JP2000240786A - トルクコンバータのスリップ制御装置 - Google Patents
トルクコンバータのスリップ制御装置Info
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- JP2000240786A JP2000240786A JP4816999A JP4816999A JP2000240786A JP 2000240786 A JP2000240786 A JP 2000240786A JP 4816999 A JP4816999 A JP 4816999A JP 4816999 A JP4816999 A JP 4816999A JP 2000240786 A JP2000240786 A JP 2000240786A
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Abstract
時に、専用のロックアップ制御ループの設定なしでも意
図したロックアップ進行を実現可能にする。 【解決手段】 41でスリップ(S/L )領域と判定する間
は、61で目標スリップω SLPTから実スリップωSLPRを差
し引いてスリップ偏差ωSLPER を求め、62において当該
ωSLPER を所定の応答GCNT で解消するためのスリップ
指令値ωSLPCを求め、47でこのωSLPCが実現されるよう
ロックアップ締結圧をフィードバック制御する。48でロ
ックアップ(L/U )領域と判定し、63でL/U 領域がS/L
領域からのものと判定し、64で未だオープンループ制御
によるロックアップ進行を開始させるべきでないロック
アップ過渡中の初期と判定する時、66でロックアップ過
渡期用目標スリップωSLPTLUをωSLPTとして61,62,47
によるフィードバック制御を実行する。64で後期に至っ
たと判定する時、67で固定のオープンループ制御用スリ
ップ偏差ωSLPER0をωSLPER として62,47による制御を
実行させる。
Description
用いられるトルクコンバータの入出力要素間における相
対回転、つまりスリップ回転をロックアップクラッチの
締結圧制御により目標スリップ回転に収束させるための
スリップ制御装置、特にスリップ制御領域からロックア
ップ領域への移行でロックアップクラッチをスリップ制
御状態から完全締結状態にする時のスリップ制御技術に
関するものである。
力要素間で動力伝達を行うため、トルク変動吸収機能
や、トルク増大機能を果たす反面、伝動効率が悪い。こ
れがため、これらトルク変動吸収機能や、トルク増大機
能が不要な走行条件のもとでは、トルクコンバータの入
出力要素間をロックアップクラッチにより直結するロッ
クアップ式のトルクコンバータが今日では多用されてい
る。しかして、かようにトルクコンバータの入出力要素
間をロックアップクラッチの完全締結により直結したロ
ックアップ状態にするか、該ロックアップクラッチを釈
放したコンバータ状態にするかだけのオン・オフ的な制
御では、こもり音や振動の問題が生じないようロックア
ップ領域を定める必要があることから、トルクコンバー
タのスリップ回転を制限する領域が狭くて十分な伝動効
率の向上を望み得ない。
ラッチ状態にして、要求される必要最小限のトルク変動
吸収機能や、トルク増大機能が確保されるような態様で
トルクコンバータのスリップ回転を制限するスリップ制
御領域を設定し、これによりスリップ回転の制限を一層
低車速まで行い得るようにしたトルクコンバータのスリ
ップ制御技術も多々提案されている。そしてトルクコン
バータのスリップ制御技術は一般的に、エンジンのスロ
ットル開度や、車速や、自動変速機の作動油温などの走
行条件に応じて目標スリップ回転を決定し、上記のスリ
ップ制御領域でトルクコンバータの実スリップ回転が目
標スリップ回転になるようロックアップクラッチの締結
力をフィードバック制御するのが普通であり、かかるス
リップ制御によれば、こもり音や振動の問題を生ずるこ
となしにスリップ回転制限領域の一層の低車速化を実現
して運転性の悪化を回避しつつ燃費の向上を図ることが
できる。
していない状態からスリップ制御し始める過渡期におけ
るロックアップクラッチの締結力制御に関しては、例え
ば本願出願人が既に特願平9−301830号により、
ロックアップ機構の特性変化によってもスリップ制御の
応答が悪化したり、制御特性が変わってしまうことのな
いようロックアップクラッチの締結力制御を行う技術を
提案済みである。
領域からロックアップ領域への移行に伴ってトルクコン
バータをスリップ制御している状態からロックアップク
ラッチの完全締結によりロックアップ状態にする過渡期
におけるロックアップクラッチの締結力制御に関しては
従来何の提案技術もないため、設計者の意図するロック
アップ応答およびロックアップショックの低減が得られ
ない危惧があった。なお従来特開平9−53717号公
報により、トルクコンバータをコンバータ状態にする
か、ロックアップ状態にするかだけのオン・オフ的なロ
ックアップ制御において、コンバータ状態からロックア
ップ状態へ移行する過渡期にロックアップクラッチの締
結力を応答性およびショック低減上好適な態様で上昇制
御する技術が提案されており、これを、スリップ制御状
態からロックアップ状態への切り換え過渡期におけるロ
ックアップクラッチの締結力制御に応用することも考え
られる。
ィードバック制御ルーチンとは別に、スリップ制御状態
からロックアップ状態への切り換え過渡期のためのフィ
ードバック制御ルーチンが別に必要となり、制御プログ
ラム容量の増大に伴うROMの圧迫とプログラムの信頼
性の低下が懸念される。またこの場合、スリップ制御用
のフィードバック制御ルーチンと、スリップ制御状態か
らロックアップ状態への過渡期のためのフィードバック
制御ルーチンとの間で切り換えを行う時に切り換えショ
ックが発生する懸念があり、当該切り換えショックの防
止のために面倒な初期値設定が不可欠になるという問題
も発生する。
御状態からロックアップ状態への切り換え過渡期に、当
初はスリップ制御用のフィードバック制御ルーチンを継
続的に実行し、その後はオープンループ制御に切り換え
ることにより、当該過渡期においても設計者の意図する
ロックアップ応答およびロックアップショックの低減が
得られるようにして、スリップ制御状態からロックアッ
プ状態への切り換え過渡期のためのフィードバック制御
ルーチンを別に設定しなくても、従って、制御プログラ
ム容量の増大に伴うROMの圧迫やプログラムの信頼性
の低下を伴うことなしに上記のごとく、設計者の意図す
るロックアップ応答およびロックアップショックの低減
が得られるようにし、合わせて、上記によりフィードバ
ック制御ルーチン間の切り換えをなくして当該切り換え
にともなうショックの発生をなくし、当該切り換えショ
ックの防止のための面倒な初期値設定を不要にしたトル
クコンバータのスリップ制御装置を提案することを目的
とする。
に実行していたスリップ制御用のフィードバック制御ル
ーチンから上記オープンループ制御への切り換えを確実
に行い得るようにしたトルクコンバータのスリップ制御
装置を提案することを目的とする。
に実行していたスリップ制御用のフィードバック制御ル
ーチンから上記オープンループ制御への切り換えを、低
温時やロックアップクラッチの劣化時でもロックアップ
クラッチの締結ショックが大きくなることのないタイミ
ングで確実に行い得るようにしたトルクコンバータのス
リップ制御装置を提案することを目的とする。
ンループ制御についてもこれを、スリップ制御用のフィ
ードバック制御ルーチンの利用により実行し得るように
したトルクコンバータのスリップ制御装置を提案するこ
とを目的とする。
は別の対策により上記オープンループ制御を、スリップ
制御用のフィードバック制御ルーチンの利用により実行
し得るようにしたトルクコンバータのスリップ制御装置
を提案することを目的とする。
たは第5発明のオープンループ制御によるロックアップ
クラッチの締結進行が作動油温変化やロックアップクラ
ッチの経時劣化による影響を受けることのないようにし
たトルクコンバータのスリップ制御装置を提案すること
を目的とする。
プクラッチの締結が相当に進行した時にオープンループ
制御に切り換える場合において、ロックアップ応答を高
める上で大いに有効なオープンループ制御態様としたト
ルクコンバータのスリップ制御装置を提案することを目
的とする。
御状態からロックアップ状態への切り換えと同時に、ス
リップ制御用のフィードバック制御ルーチンを利用した
オープンループ制御に切り換えることにより、当該過渡
期においても設計者の意図するロックアップ応答および
ロックアップショックの低減が得られようにして、スリ
ップ制御状態からロックアップ状態への切り換え過渡期
のためのフィードバック制御ルーチンを別に設定しなく
ても、従って、制御プログラム容量の増大に伴うROM
の圧迫やプログラムの信頼性の低下を伴うことなしに上
記のごとく、設計者の意図するロックアップ応答および
ロックアップショックの低減が得られるようにし、合わ
せて、上記によりフィードバック制御ルーチン間の切り
換えをなくして当該切り換えにともなうショックの発生
をなくし、当該切り換えショックの防止のための面倒な
初期値設定を不要にしたトルクコンバータのスリップ制
御装置を提案することを目的とする。
は別の対策によりスリップ制御用のフィードバック制御
ルーチンを利用したオープンループ制御を実現したトル
クコンバータのスリップ制御装置を提案することを目的
とする。
明または第9発明のオープンループ制御によるロックア
ップクラッチの締結進行が作動油温変化やロックアップ
クラッチの経時劣化による影響を受けることのないよう
にしたトルクコンバータのスリップ制御装置を提案する
ことを目的とする。
ず第1発明によるトルクコンバータのスリップ制御装置
は、トルクコンバータの入出力要素間における実スリッ
プ回転をロックアップクラッチの締結により制限可能
で、この実スリップ回転と目標スリップ回転との間にお
けるスリップ回転偏差に応じ前記ロックアップクラッチ
の締結圧をフィードバック制御して実スリップ回転を目
標スリップ回転にするための装置において、前記ロック
アップクラッチを滑り結合させるべきスリップ制御領域
から該ロックアップクラッチを完全締結させるべきロッ
クアップ領域への移行時も、当該領域移行用の目標スリ
ップ回転を前記目標スリップ回転として前記ロックアッ
プクラッチ締結圧のフィードバック制御を継続的に実行
し、該フィードバック制御によりロックアップクラッチ
の締結が設定値まで進行した後は、前記実スリップ回転
が任意の態様で0になるよう前記ロックアップクラッチ
締結圧の制御をオープンループ制御に切り換える構成に
したことを特徴とするものである。
プ制御装置は、上記の第1発明において、前記実スリッ
プ回転が設定スリップ回転まで低下した時にロックアッ
プクラッチの締結が設定値まで進行したとして、前記ロ
ックアップクラッチ締結圧のオープンループ制御への切
り換えを行うよう構成したことを特徴とするものであ
る。。
プ制御装置は、上記の第2発明において、前記設定スリ
ップ回転を、作動油温が低い時ほど、またロックアップ
クラッチの経時劣化が激しい時ほど大きくして、低温時
やロックアップクラッチの劣化時でもロックアップクラ
ッチの締結ショックが大きくなることのないようにした
ことを特徴とするものである。
プ制御装置は、第1発明乃至第3発明のいずれかにおい
て、前記ロックアップクラッチ締結圧のオープンループ
制御は、前記フィードバック制御の系における前記スリ
ップ回転偏差を一定値に保持することにより実現するよ
う構成したことを特徴とすることを特徴とするものであ
る。
プ制御装置は、上記の第4発明において、固定の仮想ス
リップ回転を前記実スリップ回転として該仮想スリップ
回転と前記目標スリップ回転との間における差を前記フ
ィードバック制御系のスリップ回転偏差とすることによ
り、該スリップ回転偏差を一定値に保持するよう構成し
たことを特徴とすることを特徴とするものである。
プ制御装置は、第4発明または第5発明において、前記
フィードバック制御系の保持すべきスリップ回転偏差
を、作動油温変化やロックアップクラッチの経時劣化に
よる前記実スリップ回転の時間低下勾配の変化が生じな
いよう、これら作動油温変化やロックアップクラッチの
経時劣化に応じて異なる一定値とする構成にしたことを
特徴とすることを特徴とするものである。
プ制御装置は、第1発明乃至第3発明のいずれかにおい
て、前記ロックアップクラッチ締結圧のオープンループ
制御を、前記実スリップ回転が直ちに0にされるような
オープンループ制御としたことを特徴とするものであ
る。
プ制御装置は、トルクコンバータの入出力要素間におけ
る実スリップ回転をロックアップクラッチの締結により
制限可能で、この実スリップ回転と目標スリップ回転と
の間におけるスリップ回転偏差に応じ前記ロックアップ
クラッチの締結圧をフィードバック制御して実スリップ
回転を目標スリップ回転にするための装置において、前
記ロックアップクラッチを滑り結合させるべきスリップ
制御領域から該ロックアップクラッチを完全締結させる
べきロックアップ領域への移行と同時に、前記フィード
バック制御の系における前記スリップ回転偏差を一定値
に保持することにより、前記実スリップ回転が所定の時
間低下勾配で0になるよう前記ロックアップクラッチ締
結圧の制御をオープンループ制御に切り換える構成にし
たことを特徴とするものである。
プ制御装置は、上記第8発明において、固定の仮想スリ
ップ回転を前記実スリップ回転として該仮想スリップ回
転と前記目標スリップ回転との間における差を前記フィ
ードバック制御系のスリップ回転偏差とすることによ
り、該スリップ回転偏差を一定値に保持するよう構成し
たことを特徴とするものである。
ップ制御装置は、第8発明または第9発明において、前
記フィードバック制御系の保持すべきスリップ回転偏差
を、作動油温変化やロックアップクラッチの経時劣化に
よっても前記実スリップ回転の所定の時間低下勾配が補
償されるよう、これら作動油温変化やロックアップクラ
ッチの経時劣化に応じて異なる一定値とするよう構成し
たことを特徴とするものである。
トルクコンバータの実スリップ回転と目標スリップ回転
との間におけるスリップ回転偏差に応じロックアップク
ラッチの締結圧をフィードバック制御して実スリップ回
転を目標スリップ回転に一致させる。ところで、ロック
アップクラッチを滑り結合させるべきスリップ制御領域
からロックアップクラッチを完全締結させるべきロック
アップ領域への移行時も、かかる領域移行用の目標スリ
ップ回転を上記の目標スリップ回転としてロックアップ
クラッチ締結圧のフィードバック制御を継続的に実行
し、かかる継続的に実行するフィードバック制御により
ロックアップクラッチの締結が設定値まで進行した後
は、実スリップ回転が任意の態様で0になるようロック
アップクラッチ締結圧の制御をオープンループ制御に切
り換える。
状態からロックアップ状態への切り換え過渡期に、当初
はスリップ制御用のフィードバック制御ルーチンを継続
的に実行し、その後はオープンループ制御に切り換える
こととなり、当該過渡期においても設計者の意図するロ
ックアップ応答およびロックアップショックの低減を達
成することができる。また、スリップ制御状態からロッ
クアップ状態への切り換え過渡期のためのフィードバッ
ク制御ルーチンを別に設定しないで、上記のごとく、設
計者の意図するロックアップ応答およびロックアップシ
ョックの低減が得られるようにしたから、制御プログラ
ム容量の増大に伴うROMの圧迫やプログラムの信頼性
の低下を伴うことなしに当該作用効果を達成することが
できる。合わせて、スリップ制御状態からロックアップ
状態への切り換え過渡期のためのフィードバック制御ル
ーチンを別に設定しないことから、これと、スリップ制
御用のフィードバック制御ルーチンとの間の切り換えも
なく、当該切り換え時のショック対策用の面倒な初期値
設定も不要であるなどの利点がある。
定スリップ回転まで低下した時にロックアップクラッチ
の締結が設定値まで進行したとして、上記ロックアップ
クラッチ締結圧の制御のオープンループ制御への切り換
えを行うことから、前記継続的に実行していたスリップ
制御用のフィードバック制御ルーチンから上記オープン
ループ制御への切り換えを確実なものにすることがで
き、第1発明の作用効果を更に確実に奏し得る。
記の設定スリップ回転を、作動油温が低い時ほど、また
ロックアップクラッチの経時劣化が激しい時ほど大きく
したから、前記継続的に実行していたスリップ制御用の
フィードバック制御ルーチンから上記オープンループ制
御への切り換えを、低温時やロックアップクラッチの劣
化時でもロックアップクラッチの締結ショックが大きく
なることのないタイミングで確実に行わせることができ
る。
制御の系におけるスリップ回転偏差を一定値に保持する
ことにより上記ロックアップクラッチ締結圧のオープン
ループ制御を実現するから、当該オープンループ制御に
ついてもこれを、スリップ制御用のフィードバック制御
ルーチンの利用により実行することができ、第1発明〜
第3発明の作用効果を更に顕著なものにすることができ
る。
にフィードバック制御系のスリップ回転偏差を一定値に
保持するに際し、固定の仮想スリップ回転を前記実スリ
ップ回転として該仮想スリップ回転と前記目標スリップ
回転との間における差をフィードバック制御系のスリッ
プ回転偏差としたから、第4発明とは別の対策により、
スリップ制御用のフィードバック制御ルーチンの利用に
より上記オープンループ制御を実行し得るようにすると
いう同様の作用効果を達成することができる。
発明における前記フィードバック制御系の保持すべきス
リップ回転偏差を、作動油温変化やロックアップクラッ
チの経時劣化によっても実スリップ回転の時間低下勾配
の変化が生じないよう、これら作動油温変化やロックア
ップクラッチの経時劣化に応じて異なる一定値としたか
ら、第4発明または第5発明のオープンループ制御によ
るロックアップクラッチの締結進行を作動油温変化やロ
ックアップクラッチの経時劣化による影響を受けること
なく同じ進行具合とすることができ、ロックアップの応
答性およびロックアップショックの軽減を不変に維持し
得る。
明におけるロックアップクラッチ締結圧のオープンルー
プ制御を、実スリップ回転が直ちに0にされるようなオ
ープンループ制御としたから、ロックアップクラッチの
締結が相当に進行した時にオープンループ制御に切り換
える場合において、ロックアップショックの懸念なしに
ロックアップ応答を大いに高めることができる。
ルクコンバータの実スリップ回転と目標スリップ回転と
の間におけるスリップ回転偏差に応じロックアップクラ
ッチの締結圧をフィードバック制御して実スリップ回転
を目標スリップ回転に一致させる。ところで、ロックア
ップクラッチを滑り結合させるべきスリップ制御領域か
らロックアップクラッチを完全締結させるべきロックア
ップ領域への移行と同時に、上記フィードバック制御の
系における上記スリップ回転偏差を一定値に保持するこ
とにより、実スリップ回転が所定の時間低下勾配で0に
なるようロックアップクラッチ締結圧の制御をオープン
ループ制御に切り換える。
制御状態からロックアップ領域への移行と同時に、スリ
ップ制御用のフィードバック制御ルーチンを利用したオ
ープンループ制御に切り換えられることとなり、当該過
渡期においても設計者の意図するロックアップ応答およ
びロックアップショックの低減を達成することができ
る。また、スリップ制御状態からロックアップ状態への
切り換え過渡期のためのフィードバック制御ルーチンを
別に設定しないで、上記のごとく、設計者の意図するロ
ックアップ応答およびロックアップショックの低減が得
られるようにしたから、制御プログラム容量の増大に伴
うROMの圧迫やプログラムの信頼性の低下を伴うこと
なしに当該作用効果を達成することができる。合わせ
て、スリップ制御状態からロックアップ状態への切り換
え過渡期のためのフィードバック制御ルーチンを別に設
定しないことから、これと、スリップ制御用のフィード
バック制御ルーチンとの間の切り換えもなく、当該切り
換え時のショック対策用の面倒な初期値設定も不要であ
るなどの利点がある。
ィードバック制御系のスリップ回転偏差を一定値に保持
するに際し、固定の仮想スリップ回転を実スリップ回転
として該仮想スリップ回転と前記目標スリップ回転との
間における差をフィードバック制御系のスリップ回転偏
差とするから、第8発明とは別の対策により、スリップ
制御用のフィードバック制御ルーチンの利用により上記
オープンループ制御を実行し得るようにするという同様
の作用効果を達成することができる。
9発明における前記フィードバック制御系の保持すべき
スリップ回転偏差を、作動油温変化やロックアップクラ
ッチの経時劣化によっても実スリップ回転の所定の時間
低下勾配が補償されるよう、これら作動油温変化やロッ
クアップクラッチの経時劣化に応じて異なる一定値とし
たから、第8発明または第9発明のオープンループ制御
によるロックアップクラッチの締結進行を作動油温変化
やロックアップクラッチの経時劣化による影響を受ける
ことなく、実スリップ回転の上記所定の時間低下勾配が
補償されるようなものとすることができ、ロックアップ
の応答性およびロックアップショックの軽減を常時狙い
通りのものに維持し得る。
に基づき詳細に説明する。図1は、本発明の一実施の形
態になるトルクコンバータのスリップ制御装置を示し、
トルクコンバータ2は周知であるため詳細な図示を省略
したが、エンジンクランクシャフトに結合されてエンジ
ン駆動されるトルクコンバータ入力要素としてのポンプ
インペラと、自動変速機用歯車変速機構の入力軸に結合
されたトルクコンバータ出力要素としてのタービンラン
ナと、これらポンプインペラおよびタービンランナ間を
直結するロックアップクラッチ2cとを具備するロック
アップ式トルクコンバータとする。のフィードバック制
御ルーチンを別に設定しないことから、これと、スリッ
プ制御用のフィードバック制御ルーチンとの間の切り換
えもなく、当該切り換え時のショック対策用の面倒な初
期値設定も不要であるなどの利点がある。
ィードバック制御系のスリップ回転偏差を一定値に保持
するに際し、固定の仮想スリップ回転を実スリップ回転
として該仮想スリップ回転と前記目標スリップ回転との
間における差をフィードバック制御系のスリップ回転偏
差とするから、第8発明とは別の対策により、スリップ
制御用のフィードバック制御ルーチンの利用により上記
オープンループ制御を実行し得るようにするという同様
の作用効果を達成することができる。
9発明における前記フィードバック制御系の保持すべき
スリップ回転偏差を、作動油温変化やロックアップクラ
ッチの経時劣化によっても実スリップ回転の所定の時間
低下勾配が補償されるよう、これら作動油温変化やロッ
クアップクラッチの経時劣化に応じて異なる一定値とし
たから、第8発明または第9発明のオープンループ制御
によるロックアップクラッチの締結進行を作動油温変化
やロックアップクラッチの経時劣化による影響を受ける
ことなく、実スリップ回転の上記所定の時間低下勾配が
補償されるようなものとすることができ、ロックアップ
の応答性およびロックアップショックの軽減を常時狙い
通りのものに維持し得る。
に基づき詳細に説明する。図1は、本発明の一実施の形
態になるトルクコンバータのスリップ制御装置を示し、
トルクコンバータ2は周知であるため詳細な図示を省略
したが、エンジンクランクシャフトに結合されてエンジ
ン駆動されるトルクコンバータ入力要素としてのポンプ
インペラと、自動変速機用歯車変速機構の入力軸に結合
されたトルクコンバータ出力要素としてのタービンラン
ナと、これらポンプインペラおよびタービンランナ間を
直結するロックアップクラッチ2cとを具備するロック
アップ式トルクコンバータとする。
の前後におけるアプライ圧PA とレリーズ圧PR の差圧
(ロックアップクラッチ締結圧)により決まり、アプラ
イ圧PA がレリーズ圧PR よりも低ければ、ロックアッ
プクラッチ2cは釈放されてポンプインペラおよびター
ビンランナ間を直結せず、トルクコンバータ2をスリッ
プ制限しないコンバータ状態で機能させる。
い場合、その差圧に応じた力でロックアップクラッチ2
cを締結させ、トルクコンバータ2をロックアップクラ
ッチ2cの締結力に応じてスリップ制限するスリップ制
御状態で機能させる。そして当該差圧が設定値よりも大
きくなると、ロックアップクラッチ2cが完全締結され
てポンプインペラおよびタービンランナ間の相対回転を
なくし、トルクコンバータ2をロックアップ状態で機能
させる。
リップ制御弁11によりこれらを決定するものとし、ス
リップ制御弁11は、コントローラ12によりデューテ
ィ制御されるロックアップソレノイド13からの信号圧
PS に応じてアプライ圧PAおよびレリーズ圧PR を制
御するが、これらスリップ制御弁11およびロックアッ
プソレノイド13を以下に説明する周知のものとする。
即ち、先ずロックアップソレノイド13は一定のパイロ
ット圧Pp を元圧として、コントローラ12からのソレ
ノイド駆動デューティDの増大につれ信号圧P S を高く
するものとする。
圧PS およびフィードバックされたレリーズ圧PR を一
方向に受けると共に、他方向にバネ11aのバネ力およ
びフィードバックされたアプライ圧PA を受け、信号圧
PS の上昇につれて、アプライ圧PA とレリーズ圧PR
との間の差圧(PA −PR )で表されるロックアップク
ラッチ2cの締結圧を図2に示すように変化させるもの
とする。
−PR )の負値はPR >PA によりトルクコンバータ2
をコンバータ状態にすることを意味し、逆にロックアッ
プクラッチ締結圧(PA −PR )が正である時は、その
値が大きくなるにつれてロックアップクラッチ2cの締
結容量が増大され、トルクコンバータ2のスリップ回転
を大きく制限し、遂にはトルクコンバータ2をロックア
ップ状態にすることを意味する。
荷を表すスロットル開度TVOを検出するスロットル開
度センサ21からの信号と、ポンプインペラの回転速度
ωIR(エンジン回転数でもある)を検出するインペラ回
転センサ22からの信号と、タービンランナの回転速度
ωTRを検出するタービン回転センサ23からの信号と、
自動変速機(トルクコンバータ2)の作動油温TEMP
を検出する油温センサ24からの信号と、変速機出力回
転数(車速に相当する)NO を検出する変速機出力回転
センサ25からの信号と、ギヤ比iP (=ωTR/NO )
を算出するようにしたギヤ比計算部26からの計算結果
と、電源電圧Vigを検出する電源電圧センサ27からの
信号とをそれぞれ入力することとする。
に、図3〜図6に示す機能別ブロック線図に沿った演算
により、ロックアップソレノイド13の駆動デューティ
Dを決定して以下に詳述する所定のスリップ制御を行
う。図3のスリップ制御領域判定部30およびロックア
ップ過渡状態判定部50は、ポンプインペラ回転速度ω
IRと、タービンランナ回転速度ωTRと、スロットル開度
TVOと、変速機出力回転数NO と、作動油温TEMP
と、ギヤ比iP とを入力され、これらを基に図7に示す
スリップ制御領域判定兼ロックアップ過渡状態判定プロ
グラムを実行して、図9に示すドライブスリップ制御
(S/L)領域での運転中か、スリップ回転を全く制限
しないコンバータ(C/V)領域での運転中か、スリッ
プ回転を完全になくすべきロックアップ(L/U)領域
での運転中かを判定すると共に、ロックアップ(L/
U)領域である場合において、如何なるロックアップ過
渡状態であるのかを判定するものとする。
べき前者のスリップ制御領域判定プログラムを説明する
に、図7のステップ31において、作動油温TEMPが
スリップ制限可能な暖機後の油温範囲にあるのか否かを
判定し、次いでステップ32においては、ギヤ比i
P (選択変速段)がスリップ制限可能なギヤ比範囲であ
るのか否かを判定する。これらステップ31,32で作
動油温TEMPがスリップ制限可能な油温範囲であり、
且つ、ギヤ比iP (選択変速段)がスリップ制限可能な
ギヤ比範囲であると判定する場合、ステップ33におい
て、図9のごとくに予め定めておいた領域マップを基に
変速機出力回転数NO およびスロットル開度TVOから
ドライブスリップ制御(S/L)領域での運転中か、コ
ンバータ(C/V)領域での運転中か、ロックアップ
(L/U)領域での運転中かをチェックする。
は、トルクコンバータ2をロックアップクラッチ2cの
釈放により、入出力要素間のスリップ回転が制限されな
いコンバータ状態で機能させるべきスリップ非制限領域
を意味し、ドライブスリップ制御(S/L)領域は、ト
ルクコンバータ2をロックアップクラッチ2cの滑り結
合により、入出力要素間のスリップ回転が後述する目標
スリップ回転となるようなスリップ制御状態で機能させ
るべきスリップ制御領域を意味し、ロックアップ(L/
U)領域は、トルクコンバータ2をロックアップクラッ
チ2cの完全結合により、入出力要素間のスリップ回転
が生じないロックアップ状態で機能させるべきスリップ
皆無領域を意味するものとする。そして、これらドライ
ブスリップ制御(S/L)領域と、コンバータ(C/
V)領域と、ロックアップ(L/U)領域との間には不
感帯(ヒステリシス)を設定し、領域判定のハンチング
を防止するものとする。
ップ制御(S/L)領域での運転中であると判定する場
合、ステップ34において、このことを示すようにスリ
ップ制御フラグFLAGを10にセットし、ステップ3
3においてロックアップ(L/U)領域での運転中であ
ると判定する場合、ステップ51〜57において、詳し
くは後述するように何れの領域からロックアップ(L/
U)領域に移行したものか、また如何なるロックアップ
過渡状態であるのかを判定した後に、ステップ35にお
いて、当該ロックアップ(L/U)領域での運転中であ
ることを示すようにスリップ制御フラグFLAGを11
にセットし、ステップ33においてコンバータ(C/
V)領域での運転中であると判定する場合、ステップ3
6において、このことを示すようにスリップ制御フラグ
FLAGを01にセットする。なお、ステップ31で作
動油温TEMPがスリップ制限可能な油温範囲でないと
判定したり、ステップ32でギヤ比iP (選択変速段)
がスリップ制限可能なギヤ比範囲でない判定する場合
も、当然に制御をステップ36に進めてスリップ制御フ
ラグFLAGを01にする。かようにして決定されたス
リップ制御フラグFLAGは、図3のスリップ回転制御
部40に供給する。
行うべき後者のロックアップ過渡状態判定プログラムを
説明するに、先ずステップ51において、スリップ制御
領域判定部30(図3参照)の判定結果から当該ロック
アップ(L/U)領域への移行がドライブスリップ制御
(S/L)領域からの移行だったのか、コンバータ(C
/V)領域からの移行だったのかを判定する。コンバー
タ(C/V)領域からロックアップ(L/U)領域への
移行であった場合は、ステップ52を選択し続けて当該
領域移行によるロックアップ(L/U)領域であること
を示すように制御切り換えフラグCHNGを00に保持
した後に制御を上記のステップ35に進める。
御(S/L)領域からロックアップ(L/U)領域への
移行であると判定する場合、ステップ53において、ポ
ンプインペラ回転速度ωIRとタービンランナ回転速度ω
TRとの間の差であるトルクコンバータ2の実スリップ回
転ωSLPRが0であるか否かによりロックアップ(L/
U)が完了したか否かを判定する。なお当該ロックアッ
プ(L/U)の完了は、上記の実スリップ回転ωSLPRに
よる判定に代えて、ロックアップクラッチ締結圧(PA
−PR )や、これを決定するロックアップソレノイド1
3へのデューティDから判定してもよい。
ればステップ54において、実スリップ回転ωSLPRが図
15に例示する制御ループ切り換え判定用スリップ回転
設定値ωSLPCHG未満になったか否かによりオープンルー
プ制御条件が成立したか否かをチェックする。ここで制
御ループ切り換え判定用スリップ回転設定値ω
SLPCHGは、実スリップ回転ωSLPRの検出精度で決まる
が、フィードバック制御が可能な下限スリップ回転に定
める。しかして制御ループ切り換え判定用スリップ回転
設定値ωSLPCHGは、低温時やロックアップクラッチの経
時劣化が激しい時ほど大きくし、これにより、低温時や
ロックアップクラッチの経時劣化が激しい時は早めにフ
ィードバック制御からオープンループ制御に切り換える
ようにし、もって当該低温時やロックアップクラッチの
経時劣化が激しい時にフィードバック制御を低スリップ
回転中も行うとロックアップクラッチの締結力が不安定
故に締結ショックが大きくなるという問題を回避するこ
ととする。
件が成立していないと判定する時は、このことを示すよ
うにステップ55において制御切り換えフラグCHNG
を01にし、オープンループ制御条件が成立した時にこ
のことを示すようにステップ56で制御切り換えフラグ
CHNGを10にする。ステップ53でトルクコンバー
タのロックアップ(L/U)が完了したと判定する場
合、制御をステップ57に進めてこのことを示すように
制御切り換えフラグCHNGを11にする。なお、ステ
ップ55〜57の実行後はそれぞれ、制御をステップ3
5に進める。また、上記のように設定した制御切り換え
フラグCHNGは、図3のスリップ回転制御部40に供
給する。
ように、スリップ回転指令値算出部410と、スリップ
回転ゲイン算出部420と、目標コンバータトルク算出
部430と、エンジン出力トルク算出部440と、目標
ロックアップクラッチ締結容量算出部450と、ロック
アップクラッチ締結圧指令値算出部460と、ロックア
ップソレノイド駆動信号算出部470と、スリップ回転
指令初期値算出部480とで構成し、これら算出部での
演算によりロックアップソレノイド13の駆動デューテ
ィDを決定して以下に詳述する所定のスリップ制御を行
うものとする。
図5に示すような構成とし、同図における目標スリップ
回転算出部411は、変速比iP および作動油温TEM
Pごとに実験などで予め図10に示すように設定してお
いた、車両運転状態に応じた目標スリップ回転ωSLPTに
関するマップをもとに、タービンランナ回転速度ωTRお
よびスロットル開度TVOから目標スリップ回転ωSLPT
を求める。ここで目標スリップ回転ωSLPTは、トルク変
動や車室内こもり音が発生しない範囲内で最も少ないと
ころに実験などで求めておき、当該トルク変動や車室内
こもり音対策のためにタービンランナ回転速度ωTRが低
い時ほど目標スリップ回転ωSLPTを大きな値とする。ま
た、エンジン負荷を表すスロットル開度TVOが大きい
時ほど車両が大きな駆動力を要求していることから、そ
して、この要求駆動力に対してトルクコンバータから変
速機への入力トルクがスリップ制御中に不足することの
ないようにすべく目標スリップ回転ωSLPTはスロットル
開度TVOが大きい時ほど大きな値に設定する。
は、ポンプインペラ回転速度ωIRからタービンランナ回
転速度をωTRを差し引いてトルクコンバータ2の実スリ
ップ回転ωSLPR(=ωIR−ωTR)を算出する。
ルクコンバータのスリップ回転制御が基本的に実スリッ
プ回転ωSLPRを目標スリップ回転ωSLPTに一致させるこ
とであるから、当該目標スリップ回転ωSLPTと実スリッ
プ回転ωSLPRとの間のスリップ回転偏差ωSLPER を、 ωSLPER =ωSLPT−ωSLPR ・・・(1) により算出する。
は、基本的にはその伝達関数GCNT (s)を基に、スリ
ップ回転偏差ωSLPER をなくして実スリップ回転ωSLPR
を目標スリップ回転ωSLPTに一致させるための時々刻々
(t)のスリップ回転指令値ω SLPCを以下の演算により
算出する。 ωSLPC(t)=GCNT (s)・ωSLPER (t)・・・(2) しかしてフィードバック補償器414は、後で図8を参
照しつつ図4に示すスリップ回転制御部40の全体作用
を説明するところより明らかなごとく、前記スリップ制
御フラグFLAGからスリップ制御が開始された直後で
あると判断する時は特に、図4のスリップ回転指令初期
値算出部480で後述のごとく算出した初期値ωSLPC0
をスリップ回転指令値ωSLPCとする。
図5に示すように、固定目標スリップ回転設定部415
および固定スリップ回転偏差設定部416を設ける。前
者のスリップ回転指令値算出部410は図15に示すよ
うに、ドライブスリップ制御(S/L)領域からロック
アップ(L/U)領域への移行過渡期においてロックア
ップを進行させるに際し、当初はスリップ制御中に用い
たフィードバック制御を継続的に使用して当該ロックア
ップの進行を行わせるための固定のロックアップ過渡期
用目標スリップ回転ωSLPTLUをスリップ回転偏差算出部
413に入力するものとする。ここで上記のロックアッ
プ過渡期用目標スリップ回転ωSLPTLUは、図15に示す
ように前記した制御ループ切り換え判定用スリップ回転
設定値ωSLPCHGよりも小さくし、フィードバック制御に
よるロックアップの進行速度が適切になるような値とす
る。
切り換えフラグCHNGをも入力され、図15に示すよ
うにCHNG=01の間、つまり領域移行瞬時t1 から
オープンループ制御条件が成立してCHNG=10にな
る瞬時t2 までの当初において、ロックアップ過渡期用
目標スリップ回転ωSLPTLUを算出部411からの目標ス
リップ回転ωSLPTの代わりに用い、これに基づくフィー
ドバック制御の継続によりロックアップの進行を行わせ
るものとする。
は、上記に続くべきロックアップの更なる進行に際し、
同じくスリップ制御中に用いたフィードバック制御を継
続的に使用して当該ロックアップをオープンループ制御
により進行させるための固定のオープンループ制御用ス
リップ回転偏差ωSLPER0をフィードバック補償器414
に入力するものとする。フィードバック補償器414は
前記制御切り換えフラグCHNGをも入力され、図15
に示すようにCHNG=10の間、つまりオープンルー
プ制御条件が成立してCHNG=10になった瞬時t2
からロックアップ完了瞬時t3 までの後期において、固
定のオープンループ制御用スリップ回転偏差ωSLPER0を
算出部413からのスリップ回転偏差ωSLPER の代わり
に用い、これにより実質上オープンループ制御によりス
リップ回転指令値ωSLPCを求めてロックアップの進行を
行わせるものとする。
プ回転偏差ωSLPER0は、上記オープンループ制御中にお
ける希望のロックアップ進行速度に応じて決定する。し
かし、ロックアップ進行速度は作動油温TEMPの変化
やロックアップクラッチの経時劣化によっても変化し、
当該ロックアップ進行速度の変化が生じないようオープ
ンループ制御用スリップ回転偏差ωSLPER0は、作動油温
TEMPやロックアップクラッチの劣化度ごとの固定値
とするのが良い。なお、固定のオープンループ制御用ス
リップ回転偏差ωSLPER0を設定するに際しては、算出部
412からの実スリップ回転ωSLPRの代えて、固定の仮
想スリップ回転を実スリップ回転として用い、スリップ
回転偏差算出部413がこの固定の仮想スリップ回転と
目標スリップ回転ωSLPT(ロックアップ領域故に0)と
の間における差をオープンループ制御用スリップ回転偏
差ωSLPER0とするようにしてもよい。
20は、図11に対応したマップを基にタービンランナ
回転速度ωTRからスリップ回転ゲインgSLP を検索によ
って求める。ここでスリップ回転ゲインgSLP について
補足説明するに、トルクコンバータの伝動性能から予め
求め得る、コンバータトルクTCNV (トルクコンバータ
の流体伝動による伝達トルク)と、トルクコンバータの
スリップ回転ωSLP と、タービンランナ回転速度ωTRと
の関係は、コンバータトルクTCNV に対するスリップ回
転ωSLP の比をスリップ回転ゲインgSLP と定義する
と、当該スリップ回転ゲインgSLP は次式で表される。 gSLP =ωSLP /TCNV ・・・(3) そして、かようにスリップ回転ゲインgSLP を定義する
と、このスリップ回転ゲインgSLP は図11に実線で例
示したごとくタービンランナ回転速度ωTRに応じて変化
し、これを基に上記のごとくタービンランナ回転速度ω
TRからスリップ回転ゲインgSLP を検索することができ
る。
では、かようにして検索したスリップ回転ゲインgSLP
を上式におけるgSLP に入力し、また上式におけるω
SLP に前記演算部410からのスリップ回転指令値ω
SLPCを当てはめることにより、タービン回転速度ωTRの
もとでスリップ回転指令値ωSLPCを達成するための目標
とすべきコンバータトルクTCNV を TCNV (t)=ωSLPC(t)/gSLP ・・・(4) の演算により算出する。
は、先ず図12に例示したエンジン全性能線図を用いて
ポンプインペラ回転速度ωIR(エンジン回転数)および
スロットル開度TVOから、エンジン出力トルクの定常
値TESを検索し、次いでこれを、エンジンの動的な遅れ
に対応した時定数tEDのフィルターに通してフィルター
処理し、当該フィルター処理後の一層実際値に近い次式
で表されるエンジン出力トルクtEH TEH(t)=〔1/(tED・S+1)〕TES(t) ・・・(5) を推定して求める。さらに目標ロックアップクラッチ締
結容量算出部450では、エンジン出力トルクTEHから
目標コンバータトルクTCNV を減算して目標ロックアッ
プクラッチ締結容量TLUC を求める。 TLUC (t)=TEH(t)−TCNV (t) ・・・(6)
結圧指令値算出部460では、上記の目標ロックアップ
クラッチ締結容量TLUC を達成するためのロックアップ
クラッチ締結圧指令値PLUC を、図13に対応するマッ
プから検索する。ここで図13は、トルクコンバータご
とにロックアップクラッチの締結圧PLUと、ロックアッ
プクラッチ締結容量TLUとの関係を予め実験により求め
ておき、目標ロックアップクラッチ締結容量TLUC に対
応するロックアップクラッチ締結圧指令値PLUC を検索
することにより目的を達することができる。
は、電源電圧Vigごとの図14に例示するマップをもと
に実際のロックアップクラッチ締結圧PLUをロックアッ
プクラッチ締結圧指令値PLUC にするためのロックアッ
プソレノイド駆動デューティDを決定し、これを図1の
ロックアップソレノイド13に出力して、狙い通りに実
スリップ回転ωSLPRを過渡的にはスリップ回転指令値ω
SLPCにし、定常的には目標スリップ回転ωSLPTに一致さ
せるトルクコンバータのスリップ制御が可能である。
部480について説明するに、これは図6に示すように
構成する。当該構成の説明に先立ち、図5のフィードバ
ック補償器414がスリップ回転指令値ωSLPCを求める
時の前記(2)式を実際の制御システムに適用する場
合、例えば以下の状態方程式で表すことが可能である。 (d/dt)x(t)=ACNT x(t)+BCNT ωSLPER (t)・・・(7) ωSLPC(0)=ωSLPC0 ・・・・・・(8) ωSLPC(t)=CCNT x(t)+DCNT ωSLPER (t)・・・(9) 但し、x(t): n次元状態ベクトル A : n×n次の行列 B : n×1次の行列 C : 1×n次の行列 D : 1×1次の行列 ここで(8)式はスリップ回転指令値ωSLPCの初期値ω
SLPC0 を設定するための式を示し、ここではコンバータ
状態またはロックアップ状態からスリップ制御を開始す
る場合において当該初期化を以下のごとくに行うものと
する。
の初期化によりスリップ回転指令値ωSLPCの初期値ω
SLPC0 を定めて図4のスリップ回転指令値算出部41
0、詳しくは図5のフィードバック補償器414に出力
するもので、図6に示すように、ソレノイド駆動信号逆
演算部481と、ロックアップクラッチ締結圧指令値逆
演算部482と、目標ロックアップクラッチ締結容量逆
演算部483と、目標コンバータトルク逆演算部484
とにより構成し、これら演算部481〜484は、図4
における算出部430,450,460,470の逆系
を成すものとする。
ックアップソレノイド駆動デューティ初期値D0 および
電源電圧Vigを入力され、図4のロックアップソレノイ
ド駆動信号算出部470とは逆の演算により、つまり、
図14に示す電源電圧Vigごとのマップをもとにソレノ
イド駆動デューティ初期値D0 からロックアップクラッ
チ締結圧指令初期値PLUC0を逆引き検索して求める。こ
こでロックアップソレノイド駆動デューティ初期値D0
は、コンバータ状態からスリップ制御が開始される場
合、ロックアップクラッチの締結ショックが問題となら
ない許容下限スリップ回転よりも実スリップ回転が大き
くなるのを補償するような値とし、好ましくは実スリッ
プ回転が当該許容下限スリップ回転に一致するような値
に定めるのが良い。またロックアップ状態からスリップ
制御が開始される場合、ロックアップソレノイド駆動デ
ューティ初期値D0 は、実スリップ回転が0になるよう
な値に定めることとする。
部482は、上記のロックアップクラッチ締結圧指令初
期値PLUC0を入力され、図4のロックアップクラッチ締
結圧指令値算出部460とは逆の演算により、つまり図
13に示すマップをもとにロックアップクラッチ締結圧
指令初期値PLUC0から目標ロックアップクラッチ締結容
量初期値TLUC0を逆引き検索して求める。
部483は、上記の目標ロックアップクラッチ締結容量
初期値TLUC0およびエンジン出力トルク推定値TEHを入
力され、図4の目標ロックアップクラッチ締結容量算出
部450とは逆の演算により、つまり、前記(6)式か
ら得られる次式により目標コンバータトルク初期値T
CNV0を算出する。 TCNV0(t)=TEH(t)−TLUC0 ・・・(10)
上記の目標コンバータトルク初期値TCNV0およびスリッ
プ回転ゲインgSLP を入力され、図4の目標コンバータ
トルク算出部430とは逆の演算により、つまり、前記
(4)式から得られる次式によりスリップ回転指令初期
値ωSLPC0 を算出する。 ωSLPC0 (t)=gSLP (t)/TCNV0(t) ・・・(11) なお、当該スリップ回転指令初期値ωSLPC0 を求める時
の元になっているロックアップソレノイド駆動デューテ
ィ初期値D0 を前記した通り、コンバータ状態からスリ
ップ制御が開始される場合は実スリップ回転が許容下限
スリップ回転となるような値、または実スリップ回転が
許容下限スリップ回転よりも大きくなるような値に定
め、ロックアップ状態からスリップ制御が開始される場
合は実スリップ回転が0になるような値に定めるという
ように異ならせたから、スリップ回転指令初期値ω
SLPC0 は2種類が存在し、以下では、コンバータ状態か
らスリップ制御が開始される場合のデューティ初期値D
0 に対応したスリップ回転指令初期値ωSLPC0 を特にω
SLPC0(C/V)により表し、ロックアップ状態からスリップ
制御が開始される場合のデューティ初期値D0 に対応し
たスリップ回転指令初期値ωSLPC0 を特にωSLPC0(L/U)
で表すこととする。
御部40のスリップ制御作用(ロックアップソレノイド
駆動デューティDの決定)を図8につき付言するに、先
ずステップ41において、前記のスリップ制御フラグF
LAGが10か否かにより、スリップ制御(S/L)領
域であるか否かを判定する。スリップ制御フラグFLA
Gが10であるなら、つまりスリップ制御(S/L)領
域での運転中なら、ステップ42でスリップ制御フラグ
FLAGが10になって1回目か否かの判定によりスリ
ップ非制御状態(コンバータ状態またはロックアップ状
態)からスリップ制御が開始された直後か否かをチェッ
クする。
3において、トルクコンバータが現在コンバータ状態か
ロックアップ状態かを判定し、これにより当該スリップ
制御の開始がコンバータ状態からのものであるのか、ロ
ックアップ状態からのものであるのかをチェックする。
コンバータ状態からスリップ制御が開始されたものであ
る場合、ステップ44においてスリップ回転指令値ω
SLPCに前記したコンバータ状態用の初期値ωSLPC 0(C/V)
をセットし、ロックアップ状態からスリップ制御が開始
されたものである場合、ステップ45においてスリップ
回転指令値ωSLPCに前記したロックアップ状態用の初期
値ωSLPC0(L/U)をセットする。次いでステップ46にお
いて、上記のように初期設定したスリップ回転指令値ω
SLPCを用いてスリップ制御を開始させる。つまり当該初
期設定したスリップ回転指令値ωSLPCを図4の目標コン
バータトルク算出部430に入力し、以後、算出部45
0,460,470での前述した順次の演算によりロッ
クアップソレノイド駆動デューティDを決定し、これに
よりスリップ制御を開始させる。
2,47を順次選択し、ここで上記の初期設定したスリ
ップ回転指令値ωSLPCに代え、前記(1)式により求め
たスリップ回転偏差ωSLPER (ステップ61)を基に前
記(2)式から得られるスリップ回転指令値ωSLPC(ス
テップ62)を図4の目標コンバータトルク算出部43
0に入力することで(ステップ47)、実スリップ回転
ωSLPRを目標スリップ回転ωSLPTに所定の応答で向かわ
せるフィードバック型式のスリップ制御状態を継続す
る。
FLAGが10でない(スリップ制御領域でない)と判
定した場合は、ステップ48においてスリップ制御フラ
グFLAGが11であるか否かによりロックアップ(L
/U)領域であるのか、コンバータ(C/V)領域であ
るのかを判定する。コンバータ(C/V)領域なら、ス
テップ50においてロックアップソレノイド駆動デュー
ティDを所定の時間変化勾配で減少させることによりト
ルクコンバータをコンバータ状態にする。
63,64において、図7で設定した前記制御切り換え
フラグCHNGが00、01、10、11の何れかであ
るのかをチェックする。CHNG=00なら、つまり当
該ロックアップ(L/U)領域がコンバータ(C/V)
領域から移行したものである場合、ステップ65におい
てロックアップソレノイド駆動デューティDを所定の時
間変化勾配で上昇させることによりトルクコンバータを
コンバータ状態からロックアップ状態にする通常のロッ
クアップ制御を実行する。
つまり当該ロックアップ(L/U)領域がスリップ制御
(S/L)領域からのものである場合において、ステッ
プ64がCHNG=01であると判定する時は、つまり
未だオープンループ制御によるロックアップ進行を開始
させるべきでないロックアップ過渡中の初期であると判
定する時は、ステップ66において、図5の固定目標ス
リップ回転設定部415から出力されるロックアップ過
渡期用目標スリップ回転ωSLPTLUを目標スリップ回転ω
SLPTとし、これを基にステップ61,62,47による
フィードバック制御を実行する。当該ステップ61,6
2,47によるフィードバック制御は、前記したスリッ
プ制御(S/L)領域でのスリップ制御のためのもの
で、これを引き続き用いたフィードバック制御により実
スリップ回転ωSLPRを図15に実線で示すごとく瞬時t
1 以後ロックアップ過渡期用目標スリップ回転ωSLPTLU
に向かわせるロックアップ制御が可能である。
定する時は、つまりオープンループ制御によるロックア
ップ進行を開始させるべき図15の瞬時t2 に至ったと
判定する時は、ステップ67において、図5の固定スリ
ップ回転偏差設定部416から出力される固定のオープ
ンループ制御用スリップ回転偏差ωSLPER0をスリップ回
転偏差ωSLPER とし、これを基にステップ62,47に
よる制御を引き続き実行する。ところで上記のオープン
ループ制御用スリップ回転偏差ωSLPER0が固定値である
ことから、上記の制御は実質上、スリップ制御のための
フィードバック制御ループ(ステップ62,47)を用
いると雖も、オープンループ制御によりロックアップを
進行させることとなり、実スリップ回転ωSLPRを図15
に実線で示すごとく瞬時t2 以後、オープンループ制御
用スリップ回転偏差ωSLPER0で決まる一定勾配で0に向
かわせるロックアップ制御が可能である。
時、つまり図15の瞬時t3 におけるようにロックアッ
プ(L/U)が完了したと判定する場合、ステップ49
においてロックアップソレノイド駆動デューティDを上
限値に保持してトルクコンバータのロックアップ状態を
継続する。
プ制御(S/L)領域からロックアップ(L/U)領域
への移行時も、かかる領域移行用の目標スリップ回転ω
SLPT LUを目標スリップ回転ωSLPTとして(図8のステッ
プ66)、スリップ制御(S/L)領域でのスリップ制
御と同様にロックアップクラッチ締結圧のフィードバッ
ク制御を継続的に実行し、かかる継続的に実行するフィ
ードバック制御によりロックアップクラッチの締結が設
定値まで進行した(実スリップ回転ωSLPRが設定値ω
SLPCHG未満に低下した)後は、上記フィードバック制御
におけるスリップ回転偏差ωSLPER を固定のオープンル
ープ制御用スリップ回転偏差ωSLPER0として(図8のス
テップ67)実質上、実スリップ回転ωSLPRが固定のオ
ープンループ制御用スリップ回転偏差ωSLPER0に応じた
時間変化勾配で0になるようロックアップクラッチ締結
圧の制御をオープンループ制御に切り換えるようにした
から、スリップ制御状態からロックアップ状態への切り
換え過渡期に、当初はスリップ制御用のフィードバック
制御ルーチンを継続的に実行し、その後はオープンルー
プ制御に切り換えることとなり、スリップ制御状態から
ロックアップ状態への切り換え過渡期のためのフィード
バック制御ルーチンを別に設定することなしに、当該過
渡期においても設計者の意図するロックアップ応答およ
びロックアップショックの低減を達成することができ
る。従ってこの目的を、制御プログラム容量の増大に伴
うROMの圧迫やプログラムの信頼性の低下を伴うこと
なしに達成することができる。合わせて、上記の通りス
リップ制御状態からロックアップ状態への切り換え過渡
期のためのフィードバック制御ルーチンを別に設定しな
いことから、これと、スリップ制御用のフィードバック
制御ルーチンとの間の切り換えも存在せず、従って当該
切り換え時のショック対策用の面倒な初期値設定も不要
であるなどの利点がある。
クラッチ締結圧のオープンループ制御の実現に際し、前
記フィードバック制御の系におけるスリップ回転偏差ω
SLPE R を固定のオープンループ制御用スリップ回転偏差
ωSLPER0に保持することによりこれを実現するようにし
たから、当該オープンループ制御についてもこれを、ス
リップ制御用のフィードバック制御ルーチンの利用によ
り実行することとなり、上記の作用効果を更に顕著なも
のにすることができる。
に実線で示すように実スリップ回転ωSLPRが一定の時間
変化勾配で0に向け低下するようにロックアップクラッ
チ締結圧のオープンループ制御を行うこととしたが、制
御ループ切り換え判定用スリップ回転設定値ωSLPCHGを
十分に小さくし得る場合には、図16に実線で示すごと
くフィードバック制御からオープンループ制御への切り
換え瞬時t2 に実スリップ回転ωSLPRが直ちに0にされ
るようなオープンループ制御にすることができる。この
場合、ロックアップクラッチの締結が相当に進行してい
ることから、実スリップ回転ωSLPRが直ちに0にされる
ようなオープンループ制御でもロックアップショックを
生ずる懸念がないし、何分にもロックアップ応答を大い
に高めることができる。
示す実施の形態に代えて図17のような実施形態にする
ことでも前記したと同様の目的を達成することができ
る。つまり、スリップ制御(S/L)領域からロックア
ップ(L/U)領域への移行瞬時t1 に、スリップ制御
(S/L)領域でのスリップ制御におけるスリップ回転
偏差ωSLPER を固定のオープンループ制御用スリップ回
転偏差ωSLPER0として実質上、実スリップ回転ωSLPRが
領域移行瞬時t1 に直ちに固定のオープンループ制御用
スリップ回転偏差ωSLPER0に応じた一定の時間変化勾配
で0に向け低下するようロックアップクラッチ締結圧の
制御をオープンループ制御に切り換えることができる。
この場合も図15や図16に示す実施の形態におけると
同様、スリップ制御状態からロックアップ状態への切り
換え過渡期のためのフィードバック制御ルーチンを別に
設定することなしに、当該過渡期においても設計者の意
図するロックアップ応答およびロックアップショックの
低減を達成することができ、この目的を、制御プログラ
ム容量の増大に伴うROMの圧迫やプログラムの信頼性
の低下を伴うことなしに達成することができる。
アップクラッチ締結圧のオープンループ制御の実現に際
し、前記フィードバック制御の系におけるスリップ回転
偏差ωSLPER を固定のオープンループ制御用スリップ回
転偏差ωSLPER0に保持することによりこれを実現するよ
うにしたから、オープンループ制御と雖もこれを、スリ
ップ制御用のフィードバック制御ルーチンの利用により
実行することができ、上記の作用効果を更に顕著なもの
にすることができる。
にフィードバック制御系のスリップ回転偏差ωSLPER を
一定値ωSLPER0に保持するに際し、前記したと同じく固
定の仮想スリップ回転を実スリップ回転として該仮想ス
リップ回転と前記目標スリップ回転との間における差を
フィードバック制御系のスリップ回転偏差にしてもよい
こと勿論である。
回転偏差ωSLPER0を、作動油温変化やロックアップクラ
ッチの経時劣化によっても実スリップ回転ωSLPRの図1
7に例示する所定の時間低下勾配が補償されるよう、こ
れら作動油温変化やロックアップクラッチの経時劣化に
応じて異なる一定値とすれば、ロックアップクラッチの
締結進行を作動油温変化やロックアップクラッチの経時
劣化による影響を受けることなく、実スリップ回転の上
記所定の時間低下勾配が補償されて、ロックアップの応
答性およびロックアップショックの軽減を常時狙い通り
のものに維持することができる。
置を具えたトルクコンバータの制御システムを示す概略
系統図である。
ックアップクラッチ締結圧との関係を示す線図である。
るスリップ制御の機能別ブロック線図である。
御部に関した詳細な機能別ブロック線図である。
転指令値算出部の更に詳細な機能別ブロック線図であ
る。
転指令初期値算出部に関した更に詳細な機能別ブロック
線図である。
ロックアップ過渡状態判定部が実行して、トルクコンバ
ータをコンバータ状態にすべき運転状態であるのか、ス
リップ制御すべき運転状態であるのか、ロックアップす
べき運転状態であるのかを判定したり、スリップ制御状
態からロックアップ状態への移行過渡期であるのを判定
するプログラムを示すフローチャートである。
スリップ制御プログラムを示すフローチャートである。
領域、スリップ制御すべき領域、およびロックアップ状
態にすべき領域を示す領域線図である。
示する特性線図である。
するスリップ回転ゲインの関係を示す特性線図である。
出力トルクとの関係を示す全性性能線図である。
量との関係を例示するロックアップクラッチの伝動特性
図である。
アップソレノイド駆動デューティとの関係を例示する特
性図である。
御状態からロックアップ状態への移行過渡期において実
行するロックアップ制御の動作を実スリップ回転の時系
列変化として示すタイムチャートである。
同様なロックアップ制御の動作タイムチャートである。
5と同様なロックアップ制御の動作タイムチャートであ
る。
Claims (10)
- 【請求項1】 トルクコンバータの入出力要素間におけ
る実スリップ回転をロックアップクラッチの締結により
制限可能で、この実スリップ回転と目標スリップ回転と
の間におけるスリップ回転偏差に応じ前記ロックアップ
クラッチの締結圧をフィードバック制御して実スリップ
回転を目標スリップ回転にするための装置において、 前記ロックアップクラッチを滑り結合させるべきスリッ
プ制御領域から該ロックアップクラッチを完全締結させ
るべきロックアップ領域への移行時も、当該領域移行用
の目標スリップ回転を前記目標スリップ回転として前記
ロックアップクラッチ締結圧のフィードバック制御を継
続的に実行し、 該フィードバック制御によりロックアップクラッチの締
結が設定値まで進行した後は、前記実スリップ回転が任
意の態様で0になるよう前記ロックアップクラッチ締結
圧の制御をオープンループ制御に切り換える構成にした
ことを特徴とするトルクコンバータのスリップ制御装
置。 - 【請求項2】 請求項1において、前記実スリップ回転
が設定スリップ回転まで低下した時にロックアップクラ
ッチの締結が設定値まで進行したとして、前記ロックア
ップクラッチ締結圧のオープンループ制御への切り換え
を行うよう構成したことを特徴とするトルクコンバータ
のスリップ制御装置。 - 【請求項3】 請求項2において、前記設定スリップ回
転を、作動油温が低い時ほど、またロックアップクラッ
チの経時劣化が激しい時ほど大きくして、低温時やロッ
クアップクラッチの劣化時でもロックアップクラッチの
締結ショックが大きくなることのないようにしたことを
特徴とするトルクコンバータのスリップ制御装置。 - 【請求項4】 請求項1乃至3のいずれか1項におい
て、前記ロックアップクラッチ締結圧のオープンループ
制御は、前記フィードバック制御の系における前記スリ
ップ回転偏差を一定値に保持することにより実現するよ
う構成したことを特徴とすることを特徴とするトルクコ
ンバータのスリップ制御装置。 - 【請求項5】 請求項4において、固定の仮想スリップ
回転を前記実スリップ回転として該仮想スリップ回転と
前記目標スリップ回転との間における差を前記フィード
バック制御系のスリップ回転偏差とすることにより、該
スリップ回転偏差を一定値に保持するよう構成したこと
を特徴とすることを特徴とするトルクコンバータのスリ
ップ制御装置。 - 【請求項6】 請求項4または5において、前記フィー
ドバック制御系の保持すべきスリップ回転偏差を、作動
油温変化やロックアップクラッチの経時劣化による前記
実スリップ回転の時間低下勾配の変化が生じないよう、
これら作動油温変化やロックアップクラッチの経時劣化
に応じて異なる一定値とする構成にしたことを特徴とす
ることを特徴とするトルクコンバータのスリップ制御装
置。 - 【請求項7】 請求項1乃至3のいずれか1項におい
て、前記ロックアップクラッチ締結圧のオープンループ
制御を、前記実スリップ回転が直ちに0にされるような
オープンループ制御としたことを特徴とするトルクコン
バータのスリップ制御装置。 - 【請求項8】 トルクコンバータの入出力要素間におけ
る実スリップ回転をロックアップクラッチの締結により
制限可能で、この実スリップ回転と目標スリップ回転と
の間におけるスリップ回転偏差に応じ前記ロックアップ
クラッチの締結圧をフィードバック制御して実スリップ
回転を目標スリップ回転にするための装置において、 前記ロックアップクラッチを滑り結合させるべきスリッ
プ制御領域から該ロックアップクラッチを完全締結させ
るべきロックアップ領域への移行と同時に、前記フィー
ドバック制御の系における前記スリップ回転偏差を一定
値に保持することにより、前記実スリップ回転が所定の
時間低下勾配で0になるよう前記ロックアップクラッチ
締結圧の制御をオープンループ制御に切り換える構成に
したことを特徴とするトルクコンバータのスリップ制御
装置。 - 【請求項9】 請求項8において、固定の仮想スリップ
回転を前記実スリップ回転として該仮想スリップ回転と
前記目標スリップ回転との間における差を前記フィード
バック制御系のスリップ回転偏差とすることにより、該
スリップ回転偏差を一定値に保持するよう構成したこと
を特徴とするトルクコンバータのスリップ制御装置。 - 【請求項10】 請求項8または9において、前記フィ
ードバック制御系の保持すべきスリップ回転偏差を、作
動油温変化やロックアップクラッチの経時劣化によって
も前記実スリップ回転の所定の時間低下勾配が補償され
るよう、これら作動油温変化やロックアップクラッチの
経時劣化に応じて異なる一定値とするよう構成したこと
を特徴とするトルクコンバータのスリップ制御装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4816999A JP3601346B2 (ja) | 1999-02-25 | 1999-02-25 | トルクコンバータのスリップ制御装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4816999A JP3601346B2 (ja) | 1999-02-25 | 1999-02-25 | トルクコンバータのスリップ制御装置 |
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Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000240786A true JP2000240786A (ja) | 2000-09-05 |
JP3601346B2 JP3601346B2 (ja) | 2004-12-15 |
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ID=12795906
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP4816999A Expired - Fee Related JP3601346B2 (ja) | 1999-02-25 | 1999-02-25 | トルクコンバータのスリップ制御装置 |
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Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP1531288A2 (en) | 2003-11-12 | 2005-05-18 | Nissan Motor Co., Ltd. | Power transmission device having a torque converter with a lockup clutch and lockup control method for torque converter |
JP2006329261A (ja) * | 2005-05-24 | 2006-12-07 | Nissan Motor Co Ltd | トルクコンバータのスリップ制御装置 |
US7146695B2 (en) | 2001-12-27 | 2006-12-12 | Murata Manufacturing Co., Ltd. | Method for manufacturing a surface acoustic wave device with a piezoelectric substrate |
EP1739329A2 (en) | 2005-06-29 | 2007-01-03 | Nissan Motor Co., Ltd. | Device and method for controlling the engaging force of a lockup clutch |
JP2011220437A (ja) * | 2010-04-08 | 2011-11-04 | Honda Motor Co Ltd | 自動変速機の制御装置 |
-
1999
- 1999-02-25 JP JP4816999A patent/JP3601346B2/ja not_active Expired - Fee Related
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