JP2000236823A - ゼリー食品及びその製造方法 - Google Patents

ゼリー食品及びその製造方法

Info

Publication number
JP2000236823A
JP2000236823A JP11039054A JP3905499A JP2000236823A JP 2000236823 A JP2000236823 A JP 2000236823A JP 11039054 A JP11039054 A JP 11039054A JP 3905499 A JP3905499 A JP 3905499A JP 2000236823 A JP2000236823 A JP 2000236823A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
gum
locust bean
jelly
jelly food
xanthan gum
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP11039054A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3433201B2 (ja
Inventor
Yoshikazu Aoki
美和 青木
Toshiaki Shiotani
敏明 塩谷
Atsushi Sasaki
淳 佐々木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Snow Brand Milk Products Co Ltd
Original Assignee
Snow Brand Milk Products Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Snow Brand Milk Products Co Ltd filed Critical Snow Brand Milk Products Co Ltd
Priority to JP03905499A priority Critical patent/JP3433201B2/ja
Publication of JP2000236823A publication Critical patent/JP2000236823A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3433201B2 publication Critical patent/JP3433201B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Jellies, Jams, And Syrups (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 蒟蒻ゼリーのような粘弾性を有しながら、口
中の応力で容易に細分化することができる新規なゼリー
食品とその製造方法の提供。 【解決手段】 キサンタンガム0.1 〜1.0 重量%、ロー
カストビーンガム0.1 〜1.0 重量%及びジェランガム
0.05 〜0.3 重量%を含有し、キサンタンガム対ローカ
ストビーンガムの含有比率が2対8〜8対2の範囲から
なり、かつジェランガムの含有量がキサンタンガムとロ
ーカストビーンガムの合計含有量より少ないことを特徴
とするゼリー食品。これらのゲル化剤を所定量混合して
加水し、混合液を加熱してゾル状物とし、塩を添加して
冷却によりゲル化させ、さらに凍結した後解凍して製造
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、キサンタンガム、
ローカストビーンガム及びジェランガムを含有してなる
ゼリー食品とその製造方法に関する。本発明のゼリー食
品は、粘弾性があり、かつ口中の応力で細分化する組織
及び食感を有するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から各種のゼリー食品が市販されて
いるが、これらのゼリー食品には、通常、ゼラチン、カ
ラギーナン、寒天、ジェランガム、キサンタンガム、ロ
ーカストビーンガム、蒟蒻マンナン等のゲル化剤が使用
されている。これらのゲル化剤の中にあっても、ゼラチ
ン、キサンタンガム、ローカストビーンガム或いは蒟蒻
マンナンを使用した場合には、いずれも粘弾性のあるゼ
リー食品が調製できることが知られている。一方、カラ
ギーナン、寒天或いはジェランガムを用いた場合には、
いずれも硬くて脆いゼリー食品が調製されることが知ら
れている。最近のゼリー食品の市場動向は、蒟蒻マンナ
ンを用いたゼリー食品の占有率が高くなってきている。
これは、蒟蒻ゼリーに代表されるような粘り強いゼリー
食品、すなわち粘弾性のある食感を有するゼリー食品が
好まれる傾向になってきているためといえる。
【0003】ゼリー食品は、ゲル化剤を分散ないし溶解
させた液を加熱後冷却してゲルを形成させることによっ
て調製されるのが一般的であるが、冷却によりゲル化さ
せた後さらに凍結し解凍することによってゼリー食品を
得る、いわゆる凍結解凍法によって果肉状やさのう状等
の組織を有するゼリー食品を調製できることも知られて
いる。凍結解凍法によってゼリー食品を調製する方法
は、例えば、特開平10-99031号公報や、特開平10-66523
号公報等に開示されている。これらの公報に開示されて
いる方法は、主なゲル化剤としてジェランガムを用いて
凍結解凍法によって果肉様に組織化するもので、この方
法によって得られるゼリー食品は、口中の応力、すなわ
ち食物を口に入れた時の通常のそしゃく力によって容易
に細分化されたり、さのう様食感、あるいはパイン様食
感を有するものであることが説明されている。
【0004】
【本発明が解決しようとする課題】上記したように、蒟
蒻マンナンを使用した蒟蒻ゼリー食品は、粘弾性のある
食感を有することを特徴としているが、口中で溶けにく
く、歯切れが悪い等の問題がある上、これらのことが原
因で喉に詰ることがある等の問題も含んでいる。一方、
特開平10-99031号公報や、特開平10-66523号公報等に開
示されているジェランガムを主なゲル化剤として凍結解
凍法により調製されたゼリー食品は、口中の応力で容易
に細分化される組織となるが、ジェランガム特有の硬く
て脆い食感を示し、滑らかな組織にならないといった問
題がある。このようなことから、本発明は、従来のゼリ
ー食品における上記の問題を改善し、新規なゼリー食品
を提供することを目的として研究開発されたものであ
る。すなわち、本発明は、蒟蒻ゼリーのような粘弾性を
有しながら、口中の応力で容易に細分化されるゼリー食
品とその製造方法を提供することを課題とするものであ
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに、本発明は、以下のようなゼリー食品とその製造方
法を提供するものである。すなわち、本発明は、キサン
タンガム0.1 〜1.0 重量%、ローカストビーンガム0.1
〜1.0 重量%及びジェランガム0.05〜0.3 重量%を含有
するゼリー食品であって、キサンタンガム対ローカスト
ビーンガムの含有比率が2対8〜8対2の範囲からな
り、かつジェランガムの含有量がキサンタンガムとロー
カストビーンガムの合計含有量より少ないことを特徴と
するゼリー食品である。また、本発明は、キサンタンガ
ム0.1 〜1.0 重量%、ローカストビーンガム0.1 〜1.0
重量%及びジェランガム0.05〜0.3 重量%を配合するゼ
リー食品の製造方法であって、キサンタンガム対ローカ
ストビーンガムの配合比率を2対8〜8対2の範囲と
し、かつジェランガムの配合量をキサンタンガムとロー
カストビーンガムの合計配合量より少ない量とし、これ
らのガムを混合して加水し、この混合液を加熱してゾル
状物を形成させ、次いでこのゾル状物に塩を添加して冷
却によりゲル化させ、さらに凍結した後解凍することを
特徴とするゼリー食品の製造方法である。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。本発明のゼリー食品は、これを調製するにあたっ
て、ゲル化剤としてキサンタンガム、ローカストビーン
ガム及びジェランガムの3種類を併用する。各ゲル化剤
の配合量は、最終製品重量において、キサンタンガム
0.1〜1.0 重量%、ローカストビーンガム 0.1〜1.0 重
量%、ジェランガム0.05〜0.3 重量%となるように混合
するが、このゲル化剤の配合に際して、キサンタンガム
とローカストビーンガムの配合比率を2対8〜8対2の
範囲とし、かつジェランガムの配合量をキサンタンガム
とローカストビーンガムの合計配合量より少ない量とす
る。
【0007】キサンタンガムとローカストビーンガム
は、それぞれ単独ではほとんどゲル化せず、他のガムと
の混合物ではゲル化するが凍結変性を受けないことが知
られている。しかし、本発明では、上記したようにキサ
ンタンガムとローカストビーンガムとともにジェランガ
ムを加えて、これらの3種類のゲル化剤を特定の範囲で
配合することによって、蒟蒻ゼリーのような粘弾性を有
するのに、口中の応力で容易に崩れて細分化されるゼリ
ー食品を作ることができるのである。この特徴は、主に
ジェランガムの特性に依存し、ジェランガムの配合量が
多くなるにつれて、口中で細分化されるゲルのサイズが
小さくなっていくという性質がより顕著になる。
【0008】キサンタンガムとローカストビーンガムの
配合比率は、上記したように2対8〜8対2の範囲であ
るが、好ましい配合比率は、4対6〜6対4であり、最
も好ましい配合比率は5対5である。配合比率を5対
5、すなわち両ガムを等量宛配合したとき、両ガムを同
時に配合した相乗効果が最も顕著になり、粘り強い粘弾
性のあるゲル化物となる。どちらかのガムの配合比率が
高まるにつれて相乗効果も低下し、得られるゼリー食品
のゲル強度と粘弾性は低下する。また、キサンタンガム
とローカストビーンガムのそれぞれの配合量が1.0重量
%を超えると、得られたゼリー食品が硬くなり過ぎて食
感が悪くなるといった問題がある。一方、キサンタンガ
ムとローカストビーンガムの配合量がそれぞれ 0.1重量
%未満では、ゲル化しなくなるか、弱いゲル化物にしか
ならないため、目的とする粘弾性のあるゼリー食品が得
られなくなる。
【0009】更に、ジェランガムの配合量がキサンタン
ガムとローカストビーンガムの合計配合量を超えて配合
されたり、0.3 重量%を超えると、本発明が目的とする
粘弾性を有しながら口中の応力で細分化する組織とはな
らず、ジェランガムの性質が強くなって、本出願人が先
に出願した特開平10-99031号 (発明の名称:「ゼリー状
食品及びその製造法」) に類似した柑橘系のさのう状食
感を示すゼリー食品となる。したがって、ジェランガム
の配合量は、キサンタンガムとローカストビーンガムの
合計配合量を超えて配合しないようにすることが重要で
ある。
【0010】本発明では、上記のようにしてキサンタン
ガムとローカストビーンガム及びジェランガムの3種類
のゲル化剤を混合した混合物に加水し、この混合液を80
℃以上に加熱することよってゲル化剤を溶解してゾル状
物を形成させる。次いで、このゾル状物に塩を0.05〜0.
5 重量%程度添加する。ゾル状物に添加する塩として
は、例えば、乳酸カルシウム、グルコン酸カルシウム、
塩化カルシウム、塩化ナトリウム等の塩類が挙げられ、
これらの中から1種以上を選択して添加すればよい。ま
た、このゾル状物には、必要に応じて果汁、糖類、酸味
料、着色料、フレーバー等の風味物質を加える。果汁と
しては、例えば、リンゴ、オレンジ、グレープフルー
ツ、メロン、桃、洋梨、ぶどう等の果汁を挙げることが
できる。また糖類としては、ブドウ糖、果糖、蔗糖、乳
糖、麦芽糖等が挙げられるが、これらの他にも、エリス
リトールやアスパルテームのような人工甘味料も使用す
ることができる。さらに酸味料としては、クエン酸、リ
ンゴ酸、酒石酸、酢酸、乳酸等を使用することができ
る。
【0011】ゾル状物に塩を添加した後は、これを5℃
前後に冷却してゲル化させ、さらに凍結する。凍結処理
は、- 10℃〜 -40℃の条件下に1〜10時間程度静置して
行うが、好ましくは- 20℃で4時間程度の凍結がよい。
尚、ゾル状物の冷却ゲル化と凍結とは、工程を区切る必
要はなく、同一の冷凍庫内で続けて行ってもさしつかえ
ない。凍結処理後は、解凍することにより組織化された
ゼリー食品が得られる。解凍の方法は任意であるが、自
然解凍が好ましい。このようにして得られたゼリー食品
は、粘弾性を有しながら、口中の応力で容易に細分化さ
れるものである。本発明においては、キサンタンガムと
ローカストビーンガム及びジェランガムのゲル化剤を特
定の配合量と配合比率で配合することによって、上記の
特徴あるゼリー食品を調製するものであるが、上記の特
定された配合量と配合比率の範囲において、その配合比
率を変化させることにより、例えば、ライチや巨峰のよ
うな種々の食感を有するゼリー食品とすることができ
る。
【0012】以下に、キサンタンガムとローカストビー
ンガム及びジェランガムのそれぞれの配合量と配合比率
を変化させて調製したゼリー食品の粘弾性、ゲル状態、
細分化状態を測定した試験例を示す。
【0013】
【試験例1】(ゲル強度の測定試験) (1) 試料の調製 ゲル化剤の配合は、下記の表1に示すようにキサンタン
ガムとローカストビーンガムの合計配合量を1重量%と
し、配合比率を0.1 重量%毎に変化させ、これらにそれ
ぞれジェランガム0.1 重量%を配合して11個のゲル化剤
混合物を調製した。また、対照として、キサンタンガム
及びローカストビーンガムを配合せずジェランガムのみ
を 0.1重量%配合したものも調製した。これらのゲル化
剤混合物又はゲル化剤を加水して溶解し80℃に加熱して
ゾル状物を形成させ、これに乳酸カルシウム0.2 重量%
を添加した後、直径70mm×高さ35mmの容器に110ml づつ
充填し、-20 ℃の冷凍庫に4時間静置して凍結した。凍
結したゲル化物を20℃下に5時間放置して解凍し、合計
12個のゲル化物試料を調製した。
【0014】
【表1】
【0015】(2) 粘弾性の測定 上記の方法で調製したゲル化物試料を、圧縮試験機(山
電社製、型式:Rheoner33005)を用いて、プランジャー
の直径16mm、圧縮速度5mm/sで試料の上面から押圧し、
ゲル化物の上面が破断した時点の押圧力、すなわちゲル
強度を測定した。次いで歪み率を測定した。歪み率は、
ゲル化物の上面が破断した時点の凹み距離を全体の高さ
で除したもので次の式によって表すことができる。 歪み率 (%) ={凹み距離(mm)/試料の高さ(mm)}×10
0 このゲル強度と歪み率を測定した結果をそれぞれ図1及
び図2に示す。
【0016】図1から明らかなように、キサンタンガム
対ローカストビーンガムの配合比率が2対8〜8対2の
範囲外になると、ジェランガムのみで調製したゲル化物
よりもゲル強度が低下しほとんどゲル化していない。し
かし、両者の配合比率を2対8〜8対2となる範囲で配
合した場合にはゲル強度が増し、等量宛配合のときに最
も高い値を示した。また、図2の歪み率においても両者
の配合比率が近づくにつれて徐々に高くなり、等量宛配
合のときに最も高い値を示した。これは、両ガムの等量
配合による相乗効果が顕著に現れたことを示すものであ
る。このゲル強度と歪み率の関係は、ゼリー食品の粘弾
性を表すもので、蒟蒻ゼリーのような粘弾性の強いゼリ
ー食品では、ゲル強度が100g以上となり、同時に歪み率
も10%以上となる。キサンタンガム及びローカストビー
ンガムを2対8〜8対2の範囲となるように配合する
と、蒟蒻ゼリーのような粘弾性の強いゲル化物となるこ
とが判った。また、これらの結果から、キサンタンガム
とローカストビーンガムの配合比率を変化させることに
より、嗜好性に合わせて、ゼリー食品の粘弾性を容易に
コントロールできることも判明した。
【0017】
【試験例2】(ゲル状態の測定試験)キサンタンガムと
ローカストビーンガム及びジェランガムを表2に示す配
合比率で混合し、試験例1にしたがって、このゲル化剤
混合物を加水して溶解し80℃に加熱してゾル状物を形成
させ、これに乳酸カルシウム0.2 重量%を添加した後直
径70mm×高さ35mmの容器に110ml づつ充填し、-20 ℃の
冷凍庫に4時間静置して凍結をした。凍結したゲル化物
を20℃下に5時間放置して解凍し、ゲル化物試料を調製
した。上記の方法で得られたゲル化物試料について、試
験例1と同様にしてゲル強度と歪み率の測定試験を行な
った。その測定結果を併せて図3に示す。尚、図3の斜
線部分は、一般的な蒟蒻ゼリーのゲル強度と歪み率の範
囲を示している。
【0018】
【表2】
【0019】図3から明らかなように、キサンタンガム
とローカストビーンガムを等量宛配合し、かつジェラン
ガムの配合量が 0.3重量%であり、キサンタンガムとロ
ーカストビーンガムの合計配合量より少ない量である場
合には蒟蒻ゼリーと同様なゲル強度と歪み率、すなわち
粘弾性を有しているゼリー食品となっていることが判
る。しかし、ジェランガムの配合量がキサンタンガムと
ローカストビーンガムの合計配合量を超えて配合された
り、0.3 重量%を超えると、ジェランガムの硬くて脆い
性質が顕著になり、本発明が目的とする粘弾性を有する
ゼリー食品となっていない。
【0020】
【試験例3】(ゲル状態の測定試験)キサンタンガムと
ローカストビーンガム及びジェランガムを表3に示す配
合比率で混合し、試験例1にしたがって、このゲル化剤
混合物を加水して溶解し80℃に加熱してゾル状物を形成
させ、これに乳酸カルシウム0.2 重量%を添加した後直
径70mm×高さ35mmの容器に110ml づつ充填し、-20 ℃の
冷凍庫に4時間静置して凍結した。凍結したゲル化物を
20℃下に5時間放置して解凍し、ゲル化物試料を調製し
た。
【0021】
【表3】
【0022】上記の方法で得られたゲル化物試料を、容
器の中心部で厚さ約5mmに切り出した後、シャーレ(透
明プラスチック製)に入れ、下から光を当てた時に形成
される影を上面から撮影してゲルの状態を観察した。そ
の撮影したゲルの状態の写真を図4に示す。この図4に
よると、(a) のキサンタンガム及びローカストビーンガ
ムのみで調製したゲル化物は、凍結解凍による組織化が
認められないが、(b)〜(d) のジェランガムを配合した
ゲル化物は、内部に亀裂が入り、ジェランガムの配合量
が多くなるにつれて、ゲル化物内の亀裂も多くなる傾向
にあることが判る。これらのゲル化物について摂食試験
をすると、口中の応力で亀裂から容易に崩れ、亀裂の多
いものほど、より細分化される食感を示した。
【0023】
【試験例4】(ゲル化物の細分化状態の測定試験)キサ
ンタンガムとローカストビーンガム及びジェランガムを
表4に示す配合比率で混合し、試験例1にしたがって、
このゲル化剤混合物を加水して溶解し80℃に加熱してゾ
ル状物を形成させ、これに乳酸カルシウム0.2 重量%を
添加した後直径70mm×高さ35mmの容器に 110mlづつ充填
し、-20 ℃の冷凍庫に4時間静置して凍結した。凍結し
たゲル化物を20℃下に5時間放置して解凍し、ゲル化物
試料を調製した。
【0024】
【表4】
【0025】上記で得られたゲル化物試料を、容器の中
心部で厚さ約5mmに切り出した後、一定の力で握り潰
し、シャーレに入れて細分化された状態を撮影して観察
した。その撮影した写真を図5に示す。図5によると、
ジェランガムの配合量が多くなるほど、ゼリー食品の細
分化されるサイズが小さくなることが明らかである。す
なわち細分化されるサイズは、キサンタンガムとローカ
ストビーンガムの配合比率に依らず、ジェランガムの配
合量(濃度)にのみ依存していることが判った。このこ
とは、ジェランガムの配合量によって、外観上は同じで
あっても異なる食感を与えるゼリー食品、例えばライチ
や巨峰のような葡萄等の食感のゼリー食品を容易に調製
できることを示すものである。
【0026】以下に、本発明の実施例を示し、具体的に
説明する。
【実施例1】表5に示す配合表に基づきゼリー食品を調
製した。すなわち、表5に示す配合割合で水に液糖、キ
サンタンガム、ローカストビーンガム及びジェランガム
を分散し、80℃に加熱溶解してゾル状物を形成した。こ
のゾル状物に、乳酸カルシウム、クエン酸、果汁及びフ
レーバーを添加して撹拌し、ゼリー用ミックスを調製し
た。このミックス110gを容器に充填してシールし、-20
℃の冷凍庫で約4時間かけて凍結処理した。凍結処理後
常温下に3時間静置して解凍し、ゼリー食品を得た。こ
のゼリー食品を摂食すると、弾力性がありながらも口中
で容易に崩れ、巨峰のような食感を持つものであった。
【0027】
【表5】
【0028】
【実施例2】表6に示す配合でゼリー食品を調製した。
すなわち、表6に示す配合割合で水に液糖、キサンタン
ガム、ローカストビーンガム及びジェランガムを分散
し、100 ℃の湯煎中で加熱溶解してゾル状物を形成し
た。このゾル状物に、乳酸カルシウム、クエン酸、果汁
及びフレーバーを添加して撹拌し、ゼリー用ミックスを
調製した。このミックス110gを容器に充填してシール
し、5℃の冷蔵庫にて冷却ゲル化させた。その後、-15
℃の冷凍庫で約6時間かけて緩慢に凍結処理した。凍結
処理後常温下に3時間静置して解凍し、ゼリー食品を得
た。このゼリー食品を摂食すると、弾力性がありながら
も口中で容易に崩れ、ライチのような食感を持つもので
あった。
【0029】
【表6】
【0030】
【実施例3】表7に示す配合で、コーヒーゼリー食品を
調製した。すなわち、表7に示す配合割合で水に液糖、
キサンタンガム、ローカストビーンガム及びジェランガ
ムを分散し80℃に加熱溶解してゾル状物を形成させた。
このゾル状物に乳酸カルシウム、コーヒーエキス、粉末
コーヒー、フレーバー及び微量の消泡剤を添加して撹拌
し、コーヒーゼリー用ミックスを調製した。このミック
ス 90gを容器に充填してシールし、-30 ℃の冷凍庫で約
2.5時間かけて凍結処理した。凍結処理後5℃の冷蔵庫
で約5時間静置して解凍し、ゼリー食品を得た。このゼ
リー食品にコーヒー用ミルクをかけると、ゼリー食品内
部の亀裂部分にミルクが入り込んで幾何学模様を呈し、
新感覚のコーヒーゼリー食品となった。このコーヒーゼ
リー食品は、従来のコーヒーゼリー食品と比較すると、
ミルクがよく絡まり、風味的にも好ましいものであっ
た。
【0031】
【表7】
【0032】
【発明の効果】本発明のゼリー食品は、キサンタンガ
ム、ローカストビーンガム及びジェランガムの3種類の
ゲル化剤の特定量を特定比率で配合してゲル化させ、さ
らに凍結解凍法によってゲルを組織化するように調製し
たものであるから、粘弾性を有しながらも口中の応力で
容易に崩れ、細分化することができる。しかも、上記の
3種類のゲル化剤の配合比率を特定の範囲内で変更する
ことにより、粘弾性の強弱や細分化される大きさを容易
にコントロールできるので、嗜好に合わせて種々の食感
を有するゼリー食品を調製することができる。このよう
に、本発明は、従来のゼリー食品では得られなかった新
規な組織と食感を有するゼリー食品を提供するものであ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】ゲル化剤の配合量の変化によるゲル強度の変化
を示す。
【図2】ゲル化剤の配合量の変化による歪み率の変化を
示す。
【図3】ゲル化剤の配合比率を変化させたときのゲル強
度と歪み率の関係を示す。
【図4】ゲル化剤の配合量の変化によるゲルの状態の変
化を示す。
【図5】ゲル化剤の配合比率を変化させたときのゲルの
細分化されたサイズの変化を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4B041 LC05 LD01 LH07 LH16 LK02 LP16 LP25

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 キサンタンガム0.1 〜1.0 重量%、ロー
    カストビーンガム0.1 〜1.0 重量%及びジェランガム
    0.05 〜0.3 重量%を含有するゼリー食品であって、キ
    サンタンガム対ローカストビーンガムの含有比率が2対
    8〜8対2の範囲からなり、かつジェランガムの含有量
    がキサンタンガムとローカストビーンガムの合計含有量
    より少ないことを特徴とするゼリー食品。
  2. 【請求項2】 キサンタンガム0.1 〜1.0 重量%、ロー
    カストビーンガム0.1 〜1.0 重量%及びジェランガム0.
    05〜0.3 重量%を配合するゼリー食品の製造方法であっ
    て、キサンタンガム対ローカストビーンガムの配合比率
    を2対8〜8対2の範囲とし、かつジェランガムの配合
    量をキサンタンガムとローカストビーンガムの合計配合
    量より少ない量とし、これらのガムを混合して加水し、
    この混合液を加熱してゾル状物を形成させ、次いでこの
    ゾル状物に塩を添加して冷却によりゲル化させ、さらに
    凍結した後解凍することを特徴とするゼリー食品の製造
    方法。
JP03905499A 1999-02-17 1999-02-17 ゼリー食品及びその製造方法 Expired - Fee Related JP3433201B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP03905499A JP3433201B2 (ja) 1999-02-17 1999-02-17 ゼリー食品及びその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP03905499A JP3433201B2 (ja) 1999-02-17 1999-02-17 ゼリー食品及びその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2000236823A true JP2000236823A (ja) 2000-09-05
JP3433201B2 JP3433201B2 (ja) 2003-08-04

Family

ID=12542427

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP03905499A Expired - Fee Related JP3433201B2 (ja) 1999-02-17 1999-02-17 ゼリー食品及びその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3433201B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011167142A (ja) * 2010-02-19 2011-09-01 Fine Co Ltd 半固形化・嚥下補助食品及びその製造方法
CN113875955A (zh) * 2021-10-25 2022-01-04 宣城柏维力生物工程有限公司 一种高保水度耐咀嚼型果冻及其生产工艺

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011167142A (ja) * 2010-02-19 2011-09-01 Fine Co Ltd 半固形化・嚥下補助食品及びその製造方法
CN113875955A (zh) * 2021-10-25 2022-01-04 宣城柏维力生物工程有限公司 一种高保水度耐咀嚼型果冻及其生产工艺

Also Published As

Publication number Publication date
JP3433201B2 (ja) 2003-08-04

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2001045989A (ja) ゼリー状食品
CN113892610A (zh) 爆爆珠制品、含有爆爆珠的果酱、以及它们的制备方法
JP3563330B2 (ja) 粒状食品入り酸性ゾル状食品及びその製造法
JP2004222673A (ja) ヨーグルト及びその製造方法
JP3435079B2 (ja) 果肉様ゼリー
JP3433201B2 (ja) ゼリー食品及びその製造方法
JPS638742B2 (ja)
JP2000279106A (ja) ゲル状食品用ベース
JP2007074945A (ja) 吸い口付き密封容器入りゼリー状食品及びその製法
JPH0759524A (ja) ゼリー様食品の製造方法
JP2001252032A (ja) 餅又は団子及びその製造方法
TWI823200B (zh) 用於膠凝食品的組成物以及具有多層且包含該組成物的膠凝食品
JP3619382B2 (ja) ゼリー食品及びその製造方法
JP3045477B2 (ja) ゼリー食品及びその製造法
JP2000093102A (ja) もち類または団子類の製造方法
JPS59187734A (ja) ゲル状発酵乳食品
JPS63283545A (ja) ゲル状食品の製造法
CN115606769B (zh) 一种低渗水率果冻及其制备方法
KR102636692B1 (ko) 젤라틴을 겔화제로 이용한 콜라겐 젤리의 제조방법
JP2733449B2 (ja) 新ゼリー食品、およびその製造方法
JP2000069917A (ja) ゼリー状食品
KR100573982B1 (ko) 과육 식감을 갖는 젤리상 디저트 식품 및 그의 제조 방법
JP3088952B2 (ja) ゼリー食品およびその製造方法
JPH09140339A (ja) 果肉食感ゼリーの製造法
JPH06181713A (ja) 梅干様食品及びその製造法

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090530

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100530

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100530

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110530

Year of fee payment: 8

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110530

Year of fee payment: 8

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120530

Year of fee payment: 9

R371 Transfer withdrawn

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R371

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120530

Year of fee payment: 9

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120530

Year of fee payment: 9

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120530

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130530

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130530

Year of fee payment: 10

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees