濃度センサであって、前記測定室内における前記流入
孔と前記流出孔との間の側壁に凹部を形成し、該凹部内
に前記感温素子を設けたことを特徴とするガス濃度セン
サを要旨とする。
【0016】この様に、測定室内で対向する2箇所の壁
面の両方に超音波素子を設けた請求項2に記載のガス濃
度センサでは、請求項1に記載のガス濃度センサと同様
に、超音波の伝播時間と被測定ガスの温度とに基づい
て、被測定ガス中の特定ガスのガス濃度を検出するの
で、被測定ガスの温度が変化した場合でも、正確に特定
ガスのガス濃度を検出することができる。
【0017】請求項2に記載のガス濃度センサでは、測
定室内と被測定ガスの温度が異なる流入通路及び流出通
路の内部や、被測定ガスがよどむ測定室内における2つ
の超音波素子の近傍(換言すれば、測定室内において、
測定室の長手方向に沿って互いに対向する2カ所の壁面
の近傍)ではなく、被測定ガスの流速が十分確保され、
被測定ガスが十分に置換される測定室内の流入孔と流出
孔との間の領域において、被測定ガスの温度を測定する
ので、超音波が伝播する箇所における被測定ガスの温度
を正確に測定することができる。
【0018】また、感温素子を、測定室内の流入孔と流
出孔との間の側壁に設けられた凹部内に配置しているた
め、感温素子が、測定室内の超音波の伝播を妨げること
はなく、超音波の伝播時間の測定において、測定誤差が
生じることはない。従って、請求項2に記載のガス濃度
センサでは、前記の様に正確に測定された超音波の伝播
時間及び被測定ガスの温度に基づいて、被測定ガス中の
特定ガスのガス濃度を高精度に測定することができる。
【0019】そして、請求項2に記載のガス濃度センサ
を、例えば内燃機関用エンジンの吸気管へ供給される吸
入空気中の蒸発燃料のガス濃度を測定するために用いれ
ば、精度の高い蒸発燃料のガス濃度測定が可能となる。
従って、この高い精度の測定結果に基づいて、精密にガ
ス濃度を調節することにより、例えば、空燃比制御等を
好適に行うことができる。
【0020】また、請求項3の発明は、前記凹部を、前
記流入孔から前記流出孔への方向に沿って、細長く形成
したことを特徴とする請求項1または2に記載のガス濃
度センサを要旨とする。この様に、請求項3に記載のガ
ス濃度センサでは、凹部の形状を、測定室内を流れる被
測定ガスの流れに平行な方向に、長いものとしている。
【0021】これにより、被測定ガスを、凹部内におい
て、効果的に流入出させることができ、凹部内の被測定
ガスを十分に置換することができるので、超音波が伝播
する箇所における被測定ガスの温度をより正確に測定す
ることができる。従って、請求項3に記載のガス濃度セ
ンサでは、この様に正確に測定された被測定ガスの温度
と超音波の伝播時間とに基づいて、被測定ガス中の特定
ガスのガス濃度を高精度に測定することができる。
【0022】そして、請求項3に記載のガス濃度センサ
を、例えば内燃機関用エンジンの吸気管へ供給される吸
入空気中の蒸発燃料のガス濃度を測定するために用いれ
ば、精度の高い蒸発燃料のガス濃度測定が可能となる。
従って、この高い精度の測定結果に基づいて、精密にガ
ス濃度を調節することにより、例えば、空燃比制御等を
好適に行うことができる。
【0023】また、請求項4の発明は、前記感温素子
を、前記凹部内の前記流出孔側に設けたことを特徴とす
る請求項1〜3いずれかに記載のガス濃度センサを要旨
とする。この様に、請求項4に記載のガス濃度センサで
は、感温素子を、凹部内において、測定室内の被測定ガ
ス流に対して下流側となる位置に設けている。
【0024】これにより、凹部内に流入する被測定ガス
が、感温素子に当りやすくなるので、超音波が伝播する
箇所における被測定ガスの温度をより正確に測定するこ
とができる。従って、請求項4に記載のガス濃度センサ
では、この様に正確に測定された被測定ガスの温度と超
音波の伝播時間とに基づいて、被測定ガス中の特定ガス
のガス濃度を高精度に測定することができる。
【0025】そして、請求項4に記載のガス濃度センサ
を、例えば内燃機関用エンジンの吸気管へ供給される吸
入空気中の蒸発燃料のガス濃度を測定するために用いれ
ば、精度の高い蒸発燃料のガス濃度測定が可能となる。
従って、この高い精度の測定結果に基づいて、精密にガ
ス濃度を調節することにより、例えば、空燃比制御等を
好適に行うことができる。
【0026】また、請求項5の発明は、前記ガス濃度検
出手段は、前記超音波素子に対して、少なくとも一つの
変調点を有する超音波を送受信させ、前記超音波の変調
点を利用して前記伝播時間を計測し、該伝播時間と前記
感温素子にて得られた被測定ガスの温度とに基づいて、
前記特定ガスのガス濃度を検出するものであることを特
徴とする請求項1〜4いずれかに記載のガス濃度センサ
を要旨とする。
【0027】請求項5に記載のガス濃度センサは、請求
項1〜4いずれかに記載のガス濃度センサにおいて、超
音波の伝播時間の測定方法を示したものである。この様
に、超音波素子にて変調点を有する超音波を送信する
と、受信波にも、その変調点が反映される。従って、例
えば、送信波の変調点と受信波の変調点との間の時間を
測定すれば、超音波の伝播時間が判る。つまり、超音波
送受信波の信号の強弱にかかわらず、正確に超音波の伝
播時間を測定することができる。
【0028】そして、送信波に導入する具体的な変調点
としては、周波数変調による周波数の切換点であっても
良い。つまり、超音波素子に送信させる超音波の波形に
少なくとも1箇所の周波数切換点(例えば、周波数をF
1からF2に切換えた点)を導入すれば、受信波にもこ
の周波数切換点が反映されて表れる。従って、例えば、
周波数の切換点(つまり、送信波−受信波の各々の変調
点)間の時間を測定すれば、伝播時間が判る。つまり、
信号の強弱にかかわらず、正確に超音波の伝播時間を測
定することができる。
【0029】また、送信波に導入する具体的な変調点と
しては、信号波形が表れないポイントであっても良い。
例えば、超音波素子に送信させる超音波の波形に少なく
とも1点の逆位相成分(180度)を導入すれば、送信
波の逆位相ポイントには、信号波形が表れない。そし
て、この逆位相ポイントは受信波にも反映され、信号波
形がない箇所が表れる。従って、例えば、逆位相ポイン
ト(つまり、送信波−受信波の各々の信号波形がない箇
所)間の時間を測定すれば、伝播時間が判る。つまり、
信号の強弱にかかわらず、正確に超音波の伝播時間を測
定することができる。
【0030】また、送信波に導入する具体的な変調点と
しては、一般的な位相変調による位相の切換点であって
も良い。つまり、超音波素子に送信させる超音波の波形
に少なくとも1箇所の位相切換点(例えば、位相をθ度
から(θ+180)度に切換えた点)を導入すれば、受
信波にもこの位相切換点が反映されて表れる。従って、
例えば、位相切換点(つまり、送信波−受信波の各々の
位相切換点)間の時間を測定すれば、伝播時間が判る。
つまり、信号の強弱にかかわらず、正確に超音波の伝播
時間を測定することができる。
【0031】また、請求項6の発明は、前記ガス濃度検
出手段は、前記超音波素子が超音波を受信してから、次
に受信するまでの伝播時間を計測し、該伝播時間と前記
感温素子にて得られた被測定ガスの温度とに基づいて、
前記特定ガスのガス濃度を検出するものであることを特
徴とする請求項1〜5いずれかに記載のガス濃度センサ
を要旨とする。
【0032】請求項6に記載のガス濃度センサは、請求
項1〜5いずれかの発明において、超音波の伝播時間を
より高精度に測定するものである。例えば、経時劣化等
により超音波素子の例えばモールド材の特性が変化した
場合には、超音波を送信した後、超音波素子にて最初に
受信するまでの伝播時間が、劣化品では、新品の伝播時
間と比べて長くなる。従って、新品における最初の伝播
時間(つまり、超音波を送信した後、超音波素子にて最
初に受信するまでの時間)に基づいて、特定ガスのガス
濃度を測定すると、正確にガス濃度を検出できない。
【0033】一方、最初の受信波より後の受信波(例え
ば、超音波素子にて最初に受信された後、測定室内を往
復し、再度超音波素子にて受信される超音波)は、単に
反射を繰り返して伝播したものであり、超音波素子内部
の構造に影響されないので、超音波素子が劣化した場合
でも、その伝播時間の変動は少なく、劣化の影響が少な
い。
【0034】そこで、請求項6に記載のガス濃度センサ
では、超音波素子の劣化の影響を受け易い最初の受信波
ではなく、劣化の影響を受け難い後の受信波の伝播時間
に基づいて、特定ガスのガス濃度を検出するのである。
従って、請求項6に記載のガス濃度センサでは、前記の
様に正確に測定された超音波の伝播時間と被測定ガスの
温度とに基づいて、被測定ガス中の特定ガスのガス濃度
を高精度に測定することができる。
【0035】そして、請求項6に記載のガス濃度センサ
を、例えば内燃機関用エンジンの吸気管へ供給される吸
入空気中の蒸発燃料のガス濃度を測定するために用いれ
ば、精度の高い蒸発燃料のガス濃度測定が可能となる。
従って、この高い精度の測定結果に基づいて、精密にガ
ス濃度を調節することにより、例えば、空燃比制御等を
好適に行うことができる。
【0036】また、請求項7の発明は、前記特定ガス
が、内燃機関用エンジンの蒸発燃料であることを特徴と
する請求項1〜6いずれかに記載のガス濃度センサを要
旨とする。請求項7に記載のガス濃度センサは、ガス濃
度センサの測定対象の特定ガスの種類を例示したもので
ある。ここでは、特定ガスを、パージガス等の蒸発燃料
としている。これにより、蒸発燃料のガス濃度を正確に
測定できるので、空燃比制御等を好適に行うことができ
る。
【0037】
【発明の実施の形態】以下、本発明のガス濃度センサの
一実施例を、図面を参照して説明する。本実施例は、超
音波を利用したガス濃度センサにより、蒸発燃料のガス
濃度を測定するものである。
【0038】まず、本実施例におけるシステム構成を説
明する。図1はガス濃度センサを含むシステム構成図で
ある。図1に示す様に、本実施例では、エンジン1の吸
気管2には、その上流側より、吸入空気量を調節するス
ロットルバルブ3、パージガスのガス濃度を検出する第
4ガス濃度センサ24、燃料を噴射するインジェクタ6
が配置されている。
【0039】一方、エンジン1の排気管7には、上流側
より、排ガス中の酸素濃度を検出する酸素センサ(全領
域空燃比センサ)8、排ガスを浄化する3元触媒9が配
置されている。また、エンジン1に燃料を供給する経路
として、液体の燃料を供給する第1の供給系と、気体
(ガス)の燃料を供給する第2の供給系を備えている。
【0040】前記第1の供給系として、ガソリンタンク
11は、第1供給路12及び燃料ポンプ15を介して、
インジェクタ6に接続されている。従って、燃料は、ガ
ソリンタンク11から、燃料ポンプ15により、第1供
給路12を介してインジェクタ6に供給され、インジェ
クタ6から吸気管2内に噴射供給される。
【0041】一方、第2の供給系として、ガソリンタン
ク11は、第2供給路13を介してキャニスタ14に接
続され、キャニスタ14は、第3供給路16及びパージ
バルブ17を介して、スロットルバルブ3と第4ガス濃
度センサ24との間の吸気管2に接続されている。
【0042】また、本実施例では、前記第2供給路1
3、キャニスタ14、キャニスタ14からパージバルブ
17の間の第3供給路16には、各々蒸発燃料のガス濃
度を検出する第1ガス濃度センサ21、第2ガス濃度セ
ンサ22、第3ガス濃度センサ23が配置されている。
これら第1〜第3ガス濃度センサ21〜23は、いずれ
か1つを配置しても良い。尚、蒸発燃料のうち、キャニ
スタ14からパージ(蒸発による排出)されたものをパ
ージガスと称する。
【0043】従って、ガソリンタンク11から蒸発した
燃料は、一旦キャニスタ14にて吸着され、このキャニ
スタ14で適宜外気が導入されて、燃料のパージが行わ
れる。そして、パージにより発生した蒸発燃料(パージ
ガス)は、パージバルブ17にてガス流量を調節され
て、スロットルバルブ3と第4ガス濃度センサ24との
間の吸気管2に供給される。
【0044】また、このシステムでは、パージガスの供
給量の制御や空燃比の制御などを、電子制御装置(EC
U)26で行なっている。このECU26には、第1〜
第4ガス濃度センサ21〜24(以下ガス濃度センサ2
5と総称する)、酸素センサ8、エアフロメータ10等
の各種のセンサからの信号が入力するとともに、パージ
バルブ17、スロットルバルブ3、インジェクタ6等の
各種のアクチュエータに制御信号を出力する。尚、EC
U26は、ガス濃度センサ25に対しても、そのオン・
オフ等の制御信号も出力する。
【0045】次に、本実施例のガス濃度センサ25の構
造及びその基本原理について説明する。まず、ガス濃度
センサ25の構造を説明する。本実施例のガス濃度セン
サ25は、圧電素子を利用して超音波を発生する超音波
式のガス濃度センサであり、特に超音波の送信と受信と
が兼用の超音波送受信素子(素子ASSY)を用いる。
【0046】具体的には、ガス濃度センサ25は、図2
に示す様な構造を有している。ガス濃度センサ25の本
体であるセンサケース31は、金属あるいは樹脂による
一体構造となっている。センサケース31は、駆動・演
算用回路32が設置されている回路基板封入部33と、
長尺状に形成され、長手方向に沿った側壁に蒸発燃料を
含む吸入空気を流入出させる流入孔34a及び流出孔3
4bを備えた測定室34と、測定室34内で、測定室3
4の長手方向に沿って互いに対向する2箇所の壁面の一
方に設けられた超音波送受信素子(以下単に超音波素子
とも記す)35と、測定室34内における超音波素子3
5が設けられた壁面に対向する他方の壁面であり、超音
波素子35から所定の距離Lだけ離れ、超音波素子35
から送信される超音波を反射させる反射面36と、流入
孔34aに連結され、吸入空気をセンサケース31外か
ら測定室34内に流入させる流入通路37と、流出孔3
4bに連結され、吸入空気を測定室34内からセンサケ
ース31外に流出させる流出通路38と、を有してい
る。そして、ガス濃度センサ25を、図1に示すシステ
ム構成図のように、実際に配置した状態では、測定室3
4の長手方向は、水平方向と略平行となり、流入孔34
a及び流出孔34bは、測定室34内で下方となる状態
(つまり、図2において、g方向が略下方となる状態)
となっている。
【0047】また、測定室34内における流入孔34a
と流出孔34bとの間の上側の側壁には、凹部41が設
けられている。凹部41は、流入孔34aから流出孔3
4bへの方向に沿って細長い小判状の形状を有してお
り、凹部41内における流出孔34bに近い側には、測
定室34内の吸入空気の温度を測定するため、サーミス
タ等の感温素子42が設けられている。
【0048】尚、ガス濃度センサ25において、測定室
34における長手方向に直角な方向の径(以下、測定室
34の短径とも記す)φdは、12mmである。また、
測定室34の長手方向に沿った凹部41の幅(以下、凹
部41の長径とも記す)L’は、18mmで、測定室3
4の短径φdより大きい。また、凹部41において、凹
部41の長径L’に垂直な方向の幅L’’(以下、凹部
41の短径とも記す、図示はしない)は、9mmであ
る。
【0049】尚、回路基板封入部33には、駆動・演算
用回路32の設置後に回路蓋43がなされている。そし
て、図3に示すように、超音波素子35は、圧電素子4
4と、圧電素子44の測定室34側の端面に接着された
整合層45と、圧電素子44からのセンサ出力を取り出
すよう圧電素子44より引き出された出力取り出しリー
ド46と、圧電素子44、整合層45及び出力取り出し
リード46の圧電素子44側の端部をモールド材47に
て内部で固定する素子ケース48と、から成る。尚、整
合層45の測定室34側の端面は、素子ケース48の測
定室34側の端面とほぼ一致するよう配置されている。
また、前記整合層45及び素子ケース48の測定室34
側の端面には、耐油性及び耐熱性に優れた樹脂薄膜が接
着されている。
【0050】次に、本発明のガス濃度検出手段に相当す
るガス濃度センサ25の駆動・演算用回路32の構成を
説明する。図4のブロック図に示す様に、ガス濃度セン
サ25の駆動及び演算には、マイクロプロセッサ51を
用いる。
【0051】まず、超音波の送信時には、ドライバ52
を用いて超音波素子35へ電圧を印加し、超音波の送信
を行なう。また、超音波の受信時には、超音波素子35
にて得られた受信波形は、アンプ(増幅器)53で所定
の増幅が施され、コンパレータ54を通して整形された
波形の信号は、マイクロプロセッサ51内部に導入され
る。そして、マイクロプロセッサ51では、タイマー5
5を用いて超音波の送信から受信までの伝播時間を測定
する。一方、感温素子42にて検出された測定室34内
における吸入空気の温度情報は、感温素子42から、温
度検出回路56を介して、マイクロプロセッサ51内部
に導入される。そして、マイクロプロセッサ51では、
前記伝播時間及び吸入空気温度から、マップを参照して
演算処理を行ない、例えば吸入空気中のパージガスのガ
ス濃度に変換した上、D/Aコンバータ57を介して、
ガス濃度の検出値出力を行なう。
【0052】次に、図5を用いてガス濃度センサ25の
基本原理について説明する。なお、図5では、説明のた
めに、送信部25bと受信部25aとを別体に示してい
るが、本実施例では、送信と受信との兼用素子を用い
る。図5に示す様に、ガス濃度センサ25を用いてガス
濃度測定を行なう場合には、送信部25bから超音波を
送信し、その超音波を受信部25aにより受信する。こ
のとき、送信波形と受信波形との間には、例えば吸入空
気中のパージガスのガス濃度に応じて伝播時間のズレが
ある。例えば図5(a)に示す様に、パージガスのガス
濃度が低い場合には、送信波形と受信波形とのズレであ
る伝播時間T1は小さく、一方、図5(b)に示す様
に、パージガスのガス濃度が高い場合には、伝播時間T
2は大きい。従って、ガス濃度センサ25では、パージ
ガスのガス濃度によって変化するこの伝播時間に対応し
たセンサ出力を取り出すことにより、ガス濃度を検出す
るのである。
【0053】次に、本実施例のガス濃度センサ25に
て、実際に蒸発燃料(パージガス)のガス濃度を測定す
る方法を説明する。本実施例では、図6に示す様に、超
音波の送信波に、F1とF2という2種類の周波数成分
を含めて送信を行う。即ち、送信周波数をF1からF2
に変調する。
【0054】その場合には、受信波にも、その周波数変
化が反映されるので、受信波において変調点が出現する
時間を到達時間とする。つまり、周波数の切換点(例え
ば送信波−反射波の各々の変調点)間の時間を測定すれ
ば、その伝播時間が判る。そして、ガス濃度センサ25
の駆動・演算用回路32では、この様にして伝播時間を
測定した後、超音波の音速Cを、下記式(1)から算出
する。
【0055】つまり、図2に示した様に、超音波素子3
5の外表面(整合層45に樹脂薄膜を隔てた表面)と反
射面36との距離Lが既知であることから、その距離L
を1往復する時間である伝播時間Tを測定し、前記距離
L及び伝播時間Tを、下記式(1)に当てはめて、音速
Cを算出した上、センサ出力(電圧)として出力する。
【0056】 C=2L(素子表面から反射面の往復距離)/T(伝播時間)…(1) そして、例えば蒸発燃料の主成分であるブタンのガス濃
度Xkを用いて蒸発燃料のガス濃度を測定する場合は、
下記式(2)の関係を用いて、前記式(1)で得られた
音速Cより蒸発燃料のガス濃度(つまり、ブタンのガス
濃度Xk)に変換する。
【0057】
【数1】
【0058】尚、式(2)中で、Rは気体定数、Tgは
蒸発燃料を含んだ吸入空気の温度、Cpnは吸入空気に
含まれる第n成分のガスの定圧比熱、Cvnは第n成分
のガスの定積比熱、Mnは第n成分のガスの分子量、X
nは第n成分のガスの混合比(換言すれば、第n成分の
ガスのガス濃度)を表している。
【0059】前記式(2)は、音速Cが、吸入空気に含
まれるガス成分の種類及びその混合比だけでなく、吸入
空気の温度Tgによっても変化することを示している。
つまり、第k成分のガスの混合比、即ちブタンのガス濃
度Xkを蒸発燃料のガス濃度として高精度に測定するた
めには、吸入空気の温度Tgを正確に測定する必要があ
る。
【0060】そのため、本実施例のガス濃度センサ25
では、超音波の伝播時間Tだけでなく、感温素子42に
て、吸入空気の温度Tgも測定する。尚、本実施例のガ
ス濃度センサ25では、測定室34内における流入孔3
4aと流出孔34bとの間の上側の側壁に、流入孔34
aから流出孔34bへの方向に長い小判状の形状を有す
る凹部41を設け、凹部41内における流出孔34bに
近い側に感温素子42を設けているので、超音波が伝播
する箇所である測定室34内の吸入空気温度Tgを正確
に検出することができる。
【0061】まず、吸入空気の温度Tgを測定する箇所
としては、測定室34内の他に例えば流入通路37内及
び流出通路38内が、考えられる。しかし、例えば吸入
空気から、流入通路37、測定室34及び流出通路38
の内壁面に対してなされる熱伝達によって、超音波が伝
播する箇所である測定室34内における吸入空気の温度
と、流入通路37内や流出通路38内における吸入空気
の温度とは、異なってしまう。従って、例えば流入通路
37内や流出通路38内に感温素子42を配置して、吸
入空気の温度を測定すると、超音波が伝播する箇所にお
ける吸入空気の温度Tgを正確に測定することができな
い。つまり、ガス濃度センサ25にて測定した超音波の
伝播時間Tに対応する正確な吸入空気の温度Tgが得ら
れないので、正確な蒸発燃料のガス濃度Xkの測定がで
きなくなる。
【0062】また、測定室34内において吸入空気の温
度Tgを測定する箇所としては、超音波素子35及び反
射面36の近傍(換言すれば、測定室34内において、
測定室34の長手方向に沿って互いに対向する2箇所の
壁面の近傍、つまり測定室34内の流入孔34aと流出
孔34bとの間の領域以外の領域)が、他に考えられ
る。しかし、この箇所では、吸入空気がよどんでしま
い、吸入空気が十分置換されないことから、吸入空気の
温度Tgが変化した場合、温度測定値の応答性が悪い。
【0063】従って、本実施例のガス濃度センサ25で
は、吸入空気の流速が十分確保され、吸入空気が十分に
置換される測定室34内の流入孔34aと流出孔34b
との間の領域において、吸入空気の温度Tgを測定する
のである。つまり、本実施例のガス濃度センサ25で
は、吸入空気の温度Tgが変化した場合でも、超音波が
伝播する箇所における吸入空気の温度Tgを正確に測定
することができる。
【0064】また、本実施例のガス濃度センサ25で
は、感温素子42を、測定室34内の側壁に設けられた
凹部41内に配置している。従って、感温素子42が、
測定室34内の超音波の伝播を妨げることはなく、超音
波の伝播時間Tの測定において、測定誤差が生じること
はない。
【0065】また、本実施例のガス濃度センサ25で
は、凹部41が、流入孔34aから流出孔34bへの方
向(換言すれば、測定室34内を流れる吸入空気の流れ
に平行な方向)に沿って細長い小判状の形状を有してい
る。これにより、吸入空気を、凹部41内において、効
果的に流入出させることができ、凹部41内の吸入空気
を十分に置換することができるので、超音波が伝播する
箇所における吸入空気の温度Tgをより正確に測定する
ことができる。
【0066】また、本実施例のガス濃度センサ25で
は、凹部41内における流出孔34bに近い側の位置
(つまり、凹部41内において、測定室34内の吸入空
気流に対して下流側となる位置)に、感温素子42を配
置している。これにより、凹部41内に流入する吸入空
気が、感温素子42に当たりやすくなるので、超音波が
伝播する箇所における吸入空気の温度Tgをより正確に
測定することができる。
【0067】また、本実施例のガス濃度センサ25で
は、測定室34内における上側の側壁に凹部41を設け
ているので、例えば液化した蒸発燃料が測定室34内に
流入した場合においても、凹部41内にこの液体が溜る
ことはない。つまり、測定室34内に液体が流入したと
しても、感温素子42がその液体に浸ることはないの
で、超音波が伝播する箇所における吸入空気の温度Tg
を正確に測定することができる。
【0068】この様に、本実施例のガス濃度センサ25
では、前記の様に正確に測定された吸入空気の温度Tg
と超音波の伝播時間Tとに基づいて、吸入空気中の蒸発
燃料(ブタン)のガス濃度Xkを検出するので、吸入空
気の温度Tgが変化した場合でも、蒸発燃料(ブタン)
のガス濃度Xkを高精度に検出することができる。
【0069】具体的には、前記式(2)の関係から、例
えば、超音波が伝播する吸入空気中に含まれるブタン以
外のガス成分の種類及びその混合比を仮定すれば、伝播
時間T及び吸入空気温度Tgに基づいて、ブタンのガス
濃度Xkを測定することができる。この場合、吸入空気
温度Tgが一定であれば、音速Cに対応したセンサ出力
とブタンのガス濃度Xkとの間には、例えば図7に示す
様に、ほぼ比例関係がある。従って、駆動・演算用回路
32にて、吸入空気温度Tgによって変化する図7に示
す様な関係をマップとして用いることによって、センサ
出力をブタンのガス濃度Xkに変換するのである。
【0070】一方、本実施例のガス濃度センサ25にお
ける、実際の音速Cの測定は、測定精度を向上するため
下記のように行われる。図8(a)は、超音波素子35
における送受信波形を示す図である。まず、超音波素子
35より周波数変調した送信波(最初の送信波)を送信
すると、その送信波は、反射面36で反射して、超音波
素子35にて、反射波(第1反射波)として検出され
る。この第1反射波は、超音波素子35の表面で反射し
て、再度反射面36にて反射し、再度超音波素子35に
て、反射波の反射波(第2反射波)として検出される。
以下、同様な反射が繰り返されるが、伝播距離が長くな
るに従い、反射波は徐々に減衰してゆく。
【0071】その後、最初の送信波が出力されてから所
定時間経過すると、ドライバ52から超音波素子35へ
電圧が印加されて、次の送信波が送信され、以後、同様
な処理が繰り返される。このとき、マイクロプロセッサ
51への入力波形(即ちコンパレータ54からの出力)
は、図8(b)に示す状態となるので、その周波数の変
調点間の時間を測定する。つまり、受信波を、コンパレ
ータ54で所定のスレッショルドレベルに基づいて、デ
ジタル信号(ハイまたはローの2値信号)に変換した
後、マイクロプロセッサ51に入力し、内部タイマー5
5等でデジタル信号の立ち上がり及び立ち下がり時間を
測定することにより、その変調点が判るので、各変調点
間の時間を求めることができる。
【0072】具体的には、まず、送信波の変調点から第
1反射波の変調点までの第1到達時間(従って第1伝播
時間)T1を測定するとともに、送信波の変調点から第
2反射波の変調点までの第2到達時間T3を測定する。
そして、第2到達時間T3から第1到達時間T1を差し
引いて、第2反射波の伝播時間(第2伝播時間T2)を
求める。
【0073】従って、本実施例では、前記の様にして求
めた第2伝播時間T2を、式(1)における伝播時間T
として用いることにより、音速Cを測定するのである
が、これは、下記の理由による。例えば、超音波素子3
5のモールド材47の経時劣化等により、第1伝播時間
T1は変動する。つまり、第1伝播時間T1のズレ発生
要因としては、モールド材47が硬化したり、吸水し重
くなると圧電素子44の慣性が変化することにより、結
果として受信波形の振幅(感度)に影響を与えるのみな
らず、変調点のズレを伴うことが考えられる。
【0074】つまり、例えば図9に示す様に、経時劣化
のあるセンサ(OLD)と新品のセンサ(NEW)とを
比べると、OLDのセンサでは、第1反射波において、
山数が増加したり振幅が減少するという変化がある。そ
れによりOLDの第1伝播時間T1’は、NEWのセン
サの第1伝播時間T1より長くなってしまう。ところ
が、第2反射波は、同様の傾向で単に素子35表面で反
射した反射波が反射面36で反射するだけであるので、
経時劣化の影響を受けず、よって、NEWのセンサの第
2伝播時間T2とOLDのセンサの第2伝播時間T2’
とは同じとなる。
【0075】従って、前記式(1)において音速Cを算
出する際に用いる伝播時間Tとして、この第2伝播時間
を用いれば、経時劣化の影響を受けないので、常に正し
い音速Cを測定することができる。これは、経時劣化が
ある場合でも、第2伝播時間を測定すれば、第1反射波
及び第2反射波の変調点も共にズレることにより、前記
経時変化による変調点のズレはキャンセルできることに
なり、経時変化にかかわらず正しく伝播時間が測定でき
ることになるからである。
【0076】よって、本実施例では、上述した第2伝播
時間を用いて式(1)より音速Cを算出し、この音速C
に対応したセンサ出力を求め、吸入空気温度Tgに対応
した前記図7の様なマップにこのセンサ出力を当てはめ
て、蒸発燃料(特定ガス)のガス濃度を検出するのであ
る。
【0077】以上説明したように、本実施例のガス濃度
センサ25では、測定室34内における流入孔34aと
流出孔34bとの間の上側の側壁に、流入孔34aから
流出孔34bへの方向に長い小判状の形状を有する凹部
41を設け、凹部41内における流出孔34bに近い側
に感温素子42を設けているので、超音波が伝播する箇
所である測定室34内の吸入空気温度Tgを正確に検出
することができる。また、音速Cを算出する際に、第2
伝播時間を用いているため、経時劣化の影響を受けない
で、常に正しい音速Cを測定することができる。
【0078】以上、本発明の一実施例について説明した
が、本発明は、上記実施例に限定されるものではなく、
種々の態様を採ることができる。例えば、上記実施例で
は、第2到達時間T3から第1到達時間T1を差し引い
て、第2反射波の伝播時間(第2伝播時間T2)を求め
ることとして説明したが、第n+1到達時間Tn+2か
ら第n到達時間Tn+1を差し引いて、第n+1反射波
の伝播時間(第n+1伝播時間Tn+1)を求めること
としても良い(nは2以上の整数)。但し、伝播距離が
長くなるに従い、反射波は徐々に減衰してゆくので、反
射回数が増すごとに、測定精度は下がる。
【0079】また、ある変調点を検出してから次の変調
点を検出するまでの時間(例えば、第1反射波の変調点
から第2反射波の変調点までの時間)を伝播時間として
直接に計測しても良く、この場合も上記実施例と同様の
結果が得られる。また、変調点での波形は、コンパレー
タ54のスレッショルドレベルの設定によっては、再現
性が欠ける場合があるので、その変調点を基準に前何山
目かの波形を検出する等、変調点を目安として使用して
も良い。
【0080】また、上記実施例では、送信波の周波数を
F1からF2に1回だけ周波数変調したが、2回以上の
周波数変調を伴なった送信波としても良いのはいうまで
もない。また、上記実施例では、周波数変調を伴なった
超音波を送信したが、逆位相成分を入れた超音波を送信
してもよい。例えば、図10(a)に示す様に、逆位相
成分(180度)を導入した超音波を送信すれば、送信
波の逆位相ポイントには、信号波形が表れない。
【0081】そして、図10(b)に示す様に、受信波
である反射波にも、逆位相ポイントに対応して信号波形
がない箇所が表れる。従って、逆位相成分が導入された
点(変調点)を、上記実施例の周波数変調点と同様に、
測定基準とすることで、伝播時間を測定し、音速Cを求
めることができる。
【0082】具体的には、例えば、第2反射波の逆位相
ポイントが表れる時間から、第1反射波の逆位相ポイン
トが表れる時間を差し引いて、第2反射波の伝播時間
(第2伝播時間)を正確に求めることができるので、こ
の第2伝播時間を、式(1)における伝播時間Tとして
用いることにより、音速Cを測定することができる。
【0083】また、上記実施例では、測定室34内の長
手方向に沿って互いに対向する2箇所の壁面の一方にの
み、超音波素子35を設けたが、図11に示すように、
測定室34内で対向する2箇所の壁面の両方に、超音波
素子35、35’を設けても、上記実施例と同様の効果
が得られる。なお、この場合、一方の超音波素子35は
超音波の送信用で、他方の超音波素子35’は超音波の
受信用である。そして、2つの超音波素子35、35’
は共に、図3に示す構造を有している。
【0084】尚、この場合のガス濃度センサ25は、以
下に述べる点で上記実施例のガス濃度センサ25と異な
っている。まず、このガス濃度センサ25の場合、図4
に示した駆動・演算用回路32において、ドライバ52
は送信用の超音波素子35にのみ連結され、受信用の超
音波素子35’のみが増幅器53に連結されている。
【0085】また、2つの超音波素子35、35’の外
表面間の距離をLとすれば、この場合の駆動・演算用回
路32は、音速Cを次の様に算出する。まず、送信用の
超音波素子35からドライバ52を介して、例えば図6
に示す様な周波数変調を伴った超音波を送信すると、受
信用の超音波素子35’にて受信される超音波にも、送
信波と同様な周波数変化が反映される。そして、送信用
の超音波素子35からの送信波の変調点と受信用の超音
波素子35’における最初の受信波の変調点との間の伝
播時間t1から音速Cを求める場合は、上記実施例の場
合と異なり、伝播距離がLとなるので、下記式(3)に
より、音速Cを算出する。
【0086】 C=L(2つの素子表面間の距離)/t1(伝播時間)…(3) なお、この場合の超音波素子35、35’の場合も、例
えばモールド材47の経時劣化等により、前記の最初の
伝播時間t1にズレが発生する。そこで、この場合は、
送信波の変調点から受信用の超音波素子35’に最初に
到達する受信波の変調点までの第1到達時間t1(第1
伝播時間t1)を測定するとともに、送信波の変調点か
ら受信用の超音波素子35’に2回目に到達する超音波
(つまり、受信用の超音波素子35’に最初に到達した
際、超音波素子35’の表面で反射し、送信用の超音波
素子35の表面でも反射して、再度受信用の超音波素子
35’にて検出される超音波)の変調点までの第2到達
時間t3を測定する。そして、第2到達時間t3から第
1到達時間t1を差し引くことによって、超音波素子3
5’の表面で最初に反射してから、2つの超音波素子3
5、35’間を超音波が1往復するのに要した時間t2
(第2伝播時間t2)を求める。これは、超音波素子3
5’に最初に到達した超音波が、2箇所の超音波素子3
5、35’間を単に同様の傾向を伴って往復し、再度超
音波素子35’に到達するので、第2伝播時間t2に
は、経時劣化の影響が出ないためである。なお、この
際、駆動・演算用回路32では、音速Cを下記式(4)
によって算出する。
【0087】 C=2L(2つの素子表面間の往復距離)/t2(伝播時間)…(4) 即ち、この場合のガス濃度センサ25における駆動・演
算用回路32では、第1伝播時間t1によって音速Cを
求める場合のみ、式(3)を用い、第n+1伝播時間t
n+1(nは1以上の整数)によって音速Cを求める場
合は式(4)を用いる(但し、式(4)中、「t2(伝
播時間)」とあるのを、「tn+1(伝播時間)」とし
て用いる)。
【0088】なお、第n+1伝播時間tn+1を求める
場合は、第n+1到達時間tn+2から第n到達時間t
n+1を差し引いて、求める。但し、伝播距離が長くな
るに従い、超音波素子35’における受信波は徐々に減
衰してゆくので、nが増すごとに、測定精度は下がる。
【0089】また、超音波素子35’にてある変調点を
検出してから次の変調点を検出するまでの時間(例え
ば、超音波素子35’に最初に到達した超音波の変調点
から、前記のように超音波素子35’に2回目に到達し
た超音波の変調点までの時間)を伝播時間として直接に
計測しても良く、この場合も同様の結果が得られる。
【0090】また、凹部41の形状及び感温素子42の
配置は、そのガス濃度センサ25の使用条件(例えば測
定室34内を流れる吸入空気の流速)において、超音波
の伝播を妨げないよう感温素子42が配置され、凹部4
1内における感温素子42周辺の吸入空気が十分に置換
されるものであれば、種々の態様を採ることが可能であ
る。
【0091】従って、例えば図12に示す様に、測定室
34内の流入孔34aと流出孔34bとの間の任意の箇
所の側壁に、流入孔34aから流出孔34bへの方向に
沿って細長い形状を有する凹部41を設け、その中央部
に感温素子42を配置したものであっても良い。
【0092】また、この場合、凹部41の長径L’は、
図12に示す凹部41の様に、測定室34の短径φdよ
り大きいものであっても良いし、図13に示す凹部41
の様に、小さいものであっても良い。さらに、図14に
示す様に、測定室34内の流入孔34aと流出孔34b
との間の任意の箇所の側壁に真円状の凹部41を設け、
その中心部に感温素子42を配置したものであっても良
い。
【0093】次に、図15〜19を用いて、凹部41の
形状及び感温素子42の配置を変えた場合のガス濃度セ
ンサ25において、感温素子42の応答特性を調べた実
験例について説明する。この実験では、図15に示す様
な実験装置を用いて、ガス濃度センサ25の測定室34
内に蒸発燃料のガス濃度が既知である被測定ガス(上記
実施例の蒸発燃料を含んだ吸入空気に対応する)を供給
し、ガス濃度センサ25にて、この蒸発燃料(特定ガ
ス)のガス濃度を測定した。
【0094】まず、図15に示すこの実験に用いた実験
装置の構成について説明する。この実験装置では、ま
ず、図15に示す様に、窒素ガスタンク61に充填され
た窒素ガス(N2)と蒸発燃料タンク62に充填された
蒸発燃料とを、各々第1配管63と第2配管64とを介
して、ガス流量コントロール装置65内に流入させた。
ガス流量コントロール装置65では、2つのタンク6
1、62からの窒素ガス及び蒸発燃料の供給量が制御さ
れ、この実験では、窒素ガスと蒸発燃料との混合比が、
常に窒素ガスが70%、蒸発燃料が30%となるようガ
ス流量コントロール装置65の内部で混合した。次に、
この様に混合された混合ガスを、第3配管66により、
ガス流量コントロール装置65から流出させ、第3配管
66中に配置されたガス加温ヒータ67にて、適宜混合
ガスの温度を上昇させた。そして、この混合ガスを、流
入通路37を介して、ガス濃度センサ25の測定室34
内に流入させ、流出通路38を介して、測定室34外に
流出させた。
【0095】この実験では、この様に測定室34内に流
入する前記混合ガスを被測定ガスとし、ガス濃度センサ
25にて、超音波の伝播時間及び混合ガスの温度を測定
することにより、蒸発燃料のガス濃度(つまり、ブタン
のガス濃度Xk)を検出し、レコーダ68を用いてこれ
らの測定結果を記録した。
【0096】次に、図16を用いて、この実験に用いた
3仕様のガス濃度センサ25の形態について説明する。
尚、この3仕様のガス濃度センサ25では、感温素子4
2の配置形態のみが異なっており、他の部分について
は、上記実施例のガス濃度センサ25と同様の構造とな
っている。従って、図16では、この感温素子42の配
置形態を説明するため、測定室34近傍の形状のみを示
している。
【0097】まず、図16(a)に示す仕様1のガス濃
度センサ25は、測定室34内ではなく、流入通路37
内に感温素子42を配置したものである。また、図16
(b)に示す仕様2のガス濃度センサ25は、測定室3
4内における流入孔34aと流出孔34bとの間の上側
の側壁に、真円状の形状を有する凹部41を設け、凹部
41内における流出孔34bに近い側に感温素子42を
配置したものである。
【0098】また、図16(c)に示す仕様3のガス濃
度センサ25は、上記実施例のガス濃度センサ25であ
り、測定室34内における流入孔34aと流出孔34b
との間の上側の側壁に、流入孔34aから流出孔34b
への方向に沿って細長い小判状の形状を有する凹部41
を設け、凹部41内における流出孔34bに近い側に感
温素子42を配置したものである。つまり、仕様3のガ
ス濃度センサ25は、仕様2のガス濃度センサ25に対
し、凹部41の形状を、流入孔34aから流出孔34b
への方向に沿って細長くしたものである。
【0099】尚、この3仕様のガス濃度センサ25にお
いて、測定室34の短径φdは、12mmである。ま
た、仕様2のガス濃度センサ25の場合、真円状の凹部
41の径φDは、9mmであり、測定室34の短径φd
より小さい。また、仕様3のガス濃度センサ25の場
合、前記の様に凹部41の長径L’は、18mmで、測
定室34の短径φdより大きく、凹部41の短径L’’
は、9mmである。
【0100】次に、図17〜19を用いて、この実験の
結果について説明する。図17〜19は、各仕様のガス
濃度センサ25の感温素子42にて検出された前記混合
ガスの温度及び超音波の伝播時間計測結果に基づいて、
各仕様のガス濃度センサ25から得られた蒸発燃料(ブ
タン)のガス濃度を、実験時間の経過に伴い、記録した
ものである。
【0101】尚、図17〜19中には、混合ガス温度も
示されているが、これは感温素子42による検出値では
なく、測定室34内の実際の混合ガス温度を示してい
る。つまり、この実験では、混合ガスの成分及び混合比
が一定(即ち、窒素ガスが70%、蒸発燃料が30%)
であるので、前記式(2)において、この混合ガスの成
分及び混合比から得られる値(即ち、Cpn、Cvn、
Mn、及びXn)と、この実験で測定される超音波の伝
播時間Tから式(1)を用いて得られる音速Cと、を用
いて、測定室34内の実際の混合ガス温度(即ち、式
(2)に本来代入されるべき混合ガス温度Tg)を求め
た上、図17〜19中に表示したのである。
【0102】そして、この実験では、図17〜19に示
す測定室34内の実際の混合ガス温度値からわかる様
に、実験を開始してから所定時間経過した後(図17〜
19の横軸に示す時間では、10〜20(sec)のと
き)に、ガス加温ヒータ67にて、測定室34内の実際
の混合ガス温度を4℃程度急激に上昇させ、ガス濃度セ
ンサ25にて検出された蒸発燃料のガス濃度値の変化
(つまり、感温素子42の応答特性)を調べた。
【0103】まず、図17に示す様に、仕様1のガス濃
度センサ25の場合は、混合ガス中の蒸発燃料のガス濃
度が30%と一定であるにもかかわらず、混合ガスの温
度上昇前は、蒸発燃料のガス濃度検出値が28%前後と
低く、混合ガスの温度上昇後は、33%近くまで大幅に
上昇し、測定誤差が大きいことが判った。
【0104】これは、感温素子42にて検出された温度
が、図17中に示す測定室34内の実際の混合ガス温度
より、混合ガスの温度上昇前は低く、混合ガスの温度上
昇後は高かったことが前記式(2)の関係に反映された
ためである。この理由は、前記の様に、混合ガスから流
入通路37、測定室34、及び流出通路38の内壁面等
に対してなされる熱伝達によって、流入通路37内の混
合ガス温度と、測定室34内の実際の混合ガス温度とが
異なるためであり、仕様1のガス濃度センサ25では、
混合ガス中の蒸発燃料のガス濃度を正確に測定できない
ことを示している。
【0105】一方、図18に示す様に、仕様2のガス濃
度センサ25では、測定室34内の実際の混合ガス温度
を仕様1と同程度だけ上昇させたにもかかわらず、混合
ガスの温度上昇前後で、ガス濃度検出値が30%前後か
ら32%前後に上昇したのみで、仕様1のガス濃度セン
サ25に比べ、ガス濃度検出値の測定誤差が小さくなっ
た。
【0106】これは、感温素子42にて検出された温度
が、仕様1のガス濃度センサ25の感温素子42におけ
る温度検出値に比べ、測定室34内の実際の混合ガス温
度に近かったためであり、その理由は下記の通りであ
る。つまり、仕様2のガス濃度センサ25では、測定室
34内で十分に混合ガスが置換される流入孔34aと流
出孔34bとの間の領域において、測定室34内の混合
ガスの温度を直接測定するため、仕様1のガス濃度セン
サ25に比べ、正確な温度を検出できる上、混合ガスの
温度が変化した場合でも、温度検出値の応答性が良いた
めである。また、感温素子42は、凹部41内における
流出孔34bに近い側に配置されているので、凹部41
内に流入する混合ガスが感温素子42に当りやすく、温
度検出値の精度が良くなるという理由もある。尚、感温
素子42は、凹部41内に配置されているので、測定室
34内の超音波の伝播を妨げることはなく、超音波の伝
播時間に測定誤差が生じることはない。
【0107】従って、感温素子42の配置箇所として
は、測定室34内と混合ガスの温度が異なる流入通路3
7内ではなく、測定室34内における流入孔34aと流
出孔34bとの間の側壁に設けられた凹部41内におけ
る流出孔34bに近い側とする方が良いことが判る。
【0108】次に、図19に示す様に、仕様3のガス濃
度センサ25では、混合ガスの温度上昇時に、感温素子
42自体が持つ応答特性から、ガス濃度検出値が、一旦
29%前後に低下したものの、混合ガスの温度上昇前後
では、ほぼ30%のガス濃度検出値となり、仕様2のガ
ス濃度センサ25に比べ、さらに好適であった。
【0109】これは、感温素子42にて検出された温度
が、仕様2のガス濃度センサ25の感温素子42におけ
る温度検出値に比べ、さらに測定室34内の実際の混合
ガス温度に近かったためであり、その理由は下記の通り
である。つまり、仕様3のガス濃度センサ25では、凹
部41の形状を、流入孔34aから流出孔34bへの方
向に沿って細長くしているので、混合ガスを、凹部41
内において、効果的に流入出させることができ、凹部4
1内の混合ガスを十分に置換することができるため、仕
様2のガス濃度センサ25に比べ、さらに正確な温度を
検出できる上、混合ガスの温度が変化した場合でも、温
度検出値の応答性がさらに良いためである。
【0110】従って、凹部41の形状は、真円状とする
よりも、凹部41内の混合ガスを十分に置換できるよ
う、流入孔34aから流出孔34bへの方向に沿って細
長くする方が良いことが判る。以上に述べた実験結果よ
り、感温素子42による被測定ガスの温度検出精度を高
めるためには、請求項1、2の様に、測定室34内にお
ける流入孔34aと流出孔34bとの間の側壁に、凹部
41を設け、凹部41内に感温素子42を配置すれば良
く、より好ましくは、請求項3の様に、凹部41を流入
孔34aから流出孔34bへの方向に沿って細長くし、
請求項4の様に、感温素子42を、凹部41内における
流出孔34bに近い側に配置すれば良いことが、確認で
きた。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例のガス濃度センサの制御装置を含むシ
ステム全体を示すシステム構成図である。
【図2】 ガス濃度センサ全体の断面構造を示す説明図
である。
【図3】 超音波送受信素子の構造を示す説明図であ
る。
【図4】 ガス濃度センサの電気的構成を示すブロック
図である。
【図5】 ガス濃度センサの基本原理を示す説明図であ
る。
【図6】 1回の周波数変調を伴った送信波形を示した
図である。
【図7】 センサ出力とブタン濃度との関係を示すグラ
フである。
【図8】 (a)は送受信波形を示すタイミングチャー
ト、(b)はコンパレータ出力を示すタイミングチャー
トである。
【図9】 センサの新品と劣化品における超音波の送受
信波形を示すタイミングチャートである。
【図10】 (a)は1点の逆位相成分を導入した送信
波形を示した図、(b)は送受信波形を示すタイミング
チャートである。
【図11】 変形例としてのガス濃度センサ全体の断面
構造を示す説明図である。
【図12】 変形例としてのガス濃度センサ全体の断面
構造を示す説明図である。
【図13】 変形例としてのガス濃度センサ全体の断面
構造を示す説明図である。
【図14】 変形例としてのガス濃度センサ全体の断面
構造を示す説明図である。
【図15】 実験例で用いた実験装置の構成を示す説明
図である。
【図16】 実験例で用いた3仕様のガス濃度センサの
形態を示す説明図である。
【図17】 仕様1のガス濃度センサによる測定結果を
表すグラフである。
【図18】 仕様2のガス濃度センサによる測定結果を
表すグラフである。
【図19】 仕様3(実施例)のガス濃度センサによる
測定結果を表すグラフである。
【符号の説明】
1…エンジン、21、22、23、24、25…ガス濃
度センサ、32…駆動・演算用回路(ガス濃度検出手
段)、34…測定室、34a…流入孔、34b…流出
孔、35…超音波素子、36…反射面、37…流入通
路、38…流出通路、41…凹部、42…感温素子。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 伴野 圭吾 愛知県名古屋市瑞穂区高辻町14番18号 日 本特殊陶業株式会社内 (72)発明者 石田 昇 愛知県名古屋市瑞穂区高辻町14番18号 日 本特殊陶業株式会社内 (72)発明者 大島 崇文 愛知県名古屋市瑞穂区高辻町14番18号 日 本特殊陶業株式会社内 Fターム(参考) 2G047 AA01 BA03 BC02 BC03 BC15 EA10 GA18 GG43 GJ19

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 長尺状に形成され、長手方向に沿った側
    壁に被測定ガスを流入出させる流入孔及び流出孔を備え
    た測定室と、 該測定室内で、該測定室の長手方向に沿って互いに対向
    する2カ所の壁面の内の一方に設けられ、他方の壁面に
    向けて超音波を送信すると共に、該壁面を反射面として
    反射してくる超音波の反射波を受信可能な超音波素子
    と、 前記被測定ガスの温度を測定するための感温素子と、 該超音波素子に対して、超音波を送信させると共に前記
    反射波を受信させ、前記超音波の送信時から前記反射波
    の受信時までの伝播時間を計測し、該伝播時間と前記感
    温素子にて得られた被測定ガスの温度とに基づいて、前
    記被測定ガス中の特定ガスのガス濃度を検出するガス濃
    度検出手段と、 を備えるガス濃度センサであって、 前記測定室内における前記流入孔と前記流出孔との間の
    側壁に凹部を形成し、該凹部内に前記感温素子を設けた
    ことを特徴とするガス濃度センサ。
  2. 【請求項2】 長尺状に形成され、長手方向に沿った側
    壁に被測定ガスを流入出させる流入孔及び流出孔を備え
    た測定室と、 該測定室内で、該測定室の長手方向に沿って互いに対向
    する2カ所の壁面に夫々設けられ、超音波を送受信可能
    な一対の超音波素子と、 前記被測定ガスの温度を測定するための感温素子と、 一方の超音波素子に対しては、超音波を送信させると共
    に、他方の超音波素子に対しては、該超音波を受信さ
    せ、前記超音波の送信時から受信時までの伝播時間を計
    測し、該伝播時間と前記感温素子にて得られた被測定ガ
    スの温度とに基づいて、前記被測定ガス中の特定ガスの
    ガス濃度を検出するガス濃度検出手段と、を備えるガス
    濃度センサであって、 前記測定室内における前記流入孔と前記流出孔との間の
    側壁に凹部を形成し、該凹部内に前記感温素子を設けた
    ことを特徴とするガス濃度センサ。
  3. 【請求項3】 前記凹部を、前記流入孔から前記流出孔
    への方向に沿って、細長く形成したことを特徴とする請
    求項1または2に記載のガス濃度センサ。
  4. 【請求項4】 前記感温素子を、前記凹部内の前記流出
    孔側に設けたことを特徴とする請求項1〜3いずれかに
    記載のガス濃度センサ。
  5. 【請求項5】 前記ガス濃度検出手段は、 前記超音波素子に対して、少なくとも一つの変調点を有
    する超音波を送受信させ、 前記超音波の変調点を利用して前記伝播時間を計測し、
    該伝播時間と前記感温素子にて得られた被測定ガスの温
    度とに基づいて、前記特定ガスのガス濃度を検出するも
    のであることを特徴とする請求項1〜4いずれかに記載
    のガス濃度センサ。
  6. 【請求項6】 前記ガス濃度検出手段は、 前記超音波素子が超音波を受信してから、次に受信する
    までの伝播時間を計測し、該伝播時間と前記感温素子に
    て得られた被測定ガスの温度とに基づいて、前記特定ガ
    スのガス濃度を検出するものであることを特徴とする請
    求項1〜5いずれかに記載のガス濃度センサ。
  7. 【請求項7】 前記特定ガスが、内燃機関用エンジンの
    蒸発燃料であることを特徴とする請求項1〜6いずれか
    に記載のガス濃度センサ。
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