JP2002088325A - 半導体用接着フィルムの製造方法及び半導体装置 - Google Patents

半導体用接着フィルムの製造方法及び半導体装置

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JP2002088325A
JP2002088325A JP2000284553A JP2000284553A JP2002088325A JP 2002088325 A JP2002088325 A JP 2002088325A JP 2000284553 A JP2000284553 A JP 2000284553A JP 2000284553 A JP2000284553 A JP 2000284553A JP 2002088325 A JP2002088325 A JP 2002088325A
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film
adhesive film
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Tomohiro Nagoya
友宏 名児耶
Shuichi Matsuura
秀一 松浦
Akiyasu Kawai
紀安 河合
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 容易な工程による半導体用接着フィルムの製
造方法及びこれを用いた半導体装置を提供する。 【解決手段】 (1)180℃での貯蔵弾性率が0.1
〜10MPaで損失弾性率のピーク温度が−80〜50
℃である熱可塑性接着剤の層を基材に形成して単層の接
着フィルムを作製する工程及び(2)耐熱性フィルムの
両面に前記接着フィルムの接着剤層面を重ね合わせて、
熱可塑性接着剤の損失弾性率のピーク温度より50〜2
00℃高い温度で圧着する工程からなる半導体用接着フ
ィルムの製造方法及びこのフィルムを用いた半導体装
置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体用接着フィ
ルムの製造方法及び半導体装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、半導体チップをセラミック基板等
の実装用基板、リードフレーム、銅板等の放熱板に接着
する接着剤として、銀ペーストに代表される液状の接着
剤が使われているが、銀フィラーの分散が均一でないこ
と、ペーストの保存安定性に留意しなければならないこ
と、半導体チップ実装の作業性がLOC等に比較して劣
ること等の問題から、近年、接着フィルムの需要が高ま
っている。
【0003】接着フィルムは、接着剤層のみからなる単
層のものと、支持フィルムの両面に接着剤層を形成した
3層のものに大別できる。単層のものは、伸びたり、打
ち抜き性に劣る等して取扱いが困難であるため、3層の
接着フィルムが好まれる。支持フィルムの両面に熱可塑
性接着剤層を有する3層の接着フィルムは、一般的に、
支持フィルムの両面に熱可塑性接着剤のワニスを塗布、
乾燥することにより製造される。しかしながら、熱可塑
性接着剤が乾燥温度付近でタック性を有する場合や損失
弾性率のピーク温度(Tg)が乾燥温度よりも著しく低
い場合、この方法での3層の接着フィルムの製造は、乾
燥炉の中で接着剤がロールに付着する等して困難であっ
た。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明はこのような問
題を解決する半導体用接着フィルムの製造方法及びこれ
を用いた半導体装置を提供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、下記の半導体
用接着フィルムの製造方法及び半導体装置に関する。 (1)180℃での貯蔵弾性率が0.1〜10MPaで
損失弾性率のピーク温度が−80〜50℃である熱可塑
性接着剤の層を基材に形成して単層の接着フィルムを作
製する工程及び(2)耐熱性フィルムの両面に前記接着
フィルムの接着剤層面を重ね合わせて、熱可塑性接着剤
の損失弾性率のピーク温度より50〜200℃高い温度
で圧着する工程からなる半導体用接着フィルムの製造方
法。 (2)圧着温度が180℃以下である(1)に記載の半
導体用接着フィルムの製造方法。 (3)熱可塑性接着剤が、テトラカルボン酸二無水物と
ジアミン又はジイソシアナートとポリエステルとを反応
させて得られる共重合体を含む(1)に記載の半導体用
接着フィルムの製造方法。 (4)熱可塑性接着剤が、テトラカルボン酸二無水物と
ジアミン又はジイソシアナートとポリエーテルとを反応
させて得られる共重合体を含む(1)に記載の半導体用
接着フィルムの製造方法。 (5)(1)〜(4)のいずれかの製造方法によって得
られた半導体用接着フィルムを用いた半導体装置。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明において、単層の接着フィ
ルムは180℃での貯蔵弾性率が0.1〜10MPaで
損失弾性率のピーク温度が−80〜50℃である熱可塑
性接着剤を適当な有機溶剤に溶解して接着剤ワニスと
し、基材に接着剤ワニスを塗布した後、乾燥して有機溶
剤を除去することにより得られる。図1に単層の接着フ
ィルムの構成を示す。図において1は熱可塑性接着剤
層、2は基材である。
【0007】熱可塑性接着剤を構成する樹脂としては、
ポリアミド、ポリアセタール、ポリカーボネート、変性
ポリフェニレンエーテル、熱可塑性ポリエステル、ポリ
テトラフルオロエチレン等のフッ素樹脂、ポリフェニレ
ンスルフィド、ポリスルホン、非晶質ポリアリレート、
ポリエーテルイミド、ポリエーテルスルホン、ポリエー
テルケトン、液晶ポリエステル、ポリアミドイミド、ポ
リエーテルアミドイミド、ポリエステルイミド、ポリエ
ステルアミドイミド、ポリイミド、ポリアリルエートル
ニトリル、ポリベンゾイミダゾール等があるが、テトラ
カルボン酸二無水物とジアミン又はジイソシアナートと
ポリエステルとを反応させて得られる共重合体及びテト
ラカルボン酸二無水物とジアミン又はジイソシアナート
とポリエーテルとを反応させて得られる共重合体が好ま
しい。
【0008】テトラカルボン酸二無水物としては、ピロ
メリット酸二無水物、3,3′,4,4′−ベンゾフェ
ノンテトラカルボン酸二無水物、3,3′,4,4′−
ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2−ビスフ
タル酸ヘキサフルオロイソプロピリデン二無水物、ビス
(3,4−ジカルボキシフェニル)スルホン二無水物、
4,4′−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ジ
フェニルスルホン二無水物、2,2−ビス[4−(3,
4−ジカルボキシフェノキシ)フェニル]プロパン二無
水物、エチレングリコールビストリメリテート二無水物
(EBTA)、デカメチレングリコールビストリメリテ
ート二無水物(DBTA)、ビスフェノールAビストリ
メリテート二無水物(BABT)、2,2−ビス[4−
(3,4−ジカルボキシフェニルベンゾイルオキシ)フ
ェニル]ヘキサフルオロプロパン二無水物、4,4′−
[1,4−フェニレンビス(1−メチルエチリデン)]
ビスフェニルビストリメリテート二無水物等が使用で
き、2種以上を併用してもよい。これらのテトラカルボ
ン酸二無水物は、遊離酸(テトラカルボン酸)、ジエス
テル、ジクロライド等の誘導体を使用することもでき
る。
【0009】なお、これらの中でも、エチレングリコー
ルビストリメリテート二無水物(EBTA)、デカメチ
レングリコールビストリメリテート二無水物(DBT
A)又はビスフェノールAビストリメリテート二無水物
(BABT)が好ましく、BABTがより好ましい。こ
れらの量はテトラカルボン酸二無水物成分の総量に対し
て、EBTA、DBTA及びBABTから選ばれるテト
ラカルボン酸二無水物を50モル%以上とすることが好
ましい。50モル%より少ないと、得られる共重合体の
Tgが高くなり、接着性が低下するので好ましくない。
また、接着剤の接着性、耐熱性等の特性は損なわない範
囲で、テトラカルボン酸二無水物のほかに、無水トリメ
リット酸等のトリカルボン酸無水物を併用してもよい。
【0010】用いることができるジアミンとしては、
1,2−ジアミノプロパン、1,3−ジアミノプロパ
ン、1,2−ジアミノ−2−メチルプロパン、1,4−
ジアミノブタン、1,6−ジアミノヘキサン、1,7−
ジアミノヘプタン、1,8−ジアミノオクタン、1,9
−ジアミノノナン、1,10−ジアミノデカン、1,1
2−ジアミノドデカン等のアルキレンジアミン、イソホ
ロンジアミン、フェニレンジアミン、トルイレンジアミ
ン、キシリレンジアミン、ナフタレンジアミン、ジシク
ロヘキシルメタンジアミン、4,4′−ジアミノジフェ
ニルメタン、4,4′−ジアミノジフェニルエーテル、
4,4′−ジアミノジフェニルスルホン、4,4′−ジ
アミノジベンズアニリド、3,3′−ジアミノフェニル
スルホン、3,3′−ジアミノベンゾフェノン、3,
3′−ジメチルジフェニル−4,4′−ジアミン、3,
3′,5,5′−テトラメチル−4,4′−ジアミノジ
フェニルメタン、3,3′,5,5′−テトライソプロ
ピル−4,4′−ジアミノジフェニルメタン、1,4−
ビス(4−アミノクミル)ベンゼン、1,3−ビス(4
−アミノクミル)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノ
フェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(3−アミノフェ
ノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(3−アミノフェノキ
シ)ベンゼン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノ
キシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(3−
アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、ビス[4−
(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、ビス
[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、
ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]エーテ
ル、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェ
ニル]ビフェニル、次式で表されるシロキサンジアミン
【0011】
【化1】
【0012】(式中、R1 及びR2 は2価の有機基、R
3 及びR4 は1価の有機基を示し、mは1〜100の整
数を示す。)等があり、これらは2種以上併用してもよ
い。また、用いることができるジイソシアナートとして
は、上に示したジアミンにおいて、「アミノ」を「イソ
シアナト」と読み替えたもの、あるいは「アミン」を
「イソシアナート」と読み替えたものを挙げることがで
きる。
【0013】また、用いることができるポリエステル
は、ジカルボン酸とジオールとの反応によって得ること
ができる。ジカルボン酸としては、コハク酸、グルタル
酸、アジピン酸、スペリン酸、アゼライン酸、セバチン
酸、デカンジカルボン酸等の脂肪族カルボン酸や、テレ
フタル酸、イソフタル酸、フタル酸、ナフタレンジカル
ボン酸等の芳香族ジカルボン酸等が挙げられる。これら
のジカルボン酸は単独で用いてもよいし、2種以上を組
み合わせて用いてもよい。得られる共重合体を柔軟にす
るためには脂肪族ジカルボン酸が好ましい。
【0014】ジオールとしては、エチレングリコール、
プロピレングリコール、ブタンジオール、1,3−ブチ
レングリコール、2−メチル−1,3−プロパンジオー
ル、ネオペンチルグリコール、3−メチル−1,5−ペ
ンタンジオール、ヘキサンジオール、2,2−ジエチル
−1,3−プロパンジオール、2−エチル−1,3−ヘ
キサンジオール、3,3−ジメチロールヘプタン、ノナ
ンジオール、2−メチル−1,8−オクタンジオール、
デカンジオール等が挙げられる。これらのジオールは単
独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いても
よい。
【0015】上記ポリエステルの使用量(重量)は、樹
脂原料の総重量、すなわち、テトラカルボン酸二無水物
とジアミン又はジイソシアナートとポリエステルとの合
計重量に対して30〜70重量%が好ましい。この場合
に、接着性及び耐熱性の良好なものが得られるからであ
る。また、用いることのできるポリエーテルとしては次
式で示した化合物が挙げられる。
【0016】R−Q1 −O−[Q2 −O−]p −Q3
R (ここで、Q1 ,Q2 及びQ3 は炭素数1〜10のアル
キレン基、RはOHまたはCOOH、pは0〜100の
整数を示す。) 両末端がヒドロキシル基を有するポリエーテルとして
は、HO−[(CH24 −O]n −H(Mw=25
0、650、1000、1800、2900または45
00) 等が挙げられる。これらのポリエーテルを単独で用いて
もよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0017】両末端がカルボキシル基を有するポリエー
テルとしては、 HOOC−(CH22 −O−[(CH24 −O]n
−(CH22 −COOH(Mw=350、1100ま
たは2100) 等が挙げられる。これらのポリエーテルを単独で用いて
もよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。上記
ポリエーテルの使用量(重量)は、樹脂原料の総重量、
すなわち、テトラカルボン酸二無水物とジアミン又はジ
イソシアナートとポリエーテルとの合計重量に対して3
0〜70重量%が好ましい。この場合に、接着性及び耐
熱性の良好なものが得られるからである。
【0018】本発明に用いる熱可塑性接着剤は180℃
での貯蔵弾性率が0.1〜10MPaとされ、1〜8M
Paであることが好ましい。0.1MPaより低いと、
圧着時に柔らかくなりすぎるために圧着後の接着剤層の
厚み精度が落ちて生産性が低下し、10MPaより高い
と、接着性が低下して圧着不良となる問題が生じる。ま
た、本発明に用いる熱可塑性接着剤は、損失弾性率のピ
ーク温度が−80〜50℃とされ、−60〜30℃であ
ることが好ましい。−80℃より低いと耐熱性に劣り、
半導体用接着フィルムとしての信頼性が低下する。50
℃より高いと、本発明で規定する圧着温度範囲内での圧
着性が低下し、圧着により3層の接着フィルムを製造す
るメリットがなくなる。
【0019】本発明に用いる熱可塑性接着剤を溶解する
有機溶剤は、接着剤を構成する樹脂の種類により適宜選
択する必要がある。好ましい有機溶剤としては、N−メ
チルピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,
N−ジメチルアセトアミド等の非プロトン性極性溶剤、
テトラヒドロフラン、ジオキサン、モノグライム、ジグ
ライム等のエーテル系有機溶剤、ベンゼン、トルエン、
キシレン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、メ
チルセロソルブ、セロソルブアセテート、これらの混合
溶剤等が挙げられる。基材に接着剤ワニスを塗布する方
法としては、特に制限はなく、例えば、コンマコート、
ロールコート、リバースロールコート、グラビアコー
ト、バーコート等による塗布が挙げられる。
【0020】基材としては、ポリテトラフルオロエチレ
ンフィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポ
リエチレンナフタレートフィルム、ポリエチレンフィル
ム、ポリプロピレンフィルム、ポリメチルペンテンフィ
ルム、ポリイミドフィルム、ポリアミドフィルム、ポリ
サルフォンフィルム、ポリフェニレンサルファイドフィ
ルム、ポリエーテルエーテルケトンフィルム、ポリアリ
レートフィルム等が使用できるが、表面処理を施した前
記フィルムが好ましく、離型処理を施したポリエチレン
テレフタレートフィルムがより好ましい。また、用いる
基材は溶融温度が圧着温度よりも高いものを用いるのが
好ましい。前記の基材としては、例えば、ユーピレック
ス(宇部興産株式会社製商品名)、カプトン(東レ・デ
ュポン株式会社製商品名)、アピカル(鐘淵化学工業株
式会社製商品名)等のポリイミドフィルム、ルミラー
(東レ・デュポン株式会社製商品名)、ピューレックス
(帝人株式会社製商品名)等のポリエチレンテレフタレ
ートフィルム等を使用することができる。接着剤の厚み
は、接着性等から2〜150μmの範囲が好ましく、特
に制限するものではない。塗布した接着剤ワニスの乾燥
は、特に制限するものではないが、例えば、約60〜1
50℃で数分〜数時間加熱した後、約150〜250℃
で数分〜数時間加熱して溶剤を除去するのが好ましい。
【0021】本発明において、塗工、乾燥した後の単層
の接着フィルムにタック性がある場合や、汚染を防ぐた
めに保護フィルムを貼り付けてもよい。保護フィルムと
しては、ポリテトラフルオロエチレンフィルム、ポリエ
チレンテレフタレートフィルム、ポリエチレンナフタレ
ートフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレン
フィルム、ポリメチルペンテンフィルム、ポリイミドフ
ィルム、ポリアミドフィルム、ポリサルフォンフィル
ム、ポリフェニレンサルファイドフィルム、ポリエーテ
ルエーテルケトンフィルム、ポリアリレートフィルム等
が使用できる。
【0022】本発明において、単層の接着フィルムを図
2に示したように耐熱性フィルム3の両面に圧着し、基
材を除去することにより、3層の接着フィルム4が得ら
れる。圧着後、接着剤層の汚染を防ぐために、基材は使
用する直前に除去してもよい。単層の接着フィルムに保
護フィルムを貼り付けた場合には保護フィルムを剥がし
てから圧着する。
【0023】単層の接着フィルムを耐熱性フィルムに圧
着する温度は、用いる熱可塑性接着剤の損失弾性率のピ
ーク温度より50〜200℃高い温度とされ、100〜
150℃高い温度であることが好ましい。50℃より低
いと接着性が低下し、圧着不良となり、200℃より高
いと圧着温度が高くなり、例えばラミネートロールが劣
化するなどの問題が生じる。また、圧着温度はラミネー
トロールの劣化防止から180℃以下であることが好ま
しく、150℃以下であることがより好ましい。
【0024】本発明に用いる耐熱性フィルムとしては、
ポリイミド、ポリアミド、ポリサルフォン、ポリフェニ
レンサルファイド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリ
アリレート等のエンジニアリングプラスチック等のフィ
ルムが挙げられる。上記耐熱性フィルムは、接着剤との
接着性を増すために、表面処理を施すことが好ましい。
表面処理の方法としては、アルカリ処理、シランカップ
リング剤処理等の化学処理、サンドブラスト等の物理的
処理、プラズマ処理、コロナ処理等のいずれの処理も可
能である。接着剤の種類に応じて最も適した処理を行え
ばよいが、化学処理またはプラズマ処理が好ましい。
【0025】本発明においては、単層の接着フィルムを
耐熱性フィルムの両面に圧着することにより、3層の半
導体用接着フィルムを製造することができる。本発明の
製造方法によって得られる半導体用接着フィルムを用い
て常法により、半導体装置が製造される。
【0026】
【実施例】以下実施例により本発明をさらに詳しく説明
するが、本発明の範囲を限定するものではない。貯蔵弾
性率、損失弾性率の測定には動的粘弾性測定装置(レオ
ロジー株式会社製DVE RHEO SPECTOLER
DVE−V4)を用いた。 実施例1 攪拌機、温度計、窒素ガス導入管及び流出管を備えた
5,000mlの四つ口フラスコに、ヘキサンジオール
と過剰量のアジピン酸を窒素気流下3時間溶融反応して
得た数平均分子量2,000の両末端がカルボキシル基
であるポリエステルを280g、ビスフェノールAビス
トリメリテート二無水物(BABT)を181g、スル
ホランを4,550g加え、窒素雰囲気下、攪拌しなが
ら165℃に昇温した。ジフェニルメタンジイソシアナ
ートを139g、触媒として3−メチル−1−フェニル
−3−ホスホレン−1−オキシドを2.9g加え、16
5℃で3.5時間反応させた後、ベンジルアルコールを
120g加えて、室温まで冷却した。得られた反応溶液
を、0℃に冷却した30重量%メタノール水溶液に注
ぎ、これをミキサーで粉砕し、水洗した後、乾燥して、
ポリエステルを64重量%含有する共重合体の粉末を得
た。得られた共重合体粉末をゲル浸透クロマトグラフィ
ー(以下、GPCと略す;溶離液はTHF、液速度は1
ml/分、検出はRI検出器)を用いて測定したとこ
ろ、重量平均分子量はポリスチレン換算で86,000
であった。
【0027】この共重合体粉末400g、エポキシシラ
ン系カップリング剤(東レ・ダウコーニング・シリコー
ン株式会社製SH−6040)40g、イミダゾール化
合物(四国化成工業株式会社製キュアゾール2PZ−C
N)0.4gを、シクロヘキサノン629gに溶解し、
接着剤ワニス(濃度37重量%)を作製した。作製した
接着剤ワニスを、離型処理を施したポリエチレンテレフ
タレートフィルム(帝人株式会社製ピューレックスA7
1、以下の例においても同じ)上にコンマコーターを用
いて塗布し、熱風循環型乾燥機中で90℃で10分間乾
燥した後、200℃で10分間乾燥して、膜厚が15μ
mの単層の熱可塑性接着フィルムを作製した。作製した
単層の接着剤フィルムは、180℃での貯蔵弾性率が2
MPa、損失弾性率のピーク温度が−20℃であった。
【0028】作製した単層の接着フィルムの接着剤層
を、表面処理を施したポリイミドフィルム(宇部興産株
式会社製 ユーピレックス25SGA、以下の例におい
ても同じ)の両面に重ね合わせ、圧着張り合わせ装置
(MCK株式会社製 型番MRK−800、以下の例に
おいても同じ)を用いて140℃に加熱した加熱ロール
間をロール速度0.1m/分で通過させて圧着し半導体
用接着フィルムを作製した。
【0029】実施例2 実施例1において、圧着張り合わせ装置の温度を80℃
にした以外は実施例1と同様の操作を行い、半導体用接
着フィルムを作製した。
【0030】実施例3 攪拌機、温度計、窒素ガス導入管及び流出管を備えた
5,000mlの四つ口フラスコに、スルホランを3,
600g加え、窒素雰囲気下、攪拌しながら180℃に
昇温した。ポリエーテル(BASF株式会社製PTHF
650S)を660g、3,3′,4,4′−ベンゾフ
ェノンテトラカルボン酸二無水物を161g、ジフェニ
ルメタンジイソシアナートを379g加え、180℃で
6.5時間反応させた後、ベンジルアルコールを328
g加えて、室温まで冷却した。得られた反応溶液を、6
0℃に加熱した水に注ぎ、これをミキサーで粉砕し、水
洗した後、乾燥して、ポリエーテルを55重量%含有す
る共重合体の粉末を得た。得られた共重合体粉末をゲル
浸透クロマトグラフィー(以下、GPCと略す;溶離液
はTHF、液速度は1ml/分、検出はRI検出器)を
用いて測定したところ、重量平均分子量はポリスチレン
換算で26,000であった。
【0031】この共重合体粉末400gを、N−メチル
ピロリドン600gに溶解し、接着剤ワニス(濃度40
重量%)を作製した。作製した接着剤ワニスを離型処理
を施したポリエチレンテレフタレートフィルム上にコン
マコーターを用いて塗布し、熱風循環型乾燥機中で90
℃で10分間乾燥した後、200℃で10分間乾燥し
て、膜厚が15μmの単層の熱可塑性接着フィルムを作
製した。作製した単層の接着剤フィルムは、180℃で
の貯蔵弾性率が5MPa、損失弾性率のピーク温度が5
℃であった。作製した単層の接着フィルムの接着剤層
を、表面処理を施したポリイミドフィルムの両面に重ね
合わせ、圧着張り合わせ装置を用いて140℃に加熱し
た加熱ロール間をロール速度0.1m/分で通過させて
圧着し、半導体用接着フィルムを作製した。
【0032】比較例1 実施例1で作製した接着剤ワニスを、ポリイミドフィル
ム上にコンマコーターを用いて塗布し、熱風循環型乾燥
機中で90℃で10分間乾燥した後、140℃で10分
間乾燥して、膜厚が15μmの単層の熱可塑性接着剤層
を作製した。ポリイミドフィルムの接着剤層を形成した
面と反対側の面にコンマコーターを用いて実施例1で作
製した接着剤ワニスを塗布し、熱風循環型乾燥機中で9
0℃で10分間乾燥した後、200℃で10分間乾燥し
て、膜厚が15μmの3層の接着フィルムを作製した
が、最初に形成した接着剤層が乾燥機内でロールに付着
したために、接着剤層の表面が荒れ、半導体用に使用で
きる接着フィルムが得られなかった。
【0033】比較例2 ポリアミドイミド樹脂で構成される、180℃での貯蔵
弾性率が20MPa、損失弾性率のピーク温度が165
℃である接着剤をN−メチルピロリドンに溶解し、接着
剤ワニス(濃度25重量%)を作製した。作製した接着
剤ワニスを、離型処理を施したポリエチレンテレフタレ
ートフィルム上にコンマコーターを用いて塗布し、熱風
循環型乾燥機中で90℃で10分間乾燥した後、200
℃で10分間乾燥して、膜厚が15μmの単層の熱可塑
性接着フィルムを作製した。作製した単層の接着フィル
ムの接着剤層を表面処理を施したポリイミドフィルムの
両面に重ね合わせ、圧着張り合わせ装置を用いて180
℃に加熱した加熱ロール間をロール速度0.1m/分で
通過させて圧着を試みたが、3層の接着フィルムを得る
ことができなかった。表1に用いた熱可塑性接着剤の特
性、圧着条件、結果をまとめた。
【0034】
【表1】
【0035】実施例1〜3では本発明で規定した特性を
有する熱可塑性接着剤を用いて、本発明で規定した製造
方法により3層の半導体用接着フィルムが得られた。比
較例1において、本発明で規定した特性を有する熱可塑
性接着剤を用いたが、本発明で規定した製造方法ではな
かったので、3層の半導体用接着フィルムを得ることが
できなかった。比較例2において、本発明で規定した特
性を有しない熱可塑性接着剤を用いたため、本発明で規
定した製造方法により3層の半導体用接着フィルムを得
ることができなかった。半導体用接着フィルムとしての
実用特性
【0036】実施例1〜3で作製した接着フィルムを幅
10mm、長さ80mmの大きさに切り取り、リードフ
レーム材である銅合金に、180℃、0.15MPa、
1秒間の条件で圧着し、JIS C6481に準じて9
0度ピール強度(測定温度:25℃、引っ張り速度50
mm/分)を測定したところ、すべて500N/m以上
であった。また、実施例1〜3で作製した接着フィルム
を120℃の温度でリードフレームに0.15MPaの
圧力で1秒間加圧して圧着した。その上に半導体素子を
乗せ、180℃の温度で0.15MPaの圧力で1秒間
加圧して圧着した。リードフレームと半導体素子を金線
で接合し、エポキシ樹脂成型材料(日立化成工業(株)
製商品名CEL−9200)で封止し、半導体装置を作
製した。これを、85℃、85%RHで72時間吸湿さ
せた後、240〜245℃にセットされた赤外線リフロ
ー装置((株)タムラ製作所製 TRS35−20N
S)で3回処理したが、パッケージクラックは生じなか
った。
【0037】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の製造方法
により、損失弾性率のピーク温度(Tg)が低く、支持
フィルムの両面に熱可塑性接着剤のワニスを塗布、乾燥
することによる方法で作製困難な3層の半導体用接着フ
ィルムを作製でき、このフィルムを用いて半導体装置が
製造される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における、単層の熱可塑性接着剤層を有
する接着フィルムの略図である。
【図2】本発明における半導体用接着フィルムの製造方
法の略図である。
【符号の説明】
1 熱可塑性接着剤層 2 基材 3 耐熱性フィルム 4 3層の接着フィルム
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4J004 AA06 AA11 AA14 AA15 AA16 AB03 CA03 CA06 CC02 DB02 FA05 GA01 5F047 AA02 AA11 AA17 BA37 BB03 BB16

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (1)180℃での貯蔵弾性率が0.1
    〜10MPaで損失弾性率のピーク温度が−80〜50
    ℃である熱可塑性接着剤の層を基材に形成して単層の接
    着フィルムを作製する工程及び(2)耐熱性フィルムの
    両面に前記接着フィルムの接着剤層面を重ね合わせて、
    熱可塑性接着剤の損失弾性率のピーク温度より50〜2
    00℃高い温度で圧着する工程からなることを特徴とす
    る半導体用接着フィルムの製造方法。
  2. 【請求項2】 圧着温度が180℃以下である請求項1
    に記載の半導体用接着フィルムの製造方法。
  3. 【請求項3】 熱可塑性接着剤が、テトラカルボン酸二
    無水物とジアミン又はジイソシアナートとポリエステル
    とを反応させて得られる共重合体を含む請求項1に記載
    の半導体用接着フィルムの製造方法。
  4. 【請求項4】 熱可塑性接着剤が、テトラカルボン酸二
    無水物とジアミン又はジイソシアナートとポリエーテル
    とを反応させて得られる共重合体を含む請求項1に記載
    の半導体用接着フィルムの製造方法。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれかに記載の製造方
    法によって得られた半導体用接着フィルムを用いた半導
    体装置。
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