JP2000241398A - ガス濃度センサ - Google Patents

ガス濃度センサ

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JP2000241398A
JP2000241398A JP11038799A JP3879999A JP2000241398A JP 2000241398 A JP2000241398 A JP 2000241398A JP 11038799 A JP11038799 A JP 11038799A JP 3879999 A JP3879999 A JP 3879999A JP 2000241398 A JP2000241398 A JP 2000241398A
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gas concentration
gas
ultrasonic
concentration sensor
wave
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Hideki Ishikawa
秀樹 石川
Yoshikuni Sato
美邦 佐藤
Keigo Tomono
圭吾 伴野
Noboru Ishida
昇 石田
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Niterra Co Ltd
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NGK Spark Plug Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 被測定ガスの流速が大きい場合においても、
特定ガスのガス濃度を安定して高精度に測定することが
できるガス濃度センサを提供すること。 【解決手段】 流出通路38の径を、流入通路37の径
より小さくし、且つ流入通路37と流出通路38との間
にバイパス通路39を設ける。この結果、流出通路38
でのガス流の流れ抵抗が増加する上、測定室34に流れ
ようとするガス流が、バイパス通路39に分岐される。
即ち、このガス濃度センサ25では、ガス濃度センサ2
5が配置された配管中の吸入空気の流速が大きい場合で
も、測定室34内の吸入空気の流速増加を十分に抑える
ことができるため、正確に超音波の変調点を検出するこ
とができる。つまり、超音波の伝播時間の測定を正確に
行うことができるので、精度の高いガス濃度の測定が可
能となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば内燃機関用
エンジンの吸気管へ供給される例えば吸入空気中の蒸発
燃料等の可燃性ガスのガス濃度を測定するガス濃度セン
サに関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、燃料タンクからエンジンへの
燃料の供給系としては、燃料タンクからフューエルポン
プにより汲み上げた燃料を、燃料配管を介してインジェ
クタへ送る第1の供給系がある。
【0003】また、これとは別に、燃料タンク内に発生
する蒸発燃料をキャニスタで一時的に吸着し、このキャ
ニスタに溜まった燃料をパージして、パージガスとして
吸気管へ送る第2の供給系がある。従って、エンジンで
は、インジェクタからの噴射燃料に加えて、パージガス
等の蒸発燃料(以下単にパージガスと記す)を、シリン
ダ内で燃焼させるようになっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】この様に、噴射燃料と
は別にパージガスをエンジンに供給することにより、燃
焼制御において空燃比が理論空燃比からズレてしまう
と、触媒のCO,HC,NOxの浄化能力が激減するこ
とになり、その結果、排出ガス中のCO、HC、NOx
等が増加してしまう。
【0005】従って、例えばエンジンの始動時、特に触
媒不活性時において、燃焼用主燃料系としてパージガス
を使用するためには、パージガスの濃度を高精度で測定
し、且つその供給量を最適に制御することが極めて重要
である。パージガスの測定用センサとしては、例えば超
音波を利用したもの(超音波センサ)が考えられ、その
開発が進められているが、必ずしも十分ではない。
【0006】つまり、この種の超音波センサは、パージ
ガスを含んだ吸入空気中に送信した超音波の伝播時間に
基づいてパージガスの濃度を検出するものであるが、吸
入空気の流速が大きく、流れに乱れが生じると、吸入空
気中に超音波を送信しても、超音波の振幅減衰が不安定
に発生し、安定した振幅の超音波を受信できないため、
正確な伝播時間を測定できないという問題があった。
【0007】従って、パージガスの濃度の測定結果に基
づいて、パージガスの濃度の制御を精度良く行なうこと
が極めて難しいという問題があった。本発明は前記問題
点を解決するためになされたものであり、その目的は、
パージガス等の特定ガスを含んだ被測定ガスの流速が大
きい場合においても、特定ガスのガス濃度を、安定して
高精度に測定することができるガス濃度センサを提供す
ることである。
【0008】
【課題を解決するための手段及び効果】前記目的を達成
するための請求項1の発明は、被測定ガスを流入出させ
る流入通路及び流出通路を備えた測定室と、該測定室内
で互いに対向する2カ所の壁面の内の一方に設けられ、
他方の壁面に向けて超音波を送信すると共に、該壁面を
反射面として反射してくる超音波の反射波を受信可能な
超音波素子と、該超音波素子に対して、超音波を送信さ
せると共に前記反射波を受信させ、前記超音波の送信時
から前記反射波の受信時までの伝播時間を計測し、該伝
播時間に基づいて、前記被測定ガス中の特定ガスのガス
濃度を検出するガス濃度検出手段と、を備えるガス濃度
センサにおいて、前記流出通路の径を、前記流入通路の
径より小さくしたことを特徴とするガス濃度センサを要
旨とする。
【0009】この様に、測定室内で対向する2箇所の壁
面の一方にのみ超音波素子を設けた請求項1に記載のガ
ス濃度センサでは、流出通路の径を、流入通路の径より
小さくしている。これにより、流出通路におけるガス流
の流れ抵抗は増加する。そのため、ガス濃度センサが配
置された配管中を流れるパージガス等の吸入空気の流速
が大きい場合でも、流入通路の径と流出通路の径とが同
径である従来のガス濃度センサに比べ、測定室内の吸入
空気の流速増加を抑えることができる。そして、測定室
内の吸入空気の流速が小さいうちは、測定室内の吸入空
気流に乱れが発生しないため、測定室内を伝播する超音
波に振幅減衰が発生することはない。
【0010】つまり、請求項1に記載のガス濃度センサ
では、測定室内の吸入空気の流速増加を抑えられる分だ
け、前記従来のガス濃度センサに比べ、正確な超音波の
検出ができ、超音波の伝播時間の測定を正確に行うこと
ができるので、精度の高いガス濃度の測定が可能とな
る。そして、この高い精度の測定結果に基づいて、精密
にガス濃度を調節することにより、例えば、空燃比制御
等を好適に行うことができる。
【0011】尚、流入通路及び流出通路は、断面が円形
であることが好ましいが、非円形である場合には、断面
積を等面積の円に換算したときの径を用いて本発明を適
用することが可能である。また、請求項2の発明は、被
測定ガスを流入出させる流入通路及び流出通路を備えた
測定室と、該測定室内で互いに対向する2カ所の壁面に
夫々設けられ、超音波を送受信可能な一対の超音波素子
と、一方の超音波素子に対しては、超音波を送信させる
と共に、他方の超音波素子に対しては、該超音波を受信
させ、前記超音波の送信時から受信時までの伝播時間を
計測し、該伝播時間に基づいて、前記被測定ガス中の特
定ガスのガス濃度を検出するガス濃度検出手段と、を備
えるガス濃度センサにおいて、前記流出通路の径を、前
記流入通路の径より小さくしたことを特徴とするガス濃
度センサを要旨とする。
【0012】この様に、測定室内で対向する2箇所の壁
面の両方に超音波素子を設けた請求項2に記載のガス濃
度センサでは、請求項1に記載のガス濃度センサと同様
に、流出通路の径を、流入通路の径より小さくしてい
る。つまり、請求項2に記載のガス濃度センサでは、請
求項1に記載のガス濃度センサと同様の効果が得られ
る。即ち、ガス濃度センサが配置された配管中の吸入空
気の流速が大きくなっても、測定室内の吸入空気の流速
増加を抑えられる分だけ、流入通路の径と流出通路の径
とが同径である従来のガス濃度センサに比べ、正確な超
音波の検出ができる。つまり、超音波の伝播時間の測定
を正確に行うことができるので、精度の高いガス濃度の
測定が可能となる。そして、この高い精度の測定結果に
基づいて、精密にガス濃度を調節することにより、例え
ば、空燃比制御等を好適に行うことができる。
【0013】また、請求項3の発明は、前記測定室とは
別に、前記流入通路と前記流出通路とを連結するバイパ
ス通路を設けたことを特徴とする請求項1または2に記
載のガス濃度センサを要旨とする。請求項3に記載のガ
ス濃度センサでは、流出通路の径が流入通路の径より小
さいので、流出通路でのガス流の流れ抵抗が増加する
上、測定室に流れようとするガス流が、バイパス通路に
分岐される。従って、請求項1または2に記載のガス濃
度センサに比べ、ガス濃度センサが配置された配管中の
吸入空気の流速がさらに大きくなるまで、測定室内の吸
入空気流動乱れの発生を遅延できる。
【0014】つまり、請求項3に記載のガス濃度センサ
では、請求項1または2に記載のガス濃度センサに比
べ、測定室内の吸入空気の流速増加を抑えることができ
るので、正確な超音波の検出ができる。つまり、超音波
の伝播時間の測定を正確に行うことができるので、精度
の高いガス濃度の測定が可能となる。そして、この高い
精度の測定結果に基づいて、精密にガス濃度を調節する
ことにより、例えば、空燃比制御等を好適に行うことが
できる。
【0015】また、請求項4の発明は、前記ガス濃度検
出手段は、前記超音波素子に対して、少なくとも一つの
変調点を有する超音波を送受信させ、前記超音波の変調
点を利用して求めた伝播時間に基づいて、前記特定ガス
のガス濃度を検出するものであることを特徴とする請求
項1〜3いずれかに記載のガス濃度センサを要旨とす
る。
【0016】請求項4に記載のガス濃度センサは、請求
項1〜3いずれかに記載のガス濃度センサにおいて、超
音波の伝播時間の測定方法を示したものである。この様
に、超音波素子にて変調点を有する超音波を送信する
と、受信波にも、その変調点が反映される。従って、例
えば、送信波の変調点と受信波の変調点との間の時間を
測定すれば、超音波の伝播時間が判る。つまり、超音波
送受信波の信号の強弱にかかわらず、正確に超音波の伝
播時間を測定することができる。
【0017】そして、送信波に導入する具体的な変調点
としては、周波数変調による周波数の切換点であっても
良い。つまり、超音波素子に送信させる超音波の波形に
少なくとも1箇所の周波数切換点(例えば、周波数をF
1からF2に切換えた点)を導入すれば、受信波にもこ
の周波数切換点が反映されて表れる。従って、例えば、
周波数の切換点(つまり、送信波−受信波の各々の変調
点)間の時間を測定すれば、伝播時間が判る。つまり、
信号の強弱にかかわらず、正確に超音波の伝播時間を測
定することができる。
【0018】また、送信波に導入する具体的な変調点と
しては、信号波形が表れないポイントであっても良い。
例えば、超音波素子に送信させる超音波の波形に少なく
とも1点の逆位相成分(180度)を導入すれば、送信
波の逆位相ポイントには、信号波形が表れない。そし
て、この逆位相ポイントは受信波にも反映され、信号波
形がない箇所が表れる。従って、例えば、逆位相ポイン
ト(つまり、送信波−受信波の各々の信号波形がない箇
所)間の時間を測定すれば、伝播時間が判る。つまり、
信号の強弱にかかわらず、正確に超音波の伝播時間を測
定することができる。
【0019】また、送信波に導入する具体的な変調点と
しては、一般的な位相変調による位相の切換点であって
も良い。つまり、超音波素子に送信させる超音波の波形
に少なくとも1箇所の位相切換点(例えば、位相をθ度
から(θ+180)度に切換えた点)を導入すれば、受
信波にもこの位相切換点が反映されて表れる。従って、
例えば、位相切換点(つまり、送信波−受信波の各々の
位相切換点)間の時間を測定すれば、伝播時間が判る。
つまり、信号の強弱にかかわらず、正確に超音波の伝播
時間を測定することができる。
【0020】また、請求項5の発明は、前記ガス濃度検
出手段は、前記超音波素子が超音波を受信してから、次
に受信するまでの伝播時間を計測し、該伝播時間に基づ
いて、前記特定ガスのガス濃度を検出するものであるこ
とを特徴とする請求項1〜4いずれかに記載のガス濃度
センサを要旨とする。
【0021】請求項5に記載のガス濃度センサは、請求
項1〜4いずれかの発明において、超音波の伝播時間を
より高精度に測定するものである。例えば、経時劣化等
により超音波素子の例えばモールド材の特性が変化した
場合には、超音波を送信した後、超音波素子にて最初に
受信するまでの伝播時間が、劣化品では、新品の伝播時
間と比べて長くなる。従って、新品における最初の伝播
時間(つまり、超音波を送信した後、超音波素子にて最
初に受信するまでの時間)に基づいて、特定ガスのガス
濃度を測定すると、正確にガス濃度を検出できない。
【0022】一方、最初の受信波より後の受信波(例え
ば、超音波素子にて最初に受信された後、測定室内を往
復し、再度超音波素子にて受信される超音波)は、単に
反射を繰り返して伝播したものであり、超音波素子内部
の構造に影響されないので、超音波素子が劣化した場合
でも、その伝播時間の変動は少なく、劣化の影響が少な
い。
【0023】そこで、請求項5に記載のガス濃度センサ
では、超音波素子の劣化の影響を受け易い最初の受信波
ではなく、劣化の影響を受け難い後の受信波の伝播時間
に基づいて、特定ガスのガス濃度を検出するのである。
これにより、精度の高いガス濃度の測定ができ、よっ
て、この高い精度の測定結果に基づいて、精密にガス濃
度を調節することにより、例えば空燃比制御等を好適に
行うことができる。
【0024】また、請求項6の発明は、前記特定ガス
が、内燃機関用エンジンの蒸発燃料であることを特徴と
する請求項1〜5いずれかに記載のガス濃度センサを要
旨とする。請求項6に記載のガス濃度センサは、ガス濃
度センサの測定対象の特定ガスの種類を例示したもので
ある。ここでは、特定ガスを、パージガス等の蒸発燃料
としている。これにより、燃料ガスのガス濃度を正確に
測定できるので、空燃比制御等を好適に行うことができ
る。
【0025】
【発明の実施の形態】以下、本発明のガス濃度センサの
一実施例を、図面を参照して説明する。本実施例は、超
音波を利用したガス濃度センサにより、蒸発燃料のガス
濃度を測定するものである。
【0026】まず、本実施例におけるシステム構成を説
明する。図1はガス濃度センサを含むシステム構成図で
ある。図1に示す様に、本実施例では、エンジン1の吸
気管2には、その上流側より、吸入空気量を調節するス
ロットルバルブ3、パージガスのガス濃度を検出する第
4ガス濃度センサ24、燃料を噴射するインジェクタ6
が配置されている。
【0027】一方、エンジン1の排気管7には、上流側
より、排ガス中の酸素濃度を検出する酸素センサ(全領
域空燃比センサ)8、排ガスを浄化する3元触媒9が配
置されている。また、エンジン1に燃料を供給する経路
として、液体の燃料を供給する第1の供給系と、気体
(ガス)の燃料を供給する第2の供給系を備えている。
【0028】前記第1の供給系として、ガソリンタンク
11は、第1供給路12及び燃料ポンプ15を介して、
インジェクタ6に接続されている。従って、燃料は、ガ
ソリンタンク11から、燃料ポンプ15により、第1供
給路12を介してインジェクタ6に供給され、インジェ
クタ6から吸気管2内に噴射供給される。
【0029】一方、第2の供給系として、ガソリンタン
ク11は、第2供給路13を介してキャニスタ14に接
続され、キャニスタ14は、第3供給路16及びパージ
バルブ17を介して、スロットルバルブ3と第4ガス濃
度センサ24との間の吸気管2に接続されている。
【0030】また、本実施例では、前記第2供給路1
3、キャニスタ14、キャニスタ14からパージバルブ
17の間の第3供給路16には、各々蒸発燃料のガス濃
度を検出する第1ガス濃度センサ21、第2ガス濃度セ
ンサ22、第3ガス濃度センサ23が配置されている。
これら第1〜第3ガス濃度センサ21〜23は、いずれ
か1つを配置しても良い。尚、蒸発燃料のうち、キャニ
スタ14からパージ(蒸発による排出)されたものをパ
ージガスと称する。
【0031】従って、ガソリンタンク11から蒸発した
燃料は、一旦キャニスタ14にて吸着され、このキャニ
スタ14で適宜外気が導入されて、燃料のパージが行わ
れる。そして、パージにより発生した蒸発燃料(パージ
ガス)は、パージバルブ17にてガス流量を調節され
て、スロットルバルブ3と第4ガス濃度センサ24との
間の吸気管2に供給される。
【0032】また、このシステムでは、パージガスの供
給量の制御や空燃比の制御などを、電子制御装置(EC
U)26で行なっている。このECU26には、第1〜
第4ガス濃度センサ21〜24(以下ガス濃度センサ2
5と総称する)、酸素センサ8、エアフロメータ10等
の各種のセンサからの信号が入力するとともに、パージ
バルブ17、スロットルバルブ3、インジェクタ6等の
各種のアクチュエータに制御信号を出力する。尚、EC
U26は、ガス濃度センサ25に対しても、そのオン・
オフ等の制御信号も出力する。
【0033】次に、本実施例のガス濃度センサ25の構
造及びその基本原理について説明する。まず、ガス濃度
センサ25の構造を説明する。本実施例のガス濃度セン
サ25は、圧電素子を利用して超音波を発生する超音波
式のガス濃度センサであり、特に超音波の送信と受信と
が兼用の超音波送受信素子(素子ASSY)を用いる。
【0034】具体的には、ガス濃度センサ25は、図2
に示す様な構造を有している。即ち、ガス濃度センサ2
5の本体であるセンサケース31は、金属あるいは樹脂
による一体構造となっており、駆動・演算用回路32が
設置されている回路基板封入部33と、蒸発燃料を含む
吸入空気が導入される測定室34と、測定室34内で対
向する2箇所の壁面の一方に設けられた超音波送受信素
子(以下単に超音波素子とも記す)35と、測定室34
内における超音波素子35が設けられた壁面に対向する
他方の壁面であり、超音波素子35から所定の距離Lだ
け離れ、超音波素子35から送信される超音波を反射さ
せる反射面36と、吸入空気をセンサケース31外から
測定室34内に流入させる流入通路37と、吸入空気を
測定室34内からセンサケース31外に流出させる流出
通路38と、測定室34に対して並列に設けられ、流入
通路37における測定室34との連結部の前の部分と流
出通路38における測定室34との連結部の後の部分と
を連結するバイパス通路39と、を有している。そし
て、回路基板封入部33には、駆動・演算用回路32の
設置後に回路蓋41がなされている。また、流出通路3
8の径は、流入通路37の径より小さい。具体的には、
流出経路38の径が2mmであるのに対して、流入通路
37の径は4.8mmとなっている。
【0035】また、図3に示すように、超音波素子35
は、圧電素子42と、圧電素子42の測定室34側の端
面に接着された整合層43と、圧電素子42からのセン
サ出力を取り出すよう圧電素子42より引き出された出
力取り出しリード44と、圧電素子42、整合層43及
び出力取り出しリード44の圧電素子42側の端部をモ
ールド材45にて内部で固定する素子ケース46と、か
ら成る。尚、整合層43の測定室34側の端面は、素子
ケース46の測定室34側の端面とほぼ一致するよう配
置されている。また、前記整合層43及び素子ケース4
6の測定室34側の端面には、耐油性及び耐熱性に優れ
た樹脂薄膜が接着されている。
【0036】次に、本発明のガス濃度検出手段に相当す
るガス濃度センサ25の駆動・演算用回路32の構成を
説明する。図4のブロック図に示す様に、ガス濃度セン
サ25の駆動及び演算には、CPU(マイコン)51を
用いる。超音波の送信及び受信は、送受信切り換えスイ
ッチ(SW)52a,52bを用いて切り換える。
【0037】そして、送信時には、ドライバーを用いて
超音波素子35へ電圧を印加し、超音波の送信を行な
う。一方、受信時には、超音波素子35にて得られた受
信波形は、アンプ(増幅AMP)53で所定の増幅が施
され、コンパレータ54を通して整形された波形の信号
は、CPU51内部に導入される。CPU51では、タ
イマーを用いて伝播時間を測定し、この測定結果をマッ
プに参照して濃度に換算し、その濃度を例えば図示しな
い表示装置等に出力する。
【0038】次に、ガス濃度センサ25の基本原理につ
いて説明する。なお、図5では、説明のために、送信部
25bと受信部25aとを別体に示しているが、本実施
例では、送信と受信との兼用素子を用いる。図5に示す
様に、ガス濃度センサ25を用いて濃度測定を行なう場
合には、送信部25bから超音波を送信し、その超音波
を受信部25aにより受信する。このとき、送信波形と
受信波形との間には、例えば吸入空気中のパージガスの
ガス濃度に応じて伝播時間のズレがある。例えば図5
(a)に示す様に、パージガスのガス濃度が低い場合に
は、送信波形と受信波形とのズレである伝播時間T1は
小さく、一方、図5(b)に示す様に、パージガスのガ
ス濃度が高い場合には、伝播時間T2は大きい。従っ
て、この伝播時間に対応したセンサ出力を取り出すこと
により、ガス濃度を検出することができる。
【0039】例えば蒸発燃料の主成分であるブタンを用
いて測定した場合には、センサ出力とブタンのガス濃度
との間には、図6に示すように、ほぼ比例関係がある。
従って、センサ出力が得られれば、そのセンサ出力か
ら、パージガスの濃度を検出することができる。
【0040】次に、前記ガス濃度センサ25にて、前記
基本原理を用いて、実際に蒸発燃料(パージガス)のガ
ス濃度を測定する方法を説明する。まず、超音波の伝播
時間からガス濃度を算出するための演算式の例について
説明する。
【0041】本実施例では、図7に示す様に、超音波の
送信波に、F1とF2という2種類の周波数成分を含め
て送信を行う。即ち、送信周波数をF1からF2に変調
する。その場合には、受信波にも、その周波数変化が反
映されるので、受信波において変調点が出現する時間を
到達時間とする。つまり、周波数の切換点(例えば送信
波−反射波の各々の変調点)間の時間を測定すれば、そ
の伝播時間が判る。
【0042】そして、この様にして伝播時間を測定して
から、ガス濃度を示す超音波の音速Cを、下記式(1)
から算出する。つまり、図2に示した様に、超音波素子
35の外表面(整合層43に樹脂薄膜を隔てた表面)と
反射面36との距離Lが既知であることから、その距離
Lを1往復する時間である伝播時間Tを測定し、前記距
離L及び伝播時間Tを、下記式(1)に当てはめて、音
速Cを算出する。
【0043】 C=2L(素子表面から反射面の往復距離)/T(伝播時間)…(1) 従って、この音速Cに対応した値をセンサ出力(電圧)
として取り出すことにより、前記図6に示す様なマップ
から、ガス濃度を求めることができるのである。
【0044】なお、本実施例におけるガス濃度センサ2
5では、流出通路38の径を、流入通路37の径より小
さくし、且つ流入通路37と流出通路38との間にバイ
パス通路39を設けているので、ガス濃度センサ25が
配置された配管中を流れるパージガス等の吸入空気の流
速が大きい場合でも、正確な変調点の検出をすることが
できる。
【0045】図8は、流入通路37の径と流出通路3
8の径とが同径で、バイパス通路39がない場合、流
出経路38の径が流入通路37の径より小さく、バイパ
ス通路39がない場合、及び流出経路38の径が流入
通路37の径より小さく、バイパス通路39がある場合
(つまり、本実施例の場合)の各条件において、受信波
の最大振幅が、流入通路37の端部における吸入空気の
流速によってどの様に変化するかを示した実験結果であ
る。
【0046】また、図9は、前記〜の各条件におい
て、駆動・演算用回路32における変調点のセンシング
ミス頻度(回/sec)が、流入通路37の端部におけ
る吸入空気の流速によってどの様に変化するかを示した
実験結果である。尚、従来のガス濃度センサ25に対応
する前記の場合、流入通路37及び流出通路38の径
は、4.8mmである。また、前記及びの場合は共
に、流出経路38の径が2mmであるのに対して、流入
通路37の径は4.8mmとなっている。
【0047】ここで、流入通路37の端部とは、流入通
路37の測定室34と反対側の端部を意味する。また、
流入通路37の端部における吸入空気の流速とは、ガス
濃度センサ25が配置された配管中を流れる蒸発燃料等
の吸入空気の流速を意味する。即ち、図1中の第1〜第
3ガス濃度センサ21〜23の場合は、各々第2供給路
13、キャニスタ14、及びキャニスタ14からパージ
バルブ17までの第3供給路16を流れる蒸発燃料の流
速を意味する。また、第4ガス濃度センサ24の場合
は、吸気管2を流れるパージガスを含んだ吸入空気の流
速を意味する。つまり、流入通路37の端部(即ち、流
入通路37の測定室34と反対側の端部)から流入通路
37には、ガス濃度センサ25が配置された配管中のガ
ス流速に比例した流速で吸入空気が流れ込もうとする。
【0048】このとき、測定室34内における吸入空気
の流速は、測定室34に連結された流入通路37及び流
出通路38におけるガス流の流れ抵抗や、バイパス通路
39に分岐されるガス流の量等に依存して、変化する。
図8に示す様に、流入通路37の径と流出通路38の径
とが同径であるの従来のガス濃度センサ25の場合
は、流入通路37の端部における吸入空気の流速が6
(l/min)を越えると、受信波の最大振幅が急激に
減衰する。これは、ガス濃度センサ25が配置された配
管中を流れる吸入空気の流速が増加すると、この吸入空
気の流速に対応して、測定室34内の吸入空気の流速が
急激に大きくなるためである。この場合、測定室34内
の吸入空気流には乱れが発生し、この吸入空気中を伝播
する超音波には振幅減衰が不安定に発生することにな
る。
【0049】また、図9では、この受信波の振幅の急激
な減衰に対応して、の従来のガス濃度センサ25で、
伝播時間測定ミスが頻発することを示している。これ
は、変調点が判別可能な十分な強度を有する反射波を、
超音波素子35において、受信できないため、測定室3
4内を伝播する超音波の伝播時間を正確に測定できない
ことを示している。
【0050】一方、の従来のガス濃度センサ25に対
し、流出通路38の径を流入通路37の径より小さくし
たの場合は、図8、9に示す様に、流入通路37の端
部における吸入空気の流速が12(l/min)となる
まで、受信波の最大振幅は減衰せず、変調点のセンシン
グミスも発生しない。これは、流出通路38の径を流入
通路37の径より小さくしたので、流出通路38におい
てガス流の流れ抵抗が増したためである。つまり、の
ガス濃度センサ25では、のガス濃度センサ25に比
べ、測定室34内の吸入空気流動乱れの発生を、流速が
より大きくなるまで遅延できる。即ち、のガス濃度セ
ンサ25では、のガス濃度センサ25に比べ、測定室
34内の吸入空気の流速増加を余分に抑えることができ
る。従って、のガス濃度センサ25では、その分だ
け、正確な変調点の検出ができ、超音波の伝播時間の測
定を正確に行うことができるので、精度の高いガス濃度
の測定が可能となる。
【0051】また、のガス濃度センサ25にバイパス
通路39を設けたの場合は、図8、9に示す様に、流
入通路37の端部における吸入空気の流速が40(l/
min)となるまで、受信波の最大振幅は減衰せず、変
調点のセンシングミスも発生しない。これは、のガス
濃度センサ25では、流出通路38の径が流入通路37
の径より小さいので、流出通路38でのガス流の流れ抵
抗が増加する上、測定室34に流れようとするガス流
が、バイパス通路39に十分に分岐されるためである。
つまり、のガス濃度センサ25では、のガス濃度セ
ンサ25に比べ、測定室34内の吸入空気流動乱れの発
生を、流速がさらに大きくなるまで十分に遅延できる。
即ち、の(従って本実施例の)ガス濃度センサ25で
は、単に流出通路38の径を流入通路37の径より小さ
くしたのガス濃度センサ25に比べ、測定室34内の
吸入空気の流速増加を十分に抑えることができる。従っ
て、のガス濃度センサ25では、その分だけ、正確な
変調点の検出ができ、超音波の伝播時間の測定を正確に
行うことができるので、精度の高いガス濃度の測定が可
能となる。
【0052】そして、実際の反射波の検出は、測定精度
をさらに向上するため下記のように行われる。図10
(b)は、超音波素子35における送受信波形を示す図
である。まず、超音波素子35より周波数変調した送信
波を送信すると、その送信波は、反射面36で反射し
て、超音波素子35にて、反射波(第1反射波)として
検出される。この第1反射波は、超音波素子35の表面
で反射して、再度反射面36にて反射し、再度超音波素
子35にて、反射波の反射波(第2反射波)として検出
される。以下、同様な反射が繰り返されるが、伝播距離
が長くなるに従い、反射波は徐々に減衰してゆく。
【0053】その後、最初の送信波が出力されてから所
定時間経過すると、次の送信波を送信するために送受信
切り換えスイッチ52a,52bが切り替えられ、図1
0(a)に示すように、次の送信波が送信され、以後、
同様な処理が繰り返される。このとき、マイコン入力波
形(即ちコンパレータ出力)は、図10(c)に示す状
態となるので、その周波数の変調点間の時間を測定す
る。つまり、受信波を、コンパレータで所定のスレッシ
ョルドレベルに基づいて、デジタル信号(ハイまたはロ
ーの2値信号)に変換した後、マイコンに入力し、内部
タイマ等でデジタル信号の立ち上がり及び立ち下がり時
間を測定することにより、その変調点が判るので、各変
調点間の時間を求めることができる。
【0054】具体的には、まず、送信波の変調点から第
1反射波の変調点までの第1到達時間(従って第1伝播
時間)T1を測定するとともに、送信波の変調点から第
2反射波の変調点までの第2到達時間T3を測定する。
そして、第2到達時間T3から第1到達時間T1を差し
引いて、第2反射波の伝播時間(第2伝播時間T2)を
求める。
【0055】従って、本実施例では、前記の様にして求
めた第2伝播時間T2を用いて、ガス濃度を検出するの
であるが、これは、下記の理由による。例えば、超音波
素子35のモールド材45の経時劣化等により、第1伝
播時間T1は変動する。つまり、第1伝播時間T1のズ
レ発生要因としては、モールド材45が硬化したり、吸
水し重くなると圧電素子42の慣性が変化することによ
り、結果として受信波形の振幅(感度)に影響を与える
のみならず、変調点のズレを伴うことが考えられる。
【0056】つまり、例えば図11に示す様に、経時劣
化のあるセンサ(OLD)と新品のセンサ(NEW)と
を比べると、OLDのセンサでは、第1反射波におい
て、山数が増加したり振幅が減少するという変化があ
る。それによりOLDの第1伝播時間T1’は、NEW
のセンサの第1伝播時間T1より長くなってしまう。と
ころが、第2反射波は、同様の傾向で単に素子35表面
で反射した反射波が反射面36で反射するだけであるの
で、経時劣化の影響を受けず、よって、NEWのセンサ
の第2伝播時間T2とOLDのセンサの第2伝播時間T
2’とは同じとなる。
【0057】従って、前記音速Cを算出する際に用いる
伝播時間として、この第2伝播時間を用いれば、経時劣
化の影響を受けないので、常に正しい音速Cを測定する
ことができる。これは、経時劣化がある場合でも、第2
伝播時間を測定すれば、第1反射波及び第2反射波の変
調点も共にズレることにより、前記経時変化による変調
点のズレはキャンセルできることになり、経時変化にか
かわらず正しく伝播時間が測定できることになるからで
ある。
【0058】よって、本実施例では、上述した第2伝播
時間を用いて音速Cを算出し、この音速Cに対応したセ
ンサ出力を求め、このセンサ出力を図6の様なマップに
当てはめて、ガス濃度を検出するのである。以上説明し
たように、本実施例のガス濃度センサ25においては、
流出通路38の径を、流入通路37の径より小さくし、
且つ流入通路37と流出通路38との間にバイパス通路
39を設けているので、ガス濃度センサ25が配置され
た配管中を流れるパージガス等の吸入空気の流速が大き
い場合でも、変調点の検出を正確に行なうことができ、
正確な伝播時間Tの測定をすることができる。
【0059】また、音速Cを算出する際に、第2伝播時
間を用いているため、経時劣化の影響を受けないで、常
に正しい音速Cを測定することができる。以上、本発明
の一実施例について説明したが、本発明は、上記実施例
に限定されるものではなく、種々の態様を採ることがで
きる。
【0060】例えば、上記実施例では、第2到達時間T
3から第1到達時間T1を差し引いて、第2反射波の伝
播時間(第2伝播時間T2)を求めることとして説明し
たが、第n+1到達時間Tn+2から第n到達時間Tn
+1を差し引いて、第n+1反射波の伝播時間(第n+
1伝播時間Tn+1)を求めることとしても良い(nは
2以上の整数)。但し、伝播距離が長くなるに従い、反
射波は徐々に減衰してゆくので、反射回数が増すごと
に、測定精度は下がる。
【0061】また、ある変調点を検出してから次の変調
点を検出するまでの時間(例えば、第1反射波の変調点
から第2反射波の変調点までの時間)を伝播時間として
直接に計測しても良く、この場合も上記実施例と同様の
結果が得られる。また、変調点での波形は、コンパレー
タ54のスレッショルドレベルの設定によっては、再現
性が欠ける場合があるので、その変調点を基準に前何山
目かの波形を検出する等、変調点を目安として使用して
も良い。
【0062】また、上記実施例では、送信波の周波数を
F1からF2に1回だけ周波数変調したが、2回以上の
周波数変調を伴なった送信波としても良いのはいうまで
もない。また、上記実施例では、周波数変調を伴なった
超音波を送信したが、逆位相成分を入れた超音波を送信
してもよい。例えば、図12(a)に示す様に、逆位相
成分(180度)を導入した超音波を送信すれば、送信
波の逆位相ポイントには、信号波形が表れない。
【0063】そして、図12(b)に示す様に、受信波
である反射波にも、逆位相ポイントに対応して信号波形
がない箇所が表れる。従って、逆位相成分が導入された
点(変調点)を、上記実施例の周波数変調点と同様に、
測定基準とすることで、伝播時間を測定し、ガス濃度を
測定することができる。
【0064】具体的には、例えば、第2反射波の逆位相
ポイントが表れる時間から、第1反射波の逆位相ポイン
トが表れる時間を差し引いて、第2反射波の伝播時間
(第2伝播時間)を正確に求めることができるので、こ
の第2伝播時間に基づいて、ガス濃度を測定することが
できる。
【0065】また、上記実施例では、測定室34内で対
向する2箇所の壁面の一方にのみ、超音波素子35を設
けたが、図13に示すように、測定室34内で対向する
2箇所の壁面の両方に、超音波素子35、35’を設け
ても良い。なお、この場合、一方の超音波素子35は超
音波の送信用で、他方の超音波素子35’は超音波の受
信用である。そして、2つの超音波素子35、35’は
共に、図3に示す構造を有している。
【0066】尚、この場合のガス濃度センサ25は、以
下に述べる点で上記実施例のガス濃度センサ25と異な
っている。まず、このガス濃度センサ25の場合、図4
に示した駆動・演算用回路32中に送受信切り換えスイ
ッチ52a、52bはなく、ドライバは送信用の超音波
素子35にのみ連結され、受信用の超音波素子35’の
みがアンプ(増幅AMP)53に連結されている。
【0067】また、2つの超音波素子35、35’の外
表面間の距離をLとすれば、この場合の駆動・演算用回
路32は、音速Cを次の様に算出する。まず、送信用の
超音波素子35からドライバを介して、例えば図7に示
す様な周波数変調を伴った超音波を送信すると、受信用
の超音波素子35’にて受信される超音波にも、送信波
と同様な周波数変化が反映される。そして、送信用の超
音波素子35からの送信波の変調点と受信用の超音波素
子35’における最初の受信波の変調点との間の伝播時
間t1から音速Cを求める場合は、上記実施例の場合と
異なり、伝播距離がLとなるので、下記式(2)によ
り、音速Cを算出する。
【0068】 C=L(2つの素子表面間の距離)/t1(伝播時間)…(2) なお、この場合の超音波素子35、35’の場合も、例
えばモールド材45の経時劣化等により、前記の最初の
伝播時間t1にズレが発生する。そこで、この場合は、
送信波の変調点から受信用の超音波素子35’に最初に
到達する受信波の変調点までの第1到達時間t1(第1
伝播時間t1)を測定するとともに、送信波の変調点か
ら受信用の超音波素子35’に2回目に到達する超音波
(つまり、受信用の超音波素子35’に最初に到達した
際、超音波素子35’の表面で反射し、送信用の超音波
素子35の表面でも反射して、再度受信用の超音波素子
35’にて検出される超音波)の変調点までの第2到達
時間t3を測定する。そして、第2到達時間t3から第
1到達時間t1を差し引くことによって、超音波素子3
5’の表面で最初に反射してから、2つの超音波素子3
5、35’間を超音波が1往復するのに要した時間t2
(第2伝播時間t2)を求める。これは、超音波素子3
5’に最初に到達した超音波が、2箇所の超音波素子3
5、35’間を単に同様の傾向を伴って往復し、再度超
音波素子35’に到達するので、第2伝播時間t2に
は、経時劣化の影響が出ないためである。なお、この
際、駆動・演算用回路32では、音速Cを下記式(3)
によって算出する。
【0069】 C=2L(2つの素子表面間の往復距離)/t2(伝播時間)…(3) 即ち、この場合のガス濃度センサ25では、第1伝播時
間t1によって音速Cを求める場合のみ、式(2)を用
い、第n+1伝播時間tn+1(nは1以上の整数)に
よって音速Cを求める場合は式(3)を用いる(但し、
式(3)中、「t2(伝播時間)」とあるのを、「tn
+1(伝播時間)」として用いる)。
【0070】なお、第n+1伝播時間tn+1を求める
場合は、第n+1到達時間tn+2から第n到達時間t
n+1を差し引いて、求める。但し、伝播距離が長くな
るに従い、超音波素子35’における受信波は徐々に減
衰してゆくので、nが増すごとに、測定精度は下がる。
【0071】また、超音波素子35’にてある変調点を
検出してから次の変調点を検出するまでの時間(例え
ば、超音波素子35’に最初に到達した超音波の変調点
から、前記のように超音波素子35’に2回目に到達し
た超音波の変調点までの時間)を伝播時間として直接に
計測しても良く、この場合も同様の結果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例のガス濃度センサの制御装置を含むシ
ステム全体を示すシステム構成図である。
【図2】 ガス濃度センサ全体の断面構造を示す説明図
である。
【図3】 超音波送受信素子の構造を示す説明図であ
る。
【図4】 ガス濃度センサの電気的構成を示すブロック
図である。
【図5】 ガス濃度センサの基本原理を示す説明図であ
る。
【図6】 センサ出力とブタン濃度との関係を示すグラ
フである。
【図7】 1回の周波数変調を伴った送信波形を示した
図である。
【図8】 ガス濃度センサが配置された配管中を流れる
吸入空気の流速に対する、受信波の振幅の変化を表した
実験結果である。
【図9】 ガス濃度センサが配置された配管中を流れる
吸入空気の流速に対する、センシングミス頻度の変化を
表した実験結果である。
【図10】 (a)は送受信切り替えスイッチによる信
号を示すタイミングチャート、(b)は送受信波形を示
すタイミングチャート、(c)はコンパレータ出力を示
すタイミングチャートである。
【図11】 センサの新品と劣化品における超音波の送
受信波形を示すタイミングチャートである。
【図12】 (a)は1点の逆位相成分を導入した送信
波形を示した図、(b)は送受信波形を示すタイミング
チャートである。
【図13】 変形例としてのガス濃度センサ全体を示す
説明図である。
【符号の説明】
1…エンジン、 21、22、23、24、25…ガス濃度センサ、 32…駆動・演算用回路(ガス濃度検出手段)、 34…測定室、 35、35’…超音波素子、 36…反射面、 37…流入通路、 38…流出経路、 39…バイパス通路。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 伴野 圭吾 愛知県名古屋市瑞穂区高辻町14番18号 日 本特殊陶業株式会社内 (72)発明者 石田 昇 愛知県名古屋市瑞穂区高辻町14番18号 日 本特殊陶業株式会社内 Fターム(参考) 2G047 AA01 BA03 BC02 BC15 CA01 GB26 GG30 GG33 GJ19

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被測定ガスを流入出させる流入通路及び
    流出通路を備えた測定室と、 該測定室内で互いに対向する2カ所の壁面の内の一方に
    設けられ、他方の壁面に向けて超音波を送信すると共
    に、該壁面を反射面として反射してくる超音波の反射波
    を受信可能な超音波素子と、 該超音波素子に対して、超音波を送信させると共に前記
    反射波を受信させ、前記超音波の送信時から前記反射波
    の受信時までの伝播時間を計測し、該伝播時間に基づい
    て、前記被測定ガス中の特定ガスのガス濃度を検出する
    ガス濃度検出手段と、 を備えるガス濃度センサにおいて、 前記流出通路の径を、前記流入通路の径より小さくした
    ことを特徴とするガス濃度センサ。
  2. 【請求項2】 被測定ガスを流入出させる流入通路及び
    流出通路を備えた測定室と、 該測定室内で互いに対向する2カ所の壁面に夫々設けら
    れ、超音波を送受信可能な一対の超音波素子と、 一方の超音波素子に対しては、超音波を送信させると共
    に、他方の超音波素子に対しては、該超音波を受信さ
    せ、前記超音波の送信時から受信時までの伝播時間を計
    測し、該伝播時間に基づいて、前記被測定ガス中の特定
    ガスのガス濃度を検出するガス濃度検出手段と、 を備えるガス濃度センサにおいて、 前記流出通路の径を、前記流入通路の径より小さくした
    ことを特徴とするガス濃度センサ。
  3. 【請求項3】 前記測定室とは別に、前記流入通路と前
    記流出通路とを連結するバイパス通路を設けたことを特
    徴とする請求項1または2に記載のガス濃度センサ。
  4. 【請求項4】 前記ガス濃度検出手段は、 前記超音波素子に対して、少なくとも一つの変調点を有
    する超音波を送受信させ、 前記超音波の変調点を利用して求めた伝播時間に基づい
    て、前記特定ガスのガス濃度を検出するものであること
    を特徴とする請求項1〜3いずれかに記載のガス濃度セ
    ンサ。
  5. 【請求項5】 前記ガス濃度検出手段は、 前記超音波素子が超音波を受信してから、次に受信する
    までの伝播時間を計測し、該伝播時間に基づいて、前記
    特定ガスのガス濃度を検出するものであることを特徴と
    する請求項1〜4いずれかに記載のガス濃度センサ。
  6. 【請求項6】 前記特定ガスが、内燃機関用エンジンの
    蒸発燃料であることを特徴とする請求項1〜5いずれか
    に記載のガス濃度センサ。
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