JP2000239423A - 接着フィルムの製造方法および接着フィルム - Google Patents
接着フィルムの製造方法および接着フィルムInfo
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Abstract
良好な密着性を有する接着フィルムを提供する。 【解決手段】 ポリイミドフィルムの片面又は両面に熱
可塑性樹脂を配置したポリイミドフィルムを基材とした
接着フィルムにおいて、基材ポリイミドフィルムに、ま
ず、加熱処理などの物理処理を施した上で、特定の表面
改質剤により処理を施し、接着層を設ける。
Description
造方法および接着フィルムに関する。より詳しくは、電
子部品、電子回路基板等の固定又は絶縁用等の機械的強
度と耐熱性を要求されるフィルムまたはテープに用いら
れる、基材ポリイミドフィルムに熱可塑性樹脂層を設け
てなる接着フィルムおよびその製造方法に関する。
および小型化が進み、それに伴って電子部品の小型化お
よび軽量化も進んできている。そのため半導体素子パッ
ケージ方法やそれらを実装する配線材料又は配線部品
も、より高密度、高機能、かつ高性能であることが求め
られる。特に、半導体パッケージ、COL(チップオン
ロード)またはLOC(リードオンチップ)パッケー
ジ、あるいはTAB(テープオートメーティッドボンデ
ィング)パッケージやMCM(マルチチップモジュー
ル)等の高密度実装材料や多層FPC(フレキシブルプ
リント基板)等のプリント配線板材料、さらには超伝導
コイル被覆材料や航空宇宙材料として好適に用いること
のできる良好な機械的特性や耐熱特性、絶縁特性を示す
接着材料が求められている。
において、良好な機械的特性や耐熱性、絶縁特性を示す
接着材料として、主にエポキシ樹脂やポリイミド樹脂の
前駆体であるポリアミド酸組成物等が使われていた。し
かし、これらの接着剤は、有機溶媒溶液またはペースト
の状態で、基板上に塗布して使用されるため、乾燥、硬
化に長時間を要し、また基板上等に樹脂溶液またはペー
ストを塗工する際に厚みムラを生じやすい等作業性に問
題がある。さらに、乾燥、硬化時に発生するガスによっ
てダイパッド等の基板や半導体素子が汚染され、ワイヤ
ーボンディング不良等の問題が生じる。
うな従来の接着材料に代わるものとして、耐熱特性、機
械的特性に優れる絶縁材料であるポリイミドフィルム
に、熱可塑性ポリイミド樹脂や高耐熱性エポキシ樹脂等
からなる接着層を設けたポリイミドフィルムを基材とす
る接着フィルムが提案されている。
る接着フィルムの製造方法としては、ポリイミドフィル
ムの片面または両面に、溶液状態の樹脂を塗工し乾燥さ
せて製造する塗工法と、ポリイミドフィルムの片面また
は両面に樹脂フィルムとを加熱貼合せ加工し製造する熱
ラミネート法がある。熱ラミネート法によれば、基材と
なるフィルムの両面または片面に熱可塑性フィルムを加
熱圧着することによって接着フィルムを得ることができ
る。従って、瞬時に接着でき、作業性を大幅に改善でき
る。さらに、熱圧着時にガスの発生を伴わないため半導
体素子や基板の汚染の問題も改善できる。また、このよ
うな接着フィルムにおいては、基板に樹脂溶液やペース
トを直接塗工する方法における接着層厚の不均一をきた
すおそれがなく、引き続くワイヤボンディングに支障を
きたしたり、半導体素子に不均一な歪みを生じさせる問
題が生じず、高信頼性の半導体装置を得ることが期待で
きる。
に基材として用いられるポリイミドフィルムは、種々の
樹脂フィルムとの密着性に乏しく、塗工法および熱ラミ
ネート法のいずれによって得られた接着フィルムも、ポ
リイミドフィルム基材と接着層との十分な密着性が得ら
れにくいという問題点を有していた。ポリイミドフィル
ム基材と接着層の密着性が不十分であると、打ち抜き加
工時にバリの発生を起こしたり、電子配線回路に用いる
ときに金属導体線と絶縁層である樹脂との間で隔離が起
こる。さらに、リードフレーム、ダイパッドとの接着時
に基材と接着層間で剥離したり、またパッケージクラッ
クの原因となるパッケージ内における剥離を起こす等加
工性やパッケージング信頼性が劣ることになる。
的特性や耐熱性、絶縁性に優れ、基材のポリイミドフィ
ルムと接着層の密着性が良好な接着フィルムを提供する
ことを目的に鋭意研究を重ねた結果、本発明に至ったの
である。
製造方法の要旨とするところは、基材ポリイミドフィル
ムの片面または両面に物理的処理を施す工程;該基材ポ
リイミドフィルムの物理的処理を施した片面または両面
を、基材ポリイミドフィルム表面上の官能基と反応し得
る官能基を含む表面改質剤により表面改質処理する工
程;および該基材ポリイミドフィルムの、物理的処理お
よび表面改質処理を施した片面又は両面に接着層を設け
る工程を含むことにある。
上記基材ポリイミドフィルムは、非熱可塑性ポリイミド
フィルムであり得る。
上記表面改質剤は、第1級アミンであり得る。
上記物理的処理は、加熱処理、コロナ処理、プラズマ処
理、スパッタリング処理、サンドブラスト処理および金
属ナトリウム処理からなる群より選択される1種以上で
あり得る。
上記加熱処理は、少なくとも遠赤外線処理若しくは熱風
循環加熱処理のいずれか一方あるいはその両方の組み合
わせであり得る。
上記接着層は、熱可塑性ポリイミドを含み得る。
上記熱可塑性ポリイミドは、一般式(1)
フェニレン基、ジフェニレン基、又は
4 は、それぞれ独立して、水素、低級アルキル基、低級
アルコキシ基、又はハロゲンを示し、Yは、
り、Rは、p−フェニレン基、m−フェニレン基、ジフ
ェニレン基、または、一般式
かである。)で表される繰り返し単位を有するポリイミ
ドであり得る。
は、上記の接着フィルムの製造方法により製造されるこ
とにある。ことにある。
本発明の接着フィルムは、基材ポリイミドフィルムの片
面または両面に物理的処理を施した後、該物理処理を施
した面に、さらに表面改質剤により表面改質処理を施
し、処理を施した面に接着層を設けることによって得ら
れる。
当業者に公知のいずれのポリイミドフィルム使用し得
る。このようなポリイミドフィルムは、市販されてお
り、代表的には、鐘淵化学工業株式会社製のアピカルシ
リーズ、デュポン社製のカプトンシリーズ、宇部興産株
式会社製のユーピレックスシリーズ、日東電工株式会社
製のU−フィルムシリーズ等がある。
ド、ポリエーテルイミドあるいはポリエステルイミド等
を挙げることができ、非熱可塑性、熱可塑性、熱硬化性
のいずれをも含み、ポリイミド樹脂の分子構造は限定さ
れないが、特には、非熱可塑性ポリイミドフィルムであ
ることが好ましい。
定されず、数μm〜数mmである。通常のフィルムの厚
みは3〜300μmであり、好ましくは5〜125μ
m、より好ましくは5〜75μmである。
ミドフィルムの表面改質に物理的処理を施す。物理的処
理の方法は特に限定されないが、代表的には、加熱処
理、コロナ処理、プラズマ処理、スパッタリング処理、
サンドブラスト処理、および金属ナトリウム処理からな
る群より選択される1種あるいは2種以上の組み合わせ
である。
ず、当業者に公知の装置を用いて処理できる。例えば、
遠赤外線処理、熱風循環加熱処理、あるいはそれらの組
み合わせが好ましい。加熱温度は最高温度が、100℃
〜700℃の範囲であることが好ましい。更に好ましく
は、最高温度が200〜600℃の範囲である。加熱最
高温度がこの範囲より高温側の場合、ポリイミドフィル
ムが熱分解しフィルムの機械的強度、電気特性が大きく
低下する。また、低温側の場合、所望の接着性に対する
効果が得られない。その処理時間は、最高温度によって
異なるが、最高温度での曝露時間が1〜1200秒の範
囲であり得る。好ましくは3〜800秒の範囲であり、
より好ましくは5〜400秒の範囲であり、特に好まし
くは、10〜300秒の範囲である。また、加熱処理に
おいて、フィルムをロールツーロールにて行う場合、加
熱処理温度を段階的に設定することもできる。例えば、
200℃、400℃、600℃、400℃、200℃に
加熱炉の温度を設定し、それぞれの炉の曝露時間を20
0秒ずつとして処理し得る。あるいは加熱処理温度を段
階的に設定せず、加熱炉を全て500℃に設定し、フィ
ルムの加熱処理を実施することもできる。
されないが、例えばアルミニウム電極が用いられ得る。
コロナ放電処理を行なう場合、フィルムの熱膨張により
生じる皺を防ぐ為、フィルムの幅方向に伸びを付与し、
コロナ放電処理を1 回または複数回にわたって施すこと
もできる。処理密度は、50〜800w・min/m 2
の範囲が好ましい。その処理時間については、1〜12
00秒の範囲であり得、より好ましくは、3〜800秒
の範囲が好ましい。特に好ましくは、5〜400秒の範
囲、10〜300秒の範囲である。
ゆる真空プラズマ処理あるいは減圧プラズマ処理、およ
び常圧プラズマ処理あるいは大気圧プラズマ処理などで
あり得る。特に、100〜1000Torrの範囲の圧
力下で行うことが好ましい。また、常圧プラズマ処理は
比較的設備費等が安価であり好ましく用いられる。
属、ガラス、石英、セラミック等を、表面をグロー放電
によって励起されたプラズマのエネルギーによって分解
されない誘電体で被覆して作成する。電極に印加する高
電圧の周波数は、1〜500KHz、好ましくは1〜2
0KHzであり、2000〜8000V、好ましくは3
000〜5000Vの電圧印加によりグロー放電が起こ
る。
ガスは、例えば、ヘリウム、アルゴン、クリプトン、キ
セノン、ネオン、ラドン、窒素等の不活性ガス、また酸
素、空気、一酸化炭素、二酸化炭素、四塩化炭素、クロ
ロホルム、水素、アンモニア、カーボンテトラフルオラ
イド、トリクロロフルオロエタン、トリフルオロメタン
等である。また、公知のフッ化ガスあるいは上記ガスの
混合ガスでも良い。好ましい混合ガスの組み合わせは、
アルゴン/酸素、アルゴン/アンモニア、アルゴン/ヘ
リウム/酸素、アルゴン/二酸化炭素、アルゴン/窒素
/二酸化炭素、アルゴン/ヘリウム/窒素、アルゴン/
ヘリウム/窒素/二酸化炭素、アルゴン/ヘリウム、ア
ルゴン/ヘリウム/アセトン、ヘリウム/アセトン、ヘ
リウム/空気、アルゴン/ヘリウム/シランである。
n/m2 の範囲が好ましい。更に好ましくは、300〜
7000w・min/m2 の範囲が好ましい。上記範囲
を大きく逸脱すると所望の効果が得られない。
直流2極スパッタ法、バイアススパッタリング、非対称
交流スパッタリング、ゲッタスパッタリング、および高
周波スパッタリングが挙げられる。
でフィルム表面に吹きつけることにより表面処理を行な
うものである。例えば、サンドブラスト吹き出しノズル
を備えるサンドブラスト装置を使用することができる。
研削材の吹き出し量は、適宜調節され、処理後に研削材
や被研削物がポリイミドフィルム表面に残らず、ポリイ
ミドフィルムの強度が低下しないような条件にする必要
がある。具体的には、研削材として代表的にはけい砂が
用いられる。けい砂の粒径は、0.05〜10mm、好
ましくは0.1〜1mmである。ブラスト距離は、10
0〜300mmとすることが好ましい。ブラスト角度
は、45度〜90度、より好ましくは45度〜60度で
ある。ブラスト量は、1〜10kg/minであること
が好ましい。研削深さは、0.01μm〜0.1μmに
とどめ、フィルムの強度が低下しないようにする。
基材ポリイミドフィルムに表面改質処理を施す。この処
理に施される表面改質剤としては、フィルム表面に塗布
する等の処理により、フィルムの耐熱性、機械的特性等
の諸特性を損なうことがなくフィルム表面を改質しポリ
イミドフィルム基材と熱可塑性樹脂の密着性を向上でき
るものであれば何でも良い。例えば、アルコキシシラン
基を有する化合物であるシランカップリング剤、反応性
基を有するシロキサンオリゴマー、シロキサン構造を分
子鎖中に有するシロキサンジアミン、その他チタネート
系カップリング剤、アルミニウム系カップリング剤、低
分子量のヘキサメチレンジアミン、イソフォロンジアミ
ン等脂肪族ジアミンあるいはそのオリゴマー、イソフォ
ロンジイソシアネート等脂肪族ジイソシアネートあるい
はそのオリゴマー等が挙げられる。フィルム面の溶媒可
溶性、塗工安定性、耐熱性、および物理処理との組み合
わせにおいて、接着性の向上が飛躍的に伸びる点から脂
肪族ジアミン、特には脂肪族の第一級アミンが好まし
い。
ない。上記のいずれかの表面改質剤を適当な溶媒に溶か
し、基材ポリイミドフィルムの表面改質に溶媒溶液を液
状又は霧状に吹き付けたり、溶媒溶液を含浸させたロー
ラーや刷毛などで表面に塗布し得るが、他のいずれの方
法も採用され得る。溶媒としては、メタノール、エタノ
ールなどのアルコール類、アセトン・メチルエチルケト
ンなどのケトン類、ジメチルエーテルなどのエーテル類
が用いられる。表面改質剤を溶媒に溶解して用いる場合
の濃度は特に限定されないが、20重量%以下、特には
0.1重量%以上5重量%以下で処理するのが好まし
い。
剤を適宜組み合わせて混合して使用し得る。
材ポリイミドフィルム表面に上記の表面処理を施すこと
により、基材ポリイミドフィルムと接着層との接着強度
が増加する。
ドフィルムとして非熱可塑性フィルムを選択し、物理処
理として加熱処理を選択し、表面改質処理剤として第一
級アミンを選択してこれらを組み合わせる方法が好まし
い。
理剤の効果が加熱処理により何らかの物理的化学的性質
が変化した非熱可塑性ポリイミドフィルムにおいて、特
に、顕著に発現されたものと考えられる。
としては、熱可塑性樹脂が挙げられ、加熱により接着性
を発現するもので、200℃の加熱で分解を生じない樹
脂であれば使用し得る。例えば、ポリエチレン、塩化ビ
ニル、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリビニルアル
コール、アクリル樹脂、塩化ビニリデン樹脂、ポリアミ
ド、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフ
タレート、ポリフェニレンサルファイド、ポリパラフェ
ニレンサルファイド、ポリスルホン、ポリエーテルスル
ホン、ポリエステル、ポリアリレート、およびポリエス
テルイミド、ポリエーテルイミド、ポリシロキサンイミ
ド、ポリエーテルアミドイミド等の屈曲基を有するイミ
ドであり熱可塑性を示すポリイミド系樹脂等が挙げられ
る。特に、熱可塑性ポリイミドが、耐熱性、高絶縁性の
点から、本発明においては、好適に接着樹脂として用い
ることができる。
いは適宜溶媒溶液に溶解させ、表面処理を行なった基材
ポリイミドフィルムに、塗布あるいは加熱貼合せ加工す
る。本発明において、接着層を形成するために用いられ
得る熱可塑性樹脂は特に限定されないが、基材ポリイミ
ドフィルムと加熱貼合せをする場合は、ガラス転移温度
が300℃以下の熱可塑性樹脂を使用することが好まし
い。ガラス転移温度が300℃以上の場合、加熱貼合せ
を300℃より高い温度で行なわなければならず、加熱
装置が高価なものになるためである。
(1)
フェニレン基、ジフェニレン基、又は
4 は、それぞれ独立して、水素、低級アルキル基、低級
アルコキシ基、又はハロゲンを示し、Yは、
り、Rは、p−フェニレン、m−フェニレン、ジフェニ
レン基、または、一般式
かである。)で表される繰り返し単位を有するポリイミ
ドである熱可塑性ポリイミドである。上述の繰り返し単
位を有することにより、吸湿率が低い接着層を形成する
ことができ、このことによって、本発明の接着フィルム
を電子・電機部品用途に応用するときに吸湿による発泡
などの不都合を低減することが出来る。
には、上記の樹脂の他に、接着性を阻害しない程度に他
の成分を加えることができる。このような他の成分は、
例えばエポキシ、ジイソシアナート、シアナートエステ
ル、アクリル/メタクリル、アセチレン末端イミドオリ
ゴマー、アリルビスナジイミドなどの樹脂であり、特に
エポキシ樹脂が好ましく用いられ得る。本発明に使用で
きるエポキシ樹脂としては、ビスフェノール系エポキシ
樹脂、ハロゲン化ビスフェノール系エポキシ樹脂、フェ
ノールノボラック系エポキシ樹脂、ハロゲン化フェノー
ルノボラック系エポキシ樹脂、アルキルフェノールノボ
ラック系エポキシ樹脂、ポリフェノール系エポキシ樹
脂、ポリグリコール系エポキシ樹脂、環状脂肪族エポキ
シ樹脂、クレゾールノボラック系エポキシ樹脂、グリシ
ジルアミン系エポキシ樹脂、ウレタン変性エポキシ樹
脂、ゴム変性エポキシ樹脂、エポキシ変性ポリシロキサ
ン等が挙げられるが、これに限定されない。
場合、混合割合は、ポリイミド100重量部に対して、
1〜50重量部、好ましくは5〜30重量部である。エ
ポキシ樹脂を加えることにより接着性が増加するが、1
重量部より少ない場合はこの効果を発現できず、50重
量部より多くなれば耐熱性等の特性が劣る場合がある。
ィルムおよび/または接着層に適宜フィラーなどを添加
することもできる。例えば、基材ポリイミドフィルムあ
るいは接着層のいずれかまたは双方に、無機微細粉体を
添加できる。この無機微細粉体は、例えば、SiO2 、
TiO2 、CaHPO4 、およびCa2 P2 O7 からな
る群より選択されるが、これに限定されない。
リイミドフィルムの片面もしくは両面に熱可塑性樹脂か
らなる接着層を設けた接着フィルムであり、形態として
特に限定されるものではなく、ある一定の長さで裁断さ
れたシート状、あるいは連続的にロール状に巻かれたテ
ープ状のものであってもよい。
ムを基材とした接着フィルムは、多層FPC(フレキシ
ブルプリント基板)や半導体装置のダイパッドボンディ
ング用、半導体装置のリード固定用、あるいはCOL
(Chip on Lead)又はLOC(Lead on Chip)、TAB
(Tape Automated bonding )用等の実装用材料等が
挙げられ、特に耐熱性、接着部の高信頼性、電気絶縁特
性等の利点から自動車積載部品の接着用途、電子部品及
び半導体装置用接着材料として好適に用いることができ
る。
実施の形態を説明したが、本発明は、これらの実施の形
態のみに限定されるものではなく、本発明はその趣旨を
逸脱しない範囲内で当業者の知識に基づき、種々なる改
良、変更、修正を加えた態様で実施しうるものである。
着剤を得た。系全体を氷水で冷やし、窒素置換をした2
000mlの三口のセパラブルフラスコに33.2g の
3,3' ,4,4' ベンゾフェノンテトラカルボン酸二
無水物(以下、BTDAという。)、287g のジメチ
ルホルムアミド(以下、DMFという。)を採り、スタ
ーラーを用いて撹拌することにより充分に溶解させた。
続いて、43.1g の2,2' ビス〔4−(4−アミノ
フェノキシ)フェニル〕プロパン(以下、BAPPとい
う。)を20g のDMFに溶解させ投入し反応させた。
15分間の撹拌の後、76.0g の3,3' ,4,4'
−エチレングリコールジベンゾエートテトラカルボン酸
二無水物 (以下、TMEG) を150g のDMFを用
いて投入した。さらに15分間の撹拌の後、80.0g
のBAPPを150gのDMFに溶解させて投入し反応
させた。30分間の撹拌の後、さらに3.1gのTME
Gを44.5gのDMFに溶かした溶液をフラスコ内の
溶液の粘度に注意しながら徐々に投入し、その後1時間
撹拌しながら放置した。その後、106gのDMFを投
入し撹拌することでポリアミド酸溶液を得た。さらに、
この溶液に、0.3gのCaHPO4 を加えて均一にな
るまでよく攪拌した。
法を示す。基材となるポリイミドフィルムとして、非熱
可塑性ポリイミドフィルムである15μm 厚のアピカル
HP(鐘淵化学工業社製)を、上下面に遠赤加熱バーを
配置したオーブンで450℃にて2分間、ピン枠に固定
して加熱処理した後に、それぞれの面にイソフォロンジ
アミンの2重量%メタノール溶液を均一にバーコーター
を用いて塗布した後、80℃で1分加熱し乾燥させた。
体のDMF溶液を、上記のように処理したHPフィルム
の両面に乾燥上がりの厚みがそれぞれ5μmになるよう
にバーコーターを用いて塗工して、120℃で3分間乾
燥させた。その後に、順次、150℃にて2分間、25
0℃にて2分間、320℃にて2分間で乾燥させなが
ら、イミド化を行い、接着フィルムを得た。
フィルム間の密着性を、JICS6481に準拠して、
界面引き剥し強さを測定することにより評価した。
たものに変更した以外は、実施例1と同様の方法によ
り、接着フィルムを作製し、続いて密着性を評価した。
ムに加熱処理を施さないこと以外は、実施例1と同様に
して接着フィルムを作製し、続いて密着性を評価した。
るポリイミドフィルムに表面改質剤による表面処理を施
さない以外は、実施例1と同様にして接着フィルムを作
製し、続いて密着性を評価した。
上下面に遠赤加熱バーを配置したオーブンで350℃に
て2分間、ピン枠に固定して加熱処理した後、常圧でプ
ラズマ処理を施した。プラズマ処理は、アルゴン/ヘリ
ウム雰囲気下で、10秒間、強度100w/min/m
2 で行なった。その後、実施例1と同様の方法で接着層
を付与し、接着フィルムを作製して、密着性を評価し
た。
材ポリイミドフィルムに表面改質処理を施した後、加熱
処理を施した。それ以外の条件はすべて実施例1と同様
にして接着フィルムを作製し、密着性を評価した。
がし強度および比較例1〜4の接着フィルムの引き剥が
し強度の測定結果を表1に示す。
法により得られる接着フィルムが、他の方法により得ら
れる接着フィルムと比較して、基材ポリイミドフィルム
と接着層との密着性が飛躍的に高いことがわかる。
ば、基材ポリイミドフィルムと接着層との密着性が強力
な接着フィルムが得られる。
の為に、多層FPC(フレキシブルプリント基板)や半
導体装置のダイパッドボンディング用、半導体装置のリ
ード固定用、あるいはCOL(Chip on Lead)又はLO
C(Lead on Chip)、TAB(Tape Automated bond
ing )用等の実装用材料に用いられ得る。
Claims (8)
- 【請求項1】 接着フィルムの製造方法であって、 基材ポリイミドフィルムの片面または両面に物理的処理
を施す工程;該基材ポリイミドフィルムの物理的処理を
施した片面または両面を、基材ポリイミドフィルム表面
上の官能基と反応し得る官能基を含む表面改質剤によ
り、表面改質処理する工程;および該基材ポリイミドフ
ィルムの、物理的処理および表面改質処理を施した片面
又は両面に接着層を設ける工程を含むことを特徴とす
る、接着フィルムの製造方法。 - 【請求項2】 前記基材ポリイミドフィルムが、非熱可
塑性ポリイミドフィルムであることを特徴とする、請求
項1に記載の接着フィルムの製造方法。 - 【請求項3】 前記表面改質剤が、第1級アミンである
ことを特徴とする、請求項1または2に記載の接着フィ
ルムの製造方法。 - 【請求項4】 前記物理的処理が、加熱処理、コロナ処
理、プラズマ処理、スパッタリング処理、サンドブラス
ト処理および金属ナトリウム処理からなる群より選択さ
れる1種以上であることを特徴とする、請求項1から3
までのいずれかに記載の接着フィルムの製造方法。 - 【請求項5】 前記加熱処理が、少なくとも遠赤外線処
理若しくは熱風循環加熱処理のいずれか一方あるいはそ
の両方の組み合わせであることを特徴とする、請求項4
に記載の接着フィルムの製造方法。 - 【請求項6】 前記接着層が、熱可塑性ポリイミドを含
むことを特徴とする、請求項1から5までのいずれかに
記載の接着フィルムの製造方法。 - 【請求項7】 前記熱可塑性ポリイミドが、一般式
(1) 【化1】 (ここで、Xは、p−フェニレン基、m−フェニレン
基、ジフェニレン基、又は 【化2】 (式中、R1 、R2 、R3 、およびR4 は、それぞれ独
立して、水素、低級アルキル基、低級アルコキシ基、又
はハロゲンを示し、Yは、 【化3】 のいずれかを表す。)で表される基であり、Rは、p−
フェニレン基、m−フェニレン基、ジフェニレン基、ま
たは、一般式 【化4】 (式中、Zは、 【化5】 のいずれかを示す)で表される基、 【化6】 (式中、Z’は、結合、 【化7】 のいずれかを示す)で表される基のいずれかである。)
で表される繰り返し単位を有するポリイミドであること
を特徴とする、請求項1から6までのいずれかに記載の
接着フィルムの製造方法。 - 【請求項8】 請求項1から7までのいずれかに記載の
接着フィルムの製造方法により製造される接着フィル
ム。
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---|---|---|---|
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