JP2000238444A - 感熱転写材用積層フィルム - Google Patents

感熱転写材用積層フィルム

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JP2000238444A
JP2000238444A JP11045972A JP4597299A JP2000238444A JP 2000238444 A JP2000238444 A JP 2000238444A JP 11045972 A JP11045972 A JP 11045972A JP 4597299 A JP4597299 A JP 4597299A JP 2000238444 A JP2000238444 A JP 2000238444A
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film
resistant resin
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Takashi Mimura
尚 三村
Hagumu Takada
育 高田
Satoshi Kojima
聡史 小島
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Toray Industries Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】高印加エネルギー領域においてもスティックが
発生せず、サーマルヘッドの汚染や摩耗のない感熱転写
材用として好適な積層フィルムを提供すること。 【解決手段】二軸配向ポリエステルフィルムの少なくと
も片面に耐熱樹脂を主成分とする層が実質的に接着層を
介さずして積層され、かつ該層表層は筋状突起が形成さ
れていることを特徴とするものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、感熱転写材用積層
フィルムに関し、二軸配向ポリエステルフィルムの表面
に耐熱樹脂よりなる筋状突起層が設けられた積層フィル
ムであって、耐ホットスティック性に優れた感熱転写材
用基材として好適な積層フィルムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】熱によって溶融または昇華するインキ層
を設けた感熱転写材はワープロ、バーコード、ファクシ
ミリなどの用途に広く使用されている。また近年はより
高精細で銀塩写真に近い画像の形成も可能になってい
る。これらの用途に使用される感熱転写材は基材として
ポリエステルフィルムが一般的に使用され、一方の面に
インキ層、他方の面、すなわちサーマルヘッドと接触す
る面にはホットスティック性を防止するために耐熱保護
層が設けられている。この耐熱保護層の組成物としては
シリコーン系、フッ素系、ワックス系組成物、各種の熱
硬化性組成物などが提案されている。またポリイミド、
アラミドなどの耐熱樹脂を積層した構成も提案されてい
る(特開昭60−192689、特開昭60−2019
89号公報)。またプリンターの小型化や高容量印字の
ために基材フィルムは薄膜化の方向であり、リボン走行
時の伸びやハンドリング性の点からより高剛性のフィル
ム基材が望まれており、ポリエチレンナフタレートやポ
リフェニレンスルフィド、アラミドなどのフィルムが提
案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、近年、プリン
ターの機能はフルカラー高精細化や高速印字などを指向
しているため、それに応じて印字エネルギーも高くなっ
ており、従来のシリコーン系などの耐熱保護層では耐ホ
ットスティック性に限界が出てきている。
【0004】また、熱硬化型の耐熱保護層は硬化のため
に高温を必要としたり、長時間の熱処理を必要とするた
めに生産性や基材ポリエステルフィルムの寸法安定性な
どに問題がある。また、ポリイミドやアラミドなどをポ
リエステルフィルムに塗布したものは表面耐熱性には優
れるものの基材ポリエステルフィルムとの接着性が不十
分であるためにサーマルヘッドとの摩擦により剥離して
サーマルヘッドを汚染したり、易滑性が不足するため走
行性の点で問題があり、これをカバーするために無機粒
子などを添加しているが、無機粒子によるサーマルヘッ
ドの摩耗、脱落した無機粒子による印字性不良などの問
題がある。更に基材フィルム薄膜化に伴う、高剛性フィ
ルムの使用は好ましい方向ではあるものの、これまでに
提案されているものは基材が高価になり、1パスで使い
捨ての本用途においては適用が困難であった。本発明
は、これらの欠点がなく、高印字エネルギー領域におい
ても耐ホットスティック性に優れ、印字性が良好で、か
つサーマルヘッドの摩耗が少なく、更には基材の薄膜化
にも対応し得る感熱転写材用積層フィルムを提供するも
のある。
【0005】
【課題を解決するための手段】かかる目的を達成する本
発明の感熱転写材用積層フィルムは、二軸配向ポリエス
テルフィルムの少なくとも片面に耐熱樹脂を主成分とす
る層が実質的に接着層を介さずして積層され、かつ該層
表層は筋状突起が形成されていることを特徴とする感熱
転写材用積層フィルムを特徴とするものである。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明の感熱転写材用積層フィル
ムにおける二軸配向ポリエステルフィルムのポリエステ
ルとは、特に限定しないが、ポリエチレンテレフタレー
ト、ポリエチレンナフタレート、ポリプロピレンテレフ
タレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリプロピレ
ンナフタレートなどであって、これらの2種以上が混合
されたものであってもよい。またこれらと他のジカルボ
ン酸成分やジオール成分が共重合されたものであっても
よいが、この場合は結晶配向が完了したフィルムにおい
て、その結晶化度が25%以上、好ましくは30%以
上、更に好ましくは35%以上のものが好ましい。
【0007】また、内層と表層の2層以上の複合体フィ
ルムであってもよい。例えば内層部に実質的に粒子を含
有せず、表層部に粒子を含有させた層を設けた複合体フ
ィルム、内層部に粗大粒子を有し、表層部に微細粒子を
含有させた積層体フィルム、内層部が微細な気泡を含有
した層であって表層部は実質的に気泡を含有しない複合
体フィルムなどが挙げられる。また上記複合体フィルム
は内層部と表層部が異種のポリマーであっても同種のポ
リマーであってもよい。結晶化度が25%未満の場合に
は、寸法安定性や機械的強度が不充分となりやすい。上
述したポリエステルを使用する場合にはその極限粘度
(25℃のo−クロロフェノール中で測定)は0.4〜
1.2dl/gが好ましく、0.5〜0.8dl/gで
あるのがより好ましい。本発明におけるポリエステルフ
ィルムは、耐熱樹脂層が設けられた状態では二軸配向さ
れたものである。二軸配向しているとは未延伸すなわち
結晶配向が完了する前のポリエステルフィルムを長手方
向および幅方向にそれぞれ2.5〜5.0倍程度延伸
し、その後熱処理により結晶配向を完了させたものであ
り、広角X線回折で二軸配向のパターンを示すものをい
う。ポリエステルフィルムが二軸配向していない場合に
は、積層フィルムの寸法安定性、特に高温、高湿下での
寸法安定性や機械的強度が不十分であったり、平面性の
悪いものとなるので好ましくない。
【0008】本発明においては、上記二軸配向ポリエス
テルフィルム基材の少なくとも片面に耐熱樹脂を主成分
とする層が積層されるが、ここで積層される耐熱樹脂
は、その耐熱性からガラス転移点が170℃以上および
/または300℃以下に融点又は分解点を持たないもの
が好ましい。上記の要件から選定される耐熱樹脂として
はその要件を満足する樹脂であればよく、特に限定され
ないが、その一例を挙げれば芳香族ポリアミド系樹脂、
芳香族ポリイミド系樹脂およびその前駆体、ポリアミド
イミド系樹脂、ポリエーテルスルホン系樹脂、、ポリエ
ーテルイミド系樹脂、ポリベンズイミダゾールおよびそ
の前駆体、ポリベンズオキサゾールおよびその前駆体、
ポリベンズチアゾールおよびその前駆体、ポリスルホン
系樹脂などを挙げることができる。これらの中でも延伸
によって高いヤング率を発現し、かつ双極性非プロトン
溶媒に溶解可能なものが特に好ましく芳香族ポリアミド
樹脂が特に好適である。双極性非プロトン溶媒の一例と
しては、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルホルム
アミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホオキシ
ドなどを挙げることができる。本発明においては、耐熱
樹脂がこれら双極性非プロトン溶媒に溶解することがポ
リエステルフィルムと耐熱樹脂層との接着において極め
て重要な意味をもち、これ以外の溶媒では目的とする界
面接着性を得ることが困難である。
【0009】すなわち、耐熱樹脂を溶解し、かつ結晶配
向完了前のポリエステルフィルムを白化あるいは膨潤さ
せる溶媒が特に好ましく、上記の中でもN−メチル−2
−ピロリドンが特に好ましい。本発明において好適な芳
香族ポリアミドとは、次の一般式化1および/または一
般式化2で表される繰り返し単位を、単独あるいは共重
合の形で50モル%以上、好ましくは70モル%以上含
むものであるのが望ましい。
【0010】
【化1】
【0011】
【化2】
【0012】ここで、Ar1 、Ar2 、Ar3 は、例え
ば、一般式化3に示すようなものが用いられ、X、Y
は、−O−、−CH2 −、−CO−、−SO2 −、−S
−、−C(CH3 2 −などから選ばれるが、これらに
限定されるものではない。
【0013】更に、これらの芳香環上の水素原子の一部
が塩素、フッ素、臭素などのハロゲン基(特に塩素が好
ましい)、ニトロ基、メチル基、エチル基、プロピル基
などのアルキル基(特にメチル基が好ましい)、メトキ
シ基、エトキシ基、プロポキシ基などのアルコキシ基な
どの置換基で置換されているものも含み、また重合体を
構成するアミド結合中の水素が他の置換基によって置換
されているものも含むものである。
【0014】
【化3】
【0015】特に、上記一般式化2の芳香環がパラ位で
結合されたものが、全芳香環の50モル%以上、より好
ましくは70モル%以上を占める重合体が耐熱性、寸法
安定性の点で好ましい。また芳香環上の水素原子の一部
が塩素、フッ素、臭素などのハロゲン基(特に塩素が好
ましい)、ニトロ基、メチル基、エチル基、プロピル基
などのアルキル基(特にメチル基が好ましい)、メトキ
シ基、エトキシ基、プロポキシ基などのアルコキシ基な
どの置換基で置換された芳香環が全体の30モル%以
上、好ましくは50%モル以上であると、耐湿性、吸湿
での寸法安定性などが改善されるので好ましい。本発明
においては、一般式化1および/または一般式化2で表
される繰り返し単位が50モル%以上、好ましくは70
モル%以上であるのが望ましく、これ未満の他の化合物
の共重合や他のポリマーが混合されてもよい。
【0016】本発明の積層膜における主成分とは、上記
耐熱樹脂が積層膜中に70%以上、好ましくは80%以
上、更に好ましくは90%以上含まれることを意味する
ものであり、特に好ましくは100%である。
【0017】本発明のポリエステルフィルムおよび積層
膜には、本発明の効果が損なわれない範囲内で、各種の
添加剤や樹脂組成物、架橋剤などを含有してもよい。例
えば、酸化防止剤、耐熱安定剤、紫外線吸収剤、有機、
無機の粒子、顔料、染料、帯電防止剤、核剤、アクリル
樹脂、ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂、ポリオレフィ
ン樹脂、ポリカーボネート樹脂、アルキッド樹脂、エポ
キシ樹脂、尿素樹脂、フェノール樹脂、シリコーン樹
脂、ゴム系樹脂、ワックス組成物、メラミン系架橋剤、
オキサゾリン系架橋剤、メチロール化、アルキロール化
された尿素系架橋剤、アクリルアミド、ポリアミド、エ
ポキシ樹脂、イソシアネート化合物、アジリジン化合
物、各種シランカップリング剤、各種チタネート系カッ
プリング剤などを挙げることができる。
【0018】これらの中でもポリエステルフィルム中に
無機の粒子、例えば、シリカ、コロイダルシリカ、アル
ミナ、アルミナゾル、カオリン、タルク、マイカ、炭酸
カルシウム、硫酸バリウム、カーボンブラック、ゼオラ
イト、酸化チタン、金属微粉末などを添加した場合には
易滑性が向上するので特に好ましい。無機粒子の平均粒
子径は0.005〜1μm、好ましくは0.05〜0.
5μm程度が好ましい。 また、その添加量は、0.0
5〜20重量部、好ましくは0.1〜10重量部である
のが望ましい。積層膜中には無機粒子を含有させない方
が好ましいが、感熱転写材として使用したときにサーマ
ルヘッドを摩耗させたり傷つけたりしない程度の粒子サ
イズ、添加量であれば特に限定はされない。
【0019】本発明のポリエステルフィルム基材の少な
くとも片面に上記耐熱樹脂層が実質的に接着層を介さず
して積層されるが、ここで、実質的に接着層を介さない
とは、基材上に耐熱樹脂層が積層された状態において基
材と積層膜界面に基材および積層膜形成物質以外の物質
による層が形成されていないことを意味するものであ
る。ただし、その界面において基材と耐熱樹脂層との混
在層が形成された場合には、より接着性が向上するので
特に好ましく、その層は接着層の定義から外れるもので
ある。
【0020】このようにして得られる積層フィルムの積
層膜と基材との接着性は、T字剥離において「100g
/25mm幅」以上、好ましくは「200g/25mm
幅」以上となるように積層されるのが好ましい。「10
0g/25mm幅」未満では、耐熱樹脂層の脱落による
サーマルヘッド汚染の問題が生じやすくなる場合があ
る。
【0021】本発明においては、耐熱樹脂層の表面は筋
状突起が形成されていることが必要である。この筋状突
起は耐熱樹脂層組成物によって形成されるもので、突起
と突起の間は基材ポリエステルフィルムが露出した状態
であってもよいし、連続的に形成された耐熱樹脂層の表
面のみに形成されたものであってもよい。また突起は独
立した細長い突起であってもよいし、網目状に形成され
たものであってもよい。突起の密度は、特に限定されな
いが500〜10万個/mm2 程度が好ましい。ここで
の突起の数は、独立突起の場合には、単位面積あたりの
突起数であり、網目状に形成された突起の場合には、突
起の分岐点までを1個の突起として測定したものであ
る。
【0022】筋状突起は、長さ方向/幅方向の比が2/
1以上のものをいう。このような耐熱樹脂による筋状突
起が形成されることにより、感熱転写材として使用した
時に極めて耐ホットスティック性に優れたものとするこ
とができるのである。更に突起が無機粒子などによるも
のでないためにサーマルヘッドの摩耗が極めて少ないと
いう利点を生むのである。
【0023】このような状態の積層フィルムを得る好ま
しい製造方法について以下に例示するが、必ずしもこれ
に限定されるものではない。
【0024】すなわち、未延伸または一軸方向に延伸さ
れ結晶配向が完了する前のポリエステルフィルムの少な
くとも片面に溶媒に溶解した耐熱樹脂溶液を塗布する。
塗布の方法は、特に限定されるものではなく、溶液に溶
解した耐熱樹脂溶液の粘度によって適宜に選択すればよ
く、好ましい塗布方法を挙げれば、ダイコート、グラビ
アコート、リバースコート、リバースグラビアコート、
ロールコート、バーコートなどから選択することができ
る。その後、80〜150℃の雰囲気中に導入し、溶媒
を乾燥蒸発させ、耐熱樹脂固形分濃度が25重量%以
上、好ましくは40重量%以上、更に好ましくは60重
量%以上とした状態で基材ポリエステルフィルムと共に
長手方向及び/または幅方向に延伸する。この延伸時点
において耐熱樹脂の固形分濃度が25重量%未満の場合
には目的とする筋状突起を形成できない場合がある。そ
の後残溶媒を蒸発揮散させ熱固定を行い、基材フィルム
の結晶配向を完了させる。
【0025】このような方法によって作製する積層フィ
ルムの厚み構成は、特に限定されないが、本用途に使用
する場合には、基材の二軸配向ポリエステルフィルムの
厚みは1.5〜10μm、好ましくは2.0〜7μmで
あり、積層膜の厚みは0.001〜2μm程度、好まし
くは0.01〜1μm程度が望ましい。本発明の積層フ
ィルムにおいて高弾性率を示すパラ系アラミドを用いて
上記の方法によって製造した場合にはポリエステルフィ
ルム単独に比べより高いヤング率の積層フィルムとする
ことができるのでより好ましい。また上記によって作製
された積層フィルムを熱固定前の状態で更に長手方向、
幅方向に延伸することでより積層フィルムの強度やヤン
グ率を向上させることができるのでより好ましい。更に
長手方向、幅方向に延伸する場合は、150〜265℃
で各々1.05〜2倍程度延伸するのが好ましい。この
ような方法によって得られた積層フィルムの少なくとも
一方向のヤング率は7GPa以上である場合、感熱転写
材とした時の長手方向の寸法安定性や幅方向での耐座屈
性が向上し、フィルムの薄膜化にも対応できるので特に
好ましい。
【0026】このようにして得られた積層フィルムは、
界面接着性に優れたものであり、かつ界面に接着層を介
さないため、積層膜の剥離がなく、更に積層膜表層に耐
熱樹脂より成る筋状の突起を形成させることで感熱転写
材として用いた時に極めて耐ホットスティック性に優
れ、サーマルヘッドの摩耗や汚染のないものとすること
ができる。また特定の耐熱樹脂組成物とすることによ
り、薄膜化に対応し得る高ヤング率の積層フィルムとす
ることができる。本積層フィルムは、熱によって熱溶融
型感熱転写材や昇華型感熱転写材として広範囲の印字エ
ネルギ−領域に対応できる感熱転写材として好適し使用
することができるものである。
【0027】
【特性の測定方法および効果の評価方法】本発明におけ
る特性の測定方法および効果の評価方法は次のとおりで
ある。 (1)積層膜の厚み 積層フィルムから断面を切り出し、その断面を透過型電
子顕微鏡で観察し、積層膜の厚みを測定した。なお、混
在相がある場合は混在相を含めた厚みを積層厚みとし
た。また突起部分を含めた厚みは切り出した断面の観察
範囲の平均値とした。 (2)突起の形成状態 積層フィルムの表面を微分干渉顕微鏡にて500倍で観
察し、突起の形状および密度を測定した。 (3)界面接着力 積層フィルムの積層膜側にポリウレタン(タケラックA
−385/タケネートA−50(重量比6/1で混
合))の酢酸エチル溶液を乾燥後の厚みで3μm塗布
し、110℃で1分間乾燥した後、コロナ放電処理を施
した50μmの二軸延伸ポリプロピレンフィルムを張り
合わせ、90℃で熱ラミネートした。その後、45℃で
70時間熱処理を行い、25mm幅の短冊状にサンプリ
ングし、テンシロン型引っ張り試験機にて100mm/
分の速度でT字剥離を行い、界面接着力を求めた。 (4)ヤング率 JIS−Z1702に規定された方法に従ってテンシロ
ン型引っ張り試験機を用い25℃65%RHにて測定し
た。長手方向と幅方向を測定しその平均値で表示した。 (5)耐ホットスティック性(感熱転写材としての評
価) 耐熱樹脂層を積層したポリエステルフィルムの積層面と
は反対面(両面積層の場合はいずれの面でも良い)に下
記の熱溶融型インキをホットメルト法により、3〜4μ
m厚に塗布し感熱転写材を作製した。 「熱溶融型インキ組成」 ・カルナウバワックス 100重量部 ・マイクロクリスタリンワックス 30重量部 ・酢酸ビニル・エチレン共重合体 15重量部 ・カーボンブラック 20重量部 評価はオートニクス社製熱転写プリンターBC−8MK
IIを用い、ヘッド抵抗500Ωのサーマルヘッドで印加
電圧を変えてパルス幅0.7msecで印字走行させた
ときにスティックが起こらない限界印加電圧レベルで評
価した。印加電圧が高いほど、高印加エネルギーに耐え
ることを示す。スティック現象は感熱転写材の走行性と
印字の際のスティック音および印字の精度で評価した。 (6)サーマルヘッド汚染性および摩耗性 上記(5)において印加電圧8V、パルス幅0.5ms
ecの条件で3000mの走行テストを行った後、サー
マルヘッドを取り外し100倍の光学顕微鏡で観察し
た。
【0028】
【実施例】次に、実施例に基づいて本発明を説明する
が、必ずしもこれに限定されるものではない。 <積層膜形成塗布液>実質的にガラス転移点および融点
を有しないパラ系芳香族ポリアミド二軸延伸フィルム
(商品名:ミクトロン(東レ(株)製)をN−メチル−
2−ピロリドンに固形分濃度5重量%となるように60
℃で溶解した後、常温まで冷却し、粘度55ポイズの塗
布液を作製した。また積層膜の厚みに応じてこの塗布液
をN−メチル−2−ピロリドンで適宜希釈して用いた。 実施例1 平均粒径0.5μmのシリカ粒子を0.4重量%含有す
るポリエチレンテレフタレート(以下、「PET」とい
う、極限粘度は0.63dl/g)チップを180℃で
充分に真空乾燥した後、押し出し機に供給し、285℃
で溶融後、T字型口金よりシート状に押し出し、静電印
加キャスト法を用いて表面温度20℃の鏡面キャストド
ラムに巻き付けて冷却固化した。この未延伸シートを9
5℃に加熱したロール群で長手方向に3.5倍延伸し、
1軸延伸フィルムを得た。このフィルムの片面に積層膜
形成塗布液(2重量%液)をダイコート方式で最終積層
厚みで0.05μmになるように塗布した。塗布された
フィルムの両端をクリップで把持しつつ125℃の予熱
ゾーンに導き10秒間予熱および乾燥を行い、引き続き
110℃の加熱ゾーンで幅方向に3.5倍延伸した。更
に連続的に230℃の熱処理ソーンで5秒間の熱処理を
施し、基材フィルムの結晶配向を完了させた。この積層
フィルムは厚みが5.5μm、積層厚みが0.05μm
で積層膜表面に微細な筋状突起が形成されていた。この
積層フィルムを感熱転写材として評価した結果、高電圧
領域においてもスティックが発生せず、印字性も良好で
サーマルヘッドの汚染や摩耗もないものであった。 比較例1 厚み5.5μmの二軸配向PETフィルム(“ルミラ
ー”(東レ(株)登録商標)F53の片面に実施例1と
同様の積層膜形成塗布液を、最終積層厚みが0.05μ
mとなるように塗布した後、150℃で20分間乾燥し
積層フィルムを得た。
【0029】この積層フィルムの積層膜表面には、筋状
突起が観察されず、感熱転写材として評価した結果、走
行性が極めて悪く、積層膜が削り取られていた。 実施例2、3 実施例1においてPETフィルムの厚みを2.5μm、
積層膜の厚みを0.2μm(実施例2)、0.5μm
(実施例3)とし、横延伸後で熱固定前の段階で135
℃で長手方向に1.3倍、幅方向に1.5倍の再延伸を
施した後、熱固定を行い積層フィルムを作製した。この
積層フィルムは積層膜表面に筋状突起が確認され、かつ
ヤング率の高いフィルムであった。この積層フィルムを
用い感熱転写材として評価した結果、耐ホットスティッ
ク性、印字性に優れ、サーマルヘッドの汚染や傷の発生
がなかった。 比較例2 実施例1の積層膜形成塗布液としてポリエーテル変性シ
リコーンの水溶液を用いた以外は実施例1と同様にして
積層フィルムを作製した。この積層フィルムを感熱転写
材として評価した結果、印加電圧が8Vを越えるとステ
ィックが発生した。またサーマルヘッドの汚染が大きい
ものであった。更にインキ層を塗布する際にハジキが生
じた。
【0030】以上の結果をまとめて表1に示した。
【0031】
【表1】
【0032】
【発明の効果】本発明の感熱転写材用積層フィルムによ
れば、高印加エネルギー領域においてもスティックが発
生せず、サーマルヘッドの汚染や摩耗が少ないという、
感熱転写材として極めて良好な特性を有する積層フィル
ムが提供される。
フロントページの続き Fターム(参考) 2C068 AA06 BB08 BB22 2H111 AA15 BB02 BB05 BB06 BB08 4F100 AA20 AA20H AK01B AK41A AK42 AK47 AK47B AK49B BA02 CA19 DD04B EH17 EH46 EJ38 EJ38A GB90 JJ03B JK08 JK09 JL06 YY00

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】二軸配向ポリエステルフィルムの少なくと
    も片面に耐熱樹脂を主成分とする層が実質的に接着層を
    介さずして積層され、かつ該層表層は筋状突起が形成さ
    れていることを特徴とする感熱転写材用積層フィルム。
  2. 【請求項2】耐熱樹脂が芳香族ポリアミドおよび/また
    は芳香族ポリイミドであることを特徴とする請求項1の
    感熱転写材用積層フィルム。
  3. 【請求項3】耐熱樹脂がパラ系芳香族ポリアミドである
    ことを特徴とする請求項1または2のいずれかに記載の
    感熱転写材用積層フィルム。
  4. 【請求項4】二軸配向ポリエステルフィルムと積層耐熱
    樹脂層との界面に双方の樹脂の混在相が形成されている
    ことを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の感
    熱転写材用積層フィルム。
  5. 【請求項5】積層フィルムの少なくとも一方向のヤング
    率が7GPa以上であることを特徴とする請求項1から
    4のいずれかに記載の感熱転写材用積層フィルム。
JP11045972A 1999-02-24 1999-02-24 感熱転写材用積層フィルム Pending JP2000238444A (ja)

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